JP3102589U - 保温用肩掛け - Google Patents

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Abstract

【課題】就寝時及び就寝時以外において使用者の肩部や首回りの保温状態を適度に保ちかつ寝心地が良くて熟睡できるようにした保温用肩掛けを提供すること。
【解決手段】左右一対の前身頃2a,2bと後身頃3を有し、各身頃が、薄い素材で作られた表地10と、スリバー織りで上面にウールパイル12を有するウール素材の裏地11とを重ね合わせて構成される。前身頃2a,2bは、肩部と襟部の裁断縁を備え、後身頃の丈よりも短く裁断され、後身頃3は、上部中央に首回りを形成するために肩部の裁断縁から突出する帯状部分を備えて裁断され、前身頃と後身頃の各肩部の裁断縁を縫い合わせ、表地と裏地との縁回りを所定幅のバイアステープ15で覆って重ねて縫い合わせている。
【選択図】図1

Description

本考案は、ウール素材を裏地に用いた保温用肩掛けに関するものである。
従来、就寝時にの肩及び首回りが冷えることから、夜中に目を覚ましたり、そのため起きてトイレに行くことがある。このようなことをなくすために使用されるものとして、肩掛けあるいは肩当てという名称で市販されている補助寝具用の肩掛けがある。
このような肩掛けは、通常のジャケットタイプか、簡易の肩掛けで、ポリエステル等の化繊で作られている。また、薄い表地で覆われた内部に羽毛を組み入れたキルティングタイプの羽毛肩掛けもある。さらに、肩掛け布を肩に掛けた際に、風や振動によるずれ落ちや位置ずれを防止し、両腕を楽に動かすことができるようにして、防寒具として保温性能をアップさせた多機能性スカーフおよび肩掛け布(特許文献1)や、ウールを充填した左右方向に伸びる布製本体を肩部に包み込む形状にして、就寝時に肩を冷やさないようにした肩掛けふとん(特許文献2)も提供されている。
しかしながら、これらの肩掛けは、起きているときに利用するもの、あるいは、ふとんに直接取り付けられたものであり、就寝時及び就寝時以外において、使用者の肩部や首回りの保温状態を適度に保ち、かつ就寝時には寝心地が良くて熟睡できるような肩掛けは未だ作られていない。
特開平10−121311号公報 特開平10−07865号公報
このような事情に鑑みて、本考案は、従来の欠点を解消するとともに、使用者が就寝時及び就寝時以外において、使用者の肩部や首回りの保温状態を適度に保ち、かつ就寝時には寝心地が良くて熟睡できるようにした保温用肩掛けを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本考案は、左右一対の前身頃と後身頃とからなる三つの部分を縫い合わせて形成される保温用肩掛けであって、
前記各身頃は、薄い素材で作られた表地と、スリバー織りで上面にウールパイルを有するウール素材の裏地とを重ね合わせた構成からなり、前記前身頃の各々は、肩部と襟部の裁断縁を備え、かつ前記後身頃の丈よりも短く裁断されて使用者の胸部を覆う外形寸法を有し、
前記後身頃は、上部中央に首回りを形成するために肩部の裁断縁から突出する襟部分を備えて、前記使用者の背中部分を覆う外形寸法を有し、左右一対の前記前身頃と前記後身頃における各肩部の裁断縁を縫い合わせ、さらに、前記表地と前記裏地との縁回りを所定幅のバイアステープで覆って前記表地と前記裏地を重ねて縫い合わせたことを特徴としている。
また、本考案の好ましい形態によれば、前身頃同士を結合するための結合具が、紐、フック、及びボタンのいずれかから構成されている。また、左右の前身頃と後身頃は、ゴムバンドで連結されており、さらに、薄い素材の表地は、ポリコットンからなり、特に、ポリエステル50%、コットン50%の繊維からなること特徴としている。
本考案の保温用肩掛けは、裏地がウール素材であり、ウールの特徴として、使用者の体温に合わせて適度な温度での保温が可能であり、かつこの保温状態を長い時間に渡って維持することができる。また、就寝時には、柔らかいウール素材に直接触れる形で寝ることができるので、ウール本来の特徴である、適度の保温効果と耐圧分散(ウールパイルの毛立ちとその弾力性による)とにより、熟睡することができる。また、本発明の保温用肩掛けは、スリバー織り[スライバ編みともいう(sliver‐knitted)]のウール素材を用いることから、吸湿性が良く、人の皮膚からの発汗を吸収することができる。したがって、本考案によれば、就寝時及び就寝時以外において、使用者の肩部や首回りの保温状態を適度に保ちかつ寝心地が良くて熟睡できる。
本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。図1aは、本考案の保温用肩掛けの全体を示す正面図を示し、図1bは、その裏面図、図1cは、側面図である。この肩掛け1は、後述するように、左右一対の前身頃2a、2bと後身頃3の三つの部分で構成され、肩部4でつなぎ合わされ、かつ両身頃の縁取りがなされている。
また、左右一対の前身頃2a、2bには、中心部近くに三角形の当て布5を用いて所定長さの紐6が取り付けられており、また、前身頃2a、2bと後身頃3の側部には、ゴムバンド7が取り付けられている。この紐6の結び方及びゴムバンド7の伸縮によって使用者の体型に応じて前後左右にゆとりを持たせて広がり、体にフィットするように構成されている。
この肩掛け1は、前あき式で、使用者の肩に掛けて着るものであり、就寝前後または就寝時の保温用としての役目を果たすものである。そのため、裏地11は、ウールパイル12が露出しており、羊毛の特徴である、適度の体温を保持しかつ耐圧分散に優れているという特徴を備えている。
また、図1bで見るように、首部13の回りが襟状に立ち上がっているので、より使用者の首部を保温でき、さらに、後身頃3の方が前身頃2a、2bよりもその丈が長くなっているので、布団に寝た時に、背中部分を十分に保温でき、ゴムバンド7により、体の側部を囲うとともに、前身頃2a、2bと後身頃3を結びつけるので、はだけたり、偏ったりしないようになっている。
以下で、このような保温用肩掛け1の構成部品を詳細に説明する。
図2において、三つの部分のうち、左右一対の前身頃2a、2bが示されている。これらの前身頃2a、2bは、それぞれ、肩部4と襟部の裁断縁8,9を備え、図2bに示す外形状に裁断された2つの構成要素からなる。これらの構成要素は、薄い素材によって形成される表地10と、スリバー織りで上面にウールパイル12を有するウール素材の裏地11から構成される。
また、図3には、3部品の残りの1つである後身頃3が示されている。この後身頃3は、上述の前身頃2a、2bと同一の素材で形成されるものであり、上部中央に首回りを形成するために肩部4の裁断縁8から突出する襟部分16を備え、図3に示す外形状に裁断された2つの構成要素からなる。即ち、薄い素材によって形成される表地10と、スリバー織りで上面にウールパイル12を有するウール素材の裏地11から構成される。
このような前身頃2a、2bと後身頃3に用いられる、薄い素材の表地10は、洗濯により縮まないものが良く、例えば、ポリコットンが適している。このポリコットンは、好ましくは、ポリエステル50%、コットン50%のものが優れており、コットンと温かみを保持するとともに、縫い合わされるウールの低収縮率とのマッチングが良く、ほとんど縮みがない。
一方、ウール素材の裏地11は、ウールパイル12をスリバー織したものである。このスリバー織りは、羊毛をすきぐし(もつれをなくして毛羽立てる工程)にし、そして、ニット織りになるまでの工程を含んでいる。スリバー織りに使用されるウールパイルの下面に接着される下地繊維(ポリエステル、天然繊維、または人工繊維)の糸とすきぐしされたウールパイル12は、スリバー織りの機械で一体になり、上面にウールパイル12があり、下地に糸が絡まれて織られている。スリバー織りウールパイルの毛足の長さは、平らにするために切断される。これによって、均一の長さになる。この切断された時点で、遊び毛や抜け毛が若干発生する。
そして、スリバー織りの拡大部分を示すように、スリバー織りの後で、ウールパイル12のサイズの長さや密度が決定され、下地のポリエステルにラテックス等のゴム系接着剤を塗布される。この粘着剤は、熱に溶かされウールパイル12と下地の糸を接着し、また縦横寸法が伸縮するのを防止する。従って、表地のウールパイル12と下地のポリエステルが、接着剤によって固定されてパイル織物になっている。
また、図4には、他の付属パーツが示されている。これらは、図4aに示す当て布5、図4bに示す紐6、及び図4cに示すゴムバンド7である。
当て布5は、紐6を前身頃2a、2bに固定するためのものであり、前身頃2a、2bの中央位置近くに縫い合わされて紐6の一端が固定される。この当て布5は、三角形状であるが、単にデザイン上のためであることから他の形状であってもよい、紐6は、組みひも等で作られた編み上げられた構造である。さらに、ゴムバンド7は、前身頃2a、2bと後身頃3の側部を連結するもので、所定長さ、例えば、20mm幅×100mm長さの寸法を有する。
紐6とゴムバンド7は、結び具合やバンドの伸縮によって、使用者の体型に合わせてフィットさせることができる。
次に、左右の前身頃2a、2bと後身頃3からなる三つの部分で構成される本発明の保温用肩掛け1の製造過程を説明する。
まず、前身頃2a、2bと後身頃3の型寸法に合わせて、表地10と裏地11が裁断される。
そして、全体のパーツが揃ったところで、第1段階として、表地の前身頃2a、2bと後身頃3の肩部4を結合するために縫い合わせる。これにより、図5に示す一方の縫い目14が形成される。次に、第2段階として、ポリコットンの薄い表地10と、ウール素材の裏地11を重ね合わせる。
さらに、第3段階として、所定幅のバイアステープ15を用意し、ポリコットンとウールパイル12の縁回りをバイアステープ15で覆い、重ね合わせた表地10と裏地11の縁回りをバイアステープ15で縁掛かりするように、重ねて縫い合わせる。このとき、バイアステープ15は、表地10と同一または他の類似の素材を用いるが、伸縮性を兼ね備えているので、首回りの曲線縫いも偏りを生じることなく縫い合わせることができる。また、このバイアステープ15によってウールパイル12のほつれもなくなる。
このような製造過程により、作られた保温用肩掛け1は、裏地11がウールパイル12であり、ウールの特徴として、肌ざわりが良く、使用者の体温に合わせて適度な温度の保温が可能であり、かつその保温状態を長い時間に渡って維持することができる。また、就寝時には、柔らかいウール素材に直接触れる形で寝ることができるので、ウール本来の特徴である、適度の保温効果と耐圧分散により、熟睡することができる。
また、本発明の保温用肩掛けは、スリバー織りのウール素材を用いることから、吸湿性が良く、人の皮膚からの発汗を吸収することができ、さらに、中性洗剤等により、洗濯機で丸洗いが可能である。
また、本考案の実施形態では、ウールパイルの色に合わせて白地のポリコットンとしているが、就寝用であるとともに、室内着としての使用も可能であるので、チェック柄等のカラフルな色や模様を組み入れることもできる。さらに、別の実施形態として、襟の部分を少なくし、前身頃の丈を短くした形状も可能であり、また、腕の動きがより楽になるように、肩部の長さを短くしたベスト形状であっても十分に保温効果を保つことができる。
図1(a)は本考案の保温用肩掛けの全体図を示す正面図であり、図1(b)は裏面図、図1(c)は側面図である。 図2(a)は本考案に係る後身頃を示す正面図であり、図2(b)は側面図である。 図3(a)は本考案に係る一対の前身頃を示す正面図であり、図3(b)は側面図である。 図4(a)は本考案に係る付属パーツである当て布を示し、図4(b)は紐、図4(c)はゴムバンドを示す図である。 図5(a)は本考案の保温用肩掛けの首部における縫い合わせを示す図1のA部における拡大図であり、図5(b)は図1のB部を示す拡大図である。
符号の説明
1 肩掛け
2a、2b 前身頃
3 後身頃
4 肩部
5 当て布
6 紐
7 ゴムバンド
10 表地
11 裏地
12 ウールパイル
13 首部
14 縫い目
15 バイアステープ

Claims (4)

  1. 左右一対の前身頃(2a,2b)と後身頃(3)とからなる三つの部分を縫い合わせて形成される保温用肩掛け(1)であって、
    前記各身頃は、薄い素材で作られた表地(10)と、スリバー織りで上面にウールパイル(12)を有するウール素材の裏地(11)とを重ね合わせた構成からなり、
    前記前身頃(2a,2b)の各々は、肩部と襟部の裁断縁(8,9)を備え、かつ前記後身頃(3)の丈よりも短く裁断されて使用者の胸部を覆う外形寸法を有し、
    前記後身頃(3)は、上部中央に首回りを形成するために肩部の裁断縁(8)から突出する襟部分(16)を備えて、前記使用者の背中部分を覆う外形寸法を有し、
    左右一対の前記前身頃と前記後身頃における各肩部の裁断縁(8)を縫い合わせ、さらに、前記表地(10)と前記裏地(11)との縁回りを所定幅のバイアステープ(15)で覆って前記表地(10)と前記裏地(11)を重ねて縫い合わせたことを特徴とする保温用肩掛け。
  2. 前記前身頃同士を結合するための結合具は、紐(6)、フック、及びボタンのいずれかから構成されることを特徴とする請求項1記載の保温用肩掛け。
  3. 左右一対の前記前身頃と後身頃は、ゴムバンド(7)で連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保温用肩掛け。
  4. 薄い素材の表地は、ポリコットンからなり、特に、ポリエステル50%、コットン50%の繊維からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の保温用肩掛け。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0577191U (ja) * 1992-03-31 1993-10-19 株式会社タダノ ブームを有する作業機の作業半径制限装置

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