JP3112321B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP3112321B2 JP03309798A JP30979891A JP3112321B2 JP 3112321 B2 JP3112321 B2 JP 3112321B2 JP 03309798 A JP03309798 A JP 03309798A JP 30979891 A JP30979891 A JP 30979891A JP 3112321 B2 JP3112321 B2 JP 3112321B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪の路面に対する
スリップが過大になるのを防止する車両のスリップ制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】車両の発進時や加速時等に駆動輪の路面に
対するスリップが過大になるのを防止して、加速性や車
両安定性を満足させるようにしたスリップ制御装置(ト
ラクション制御装置)が種々提案されている(例えば特
開昭63−137035号公報参照)。
【0003】上記スリップ制御は、駆動輪への付与トル
クを低減することにより行なわれ、このため駆動輪へブ
レ−キ力を与えるブレ−キ制御や、エンジンの発生トル
ク(出力)を低下させるエンジン制御が行なわれる。こ
のスリップ制御を、ブレ−キ制御とエンジン制御との両
方で行なうものの他、ブレ−キ制御のみ、あるいはエン
ジン制御のみで行なうことも提案されている。そして、
ブレ−キ制御およびエンジン制御の場合共に、駆動輪の
路面に対する実際のスリップ値が所定の目標値となるよ
うにフィ−ドバック制御されるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレ−キ制
御すなわち駆動輪へブレ−キ力を付与することによるス
リップ制御を行なう場合、このブレ−キ制御によって駆
動輪用ブレ−キ装置がフェ−ドしてしまうおそれがあ
る。ブレ−キ装置のフェ−ドは、ブレ−キペダルを踏込
むこんだ通常のブレ−キ時において車両の十分な減速を
得にくくなるので、、スリップ制御のためのブレ−キ制
御に起因するフェ−ドをいかに防止するかが重要とな
る。
【0005】したがって、本発明の目的は、ブレ−キ制
御によってスリップ制御を行なうものを前提として、こ
のブレ−キ制御に起因するフェ−ドを防止し得るように
した車両のスリップ制御装置を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】上記目的を達成するため、本発明にあっ
ては次のような構成としてある。すなわち、駆動輪へブ
レ−キ力を付与するブレ−キ制御により、駆動輪の路面
に対するスリップ値が過大になるのを防止するようにし
た車両のスリップ制御装置において、駆動輪用ブレ−キ
装置のフェ−ド傾向を示すフェ−ド傾向値を車両の運転
状態と時間とをパラメ−タとして決定するフェ−ド傾向
値決定手段と、ブレ−キ制御終了時における前記フェ−
ド傾向値が所定の第1禁止しきい値以上であるときに、
該フェ−ド傾向値が所定の解除しきい値以下となるまで
の間次のブレ−キ制御を禁止する規制手段と、を備えた
構成としてある。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、フェ−ド傾向値に基づ
いて駆動輪用ブレ−キ装置がフェ−ドしそうであると判
断されたときは、ブレ−キ制御に規制を与えるので、ブ
レ−キペダルを踏込んだ通常のブレ−キ時にも車両の十
分な減速を得ることができる。本発明の好ましい態様お
よびその利点は、以下の実施例の説明から明らかとな
る。
【0008】
【実施例】図1において、1FLは左前輪、1FRは右
前輪、1RLは左後輪、1RRは右後輪である。車体前
部にはエンジン2が横置きに塔載され、該エンジン2で
の発生トルクは、クラッチ3、変速機4、差動ギア5に
伝達された後、左ドライブシャフト6Lを介して左前輪
1FLに、また右ドライブシャフト6Rを介して右前輪
1FRに伝達される。このように、車両は、前輪1F
L、1FRが駆動輪とされ、後輪1RL、1RRが従動
輪とされた前輪駆動車とされている。
【0009】各車輪に装備されたブレ−キ7FR〜7R
Rは、油圧式とされたディスクブレ−キとされている。
また、ブレ−キ液圧発生源としてのマスタシリンダ8
は、2つの吐出口8a、8bを有するタンデム型とされ
ている。このマスタシリンダ8の一方の吐出口8aから
伸びるブレ−キ配管13は、途中で2本に分岐されて、
分岐配管13Fが左前輪用ブレ−キ7FL(のキャリパ
内に装備されたホイ−ルシリンダ)に接続され、分岐配
管13Rが右後輪用ブレ−キ7RRに接続されている。
マスタシリンダ8の他方の吐出口8bから伸びる分岐配
管14も2本に分岐されて、分岐配管14Fが右前輪用
ブレ−キ7FRに接続され、分岐配管14Rが左後輪用
ブレ−キ7RLに接続されている。
【0010】前輪用すなわち駆動輪用の分岐配管13
F、14Fには、電磁式の液圧調整弁15Lあるいは1
5Rが接続され、後輪用の分岐配管13R、14Rに
は、電磁式の開閉弁16Lあるいは16Rが接続されて
いる。液圧調整弁15L、15Rは、ブレ−キ7FL、
7FRへのマスタシリンダ8からのブレ−キ液圧供給
と、該ブレ−キ7FL、7FRのブレ−キ液圧を配管2
1L、21Rを介してリザ−バタンク22L、22Rへ
解放する態様とを切換える。リザ−バタンク21Lのブ
レ−キ液は、ポンプ23Lによって、逆止弁24Lが接
続された配管25Lを介して配管13に戻され、同様
に、リザ−バタンク22Rのブレ−キ液は、ポンプ23
Rによって、逆止弁24Rが接続された配管25Rを介
して配管14に戻される。
【0011】ブレ−キペダル12に対する踏込み力は、
倍力装置すなわちブレ−キブ−スタ11を介してマスタ
シリンダ8に伝達される。このブ−スタ11は、基本的
には既知の真空倍力装置と同じであるが、スリップ制御
の際には後述するように、ブレ−キペダルの踏込み操作
が行なわれていなくても倍力作用を行なうように構成さ
れている。
【0012】ブ−スタ11は、車体およびマスタシリン
ダ8に固定されたケ−ス31を有し、該ケ−ス31内
が、ダイヤフラム32とこれに固定されたバルブボディ
33とによって、第1室34と第2室35とに画成され
ている。第1室34には常に負圧(例えばエンジン2の
吸気負圧)が供給されており、ブレ−キペダルが踏込み
操作されていないときは第2室35が第1室34と連通
されて、ブ−スタ11の作動が停止された状態とされ
る。そして、ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
両室34と35との連通が遮断されると共に第2室35
に大気圧が供給され、これによりダイヤフラム32がバ
ルブボディ33と共に前方へ変位して倍力機能が行なわ
れる。
【0013】第2室35に対する負圧供給と大気圧供給
との切換えは、基本的には、バルブボディ33内に装備
された弁装置によってなされる。このバルブボディ33
部分を図2に基づいて説明する。
【0014】先ず、バルブボディ33は、ダイヤフラム
32に固定されるパワ−ピストン41を有し、このパワ
−ピストン41に形成された凹部41a内には、リアク
ションディスク42と出力軸43の基端部とが嵌合され
ている。この出力軸43は、マスタシリンダ8の入力軸
となるものである。また、ブレ−キペダル12に連結さ
れた入力軸44の先端部には、バルブボディ33内にお
いて、バルブプランジャ45が取付けられている。この
バルブプランジャ45の後方には、真空弁46が配設さ
れている。
【0015】パワ−ピストン41には圧力導入通路50
が形成されており、該圧力導入通路50は常時、前記バ
ルブプランジャ45の周囲に形成される空間Xに連通さ
れている。この空間Xは、常に第2室35と連通されて
いる。そして、圧力導入通路50の空間X側への開口端
部に、前記真空弁46が離着座される弁座47が形成さ
れている。また、真空弁46は、バルブプランジャ45
の後端に形成された弁座45aに対しても離着座され
る。
【0016】以上のような構成において、いま、圧力導
入通路50に負圧が導入されている場合を想定する。こ
の状態で、ブレ−キペダル12が踏込み操作されていな
いときは、図2の状態で、スプリング48、49の付勢
力によって真空弁46が弁座45aに着座するも、弁座
47とは離間されている。したがって、圧力導入通路5
0からの負圧は、空間Xを介して第2室35に導入さ
れ、倍力作用は行なわれない。
【0017】ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
入力軸44したがってバルブプランジャ45が前方動
(図中左方動)される。この前方動の際、真空弁46
は、先ず弁座47に着座して空間Xと圧力導入通路50
との連通を遮断し、その後真空弁46に対して弁座45
aが離間される。この真空弁46と弁座45aとが離間
することにより、バルブボディ33の後方からの大気圧
が空間Xに導入されて、第2室35が大気圧となる。こ
れにより、ダイヤフラム32がバルブボディ33と共に
前方へ変位し、この結果出力軸43が前方動して倍力作
用が行なわれる。マスタシリンダ8からのブレ−キ反力
は、リアクションディスク42を介して、バルブプラン
ジャ45したがってブレ−キペダル12に伝達される。
ブレ−キペダル12の踏込み操作力が解放されると、リ
タ−ンスプリング36(図1参照)により図2の状態へ
復帰して、次の倍力作用に備えることになる。
【0018】以上説明した部分は、既知の真空倍力装置
と同じであるが、本実施例では、スリップ制御のため
に、圧力導入通路50に対して、第1室34の負圧を導
入させる状態と大気圧を導入させる状態とに切換えるよ
うにしている。すなわち、第1室34と圧力導入通路5
0とが配管37を介して接続され、該配管37に3方電
磁切換弁38(図1参照)が接続されている。この切換
弁38は、消磁時に圧力導入通路50を第1室34に連
通させ、励磁時に圧力導入通路50に大気圧を導入させ
る。この切換弁38が励磁されて圧力導入通路50に大
気圧が導入されると、前記空間Xしたがって第2室35
は、ブレ−キペダル12の踏込み操作が行なわれていな
くても大気圧となり、この結果倍力作用を行なってマス
タシリンダ8にブレ−キ液圧を発生させることになる。
【0019】図3は、制御系を簡略的に示すものであ
り、同図中Uは、マイクロコンピュ−タを利用して構成
された制御ユニットである、この制御ユニットUには、
センサあるいはスイッチS1〜S11からの信号が入力
される。センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1RRの
回転速度を検出するものである。スイッチS5はアクセ
ルペダル10が全閉となったときにオンとされるアクセ
ルスイッチである。スイッチS6、S7はそれぞれブレ
−キペダル12が踏込み操作されたときに作動されるも
ので、例えば一方のスイッチは常開型とされ、他方は常
閉型とされる。センサS8、S9は、駆動輪用ブレ−キ
装置7FRあるいは7FLへ印加されているブレ−キ液
圧を検出するものである。センサS10は外気温を検出
するものである。スイッチS11はイグニッションスイ
ッチである。
【0020】制御ユニットUからは、図3に示す各機器
類に出力されるが、符号9は、エンジン2の発生トルク
を調整するトルク調整手段である。なお、トルク調整手
段9は、例えば吸入空気量調整することにより、あるい
は燃料カット気筒数と点火時期調整との組み合わせによ
り、発生トルク調整を行なうものである。
【0021】次に、スリップ制御の概要について説明す
るが、駆動輪のスリップ値としては、実施例では、「ス
リップ値=駆動輪速−車速」として設定され、車速は左
右従動輪速の平均値を用いるようにしてある。
【0022】エンジン制御 先ず、エンジン制御の開始は、左右前輪1FL、1FR
の各スリップ値のうち大きい方のスリップ値が、所定の
開始しきい値以上となったときとされる。エンジン制御
は、実際のスリップ値がエンジン用目標値(第1目標
値)STEとなるように、トルク調整手段9をフィ−ド
バック制御することにより行なわれる。エンジン制御
は、アクセルが全閉になったときに中止される。
【0023】ブレ−キ制御 ブレ−キ制御の開始は、次の条件の全てを満足したとき
とされる。第1の開始条件は、エンジン制御中であるこ
とである。第2の開始条件は、車速が所定の第1車速V
1以下であることである。第3の開始条件は、後述する
所定の遅延時間を経過したことである。
【0024】このブレ−キ制御の開始に先立ち、応答遅
れを見込んで、エンジン制御の開始と同時に切換弁38
が励磁されて、ブ−スタ11が倍力作用状態とされると
共に、液圧調整弁15L、15Rはリリ−フ位置に、ま
た開閉弁16L、16Rは閉とされる。そして、切換弁
38を励磁した後所定の遅延時間が経過すると、ブレ−
キ制御が開始される。
【0025】ブレ−キ制御は、左右駆動輪1FL、1F
Rについて個々独立して、それぞれ実際のスリップ値が
ブレ−キ用目標値(第2目標値)STB(>STE)と
なるように、液圧調整弁15L、15Rをフィ−ドバッ
ク制御することにより行なわれる(デュ−ティ制御)。
【0026】ブレ−キ制御の中止は、次のいずれか1つ
の条件を満足したときに行なわれる。第1の中止条件
は、エンジン制御が中止されたときである。第2の中止
条件は、車速が所定の第2車速V2(V2>V1)以上
の高車速となったときである。第3の中止条件は、ブレ
−キペダル12が踏込み操作されたことが、スイッチS
6、S7のいずれか一方で検出されたときである(スイ
ッチS6、S7によりブレ−キペダル12が踏込み操作
されていることが検出されたときは、ブレ−キ制御の開
始が禁止される)。
【0027】ブレ−キ制御中止の際は、エンジン制御が
行なわれている限り切換弁38は作動されており、液圧
調整弁15L、15Rはリリ−フ位置にあり、開閉弁1
6L、16Rは閉状態とされる(ブレ−キ制御開始まで
の待機状態と同じ状態)。そして、エンジン制御が中止
された時点あるいはブレ−キペダル12が踏込み操作さ
れた時点で、切換弁38が消磁される。
【0028】以上に加えて、ブレ−キ制御については、
後述のように、駆動輪用ブレ−キ装置7FR、7FLの
フェ−ド傾向を示すフェ−ド傾向値に基づいて、ブレ−
キ制御中であってもブレ−キ制御が中止されたり、ある
いはブレ−キ制御の開始が禁止されるような規制を受け
ることもある。このフェ−ド傾向値に基づくブレ−キ制
御の規制について、図4を参照しつつ説明するが、フェ
−ド傾向値としてのカウント値CFは、大きいほどフェ
−ド傾向にあることを示す(ただしCF≧0)。
【0029】先ず、ブレ−キ制御の規制のために、解除
しきい値と第1禁止しきい値と第2禁止しきい値とが設
定され、解除しきい値<第1禁止しきい値<第2禁止し
きい値とされている。いま、フェ−ド傾向値(カウトン
値CF)に基づく以外の条件が、ブレ−キ制御の実行条
件(開始条件)を満足すると、ブレ−キ制御が行なわれ
る。ブレ−キ制御を行なっているときに、t0時点にお
いて、カウトン値CFが第1禁止しきい値以上となる
が、第2禁止しきい値よりも小さいので、ブレ−キ制御
は続行される。
【0030】t1時点において、カウトン値CF以外の
条件に基づくブレ−キ制御の実行条件が不成立となっ
て、ブレ−キ制御が終了される。このブレ−キ制御の終
了時点t1では、カウトン値CFが第1禁止しきい値以
上であるので、t2時点で再びブレ−キ制御の実行条件
が成立しても、ブレ−キ制御の開始が禁止される。そし
て、カウトン値CFが解除しきい値以下となったt3時
点で、ブレ−キ制御が開始される。ブレ−キ制御中、t
4時点において、カウトン値CFが第2禁止しきい値以
上となると、ブレ−キ制御がこのt4時点で中止される
(徐々にブレ−キ制御を中止するのが好ましい)。
【0031】このように、第1禁止しきい値は、ブレ−
キ制御は続行させるも、次のブレ−キ制御の開始に際し
て、カウトン値CFが解除しきい値以下になることを条
件付けるためのものである。これに対して第2しきい値
は、現在行なっているブレ−キ制御を中止させるための
ものである。このように、ブレ−キ制御が規制を受けて
いるとき(t2〜t3の間、t4以後)は、ブレ−キ制
御によるスリップ制御が行なわれないので、この分を補
償すべくエンジン用目標値STEが低下される(エンジ
ンの発生トルク低下分がより大きくなる)。
【0032】フェ−ド傾向値を示すカウトン値CFは、
実施例では、車速と、駆動輪用ブレ−キ装置7FR、7
FLへ印加されているブレ−キ液圧と、外気温と、時間
とをパラメ−タとして設定、更新される。車速について
のカウトン値αは、図5に示すように、ブレ−キ制御中
はプラスの値とされて、車速が大きいほどいほど大きく
される(車速が大きいほどブレ−キ発熱量が大きいこと
を加味)。また、非制御中は、カウトン値αがマイナス
の値とされて、車速が大きいほどマイナスの値が大きく
される(車速が大きいほどブレ−キ装置7FR、7FL
の冷却効果が大であることを加味)。
【0033】ブレ−キ液圧についてのカウトン値βは、
図6に示すように、ブレ−キ液圧が大きいほど大とされ
る。なお、非制御中は当然のことながらブレ−キ液圧は
0なので、カウトン値βは0とされる。
【0034】外気温についてのカウトン値(補正係数)
γは、図7に示すように、制御中は1よりも大で、かつ
外気温が高いほど大きくされる(外気温が高いほどブレ
−キ装置7FR、7FLの温度が大であることを加
味)。また、非制御中は、カウトン値γは、1よりも小
さい値とされて、外気温が高いほど1に近ずくように設
定される。
【0035】上述のように設定される各値α、β、γに
基づいて、今回のカウトン値CFが次式(1)に基づいて
決定されるが、この(1)式はイグニッションスイッチS
11がONの場合である。なお、(1)式中aおよびbは
定数である。 今回値CF=a×前回値+b×(α+β)×γ (1) また、イグニッションスイッチS11がOFFのとき
は、このOFF時点からのタイマのカウント値δと外気
温γとをパラメ−タとして、今回のカウトン値CFが次
の(2)式に基づいて決定される。なお、(2)式中cおよ
びdは定数である。 今回値CF=c×前回値+d×δ×γ (2)
【0036】次に、図8、図9のフロ−チャ−トを参照
しつつ本発明の制御例について説明するが、以下の説明
でPはステップを示す。先ず、図8のP1において、イ
グニッションスイッチS11がONであるか否かが判別
される。このP1の判別でYESのときは、P2におい
て車速に基づいてαが決定され、P3においてブレ−キ
液圧に基づいて値βが決定され、P4において外気温に
基づいて値γが決定される。P5では、前記式(1)に基
づいて、今回カウトン値CFが算出される。
【0037】P5の後、図9のP11において、現在ブ
レ−キ制御中であるか否かが判別される。P11の判別
でYESのときは、P12において、カウトン値CFが
第2禁止しきい値以上であるか否かが判別される。この
P12の判別でYESのときは、P13においてブレ−
キ制御を中止し(徐々なる中止が好ましい)、この後P
14において、エンジン用目標値STEが小さくされ
る。
【0038】P14の後あるいはP12の判別がNOの
ときは、P15において、ブレ−キ制御終了時であるか
否かが判別される。P15の判別でYESのときは、P
16において、カウトン値CFが第1禁止しきい値以上
であるか否かが判別される。このP16の判別でYES
のときは、P17において禁止フラグが1にセットさ
れ、またP16の判別でNOのときはP18において禁
止フラグが0にリセットされる。P17、P18の後
は、今回のカウトン値CFが前回値として更新される。
このように、所定時間毎のサイクルでもって、カウトン
値CFが更新され続けていくことになる。
【0039】前記P11の判別でNOのときは、P21
において、ブレ−キ制御の開始条件(カウント値CFに
関する条件を除外した開始条件)が成立しているか否か
が判別される。このP21の判別でYESのときは、P
22において、禁止フラグが1であるか否かが判別され
る。このP22の判別でNOのときは、P26において
ブレ−キ制御が開始された後、P15へ移行する。
【0040】P22の判別でYESのときは、P23に
おいて、カウトン値CFが解除しきい値以下であるか否
かが判別される、このP23の判別でYESのときは、
P26に移行してブレ−キ制御が開始される。P23の
判別でNOのときは、P24において、ブレ−キ制御が
禁止された後、P25においてエンジン用目標値STE
が小さくされる。前記P15の判別でNOのとき、ある
いはP21の判別でNOのときは、P19へ移行され
る。
【0041】図8のP1の判別でNOのときは、P6に
おいてタイマのカウトン値δが決定され、P7において
外気温に基づいて値γが決定される。この後P8におい
て、前記式(2)に基ずいて今回のカウトン値CFが算出
された後、P9において今回のカウトン値CFが前回値
として更新される。なお、P6で用いるタイマとして
は、車両のインストルメントパネルに塔載されている時
計(クオ−ツ時計からの発信信号)を利用することがで
きる。また、イグニッションスイッチがOFFのとき
は、タイマ値δのみによってカウント値CFを決定する
ようにしてもよい。
【0042】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。駆動輪のスリップ値としては、駆動輪速と車速との
差ではなく、比として示すように、例えば「駆動輪速/
車速」、あるいは「(駆動輪速−車速)/車速)]とし
て示すこともできる。スリップ制御はブレ−キ制御のみ
であってもよく、またブレ−キ制御は、ブ−スタ11を
利用することなく、通常一般に行なわれているように別
途ブレ−キ液圧発生用のポンプを利用してもよい。
【0043】カウトン値CFを求めるためのα、β、γ
については、外気温に基づく値γの設定の仕方によって
は、α+β+γというように加算形式とすることがで
き、またα、βの設定の仕方によってはα×β×γとい
うように乗算形式とすることもできる。カウント値CF
を決定するパラメ−タとしては、ブレ−キ装置7FR、
7FLの温度を直接検出する温度センサの出力信号を利
用することもできるが、実施例にようにすることによっ
て、別途温度センサを用いることなくフェ−ド傾向をか
なり正確に知ることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す全体系統図。
【図2】図2はブレ−キブ−スタの要部拡大断面図。
【図3】図3は本発明の制御系統を示す図。
【図4】図4は本発明の制御例を図式的に示す図。
【図5】図5は車速に応じた値αの設定例を示す図。
【図6】図6はブレ−キ液圧に応じた値βの設定例を示
す図。
【図7】図7は外気温に応じた値γの設定例を示す図。
【図8】図8は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図9】図9は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1FR,1FL:駆動輪 1RR,1RL:従動輪 2:エンジン 9:発生トルク調整手段 7FR、7FL:ブレ−キ装置 11:ブレ−キブ−スタ 15R、15L:ブレ−キ液圧調整手段 U:制御ユニット S1〜S4:車輪速センサ S8、S9:ブレ−キ液圧センサ S10:外気温センサ S11:イグニッションスイッチ
フロントページの続き (72)発明者 谷田 晴紀 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 坂本 裕昭 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−249557(JP,A) 特開 昭58−16948(JP,A) 特開 昭60−56662(JP,A) 特開 平2−95961(JP,A) 特開 平1−103563(JP,A) 特開 平1−197159(JP,A) 特開 昭63−137035(JP,A) 実開 昭63−63253(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B60T 17/22 B60K 28/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪へブレ−キ力を付与するブレ−キ制
    御により、駆動輪の路面に対するスリップ値が過大にな
    るのを防止するようにした車両のスリップ制御装置にお
    いて、 駆動輪用ブレ−キ装置のフェ−ド傾向を示すフェ−ド傾
    向値を車両の運転状態と時間とをパラメ−タとして決定
    するフェ−ド傾向値決定手段と、ブレ−キ制御終了時における前記フェ−ド傾向値が所定
    の第1禁止しきい値以上であるときに、該フェ−ド傾向
    値が所定の解除しきい値以下となるまでの間次のブレ−
    キ制御を禁止する 規制手段と、 を備えていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記車両の運転状態として、車速を含むもの。
  3. 【請求項3】請求項において、 駆動輪用ブレ−キ装置が油圧式とされ、 前記車両の運転状態として、駆動輪用ブレ−キ装置に印
    加されているブレ−キ液圧を含むもの。
  4. 【請求項4】請求項において、 前記車両の運転状態として、外気温を含むもの。
  5. 【請求項5】請求項において、 駆動輪用ブレ−キ装置が油圧式とされ、 前記車両の運転状態として、駆動輪用ブレ−キ装置に印
    加されているブレ−キ液圧と、外気温とをさらに含むも
    の。
  6. 【請求項6】請求項において、 前記第1禁止しきい値が前記解除しきい値よりも大きい
    値に設定されているもの。
  7. 【請求項7】請求項において、 イグニッションスイッチがOFFのときは、前記フェ−
    ド傾向値決定手段が、タイマによりカウントされる時間
    のみをパラメ−タとしてフェ−ド傾向値を決定するも
    の。
  8. 【請求項8】請求項において、 イグニッションスイッチがOFFのときは、前記フェ−
    ド傾向値決定手段が、タイマによりカウントされる時間
    と外気温とをパラメ−タとしてフェ−ド傾向値を決定す
    るもの。
  9. 【請求項9】請求項において、 前記ブレ−キ制御が、駆動輪の路面に対する実際のスリ
    ップ値がブレ−キ用目標値となるように駆動輪へのブレ
    −キ力をフィ−ドバック制御するもの。
  10. 【請求項10】請求項において、 前記規制手段が、ブレ−キ制御中に前記フェ−ド傾向値
    が所定の第2禁止しきい値以上となったときに、該ブレ
    −キ制御を中止させるもの。
  11. 【請求項11】請求項において、 前記規制手段が、さらに、ブレ−キ制御中に前記フェ−
    ド傾向値が前記第1禁止しきい値よりも大きい値として
    設定された第2禁止しきい値以上となったときに、該ブ
    レ−キ制御を中止させるもの。
  12. 【請求項12】請求項1ないし請求項11のいずれか1
    項において、 駆動輪の路面に対する実際のスリップ値が所定のエンジ
    ン用目標値となるようにエンジンの発生トルクをフィ−
    ドバック制御するエンジン制御手段をさらに備え、 前記規制手段によってブレ−キ制御が規制されていると
    きは、前記エンジン用目標値が低下されるもの。
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