JP3099841B2 - フィルムマスクを用いた露光装置 - Google Patents

フィルムマスクを用いた露光装置

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JP3099841B2 JP03332629A JP33262991A JP3099841B2 JP 3099841 B2 JP3099841 B2 JP 3099841B2 JP 03332629 A JP03332629 A JP 03332629A JP 33262991 A JP33262991 A JP 33262991A JP 3099841 B2 JP3099841 B2 JP 3099841B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はプリント配線基板等の
製造に用いられるフィルムマスクを用いた露光装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板等の導体のパターンを
形成するために、近年IC等の製造に用いられるフォト
リソグラフィー法が用いられるようになってきている。
この方法は、形成すべきパターンを描いた原版を用い、
光を投影露光することによりプリント配線基板に原版と
同一のパターンを描く方法である。IC等の製造の際に
は高い精度を要求されるために、原版としてはガラス板
が用いられるが、プリント配線基板の場合には比較的精
度が低くて良いため、原版としてフィルムマスクを用い
るのが普通である。しかしフィルムマスクを用いた場
合、フィルムマスクとプリント配線基板の密着が不十分
であると投射された光が回り込みパターンの幅が一定に
ならない問題を生じる。そのため、フィルムマスクとプ
リント配線基板を密着させることが極めて重要である。
また、フィルムマスクはガラス板に比べて熱により伸び
やすく、露光時の熱等に起因するフィルムマスクの伸び
を抑制することが重要である。従来の露光装置ではフィ
ルムマスクとプリント配線基板を密着させるために、フ
ィルムマスクとプリント配線基板を機械的に当接させた
後に、フィルムマスクとプリント配線基板の間を吸引し
て負圧にすることによりフィルムマスクとプリント配線
基板の密着を図っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし負圧による装置
の場合、フィルムマスクとプリント配線基板の間の負圧
を保つための構造が複雑になる欠点があり、しかも十分
な負圧を得ることが難しく確実な密着性を得られない欠
点があった。また、負圧によるフィルムマスクの伸びや
熱によるフィルムマスクの伸びに全く対処しておらず、
結果的に高精度の露光を行うことができなかった。本発
明はこのような従来のフィルムマスクを用いた露光装置
の欠点を解消することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のフィルムマスクを用いた露光装置は、フィル
ムマスクを背面側から支持する支持体と、該フィルムマ
スクの表面を対象物に当接させる装置と、該フィルムマ
スクと支持体の間に流体を導入して加圧し、該フィルム
マスクを対象物に密着させる装置と、前記密着させる装
置に流体を供給する装置と、該流体の圧力を調整する装
置と、前記対象物とフィルムマスクとに光を照射する装
置とを有することを特徴とする。
【0005】
【作用】対象物に当接したフィルムマスクの背面に流体
が導入され、これによりフィルムマスクが加圧されて対
象物に密着する。該流体の圧力は調整する装置により調
整されるから、フィルムマスクの伸びが抑制できる。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明の一実施例を概念的に示す模式図であ
る。作業対象物であるプリント配線基板Wはテ−ブル5
0に載置されており、テ−ブル50は上下方向に移動可
能で、フィルムマスク1にプリント配線基板Wを当接さ
せることが出来るように構成されている。プリント配線
基板Wはテ−ブル50において位置合わせがなされてお
り、フィルムマスク1に形成されたパターンがプリント
配線基板W上の適正な位置に露光されるようになってい
る。ガラス板2の上方には光源装置40が配設され、こ
の光源装置40により露光が行われる。
【0007】フィルムマスク1の背面側(プリント配線
基板Wの反対側)にはガラス板2が配設され、このフィ
ルムマスク1とガラス板2をその縁部において固定金具
7により締結している。
【0008】ガラス板2はベースフレーム5にその周囲
を支持されており、このベースフレーム5とガラス板2
にはガラス板2とフィルムマスク1の間の隙間に空気を
導入する給気孔3が設けられている。この給気孔3はベ
ースフレーム5の上面からガラス板2を貫通してガラス
板2とフィルムマスク1との間に開口する様に形成され
ている。ガラス板2には図2に示すように、フィルムマ
スク1と当接する側に給気溝4が4角形状に形成してあ
り、前記給気孔3はこの給気溝4に開口するようになっ
ている。給気孔3から供給された空気はこの給気溝4を
通って全体に拡がり、フィルムマスク1とガラス板2と
の間の隙間を均等に加圧するように構成されている。該
給気溝4は露光領域Rの外側に形成されている。
【0009】給気孔3は方向切換弁8、蓄圧タンク12
及び電流比例式空圧減圧弁13を介して流体源11に接
続され、空気の供給を受けるようになっている。蓄圧タ
ンク12により加圧時の急激な圧力の変動を防ぐことが
でき、その結果フィルムマスク1の伸びや或いはガラス
板2の変形を防ぐことが可能になる。そのため、高精度
の露光を実現できる。また電流比例式空圧減圧弁13を
採用することにより無段階の圧力制御を行え、エアー流
入時や安定時等に応じて細かな制御を行うことができ、
最短時間で最適条件での加圧を行うことができる。
【0010】固定金具7はマスク押え板6を介してフィ
ルムマスク1をガラス板2に締結するようになってい
る。図3及び図4は締結構造を説明するもので、マスク
押え板6は露光部に該当する部分をくり貫いた枠形状の
薄板であり、このマスク押え板6を固定金具7で締め付
けることによりフィルムマスク1の周囲を均等にガラス
板2に押さえつける構造になっている。固定金具7は1
つのみ図示しているが、4辺に配設してフィルムマスク
1の周囲全体を押さえるようになっている。また固定金
具7はベースフレーム5にボルト等の締結具を用いて固
定され、これにより締め付けを行うように構成されてい
る。以上の締結構造により、フィルムマスク1はその周
囲をマスク押え板6により均等に且つ確実に押さえつけ
られるから、熱や圧力により伸びが最小限に抑制され
る。なお、マスク押え板6は給気溝4上を覆わないよう
に、図5に示すように切欠60を設け、かつ固定金具7
はこの部分は締結せずに構成し、空気の流入を阻害しな
いようにしてある。
【0011】ガラス板2の上面及び下面、即ちフィルム
マスク1側はファン25により冷却されるように構成さ
れている。ファン25にはダクト21を介して空気冷却
装置22から冷却された空気が供給され、ガラス板2上
面とフィルムマスク1とに冷却空気を吹き付けるように
なっている。この冷却空気により、フィルムマスク1の
伸びが抑制される。空気冷却装置22は露光装置のカバ
ー23の外に配設され、効率的に冷却空気を供給するよ
うに構成されている。なお、給気孔3から供給する空気
を冷却して、フィルムマスク1の伸びを抑制することも
可能である。
【0012】図6及び図7により動作を説明する。まず
マスク押え板6によりフィルムマスク1の周囲を押さえ
るようにしてガラス板2の下面に当接させ、固定金具7
をベースフレーム5に締め付けることによりフィルムマ
スク1の周囲をマスク押え板6を介してガラス板2に締
結する。これによりフィルムマスク1の伸びが抑制され
る。次にプリント配線基板Wをテ−ブル50に載置し、
アライメントを行ってプリント配線基板Wと上記により
締結したフィルムマスク1の位置を合わせる。そしてテ
−ブル50を上昇し、プリント配線基板Wをフィルムマ
スク1に当接させ、流体源11から空気を給気孔3から
送る。この際蓄圧タンク12により圧力は均等に且つ徐
々に上昇するから、フィルムマスク1の伸びなどを生ず
ることがない。また電流比例式空圧減圧弁13により圧
力調整が任意に行えるから、短時間で所定の圧力まで上
昇させることが可能である。これによりフィルムマスク
1とガラス板2の間は大気圧より高圧の所定の圧力にな
り、フィルムマスク1はプリント配線基板W上に密着す
る。この状態で光源装置40によりガラス板2上面から
光を照射してフィルムマスク1のパターンをプリント配
線基板W上に焼き付ける。露光時或いは全作業工程を通
じて、ファン25から冷却空気をガラス板2及びフィル
ムマスク1に吹き付けフィルムマスク1の温度による伸
びを抑制する。以上の構成においてフィルムマスク1は
プリント配線基板Wに密着しているため、きわめて精度
の高い露光が実現できる。またフィルムマスク1の伸び
等が抑制されるから更に精度の高いパターンの焼付けが
可能になる。露光が終了したら、テ−ブル50を下降さ
せプリント配線基板Wを取り出して、このプリント配線
基板Wを現像工程及びエッチング工程に送る。
【0013】以上説明したように、上記構成によればフ
ィルムマスク1をプリント配線基板Wに密着させること
ができ、しかもフィルムマスク1の伸びやガラス板2の
曲がりを抑制することができるから、高精度の露光を行
うことができる。また、電流比例式空圧減圧弁13によ
り加圧を最短時間で行える等の効果がある。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフィルムマ
スクを用いた露光装置は、フィルムマスクを背面側から
支持する支持体と、該フィルムマスクの表面を対象物に
当接させる装置と、該フィルムマスクと支持基板の間に
流体を導入して加圧し、該フィルムマスクを対象物に密
着させる装置と、前記密着させる装置に流体を供給する
装置と、該流体の圧力を調整する装置と、前記対象物と
フィルムマスクとに光を照射する装置とを有するため、
フィルムマスクを対象部に密着させることができ、しか
もフィルムマスクの伸びを抑制することが可能でる。そ
のため高精度の露光を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模式図。
【図2】ガラス板2の裏面を示す平面図。
【図3】フィルムマスク1とガラス板2の締結構造を示
す正面図。
【図4】フィルムマスク1とガラス板2の締結構造を示
す組立図。
【図5】マスク押え板6の拡大部分図。
【図6】動作説明図。
【図7】動作説明図。
【符号の説明】
1:フィルムマスク、2:ガラス板、3:給気孔、4:
給気溝、5:ベースフレーム、6:マスク押え板、7:
固定金具、8:方向切換弁、11:流体源、12:蓄圧
タンク、13:電流比例式空圧減圧弁、21:ダクト、
22:空気冷却装置、23:カバー、25:ファン、4
0:光源装置、50:テーブル、60:切欠。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−145248(JP,A) 特開 昭63−53554(JP,A) 実開 平1−173734(JP,U) 実開 昭58−62349(JP,U) 実開 昭53−147140(JP,U) 特公 昭47−5296(JP,B1) 特公 昭46−36052(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/20 - 7/24 G03F 9/00 - 9/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムマスクを背面側から支持する支
    持体と、 該フィルムマスクの表面を対象物に当接させる装置と、 該フィルムマスクと支持体の間に流体を導入して加圧
    し、該フィルムマスクを対象物に密着させる装置と、 前記密着させる装置に流体を供給する装置と、 該流体の圧力を調整する装置と、 前記対象物とフィルムマスクとに光を照射する装置と、 を有することを特徴とするフィルムマスクを用いた露光
    装置。
  2. 【請求項2】 流体を供給する装置が蓄圧手段を有する
    請求項1に記載のフィルムマスクを用いた露光装置。
  3. 【請求項3】 調整する装置が流体圧力を無段階で制御
    する手段である請求項1に記載のフィルムマスクを用い
    た露光装置。
  4. 【請求項4】 フィルムマスクを背面側から支持する支
    持装置と、 該フィルムマスクの表面を対象物に当接させる装置と、 該フィルムマスクと支持基板の間に流体を導入して加圧
    し、該フィルムマスクを対象物に密着させる装置と、 前記対象物とフィルムマスクとに光を照射する装置とを
    備え;前記支持装置が、 フィルムマスクを背面側から支持する透明支持基板と、 該フィルムマスクの端部の一部又は全部を該支持基板に
    固定し、フィルムマスクの伸びを抑制する固定装置とを
    有する、 ことを特徴とするフィルムマスクを用いた露光装置。
  5. 【請求項5】 固定装置が、枠状のフィルムマスク押え
    板と該フィルムマスク押え板と前記透明支持基板とを締
    結する締結手段とを有する請求項4に記載のフィルムマ
    スクを用いた露光装置。
  6. 【請求項6】 フィルムマスクを背面側から支持する支
    持基板と、 該フィルムマスクの表面を対象物に当接させる装置と、 該フィルムマスクと支持基板の間に流体を導入して加圧
    し、該フィルムマスクを対象物に密着させる装置と、 前記対象物とフィルムマスクとに光を照射する装置と、 前記支持基板に冷却気体を吹き付ける装置と、を有する
    ことを特徴とするフィルムマスクを用いた露光装置。
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JP4621136B2 (ja) * 2005-12-27 2011-01-26 株式会社オーク製作所 露光装置
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