JP3102173B2 - 薬液注入器具 - Google Patents
薬液注入器具Info
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Description
入するための薬液注入器具に関し、更に詳しくは、バル
−ン内に加圧状態で貯蔵した薬液を、一定速度で患者に
注入することができる薬液注入器具に関する。
等の薬液を血管、膀胱等に少しずつ注入する手段とし
て、弾性材料からなるバル−ンに薬液を収納し、バル−
ンの収縮力を利用して薬液を長時間にわたって人体に持
続注入する器具(特表昭62−501333号公報)が
知られている。該公報に記載されている薬液注入器具は
バル−ンを収納するバル−ン部と、微細内径パイプから
なる流量制御部を有するチュ−ブとからなり、該流量制
御部がチュ−ブ下流端の接続具に隣接して配置されたも
のである。バル−ン内に充填された薬液はチュ−ブを通
って接続具に接続された静脈針等から患者に注入され
る。バル−ン内の薬液は最初チュ−ブ内の空気を追い出
しながらチュ−ブ内を薬液で充満していくが、微細内径
パイプからなる流量制御部がチュ−ブ下流端の接続具に
隣接して配置されているので、チュ−ブの液体プライミ
ング時間が短いのがこの用具の特徴である。
への薬液注入流量は、図7の薬液注入器具の薬液流出速
度と温度との関係を示すグラフでも明らかなように、雰
囲気温度によって薬液流出速度が大きな影響を受ける。
図7はバル−ン材料がイソプレンゴムからなる薬液注入
器具(比較例1)を使用して、雰囲気温度を30℃〜40℃
に変更したときの薬液流出速度の変化を示したものであ
る。図7に示すように雰囲気温度が高くなるにつれて、
薬液流出速度は大きくなる。また、かかる薬液注入器具
はバル−ンからの薬液の流出開始時から終了時までにバ
ル−ンの内圧は常時微妙に変動する。そして、図11の比
較例2のグラフに示すように薬液流出速度はバル−ン内
圧の変動に従って変化する。この対策として特開昭58
−149280号公報に長方形バル−ンにボ−ル状バル
−ン部を形成することによって一定の薬液流出速度で薬
液を人体に注入する薬液注入器具が紹介されている。
薬液注入器具は長方形バル−ンにボ−ル状バル−ン部を
有するバル−ンの成形が困難なだけでなく、一定のバル
−ン内圧によって薬液を人体に注入するのが困難であ
る。本発明者はかかる課題を解決するために鋭意研究し
た結果、たとえバル−ンの内圧が変動しても一定の薬液
流出速度で薬液を人体に注入できる流量制御治具を薬液
流通チュ−ブに設置することによって本発明に到達し
た。本発明の目的は患者の腕の体温やバル−ン内圧の影
響を受けないで薬液を所定速度で患者に注入することが
できる薬液注入器具を提供することである。
液を貯蔵し、かつ開口部から薬液を注入および流出させ
る弾性材料からなるバル−ン部と、前記バル−ン部を収
容し、その開口部に薬液注入部および/または薬液流出
部が固着されてなるハウジングと、前記薬液流出部から
延びた薬液流通チュ−ブと、該チュ−ブに配置された薬
液量を制御するための流量制御部とからなる薬液注入器
具において、前記流量制御部が内径が変形可能な弁孔を
有するゴム状弾性体からなるオリフイス体と、該弁孔の
内径が薬液上流側の最小位置から薬液下流側に行くに従
って次第に大きくなるように調整された調整手段とから
なる薬液注入器具である。また、本発明は前記前記薬液
注入器具において、 流量制御部の薬液上流側にフイル
タ−が設けられてなる薬液注入器具である。更に、本発
明は前記前記薬液注入器具において、流量制御部の薬液
下流側に内径10〜500μの微細内径のパイプが設置
されてなる薬液注入器具である。更にまた、本発明は前
記前記薬液注入器具において、流量制御部の弁孔の内径
を調整するための調整手段が、オリフイス体を配設した
筒状体の薬液上流側の内壁に形成された螺子部と、前記
弁孔入口と連通するための薬液上流側通路を有する栓体
の外壁に形成された螺子部とが螺合されてなる薬液注入
器具である。
バル−ンの収縮力を利用して、バル−ン内の薬液を患者
に注入するものである。バル−ン内の薬液の流出速度を
制御する流量制御部は薬液流通チュ−ブに設置される
が、該流量制御部はまず所定内径の弁孔を有するオリフ
イス体を調整手段によって所望薬液流出速度になるよう
に該弁孔の内径を調整した後に、バル−ン内の薬液は薬
液流通チュ−ブを経て流量制御部に供給される。そし
て、たとえオリフイス体の弁孔入口における薬液の供給
圧力が変動しても、その変動につれてゴム状弾性体から
なるオリフイス体が変形し、同時に弁孔の内径も変化す
ることによって一定の薬液注入速度で薬液を人体に供給
することができる。その結果、流量制御部は腕の体温や
バル−ンの内圧の影響を受けないで一定の薬液注入速度
で薬液を人体に供給することができる。
説明する。図1は本発明の薬液注入器具の一実施例の説
明図、図2は図1のバル−ンに薬液を充填したときのバ
ル−ン部の拡大断面図、図3は図1に示す薬液流通チュ
−ブのコネクタ−とルア−テ−パ−状アダプタ−の拡大
断面図、図4は図3に示すコネクタ−をルア−テ−パ−
状アダプタ−に挿入したときの状態を示す説明図、図5
はシリンジ内薬液をバル−ンに注入するときの説明図で
あってシリンジとバル−ン部が接続していない状態を示
す説明図、図6は図5に示すシリンジから薬液をバル−
ン内へ充填しているときの説明図、図7は薬液注入器具
の雰囲気温度における薬液流出速度を示すグラフ、図8
は流量制御部の一例を示す断面図、図9は流量制御部の
オリフイス体の他の実施例を示す断面図、図10は図9の
栓体による押圧で圧縮されたときのオリフイス体の断面
図、図11は図8の流量制御部の薬液下流側チュ−ブに捲
縮構造をした微細内径のパイプを配設した流量制御部の
断面図、図12は薬液を充填したバル−ン圧力の変動に対
する薬液の流出速度を示すグラフ、図13は特開平2−1
1160号公報の第5図に示すバル−ン部を使用した薬
液注入器具の説明図、図14は特表昭62−501333
号公報に示す薬液注入器具の一部を使用した器具の説明
図である。
−ブ部、1および42は内軸、2および41は外軸、3、43
および54はバル−ン、7および46はハウジング、14は逆
止弁、17および53は薬液流出部、19はロックアダプタ
−、30はコネクタ−部、31は流量制御部、34は連通パイ
プ、49はゴム栓、51は穿刺針、60はオリフイス体、61は
弁孔、62は筒状体、63は栓体、64は雌型螺子部、65は雄
型螺子部、66はキャップ体、67はフイルタ−である。
バル−ン部aと薬液流通チュ−ブbとから構成されてい
る。バル−ン部aは薬液が収容される部分であるととも
に、該薬液を人体の注入箇所へ移動せしめる駆動部分で
あり、棒状内軸1と、該内軸1に滑動自在に外装されて
なる円筒状外軸2と、これらの両軸の外部に設けられた
バル−ン3と、内軸1と一体に形成された内軸受け4と
で構成されている。外軸2の一端であって、内軸1に外
装される側と反対側の端部には傘状部材5が固着されて
いる。
おり、内軸1および外軸2を被覆するようにこれら両軸
の外部に設けられており、その一端は内軸1に、他端は
外軸2にO−リングなどのシ−ル手段6によって気密に
密着固定されている。バル−ン3は、患者への薬液注入
量、注入時間などに応じて種々の大きさ、肉厚のものを
用いることができ、本発明においては特に限定されるも
のでない。バル−ン3は薬液を充填することによって膨
張し、円筒状のバル−ンでは半径方向とともに長手方向
にも膨張しうる構造になっている。
1をガイドとして軸方向に移動する。その位置とバル−
ン3内に残っている薬液の量との関係は一定であるので
内軸1またはハウジング7に目盛りを設けることで薬液
の流出量を確認することができる。外軸2の一端であっ
て、内軸1に外装されている側と反対側の端部には、必
要により耐水圧フイルタ−8が設けられる。この耐水圧
フイルタ−8は薬液注入時にバル−ン3内に残存してい
る空気を外部に追い出す役割を果たす部材であり、ポリ
エステル、弗素樹脂またはこれらをラミネ−トしたもの
などで作製することができる。
としてはシリコ−ンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリ
ルブタジェンゴム、ブタジェンゴム、イソプレンゴム、
ウレタンゴム、スチレンブタジェンゴム、ペルプレン、
クレイトンゴムなどの弾性重合体または天然ゴム、これ
らの重合体混合物、またはこれらの物質の添加剤を除去
したのち人体に無害の酸化防止剤を添加した加工物質、
またはラミネ−ト等が挙げられる。
る側と反対側の端部には、内軸受け4が該内軸1と一体
に形成されている。該内軸受け4は短円筒状部材であ
り、その内軸1側端部には薬液流出入口が形成されてい
る。薬液流出入口は内軸受け4の内部を介してハウジン
グ7の薬液通路13と連通している。ハウジング7はバル
−ン3が外部の鋭利な物体に触れて破損するのを防止す
るとともに、バル−ン自体のピンホ−ルなどの欠陥によ
ってバル−ン3から液洩れが発生した場合に外部に薬液
が飛散しないように薬液を密封する機能を果たすもので
ある。ハウジング7の適宜の箇所には空気抜きの窓部10
が形成されており、該窓部10には空気は通過させるが薬
液は通過させない疎水性フイルタ−11を設けるのが好ま
しい。
閉じられており、該キャップ12の中央部分には薬液をバ
ル−ン3内に注入したり、該バル−ン3より薬液を所定
箇所に注入する際に薬液の流路となる薬液通路13が形成
されている。薬液通路13には、図3〜図6に示されるよ
うにバル−ン3側からダックビルタイプの逆止弁14、固
定デイスク15およびシ−ル手段16が設けられている。ダ
ックビルタイプの逆止弁14は弁の閉鎖端がカモノハシの
嘴のような形状をしており、バル−ン3内部への薬液の
流通は許すが、その逆方向の流れは阻止する構造になっ
ている。逆止弁14としては、前記ダックビルタイプの弁
のほかにも傘弁、フラップ弁、ポペット弁、ボ−ル弁な
どを用いることができ、これらの弁材料としては弗素樹
脂、ナイロン、ポリオレフイン、ポリ塩化ビニル、ポリ
カ−ボネ−ト、シリコ−ン樹脂などが挙げられる。固定
デイスク15は逆止弁14の基板を支持するものであり、中
央部には薬液の流出流入のための開口部17が形成されて
いる。開口部17は薬液流出部および薬液流入部を兼用し
ている。図1〜図6の薬液注入器具における薬液流出部
は、固定デイスク15に定められるが、図13に示すような
バル−ン3内の薬液を薬液流入用栓体49に薬液流通チュ
−ブ部bの端部にある穿刺針51が穿刺されて患者に注入
する薬液注入器具においては薬液流出部は該栓体49であ
る。また、図14に示すような薬液流入ル−ト(番号52か
ら薬液を流入) と薬液流出ル−トとが分岐してなる薬液
注入器具においては、薬液流出部は接続部53である。
タ−19と固定デイスク15により形成された環状凹所18内
には、シ−ル手段16たるO−リングが配設されている。
このO−リングの内径は連通パイプの外径と同一もしく
はそれより小さく、これによって連通パイプ34を薬液通
路13内に挿入したときのシ−ル性が高められるようにな
っている。ロックアダプタ−19は内面がルア−テ−パ−
状に形成されたほぼ円筒状の接続具である。このロック
アダプタ−19はキャップ12に形成された凹所20内に嵌め
込まれている。ロックアダプタ−19の端部外周には薬液
流通チュ−ブbを接続するためのネジ部21が形成されて
いる。薬液のバル−ン3 への流入は図5および図6に示
すように、薬液通路13内に注射器のシリンジ22を挿入
し、このシリンジ22の針基23の外周をロックアダプタ−
19のルア−テ−パ−状の内周面に嵌合し、ロックアダプ
タ−19によって螺合して行う。図5および図6ではシリ
ンジ22の針基23はロックアダプタ−19と螺合するように
形成されているが、シリンジ22の針基23の外周をロック
アダプタ−19のルア−テ−パ−状の内周面に押しつけな
がら薬液をバル−ンに流入してもよい。この時、針基23
は逆止弁14の入口側にあり、その長さは逆止弁14に届か
ない範囲であり、バル−ン内への薬液充填時に薬液が薬
液流通チュ−ブb側へ逆流するのを防止する。
クアダプタ−19に接続される接続具であるコネクタ−部
30と、薬液量を制御するための流量制御部31と、薬液注
入チュ−ブ32と、接続具33とで構成されている。コネク
タ−部30の一端には図3に示すようにロックアダプタ−
19に接続されたときに、逆止弁14を押し開いてバル−ン
3内部に連通しうる長さを有する連通パイプ34が設けら
れている。この連通パイプ34はポリカ−ボネ−ト、ポリ
塩化ビニル、ポリオレフインなどの合成樹脂やステンレ
スなどの金属で作製することができる。連通パイプ34は
コネクタ−部30の内周面に固着されている。連通パイプ
34の突出部の長さは、図4にも示されるようにコネクタ
−部30とロックアダプタ−19が接続されたときにダック
ビルタイプの逆止弁14を押し広げうる長さに設定されて
いる。これにより逆止弁14の逆止効果が強制的に解除さ
れて、注入針を用いなくともバル−ン3 内に充填された
薬液の流出が可能になる。コネクタ−部側のネジ部35は
ロックアダプタ−19に形成されたネジ部21との螺合によ
りバル−ン部aと薬液流通チュ−ブbとの接続が行われ
る。この接続は螺合以外に嵌合で行うようにしてもよ
い。
である。図8は本発明薬液注入器具で使用する流量制御
部の一例を示す断面図であり、変形可能なゴム状弾性体
からなるオリフイス体60を固着する筒状体62の薬液上流
側に栓体63、薬液下流側にキャップ体66が装着されてお
り、オリフイス体60の弁孔61の前後で、その同軸方向に
薬液チュ−ブ68、69、薬液通路70、71が配設された構造
をしている。オリフイス体60は薬液上流側から薬液下流
側に通じる弁孔61を有し、該弁孔61は弁孔入口から入っ
た途中で内径が最小になり、該最小位置から薬液下流側
に行くに従って次第に内径が大きくなった形状をしてい
る。弁孔61の内径は所望する薬液流出速度によって随意
変更できる。オリフイス体60は筒状体62の内壁に固着さ
れる。筒状体62の薬液流入側の内壁には雌型螺子部64が
形成され、栓体63の雄型螺子部65と螺合し、栓体63を回
転させることによってオリフイス体60を押圧し、弁孔61
の内径を調整する。弁孔61と薬液上流側チュ−ブ68との
間には、バル−ン3内の薬液に含有されている微小物質
を除去するためのフイルタ−67が設けられていてもよ
い。フイルタ−67は薬液上流側チュ−ブ68の先端部に設
置されるのが好ましく、繊維状物、焼結物等が使用され
る
連通するための薬液上流側通路70と、該薬液上流側通路
70と連結した薬液上流側チュ−ブ68が装着されており、
栓体63の先端部はオリフイス体60と接し、薬液上流側通
路70の出口とオリフイス体60の弁孔61の入口とは同軸方
向に連通している。栓体63の先端側面部には筒状体62の
雌型螺子部64と螺合する雄型螺子部65が形成されてお
り、栓体63を回転させることによって雄型螺子部65が雌
型螺子部64を移動してオリフイス体60の弁孔61の内径の
大きさを調整し薬液の流出速度を調節する。キャップ体
66はオリフイス体60の弁孔61の出口と連通するための薬
液下流側通路71と、該薬液下流側通路71と連結した薬液
下流側チュ−ブ69が配設されている。キャップ体66の一
端はオリフイス体60と接し、筒状体62の内腔に嵌着さ
れ、薬液下流側通路71の入口とオリフイス体60の弁孔61
の出口とは同軸方向に連通している。
体60のほぼ中央部には弁孔61が形成され、栓体63を回転
させることによって栓体63の先端はゴム状弾性体からな
るオリフイス体60の環状足部73を押圧し、弁孔61の内径
が僅かに変化して薬液流出速度が設定される。弁孔61は
弁孔入口から入った途中で内径が最小になり、該最小位
置から薬液下流側に行くに従って次第に内径が大きくな
った形状をしている。かかる状態で薬液上流側チュ−ブ
68から薬液上流側通路70を経て供給された薬液は、オリ
フイス体61の入口に形成された凹状空間部72を経て弁孔
61の入口に達し、その入口に与える圧力によって弁孔61
の内径の最小位置が微妙に変化する。その結果、常時弁
孔61の出口から流出する薬液の圧力はほぼ一定に保たれ
る。図9は流量制御部31のオリフイス体60の他の実施例
を示す断面図であり、キャップ体66の一端がオリフイス
体60に接する面に空間部74が設けられ、栓体63の先端部
がオリフイス体60を押圧することによって図10に示すよ
うに変形可能なゴム状弾性体からなるオリフイス体が前
記空間部74に移動して、弁孔61の途中に最小内径が形成
される。そして弁孔61の入口の薬液の圧力の変化に対し
て弁孔61の最小内径が微妙に変化して弁孔61の出口から
流出する薬液の圧力がほぼ一定に保たれる。
からなる。ゴム状弾性体の材料としてはスチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、オレフイン系ゴム、フッ
ソ系ゴム、シリコ−ンゴム、ウレタンゴム、クレイトン
ゴム、ペルプレンなどの合成ゴム、天然ゴムなどが挙げ
られる。弾性体の硬度はJIS-A 型によるスプリング式硬
さ試験機で測定した硬度が25〜70度、好ましくは35〜60
度である。硬度が25度未満であると、オリフイス体60が
薬液の圧力によって簡単に変形しすぎる傾向があり、弁
孔61の内径の調整が困難であり、硬度が70度を越えると
僅かの薬液流出圧力の変化に対してオリフイス体60が反
応せず、弁孔の内径が変化しない傾向がある。弁孔61の
内径は所望する薬液流出速度によって任意に変更可能で
あるが、通常は 100〜1000μが好ましい。
すような内径10〜 500μの微細内径のパイプを設置する
と、バル−ン内の薬液の流出速度が遅くなり、人体への
薬液注入時間を長くすることができる。パイプの長さは
1cm以上で外径は内径の5〜500倍の大きさである。パ
イプの長さが30mmを越えると、図11に示すような捲縮構
造をした微細内径パイプ55を収納したケ−ス56を使用す
ると薬液流通チュ−ブの長さが短くなって好ましい。微
細内径のパイプとしては、本出願人が既に出願した特開
平2-11160 号公報あるいは特開平3-140163号公報に記載
された金属製パイプ、合成樹脂製パイプ、ガラス製パイ
プなどが用いられることができる。
31は接続具33から離れた位置に設置される。流量制御部
からその下流に位置する接続具までの薬液流通チュ−ブ
dは、その内径が流量制御部31からその上流に位置する
薬液流出部方向へ延びた薬液流通チュ−ブcの内径に比
較して小さい。薬液流通チュ−ブdの内径は薬液流通チ
ュ−ブcの内径に対して15%〜85%、好ましくは30%〜
70%である。薬液流通チュ−ブcと薬液流通チュ−ブd
の内径の比率は、薬液流通チュ−ブdの長さによっても
異なる。薬液流通チュ−ブdの長さは少なくとも30cmあ
るのが、腕の温度の影響を受けなくて好ましい。
ル、ポリプロピレン、ポリエステルなどからなり、その
他端にはルア−テ−パ−状の接続具33が設けられ、接続
具33を介して静脈針やPSVセットなどが接続される。
接続具33には静脈圧などにより薬液が逆流するのを防止
するための逆止弁(表示せず)を装備してもよい。な
お、本発明の薬液注入器具は、特公平3-55142号公報、
特表平1-501451号公報、特開平2-11160号公報、特開平
3-170163号公報等に記載された薬液注入器具にも使用さ
れることができる。
一例について説明する。薬液のバル−ンへの注入は、図
5および図6に示すように薬液通路内に注射器のシリン
ジを挿入し、このシリンジをロックアダプタ−19のルア
−テ−パ−状の内周面に押しつけるようにして行われ
る。このときシリンジ22の針基先端は逆止弁14の入口側
にある。バル−ンへの薬液流入は流入口径が広くなった
分だけ、ゴム栓に注射針を穿刺する場合に比較して充填
圧が小さくなり、薬液流入が容易になるとともに短時間
でバル−ンへの薬液流入操作を終了させることができ
る。
張する。この際、バル−ン3内に残存している内部空気
は耐水圧フイルタ−8を通って外部に追い出される。ま
た、バル−ン3の拡張とともに内軸1に外装されている
外軸2は長手方向にスライドし、ハウジング7面に沿っ
て進んでいく。所定量の薬液充填が終わると注射器をロ
ックアダプタ−19から抜き取る。薬液充填完了時には、
傘状部材5とハウジング7の端部内面とが合致し、バル
−ン3膨張時の曲がりと振動によるバル−ンの破裂が防
止される。次に図4に示されるように薬液流通チュ−ブ
bのコネクタ−部30とロックアダプタ−19内とを接続す
る。この際、コネクタ−部30の連通パイプ34は逆止弁14
を押し広げて、バル−ン3内部と連通パイプ34とが連通
状態になる。その後は接続具33を介してPSVセットな
どに接続し空気抜きなどの所定の操作を行った後に、バ
ル−ン3内の薬液は流量制御部31によって流量を制御さ
れながら患者の体内に薬液の注入が行われる。
製)をアセトン・ヘキサン混合溶剤(混合容積比1:
2)でソックスレ−抽出を3時間行い、天然ゴム製管状
体中の添加剤を抽出除去した。次いで該管状体を1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(以
下BHTという)のアセトン・ヘキサン混合溶剤(混合
容積比1:2)の溶液(濃度0.01g/ml)中に25℃の温度
で24時間浸漬し、該管状体中に酸化防止剤であるBHT
を含浸させた。その後管状体をエタノ−ルで洗浄し25℃
の温度で12時間乾燥させた。この処理済天然ゴム製管状
体を図1に示す薬液注入器具に組み込み、60mlの水をバ
ル−ン内に充填した。次いで図8に示す弁孔(最小内径
250μ、入口内径 800μ、出口内径 530μ、長さ 3mm)
を有するイソプレンゴム製オリフイス体(硬度45度) を
流量制御部に使用し、約1時間でバル−ン内の水を流出
させた。流量制御部の長さは22mm、薬液上流側チュ−ブ
cは外径2.8mm 、内径0.5mm 、長さ564mm であり、薬液
下流側チュ−ブdは外径2.65mm、内径0.3mm 、長さ 336
mmであった。次いで、バル−ン部aの薬液流出側を下方
にしてバル−ン内の水を接続具に取りつけた静脈針から
ヘッド差約50mmにして滴下した。バル−ン内圧の変化に
対する液体流出速度を図12に示す。図12から明らかなよ
うに、バル−ン内圧の変化に対してほぼ一定の液体流出
速度でバル−ン内の液体が流出している。
流量制御部の代わりに、捲縮構造をした極細のポリ塩化
ビニル製パイプ(外径1.00mm、内径 0.060mm、長さ42m
m) のケ−スを収納した流量制御部を使用して、実施例
1と同様にバル−ン内に水を充填して接続具に取りつけ
た静脈針からヘッド差約50mmにして水を滴下した。捲縮
構造をしたポリ塩化ビニル製パイプが収納されているケ
−ス部分の長さは22mmであった。この流量制御部は1日
間でバル−ン内の薬液を患者に注入するように制御され
たものである。バル−ン内圧の変化に対する液体流出速
度を図12に示す。図12から明らかなように、バル−ン内
圧が高くなるにつれて液体流出速度は大きくなってい
る。
て、薬液流出チュ−ブの入口に捲縮構造をした極細のポ
リ塩化ビニル製パイプ(外径1.00mm、内径 0.060mm、長
さ240mm)を収納したケ−スを設置した流量制御部の薬液
注入器具を使用した。この流量制御部は7日間でバル−
ン内の薬液を患者に注入するように制御された薬液注入
器具であり、ほぼ一定の流出速度で液体は流出した。
8.4mm、肉厚 0.8mm)を図13に示す薬液注入器具に組み
込み、60mlの水を注射器で栓体49からバル−ン内に充填
した。次いで比較例1で使用した流量制御部において、
薬液流出チュ−ブの入口に捲縮構造をした極細のポリ塩
化ビニル製パイプ(外径1.00mm、内径 0.060mm、長さ42
mm) のケ−スを収納した流量制御部を使用した。捲縮構
造をしたポリ塩化ビニル製パイプが収納されているケ−
ス部分の長さは22mmであった。この流量制御部は1日間
でバル−ン内の薬液を患者に注入するように制御された
ものである。薬液流通チュ−ブにおける流量制御部31の
配置は実施例1と同様に薬液上流側チュ−ブcが外径2.
8mm 、内径0.5mm 、長さ564mm であり、薬液下流側チュ
−ブdが外径2.65mm、内径0.3 mm、長さ336mm であっ
た。薬液が充填されたバル−ン部aの栓体49に薬液上流
側チュ−ブbの穿刺針51が穿刺されることによって、バ
ル−ン43内の薬液は棒状内軸42が外軸41の内部に内挿さ
れながら薬液流通チュ−ブcを通り流量制御部31で流量
を制御されながら薬液下流側チュ−ブdを経て接続具33
に接続された静脈針から患者に注入される。次いで、バ
ル−ン部aの薬液流出側を下方にして、ヘッド差50mmで
バル−ン内の水を接続具33に取りつけた静脈針から滴下
した。薬液滴下は28℃、32℃および40℃の各雰囲気温度
中で行われた。バル−ン内の薬液が50ml滴下されるまで
の各雰囲気温度における平均流出速度(ml/時)を図7
に示す。
て、流量制御部の代わりに図8に示す弁孔(最小内径 2
50μ、入口内径 800μ、出口内径 530μ、長さ 3mm) を
有するイソプレンゴム製オリフイス体(硬度45度) を流
量制御部に使用し、約1時間でバル−ン内の水を流出さ
せた。流量制御部の長さは22mm、薬液上流側チュ−ブc
は外径2.8mm 、内径0.5mm 、長さ564mm であり、薬液下
流側チュ−ブdは外径2.65mm、内径0.3mm 、長さ 336mm
であった。次いで、バル−ン部aの薬液流出側を下方に
してバル−ン内の水を接続具に取りつけた静脈針からヘ
ッド差約50mmにして滴下した。バル−ン内の水はほぼ一
定の流出速度で流出した。
(24時間タイプ、バル−ン材料: ポリイソプレン)を使
用し、薬液流通チュ−ブ部bに実施例3で使用したチュ
−ブを使用して両者を繋いだ図14に示す薬液注入器具を
使用した。図14において、薬液注入口52からバル−ン54
に注入された薬液は接続部53から薬液流通チュ−ブcを
通り、流量制御部31で流量を制御されながら薬液流通チ
ュ−ブdを経て接続具33に接続された注射針から患者に
注入される。次いで、バル−ン部aの薬液流出側を下方
にしてバル−ン内の水を接続具に取りつけた静脈針から
ヘッド差約50mmにして滴下した。バル−ン内の水はほぼ
一定の流出速度で流出した。
入する薬液の圧力が変動しても、その変動につれてオリ
フイス体が変形し同時に弁孔の内径も変化することによ
って、一定の薬液注入速度で薬液を人体に注入すること
ができる。その結果、本発明の薬液注入器具は温度の影
響を殆ど受けず、薬液注入器具を携帯しながら薬液を人
体に注入でき、患者は日常生活に支障をきたすことなく
薬液の点滴をうけることができる。
ン部の拡大断面図。
ア−テ−パ−状アダプタ−の拡大断面図
プタ−に挿入したときの状態を示す説明図。
明図であってシリンジとバル−ン部が接続していない状
態を示す説明図。
填しているときの説明図。
度を示すグラフ。
断面図。
フイス体の断面図。
構造をした微細内径のパイプを配設した流量制御部の断
面図。
液の流出速度を示すグラフ。
部を使用した薬液注入器具の説明図。
一部を使用した器具の説明図。
Claims (4)
- 【請求項1】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部か
ら薬液を注入および流出させる弾性材料からなるバル−
ン部と、前記バル−ン部を収容し、その開口部に薬液注
入部および/または薬液流出部が固着されてなるハウジ
ングと、前記薬液流出部から延びた薬液流通チュ−ブ
と、該チュ−ブに配置された薬液量を制御するための流
量制御部とからなる薬液注入器具において、前記流量制
御部が内径が変形可能な弁孔を有するゴム状弾性体から
なるオリフイス体と、該弁孔の内径が薬液上流側の最小
位置から薬液下流側に行くに従って次第に大きくなるよ
うに調整された調整手段とからなる薬液注入器具。 - 【請求項2】 流量制御部の薬液上流側にフイルタ−が
設けられてなる請求項1記載の薬液注入器具。 - 【請求項3】 流量制御部の薬液下流側に内径10〜5
00μの微細内径のパイプが設置されてなる請求項1ま
たは2記載の薬液注入器具。 - 【請求項4】 流量制御部の弁孔の内径を調整するため
の調整手段が、オリフイス体を配設した筒状体の薬液上
流側の内壁に形成された螺子部と、前記弁孔入口と連通
するための薬液上流側通路を有する栓体の外壁に形成さ
れた螺子部とが螺合されてなる請求項1〜3のいずれか
に記載の薬液注入器具。
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JPH06154320A JPH06154320A (ja) | 1994-06-03 |
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ID=18331024
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JP04339809A Expired - Fee Related JP3102173B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 薬液注入器具 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1992
- 1992-11-25 JP JP04339809A patent/JP3102173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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