JP3100507U - 額縁及び額縁セット - Google Patents

Abstract

【課題】　裏面板の取り外しを要することなく容易に額縁内のシート状収容物を交換することができる額縁を提供する。
【解決手段】　平板状の窓部１１と、この窓部の外周に形成され背面側に開口を有する枠状の凹部１３と、を有し、少なくとも上記窓部１１と凹部１３とが透明となされた正面板２と、上記窓部１１の背面側と対向し該窓部１１と共に写真，絵，カレンダー等のシート状収容物５が収容される収容空間Ｓを形成する背面板部２１と、この背面板部２１の外周に形成され上記枠状の凹部１３に着脱自在に嵌合する枠状の凸部２２と、この枠状の凸部２２に形成され上記収容空間Ｓ内に上記シート状収容物５を出し入れする開口２３と、を有してなるとともに、上記正面板２の正面側から識別可能な色彩が施された裏面板３と、を備えてなる。
【選択図】　図１

Description

　本考案は、写真，絵，カレンダー等のシート状収容物を収容して表示する額縁に関するものである。

　現在用いられている額縁の多くは、正面板と、この正面板の背面側に取り付けられる裏面板と、から構成されている。この正面板の正面側には透明な窓部が形成されており、これら正面板と裏面板との間に写真，絵画，カレンダーや絵葉書等のシート状収容物を収容することにより、収容されたシート状収容物がこの窓部から表示される。この正面板の背面側への裏面板の取り付けには、係止片が用いられている。これらの係止片は、正面板の背面側に複数取り付けられる小さな楕円状の部材からなるものであって、長径の一端側に偏心して開口が形成されており、係止片の長径の一端側と正面板の背面側を挿通する軸体によって係止片の長径の他端側が正面板と平行に回動可能に取り付けられており、また、これらの係止片は、軸体が裏面板の外周に沿うように配置されている。したがって、正面板に裏面板を取り付ける際には、先ず全ての係止片を長径の他端側が裏面板の中心側から外周側に向くように回動させ、そして正面板の背面側に正面板の窓部から正しく表示されるようにシート状収容物を配置し、ついで正面板の背面側に裏面板を当てがい、先に外周側に向けた係止片の他端側を中心側に向くように回動させ、該係止片の他端側と正面板との間に裏面板が位置するようにする。すなわち、この現在用いられている額縁では、裏面板は、正面板の背面側と係止片との間に挟み込まれるようにして取り付けられている。

　しかしながら、上記従来の額縁においては、上記の係止片が非常に小さいものとなり、かつ、多数取り付けられている。このため、額縁内へのシート状収容物の収容及び取り出しの度に、指先でこの小さな多数の係止片をそれぞれ操作する必要があり、この作業は面倒なものとなっている。また、従来の額縁では、シート状収容物が正面板と裏面板とに挟まれて固定される構成であることから、シート状収容物の交換の際に正面板の窓部の位置に合わせて正しくシート状収容物を配置したつもりであっても、その後に裏面板を取り付ける際にシート状収容物が窓部の位置からずれてしまうことが多い。したがって、このようにシート状収容物の位置がずれた場合には、再び多数の係止片を操作して裏面板を取り外し、シート状収容物を配置しなおし、再び裏面板を取り付けなおす必要があることから、シート状収容物を正確な位置に収容する作業が極めて面倒となっている。

　そこで、本考案は、上述した従来の額縁が有する課題を解決するために提案されたものであって、裏面板の取り外しを要することなく容易にかつ正確に、額縁内のシート状収容物を交換し又は収容することができる額縁を提供することを目的とする。

　上述の課題を解決するために提案されたものであり、第１の考案（請求項１記載の考案）に係る額縁は、平板状の窓部と、この窓部の外周に形成され背面側に開口を有する枠状の凹部と、を有し、少なくとも上記窓部と上記凹部を形成する部位とが透明となされた正面板と、上記窓部の背面側と対向し該窓部と共に写真，絵，カレンダー等のシート状収容物が収容される収容空間を形成する背面板部と、この背面板部の外周に形成され上記枠状の凹部に着脱自在に嵌合する枠状の凸部と、この枠状の凸部に形成され上記収容空間内に上記シート状収容物を出し入れする開口と、を有してなるとともに、上記正面板の正面側から識別可能な色彩が施された裏面板と、を備えてなることを特徴とするものである。

　そして、第２の考案（請求項２記載の考案）に係る額縁は、前記第１の考案において、前記裏面板は、軟質性樹脂からなることを特徴とするものである。

　また、第３の考案（請求項３記載の考案）に係る額縁は、前記第１及び第２の考案において、前記正面板の背面又は前記裏面板の背面の何れかには、紐，糸等の線状体が挿通され又は係止される係止部が複数形成されてなることを特徴とするものである。

　また、第４の考案（請求項４記載の考案）に係る額縁セットは、上記第１、第２又は第３の考案に係る額縁と、この額縁を構成するとともにそれぞれ異なる色彩が施されそれぞれ選択的に前記正面板に嵌合される複数の裏面板と、を備えてなることを特徴とするものである。

　上記第１の考案（請求項１記載の考案）によれば、透明となされた凹部を形成する部位と凸部とにより、正面側からは、本来的に額縁に有する枠と同じ外観を持たせることができる。また、この考案によれば、裏面板に形成された開口を介して容易にシート状収容物を交換することができることから、シート状収容物を交換する度にその都度裏面板を取り外す手間がかからない。すなわち、この考案によれば、基本的に上記正面板と裏面板という二つの部材により、額縁の機能を備えつつ、極めて簡単にシート状収容物を交換することができるとともに、正確にシート状収容物を収容することができる。

　上記第２の考案（請求項２記載の考案）では、裏面板が軟質性樹脂からなるものであり、したがってこの裏面板を撓ませながら正面板に取り付けることができることから、取付作業がより容易なものとなる。また、正面板に形成された枠状の凹部内に裏面板に形成された枠状の凸部を嵌合した際にも、該凸部は変形しつつ該凹部内に嵌合されることから、強固な嵌合状態を保持することができ、振動により正面板から裏面板が脱落することを防止することができる。

　上記第３の考案（請求項３記載の考案）では、正面板の背面又は裏面板の背面の何れかには、紐，糸などの線状体が挿通され又は係止される係止部が複数形成されてなることから、これらの係止部に線状体を取り付けることによって、容易にこの額縁を壁に固定されたフック等に掛けることができる。

　上記第４の考案（請求項４記載の考案）では、それぞれ異なる色彩が施されそれぞれ選択的に正面板に嵌合される複数の裏面板と、を備えていることから、使用者はこの額縁に収容されるシート状収容物の文字や絵柄等のデザインと調和の取れた色彩が施された裏面板を選択したり、或いは、使用者の好みに合った色彩が施された裏面板を正面板に取り付けることができ、より自由度がある額縁を提供することができる。

　以下、本考案の実施の形態に係る額縁を、図面を参照しながら説明する。

　この考案の実施の形態に係る額縁１は、図１に示すように、正面板２と、裏面板３と、脚部４と、からなるものであって、この額縁１内には、写真，絵画，カレンダー或いは絵葉書等のシート状収容物５が収容される。本実施の形態に係る正面板２は、透明なアクリル樹脂により一体成形された板体である。この正面板２の中央には窓部１１が形成されており、この窓部１１の外周には突条部１２が形成されており、この突条部１２の外周には外周面１４が形成されており、さらにこの外周面１４の外周から正面板２の外周にかけて傾斜面１６が形成されている。この窓部１１は平面状であり、また、この窓部１１もこの正面板２の他の部位と同様に透明なアクリル樹脂製であることから、この窓部１１の背面側に形成される後述する収容空間Ｓ内に収容されたシート状収容物５の正面側の文字や絵柄等は、この窓部１１を介して表示され、正面側から目視できる。また、この窓部１１の外周には、突条部１２が形成されている。この突条部１２は、窓部１１の外周を一回り大きく枠状に囲うように形成されており、上記の窓部１１及び外周面１４より正面側に突出している。また、この正面板２の背面側であって、かつ、突条部１２の真裏には、凹部１３が形成されている。この凹部１３は、後述する裏面板３の凸部２２に対応する溝状とされている。なお、この突条部１２も窓部５と同様に透明なアクリル製であることから、凹部１３内に嵌合された後述する裏面板３の凸部２２の色彩が正面側に表示されるものとなっている。また、突条部１２の外周には、外周面１４が形成されている。この外周面１４の正面側は、細かい凹凸が形成されて梨子地状に（半透明状に）仕上げられており、このため、額縁１の裏面側に有るものは、外周面１４を介して見た場合には、ぼやけて見えるようになっている。したがって、上記窓部１１から正面側に表示されるシート状収容物５及び突条部１２から正面側に表示される裏面板３の凸部２２の色彩は、より背景から際立って目視されるものとなっている。また、傾斜面１６は、外周面１４の外周からこの正面板２の端部にかけて徐々に板厚が薄くなるように傾斜しており、本来的に通常の額縁が有する外枠と同様な視覚的効果を与えるものとなっている。

　また、上記裏面板３は可撓性を有する軟質性樹脂であるポリエチレン樹脂により一体成形されるものであって、平板状の背面板部２１と、この背面板部２１の外周に形成される凸部２２と、を備えるものであり、また、この背面板部２１の左右何れか一端には開口２３が形成されている。この背面板部２１は、正面板２に形成された上記の窓部５より縦横共に僅かに大きい大きさとされている。また、背面板部２１の中心には、円形の操作穴２４が開口されている。この操作穴２４を介することにより、この裏面板３を正面板２に取り付けた際には、背面板部２１の正面側に位置する後述する収容空間Ｓ内に収容されたシート状収容物５を裏面側から触れることができ、裏面板３を正面板２から取り外すことなく操作することができる。また、凸部２２は、上記背面板部２１の外周に形成されてなるものであって、表面側に突出して背面板部２１を囲う枠状とされている。この凸部２２は、上記の正面板２の裏面に形成されたの凹部１３と大きさが同じものとなっていることから、この凸部２２は凹部１３内に丁度嵌合するものとなっている。また、この裏面板３の左右何れか一端（図２に示す実施例においては図面に向かって右側）には、この裏面板３の外部側方と、凸部２２の枠内である背面板部２１の正面側とを連通する開口２３が形成されている。この開口２３は、図２に示すように、背面板部２１の凸部２２と接する右端側から縦方向の長さ全体に渡って長方形状に取り除いてできた開口２５と、この開口２５の右端側と連続する右側の凸部２２の背面側から上端２７及び下端２８を残して僅かに厚さを薄くしてできた溝部２６とが連続するものである。したがって、この背面板部２１内にシート状収容物５を設置する場合には、この溝部２６上にシート状収容物５の端部を設置し、このシート状収容物５を溝部２６の上端２７及び下端２８にガイドさせつつ背面板部２１の正面側（収容空間Ｓ内）へと側方に動かすことにより、開口２５を介して背面板部２１の正面側、すなわち収容空間Ｓ内にシート状収容物５を収容することができる。

　また、この裏面板３の背面側には、図２に示すように４つの係止部３１，３２，３３，３４が形成されている。これらの係止部３１，３２，３３，３４は、それぞれ長方形状の平板を中途において円弧状に１８０度折り曲げて断面形状をＵ字状としたものであり、それぞれの端部が裏面板３の四つの角部近傍にて一体となっている。したがって、これら係止部３１，３２，３３，３４内には紐、糸等の線状体が挿通可能となっており、この挿通された線状体を用いて裏面板３及びこの裏面板３が取り付けられた額縁１を壁面に取り付けたフック等に掛けることができる。また、この額縁１には、必要に応じて脚部４を取り付けることができる。この脚部４は、同一形状の左脚部４１と右脚部４６とからなるもので、これらの左脚部４１及び右脚部４６は、直方体４２，４７の上にはそれぞれ前後に直立する二つの直立部材４３，４４，４８，４９が直立し、これら二つの直立部材４３，４４と４８，４９との間には、溝部４５，５０が形成されている。したがって、これら二つの脚部４１，４６を平面上に載置し、これら二つの脚部４１，４６の溝部４５，５０内に正面板２の下端に位置する傾斜面１６を嵌合することにより、該平面上に脚部４を介して額縁１を起立させて設置することができる。

　次に、本考案の額縁１にシート状収容物５を収容して使用する際の操作について説明する。先ず、使用者は、図３（ａ）に示すように、正面板２の背面側に裏面板３を取り付ける。すなわち、正面板２の背面側に形成された上記の凹部１３内に、裏面板３の正面側に形成された上記の凸部２２に嵌合させる。この嵌合により、図３（ａ）のＡ−Ａ線断面図である図３（ｂ）に示すように、正面板２の窓部１１の背面側と裏面板３の背面板部２１の正面側とがわずかに離隔しながら互いに対面し合うものとなり、窓部１１の背面側と裏面板３の背面板部２１の正面側との間に収容空間Ｓが形成される。そして、この額縁１の収容空間Ｓ内に、裏面板３の開口２３を介してシート状収容物５を挿入する。すなわち、上述の通りシート状収容物５の端部を、開口２３を構成する溝部２６上に載置し、該シート状収容物５を額縁１の中心方向に動かすことにより、開口２５を介して収容空間Ｓ内に該シート状収容物５を収容することができる。なお、この収容の際には、この額縁１の正面側から窓部１１を介してシート状収容物５を目視しながら収容することができることから、このシート状収容物５が傾いたりした場合にもすぐに修正することができ、正確な位置に収容することができ、収容の作業は楽なものとなる。そして、このように収容されたシート状収容物５の表面側の絵柄等は、図４に示すように、正面板３の窓部１１を介して正面側に表示される。また、この窓部１１と同様に、上述の通り突条部１２の表面側には、背面側に形成された凹部１３に嵌合した裏面板３の凸部２２の色彩が表示される。なお、この図面等に示す実施例のシート状収容物５は、正面板２の窓部５及び裏面板３の背面板部２１とほぼ同じサイズとされているが、このシート状収容物５の大きさがこれら窓部５及び背面板部２１よりも小さい場合には、このシート状収容物５が収容空間Ｓ内で傾いて収容されることがある。このような場合には、窓部１１からシート状収容物５を目視しつつ、背面板部２１上の操作穴２４を介してシート状収容物５の裏面に触れてその傾きを修正することができる。なお、ここでは収容空間Ｓ内へのシート状収容物５の収容の手段として開口２３を介して行う場合を例に説明したが、正面板２から一旦裏面板３を取り外し、この取り外した裏面板３の凸部２２内の背面板部２１上にこのシート状収容物５を載置した後、再び上記と同様にこの裏面板３を正面板２に嵌合させて取り付けることにより、このシート状収容物５を収容させてもよい。

　以上のようにシート状収容物５を収容した額縁１を、使用者は必要な箇所に設置する。この額縁１を壁面に掛けて設置する場合には、使用者は上記の裏面板３の背面側に形成された係止部３１，３２，３３，３４の内の全て或いは何れかに紐等の線状体を挿通させ、結び付ける。次いで、使用者はこの額縁１を設置する壁面上に釘やフック状の係止部材を取り付け、この線状体を該係止部材に掛けることにより額縁１を壁面に掛けて設置することができる。また、使用者がこの額縁１を机等の平面上に起立させて設置する場合には、この額縁１の下端に上述した脚部４を取り付ける。すなわち、脚部４を構成する上述の左脚部４１と右脚部４６を用意して、これら左脚部４１と右脚部４６の溝部４５，５０内に正面板２の下端を嵌合させることにより、この額縁１は平面状に起立させて設置することができる。

　また、上述の通り窓部１１からはシート状収容物５の文字や絵柄が表示され、同時にこの窓部１１の外周の突条部１２からは裏面板３の色彩が表示されるが、この表面側に表示されるシート状収容物５の文字や絵柄等のデザインと裏面板３の色彩の調和が取れず、或いは裏面板３の色彩が好みにあわない場合がある。このような場合には、他の色彩の裏面板３と交換して表面板２に取り付けることができる。すなわち、正面板２と裏面板３との嵌合を解除して取り外し、新たにシート状収容物５の文字や絵柄と調和が取れた色彩が施された裏面板３、或いは、使用者の好みに合った色彩が施された裏面板３を選択し、この裏面板３を正面板２の背面側に嵌合させて取り付ける。したがって、予め異なる色彩が施された複数の裏面板３を正面板２とセットとして用意しておくことによって、この額縁１に収容されるシート状収容物５の文字や絵柄等のデザインと調和の取れた色彩が施された裏面板３を選択したり、或いは、使用者の好みに合った色彩が施された裏面板３を正面板２に取り付けることができ、より自由度がある額縁１を提供することができる。

本考案の実施の形態に係る額縁の分解斜視図を示す斜視図である。 本考案の実施の形態に係る額縁の裏面板を示す側面図である。 本考案の実施の形態に係る額縁の示す背面図及び断面図である。 本考案の実施の形態に係る額縁を示す斜視図である。

符号の説明

　１　　額縁
　２　　正面板
　３　　裏面板
　５　　シート状収容物
　１１　　窓部
　１３　　凹部
　２１　　背面板部
　２２　　凸部
　２３　　開口
　３１，３２，３３，３４　　係止部
　Ｓ　　収容空間

Claims (4)

1. 平板状の窓部と、この窓部の外周に形成され背面側に開口を有する枠状の凹部と、を有し、少なくとも上記窓部と上記凹部を形成する部位とが透明となされた正面板と、
   　上記窓部の背面側と対向し該窓部と共に写真，絵，カレンダー等のシート状収容物が収容される収容空間を形成する背面板部と、この背面板部の外周に形成され上記枠状の凹部に着脱自在に嵌合する枠状の凸部と、この枠状の凸部に形成され上記収容空間内に上記シート状収容物を出し入れする開口と、を有してなるとともに、上記正面板の正面側から識別可能な色彩が施された裏面板と、
   　を備えてなることを特徴とする額縁。
2. 前記裏面板は、軟質性樹脂からなることを特徴とする請求項１記載の額縁。
3. 前記正面板の背面又は前記裏面板の背面の何れかには、紐，糸等の線状体が挿通され又は係止される係止部が複数形成されてなることを特徴とする請求項１又は２記載の額縁。
4. 上記請求項１、２又は３記載の額縁と、この額縁を構成するとともにそれぞれ異なる色彩が施されそれぞれ選択的に前記正面板に嵌合される複数の裏面板と、を備えてなることを特徴とする額縁セット。