JP3099949U - 木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム - Google Patents

木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム Download PDF

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Abstract

【課題】耐震性があり、建物のねじれを抑制し、偏芯率を低下する。
【解決手段】土台2Aと、土台上に並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第1種開口部2、あるいはマグサ2Eで形成された窓などに使用する正面方形の第2種開口部22に、構造躯体の外付け状態で添着される耐震開口フレーム3から構成される。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、新規な構成を有する木造躯体の外付け木質耐震開口フレームに関するものである。
詳しくは、既存及び新築の木造建築物における耐力壁のアンバランスの解消と建物全体の耐震性の向上を図るため、新規な発想で開口部の耐力壁化を行うことにより、必要最低限の壁倍率でバランスの取れた耐力壁の配置を可能にしようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のものにあっては、下記のようなものになっている。
既存及び新築の木造建築物における開口部は、
第1.土台と、土台上に並立された左右の柱と、左右の柱の上面に横架された胴差で形成された出入り口などに使用する正面方形の開口部として構成されている。
第2.胴差と、胴差上に並立された左右の柱と、左右の柱に横架された桁で形成された窓などに使用する正面方形の開口部として構成されている。
第3.土台と、土台上に並立された左右の柱と、左右の柱に横架されたマグサで形成された窓などに使用する正面方形の開口部として構成されている。
第4.胴差と、胴差上に並立された左右の柱と、左右の柱に横架されたマグサで形成された窓などに使用する正面方形の開口部として構成されている。
第5.基礎と、基礎上に並立された左右の柱と、左右の柱の上面に横架された胴差で形成された出入り口などに使用する正面方形の開口部として構成されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。
1.既存及び新築の木造建築物における開口部は、そのままでは耐震性が無く、正規の壁倍率は認められていない。
従来の開口部を除いた耐力壁配置手法では、潜在的アンバランスによる「建物のねじれ」を抑制できない。
それに、特に南面に多く、大きな窓の配置により必要耐力壁不足を生じている。
さらに、店舗・車庫組込の建物における必要壁量不足により建物のアンバランスによる偏芯率を増大させている。
2.偏芯率の低下を図るために耐力壁の高倍率化が必要となる。
3.高倍率耐力壁の取り付く柱の引き抜き力が増大され、施工する上で問題が多いとされる柱に取り付ける引っ張り接合金物(ホールダウン金物)を多く設置しなければならない。
4.耐力壁が計画的に分散・配置できないので床等の水平剛性を高めた構造としなければならない。
5.窓等の開口部の他、車庫・店舗等の大開口部や、アパート界壁、長スパンとなる大部屋の壁不足による横架材の長期荷重による潜在的たわみが発生する。
6.阪神・淡路大震災で大きな問題となった大開口部の破壊での建物倒壊による居住者の圧死をまねく可能がある。
7.従来の技術では大がかりで頑強な鋼鉄製の物が多く、製作や組立・取り付けの補強工事に労力と費用が多く必要とされている。
8.既存・新築建築物の既存のサッシや建具、規格寸法のサッシ等商品に必ずしも適用可能とはならない。
【0004】
本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述の問題を解決できるものを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案のものは下記のようになるものである。
すなわち、請求項1記載の考案は、土台2Aと、土台上に並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第1種開口部2、あるいはマグサ2Eで形成された窓などに使用する正面方形の第2種開口部22に、構造躯体の外付け状態で添着される耐震開口フレーム3から構成され、耐震開口フレーム3は、内方に向けL字状に構成された左上方枠3Aと、内方に向けL字状に構成された左下方枠3Bと、内方に向けL字状に構成された右上方枠3Cと、内方に向けL字状に構成された右下方枠3Dと、これらを連結する引っ張り縦接合金具部3Eと、引っ張り横接合金具部3Fから構成され、左上方枠3Aの下端と左下方枠3Bの上端とが当接する左接合部3Gは、引っ張り縦接合金具部3Eを介して連結され、右上方枠3Cの下端と右下方枠3Dの上端とが当接する右接合部3Hは、引っ張り縦接合金具部3Eを介して連結され、左上方枠3Aの右端と右上方枠3Cの左端とが当接する上接合部3Iは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結され、左下方枠3Bの右端と右下方枠3Dの左端とが当接する下接合部3Jは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の考案は、土台2Aと、土台上に並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第1種開口部2、あるいはマグサ2Eで形成された窓などに使用する正面方形の第2種開口部22に、構造躯体の外付け状態で添着される耐震開口フレーム3から構成され、
A.耐震開口フレーム3は、内方に向けL字状に構成された左上方枠3Aと、内方に向けL字状に構成された左下方枠3Bと、内方に向けL字状に構成された右上方枠3Cと、内方に向けL字状に構成された右下方枠3Dと、これらを連結する引っ張り縦接合金具部3Eと、引っ張り横接合金具部3Fから構成され、左上方枠3Aの下端と左下方枠3Bの上端とが当接する左接合部3Gは、引っ張り縦接合金具部3Eを介して連結され、右上方枠3Cの下端と右下方枠3Dの上端とが当接する右接合部3Hは、引っ張り縦接合金具部3Eを介して連結され、左上方枠3Aの右端と右上方枠3Cの左端とが当接する上接合部3Iは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結され、左下方枠3Bの右端と右下方枠3Dの左端とが当接する下接合部3Jは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結され、
B.引っ張り縦接合金具部3Eは、縦接合金具3E1と、縦切込み部3E2から構成され、縦接合金具3E1は、鋼板プレート3E11の上下端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ3E12から構成され、縦切込み部3E2は、左接合部3Gと右接合部3Hに、当該左接合部と右接合部の中心から上下方向に刻設した鋼板プレート挿入用縦切込み3E21と、縦切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴3E22から構成され、縦接合金具を縦切込み部に打ち込むことで、左接合部3Gと右接合部3Hとはそれぞれ確実に接合され、
C.引っ張り横接合金具部3Fは、横接合金具3F1と、横切込み部3F2から構成され、横接合金具3F1は、鋼板プレート3F11の左右端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ3F12から構成され、横切込み部3F2は、上接合部3Iと下接合部3Jに、当該上接合部と下接合部の中心から左右方向に刻設した鋼板プレート挿入用横切込み3F21と、横切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴3F22から構成され、横接合金具を横切込み部に打ち込むことで、上接合部3Iと下接合部3Jとはそれぞれ確実に接合されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の考案は、請求項1または請求項2記載の考案において、左上方枠3A、左下方枠3B、右上方枠3C、右下方枠3Dが、L型部材あるいはI型部材をL状に連結して構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4記載の考案は、基礎2Fと、基礎上の土台2Aに並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第3種開口部222に、構造躯体の外付け状態で添着される門型耐震開口フレーム4から構成され、門型耐震開口フレーム4は、内方に向けL字状に構成された左方枠4Aと、内方に向けL字状に構成された右方枠4Bと、これらを連結する引っ張り横接合金具部3Fから構成され、左方枠4Aの右端と右方枠4Bの左端とが当接する上接合部3Iは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5記載の考案は、基礎2Fと、基礎上の土台2Aに並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第3種開口部222に、構造躯体の外付け状態で添着される門型耐震開口フレーム4から構成され、
A.門型耐震開口フレーム4は、内方に向けL字状に構成された左方枠4Aと、内方に向けL字状に構成された右方枠4Bと、これらを連結する引っ張り横接合金具部3Fから構成され、左方枠4Aの右端と右方枠4Bの左端とが当接する上接合部3Iは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結され、
B.引っ張り横接合金具部3Fは、横接合金具3F1と、横切込み部3F2から構成され、横接合金具3F1は、鋼板プレート3F11の左右端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ3F12から構成され、横切込み部3F2は、上接合部3Iに、当該上接合部の中心から左右方向に刻設した鋼板プレート挿入用横切込み3F21と、横切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴3F22から構成され、横接合金具を横切込み部に打ち込むことで、上接合部3Iは確実に接合されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6記載の考案は、請求項4または請求項5記載の考案において、左方枠4A、右方枠4Bが、L型部材あるいはI型部材をL状に連結して構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【考案の実施の形態】
実施の形態について図面を参照して説明する。
1は本考案の木造躯体の外付け木質耐震開口フレームである。
1イは他の実施例の木造躯体の外付け木質耐震開口フレームである。
【0012】
本考案の木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム1は、土台2Aと、土台上に並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第1種開口部2、あるいはマグサ2Eで形成された窓などに使用する正面方形の第2種開口部22に、構造躯体の外付け状態で添着される耐震開口フレーム3から構成されている。
図中、3Kは化粧カバー、3Lは水切りである。
【0013】
A.耐震開口フレーム3は、内方に向けL字状に構成された左上方枠3Aと、内方に向けL字状に構成された左下方枠3Bと、内方に向けL字状に構成された右上方枠3Cと、内方に向けL字状に構成された右下方枠3Dと、これらを連結する引っ張り縦接合金具部3Eと、引っ張り横接合金具部3Fから構成されている。
左上方枠などは、L型部材あるいはI型部材をL状に連結した部材を使用する。
【0014】
a.左上方枠3Aの下端と左下方枠3Bの上端とが当接する左接合部3Gは、引っ張り縦接合金具部3Eを介して連結され、右上方枠3Cの下端と右下方枠3Dの上端とが当接する右接合部3Hは、引っ張り縦接合金具部3Eを介して連結され、左上方枠3Aの右端と右上方枠3Cの左端とが当接する上接合部3Iは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結され、左下方枠3Bの右端と右下方枠3Dの左端とが当接する下接合部3Jは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結されている。
【0015】
B.引っ張り縦接合金具部3Eは、縦接合金具3E1と、縦切込み部3E2から構成されている。
b1.縦接合金具3E1は、鋼板プレート3E11の上下端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ3E12から構成されている。
b2.縦切込み部3E2は、左接合部3Gと右接合部3Hに、当該左接合部と右接合部の中心から上下方向に刻設した鋼板プレート挿入用縦切込み3E21と、縦切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴3E22から構成されている。
b3.縦接合金具を縦切込み部に打ち込むことで、左接合部3Gと右接合部3Hとはそれぞれ確実に接合される。
【0016】
C.引っ張り横接合金具部3Fは、横接合金具3F1と、横切込み部3F2から構成されている。
c1.横接合金具3F1は、鋼板プレート3F11の左右端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ3F12から構成されている。
c2.横切込み部3F2は、上接合部3Iと下接合部3Jに、当該上接合部と下接合部の中心から左右方向に刻設した鋼板プレート挿入用横切込み3F21と、横切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴3F22から構成されている。
c3.横接合金具を横切込み部に打ち込むことで、上接合部3Iと下接合部3Jとはそれぞれ確実に接合される。
D.縦接合金具3E1、横接合金具3F1は、同一構造に構成されているので、どちらか一つを用意しておき、接合部の向きによって縦にしたり横にしたりして使用するとよい。
【0017】
E.外付け状態の説明
一般開口部のサッシには四方向の組み合わせによる構造躯体の柱・横架材の外側に直接、耐震開口フレーム3を取り付ける。
e1.既存建築物の場合は補強開口部のサッシや外壁材等を必要最低限除去し、構造躯体の柱・横架材の外側に直接、耐震開口フレーム3取り付け、除去したサッシをその上に取り付け再利用する。
またはサッシや外壁の上から取り付けることも可能とする。さらに、内部リフォーム時の室内側からの取り付けも可能である。
和室の窓などの内部建具もそのまま利用可能となる。
新築建築物の場合は補強開口部の構造躯体の柱・横架材の外側に直接、耐震開口フレーム3を取り付け、その上にサッシを取り付ける。
e2.組立には耐震開口フレーム3をそのまま躯体に取り付けたり、あらかじめコーナー部に補強金物や繊維補強した物を用いる。躯体への取り付けには釘、ビスやラグスクリューボルトを用いて構造躯体に強固に取り付ける。
【0018】
F.化粧カバーの説明
現場で開口フレームに適合した専用化粧カバーや水切りをフレームの上から取り付けることにより、外観や内観の装飾となり付加価値を高めることができる。
化粧カバーは断面コ字形状とし、素材に化粧塩化ビニール、アルミ、プラスチックなどを用いる。
【0019】
1イは他の実施例の木造躯体の外付け木質耐震開口フレームである。
基礎2Fと、基礎上の土台2Aに並立された左右の柱2B、2Cと、左右の柱の上面に横架された胴差2Dで形成された出入り口などに使用する正面方形の第3種開口部222に、構造躯体の外付け状態で添着される門型耐震開口フレーム4から構成されている。
第3種開口部222は、玄関サッシや車庫・店舗等の開口部である。
【0020】
A.門型耐震開口フレーム4は、内方に向けL字状に構成された左方枠4Aと、内方に向けL字状に構成された右方枠4Bと、これらを連結する引っ張り横接合金具部3Fから構成されている。
左方枠4Aの右端と右方枠4Bの左端とが当接する上接合部3Iは、引っ張り横接合金具部3Fを介して連結されている。
図中、4Cは化粧カバーである。
左方枠などは、L型部材あるいはI型部材をL状に連結したI型部材を使用する。
【0021】
B.引っ張り横接合金具部3Fは、横接合金具3F1と、横切込み部3F2から構成されている。
b1.横接合金具3F1は、鋼板プレート3F11の左右端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ3F12から構成されている。
b2.横切込み部3F2は、上接合部3Iに、当該上接合部の中心から左右方向に刻設した鋼板プレート挿入用横切込み3F21と、横切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴3F22から構成されている。
b3.横接合金具を横切込み部に打ち込むことで、上接合部3Iは確実に接合される。
【0022】
C.外付け状態の説明
玄関・車庫・店舗等の開口部には、三方向の組み合わせによる構造躯体の柱・横架材の外側に直接、門型耐震開口フレーム4を取り付ける。
c1.既存建築物の場合は補強開口部の玄関サッシや車庫のシャッター、店舗のサッシなどや外壁材等を必要最低限除去し、構造躯体の柱・横架材の外側に直接、門型耐震開口フレーム4を取り付け、除去したサッシをその上に取り付け再利用する。
c2.玄関サッシや車庫のシャッター、店舗のサッシなどや外壁の上から取り付けることも可能である。さらに、内部リフォーム時の室内側からの取り付けも可能である。
c3.新築建築物の場合は補強開口部の構造躯体の柱・横架材の外側に直接、門型耐震開口フレーム4を取り付け、その上に玄関サッシや車庫のシャッター、店舗のサッシなどを取り付ける。
c4.組立には門型耐震開口フレーム4をそのまま躯体に取り付けたり、あらかじめコーナー部に金物補強や繊維補強した物を用いる。門型耐震開口フレーム4の躯体への取り付けには釘、ビスやラグスクリューボルトを用いて構造躯体に強固に取り付ける。
【0023】
D.化粧カバーの説明
門型耐震開口フレーム4への化粧カバーの取り付けは、門型耐震開口フレーム4に適合した専用化粧カバーを取り付け、外観や内観の装飾による意匠性を高める。
【0024】
左上方枠などの製作状態の説明
A.耐震開口フレーム3に使用される左上方枠3A、左下方枠3B、右上方枠3C、右下方枠3Dの製作と、門型耐震開口フレーム4に使用される左方枠4A、右方枠4Bの製作について、左上方枠3Aの場合と左方枠4Aの場合を例に説明する。
B.L型部材による耐震開口フレーム3と門型耐震開口フレーム4の製造について
構造用単板積層材(LVL)の繊維方向を部分的に変えたクロス板(LVB)、厚手の構造用合板等の木質板を用い、L字型にカットする。
コーナー部に繊維や金物補強も可能である。
さらに繊維と金物補強の併用も可能である。
接合金具を用いるためのプレカットを行う。
C.I型部材による耐震開口フレーム3と門型耐震開口フレーム4の製造について
構造用集成材や人工木材、LVL等の木質I型部材を用いボルト等を用いL字型に組み合わせる。
接合金具を用いるためのプレカットを行う。
D.左上方枠などにおけるコーナー部分の補強についての説明
d1.図19のごとく繊維シートSをもって接着補強する。
d2.図20のごとく繊維シートSをもって接着補強する。
d3.図21のごとく2枚のL型プレートSKで上下から補強する。
d4.図22のごとく接合金物SK1を取付けて補強する。
d5.図23のごとく接合金物SK2を取付けて補強する。
【0025】
【実施例】
さらに、以下のような条件で実験した結果、極めて良好な結果が得られた。
本フレームのコーナー部をラーメン構造とすることで接合部をピン接合として取り付けることができる。
単なる釘止めよりも引っ張り強度の大きい繊維シートで補強することにより、さらに耐力の向上を図ることができた。
【0026】
【考案の効果】
1.いままで耐震性が無しとされた開口部の耐力壁化を図ることができる。
2.従来の開口部が耐力壁となるので、特に南面に多く、大きな窓の配置をしても必要耐力壁不足を解消し、他の耐力壁をバランスよく配置可能とすることができる。
さらに、店舗・車庫組込の建築物における必要壁量不足を解消し、建築物の重心と剛心のバランスによる偏芯率を低下させることにより水平力に対し建物のねじれが抑制できる。
3.アンバランスを補うために他の耐力壁の高倍率化を解消し、施工する上で問題が多いとされる柱に取付ける引っ張り接合金物(ホールダウン金物)をできる限り少なくすることができる。
4.耐力壁を計画的に分散・配置できるため、床等の水平剛性を高めなくてもよい構造とすることができる。
5.窓等の開口部の他、車庫・店舗等の大開口部や、アパート界壁、長スパンとなる大部屋の壁不足を解消し、横架材の長期荷重によるたわみ防止を解消することができる。
6.阪神・淡路大震災で大きな問題となった大開口部の破壊を防止し、建築物倒壊による居住者の圧死を防ぐことができる。
7.既存建築物の耐震補強工事や新築工事における耐震補強を木質の素材を用いて製作、施工を簡略化しているのでコストダウンを図ることができる。
8.製作や組立・取り付けの補強工事における労力と費用を軽減することができる。
9.既存・新築建築物の既存のサッシや建具、規格寸法のサッシ等商品に適用可能とすることができる。
10.本フレームが木質材で構成されているので、現場での納まりがよく、開口寸法の変更による部材の交換や切断加工により即座に対応できる。
11.本フレームを建物の外側に取り付ける場合、雨漏り進入防止措置が完全に行えるので、10年間の瑕疵保証対応が可能となり、入居したままで改修工事ができる。
さらに、外張り断熱工事をする場合も、本フレームが躯体よりふけて取り付いているため納まりがよく、高断熱、高気密の建物となる。
12.本フレームは外付けタイプなので再利用も可能である。
13.このほか、安価に製造できる、部品点数が少ないので組立が容易である、経済的である、などの効果をも有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の分解斜視図である。
【図2】正面図である。
【図3】右側面図である。
【図4】右接合部の分解斜視図である。
【図5】同上の拡大した縦断面図である。
【図6】上接合部の拡大し分解した横断面図である。
【図7】右接合部の他の実施例の分解斜視図である。
【図8】本考案の分解斜視図である。
【図9】正面図である。
【図10】本考案における化粧カバーの状態を示す1部を切欠いた分解斜視図である。
【図11】本考案の分解斜視図である。
【図12】正面図である。
【図13】化粧カバーの状態を示す1部を切欠いた分解斜視図である。
【図14】他の実施例の分解斜視図である。
【図15】正面図である。
【図16】右側面図である。
【図17】上接合部の拡大し分解した横断面図である。
【図18】化粧カバーの状態を示す1部を切欠いた分解斜視図である。
【図19】コーナー部の補強状態を説明する分解斜視図である。
【図20】コーナー部の補強状態を説明する分解斜視図である。
【図21】コーナー部の補強状態を説明する分解斜視図である。
【図22】コーナー部の補強状態を説明する斜視図である。
【図23】コーナー部の補強状態を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
1 本考案の木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム
3 耐震開口フレーム
3A 左上方枠
3B 左下方枠
3C 右上方枠
3D 右下方枠
3E 引っ張り縦接合金具部
3F 引っ張り横接合金具部
1イ 他の実施例の木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム
4 門型耐震開口フレーム
4A 左方枠
4B 右方枠

Claims (6)

  1. 土台(2A)と、土台上に並立された左右の柱(2B、2C)と、左右の柱の上面に横架された胴差(2D)で形成された出入り口などに使用する正面方形の第1種開口部(2)、あるいはマグサ(2E)で形成された窓などに使用する正面方形の第2種開口部(22)に、構造躯体の外付け状態で添着される耐震開口フレーム(3)から構成され、耐震開口フレーム(3)は、内方に向けL字状に構成された左上方枠(3A)と、内方に向けL字状に構成された左下方枠(3B)と、内方に向けL字状に構成された右上方枠(3C)と、内方に向けL字状に構成された右下方枠(3D)と、これらを連結する引っ張り縦接合金具部(3E)と、引っ張り横接合金具部(3F)から構成され、左上方枠(3A)の下端と左下方枠(3B)の上端とが当接する左接合部(3G)は、引っ張り縦接合金具部(3E)を介して連結され、右上方枠(3C)の下端と右下方枠(3D)の上端とが当接する右接合部(3H)は、引っ張り縦接合金具部(3E)を介して連結され、左上方枠(3A)の右端と右上方枠(3C)の左端とが当接する上接合部(3I)は、引っ張り横接合金具部(3F)を介して連結され、左下方枠(3B)の右端と右下方枠(3D)の左端とが当接する下接合部(3J)は、引っ張り横接合金具部(3F)を介して連結されていることを特徴とする木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム。
  2. 土台(2A)と、土台上に並立された左右の柱(2B、2C)と、左右の柱の上面に横架された胴差(2D)で形成された出入り口などに使用する正面方形の第1種開口部(2)、あるいはマグサ(2E)で形成された窓などに使用する正面方形の第2種開口部(22)に、構造躯体の外付け状態で添着される耐震開口フレーム(3)から構成され、
    耐震開口フレーム(3)は、内方に向けL字状に構成された左上方枠(3A)と、内方に向けL字状に構成された左下方枠(3B)と、内方に向けL字状に構成された右上方枠(3C)と、内方に向けL字状に構成された右下方枠(3D)と、これらを連結する引っ張り縦接合金具部(3E)と、引っ張り横接合金具部(3F)から構成され、左上方枠(3A)の下端と左下方枠(3B)の上端とが当接する左接合部(3G)は、引っ張り縦接合金具部(3E)を介して連結され、右上方枠(3C)の下端と右下方枠(3D)の上端とが当接する右接合部(3H)は、引っ張り縦接合金具部(3E)を介して連結され、左上方枠(3A)の右端と右上方枠(3C)の左端とが当接する上接合部(3I)は、引っ張り横接合金具部(3F)を介して連結され、左下方枠(3B)の右端と右下方枠(3D)の左端とが当接する下接合部(3J)は、引っ張り横接合金具部(3F)を介して連結され、
    引っ張り縦接合金具部(3E)は、縦接合金具(3E1)と、縦切込み部(3E2)から構成され、縦接合金具(3E1)は、鋼板プレート(3E11)の上下端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ(3E12)から構成され、縦切込み部(3E2)は、左接合部(3G)と右接合部(3H)に、当該左接合部と右接合部の中心から上下方向に刻設した鋼板プレート挿入用縦切込み(3E21)と、縦切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴(3E22)から構成され、縦接合金具を縦切込み部に打ち込むことで、左接合部(3G)と右接合部(3H)とはそれぞれ確実に接合され、
    引っ張り横接合金具部(3F)は、横接合金具(3F1)と、横切込み部(3F2)から構成され、横接合金具(3F1)は、鋼板プレート(3F11)の左右端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ(3F12)から構成され、横切込み部(3F2)は、上接合部(3I)と下接合部(3J)に、当該上接合部と下接合部の中心から左右方向に刻設した鋼板プレート挿入用横切込み(3F21)と、横切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴(3F22)から構成され、横接合金具を横切込み部に打ち込むことで、上接合部(3I)と下接合部(3J)とはそれぞれ確実に接合されていることを特徴とする木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム。
  3. 左上方枠(3A)、左下方枠(3B)、右上方枠(3C)、右下方枠(3D)が、L型部材あるいはI型部材をL状に連結して構成されている請求項1または請求項2記載の木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム。
  4. 基礎(2F)と、基礎上の土台(2A)に並立された左右の柱(2B、2C)と、左右の柱の上面に横架された胴差(2D)で形成された出入り口などに使用する正面方形の第3種開口部(222)に、構造躯体の外付け状態で添着される門型耐震開口フレーム(4)から構成され、門型耐震開口フレーム(4)は、内方に向けL字状に構成された左方枠(4A)と、内方に向けL字状に構成された右方枠(4B)と、これらを連結する引っ張り横接合金具部(3F)から構成され、左方枠(4A)の右端と右方枠(4B)の左端とが当接する上接合部(3I)は、引っ張り横接合金具部(3F)を介して連結されていることを特徴とする木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム。
  5. 基礎(2F)と、基礎上の土台(2A)に並立された左右の柱(2B、2C)と、左右の柱の上面に横架された胴差(2D)で形成された出入り口などに使用する正面方形の第3種開口部(222)に、構造躯体の外付け状態で添着される門型耐震開口フレーム(4)から構成され、
    門型耐震開口フレーム(4)は、内方に向けL字状に構成された左方枠(4A)と、内方に向けL字状に構成された右方枠(4B)と、これらを連結する引っ張り横接合金具部(3F)から構成され、左方枠(4A)の右端と右方枠(4B)の左端とが当接する上接合部(3I)は、引っ張り横接合金具部(3F)を介して連結され、
    引っ張り横接合金具部(3F)は、横接合金具(3F1)と、横切込み部(3F2)から構成され、横接合金具(3F1)は、鋼板プレート(3F11)の左右端に斜めに溶接したクサビ効果を有するウッドタッチパイプ(3F12)から構成され、横切込み部(3F2)は、上接合部(3I)に、当該上接合部の中心から左右方向に刻設した鋼板プレート挿入用横切込み(3F21)と、横切込みの先端に連設されたウッドタッチパイプ用受穴(3F22)から構成され、横接合金具を横切込み部に打ち込むことで、上接合部(3I)は確実に接合されていることを特徴とする木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム。
  6. 左方枠(4A)、右方枠(4B)が、L型部材あるいはI型部材をL状に連結して構成されている請求項4または請求項5記載の木造躯体の外付け木質耐震開口フレーム。
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JP2010174579A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Misawa Homes Co Ltd 開口部廻り耐震補強構造

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