JP3103468B2 - 感熱性孔版原紙 - Google Patents

感熱性孔版原紙

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JP3103468B2
JP3103468B2 JP05251619A JP25161993A JP3103468B2 JP 3103468 B2 JP3103468 B2 JP 3103468B2 JP 05251619 A JP05251619 A JP 05251619A JP 25161993 A JP25161993 A JP 25161993A JP 3103468 B2 JP3103468 B2 JP 3103468B2
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薫 松久
和次 林
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アジア原紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドにより
熱穿孔製版される感熱性孔版原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱性孔版原紙をサ−マルヘッドによっ
て製版して印刷版をうるには、サーマルヘッドの発熱に
よって、多孔性支持体上に貼り合わされている熱可塑性
樹脂フィルムを熱溶融し、穿孔することによって行われ
る。したがって、サーマルヘッドと該フィルムとが熱融
着するのを防止せねばならない。
【0003】そこでこの熱融着を防止するために、該フ
ィルムの表面にステイック防止層が設けられている。そ
してこのステイック防止層に使用する材料としてはシリ
コーン樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤、ワックス、オ
イル、脂肪酸など各種のものが提案されている。
【0004】しかしながら、前記フィルムの熱溶融穿孔
性を阻害することなく、該フィルムがサーマルヘッドに
融着するのを防止し、サーマルヘッドのフィルムからの
剥離性をよくして、原紙の走行性を良好ならしめ、しか
もステイック防止層の材料がサーマルヘッドへ付着堆積
しないという相反する性能を充分に満足するものは未だ
えられていない。
【0005】たとえば、樹脂を用いるばあい、耐熱性が
高いと融着は防止できるが、前記フィルムの穿孔性が阻
害され、一方熱軟化性のものはサーマルヘッドに粘着
し、カスが溜る。
【0006】またシリコーンオイルは、前記フィルムに
対する濡れ性に乏しく、ハジキが発生して皮膜形成能に
劣り、さらにブリードやベトツキを生じる。
【0007】ところで最近印刷の鮮明度を向上するため
に、サーマルヘッドの発熱素子がより細密化されてきて
おり、これに対応する高感度の製版穿孔性を達成するた
め、前記フィルムとして融点の低いものを用いる傾向に
ある。
【0008】それに応じ、ステイック防止層としても、
熱溶融性、穿孔製版性と潤滑性、剥離性とが共に優れた
ものが強く要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生産
加工性がよく、サーマルヘッドで穿孔製版するにあたっ
て、ベトツキやサーマルヘッドへのカスの付着がなく、
かつ穿孔製版性とステイック防止性が共に優れた感熱性
孔版原紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせてなる感熱性孔
版原紙であって、前記熱可塑性樹脂フィルム表面に、
ルキルペンダント樹脂またはシリコーン−アクリルブロ
ック共重合樹脂と、カルボキシル変性シリコーンオイル
を含有するステイック防止層を設けたことを特徴とする
感熱性孔版原紙に関する。
【0011】
【作用および実施例】本発明は感熱性孔版原紙のステイ
ック防止層に、アルキルペンダント樹脂また はシリコー
ン−アクリルブロック共重合樹脂と、カルボキシル変性
シリコーンオイルを含有せしめることを特徴とするもの
である。
【0012】該カルボキシル変性シリコーンオイルはカ
ルボキシル基を有しているため、潤滑性、剥離性が優れ
ている。そのため該特定のシリコーンオイルを含有する
ステイック防止層はステイック防止性が優れ、サーマル
ヘッドへのカス付着も少ない。
【0013】さらに前記カルボキシル変性シリコーンオ
イルはステイック防止層を構成する樹脂成分との相溶性
もよく、またアルコール系溶剤などに対する溶解性も良
好である。アルコール系溶剤は、熱可塑性樹脂フィルム
を侵さず、濡れ性を向上し、ハジキを生じさせないの
で、溶剤組成に巾ができ、塗布性にすぐれた塗工液を調
製できる。そのため均質で薄いステイック防止層を形成
でき、穿孔製版性がすぐれたステイック防止層を形成で
きる。
【0014】本発明に用いるカルボキシル変性シリコー
ンオイルは分子中にカルボキシル基を有するポリシロキ
サンである。すなわち、ポリシロキサン分子中のケイ素
原子に結合しているアルキル基、フェニル基などの基に
含まれる水素原子の一部が、カルボキシル基で置換され
たものか、あるいはケイ素原子に結合している水素原子
またはアルキル基、フェニル基などの基がカルボキシル
基を有する基で置換された構造のポリシロキサンであ
る。
【0015】その好ましい例としては、たとえば一般式
(I):
【0016】
【化1】
【0017】[式中、R1、R2およびR3は独立に−C
3または−R4COOH(ここで、R4はメチレン基な
どの低級アルキレン基を表わす)を表わし、R1、R2
よびR3のうちの少なくとも一つはR4COOHであり、
p+q=2〜2000である]で示されるものがあげられ
る。式(I)において、
【0018】
【化2】
【0019】で表わされる2種の基はランダム結合して
いてもよく、ブロック結合していてもよい。
【0020】式(I)で示されるポリシロキサンにおい
て、分子中にR4COOHが含有される形態としては、
つぎの3形態があげられ、いずれであってもよい。 (A)両末端のR1およびR3が共にR4COOHである
もの。 (B)片末端のR1またはR3がR4COOHであるも
の。 (C)R2がR4COOHであるもの。
【0021】式(I)で示されるポリシロキサンとして
は数平均分子量が1,500 〜100,000程度のものが好まし
い。
【0022】式(I)で示されるポリシロキサン中にお
けるカルボキシル基の含有割合については、COOH当
量が600 〜5,000 程度、COOH基の含有率が3〜50モ
ル%程度であるのが好ましい。COOHの含有率が50モ
ル%を超えると、シリコーンオイルとしての性質が失な
われ、一方3モル%未満ではカルボキシル変性の効果が
充分に生じない傾向にある。
【0023】もとより本発明に使用できるカルボキシル
変性シリコーンオイルは式(I)で示されるものに限定
されるものではない。
【0024】本発明において、ステイック防止層中の前
記カルボキシル変性シリコーンオイルの含有量は0.5 〜
95重量%、なかんづく0.5 〜90重量%の範囲が好まし
い。カルボキシル変性シリコーンオイルの含有量が前記
範囲より少ないと、該シリコーンオイルが均一に分散さ
れたステイック防止層がえられず、該シリコーンオイル
に特有のステイック防止効果が充分に発揮されがたい。
一方含有量が前記範囲より多いと、ステイック防止層の
硬度が不足すると共に、熱可塑性樹脂フィルムに対する
固着強度が低く、さらにベタツキやサーマルヘッドへの
カスの付着が生じやすい。
【0025】なお、前記シリコーンオイルの含有量は、
ステイック防止層の他の成分の種類に応じて前記範囲内
で適宜変更するのが好ましい。
【0026】本発明におけるステイック防止層に混合す
る他の成分としては、皮膜形成能を有し、熱可塑性樹脂
フィルムに対して良好な接着性を有し、前記シリコーン
オイルを良好に保持する層を形成しうる樹脂成分があげ
られる。 前記樹脂成分としては、特開平4−17329
5号公報に記載されているアルキルペンダント樹脂、特
開平5−131772号公報に記載されているシリコー
ン−アクリルブロック共重合樹脂があげられる。 前記樹
脂成分を使用するばあいは、R4COOHが含有される
形態が前記(C)であるシリコーンオイルが好ましい。
前記アルキルペンダント樹脂は、主鎖ポリマーに長鎖ア
ルキルを導入し、それがペンダント状に側鎖として存在
しているものである。長鎖アルキルとしては炭素数が10
〜22個、なかんづく炭素数15〜20個のものが好ましい。
【0027】前記アルキルペンダント樹脂は、(1)末
端に官能基を有する長鎖アルカンと該官能基と反応しう
るビニル化合物との反応でビニル基を有する長鎖アルキ
ル誘導体を製造し、それを重合させる方法、および
(2)官能基を有するポリマーに、末端に官能基を有す
る長鎖アルカンを反応させる方法により製造することが
できる。
【0028】ビニル基を有する長鎖アルキル誘導体をう
るには、エステル結合、ウレタン結合、エーテル結合、
アミド結合、尿素結合などを形成する反応が利用でき
る。
【0029】たとえばアクリル酸またはメタクリル酸と
高級アルコールをエステル化反応させて長鎖アルキルア
クリレートまたはメタクリレートがえられる。このばあ
いに用いられる高級アルコールとしてはたとえばラウリ
ルアルコール、セチルアルコール、ペンタデカノール、
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどがあげ
られる。片末端に官能基を有する長鎖アルカンに、エス
テル化反応以外にもエーテル化反応、アミド化反応、ウ
レタン化反応などによってもビニル基を導入することが
できる。
【0030】そしてこれらのモノマーを常法にしたがっ
て重合させればアルキルペンダント樹脂がえられる。そ
の際、1種類だけのモノマーからホモポリマーを製造し
てもよいし、2種以上の長鎖アルキル誘導体、あるいは
メチルアクリレートのごとき共重合しうる2重結合をも
ち、長鎖アルキル基を有さない他のモノマーを加えて共
重合体を製造してもよい。
【0031】また官能基を有するポリマーと片末端官能
性長鎖アルカンをエステル化反応、エーテル化反応、ア
ミド化反応、尿素化反応、ウレタン化反応などによりア
ルキル置換しアルキルペンダント樹脂をうることもでき
る。たとえば、ポリビニルアルコールにアルキルイソシ
アネートを反応させればウレタン結合により水酸基部が
アルキルペンダント化される。
【0032】前記アルキルペンダント樹脂の分子量は好
ましくは数平均分子量約2千〜10万であり、さらに好ま
しくは約8千〜5万である。分子量が大きすぎると溶剤
溶解性が減少し、溶液化が困難となり、反対に小さすぎ
ると膜強度が小さくなる。
【0033】また、前記長鎖アルキルペンダント樹脂に
おいて長鎖アルキル基を有するモノマー単位は該ポリマ
ーを構成するモノマーの70モル%以上を占めていること
が好ましい。それ以下では側鎖としてのペンダント状の
アルキル基が規則的に表面に配列しがたくなって、その
特徴を充分に発現させることができない。
【0034】前記シリコーン−アクリルブロック共重合
樹脂は、一般式(II):
【0035】
【化3】
【0036】[式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 はメチル基、エチル基、フェニル基または
【0037】
【化4】
【0038】(式中、R5 は水素原子、炭素数10以下の
直鎖状または分枝状のアルキル基またはフェニル基、R
6 はメチル基、エチル基またはフェニル基、mは1以上
の整数を表す)、R3は水素原子、炭素数10以下の直鎖
状または分枝状のアルキル基またはフェニル基、R4
メチル基、エチル基またはフェニル基、nは1以上の整
数を表す]および(または)一般式(III):
【0039】
【化5】
【0040】(式中、R1,R2,R3およびnは前記と
同じ)で表される化合物の1種または2種以上の混合物
にもとづく構成単位10〜80重量%と、一般式(IV):
【0041】
【化6】
【0042】[式中、R1は水素原子またはメチル基、
7は水素原子、グリシジル基、炭素数20以下の直鎖状
または分枝状のアルキル基または直鎖状または分枝状の
ヒドロキシアルキル基(ただしヒドロキシル基は1級、
2級いずれの炭素についていてもよい)を表わす]およ
び(または)一般式(V):
【0043】
【化7】
【0044】(式中、R8は炭素数20以下の直鎖状また
は分枝状のアルキル基を表す)で表される化合物の1種
または2種以上の混合物にもとづく構成単位20〜90重量
%とからなるポリシロキサン基含有共重合体部分A、な
らびに一般式(IV)および(または)一般式(V)で
表される化合物の1種または2種以上の混合物からなる
重合体部分BとのA−B型ブロック共重合体である。
【0045】一般式(II)または(III)で表わさ
れる化合物は、いずれもアクリル酸またはメタクリル酸
とポリシロキサンとがエステル結合した化合物であっ
て、その数平均分子量は300 〜50,000のものが好まし
く、なかでも1,000 〜30,000の範囲のものがより好まし
い。
【0046】A部分を構成する化合物群のうち前記一般
式(IV)で表わされる化合物は(メタ)アクリル酸ま
たは(メタ)アクリル酸の飽和アルキル、ヒドロキシ飽
和アルキル、グリシジルエステルから選ばれるもので、
たとえばアクリル酸、アクリ酸2-エチルヘキシル、アク
リル酸n-ブチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸
グリシジル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピルなどがあげられる。
【0047】前記一般式(V)で表わされる化合物は炭
素数21以下の飽和脂肪酸のビニルエステルであって、た
とえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、
吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、
ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
【0048】前記A部分は、好ましくは前記一般式(I
I)および(または)一般式(III)で表わされる化
合物群の1種または2種以上にもとづく重合体部分10〜
80重量%、前記一般式(IV)および(または)一般式
(V)で表わされる化合物群の1種または2種以上にも
とづく重合体部分90〜20重量%からなる共重合体であ
る。
【0049】前記一般式(II)および(または)一般
式(III)の化合物にもとづく重合体部分が前記範囲
未満では、ポリシロキサン部分にもとづく低摩擦性、離
型性などの特性が充分に発現しない。一方、前記範囲を
超えるとフィルムとの密着性が低下する。
【0050】前記B部分を構成する一般式(IV)およ
び(V)の化合物はA部分の説明のところに記載した一
般式(IV)および(V)の化合物と同じである。
【0051】前記A−B型ブロック共重合体はA部分が
該ブロック共重合体の25〜90重量%、B部分が75〜10重
量%の範囲のものが好ましい。A部分が前記範囲未満で
はポリシロキサン部分にもとづく前記特性が充分に発現
せず、前記範囲を超えると密着性が低下する。
【0052】前記A−B型ブロック共重合体の分子量
は、テトラヒドロフランを用いてゲルバーミエションク
ロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均
分子量で4,000 〜100,000 の範囲が好ましい。分子量が
4,000 に満ないと皮膜強度が弱くなる。分子量が100,00
0 を超えるとA部分の表面配向性が低下し、ポリシロキ
サン部分にもとずく低摩擦性、離型性などの特性が充分
に発現しない。
【0053】前記A-B 型ブロック共重合体は公知の方法
により、たとえばポリメリックペルオキシドを開始剤と
して2段重合してえられる。
【0054】本発明におけるステイック防止層には、そ
の他必要に応じて帯電防止剤などの配合剤を添加でき
る。
【0055】本発明におけるステイック防止層は、前記
カルボキシル変性シリコーンオイル、樹脂成分、必要に
よりその他の配合剤を適当な溶剤、たとえばメチルエチ
ルケトン、トルエン、イソプロピルアルコールなどの単
独または混合物に溶解し、えられた塗工液を多孔性支持
体に貼り合わされた熱可塑性樹脂フィルムの表面に塗
布、乾燥することによって形成できる。
【0056】ステイック防止層の塗布量(乾燥後塗布
量、以下同様)は、穿孔製版に使用するサーマルヘッド
の熱量によっても異なるので一概には決められないが、
通常で0.001 〜0.2 g/m2、とくに0.005 〜0.05g/
2の範囲が好ましい。塗布量が前記範囲未満では充分
なステイック防止効果がえられず、原紙の走行性がわる
くなる。前記範囲を超えるとサーマルヘッドへのカスの
付着が多くなり穿孔にむらが生じる。本発明におけるス
テイック防止層はこのように薄くても均一な塗膜が形成
でき、それにより穿孔性を阻害しないという特徴があ
る。
【0057】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどのホモポリ
マーやそれらの共重合体のフィルムがあげられ、厚さが
1〜6μの2軸延伸フィルムが好ましい。
【0058】本発明に用いられる多孔性支持体として
は、マニラ麻、こうぞ、みつまた、パルプなどの天然繊
維、ポリエステル、ビニロン、ナイロンなどの合成繊
維、レーヨンなどの半合成繊維からなるものがあげら
れ、これら繊維は単独または混合して使用できる。多孔
性支持体は坪量6〜14g/m2、厚さ15〜55μmの範囲
のものが好ましい。
【0059】前記熱可塑性樹脂フィルムと前記多孔性支
持体とを貼り合わせるのに使用される接着剤としては、
酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂などの樹脂を主成分とするものがあげられる。
【0060】つぎに実施例および比較例をあげて本発明
を具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例の
みに限定されるものではない。
【0061】実施例1〜および比較例1〜 融点 230℃以下の共重合ポリエステルフィルム(厚さ1.
9 μmの2軸延伸フィルム)と坪量12g/m2、厚さ40
μmの典具帖紙を、ポリエステル樹脂を主成分とする接
着剤を用いて貼り合せた。その際接着剤は溶剤希釈で濃
度調整し、その乾燥後の塗布量が約0.6 g/m2となる
ように前記ポリエステルフィルムに塗布し、その上に典
具帖紙をウェットラミネート法で貼り合せた。
【0062】つぎに前記ポリエステルフィルムの表面に
表1に示す組成、塗布量のステイック防止層を形成し、
感熱性孔版原紙を製造した。ステイック防止層の形成
は、表1に示すステイック防止層成分の全量 100重量部
を1000重量部の溶剤(トルエン/メチルエチルケトンま
たはトルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアル
コール混合溶剤を使用)に溶解した塗工液を塗布、乾燥
することによって行なった。
【0063】その際、ステイック防止層用塗工液の塗布
性およびえられたステイック防止層の密着性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0064】塗布性:塗工液の濡れ不足、泡の発生、ハ
ジキ、塗布ムラなどを、えられた塗膜(ステイック防止
層)におけるピンホール、クラック、ゆず肌、スジなど
の欠陥の有無で判断した。 A:欠陥がなく均質な塗膜がえられるもの。 B:欠陥が認められるもの。 C:欠陥がひどいもの。
【0065】密着性:塗膜面への貼着テープの貼り付け
および引き剥がし、原紙の手もみ、折り曲げを行ったの
ちの塗膜の状態を観察して評価した。 A:塗膜にひびわれ、剥離のないもの。 B:塗膜にひびわれ、剥離が一部認められるもの。 C:塗膜にひびわれ、剥離が全体的に生じたもの。
【0066】つぎにえられた各感熱性孔版原紙を用い、
16ドットサーマルヘッドを備えた製版印刷機(ゲステッ
トナーCD760)で、原稿として画像電子学会のファ
クシミリテストチャ−トNo.2およびカラーテストチャー
トNo.11 を用いて製版を行い、つぎの項目について評価
した。結果を表2に示す。
【0067】走行性:原紙の製版時の、原紙のカット長
さ、原紙の穿孔画像部の長さを測定し、原紙の送り量よ
り判断した。 A:カット長さが所定長さで、画像部長さが原稿と同じ
もの。 B:カット長さ、画像部長さが0.3 %未満短かくなった
もの。 C:カット長さ、画像部長さが0.3 %以上短かくなった
もの。
【0068】ステイック防止性:製版原紙の穿孔部の状
態を顕微鏡で観察して判断した。 A:穿孔エッジ部に乱れがなく、かつフィルム剥離がな
いもの。 B:穿孔エッジ部に乱れが見られるもの。 C:フィルム剥離が見られるもの。
【0069】耐ヘッド汚染性:連続1000版製版印刷し
て、製版前後のサーマルヘッド表面の汚れの有無および
第1版面と第1000版面の印刷物の鮮明度の差を評価し
た。 A:印刷鮮明度に差がなく、ヘッド表面に汚れが見られ
ないもの。 B:印刷鮮明度に影響はないが、ヘッド表面に堆積物が
あったもの。 C:ヘッド表面に堆積物が多く、印刷物に未製版部分に
よる白抜けが生じたもの。
【0070】穿孔印刷性:印刷物のインク濃度、画像の
太り、細り、ニジミ、かすれ、トビ(細線部分の欠け)
を目視評価した。 A:原稿に忠実できわめて鮮明なもの。 B:鮮明であるが、わずかに太りの部分があるもの。 C:細線のかすれ、トビがあるもの。 D:全体に欠陥があり、ボソツキ(画像部のエッジがシ
ャープでないいもの)の多いもの。
【0071】
【表1】
【0072】*1:一方社油脂工業(株)製ピーロイル
81、長鎖アルキルアクリレート−マレイミド共重合体 2:特開平5−131772号公報の合成例6に記載さ
れているシリコーン−アクリルブロック共重合体[次
式:
【0073】
【化8】
【0074】で示される化合物(数平均分子量10×1
03)18部(重量部、以下同様)、メタクリル酸メチル6
部およびメタクリル酸n-ブチル6部からなるポリシロキ
サン基含有共重合体部分Aと、メタクリル酸メチル160
部、アクリル酸n-ブチル180 部およびアクリル酸2-ヒド
ロキシエチル60部からなる重合体部分BとからなるA−
B型ブロック共重合体であって、数平均分子量39×1
03、共重合体中のA部分の割合49重量%のもの] 3:三菱化成(株)製YS710A 4:東洋紡績(株)製バイロン200 5:東レ(株)製SE5004 6:東レ(株)製SR2411 7:東亜合成化学工業(株)製YS710、アクリル系
ポリマーにポリシロキサン鎖がグラフトした構造のもの 8:信越シリコーン(株)製X−22−3701E、前
記一般式(I)において、R1およびR3が−CH3、R2
が−R4COOHのものであって、数平均分子量が8
万、COOH当量が3,800 、COOH含有率が4.75モル
%のもの 9:東芝シリコーン(株)製TSF451 10:信越シリコーン(株)製X−22−160A 11:東芝シリコーン(株)製TSF4420 12:東レ(株)製SF8417 13:東芝シリコーン(株)製TSF4300
【0075】
【表2】
【0076】表2に示される前記実施例1〜の結果か
ら明らかなごとく、本発明におけるアルキルペンダント
樹脂またはシリコーン−アクリルブロック共重合樹脂
と、カルボキシル変性シリコーンオイルを含有するステ
イック防止層用の塗工液は塗布性に優れ、それからえら
れたステイック防止層は熱可塑性樹脂フィルムとの密着
性に優れ、該融着防止層を有する本発明の感熱性孔版原
紙はステイック防止性、走行性、溶融穿孔性、耐ヘッド
汚染性のいづれにも優れ、忠実な穿孔で鮮明な印刷物を
与える優れたものであることがわかる。
【0077】また実施例2、4と比較例8との対比から
明らかなごとく、カルボキシル変性シリコーンオイルと
アルキルペンダント樹脂、シリコーン−アクリルブロッ
ク共重合樹脂との組合せのばあいに耐ヘッド汚染性にと
くに好結果がえられている。
【0078】また、比較例1〜7の結果から明らかなご
とく、カルボキシル変性シリコーンオイル以外のシリコ
ーンオイル、変性シリコーンオイルを含有するステイッ
ク防止層のばあいはほぼすべての評価項目において劣っ
た結果がえられる。
【0079】
【発明の効果】本発明の感熱性孔版原紙は生産加工性が
よく、ステイック防止性、走行性、溶融穿孔性、耐ヘッ
ド汚染性に優れており、これからえられた印刷板からは
鮮明な印刷物がえられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体と
    を貼り合わせてなる感熱性孔版原紙であって、前記熱可
    塑性樹脂フィルム表面に、アルキルペンダント樹脂また
    はシリコーン−アクリルブロック共重合樹脂と、カルボ
    キシル変性シリコーンオイルを含有するステイック防止
    層を設けたことを特徴とする感熱性孔版原紙。
JP05251619A 1993-10-07 1993-10-07 感熱性孔版原紙 Expired - Lifetime JP3103468B2 (ja)

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