JP3102631B2 - コンベヤミキサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベルトコンベヤの
搬送方向上流側にそれぞれ投入された残土コンベヤから
の残土と添加剤供給装置からの土質改良剤とを攪拌混合
して搬送するコンベヤミキサの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】建設工事に伴って発生する残土は、多く
の場合性状的にそのまま土木工事に使用することができ
ない。これらの残土は、通常その含水比を下げたり、締
め固め後の強度を増大するため、セメントまたは石灰等
を添加、混合（安定処理）してから再利用される。

【０００３】この土砂の安定処理をするには、大きく分
けて２つの方法がある。その１つは、残土を所定厚さ
（３０〜４０ｃｍ）に敷き均して、その上にセメント等
の添加剤を一定の割合で散布し、ロードスタビライザ等
で撹拌・混合する方法である。しかし、この方法は、残
土の含水比が高いと施工が困難で、かつ平坦な広い場所
でしか施工できない。

【０００４】もう１つの方法は、ソイルプラント等のミ
キサへ残土を投入し、改良材を添加、混合する方法であ
る。この方法は、プラントを建設する広い場所を必要と
し、費用も高額となる。したがって、埋め立てや盛り土
等で大量に土砂を使用する場合にはコストが高くなり、
工事費が高額となる。また、粘性土の混合は困難で、著
しくその混合能力が低下する。

【０００５】これらの欠点を補うために以下に説明する
簡易的なコンベヤミキサが提案されている。図３、図４
において、架台１０の上には、図示しない駆動モータで
駆動されるベルトコンベヤ１１が設けられ、そのコンベ
ヤ１１には、全体を符号Ａ１で示すコンベヤミキサが設
けられている。

【０００６】このベルトコンベヤ１１の搬送方向上流側
には、残土ベルトコンベヤ２２の搬出端と、添加剤供給
装置３８とが設けられている。

【０００７】建設用残土Ｓは、残土供給用ショベル２０
によりホッパ２１を介し残土ベルトコンベヤ２２に投入
され、排出端からベルトコンベヤ１１に投入される。

【０００８】他方、土質の改良剤Ｃは添加剤供給装置３
８からベルトコンベア１１上の残土Ｓに添加され、そし
て、コンベアミキサＡ１により混合され、改良土として
再利用される。

【０００９】ところで、改良剤Ｃは、改良土の使用目的
によって選定され、残土の含水比を下げたい場合は生石
灰系が使用され、強度を上げたい場合はセメント系が使
用される。また、改良土を流動化させ、生コン状にした
い場合はセメントミルクが使用される。

【００１０】こうして、添加剤を混合した改良土は、ト
ラックミキサまたはダンプトラックで建設現場へ運搬さ
れる。

【００１１】前記コンベヤミキサＡ１は、ベルトコンベ
ヤ１１の搬送方向下流側に設けられている。図４及び図
５に詳細を示すように、このミキサＡ１には、搬送方向
の中心線上に位置する回転軸１３と、駆動用モータ１５
と、回転軸１３に固設された複数（図示の例では３個）
のミキサパドル１４とが設けられている。そして、ベル
トコンベア１１で搬送される残土Ｓ及び土質改良剤Ｃの
混合物Ｍを、ミキサパドル１４で攪拌混合する。なお、
図５に断面を示すように、ベルトコンベヤ１１は、混合
を容易にするためにパドル１４の外周に沿うように彎曲
して設けられている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】上記のコンベヤミキサ
は、回転軸１３がベルトコンベヤ１１と同じ方向に設け
てあるため、ミキサパドル１４の回転により混合物Ｍが
回転方向にかき上げられるので、回転数を早くすると混
合物Ｍがこぼれる。また、含水比が高い粘性土や、砂利
がパドル１４とベルトコンベヤ１１との間に挟まったり
するとベルトがパドルの回転方向に引張られて片寄って
しまい、正常な運転ができなくなる。

【００１３】従って、このコンベヤミキサはベルトコン
ベヤの巾を広くしても残土の流量は少なく制限しなけれ
ばならず、混合性能もよくない。特に粘性土の混合には
不向きである。

【００１４】本発明は、特に粘度が高い残土に均質に改
良剤を混合し、残土利用が容易なコンベヤミキサを提供
することを目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明のコンベヤミキサ
によれば、ベルトコンベヤの搬送方向上流側にそれぞれ
投入された残土コンベヤからの残土と添加剤供給装置か
らの土質改良剤とを撹拌混合して搬送するコンベヤミキ
サにおいて、前記ベルトコンベヤ上に搬送方向に直交す
る複数の回転軸と該回転軸の駆動装置とを設け、それぞ
れの回転軸に複数のミキサパドルを設け、各回転軸のミ
キサパドルの回転面が相互にオーバラップされ、また、
回転方向が正逆自在に構成されている。

【００１６】

【００１７】

【００１８】また、各回転軸の回転方向は、正逆任意に
設定することにより、混合度合（粘度及び均質性）の調
整が可能である。

【００１９】また、カバープレートにより、混合物のコ
ンベヤ外への飛散が防止され、流量も大きくすることが
できる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。なお、これらの図面において、図３
に対応する部分については、同じ符号を付して重複説明
は省略する。

【００２１】図１及び図２において、ベルトコンベヤ１
１の上方には、搬送方向に直交する複数（図示の例では
３個）の回転軸１ａ、１ｂ及び１ｃ（以下総称する場合
は符号１を用いる）が、間隔Ｄ、Ｄを設けて図示しない
手段で支持されている。この回転軸１は、駆動装置であ
る駆動モータ３及びチエン４により、任意に正転Ｆ、逆
転Ｒされるようになっている。

【００２２】上記の各回転軸１ａ、１ｂ及び１ｃには、
それぞれ複数（図示の例では４個）のミキサパドル２
ａ、２ｂ及び２ｃ（以下総称する場合は符号２を用い
る）が、一軸で相互に９０度の位相をずらし、各軸で相
互に９０度の位相をずらし、かつ、間隔Ｄにより回転軸
が相互にオーバラップするように設けられている。

【００２３】他方、ベルトコンベヤ１１の上面の両側に
は、サイドカバープレート５、５が立設され、上流側に
は、リヤカバープレート７が立設され、そのカバープレ
ート７の下端には、コンベヤ１１に当接するシールプレ
ート７ａが設けられている。そして、上流側には、フロ
ントカバープレート８が立設され、その下端とコンベヤ
１１との上面との間には、搬送される混合物Ｍと干渉し
ないような隙間ｄが設けられている。

【００２４】次に、作用について説明する。

【００２５】図１において、例えば回転軸１ａ及び１ｃ
を正転し、回転軸１ｂを逆転すると、混合物Ｍは相互に
正逆転するパドル２ａ〜２ｃにより良く攪拌混合され、
隙間ｄから排出される。この際、カバープレート６〜８
及びシールプレート７ａは、攪拌による混合物Ｍのコン
ベヤ１１外への飛散を防止する。

【００２６】なお、回転軸１ａ〜１ｃの回転方向は混合
度合すなわち粘度及び均質性に応じて任意に選ぶことが
できる。

【００２７】また、コンベヤ１１の搬送方向とパドル２
の回転方向とは、正逆の差はあってもコンベヤ１１の長
手方向なので、混合物Ｍがコンベヤ１１とパドル２との
間にはさまること及びそれに伴う不具合が防止される。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、特に粘度が高い残土を均質に改良した安定
処理混合土の製造に好適である。

【００２９】また、パドルの回転軸がベルトコンベヤと
直交しているので、ベルトの片寄りや、土砂のこぼれが
なく、ベルトコンベヤの両側にサイドカバーが設けられ
ているので、幅の狭いベルトコンベヤで、大容量の土砂
を撹拌・混合することができる。

【００３０】そして、複数のパドルの正逆転により、混
合精度を調整し、確実に混合排出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す正面図。

【図２】図１の正面図。

【図３】従来の残土改良プラントを説明する図面。

【図４】従来のコンベヤミキサの詳細図。

【図５】図４の断面図。

【符号の説明】

Ａ、Ａ１・・・コンベヤミキサ Ｃ・・・土質改良剤 Ｍ・・・混合物 Ｓ・・・建設用残土 １、１３・・・回転軸 ２、１４・・・ミキサパドル ３、１５・・・駆動モータ ４、５・・・ギヤ ６・・・サイドカバープレート ７・・・リヤカバープレート ７ａ・・・シールプレート ８・・・フロントカバープレート １０・・・架台 １１・・・ベルトコンベヤ １６・・・スクリーン付きシュート １７・・・生コン用アジテータ ２０・・・残土供給用ショベル ２１・・・ホッパ ２２・・・残土ベルトコンベヤ ３８・・・添加剤供給装置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベルトコンベヤの搬送方向上流側にそれ
   ぞれ投入された残土コンベヤからの残土と添加剤供給装
   置からの土質改良剤とを撹拌混合して搬送するコンベヤ
   ミキサにおいて、前記ベルトコンベヤ上に搬送方向に直
   交する複数の回転軸と該回転軸の駆動装置とを設け、そ
   れぞれの回転軸に複数のミキサパドルを設け、各回転軸
   のミキサパドルの回転面が相互にオーバラップされ、ま
   た、回転方向が正逆自在に構成されていることを特徴と
   するコンベヤミキサ。