JP3101778B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP3101778B2
JP3101778B2 JP04029592A JP2959292A JP3101778B2 JP 3101778 B2 JP3101778 B2 JP 3101778B2 JP 04029592 A JP04029592 A JP 04029592A JP 2959292 A JP2959292 A JP 2959292A JP 3101778 B2 JP3101778 B2 JP 3101778B2
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哲弘 山下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のスリップ制御装
置、特に、真空倍力装置を利用したスリップ制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両加速時等においては、駆動輪が過大
な駆動力によってスリップし、これにより加速性が低下
してしまうことがある。このため従来より、駆動輪の路
面に対するスリップ率が所定値以上になったとき、この
スリップ率(駆動スリップ率)を所定の目標駆動スリッ
プ率に近づけるよう駆動輪の駆動力を制御するスリップ
制御装置が提案されている。このようなスリップ制御装
置の具体例として、エンジン出力を制限すること(エン
ジン制御)および駆動輪に制動力を作用させること(ブ
レーキ制御)の一方または双方により、駆動力制御を行
うものが知られている。
【0003】上記ブレーキ制御は、従来、例えば特開平
3-281469号公報に開示されているように、ブレーキペダ
ルとブレーキとの間にブレーキ圧発生用ポンプを設け、
このブレーキ圧発生用ポンプで発生したブレーキ圧を駆
動輪に適宜供給することによって行われていた。
【0004】上記ブレーキ圧発生用ポンプは大型のもの
となることから、特公平3-5344号公報には、真空倍力装
置で発生する負圧を利用してブレーキ制御を行い、ブレ
ーキ圧発生用ポンプを廃止するようにしたスリップ制御
装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような真空倍力装
置を利用したブレーキ制御装置においては、ブレーキ圧
発生用ソレノイドにより真空倍力装置を作動させてブレ
ーキ圧を発生させ、このブレーキ圧をブレーキ圧調整弁
により減圧調整して駆動輪に所定のブレーキ圧を供給す
るようになっているが、このようにした場合には、上記
ブレーキ圧調整弁の作動により低下したブレーキ圧を補
うためのブレーキ圧補充用ポンプを設ける必要がある。
そして、このようなブレーキ制御装置においては、ブレ
ーキ制御が適切に行われるようにするため、上記ブレー
キ圧発生用ソレノイドおよびブレーキ圧補充用ポンプが
正常に作動するか否かのイニシャルチェックをブレーキ
制御に先立って行う必要がある。
【0006】しかしながら、上記ブレーキ圧発生用ソレ
ノイドに対するイニシャルチェックを行うと、これによ
り真空倍力装置の負圧損失を招くこととなるため、でき
るだけこれを行わないようにすることが好ましい。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、真空倍力装置を利用した車両のスリッ
プ制御装置において、不必要なイニシャルチェックによ
る真空倍力装置の負圧損失を防止することができる車両
のスリップ制御装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両のスリ
ップ制御装置は、イニシャルチェックの順序に工夫を施
すことにより上記目的達成を図るようにしたものであ
る。
【0009】すなわち、ブレーキペダルとブレーキとの
間に設けられ、前記ブレーキペダルの踏込み操作により
発生するブレーキ圧を、負圧を利用して増幅させる真空
倍力装置と、前記ブレーキペダルの踏込み操作によるブ
レーキ圧の発生有無にかかわらず前記真空倍力装置を作
動させてブレーキ圧を発生させるブレーキ圧発生用ソレ
ノイドと、前記真空倍力装置と前記ブレーキとの間に設
けられ、ブレーキ圧を減圧調整するブレーキ圧調整弁
と、このブレーキ圧調整弁の作動により低下したブレー
キ圧を補うブレーキ圧補充用ポンプと、前記ブレーキ圧
発生用ソレノイド、前記ブレーキ圧調整弁および前記ブ
レーキ圧補充用ポンプを制御することによりスリップ制
御を行う制御手段と、を備えた車両のスリップ制御装置
において、前記制御手段は、前記ブレーキ圧発生用ソレ
ノイドのイニシャルチェックを前記ブレーキ圧補充用ポ
ンプのイニシャルチェックよりも後に行うように構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の作用および効果】ブレーキ圧補充用ポンプのイ
ニシャルチェックの結果、ブレーキ圧補充用ポンプに異
常があることが明らかになれば、スリップ制御を行うこ
とができなくなるので、ブレーキ圧発生用ソレノイドに
対するイニシャルチェックを行う意義がなくなるが、上
記構成に示すように、本発明においては、ブレーキ圧発
生用ソレノイドのイニシャルチェックをブレーキ圧補充
用ポンプのイニシャルチェックよりも後に行うようにな
っているので、ブレーキ圧補充用ポンプに異常があった
場合に、ブレーキ圧発生用ソレノイドに対するイニシャ
ルチェックを行わないようにすることが可能となり、こ
れにより不要なイニシャルチェックを防止することがで
きる。
【0011】したがって、本発明によれば、真空倍力装
置を利用した車両のスリップ制御装置において、不必要
なイニシャルチェックによる真空倍力装置の負圧損失を
防止することができる。
【0012】また、本発明によれば、ブレーキ圧発生用
ソレノイドに対するイニシャルチェックが、負圧がある
程度溜った状態で行われるため、このイニシャルチェッ
クによってブレーキ圧が一瞬発生することとなり、これ
によりブレーキ系のウォーミングアップを行うことがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例について説明する。
【0014】図1は、本発明に係る車両のスリップ制御
装置の一実施例を示す構成概要図である。
【0015】図1に示すように、このスリップ制御装置
が設けられる車両は、前輪1FL、1FRが駆動輪とさ
れ、後輪1RL、1RRが従動輪とされた前輪駆動車で
あり、車体前部にはエンジン2が横置きに搭載され、該
エンジン2での発生トルクは、クラッチ3、変速機4、
差動ギヤ5に伝達された後、左ドライブシャフト6Lを
介して左前輪1FLに、また右ドライブシャフト6Rを
介して右前輪1FRに伝達されるようになっている。
【0016】各車輪に装備されたブレーキ7FL〜7R
Rは、油圧式のディスクブレーキであり、ブレーキ液圧
発生源としてのマスタシリンダ8は、2つの吐出口8
a、8bを有するタンデム型とされている。このマスタ
シリンダ8の一方の吐出口8aから延びるブレーキ配管
13は、途中で2本に分岐されて、分岐配管13Fが左
前輪用ブレーキ7FL(のキャリパ内に装備されたホイ
ールシリンダ)に接続され、分岐配管13Rが右後輪用
ブレーキ7RRに接続されている。マスタシリンダ8の
他方の吐出口8bから延びる分岐配管14も2本に分岐
されて、分岐配管14Fが右前輪用ブレーキ7FRに接
続され、分岐配管14Rが左後輪用ブレーキ7RLに接
続されている。
【0017】前輪用すなわち駆動輪用の分岐配管13
F、14Fには、電磁式の液圧調整弁15L、15R
(ブレーキ圧調整弁)が接続され、後輪用の分岐配管1
3R、14Rには、電磁式の開閉弁16L、16Rが接
続されている。液圧調整弁15L、15Rは、ブレーキ
7FL、7FRへのマスタシリンダ8からのブレーキ液
圧供給と、該ブレーキ7FL、7FRのブレーキ液圧を
配管21L、21Rを介してリザーバタンク22L、2
2Rへ解放する態様とを切り換えるようになっている。
リザーバタンク22Lのブレーキ液は、ポンプ23L
(ブレーキ圧補充用ポンプ)によって、逆止弁24Lが
接続された配管25Lを介して配管13に供給され、同
様に、リザーバタンク22Rのブレーキ液は、ポンプ2
3R(ブレーキ圧補充用ポンプ)によって、逆止弁24
Rが接続された配管25Rを介して配管14に供給され
るようになっている。
【0018】上記各液圧調整弁15L、15Rおよび各
開閉弁16L、16Rは、コントロールユニット51
(制御手段)により制御されるようになっている。
【0019】ブレーキペダル12に対する踏込み力は、
ブレーキブースタ11(真空倍力装置)を介してマスタ
シリンダ8に伝達されるようになっている。このブース
タ11は、基本的には既知の真空倍力装置と同じである
が、所定の場合には後述するように、ブレーキペダル1
2の踏込み操作が行われていなくても倍力作用を行うよ
うに構成されている。
【0020】ブースタ11は、車体およびマスタシリン
ダ8に固定されたケーシング31を有し、該ケーシング
31内が、ダイヤフラム32とこれに固定されたバルブ
ボディ33とによって、第1室34と第2室35とに画
成されている。第1室34には常に負圧(例えばエンジ
ン2の吸気管負圧)が供給されており、ブレーキペダル
が踏込み操作されていないときは第2室35が第1室3
4と連通されて、ブースタ11の作動が停止された状態
となり、一方、ブレーキペダル12を踏込み操作する
と、第2室35に大気圧が供給され、これによりダイヤ
フラム32がバルブボディ33と共に前方へ変位して倍
力作用が行われるようになっている。
【0021】第2室35に対する負圧供給と大気圧供給
との切換えは、基本的には、バルブボディ33内に装備
された弁装置によってなされる。このバルブボディ33
部分を図2に基づいて説明する。
【0022】バルブボディ33は、ダイヤフラム32に
固定されるパワーピストン41を有しており、このパワ
ーピストン41に形成された凹部41a内には、リアク
ションディスク42と出力軸43の基端部とが嵌合され
ている。この出力軸43は、マスタシリンダ8の入力軸
となるものである。また、ブレーキペダル12に連結さ
れた入力軸44の先端部には、バルフボディ33内にお
いて、バルブプランジャ45が取り付けられている。こ
のバルブプランジャ45の後方には、真空弁46が配設
されている。
【0023】パワーピストン41には圧力導入通路50
が形成されており、該圧力導入通路50は常時、バルブ
プランジャ45の周囲に形成される空間Xに連通されて
いる。この空間Xは、常に第2室35と連通されてい
る。そして、圧力導入通路50の空間X側への開口端部
には、真空弁46が離着座される弁座47が形成されて
いる。また、真空弁46は、バルブプランジャ45の後
端に形成された弁座45aに対しても離着座される。
【0024】以上のような構成において、いま、圧力導
入通路50に負圧が導入されている場合を想定する。こ
の状態で、ブレーキペダル12が踏込み操作されていな
いときは、図2に示すように、真空弁46はスプリング
48、49の付勢力によって弁座45aに着座している
が、弁座47とは離間されている。したがって、圧力導
入通路50からの負圧は、空間Xを介して第2室35に
導入され、倍力作用は行われない。
【0025】ブレーキペダル12を踏込み操作すると、
入力軸44と共にバルブプランジャ45が前方移動(図
中左方移動)する。この前方移動の際、真空弁46は、
まず弁座47に着座して空間Xと圧力導入通路50との
連通を遮断し、この後真空弁46に対して弁座45aが
離間される。この真空弁46と弁座45aとが離間する
ことにより、バルブボティ33の後方からの大気圧が空
間Xに導入されて、第2室35が大気圧となる。これに
より、ダイヤフラム32がバルブボディ33と共に前方
へ変位し、この結果出力軸43が前方移動して倍力作用
が行われる。マスタシリンダ8からのブレーキ反力は、
リアクションディスク42を介して、バルブプランジャ
45さらにはブレーキペダル12に伝達される。ブレー
キペダル12の踏込み操作力が解放されると、リターン
スプリング36(図1参照)により図2の状態へ復帰し
て、次の倍力作用に備えることになる。
【0026】以上説明した部分は、既知の真空倍力装置
と同じであるが、本実施例では、後述するスリップ制御
のために、圧力導入通路50に対して、第2室35の負
圧を導入させる状態と大気圧を導入させる状態とに切り
換えることができるようになっている。すなわち、第1
室34と圧力導入通路50とが配管37を介して接続さ
れ、該配管37には、図1に示すように、コントロール
ユニット51によって制御される3方電磁切換弁38
(ブレーキ圧発生用ソレノイド)が接続されている。こ
の切換弁38は、消磁時に圧力導入通路50を第1室3
4に連通させ、励磁時に圧力導入通路50に大気圧を導
入させるようになっている。この切換弁38が励磁され
て圧力導入通路50に大気圧が導入されると、空間Xし
たがって第2室35は、ブレーキペダル12の踏込み操
作が行われていなくても大気圧となり、この結果倍力作
用を行ってマスタシリンダ8にブレーキ液圧を発生させ
ることになる。
【0027】図1に示すように、コントロールユニット
5には、センサあるいはスイッチS1 〜S9 からの信号
が入力されるようになっている。センサS1 〜S4 は、
各車輪1FL〜1RRの回転速度を検出する車輪速セン
サである。スイッチS5 はアクセルペダル10が全閉と
なったときにオンとされるアクセルスイッチである。ス
イッチS6 、S7 はそれぞれブレーキペダル12が踏込
み操作されたときに作動されるフットブレーキスイッチ
で、例えば一方のスイッチは常開型とされ、他方は常閉
型とされている。スイッチS8 は、パーキングブレーキ
(図示せず)が作動したときオンになるパーキングブレ
ーキスイッチである。スイッチS9 は、手動操作により
ヒルホルダ機構(図示せず)のブレーキ作動機能を停止
させるマニュアルスイッチである。
【0028】また、コントロールユニット51は、エン
ジン出力(エンジン2の発生トルク)を調整するトルク
調整手段9に対しても制御信号を出力するようになって
いる。なお、トルク調整手段9は、例えば吸入空気量調
整することにより、あるいは燃料カット気筒数と点火時
期調整との組合せにより、発生トルク調整を行うもので
ある。
【0029】上記コントロールユニット51は、スリッ
プ制御として、車両制動時のABS制御(制動力制御)
および車両加速時のTRC制御(駆動力制御)を行うよ
うになっている。ABS制御は、液圧調整弁15L、1
5Rおよび開閉弁16L、16Rに対する作動制御によ
り行われ、TRC制御は、3方向電磁切換弁38、液圧
調整弁15L、15Rに対する作動制御(ブレーキ制
御)およびトルク調整手段9に対する作動制御(エンジ
ン制御)により行われるようになっている。
【0030】コントロールユニット51によるTRC制
御は、左右の後輪3、4ごとに独立して行われるように
なっており、例えば左後輪3については次のようにして
行われる。
【0031】すなわち、まず、コントロールユニット5
1は、予め路面摩擦係数μ(平均後輪速VR とこれから
求めた後輪加速度AR とによって推定される)をパラメ
ータとして設定したテーブルから、エンジン制御開始用
閾値SEOとエンジン制御目標値SE とブレーキ制御開始
用閾値SBOとブレーキ制御目標値SB とを読み出す。
【0032】ここで、路面摩擦係数μとエンジン制御の
開始用閾値SEOおよび目標値SE 、ブレーキ制御の開始
用閾値SBOおよび目標値SB との関係を示すと表1のよ
うになる。なお、本実施例においては、エンジン制御開
始用閾値SEOはエンジン制御目標値SE と同じ値に設定
されており、ブレーキ制御開始用閾値SBOはブレーキ制
御目標値SB と同じ値に設定されている。
【0033】
【表1】
【0034】上記表1において各制御開始用閾値SEO
BOおよび各制御目標値SE 、SBは、左前輪1の路面
に対するスリップ率(駆動スリップ率)に対応する値と
して設定されている。
【0035】コントロールユニット51は、左前輪速V
FLおよび平均後輪速VR から、次式(1)により、左前
輪1の路面に対する第1駆動スリップ率SA1を算出す
る。
【0036】 SA1=(VFL−VR )/VFL …(1) コントロールユニット51は、この第1駆動スリップ率
A1が、図3に示すように、エンジン制御開始用閾値S
EOを超えた時点(t1 )でエンジン制御を開始し、エン
ジン制御目標値SE が得られるようにトルク調整手段9
のスロットル開度調節アクチュエータをフィードバック
制御する。これにより、エンジン5の出力トルクが上記
エンジン制御目標値SE に収束するように制御されるこ
とになる。
【0037】このエンジン制御によってもスリップ状態
が解消せずに左前輪速VFLが上昇し続けた場合には、上
記第1駆動スリップ率SA1がブレーキ制御開始用閾値S
BOを超えた時点(t2 )で、左前輪1の液圧調整弁15
Lおよび3方向電磁切換弁38に制動圧が供給され、エ
ンジン制御とブレーキ制御の両方を併用した制御が行わ
れる。なお、制動圧は第1駆動スリップ率SA1が上記ブ
レーキ制御目標値SBとなるようにフィードバック制御
される。
【0038】そして、第1駆動スリップ率SA1がブレー
キ制御目標値SB にまで低下した時点(t3 )で、ブレ
ーキ制御が停止されて制動圧が減圧される。なお、エン
ジン制御は所定の終了条件が満足されるまで行われる。
【0039】なお、右前輪2についても同様にして上記
制御が行われる。すなわち、ECU40は、右前輪速V
FRから平均後輪速VR を差し引いてこれを右前輪速VFR
で除して右前輪2に対する第2駆動スリップ率SA2を算
出する。そして、この第2駆動スリップ率SA2が、上記
と同様にして設定されたエンジン制御開始用閾値SEO
超えた時点でエンジン制御を開始し、このエンジン制御
によってもスリップ状態が解消せずに右前輪速VFRが上
昇し続け、第2駆動スリップ率SA2が上記と同様にブレ
ーキ制御開始用閾値SBOを超えた時点でエンジン制御と
ブレーキ制御の両方を併用した制御が行われる。そし
て、第2駆動スリップ率SA2がブレーキ制御目標値SB
にまで低下した時点で、ブレーキ制御が停止されて制動
圧が減圧されることになる。
【0040】コントロールユニット51によるABS制
御は、各車輪1FL、1FR、1RL、1RRに対して
別個独立に行われる。例えば、左前輪1FLについて
は、左前輪1FLの車輪速VFLと推定車体速VE (これ
については後述する)から、次式(2)により、路面の
左前輪1FLに対するスリップ率(第1制動スリップ
率)SABS を算出する。
【0041】 SABS1=(VE −VFL)/VE …(2) そして、この第1制動スリップ率SABS1がABS制御用
閾値SABS 以上となったとき、この第1制動スリップ率
ABS1を所定の目標制動スリップ率に近づけるよう左前
輪1FLの制動力を制御するようになっている。
【0042】例えば図4に示すように、今t1 時点でブ
レーキペダルを踏み込んで制動を開始したとする。する
と、該ペダルの踏込みによりブレーキ液圧が増大し、そ
れに伴って左前輪1FLの車輪速が低下し始め、第1制
動スリップ率SABS1がABS制御用閾値SABS 以上にな
ったとする。そうすると、コントロールユニット51
は、この左前輪1FLがロック傾向になったことを判定
し、t2 時点で減圧フェーズと判定して直ちに減圧を開
始する。
【0043】上記推定車体速VE としては、4輪の車輪
速のうちの最大車輪速、または、制動開始時近傍の車体
速(車輪速)から路面の摩擦係数μに応じた加速度、例
えば−1.2g(高μ)〜−0.3g(低μ)によって
減速させた車体速を用いることができる。
【0044】そして、ブレーキ液圧を減圧し、スリップ
率SABS の上昇が止まった時点t3で保持フェーズと判
定してブレーキ液圧を保持し、該保持により車輪速が増
加してスリップ率SABS1が上記閾値SABS まで低下した
時点t4 で増圧フェーズと判定して再びブレーキ液圧を
増加し、以下同様にしてスリップ率が上記閾値SABS
超えた時点t5 で減圧し、スリップ率ABS1の増加が止ま
った時点t6 で保持し、スリップ率SABS1が閾値まで低
下した時点t7 で増圧し、このような減圧、保持、増圧
のサイクルを繰り返しながらスリップ率を目標スリップ
率に収束させる制御が行われる。
【0045】他の車輪1FR、1RL、1RRについて
も同様に、それぞれ第2、第3、第4制動スリップ率S
ABS2、SABS3、SABS4が上記閾値SABS 以上になったと
きABS制御が行われるようになっている。
【0046】上記TRC制御およびABS制御を適切に
行うためには、ブレーキ液圧を発生させるための切換弁
38およびブレーキ液圧の低下を補うためのポンプ23
L、23Rが正常に作動して所定のブレーキ液圧が確保
されることが肝要である。
【0047】このため、本実施例においては、コントロ
ールユニット51により切換弁38およびポンプ23
L、23Rに対するイニシャルチェックが行われるよう
になっている。
【0048】すなわち、図5のフローチャートに示すよ
うに、イグニッションスイッチONとなってエンジン2
が始動したとき(ステップT1)、車速Vが零であり
(ステップT2)、フットブレーキOFFすなわちブレ
ーキペダル12が踏み込まれていない(ステップT3)
ことを条件に、ブレーキ圧補充用ポンプ(ポンプ23
L、23R)を作動させてイニシャルチェックを行う
(ステップT4)。この作動が正常か否かを判定し(ス
テップT5)、正常であれば、次にブレーキ圧発生用ソ
レノイド(切換弁38)を作動させてイニシャルチェッ
クを行い(ステップT6)、一方、正常でなければ、ブ
レーキ圧発生用ソレノイドに異常ありとのフェール判定
を行い(ステップT8)、その異常を知らせるワーニン
グランプを点灯させる(ステップT9)。上記ステップ
T6におけるブレーキ圧発生用ソレノイドのイニシャル
チェックの結果、ブレーキ圧発生用ソレノイドの作動が
正常か否かを判定し(ステップT7)、正常であれば、
再びステップT1に移行し、一方、正常でなければ、ブ
レーキ圧発生用ソレノイドに異常ありとのフェール判定
を行い(ステップT8)、ワーニングランプを点灯させ
る(ステップT9)。
【0049】図6に示すように、上記ブレーキ圧発生用
ソレノイド52(切換弁38)は、エンジン始動により
継状態となるリレー53と、ベース電流としてイニシャ
ルチェック用電流が流されるトランジスタ54とに直列
に接続されている。すなわち、イグニッションスイッチ
をONにしてエンジンを始動させると、トランジスタ5
5にベース電流Aが流れてリレー53の接点53aが継
状態となる。この状態でコントロールユニット51は、
イニシャルチェック用のベース電流Bをトランジスタ5
4に流すとともにそのコレクタ電圧Cをモニタする。そ
して、ベース電流Bによりコレクタ電圧Cが変化すれば
ブレーキ圧発生用ソレノイド52が正常であると判定
し、変化しなければ正常でないと判定するようになって
いる。
【0050】以上詳述したように、本実施例において
は、ブレーキ圧発生用ソレノイドのイニシャルチェック
をブレーキ圧補充用ポンプのイニシャルチェックよりも
後に行うようになっており、また、ブレーキ圧補充用ポ
ンプに異常があった場合には、スリップ制御不可である
として、ブレーキ圧発生用ソレノイドに対するイニシャ
ルチェックを行わないようになっているので不要なイニ
シャルチェックを防止することができる。
【0051】したがって、本実施例によれば、ブレーキ
ブースタ11を利用した車両のスリップ制御装置におい
て、不必要なイニシャルチェックによるブレーキブース
タ11の負圧損失を防止することができる。
【0052】また、本実施例によれば、ブレーキ圧発生
用ソレノイドに対するイニシャルチェックが、負圧があ
る程度溜った状態で行われるため、このイニシャルチェ
ックによってブレーキ圧が一瞬発生することとなり、こ
れによりブレーキ系のウォーミングアップを行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のスリップ制御装置の一実施
例を示す構成概要図
【図2】上記実施例のブレーキブースタの要部を示す断
面図
【図3】上記実施例におけるTRC制御例を示すタイム
チャート
【図4】上記実施例におけるABS制御例を示すタイム
チャート
【図5】上記実施例における作用を示すフローチャート
【図6】上記実施例におけるブレーキ圧発生用ソレノイ
ドを示す回路図
【符号の説明】
1FL、1FR 前輪(駆動輪) 1RL、1RR 後輪(従動輪) 2 エンジン 7FL、7FR、7RL、7RR ブレーキ 8 マスタシリンダ 9 トルク調整手段 11 ブレーキブースタ(真空倍力装置) 12 ブレーキペダル 15L、15R 液圧調整弁(ブレーキ圧調整弁) 16L、16R 開閉弁 23L、23R ポンプ(ブレーキ圧補充用ポンプ) 38 3方電磁切換弁(ブレーキ圧発生用ソレノイ
ド) 51 コントロールユニット(制御手段) 52 ブレーキ圧発生用ソレノイド 53 リレー 54 トランジスタ S1 〜S4 車輪速センサ S5 アクセルスイッチ S6 、S7 フットブレーキスイッチ S8 パーキングブレーキスイッチ S9 マニュアルスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細谷 公一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 ナル デック株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−54057(JP,A) 特開 平1−254460(JP,A) 特開 平3−281469(JP,A) 特開 昭51−149472(JP,A) 特開 平2−193753(JP,A) 特開 昭63−275468(JP,A) 実開 昭58−46653(JP,U) 特公 平3−5344(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/88 B60T 8/58 B60T 13/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルとブレーキとの間に設け
    られ、前記ブレーキペダルの踏込み操作により発生する
    ブレーキ圧を、負圧を利用して増幅させる真空倍力装置
    と、前記ブレーキペダルの踏込み操作によるブレーキ圧
    の発生有無にかかわらず前記真空倍力装置を作動させて
    ブレーキ圧を発生させるブレーキ圧発生用ソレノイド
    と、前記真空倍力装置と前記ブレーキとの間に設けら
    れ、ブレーキ圧を減圧調整するブレーキ圧調整弁と、こ
    のブレーキ圧調整弁の作動により低下したブレーキ圧を
    補うブレーキ圧補充用ポンプと、前記ブレーキ圧発生用
    ソレノイド、前記ブレーキ圧調整弁および前記ブレーキ
    圧補充用ポンプを制御することによりスリップ制御を行
    う制御手段と、を備えた車両のスリップ制御装置におい
    て、 前記制御手段は、前記ブレーキ圧発生用ソレノイドのイ
    ニシャルチェックを前記ブレーキ圧補充用ポンプのイニ
    シャルチェックよりも後に行うように構成されているこ
    とを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ圧発生用ソレノイドのイニ
    シャルチェックが、エンジン始動、車速零およびフット
    ブレーキオフの3条件が揃ったときに行われることを特
    徴とする、請求項1記載の車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ圧発生用ソレノイドが、エ
    ンジン始動により継状態となるリレーと、ベース電流と
    してイニシャルチェック用電流が流されるトランジスタ
    とに直列に接続されていることを特徴とする、請求項1
    または2記載の車両のスリップ制御装置。
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