JP3102805B2 - 図形出力装置 - Google Patents

図形出力装置

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JP3102805B2 JP03198892A JP19889291A JP3102805B2 JP 3102805 B2 JP3102805 B2 JP 3102805B2 JP 03198892 A JP03198892 A JP 03198892A JP 19889291 A JP19889291 A JP 19889291A JP 3102805 B2 JP3102805 B2 JP 3102805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は出力画像のエッジ部のギ
ザギザを除去するためのアンチエイリアシング処理を実
行する図形出力装置に関し、より詳細には、アンチエイ
リアシング処理を施した画像データを効果的に出力する
図形出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ・グラフィクスの分野で
は、その出力媒体であるCRTに画像を表示する際、そ
の表示画像をより美しくするためにアンチエイリアシン
グ処理という手法が用いられている。
【0003】この処理は、第66図(a)に示すような
階段上のギザギザ部分(エイリアスと呼ばれる)に輝度
変調をかけ、視覚的に表示画像を第66図(b)に示す
ように滑らかにするものである。
【0004】また、アンチエイリアシング処理後のデー
タを出力する方法として多値カラー・レーザープリンタ
ーがあり、その駆動方法としては、パワー変調方式、パ
ルス幅変調方式が一般的である。
【0005】また、ドットマトリクスフォーマットの2
値画像データを入力して、該2値画像データを小領域に
分けてパターン認識し、補正(アンチエイリアシング処
理)を行うことによって表示を向上させる装置が特平昭
2−112966号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パワー
変調方式にて静電潜像を形成する多値プリンターでは、
第67図(a)に示すように副走査方向に延びた図形エ
ッジの画素潜像が上下の画素潜像と離れてしまうという
問題点があった。
【0007】また、パルス幅変調方式にて静電潜像を形
成する多値プリンターでは、第67図(b)に示すよう
に主走査方向にのびた図形のエッジの画素潜像が隣の画
素潜像と離れてしまい画像の連続性がなくなり、アンチ
エイリアシング処理の効果が減殺されてしまうという問
題点もあった。
【0008】また、アンチエイリアシング処理を実行し
てレーザービームプリンターにより出力すると、薄く輝
度変調された画素は、特に、その印字面積が小さいと、
その濃度がうまく印字されないという問題点もあった。
【0009】更に、特平昭2−112966号公報にお
いても、画像の連続性がなくなり、アンチエイリアシン
グ処理の効果が減殺されてしまうという問題点があっ
た。
【0010】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、画像の連続性を確保し、アンチエイリアシング処理
の効果を高めることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エイ
リアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシング処理
手段と、該アンチエイリアシング処理手段により、アン
チエイリアシング処理された画像データを多値に変換し
て出力するパルス幅変調書込部及びパワー変調書込部と
を有する画像出力手段とを備えた図形出力装置におい
て、前記ベクトルの傾きが縦線か、横線かを判定する第
1の判定手段と、該第1の判定手段により縦線と判断し
た場合に、処理対象であるエッジが右側エッジか、左側
エッジかを判定する第2の判定手段と、該第2の判定手
段により左エッジと判断した場合に、前記パルス幅変調
書込部を選択してパルスの出力開始位置を指定する指定
手段とを備え、前記第1の判定手段により横線と判断し
た場合には、前記パワー変調書込部を選択する図形出力
装置を提供するものである。ここで、前記第1の判定手
段は、ベクトルの傾きが45度以上か、45度以下かに
より縦線、横線を判定することが望ましい。
【0012】また、本発明は、ベクトル画像のエッジ部
のギザギザ(エイリアス)を滑らかに表現するアンチエ
イリアシング処理手段と、該アンチエイリアシング処理
手段により、アンチエイリアシング処理された画像デー
タを多値に変換して出力するパルス幅変調書込部及びパ
ワー変調書込部とを有する画像出力手段とを備えた図形
出力装置において、前記ベクトルの傾きが縦線か、横線
かを判定する第1の判定手段と、該第1の判定手段によ
り縦線と判断した場合に、処理対象であるエッジが右側
エッジか、左側エッジかを判定する第2の判定手段と、
該第2の判定手段により左エッジと判断した場合に、前
記パルス幅変調書込部を選択してパルスの出力開始位置
を指定する指定手段とを備え、前記第2の判定手段によ
り右エッジと判断した場合に、前記パルス幅変調書込部
を選択し、前記第1の判定手段により横線と判断した場
合には、前記パワー変調書込部を選択する図形出力装置
を提供するものである。
【0013】また、本発明は、ベクトル画像のエッジ部
のギザギザ(エイリアス)を滑らかに表現するアンチエ
イリアシング処理手段と、該ベクトルの傾きが横線であ
るか縦線であるかを判定する第1の判定手段と、該第1
の判定手段により、ベクトルの傾きが横線であると判定
した場合にはパワー変調で、ベクトルの傾きが縦線であ
ると判定した場合にはパルス幅変調で前記アンチエイリ
アシング処理手段により、アンチエイリアシング処理さ
れた画像データを出力する画像出力手段とを備えた図形
出力装置において、前記第1の判定手段が縦線であると
判定した場合に、前記ベクトル画像のエッジ部が右エッ
ジであるか、左エッジであるかを判定する第2の判定手
段と、該第2の判定手段が左エッジと判定した場合に、
前記パルスの印字開始位置を指定する指定手段と、前記
第1の判定手段が横線であると判定した場合に、前記画
像出力手段で出力されにくい画素濃度(最小濃度)を認
識する認識手段と、前記横線のエッジ部が上側である
か、下側であるかを判定する第3の判定手段と、前記認
識手段により認識された最小濃度以下に輝度変調された
横線の画素を印字せず、前記第3の判定手段が、上側エ
ッジと判定した場合には下側の画素濃度を大きくし、下
側エッジと判定した場合には上側の画素濃度を大きくす
るように制御する制御手段とを備えた図形出力装置を提
供するものである。また、前記第1の判定手段は、ベク
トルの傾きが45度以下であれば横線と判定し、45度
以上であれば縦線と判断することが望ましい。
【0014】また、本発明は、ベクトル画像のエッジ部
のギザギザ(エイリアス)を滑らかに表現するアンチエ
イリアシング処理手段と、該アンチエイリアシング処理
手段により、アンチエイリアシング処理された画像デー
タを多値に変換して出力するパルス幅変調書込部及びパ
ワー変調書込部とを有する画像出力手段とを備えた図形
出力装置において、前記パルス幅変調書込部によるパル
スの印字開始位置を指定する指定手段と、処理ピクセル
内の頂点を検知する頂点検知手段と、該頂点検知手段に
より検知された頂点の位置を検出する頂点位置検出手段
と、該頂点位置検出手段により頂点の検出位置に基づい
て前記パルス幅変調書込部或いはパワー変調書込部を選
択的に駆動する制御手段とを具備した図形出力装置を提
供するものである。
【0015】また、本発明は、ベクトル画像のエッジ部
のギザギザ(エイリアス)を滑らかに表現するアンチエ
イリアシング処理手段と、該アンチエイリアシング処理
手段により、アンチエイリアシング処理された画像デー
タを多値に変換して出力するパルス幅変調書込部及びパ
ワー変調書込部とを有する画像出力手段とを備えた図形
出力装置において、処理ピクセル内の頂点を検知する頂
点検知手段と、該頂点検知手段により検知された頂点が
画像の上下方向にあるか、左右方向にあるかを検出する
頂点位置検出手段と、該頂点位置検出手段によって前記
頂点が画像の上下方向にあると判断した場合に、パルス
の印字開始位置を指定する指定手段と、該指定手段によ
り指定された開始位置に基づき、パルス幅変調方式を選
択実行し、前記頂点位置検出手段によって前記頂点が画
像の左右方向にあると判断した場合に、パワー変調方式
を選択実行する制御手段を具備した図形出力装置を提供
するものである。
【0016】更に、本発明は、ドットマトリクスフォー
マットの2値画像データを入力し、前記2値画像データ
を小領域に分けてパターン認識し、アンチエイリアシン
グ処理を施した後、レーザーのパワー変調方式とパルス
幅変調方式とを組み合わせて潜像を形成する画像形成手
段により画像を形成する図形出力装置において、入力し
た2値画像データを記憶する画像記憶手段と、アンチエ
イリアシング処理に使用する2値の画素からなる画像要
素パターン、及び、アンチエイリアシング処理情報を予
め記憶したパターン情報記憶手段と、前記画像記憶手段
に記憶されている画像データから前記パターン情報記憶
手段に記憶されている画像要素パターンと同じ大きさ、
同じ形状の小領域パターンを抽出するパターン抽出手段
と、前記パターン抽出手段で抽出した小領域パターンと
前記パターン情報記憶手段に記憶されている画像要素パ
ターンとを比較するパターン比較手段と、前記小領域パ
ターンと前記画像要素パターンとが一致した場合に、該
当するアンチエイリアシング処理情報に基づいて、ドッ
ト形状修正信号を発生する修正信号発生手段とを備え、
前記修正信号発生手段のドット形状修正信号が、前記画
像形成手段を制御して前記小領域パターンの中心画素の
出力時のドット形状を修正する図形出力装置を提供する
ものである。
【0017】尚、前記画像要素パターンは、前記パター
ン抽出手段で抽出した小領域パターンが右エッジである
ことを判定するための右エッジ用パターンと、前記パタ
ーン抽出手段で抽出した小領域パターンが左エッジであ
ることを判定するための左エッジ用パターンと、前記パ
ターン抽出手段で抽出した小領域パターンが上エッジで
あることを判定するための上エッジ用パターンと、前記
パターン抽出手段で抽出した小領域パターンが下エッジ
であることを判定するための下エッジ用パターンと、前
記パターン抽出手段で抽出した小領域パターンが頂点を
含むことを判定するための頂点用パターンとからなるこ
とが望ましい。
【0018】
【作用】本発明(請求項1,2,3)の図形出力装置
は、レーザープリンターにおいて、アンチエイリアシン
グ処理結果を出力する際に、入力されたベクトルの傾き
が45度より大きければ、パルス幅変調方式(縦長のド
ット径)を用い、45度より小さければ、パワー変調方
式(横長のドット径)を用いるように濃度変調出力を実
行する。
【0019】また、本発明(請求項4,5)の図形出力
装置は、入力されたベクトルの傾きが45度より大きけ
れば輝度変調される画素は縦長に画像がかかっているの
で、縦長のドット形で位置制御を実行して、それを出力
し、45度より小さければ輝度変調される画素は横長に
画像がかかっているので、横長のドットを用いるように
濃度変調出力を実行する。但し、横長のドットは位置制
御ができないので、特に薄い濃度は、上下どちらかの画
像に続いている方向に隣接している画素の濃度を大きく
することによって表現する。
【0020】また、本発明(請求項6,7)の図形出力
装置は、レーザープリンターにおいて、アンチエイリア
シング処理結果を出力する際に、画像のエッジの傾きに
よって、その出力方式を切り換える。即ち、入力された
データが画像の頂点であった場合、該頂点が画像の上下
方向にあるものか、画像の左右方向にあるものかによっ
て印字方式を切り換える。より詳細には、上記画像の頂
点が画像の上下方向にあるものであれば、パルス幅変調
方式(縦長ドット)に頂点の座標を考慮した位置制御を
加えたものを用いて濃度変調出力を行い、上記画像の頂
点が画像の左右方向にあるものであれば、パワー変調方
式(横長ドット)を用いて濃度変調出力を実行する。
【0021】また、本発明(請求項8,9)の図形出力
装置は、パターン抽出手段で抽出した小領域パターンと
パターン情報記憶手段に記憶されている画像要素パター
ンとを比較し、一致した場合に該当するアンチエイリア
シング処理情報に基づいて、ドット形状修正信号を生成
し、更に、ドット形状修正信号に基づいて、パワー変調
方式とパルス幅変調方式とを組み合わせて画像形成を行
う。
【0022】
【実施例】以下、本発明の図形出力装置を、〔実施例
1〕、〔実施例2〕、〔実施例3〕、〔実施例4〕の順
に図面を参照して詳細に説明する。
【0023】〔実施例1〕先ず、実施例1の図形出力装
置について、図面に基づいて、実施例1の概要、画
像形成システムの概略構成、アンチエイリアシング処
理、PDLコントローラの構成及び動作、画像処理
装置の構成、多値カラー・レーザープリンターの構成
(多値カラー・レーザープリンターの現像部の構成及び
動作)、ドライバの多値駆動、具体的動作例の順で
詳細に説明する。
【0024】実施例1の概要 図1は実施例1よる図形出力装置におけるレーザー書込
部の周辺部を示す概略説明図である。実施例1、図示の
如き装置を用いて、複数の情報信号をレーザー書込部1
10に入力し、該レーザ書込部110がレーザーダイオ
ード111を制御して、その出力方法を切り換えるもの
である。例えば、ベクトルの傾きが45度以下の場合は
パワー変調方式により、傾きが45度以上の場合にはパ
ルス幅変調方式により感光体112へ出力する。
【0025】また、この装置は入力する情報として、 1.パワーデータnn 2.パルス幅データmm 3.パルス位置データxx を必要とする。この3種のデータは各々独立してレーザ
ー書込部110を制御する。
【0026】図2はパルス幅データmmによる潜像の形
成状態を示している(但し、xx=0、nn=7)。図
3はパルス位置データxxによる潜像の形成状態を示し
ている(但し、mm=1、nn=7)。図4はパワーデ
ータnnによる潜像の形成状態を示している(但し、m
m=7、xx=0)。
【0027】画像形成システムの概略構成 実施例1の画像形成システムは、DTP(デスク・トッ
プ・パブリッシング)から出力されるページ記述言語
(Page Description Language :以下、PDL言語と記
す)で記述されたベクトルデータと、画像読取り装置に
よって読み取られたイメージ画像との両方の画像情報の
画像形成を行える構成である。
【0028】以下、図5を参照して、実施例1の画像形
成システムの構成を説明する。画像形成システムは、P
DL言語(実施例1ではポストスクリプト言語を使用)
で記述された文書を作成するホストコンピュータ100
と、ホストコンピュータ100からページ単位で送られ
たきたPDL言語をアンチエイリアシング処理を施しな
がら、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のイメージ
画像に展開するPDLコントローラ200と、光学系ユ
ニットを介して画像情報を読み取る画像読取り装置30
0と、PDLコントローラ200、或いは、画像読取り
装置300から出力されるイメージ画像を入力して画像
処理(詳細は後述する)を施す画像処理装置400と、
画像処理装置400の出力する多値イメージデータを印
字する多値カラー・レーザープリンター500と、PD
Lコントローラ200、画像読取り装置300、画像処
理装置400、及び、多値カラー・レーザープリンター
500を制御するシステム制御部600とから構成され
る。
【0029】アンチエイリアシング処理 一般的に、アンチエイリアシング処理方法としては、以
下に示す方法が良く知られている。 i. 均一平均化法 ii. 重み付け平均化法 iii.畳み込み積分法 上記各方法を順に説明する。
【0030】i.均一平均化法 均一平均化法は、各ピクセル(画素)をN*M(N、M
は自然数)のサブピクセルに分解し、高解像度でラスタ
計算を行った後、各ピクセルの輝度をN*Mサブピクセ
ルの平均をとって求めるものである。図6(a)、
(b)を参照して、均一平均化法によるアンチエイリア
シング処理を具体的に説明する。
【0031】あるピクセルに画像の端がかかっている場
合(ここでは斜めの線の右下に画像がつながっているも
のとする)、アンチエイリアシング処理を行わないとき
は、同図(a)に示すように、このピクセルの輝度kid
には表示できる階調の最高輝度(例えば、256階調で
は kid=255)が割り当てられる。このピクセルにN
=M=7の均一平均化法によるアンチエイリアシング処
理を実施する場合、同図(b)に示すように、ピクセル
を7*7のサブピクセルに分解し、画像に覆われている
サブピクセル数をカウントする。そのカウント数(2
8)を1ピクセル中の全サブピクセル数(この場合、4
9)で割って規格化(平均化)したものを最高輝度(2
55)に掛け、そのピクセルの輝度を算出する。このよ
うに均一平均化法では、各ピクセルに画像がどのように
かかっているかを考慮にいれてそのピクセルの輝度を決
める。
【0032】ii.重み付け平均化法 重み付け平均化法は、均一平均化法を一部変更したもの
であり、均一平均化法が1ピクセル中のサブピクセルを
全て同じ重み(即ち、画像のかかっているサブピクセル
を単純にカウントする)で取り扱ったのに対して、重み
付け平均化法は各サブピクセルに重みをもたせ、画像が
どのサブピクセルにかかっているかでそのサブピクセル
の輝度kid への影響が異なるようにしている。尚、この
際の重みはフィルターを用いて付与する。
【0033】図7(a)、(b)を参照して、図6
(a)と同じ画像データに、同じ分割法(N=M=7)
で重み付け平均化法を実施した例を示す。図7(a)
は、フィルター(ここでは、conefilter)の特性を示
し、対応するサブピクセルにこの特性と同じ重みが与え
られる。例えば、右上角のサブピクセルの重みは2であ
る。各サブピクセルに画像がかかっていた場合、フィル
ター特性より与えられた重みの値がそのサブピクセルの
カウント値となる。同図(b)には、サブピクセルの重
みの違いによってかかった画像の表示パターンを変えて
示してある。この場合、重みを付けて画像のかかったサ
ブピクセルをカウントすると、199となる。この値
を、均一平均化のときに対応してフィルターの値の合計
(この場合、336)で割って平均化し、最高輝度に掛
けて、このピクセルの輝度を算出する。尚、フィルター
としては、図8(a)、(b)、(c)、(d)に示す
フィルターが知られている。
【0034】iii.畳み込み積分法 畳み込み積分法は、1つのピクセルの輝度を決定するに
あたり、その周りのピクセルの様子も参照する方法であ
る。即ち、輝度を決定しようとする1ピクセルの周り
N’×N’ピクセルを、均一平均化法或いは重み付け平
均化法のピクセルに対応するものと考える。図9は3×
3ピクセル参照の畳み込み積分法を示す。この図で、輝
度を決定しようとしているピクセルを51で示す。画像
は斜めの線の右下に続いており、黒く塗ったサブピクセ
ルがカウントされるサブピクセルである。各ピクセル
は、4*4に分割されている。従って、この場合はフィ
ルターとして12*12のものを用いることになる。こ
の方法はベクトル画像に含まれる高周波成分を除去する
効果がある。
【0035】一方、パーソナルコンピュータを用いた出
版システム、所謂、DTP(デスク・トップ・パブリッ
シング)の普及に伴い、コンピュータ・グラフィクスで
扱うようなベクトル画像を印字するシステムが広く使わ
れるようになっている。その代表的なものとして、例え
ば、アドビ社のポスト・スクリプトを用いたシステムが
ある。ポスト・スクリプトは、ページ記述言語の言語ジ
ャンルに属し、1枚のドキュメントを構成する内容につ
いて、その中に入るテキスト(文字部分)や、グラフィ
ックス、或いは、それらの配置や体裁までを含めたフォ
ームを記述するためのプログラミング言語であり、この
ようなシステムでは、文字フォントとしてベクトルフォ
ントを採用している。従って、文字の変倍を行っても、
ビットマップフォントを使用したシステム(例えば、従
来のワードプロセッサ等)と比べて、格段に印字品質を
向上させることができ、また、文字フォントとグラフィ
ックとイメージを混在させて印字することができるとい
う利点がある。
【0036】しかしながら、従来のアンチエイリアシン
グ処理方法及びその装置によれば、1つのピクセルを複
数のサブピクセル(例えば、49個のサブピクセル)に
分割して、塗りつぶされるサブピクセルの個数をカウン
トして面積率(輝度)を算出するため、面積率の計算に
時間がかかり、表示速度或いは印字速度の向上の妨げに
なるという問題点があった。特に、畳み込み積分法は、
計算量が多いのと複数のピクセルに影響が及ぶので処理
速度の向上を図りにくいという問題点があった。
【0037】上記に鑑みて、以下に示すようなサブピク
セル分割及び塗りつぶし個数のカウントを行うことな
く、且つ、高速に面積率を求めるアンチエイリアシング
手法も提案されている。
【0038】iv.エッジ部画素の近似面積率を得る方
法 このアンチエイリアシング処理方法は、エッジ部画素を
所定の直線群で分割した場合のベクトルデータと所定の
直線群との交点の有無、及び、エッジの種類に基づい
て、該エッジ部画素の近似面積率を得るものである。以
下、図10及び図11を参照して、交点の有無、及び、
エッジの種類から近似面積率を得る方法を詳細に説明す
る。
【0039】ベクトルデータによって与えられる直線L
1 (以下、ベクトル直線L1 と記載する)と、副走査方
向yの各ラインy0 ,y1 ,y2 とが、図10(a)に
示すように、交点x0 ,x1 ,x2 で交わる場合、この
ベクトル直線L1 の方程式は、例えば、これら2点(x
0 ,y0 ),(x1 ,y1 )から数1に示す式(1)で
表すことができる。
【0040】
【数1】
【0041】一方、画素Pに注目して、新たなx’y’
座標系を設定し、図10(b)に示すように、該画素P
を直線l1 ,l2 ,l3 ,l4 ,l5 ,l6 ,l7 ,l
8 の8つの直線(以下、分割直線と記す)で分割する。
ここで、各直線の方程式は、数2に示す式(3)〜(1
0)で表される。
【0042】
【数2】
【0043】前述の式(1)で求めたベクトル直線L1
の方程式が、数3に示す式(2)であると仮定すると、
このベクトル直線L1 と画素Pを分割する分割直線
1 ,l2 ,l3 ,l4 ,l5 ,l6 ,l7 ,l8 との
交点の座標はそれぞれ表1の通りである。
【0044】
【数3】
【0045】
【表1】
【0046】ここで、x’y’座標系における画素Pの
x’及びy’の範囲は、0≦x’≦1、0≦y’≦1で
あり、従って、この画素Pの範囲内で交点が存在するの
は、分割直線l3 ,l4 ,l8 の3つの分割直線とな
る。逆に、この画素Pの範囲内で上記3つの分割直線l
3 ,l4 ,l8 のみと交点を有するベクトル直線の方程
式は、図11(a)に示すようにその交点をA及びBと
すると、
【0047】交点Aの座標は( 1/3<x’≦ 2/3,y’
=1)交点Bの座標は(x’=1,2/3<y’<1)の
範囲を必ず通過するこになる。このため、該3つの分割
直線l3 ,l4 ,l8のみと交点を有するベクトル直線
によって分割される画素Pの面積率は何れも近い値を示
し、換言すれば、所定の分割直線群と交点を有するベク
トル直線群を1つの集合とした場合、該集合のベクトル
直線群によって分割される画素Pの面積率は所定の範囲
の似かよった面積率を示す。従って、ベクトル直線と分
割直線l1 ,l2 ,l3 ,l4 ,l5 ,l6 ,l7 ,l
8 との交点情報によって分類した集合の個々の面積率
は、1つの面積率に近似することができる。
【0048】そこで、このアンチエイリアシング処理方
法では、交点情報と、更に、左右何れのエッジかを示す
エッジ情報とに基づいて、ベクトル直線の集合を作成
し、予め、該集合毎に近似面積率を求めて、例えば、図
11(b)に示すような、交点情報,エッジ情報,及
び,近似面積率からなるLUT(LookUp Table)を作成
する。その後、アンチエイリアシング処理を実施する際
に、サブピクセル分割を行ってエッジ部画素の面積率を
演算するのに換えて、交点情報とエッジ部情報に基づい
て、LUTから該当する近似面積率を入力してエッジ部
画素の出力調整を行うようにしたものである。
【0049】図11(b)に示したLUTにおいて、エ
ッジ情報フラグは、左エッジフラグ=1で右エッジフラ
グ=0のとき、左エッジを示し、左エッジフラグ=0で
右エッジフラグ=1のとき、右エッジを示す。また、左
エッジフラグ=右エッジフラグ=1のときは、同図
(c)に示すような頂点を表し、分割直線フラグ=1の
とき、それぞれの分割直線l1 ,l2 ,‥‥‥l8 とベ
クトル直線とが交差している(即ち、交点がある)こと
を示している。LUTのデータD1 の条件で考えられる
直線を示したのが同図(c)であり、データD1 は同時
に同図(c)に示す斜線部分の近似面積率を情報として
備えている。同様にLUTのデータD2 の条件で考えら
れる直線を示したのが同図(d)であり、データD2
同図(d)に示す斜線部分の近似面積率を情報として備
えている。従って、例えば、同図(c)のベクトル直線
の面積率を求める場合、該ベクトル直線と分割直線
1 ,l2 ,‥‥‥l8 との交点を求め、次にPDLの
仕様によって求められるエッジ情報を用いてエッジが左
エッジか、右エッジかを判定し、これら交点情報とエッ
ジ情報に基づいて、LUTから該当する近似面積率を得
る。
【0050】PDLコントローラの構成及び動作 図12は、PDLコントローラ200の構成を示し、ホ
ストコンピュータ100から送られてきたPDL言語を
受信する受信装置201と、受信装置201で受信した
PDL言語の格納制御及びアンチエイリアシング処理の
実行を行うCPU202と、内部システムバス203
と、内部システムバス203を介して受信装置201か
ら転送させるPDL言語を格納するRAM204と、ア
ンチエイリアシングプログラム等を格納したROM20
5と、アンチエイリアシング処理を施した多値のRGB
イメージデータを格納するページメモリ206と、ペー
ジメモリ206に格納したRGBイメージデータを画像
処理装置400に転送する送信装置207と、システム
制御部600との送受信を行うI/O装置208とから
構成される。
【0051】ここで、CPU202は、受信装置201
で受信したPDL言語をROM205に格納されたプロ
グラムに従って、内部システムバス203を通して、R
AM204に格納する。その後、1ページ分のPDL言
語を受信し、RAM204へ格納すると、RAM204
内の図形要素にアンチエイリアシング処理方法を施し、
多値のRGBイメージデータをページメモリ206のプ
レーンメモリ部に格納する(ページメモリ206は、図
13に示すようにR、G、Bのプレーンメモリ部206
aと、特徴情報メモリ部206bとからなる)。ページ
メモリ206内のデータは、その後、送信装置207を
介して画像処理装置400へ送られる。
【0052】以下、図14を参照して、PDLコントロ
ーラ200の動作を説明する。図14(a)は、CPU
202が行う処理のフローチャートを示す。PDLコン
トローラ200は、前述したようにホストコンピュータ
100からページ単位で送られたきたPDL言語をアン
チエイリアシング処理を施しながら、赤(R)、緑
(G)、青(B)の3色のイメージ画像に展開する。
【0053】PDL言語では、グラフィックスも文字も
全てベクトルデータで記述されており、また、ページ記
述言語という呼び名が示す通り、画像情報の処理単位は
ページ単位で扱うものである。更に、1ページは、1つ
或いは複数の要素(図形要素及び文字要素)から構成さ
れるパスを単位として、少なくとも1個以上のパスで構
成される。
【0054】先ず、PDL言語を入力すると、その要素
が曲線ベクトルか否か判定し、曲線ベクトルの場合はこ
れを直線ベクトルに近似して、直線要素(ライン)とし
て作業エリアに登録する。これを1つのパス内の全ての
図形及び文字要素について行い、パス単位で作業エリア
へ直線要素の登録を実施する(処理1)。
【0055】そして、このパス単位に登録した作業エリ
アの直線要素を直線の開始y座標によりソーティングす
る(処理2)。
【0056】次に、処理3により、y座標を1つずつ更
新しながら、走査線による塗りつぶし処理を行う。例え
ば、図14(b)に示すパスの塗りつぶし処理を実施す
る場合、処理する走査線ycの横切る辺の要素と、その
走査線ycを横切ったx座標の実数値(図14(b)に
示すx1 ,x2 ,x3 ,x4 )とをAET(Active Edg
e Table : 走査線上に現れるエッジ部のx座標を記録す
るテーブル)に登録する。
【0057】ここで、作業エリアに登録されている要素
の順番は、処理1で登録した順番になっているため、必
ずしも走査線ycを横切るx座標が小さい順に登録され
ているとは限らない。例えば、処理1において、図14
(b)の走査線ycとx3 とを通過する直線要素が最初
に処理された場合には、走査線yc上に現れるエッジ部
のx座標としてx3 がAETに最初に登録される。そこ
で、AETの登録後、AET内の各辺の要素をx座標の
小さい順にソーティングする。そして、AETの最初の
要素から2つをペアにして、その間を塗りつぶす(走査
線による塗りつぶし処理)。アンチエイリアシング処理
はこの塗りつぶし処理において、エッジ部のピクセルの
濃度及び輝度を近似面積率に応じて調整することで実現
する。その後、処理済みの辺をAETから除去し、走査
線を更新(y座標を更新)し、AET内の辺を全て処理
するまで、換言すれば、1つのパス内の要素を全て処理
するまで同 の処理を繰り返す。
【0058】上記処理1、処理2、処理3の作業をパス
単位に実行し、1ページ分の全パスが終了するまで繰り
返す。上記処理後、後述するレーザープリンターを用い
て、そのビームパワーをパワー変調方式、或いはパルス
幅変調方式にベクトルの傾きに応じて切り換え印字処理
を実行する。
【0059】次に、実施例1の概要の項で説明した 1.パワーデータnn 2.パルス幅データmm 3.パルス位置データxx の3種の情報生成方法に関して図15に示したフローチ
ャートに基づいて説明する。但し、該情報は全てn段階
の値で与えられるものとする。
【0060】第1に、ベクトルの始点、終点の座標を各
々(X0、Y0)、(X1、Y1)(但し、Y0>Y
1)とすると、 a=X1−X0 b=Y1−Y0 を計算する(ステップS301)。
【0061】次に、ベクトルを、その傾きにより2種に
分類する。この実施例においては、ベクトルの傾きが4
5度以上のものを縦線、45度以下のものを横線と称す
ることにする。その判定は、a、bの大小関係で行う
(ステップS302)。即ち、|a|<|b|であれば
縦線(ステップS303:C=0)、|a|>|b|で
あれば横線(ステップS304:C=1)と判断する。
上記データCは、ベクトル情報として特徴情報格納メモ
リに格納しておく(ステップS305)。
【0062】次に、該当箇所はエッジ部か否かを判断し
(ステップS306)、エッジ部ではないと判断した場
合には、塗り潰し処理(nn=n−1、mm=n−1、
xx=0)を実行する(ステップS315)。反対に、
エッジ部であると判断した場合には、アンチエイリアシ
ング処理で濃度mを求める(ステップS307)。
【0063】更に、ステップS305において、既に判
定され特徴情報格納メモリに格納されているベクトル情
報Cが0か否か判定(ステップS308)して、上記ベ
クトル情報Cが0ではないと判定された場合にはパワー
変調方式が選択(xx=0、nn=m、mm=n−1)
される。
【0064】反対に、上記ステップS308においてベ
クトル情報Cが0であると判定された場合にはパルス幅
変調方式が選択され、更に、パルスの印字位置を制御す
る情報を加えるために、該エッジ部が右エッジか左エッ
ジかを判断する(ステップS309)。右エッジである
と判断した場合には、左に寄せた形でドットを印字し、
反対に左エッジと判断すれば、右に寄せた形でドットを
印字する。即ち、1ドットをn分割したパルス幅変調を
実行する場合、各々の位置を0から(n−1)とすれ
ば、右エッジであれば、xx=0の位置(ステップS3
10)、左エッジであれば、xx=n−mの位置(ステ
ップS311)から印字を開始することになる。
【0065】以上の如く、エッジ部の処理時には、横線
の場合、パワーnn=m、パルス幅mm=n−1(最大
幅)、パルス印字開始位置xx=0(右エッジの場合、
開始位置制御なし)或いはxx=n−mの情報をフレー
ムメモリ206への描画処理時にメモリ部に格納してお
き、反対に、縦線の場合、パワーnn=n−1(最大
値)、パルス幅mm=m、パルス印字開始位置xx=n
−mを情報としてフレームメモリ206に格納しておく
(ステップS313)。
【0066】以上の動作により、生成した情報を用い
て、図1に示す図形出力装置で画像出力処理を実行する
ことにより、ベクトルが縦線と判定されたときには、縦
線のドット形が位相制御されて用いられ、反対に横線と
判断されたときには、横線のドット形が用いられる。
【0067】画像処理装置の構成 図16を参照して画像処理装置400の構成を説明す
る。画像処理装置400は、画像読取り装置300内の
CCD7r、7g、及び、7bで読み取った3色の画像
信号を記録に必要なブラック(BK)、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各記録
信号に変換する。また、前述したPDLコントローラ2
00から与えられるRGBイメージデータを同様にブラ
ック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及
び、シアン(C)の各記録信号に変換する。ここで、画
像読取り装置300から画像信号を入力するモードを複
写機モード、PDLコントローラ200からRGBイメ
ージデータを入力するモードをグラフィックスモードと
呼ぶ。
【0068】画像処理装置400は、CCD7r、7
g、及び、7bの出力信号を8ビットにA/D変換した
色階調データを入力し、該色階調データの光学的な照度
むらや、CCD7r、7g、7bの内部端子素子の感度
ばらつき等に対する補正を実行するシェーディング補正
回路401と、シェーディング補正回路401の出力す
る色階調データ、或いは、PDLコントローラ200の
出力する色階調データ(RGBイメージデータ)の一方
を前述したモードに従って選択的に出力するマルチプレ
クサ402と、マルチプレクサ402の出力する8ビッ
トデータ(色階調データ)を入力し、感光体の特性に合
わせて階調性を変更して6ビットデータとして出力する
γ補正回路403と、γ補正回路403から出力される
(R)、緑(G)、青(B)の階調を示す6ビットの階
調データをそれぞれの補色であるシアン(C)、マゼン
タ(M)、イエロー(Y)の階調データ(6ビット)に
変換する補色生成回路405と、補色生成回路405か
ら出力されるY、M、Cの各階調データに所定のマスキ
ング処理を行うマスキング処理回路406と、マスキン
グ処理後のY、M、Cの各階調データを入力してUCR
処理及び黒発生処理を実行するUCR処理・黒発生回路
407と、UCR処理・黒発生回路407から出力され
るY、M、C、及び、BKの各6ビットの階調データを
3ビットの階調データY1 ,M1 ,C1 ,及び、BK1
に変換し、多値カラー・レーザープリンター500内部
のレーザー駆動処理部502に出力する階調処理回路4
08と、画像処理装置400の各回路の同期をとるため
の同期制御回路409とから構成される。
【0069】尚、詳細は省略するが、γ補正回路403
はコンソール700の操作ボタンより任意に階調性を変
更できる構成である。また、階調処理回路408で使用
するアルゴリズムとしては、多値ディザ法、多値誤差拡
散法等を適用することができ、例えば、多値ディザ法の
ディザマトリクスを3×3とすると、多値カラ・レーザ
ープリンター500の階調数は3×3の面積階調と、3
ビット(即ち、8段階)の多値レベルの積となり、 3×3×8=72(階調) となる。
【0070】次に、マスキング処理回路406及びUC
R処理・黒発生回路407の処理について説明する。一
般に、マスキング処理回路406のマスキング処理の演
算式としては、数4で示す式が用いられる。
【0071】
【数4】
【0072】また、UCR処理・黒発生回路407のU
CR処理の演算式も一般に、数5で示す式が用いられ
る。
【数5】
【0073】従って、実施例1ではこれらの式から両方
の係数の積を用いて、数6で示すように新しい係数を求
めている。
【0074】
【数6】
【0075】本実施例では、このマスキング処理とUC
R処理を同時に行う新しい係数(a11 ”等)を予め計
算して求め、更に、該新しい係数を用いて、マスキング
処理回路406の予定された入力値Yi ,Mi,C
i (各6ビット)に対応する出力値(Y0’等:UCR処
理・黒発生回路407の演算結果となる値)を求め、予
め所定のメモリに記憶している。従って、本実施例で
は、マスキング処理回路406とUCR処理・黒発生回
路407は1組のROMで構成されており、マスキング
処理回路406の入力Y、M、Cで特定されるアドレス
のデータがUCR処理・黒発生回路407の出力として
与えられる。
【0076】尚、一般的に言って、マスキング処理回路
406は記録像形成用トナーの分光反射波長の特性に合
わせてY、M、C信号を補正するものであり、UCR処
理・黒発生回路407は各色トナーの重ね合わせにおけ
る色バランス用の補正を行うものである。UCR処理・
黒発生回路407を通ると、入力されるY、M、Cの3
色のデータの合成により黒成分のデータBKが生成さ
れ、出力のY、M、Cの各色成分のデータは黒成分デー
タBKを差し引いた値に補正される。
【0077】多値カラー・レーザープリンターの構成
(多値カラー・レーザープリンターの現像部の構成及び
動作) 先ず、図17に示す制御ブロック図を参照して、多値カ
ラー・レーザープリンター500の概略構成を説明す
る。
【0078】感光体現像処理部501は後述する感光体
ドラムの表面を一様に帯電し、荷電面をレーザービーム
で露光して潜像を形成し、その潜像をトナーで現像して
記録紙に転写するものであり、詳細は後述するがBKデ
ータの現像・転写を行うブラック現像・転写部501b
kと、Cデータの現像・転写を行うシアン現像・転写部
501cと、Mデータの現像・転写を行うマゼンタ現像
・転写部501mと、Yデータの現像・転写を行うイエ
ロー現像・転写部501yとを備えている。
【0079】レーザー駆動処理部502は、前述した画
像処理装置400から出力されるY、M、C、BKの3
ビットデータ(ここでは、画像濃度データとなる)を入
力して、レーザービームを出力するものであり、Y、
M、Cの3ビットデータを入力するバッファメモリ50
3y、503m、503cと、Y、M、C、BKのそれ
ぞれ対応したレーザービームを出力するレーザーダイオ
ード504y、504m、504c、504bkと、レ
ーザーダイオード504y、504m、504c、50
4bkをそれぞれ駆動するドライバ505y、505
m、505c、505bkとから構成される。
【0080】尚、感光体現像処理部501のブラック現
像・転写部501bkと、レーザー駆動処理部502レ
ーザーダイオード504bk、及び、ドライバ505b
kとの組合せをブラック記録ユニットBKU(図18参
照)と呼ぶ。同様に、シアン現像・転写部501c、レ
ーザーダイオード504c、ドライバ505c、及び、
バッファメモリ503cの組合せをシアン記録ユニット
CU(図18参照)、マゼンタ現像・転写部501m、
レーザーダイオード504m、ドライバ505m、及
び、バッファメモリ503mの組合せをマゼンタ記録ユ
ニットMU(図18参照)、イエロー現像・転写部50
1y、レーザーダイオード504y、ドライバ505
y、及び、バッファメモリ503yの組合せをイエロー
記録ユニットYU(図18参照)と呼ぶ。これらの各記
録ユニットは、図示の如く、記録紙を搬送する搬送ベル
ト506の周囲に記録紙の搬送方向からブラック記録ユ
ニットBKU、シアン記録ユニットCU、マゼンタ記録
ユニットMU、イエロー記録ユニットYUの順に配設さ
れている。
【0081】このような各記録ユニットの配列によっ
て、最初に露光開始となるのはブラック露光用のレーザ
ーダイオード504bkであり、イエロー露光用のレー
ザーダイオード504yが最後に露光を開始することに
なる。従って、各レーザーダイオード間で露光開始順に
時間差があり、該時間差の間記録データ(画像処理装置
400の出力)を保持するため、レーザー駆動処理部5
02には前述した3組のバッファメモリ503y、50
3m、503cが備えられている。
【0082】次に、図18を参照して多値カラー・レー
ザープリンター500の構成を具体的に説明する。多値
カラー・レーザープリンター500は、記録紙を搬送す
る搬送ベルト506と、前述したように搬送ベルト50
6の周囲に配設された各記録ユニットYU、MU、C
U、BKUと、記録紙を収納した給紙カセット507
a、507bと、給紙カセット507a、507bから
それぞれ記録紙を送り出す給紙コロ508a、508b
と、給紙カセット507a、507bから送り出された
記録紙の位置合わせを行うレジストローラ509と、搬
送ベルト506によって記録ユニットBKU、CU、M
U、YUを順次搬送されて転写された画像を記録紙に定
着される定着ローラ510と、記録紙を所定の排出部
(図示せず)に排出する排紙コロ511とから構成され
る。ここで、各記録ユニットYU、MU、CU、BKU
は、感光体ドラム512y、512m、512c、51
2bkと、それぞれ感光体ドラム512y、512m、
512c、512bkを一様に帯電する帯電器513
y、513m、513c、513bkと、感光体ドラム
512y、512m、512c、512bkにレーザー
ビームを導くためのポリゴンミラー514y、514
m、514c、514bk及びモータ515y、515
m、515c、515bkと、感光体ドラム512y、
512m、512c、512bk上に形成された静電潜
像をそれぞれ該当する色のトナーを用いて現像するトナ
ー現像装置516y、516m、516c、516bk
と、現像したトナー像を記録紙に転写する転写帯電器5
17y、517m、517c、517bkと、転写後に
感光体ドラム512y、512m、512c、512b
k上に残留するトナーを除去するクリーニング装置51
8y、518m、518c、518bkとから構成され
る。尚、519y、519m、519c、519bk
は、それぞれ感光体ドラム512y、512m、512
c、512bk上に設けられた所定のパターンを読み取
るためのCCDラインセンサーを示し、詳細は省略する
が、これによって多値カラー・レーザープリンター50
0のプロセス状態の検知を行う。
【0083】以上の構成において、イエロー記録ユニッ
トYUの露光・現像・転写を例にその動作を説明する。
図19(a)、(b)はイエロー記録ユニットYUの露
光系の構成を示す。同図において、レーザーダイオード
504yから出射されたレーザービームはポリゴンミラ
ー514yで反射されて、f−θレンズ502yを通過
して、更にミラー521y、522yで反射されて防塵
ガラス523yを通して感光体ドラム512yに照射さ
れる。このときレーザービームはポリゴンミラー514
yがモータ515yで定速回転駆動されるので、感光体
ドラム512yの軸に沿う方向(主走査方向)に移動す
る。また、本実施例では、主走査の走査位置追跡のため
の基点を検知するため、非露光位置のレーザービームを
フォトセンサ524yを配設してある。レーザーダイオ
ード504yは記録データ(画像処理装置400からの
3ビットデータ)に基づいて発光付勢されるので、記録
データに対応した多値露光が、感光体ドラム504yの
表面に対して行われる。感光体ドラム504yの表面
は、前述したように予め帯電器513yで一様に荷電さ
れており、上記露光により原稿画像対応の静電潜像が形
成される。該静電潜像はイエロー現像装置516yで現
像され、イエローのトナー像となる。このトナー像は、
図18に示したように、カセット507a(或いは、5
07b)から給紙コロ508a(或いは、508b)で
繰り出され、レジストローラ509によってブラック記
録ユニットBKUのトナー像形成と同期をとって、搬送
ベルト506によって搬送されてきた記録紙に転写され
る。
【0084】他の記録ユニットBKU、CU、MUも同
様な構成で同様な動作を実行するが、ブラック記録ユニ
ットBKUはブラックトナー現像装置516bkを備
え、ブラックのトナー像の形成及び転写を行い、シアン
記録ユニットCUはシアントナー現像装置516cを備
え、シアンのトナー像の形成及び転写を行い、マゼンタ
記録ユニットMUはマゼンタトナー現像装置516mを
備え、マゼンタのトナー像の形成及び転写を行う。
【0085】ドライバの多値駆動 ドライバ505y、505m、505c、505bk
は、画像処理装置400から送られてくるY、M、C、
BKの3ビットデータに基づいて、該当するレーザーダ
イオード504y、504m、504c、504bkを
多値駆動するための制御を行うものであり、その駆動方
法としては、パワー変調、パルス幅変調等が一般的に用
いられている。
【0086】以下、本実施例で適用するパワー変調、パ
ルス幅変調、パルス位置変調の3方式を統合した多値駆
動を図20〜図36を参照して詳細に説明する。尚、ド
ライバ505y、505m、505c、505bk、及
び、レーザーダイオード504y、504m、504
c、504bkはそれぞれ同一の構成であるため、ここ
では、ドライバ505y及びレーザーダイオード504
yを例として説明する。
【0087】ドライバ505yは、図20に示すよう
に、所定のLDドライブクロック(LDCK)に基づい
て、レーザーダイオード504yをon/offするレ
ーザーダイオードon/off回路322と、3ビット
のパワーデータnnをアナログ信号に変換するD/Aコ
ンバータ321と、画像濃度値に基づくアナログ信号を
D/Aコンバータ321から入力して、レーザーダイオ
ード504yを駆動する電流(LD駆動電流)Idをレ
ーザーダイオードon/off回路322に供給する定
電流回路323と、3ビットのパルス幅データmm及び
パルス位置データxxに基づいて、LDドライブクロッ
クのパルス幅及びパルス位置を変調するパルス幅/位置
変調回路320とから構成される。
【0088】次に、図21を参照して、レーザーダイオ
ードon/off回路322、D/Aコンバータ32
1、及び、定電流回路323の具体的な回路構成を示
す。レーザーダイオードon/off回路322は、T
TLインバータ553、554と、on/offのトグ
ル動作をする差動型スイッチング回路555、556
と、VG1>VG2の時、差動型スイッチング回路55
5がon、差動型スイッチング回路556がoff、V
G1<VG2の時、差動型スイッチング回路555がo
ff、差動型スイッチング回路556がonとなる条件
を満足するVG2を生成する分圧回路を形成する抵抗R
2,3 とから構成される。従って、LDドライブクロッ
クが“1”の時にインバータ554の出力がVG1を生
成し、前記条件(VG1>VG2)を満足し、差動型ス
イッチング回路555がon、差動型スイッチング回路
556がoffして、レーザーダイオード504yをo
nする。また、逆にLDドライブクロックが“0”の時
には、インバータ554の出力のないため、前記条件
(VG1<VG2)を満足し、差動型スイッチング回路
555がoff、差動型スイッチング回路556がon
して、レーザーダイオード504yをoffする。
【0089】D/Aコンバータ321は、入力した画像
濃度データをLDドライブクロックが“1”の間ラッチ
するラッチ557と、最大出力値Vref を与えるVref
発生器558と、画像濃度データ及び最大出力値Vref
に基づいてアナログデータVdを出力する3ビットD/
Aコンバータ559とから構成される。尚、ここでVd
と画像濃度データ及び最大出力値Vref との関係は数7
の式によって表される。
【0090】
【数7】
【0091】定電流回路323は、前述したようにレー
ザーダイオードon/off回路322にレーザーダイ
オード504yの電流を供給するものであり、トランジ
スター560と、抵抗R4 ,R5 とから構成される。D
/Aコンバータ321からの出力Vdはトランジスター
560のベースに加えられ、抵抗R4 に印加される電圧
を決定する。換言すれば、抵抗R4 に流れる電流はトラ
ンジスター560のコレクタ電流にほぼ等しいため、V
dによってレーザーダイオード504yに流れる電流I
dが制御される。
【0092】次に、パルス幅/位置変調回路320につ
いて説明する。図22及び図23にパルス幅/位置変調
回路320の一実施例を示す。
【0093】330〜338はインバータ回路、339
〜345は遅延素子で、各々t1 〜t7 の遅延時間をL
DCKに対して与える。346〜366はAND回路、
367〜371はバッファ回路、371〜380はOR
回路であり、更に383〜386、390は各々8入力
のセレクタ回路であり、A、B、Cの選択入力によって
0 〜D7 の中から1つ選択し、Y出力に出す。尚、
A、B、Cと選択の関係を図24に示す。
【0094】387、388は4入力のセレクタ回路
で、A、Bの選択入力によってD0 〜D3 の中から1つ
を選択し、Y出力に出す。尚、A、Bと選択の関係は図
25に示す。389は2入力のセレクタ回路でAの選択
入力によってD0 、D1 の一方を選択し、Y出力に出
す。尚、Aと選択の関係は図26に示す。
【0095】381、382はラッチで、クロック入力
の立ち上がりでD0〜D2 入力をラッチし、Q0 〜Q2
に出力する。これは、PWD0〜2、PPD0〜2のデ
ータをLDCKの立ち上がりでラッチして保持し、これ
らの入力が次のLDCKの立ち上がりまでの間、変化し
ても異常動作を起こさないためのものである。
【0096】セレクタ383〜389はパルス位置変調
されたパルスをPPD0〜2の選択データによって選択
するものである。また、セレクタ390はパルス位置変
調された各パルス幅のクロックをPWD0〜2の選択デ
ータによって選択し、LDCK1を生成するものであ
る。
【0097】図27に図22に示したC0 〜C7 のタイ
ミングチャートを示す。また、図28にP11〜P1
8、P21〜P27、P31〜P36、P41〜P4
5、P51〜P54、P61〜P63、P71〜P72
のタイミングチャートを示す。
【0098】以上の構成において、画像データとして
の、パルス幅データ301〜303、パルス位置データ
304〜306、パワーデータ307〜309と、クロ
ックパルスとしてのLDドライブクロック310が加え
られてレーザーダイオード504yの駆動を実行する。
各データの時間的関連を図29に示す。
【0099】パルス幅データとパルス位置データがパル
ス幅/位置変調回路320に加えられると、所望のパル
スがLDCK1311として得られ、レーザーダイオー
ドon/off回路322に印加される。レーザーダイ
オードon/off回路322はLDCK1が“1”の
とき、レーザーダイオード504yに電流Idを流し、
反対にLDCK1が“0”のとき、レーザーダイオード
504yに対する電流Idを0にする。電流Idは定電
流回路322にてId313として生成される。
【0100】一方、パワーデータPPWD0〜2はD/
Aコンバータ回路321に入力され、定電流回路323
の電流Idを決定する制御電圧Vd312がD/Aコン
バータ回路321により生成される。パワーデータは上
記実施例においては、3ビットなのでIdはId1 〜I
7 の7種のデータ値をとる。
【0101】図30にPPWD0〜2、Id1 〜Id7
及び潜像の関係を示す。また、上記LDCK1を特定の
値としたときのIdと光出力の関係を図31に示す。
【0102】次に、パルス幅/位置変調回路320の動
作について説明する。パルス幅/位置変調回路320
は、LDCKの1周期Td(=1画素)内を8分割し、
LDCKからパルス幅/位置変調されたLDCK1パル
スを生成する。PWD0〜2はLDCK1のパルス幅を
決定する。図32にPWD0〜2とLDCK1との関係
を示す。また、図33にLDCK1と潜像の関係を示
す。尚、これらは説明を簡単にするために、パルス位置
変調を固定にして(PPD0〜2=000としてある)
図示してある。
【0103】一方、PPD0〜2はLDCKの1周期T
d(=1画素)を、同様に8分割し、LDCKの立ち上
がり(=画素の始点)からLDCK1の立ち上がりまで
の時間を選択する。尚、PPD0〜2はPWD0〜2と
は独立して選択可能であるため、パルス幅変調されたパ
ルスの立ち上がり時間を制御することも可能である。図
34、図35にPPD0〜2、LDCK1と潜像の関係
を示す。また、図36にパルス幅変調と位置変調とを同
時にかけた場合の例を示す。
【0104】具体的動作例 次に、図37、図38を用いて、本発明の具体的動作例
を説明する。尚、本実施例において、濃度は8段階とす
る。
【0105】図37(a)に示した(1)のベクトルは
始点、終点が各々(7、3)(2、5)である。従っ
て、|2−7|>|5−3|であるので、このベクトル
は横線と判断される。
【0106】図37(a)の(2)のベクトルは始点、
終点が各々(7、3)(9、6)である。従って、|9
−7|> |6−3|であるので、このベクトルも横線
と判断される。
【0107】図37(a)の(3)のベクトルは始点、
終点が各々(2、5)(9、6)である。従って、|9
−2|> |6−5|であるので、このベクトルも横線
と判断される。上記の情報を各ベクトルに持たせてお
く。
【0108】次に、図37(b)に示すように各ピクセ
ルの濃度変調を実行した後、その濃度変調結果と、該当
ピクセルが縦線のエッジであるか、横線のエッジである
か、更に縦線であれば、右エッジであるか、左エッジで
あるかの情報に基づいてパワーデータnn、パルス幅デ
ータmm、パルス位置データxxを求め、ページメモリ
206に格納する。上記図37(b)に示す3≦Y≦
4、3≦X≦9に存在するピクセルに対応するページメ
モリの情報を図37(c)に示す。
【0109】上記の情報に従って、出力は図38に示す
ように(1)のベクトルのエッジ部でのアンチエイリア
シング処理結果は、横長のドットで、(2)のベクトル
のエッジ部でのアンチエイリアシング処理結果は、縦長
のドットを左に寄せたもので、(3)のベクトルは横長
のドットを用いて表現する。
【0110】尚、一つのピクセルに2本以上のベクトル
が存在する場合、スキャンライン処理で後に処理される
方のベクトル情報を、そのピクセルに対する情報とす
る。上記の如く、図形情報も併せて変調方式を選択する
ことで、アンチエイリアシングの処理結果を有効に表現
することができる。
【0111】〔実施例2〕次に、本発明の図形出力装置
の実施例2を図面に基づいて、実施例2の概要、P
DLコントローラの動作、具体的動作例の順で詳細に
説明する。尚、その他の構成は実施例1と同様につき図
示及び説明を省略する。
【0112】実施例2の概要 実施例2は、レーザー・ビームプリンターにおいて、ア
ンチエイリアシング処理結果を出力する際に、薄く濃度
変調された画素の出力方法を画像情報によって判断して
出力するシステムを提供するものである。より詳細に
は、入力されたベクトルの傾きが45度より大きければ
縦線と判断し、濃度変調される画素に画像が縦長にかか
っているので、パルス幅変調方式(縦長ドット形)で位
置制御を実行して、それを出力する。
【0113】入力されたベクトルの傾きが45度より小
さければ横線と判断し、画素に画像が横長にかかってい
るので、パワー変調方式(横長のドット形)を用いるよ
うな出力システムを提供するものである。特に、薄く濃
度変調された画素の出力対策を加えている。
【0114】縦線で薄く濃度変調された画素の出力は、
上記の方法をそのまま用いても、その濃度を隣の画素の
濃度に隣接させることができ、薄い濃度でも印字し易く
なるので、特に対策は講じない(図39参照)。
【0115】しかしながら、横線で薄く輝度変調された
画素の出力では、横長のドットの上下方向の位置制御が
できないので、上記の方法をそのまま用いると、小さな
ドットが離れて打たれることになり、印字されにくくな
る(図40参照)。
【0116】従って、特に横線の薄い濃度の画素は、そ
の画素を出力せずに、その分上下に隣接している画素の
うち、画像部方向の画素の濃度を大きくすることにより
表現する(図40参照)。
【0117】PDLコントローラの動作 実施例2で使用するPDLコントローラ200の構成は
実施例1(図12参照)と同様につき説明を省略する。
以下、図41〜図47を参照して、PDLコントローラ
200の動作を説明する。
【0118】図41(a)は、CPU202が行う処理
のフローチャートを示す。PDLコントローラ200
は、前述したようにホストコンピュータ100からペー
ジ単位で送られたきたPDL言語をアンチエイリアシン
グ処理を施しながら、赤(R)、緑(G)、青(B)の
3色のイメージ画像に展開する。
【0119】PDL言語では、グラフィックスも文字も
全てベクトルデータで記述されており、また、ページ記
述言語という呼び名が示す通り、画像情報の処理単位は
ページ単位で扱うものである。更に、1ページは、1つ
或いは複数の要素(図形要素及び文字要素)から構成さ
れるパスを単位として、少なくとも1個以上のパスで構
成される。
【0120】先ず、PDL言語を入力すると、その要素
が曲線ベクトルか否か判定し、曲線ベクトルの場合はこ
れを直線ベクトルに近似して、直線要素(ライン)とし
て作業エリアに登録する。これを1つのパス内の全ての
図形及び文字要素について行い、パス単位で作業エリア
へ直線要素の登録を実施する(処理1)。
【0121】そして、このパス単位に登録した作業エリ
アの直線要素を直線の開始y座標によりソーティングす
る(処理2)。
【0122】次に、処理3により、y座標を1つずつ更
新しながら、走査線による塗りつぶし処理を行う。例え
ば、図41(b)に示すパスの塗りつぶし処理を実施す
る場合、処理する走査線ycの横切る辺の要素と、その
走査線ycを横切ったx座標の実数値(図41(b)に
示すx1 ,x2 ,x3 ,x4 )とをAET(Active Edg
e Table : 走査線上に現れるエッジ部のx座標を記録す
るテーブル)に登録する。
【0123】ここで、作業エリアに登録されている要素
の順番は、処理1で登録した順番になっているため、必
ずしも走査線ycを横切るx座標が小さい順に登録され
ているとは限らない。例えば、処理1において、図41
(b)の走査線ycとx3 とを通過する直線要素が最初
に処理された場合には、走査線yc上に現れるエッジ部
のx座標としてx3 がAETに最初に登録される。そこ
で、AETの登録後、AET内の各辺の要素をx座標の
小さい順にソーティングする。そして、AETの最初の
要素から2つをペアにして、その間を塗りつぶす(走査
線による塗りつぶし処理)。アンチエイリアシング処理
はこの塗りつぶし処理において、エッジ部のピクセルの
濃度及び輝度を近似面積率に応じて調整することで実現
する。その後、処理済みの辺をAETから除去し、走査
線を更新(y座標を更新)し、AET内の辺を全て処理
するまで、換言すれば、1つのパス内の要素を全て処理
するまで同一の処理を繰り返す。
【0124】上記処理1、処理2、処理3の作業をパス
単位に実行し、1ページ分の全パスが終了するまで繰り
返す。上記処理後、後述するレーザープリンターを用い
て、そのビームパワーをパワー変調方式、或いはパルス
幅変調方式にベクトルの傾きに応じて切り換え印字処理
を実行する。
【0125】次に、実施例2におけるパワーデータn
n、パルス幅データmm、パルス位置データxxの3種
の情報生成方法に関して図42に示したフローチャート
に基づいて説明する。但し、該情報は全てn段階の値で
与えられるものとする。
【0126】初めに、ベクトルの始点、終点の座標を各
々(X0、Y0)、(X1、Y1)(但し、Y0>Y
1)とすると、 a=X1−X0 b=Y1−Y0 として計算をする(ステップS321)。
【0127】次に、ベクトルをその傾きにより2種に分
類する。即ち、傾きが45度以上のものを縦線、45度
以下のものを横線と称することとする。その判定は、|
a|と|b|の大小関係で行う(ステップS322)。
【0128】上記ステップS322において、|a|>
|b|であると判断した場合には、横線(ステップS3
23)、反対に、|a|>|b|ではないと判断した場
合には、縦線である(ステップS324)。このデータ
を、ベクトル情報としてページメモリ206の特徴情報
格納メモリ206bへ描画処理時に用いるために格納し
ておく(ステップS325)。
【0129】次に、ビーム変調データを作成するための
動作を図43のフローチャートを参照して縦線と横線と
に分けて説明する。
【0130】i.縦線の場合 スキャンライン時に画像のエッジ部か否かを判断し(ス
テップS330)、エッジ部であると判断した場合に
は、アンチエイリアシング処理してしてn段階にした濃
度mを求める(ステップS331)。
【0131】次に予め求められてた横線、縦線のデータ
(図42参照)に基づいて横線か否かを判断し(ステッ
プS334)、横線ではないと判断した場合、換言する
と、縦線と判断した場合には、パルスの印字位置を制御
する情報を加えるため、該エッジ部が左エッジか否かを
判断する(ステップS333)。左エッジであると判断
した場合には、右に寄せた形で印字する(xx=n−
m、mm=m、nn=n−1)。右エッジであると判断
した場合には、左に寄せた形で印字する(xx=0、m
m=m、n=n−1)、即ち、1ドットをn分割したパ
ルス幅変調を実行する場合、各々の位置を0から(n−
1)とすれば、右エッジならば0の位置から左エッジな
ら(n−m)の位置から印字することになる。
【0132】上記ステップS330において、エッジ部
ではないと判断した場合には、次に、画像部か否かを判
断し(ステップS337)、画像部であると判断した場
合には、xx=0、mm=n−1、nn=n−1に設定
し、塗り潰し処理を実行する(ステップS338)。反
対に画像部ではないと判断した場合には、xx=0、m
m=0、nn=0に設定し、塗り潰し処理を実行しない
(ステップS339)。
【0133】次に、上記の如く各情報が生成された後、
左右エッジともxx’、mm’、nn’(前ラインの処
理データで、現ライン処理終了後に確定される)はその
ままに設定し(ステップS336)、上記xx’、m
m’、nn’はページメモリ206の対応ピクセルに出
力され、格納される(ステップS340)。更に、1ラ
イン終了したか否かが判断され(ステップS341)、
終了していないと判断した場合には、ステップS330
からステップS341の動作を1ライン終了と判断する
まで繰り返す。反対に1ライン終了と判断した場合に
は、一連の動作は終了する。
【0134】ii.横線の場合 小さい濃度の印字は、その画素の印字を実行する代わり
に、上下の画素の内、画像部に続く方向のものの濃度を
上げる。スキャンライン処理時に、該エッジ部で、スキ
ャンラインの上下の走査線とベクトルの交わる座標を各
々(XX0、YY0)、(XX1、YY1)(但し、
(XX0、YY0)が2点のうち画像に近い方の座標)
とする。上下どちらの画素の濃度を大きくして対処する
かは、図44に示すように、画像の上側エッジか、下側
エッジかによって、更に整理するとYY0、YY1の大
小関係によって決められる。
【0135】処理は、常に一時的に保存してある前ライ
ンの濃度データを参照しながら現ラインの一時保存濃度
データ、及び、前ラインの最終濃度データを決定してい
くことで行う。
【0136】即ち、n/4以下の濃度を薄い濃度と判定
する。現ラインの濃度値が薄いと判断された場合、その
濃度を上下のラインのどちらに加えるかを判断する。下
のラインに加える場合は、現在の濃度値を、そのまま一
時的に保存する。上のラインに加えると判断されたとき
には、前ラインの濃度値に現ラインの濃度値を加え、前
ラインの濃度値を決定すると共に、現ラインの濃度値を
0として一時的に保存する。一方、一時的に保存されて
いる前ラインの濃度値が薄い場合、その値を現ラインの
濃度値に加えて現ラインの値とし、一時的に保存する。
前ラインの値は0に変更して決定値とする。
【0137】以上の動作を図43に沿って説明する。即
ち、上記ステップS332において、横線と判断された
場合は、次に、現ラインの濃度データmが、 m≦n/4 か否かを判断する(ステップS342)。
【0138】現ラインの濃度データが、m≦n/4であ
ると判断した場合には、次に、 YY0>YY1 を判断し(ステップS343)、YY0>YY1でない
と判断した場合には、 nn=m nn’はそのまま とし(ステップS344)、反対にYY0>YY1であ
ると判断した場合には、 nn=0 nn’=nn’+m とする(ステップS345)。
【0139】上記ステップS342において、現ライン
の濃度データが、m≦n/4ではないと判断した場合に
は、次に、前ラインの濃度データm’が m’<n/4 か否かを判断し(ステップS346)、m’<n/4で
あると判断した場合には、 nn=nn’+m nn’=0 とし(ステップS347)、反対にm’<n/4ではな
いと判断した場合には、 nn=m nn’はそのまま とする(ステップS348)。
【0140】上記ステップS344、S345、S34
7、S348の後、 xx’及びmm’はそのまま xx=0 mm=n−1 とする(ステップS349)。
【0141】上記ステップS349の後、動作は上記ス
テップS341へと継続する。横線に対する処理を更に
詳細に図45〜図47を用いて説明する。図45の左側
のデータは、最終決定されて印字に用いられる値を、中
央のデータは一時的に蓄えられている濃度値を、右側の
データは現在処理しているラインの濃度変調計算結果を
各々示す。
【0142】これら7画素分のデータのうち、特に2画
素A、Bについて抜き出して説明する。Aのライン0の
一時保存濃度値は0で、処理中のライン1の濃度値が1
である。ライン1の濃度は2以下なので、濃度値変更の
操作を行う対象となるが、この画素にかかるエッジは、
YYO<YY1なので、この濃度をそのまま一時的に保
存する。次のライン2のデータは7であり、一時保存の
データが1であるので、ライン2の値に1を加えて8と
し、一時的に保存する。前に一時保存してあったライン
1の値1は0と変更して決定する(図46参照)。同様
な処理を次々に進めていく。
【0143】画素Bを用いて、YY0>YY1の場合を
説明する(濃度変更部分のみ説明する)。ライン2の値
が6と計算され、一時的に保管された後、ライン3の値
が2(処理対象値)と計算される。このエッジはYY0
>YY1なので、一時保管されているライン2の値6に
2を加えて8とし決定する。また、ライン3の値は0と
し、一時保存する(図47参照)。同様な処理を次々に
進める。
【0144】上記の方法によって図45以外の画素のデ
ータも決定していく。以上の動作により、エッジ部の処
理時には、横線の場合、パワーnn=上記の方法により
決定された値、パルス幅mm=n−1(最大値)、パル
ス印字開始位置xx=0(開始位置制御なし)の情報を
ページメモリ206に格納しておく。
【0145】また、縦線の場合、パワーnn=n−1
(最大値)、パルス幅mm=m、パルス印字開始位置x
x=n−m(左エッジ)、0(右エッジ)を情報として
上記ページメモリ206に格納しておく。エッジ以外の
塗り潰し部では、nn=n−1、mm=n−1、xx=
0とする。
【0146】上記の各情報を用いて、図1(実施例1と
共通)に示すシステムによって印字処理を実行すること
により、ベクトルが縦線と判定されたときには、縦長の
ドット形が位相制御されて用いられ、横線と判定された
ときには、横長のドット形を用い、薄い濃度を持つ画素
があった場合には、上下どちらかにその濃度を加えた濃
度値を出力する。
【0147】具体的動作例 次に、図48、図49を用いて、本発明の具体的動作例
を説明する。尚、実施例2において、濃度は8段階とす
る。図48(a)に示した(1)のベクトルは始点、終
点が各々(7、3)(2、5)である。従って、|2−
7|>|5−3|であるので、このベクトルは横線と判
断される。
【0148】同図(a)の(2)のベクトルは始点、終
点が各々(7、3)(9、6)である。従って、|9−
7|>|6−3|であるので、このベクトルも横線と判
断される。同図(a)の(3)のベクトルは始点、終点
が各々(2、5)(9、6)である。従って、|9−2
|>|6−5|であるので、このベクトルも横線と判断
される。上記の情報を各ベクトルに持たせておく。
【0149】次に、図48(b)に示すように各ピクセ
ルの濃度変調を実行した後、その濃度変調結果と、該当
ピクセルが縦線のエッジであるか、横線のエッジである
か、更に縦線であれば、右エッジであるか、左エッジで
あるかの情報に基づいてパワーデータnn、パルス幅デ
ータmm、パルス位置データxxを求め、ページメモリ
206に格納する。尚、隣接画素情報による濃度値の変
更を加えない場合の濃度変調結果を参考のために図48
(c)に示す。
【0150】それらの情報に従って、出力において、
(1)のベクトルのエッジ部でのアンチエイリアシング
処理結果は横長のドットで、(2)のベクトルのエッジ
部でのアンチエイリアシング処理結果は縦長のドットを
右に寄せたもので、(3)のベクトルのエッジ部は横長
のドットを用いて各々行う。その出力結果を図49に示
す。
【0151】以上の如く、図形情報も合わせて変調方式
を選択し、且つ、隣接画素が薄く輝度変調された場合に
濃度値に変更を加えることにより、アンチエイリアシン
グ処理の結果を有効に表現することができる。
【0152】〔実施例3〕以下、本発明の図形出力装置
の実施例3を図面に基づいて、実施例3の概要、P
DLコントローラの動作、具体的動作例の順で詳細に
説明する。尚、その他の構成は実施例1と同様につき図
示及び説明を省略する。
【0153】実施例3の概要 実施例3の図形出力装置におけるレーザー書込部の周辺
部を図1(実施例1と共通)に示す。実施例3は、図示
の如き装置を用いて、複数の情報信号をレーザー書込部
110に入力し、該レーザ書込部110がレーザーダイ
オード111を制御して、その出力方法を切り換え(例
えば、ベクトルの傾きが45度以下の場合はパワー変調
方式により、傾きが45度以上の場合にはパルス幅変調
方式により感光体112へ出力する)、更に、頂点の出
力時には、該頂点が画像の上下方向にある場合は、パル
スの位置が該頂点を中心とする位置になるように出力位
置を制御したパルス幅変調方式を用い、頂点が画像の左
右方向にあるならば、パワー変調方式を用いるものであ
る。
【0154】PDLコントローラの動作 次に、実施例3におけるパワーデータnn、パルス幅デ
ータmm、パルス位置データxxの3種の情報生成方法
に関して図50に示したフローチャートに基づいて説明
する。但し、該情報は全てn段階の値で与えられるもの
とする。
【0155】初めに、ベクトルの始点、終点の座標を各
々(X0、Y0)、(X1、Y1)(但し、Y0>Y
1)とすると、 a=X1−X0 b=Y1−Y0 として計算をする(ステップS351)。
【0156】次に、ベクトルをその傾きにより2種に分
類する。即ち、傾きが45度以上のものを縦線、45度
以下のものを横線と称することとする。その判定は、|
a|と|b|の大小関係で行う(ステップS352)。
【0157】上記ステップS352において、|a|>
|b|であると判断した場合には、横線(ステップS3
53)、反対に、|a|>|b|ではないと判断した場
合には、縦線である(ステップS354)。 このデー
タを、ベクトル情報としてページメモリ206の特徴情
報格納メモリ206bへ描画処理時に用いるために格納
しておく(ステップS355)。
【0158】次に、ビーム変調データを作成するための
動作を図51のフローチャートを参照して説明する。ス
キャンライン時に画像のエッジ部か否かを判断し(ステ
ップS360)、エッジ部であると判断した場合には、
アンチエイリアシング処理してn段階にした濃度mを求
める(ステップS361)。
【0159】次に、処理しているピクセル内に頂点が存
在するか否か判断し(ステップS362)、頂点が存在
すると判断した場合には、該頂点が上下方向の頂点か否
か(図52(a)参照)を判断する(ステップS36
3)。
【0160】各ベクトルはy座標の小さい方の端点を始
点、y座標の大きい方の端点を終点としてあるので、上
記頂点の種類は、そのことを利用して判定する。即ち、
頂点の座標が2本のベクトルの始点同士で形成されてい
る、或いは終点同士で形成されている場合には、その頂
点は画像の上下にあると判断し、そうでない場合には、
その頂点は画像の左右にあると判断する。
【0161】上記ステップS363にて上下方向の頂点
であると判断した場合には、パルス幅変調方式を用いて
出力を行い、該出力の際、そのパルスが頂点のx座標
(X0)を中心にして出力されるように位置制御する
(図52(b)参照)(ステップS364)。 即ち、
(X0、Y0)が頂点の座標であった場合で、パルス幅
がmであったとすると、 xx=(X0−m/2) の位置からパルスを出力し始める。結局、上下方向の頂
点がある場合には、 xx=(X0−m/2) mm=m nn=n−1 となる(ステップS365)。
【0162】上記ステップS363において、上下方向
の頂点ではない、換言すると、左右方向の頂点が存在す
ると判断された場合には、 xx=0 mm=n−1 nn=m となる(ステップS366)。
【0163】上記ステップS362において、処理して
いるピクセル内に頂点が存在しないと判断した場合に
は、それが縦線か否かを判断する(ステップS36
7)。その結果、縦線ではない、換言すると横線(パワ
ー変調)であるとと判断した場合には、 xx=0 mm=n−1 nn=m となる(ステップS366)。
【0164】上記ステップS367において、縦線(パ
ルス幅変調)であると判断した場合には、次に、それが
左エッジが否かを判断する(ステップS368)。 左
エッジであると判断した場合には、 xx=n−m mm=m nn=n−1 となる(ステップS370)。
【0165】反対に、右エッジであると判断した場合に
は、 xx=0 mm=m nn=n−1 となる(ステップS369)。
【0166】また、上記ステップS360において、エ
ッジ部ではないと判断した場合には、次に、画像部か否
かが判断され(ステップS373)、画像部であると判
断した場合には、 xx=0 mm=n−1 nn=n−1 となる(ステップS374)。
【0167】反対に、画像部ではないと判断した場合に
は、 xx=0 mm=0 nn=0 となる(ステップS375)。
【0168】上記の動作で各々の場合の情報は、ページ
メモリ206の対応ピクセルに出力され、格納される
(ステップS371)。更に、1ライン終了したか否か
が判断され(ステップS372)、終了していないと判
断した場合には、ステップS360からステップS37
2の動作を1ライン終了と判断するまで繰り返す。反対
に1ライン終了と判断した場合には、一連の動作は終了
する。
【0169】以上のように生成された各情報を用いて、
図1に示すシステムによって印字を実行することによ
り、ベクトルが縦線と判定されたときには、パルス幅変
調方式(縦長のドット形)が位相制御されて用いられ、
横線と判定されたときには、パワー変調方式(横長のド
ット形)が用いられる。尚、頂点、エッジにかかわら
ず、1つのピクセルに2つ以上の頂点、エッジが存在す
る場合には、スキャンライン処理で後に処理される方の
情報を、そのピクセルに対する情報とするようにする。
【0170】具体的動作例 次に、図53及び図54を用いて、実施例3の具体的動
作例を説明する。尚、実施例3において、濃度は8段階
とする。
【0171】図53(a)に示した(1)のベクトルは
始点、終点が各々(4.4 , 3.1)(2.7 , 5.3)であ
る。従って、|2.7 −4.4 |<|5.3 −3.1 |であるの
で、このベクトルは縦線と判断される。
【0172】同図(a)の(2)のベクトルは始点、終
点が各々(4.4 , 3.1)(8.4 , 6.0)である。従っ
て、|8.4 −4.4 |>|6.0 −3.1 |となり、このベク
トルは横線と判断される。
【0173】同図(a)の(3)のベクトルも同様に横
線である。上記の情報を各ベクトルに持たせておく。
【0174】次に、図53(b)に示すように各ピクセ
ルの濃度変調を実行した後、その濃度変調結果と、該当
ピクセルが縦線のエッジであるか、横線のエッジである
か、更に縦線であれば、右エッジであるか、左エッジで
あるか、頂点を含むか、画像の上下方向の頂点を含め
ば、そのx座標はいくつかの情報に基づいてパワーデー
タnn、パルス幅データmm、パルス位置データxxを
求め、ページメモリ206に格納する。
【0175】上記図53(b)にピクセルに対応するペ
ージメモリ内の情報を図53(c)に示す。
【0176】上記の情報に従って、出力は図54に示す
ように(1)のベクトルのエッジ部でのアンチエイリア
シング処理結果は、縦長のドットを左に寄せたもので、
(2)のベクトルのエッジ部でのアンチエイリアシング
処理結果は、横長のドットで、(3)のベクトルは横長
のドットを用いて表現する。
【0177】そして、(4.4 , 3.1)の頂点は、2つの
ベクトルの始点同士で形成されており、画像の上方向に
あるので、パルス幅変調(縦長のドット)で、パルス開
始位置が、X0の少数部のn段階値=3、m=4なの
で、xx=3−(4/2)=1と制御される。また、
(2.7 , 5.3)の頂点は、2つのベクトルの終点と始点
で形成されるので、パワー変調(横長のドット)で、
(8.4 , 6.0)の頂点も、2つのベクトルの終点と始点
で形成されるので、パワー変調(横長のドット)で出力
される。上記の如く、図形情報も合わせて変調方式を選
択することで、アンチエイリアシングの処理結果を有効
に表現することができる。
【0178】〔実施例4〕実施例4の図形出力装置は、
ドットマトリクスフォーマットの2値画像データを入力
し、前記2値画像データを小領域に分けてパターン認識
し、アンチエイリアシング処理を施した後、レーザーを
用いて画像を形成する図形出力装置において、2値画像
データから抽出した小領域パターンと所定のメモリ(パ
ターン情報記憶手段)に記憶されている画像要素パター
ンとを比較し、一致した場合に該当するアンチエイリア
シング処理情報に基づいて、ドット形状修正信号を生成
し、更に、ドット形状修正信号に基づいて、パワー変調
方式とパルス幅変調方式とを組み合わせて画像形成を行
うものである。
【0179】図55は、実施例4の図形出力装置の概略
構成図を示し、パーソナルコンピュータ等のような外部
機器から画像データを入力するためのデータ入力部80
1と、文字のフォントがコードデータで格納されている
フォントデータメモリ802と、オペレータが各種設定
を行うための操作パネル803と、データ入力部801
及びフォントデータメモリ803から供給される文字コ
ードデータをビットマップデータに変換するためのキャ
ラクタジェネレータ804と、1ページ分の画像データ
(ここでは、画素単位のデータ)を格納するためのフレ
ームメモリ805と、画像データに応じてドット形状を
修正するためのドット形状修正処理部806と、ドット
形状修正処理部806で処理されたデータを出力するた
めの画像出力部807と、本装置の動作プログラムが格
納されているROM808と、動作プログラム上で使用
するデータを一時的に格納及び読み出しするためのRA
M809と、前述した各部を制御するためのCPU81
0とから構成される。
【0180】図56は、画像出力部807の概略説明図
である。画像出力部807内のレーザー書込部807a
は、後述するパルス幅データmm、パルス位置データx
x、パワーデータnnからなる修正信号を受けて、レー
ザーダイオード807bを制御する。レーザーダイオー
ド807bが発するレーザービームは感光体807cに
照射され、潜像が形成される。
【0181】尚、この3種の修正信号は、各々独立して
レーザー書込部807aを制御し、この3種の修正信号
による潜像の形成状態は、パルス幅データmmによる潜
像の形成状態が図2(実施例1と共通)に示すようにな
る(但し、xx=0、nn=7、)。パルス位置データ
xxによる潜像の形成状態が図3(実施例1と共通)に
示すようになる(但し、mm=1、nn=7)。パワー
データnnによる潜像の形成状態が図4(実施例1と共
通)に示すようになる(但し、mm=7、xx=0)。
【0182】図57は、ドット形状修正処理部806の
構成を示す。フレームメモリ805内に格納されている
直列化された画素単位のデータは、先頭の画素データか
ら順々にFIFO(First In First Out)バッファ80
6aに入力され、パターン抽出部806bを介してパタ
ーン(小領域パターン)抽出が行われる。基本パターン
格納部806cには、様々な基本パターン(画像要素パ
ターン)と、それぞれの基本パターンに対応したアンチ
エイリアシング処理情報が格納されており、パターン比
較部806dにおいて、抽出したパターンと基本パター
ンとの比較を行い、抽出したパターンが基本パターン格
納部806c内のどの基本パターンとも一致しない場合
には、抽出したパターンの中心画素は無修正のまま出力
されるが、一致する基本パターンがある場合には、修正
信号発生部806eにおいて、該当する基本パターンの
アンチエイリアシング処理情報に応じた修正信号が出力
される。以後、抽出したパターンとともに中心画素を1
ドットずつ順々にシフトしていき、1ページ分の全ての
画素について同様な処理を行う。
【0183】ここでは、小領域パターンとして、5×5
マトリクスのパターンで抽出しているが特にこれに限定
するものではない。例えば、抽出するパターンが小さい
ほどパターン抽出は簡単になるが、後述する基本パター
ンによる修正も単純になる。逆に、抽出するパターンを
大きくすれば、様々なパターンに対応できるがその分処
理が複雑になる。また、この小領域パターンの形状も正
方形に限定するものではない。
【0184】次に、図58及び図59を参照して、基本
パターン格納部806cに格納されている基本パター
ン、及び、アンチエイリアシング処理情報について説明
する。基本パターンは、大別して、抽出したパターンが
右エッジであることを判定するための右エッジ用パター
ンと、抽出したパターンが左エッジであることを判定す
るための左エッジ用パターンと、抽出したパターンが上
エッジであることを判定するための上エッジ用パターン
と、抽出したパターンが下エッジであることを判定する
ための下エッジ用パターンと、抽出したパターンが頂点
を含むことを判定するための頂点用パターンの5種のパ
ターンからなる。
【0185】アンチエイリアシング処理情報は、例え
ば、傾きが大きな右エッジの場合には、パルス幅変調を
選択し、同時に位置指定を行うアンチエイリアシング処
理情報が格納されており、図58(a)に示すように、
ドットを左によせて形成することにより、ギザリの目立
たない最適な形状とすることができる。また、傾きが大
きな左エッジの場合には、パルス幅変調を選択し、同時
に位置指定を行うアンチエイリアシング処理情報が格納
されており、図58(b)に示すように、ドットを右に
よせて形成することにより、ギザリの目立たない最適な
形状とすることができる。
【0186】また、上エッジ及び下エッジの場合には、
図58(c),(d)に示すように、パワー変調を選択
するアンチエイリアシング処理情報が格納されており、
ギザリの目立たない最適な形状とすることができる。
【0187】また、本実施例では、抽出したパターンが
頂点を含む基本パターンと一致した場合に、図59に示
すように、頂点が画像の上下・左右方向の何れににある
かによって、例えば、同図(a),(b)のように上方
向頂点,下方向頂点の場合には、パルス幅変調を選択す
るアンチエイリアシング処理情報が格納されており、同
図(c),(d)のように右方向頂点,左方向頂点の場
合には、パワー変調を選択するアンチエイリアシング処
理情報が格納されている。更に、上下方向の頂点をパル
ス幅変調で出力する際、図60に示すように、その頂点
(即ち、中心画素)と隣接する画素との位置関係によっ
て、位置指定を行って出力位置の制御を行うように、予
めアンチエイリアシング処理情報が設定されている。
【0188】以上の構成において、図61を参照してそ
の動作を説明する。先ず、パーソナルコンピュータ等の
外部機器からの2値データをデータ入力部801で受け
取とり、フレームメモリ805に格納することにより、
2値データを直列化する(S901)。尚、この時、フ
ォントデータメモリ802に格納されている文字のコー
ドデータがキャラクタジェネレータ804でビットマッ
プフォントデータ(2値データ)に変換され、同時にフ
レームメモリ805内の所定のアドレスに格納される。
【0189】次に、フレームメモリ805に格納されて
いるデータを、先頭のデータから順々にFIFOバッフ
ァ806aに取り込み(S902)、パターン抽出部8
06bで入力データからパターンとする小領域を抽出す
る(S903)。
【0190】続いて、パターン比較部906dにおい
て、基本パターン格納部806cに登録されている基本
パターンを順次検索して、抽出したパターンとパターン
・マッチングを行い、一致したか判定する(S904,
S905,S906)。ここで、パターンが一致した場
合には、修正信号発生部906eで該当する基本パター
ンのアンチエイリアシング処理情報に基づいて、修正信
号を発生し、画像出力部807で修正信号(パルス幅デ
ータmm、パルス位置データxx、パワーデータnnの
各情報)に基づいて該当する画素を出力する(S90
7)。
【0191】一方、パターンが一致しない場合には、登
録されている全て基本パターンを参照するまで、S90
4からS906の処理を繰り返す(S908)。また、
全ての登録されているパターンの参照が終了したら、同
様に全てのデータについて、パターン・マッチングを行
う(S909)。尚、S908において、全ての登録さ
れているパターンとの参照が済んだ時点で、抽出したパ
ターンに対して該当する基本パターンがないと判定さ
れ、該抽出したパターンの中心画素のデータがそのまま
の状態(即ち、修正ないの状態)で画像出力部807に
送られて出力される。
【0192】図62は、上下・左右の頂点を含む画像デ
ータの一例を示し、この画像データに対して前述した処
理を加えることにより、図63に示すように出力するこ
とができる。図示の如く、画像の頂点部分をシャープに
表現でき、且つ、エッジ部を滑らかに表現でき、高画質
の画像を得ることができる。
【0193】また、図64は、修正をしていない場合の
画像例を示し、図65は前述した修正処理が理想的に行
われて場合の画像例を示す。前述したように2値画像デ
ータ(イメージデータ)を出力する際に、注目する画素
を中心画素とし、その周りの画素を含めた画素パターン
として参照し、それに応じてパワー変調、パルス幅変
調、位置指定の制御を独立に行い、ドット形状を適切に
修正することにより、対象画像の画質を簡単に向上させ
ることができる。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による図形
出力装置によれば、ベクトル画像のエッジ部のギザギザ
(エイリアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシン
グ処理手段と、該アンチエイリアシング処理手段によ
り、アンチエイリアシング処理された画像データを多値
に変換して出力するパルス幅変調書込部及びパワー変調
書込部とを有する画像出力手段とを備えた図形出力装置
において、前記ベクトルの傾きが縦線か、横線かを判定
する第1の判定手段と、該第1の判定手段により縦線と
判断した場合に、処理対象であるエッジが右側エッジ
か、左側エッジかを判定する第2の判定手段と、該第2
の判定手段により左エッジと判断した場合に、前記パル
ス幅変調書込部を選択してパルスの出力開始位置を指定
する指定手段とを備え、前記第1の判定手段により横線
と判断した場合には、前記パワー変調書込部を選択する
ため、画像の連続性を確保し、アンチエイリアシング処
理の効果を高めることができる。
【0195】また、本発明による図形出力装置によれ
ば、ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エイリアス)
を滑らかに表現するアンチエイリアシング処理手段と、
該ベクトルの傾きが横線であるか縦線であるかを判定す
る第1の判定手段と、該第1の判定手段により、ベクト
ルの傾きが横線であると判定した場合にはパワー変調
で、ベクトルの傾きが縦線であると判定した場合にはパ
ルス幅変調で前記アンチエイリアシング処理手段によ
り、アンチエイリアシング処理された画像データを出力
する画像出力手段とを備えた図形出力装置において、前
記第1の判定手段が縦線であると判定した場合に、前記
ベクトル画像のエッジ部が右エッジであるか、左エッジ
であるかを判定する第2の判定手段と、該第2の判定手
段が左エッジと判定した場合に、前記パルスの印字開始
位置を指定する指定手段と、前記第1の判定手段が横線
であると判定した場合に、前記画像出力手段で出力され
にくい画素濃度(最小濃度)を認識する認識手段と、前
記横線のエッジ部が上側であるか、下側であるかを判定
する第3の判定手段と、前記認識手段により認識された
最小濃度以下に輝度変調された横線の画素を印字せず、
前記第3の判定手段が、上側エッジと判定した場合には
下側の画素濃度を大きくし、下側エッジと判定した場合
には上側の画素濃度を大きくするように制御する制御手
段とを備えたため、画像の連続性を確保し、アンチエイ
リアシング処理の効果を高めることができる。
【0196】また、本発明による図形出力装置によれ
ば、ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エイリアス)
を滑らかに表現するアンチエイリアシング処理手段と、
該アンチエイリアシング処理手段により、アンチエイリ
アシング処理された画像データを多値に変換して出力す
るパルス幅変調書込部及びパワー変調書込部とを有する
画像出力手段とを備えた図形出力装置において、前記パ
ルス幅変調書込部によるパルスの印字開始位置を指定す
る指定手段と、処理ピクセル内の頂点を検知する頂点検
知手段と、該頂点検知手段により検知された頂点の位置
を検出する頂点位置検出手段と、該頂点位置検出手段に
より頂点の検出位置に基づいて前記パルス幅変調書込部
或いはパワー変調書込部を選択的に駆動する制御手段と
を具備したため、画像の連続性を確保し、アンチエイリ
アシング処理の効果を高めることができる。
【0197】更に、本発明による図形出力装置によれ
ば、ドットマトリクスフォーマットの2値画像データを
入力し、前記2値画像データを小領域に分けてパターン
認識し、アンチエイリアシング処理を施した後、レーザ
ーのパワー変調方式とパルス幅変調方式とを組み合わせ
て潜像を形成する画像形成手段により画像を形成する
形出力装置において、入力した2値画像データを記憶す
る画像記憶手段と、アンチエイリアシング処理に使用す
る2値の画素からなる画像要素パターン、及び、アンチ
エイリアシング処理情報を予め記憶したパターン情報記
憶手段と、前記画像記憶手段に記憶されている画像デー
タから前記パターン情報記憶手段に記憶されている画像
要素パターンと同じ大きさ、同じ形状の小領域パターン
を抽出するパターン抽出手段と、前記パターン抽出手段
で抽出した小領域パターンと前記パターン情報記憶手段
に記憶されている画像要素パターンとを比較するパター
ン比較手段と、前記小領域パターンと前記画像要素パタ
ーンとが一致した場合に、該当するアンチエイリアシン
グ処理情報に基づいて、ドット形状修正信号を発生する
修正信号発生手段とを備え、前記修正信号発生手段のド
ット形状修正信号が、前記画像形成手段を制御して前記
小領域パターンの中心画素の出力時のドット形状を修正
するため、画像の連続性を確保し、アンチエイリアシン
グ処理の効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のレーザー書込部の周辺構成を示す説
明図である。
【図2】パルス幅データによる潜像の形成状態を示す説
明図である。
【図3】パルス位置データによる潜像の形成状態を示す
説明図である。
【図4】パワーデータによる潜像の形成状態を示す説明
図である。
【図5】実施例1の画像形成システムの構成を示す説明
図である。
【図6】均一平均化法によるアンチエイリアシング処理
を示す説明図である。
【図7】重み付け平均化法によるアンチエイリアシング
処理を示す説明図である。
【図8】重み付け平均化法に使用するフィルター例を示
す説明図である。
【図9】3×3ピクセル参照の畳み込み積分法を示す説
明図である。
【図10】エッジ部画素の近似面積率を得るアンチエイ
リアシング処理を示す説明図である。
【図11】エッジ部画素の近似面積率を得るアンチエイ
リアシング処理を示す説明図である。
【図12】PDLコントローラの構成を示す説明図であ
る。
【図13】ページメモリの構成を示す説明図である。
【図14】PDLコントローラの動作を示すフローチャ
ート及びパスの塗りつぶし処理を示す説明図である。
【図15】3種の情報の生成方法を示すフローチャート
である。
【図16】画像処理装置の構成を示す説明図である。
【図17】多値カラー・レーザープリンターを示す制御
ブロック図である。
【図18】多値カラー・レーザープリンターの構成を示
す説明図である。
【図19】イエロー記録ユニットの露光系の構成を示す
説明図である。
【図20】パワー変調及びパルス幅/位置変調による多
値駆動を示す説明図である。
【図21】レーザーダイオードon/off回路等の構
成を示す回路図である。
【図22】パルス幅/位置変調回路を示す回路図の一部
である。
【図23】パルス幅/位置変調回路を示す回路図の一部
である。
【図24】実施例1の多値駆動の動作を説明するための
図である。
【図25】実施例1の多値駆動の動作を説明するための
図である。
【図26】実施例1の多値駆動の動作を説明するための
図である。
【図27】図22に示したC0 〜C7 のタイミングチャ
ートである。
【図28】図22に示したP11〜P18、P21〜P
27、P31〜P36、P41〜P45、P51〜P5
4、P61〜P63、P71〜P72のタイミングチャ
ートである。
【図29】パルス幅データ、パルス位置データ、パワー
データ、クロックパルスの各データの時間的関連を示す
説明図である。
【図30】PPWD0〜2、Id1 〜Id7 及び潜像の
関係を示す説明図である。
【図31】LDCK1を特定の値としたときのIdと光
出力の関係を示す説明図である。
【図32】PWD0〜2とLDCK1との関係を示す説
明図である。
【図33】LDCK1と潜像の関係を示す説明図であ
る。
【図34】PPD0〜2、LDCK1と潜像の関係を示
す説明図である。
【図35】PPD0〜2、LDCK1と潜像の関係を示
す説明図である。
【図36】パルス幅変調と位置変調とを同時にかけた場
合の例を示す説明図である。
【図37】実施例1の具体的動作例を示す説明図であ
る。
【図38】図37に示した動作例における潜像の出力例
を示す説明図である。
【図39】実施例2による図形出力装置の効果を説明す
るための出力例を示した説明図である。
【図40】実施例2による図形出力装置の効果を説明す
るための出力例を示した説明図である。
【図41】PDLコントローラの動作を示すフローチャ
ート及びパスの塗りつぶし処理を示す説明図である。
【図42】実施例2におけるベクトル情報の生成方法を
示すフローチャートである。
【図43】実施例2におけるビーム変調データ作成方法
を示すフローチャートである。
【図44】上側エッジと下側エッジの判断に関する説明
図である。
【図45】実施例2の図形出力装置における横線に対す
る処理動作を示す説明図である。
【図46】実施例2の図形出力装置における横線に対す
る処理動作を示す説明図である。
【図47】実施例2の図形出力装置における横線に対す
る処理動作を示す説明図である。
【図48】実施例2の具体的動作例を示す説明図であ
る。
【図49】図48に示した動作例における潜像の出力例
を示す説明図である。
【図50】実施例3におけるベクトル情報の生成方法を
示すフローチャートである。
【図51】実施例3におけるビーム変調データ作成方法
を示すフローチャートである。
【図52】画像の頂点の位置及び位置制御を示す説明図
である。
【図53】実施例3の具体的動作例を示す説明図であ
る。
【図54】図53に示した動作例における潜像の出力例
を示す説明図である。
【図55】実施例4の図形出力装置の概略構成図であ
る。
【図56】画像出力部の概略説明図である
【図57】ドット形状修正処理部の構成を示す説明図で
ある。
【図58】基本パターン格納部に格納されている基本パ
ターン及びアンチエイリアシング処理情報に関する説明
図である。
【図59】基本パターン格納部に格納されている基本パ
ターン及び中心画素の修正に関する説明図である。
【図60】頂点と隣接する画素との位置関係による位置
指定の違いを示す説明図である。
【図61】実施例4の動作を示すフローチャートであ
る。
【図62】上下・左右の頂点を含む画像データの一例を
示す説明図である。
【図63】図62の画像データを実施例4の図形出力装
置で出力した例を示す説明図である。
【図64】修正をしていない場合の画像例を示す説明図
である。
【図65】図64の画像データに対して、実施例4の修
正処理が理想的に行われて場合の画像例を示す説明図で
ある。
【図66】アンチエイリアシング処理の効果を示す説明
図である。
【図67】従来のアンチエイリアシング処理に基づく潜
像の出力例を示す説明図である。
【符号の説明】
100 ホストコンピュータ 110 レ
ーザー書込部 111 レーザーダイオード 112 感
光体 200 PDLコントローラ 201 受
信装置 202 CPU 203 内
部システムバス 204 RAM 205 R
OM 206 ページメモリ 207 送
信装置 208 I/O装置 300 画
像読取り装置 320 パルス幅/位置変調回路 321 D
/Aコンバータ 322 レーザーダイオードon/off回路 323 定電流回路 400 画
像処理装置 500 多値カラー・レーザープリンター 801 データ入力部 802 フ
ォントデータメモリ 803 操作パネル 804 キ
ャラクタジェネレータ 805 フレームメモリ 806 ド
ット形状修正処理部 807 画像出力部 808 R
OM 809 RAM 810 C
PU810 806a FIFOバッファ 806b
パターン抽出部 806c 基本パターン格納部 806d
パターン比較部 806e 修正信号発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 正樹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 冨田 寛 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 羽生 嘉昭 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−112966(JP,A) 特開 平1−202785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 5/28 B41J 2/485 G03G 15/22 H04N 1/23 H04N 1/409

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エ
    イリアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシング処
    理手段と、前記アンチエイリアシング処理手段により、
    アンチエイリアシング処理された画像データを多値に変
    換して出力するパルス幅変調書込部及びパワー変調書込
    部とを有する画像出力手段とを備えた図形出力装置にお
    いて、前記ベクトルの傾きが縦線か、横線かを判定する
    第1の判定手段と、前記第1の判定手段により縦線と判
    断した場合に、処理対象であるエッジが右側エッジか、
    左側エッジかを判定する第2の判定手段と、前記第2の
    判定手段により左エッジと判断した場合に、前記パルス
    幅変調書込部を選択してパルスの出力開始位置を指定す
    る指定手段とを備え、前記第1の判定手段により横線と
    判断した場合には、前記パワー変調書込部を選択するこ
    とを特徴とする図形出力装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の判定手段は、ベクトルの傾き
    が45度以上か、45度以下かにより縦線、横線を判定
    することを特徴とする請求項1の図形出力装置。
  3. 【請求項3】 ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エ
    イリアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシング処
    理手段と、前記アンチエイリアシング処理手段により、
    アンチエイリアシング処理された画像データを多値に変
    換して出力するパルス幅変調書込部及びパワー変調書込
    部とを有する画像出力手段とを備えた図形出力装置にお
    いて、前記ベクトルの傾きが縦線か、横線かを判定する
    第1の判定手段と、前記第1の判定手段により縦線と判
    断した場合に、処理対象であるエッジが右側エッジか、
    左側エッジかを判定する第2の判定手段と、前記第2の
    判定手段により左エッジと判断した場合に、前記パルス
    幅変調書込部を選択してパルスの出力開始位置を指定す
    る指定手段とを備え、前記第2の判定手段により右エッ
    ジと判断した場合に、前記パルス幅変調書込部を選択
    し、前記第1の判定手段により横線と判断した場合に
    は、前記パワー変調書込部を選択することを特徴とする
    図形出力装置。
  4. 【請求項4】 ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エ
    イリアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシング処
    理手段と、前記ベクトルの傾きが横線であるか縦線であ
    るかを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段
    により、ベクトルの傾きが横線であると判定した場合に
    はパワー変調で、ベクトルの傾きが縦線であると判定し
    た場合にはパルス幅変調で前記アンチエイリアシング処
    理手段により、アンチエイリアシング処理された画像デ
    ータを出力する画像出力手段とを備えた図形出力装置に
    おいて、前記第1の判定手段が縦線であると判定した場
    合に、前記ベクトル画像のエッジ部が右エッジである
    か、左エッジであるかを判定する第2の判定手段と、前
    記第2の判定手段が左エッジと判定した場合に、前記パ
    ルスの印字開始位置を指定する指定手段と、前記第1の
    判定手段が横線であると判定した場合に、前記画像出力
    手段で出力されにくい画素濃度(最小濃度)を認識する
    認識手段と、前記横線のエッジ部が上側であるか、下側
    であるかを判定する第3の判定手段と、前記認識手段に
    より認識された最小濃度以下に輝度変調された横線の画
    素を印字せず、前記第3の判定手段が、上側エッジと判
    定した場合には下側の画素濃度を大きくし、下側エッジ
    と判定した場合には上側の画素濃度を大きくするように
    制御する制御手段とを備えたことを特徴とする図形出力
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の判定手段は、ベクトルの傾き
    が45度以下であれば横線と判定し、45度以上であれ
    ば縦線と判断することを特徴とする請求項4の図形出力
    装置。
  6. 【請求項6】 ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エ
    イリアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシング処
    理手段と、前記アンチエイリアシング処理手段により、
    アンチエイリアシング処理された画像データを多値に変
    換して出力するパルス幅変調書込部及びパワー変調書込
    部とを有する画像出力手段とを備えた図形出力装置にお
    いて、前記パルス幅変調書込部によるパルスの印字開始
    位置を指定する指定手段と、処理ピクセル内の頂点を検
    知する頂点検知手段と、前記頂点検知手段により検知さ
    れた頂点の位置を検出する頂点位置検出手段と、前記頂
    点位置検出手段により頂点の検出位置に基づいて前記パ
    ルス幅変調書込部或いはパワー変調書込部を選択的に駆
    動する制御手段とを具備したことを特徴とする図形出力
    装置。
  7. 【請求項7】 ベクトル画像のエッジ部のギザギザ(エ
    イリアス)を滑らかに表現するアンチエイリアシング処
    理手段と、前記アンチエイリアシング処理手段により、
    アンチエイリアシング処理された画像データを多値に変
    換して出力するパルス幅変調書込部及びパワー変調書込
    部とを有する画像出力手段とを備えた図形出力装置にお
    いて、処理ピクセル内の頂点を検知する頂点検知手段
    と、前記頂点検知手段により検知された頂点が画像の上
    下方向にあるか、左右方向にあるかを検出する頂点位置
    検出手段と、前記頂点位置検出手段によって前記頂点が
    画像の上下方向にあると判断した場合に、パルスの印字
    開始位置を指定する指定手段と、前記指定手段により指
    定された開始位置に基づき、パルス幅変調方式を選択実
    行し、前記頂点位置検出手段によって前記頂点が画像の
    左右方向にあると判断した場合に、パワー変調方式を選
    択実行する制御手段を具備したことを特徴とする図形出
    力装置。
  8. 【請求項8】 ドットマトリクスフォーマットの2値画
    像データを入力し、前記2値画像データを小領域に分け
    てパターン認識し、アンチエイリアシング処理を施した
    後、レーザーのパワー変調方式とパルス幅変調方式とを
    組み合わせて潜像を形成する画像形成手段により画像を
    形成する図形出力装置において、 入力した2値画像データを記憶する画像記憶手段と、ア
    ンチエイリアシング処理に使用する2値の画素からなる
    画像要素パターン、及び、アンチエイリアシング処理情
    報を予め記憶したパターン情報記憶手段と、前記画像記
    憶手段に記憶されている画像データから前記パターン情
    報記憶手段に記憶されている画像要素パターンと同じ大
    きさ、同じ形状の小領域パターンを抽出するパターン抽
    出手段と、前記パターン抽出手段で抽出した小領域パタ
    ーンと前記パターン情報記憶手段に記憶されている画像
    要素パターンとを比較するパターン比較手段と、前記小
    領域パターンと前記画像要素パターンとが一致した場合
    に、該当するアンチエイリアシング処理情報に基づい
    て、ドット形状修正信号を発生する修正信号発生手段と
    を備え、前記修正信号発生手段のドット形状修正信号が、前記画
    像形成手段を制御して前記小領域パターンの中心画素の
    出力時のドット形状を修正することを特徴とする図形出
    力装置
  9. 【請求項9】 前記画像要素パターンは、前記パターン
    抽出手段で抽出した小領域パターンが右エッジであるこ
    とを判定するための右エッジ用パターンと、前記パター
    ン抽出手段で抽出した小領域パターンが左エッジである
    ことを判定するための左エッジ用パターンと、前記パタ
    ーン抽出手段で抽出した小領域パターンが上エッジであ
    ることを判定するための上エッジ用パターンと、前記パ
    ターン抽出手段で抽出した小領域パターンが下エッジで
    あることを判定するための下エッジ用パターンと、前記
    パターン抽出手段で抽出した小領域パターンが頂点を含
    むことを判定するための頂点用パターンとからなること
    を特徴とする請求項8の図形出力装置。
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