JP3098330B2 - ピラジン誘導体及びその製造法 - Google Patents

ピラジン誘導体及びその製造法

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JP3098330B2 JP04234068A JP23406892A JP3098330B2 JP 3098330 B2 JP3098330 B2 JP 3098330B2 JP 04234068 A JP04234068 A JP 04234068A JP 23406892 A JP23406892 A JP 23406892A JP 3098330 B2 JP3098330 B2 JP 3098330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピラジン誘導体及びそ
の製造法に関し、より詳しく言うと、中央基としてピラ
ジン環構造を有するビスフェノール系化合物であって、
例えば、液晶表示素子用の液晶化合物やポリカーボネー
ト等の耐熱性高分子化合物、合成ゴム等の製造用モノマ
ーなど各種の工業原料として有用なピラジン誘導体及び
該ピラジン誘導体を効率よく好適に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ピラジン環に置換基を有するピラジン誘
導体は、生体内あるいは天然にも多くその存在が知られ
ている。また、こうしたピラジン誘導体は、近年、機能
材料の原料物質としての興味が持たれ、その用途開発の
研究が多くの研究者によって盛んに行われている。そこ
で、各種のピラジン誘導体を合成によって得る技術が重
要となっている。ピラジン誘導体の合成については、従
来、次のような技術がある。例えば、2,5−ビスアリ
ールピラジン類の製造法として、アミノメチルアリール
ケトン塩酸塩を塩基の存在下で自己縮合させる方法や、
アリールアジリン誘導体を触媒の存在下で自己縮合させ
る方法などが知られている。しかしながら、これらの方
法では工程が非常に複雑であったり、選択的合成が困難
であるなどの問題がある。
【0003】また、H.D.Dakinらの報告[J.
Biol.Chem.,78,91(1928);同7
45,同759]及びP.A.Leveneらの報告
[J.Biol.Chem.,79,95(192
8)]には、フェニルアラニンやチロシン等のアミノ酸
から数工程でピラジン環の3,6位に置換基を有する
2,5−ビスアラルキルピラジン類や2,5−ビス(4
−ヒドロキシフェニルメチル)ピラジン類等のピラジン
誘導体を製造する方法が示されている。しかしながら、
これら従来の方法では、最後の工程で酸化が十分に行わ
れず、ピラジン誘導体と共にその前駆体のジヒドロピラ
ジン類が多く生成するなどの問題点があることが判明し
た。
【0004】ところで、ピラジン誘導体のうち2,5−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ピラジン、特にこれに
置換基を有するビスフェノール型のピラジン誘導体は、
機能材料のほか耐熱性高分子化合物(例えば、ポリカー
ボネート等)の製造原料としても有用と思われる。そこ
で、2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ピラジン
誘導体を実際に合成すること、特にそれらを選択的に効
率よく製造する技術の開発が重要となる。
【0005】こうした2,5−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ピラジン誘導体のうち、2,5−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ピラジンの合成例については、すで
に、H.Schubertらの報告[J.Pract.
Chem.,(4)37,12(1968)]等に示さ
れている。しかしながら、ピラジン環の3,6位に置換
基(水素原子以外の基)を有する2,5−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ピラジン類の合成例はない。また、
同様に、ピラジン環の3,6位に置換基を有し、かつ、
4−ヒドロキシフェニルのフェニル基にも置換基を有す
る2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ピラジン誘
導体の合成例もない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、少なくと
もピラジン環の3,6位に水素原子以外の基(すなわ
ち、置換基)を有する2,5−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ピラジン誘導体を合成することができれば、こ
れらは新規な化合物であり、上記したように各種の用途
が期待できる。
【0007】これらのピラジン誘導体の合成には、上記
したような従来の類似のピラジン誘導体の合成手法も適
用可能であろうが、上記のように従来の手法には選択
性、工程数などの点で問題があるので、目的とするピラ
ジン誘導体を選択的に高収率で効率よく製造するための
方法を併せて開発することも重要な課題となる。
【0008】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
ものである。
【0009】すなわち、本発明の目的の第一は、各種機
能材料用化合物や高分子化合物の製造用モノマーなど各
種の用途にその有用性が期待できる新規なビスフェノー
ル型ピラジン誘導体、より具体的に言うと、少なくとも
ピラジン環の3,6位に置換基を有する2,5−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ピラジン類である新規なピ
ラジン誘導体を提供することにある。
【0010】本発明の目的は、また、該ピラジン誘導体
を選択的に高収率で効率よく製造する方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記事情
に基づいて、新規で有用なビスフェノール型ピラジン誘
導体を合成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、前記目
的とするピラジン誘導体、すなわち、ピラジン環の3,
6位の置換基を有する各種の2,5−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ピラジン化合物及びこれらの4−ヒドロ
キシフェニルのフェニル基に置換基を有する各種の誘導
体を合成・取得することに成功した。
【0012】また、これらのピラジン誘導体の合成は種
々の方法によって可能であることを確認したが、中で
も、グリシンのα炭素に、未置換又は置換p−ヒドロキ
シフェニル基が置換された所定の化合物を原料として用
い、これをアミノケトン化して少なくとも該原料化合物
のカルボキシ基をケトン型カルボニル基に変えた後、得
られたアミノケトン類(塩酸塩等)を二量化するという
特定の合成手法を用いる方法が実用上特に好適な方法で
あることを明らかにした。このようにして、所望の各種
のピラジン誘導体を選択性よく高い収率で容易に得るこ
とができる優れた製造技術の開発にも成功した。
【0013】本発明者らは主としてこれらの知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、次の一般式[I]
【0015】
【化3】 (ただし、式[I]中のR1は炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン原子を
示し、R2は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜
30のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜30のアルコ
キシアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基若しく
はアルキニル基又は炭素数6〜12のアリール基を示
し、aは0〜4の整数を示す。)で表されるピラジン誘
導体を提供するものである。
【0016】また、本発明は、上記本発明の各種のピラ
ジン誘導体の好適な製造方法として、次の一般式[I
I]
【0017】
【化4】 (ただし、式[II]中のR1は炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン原子
を示し、aは0〜4の整数を示す。)で表される化合物
[II]をアミノケトン化し、次いで二量化することを
特徴とする方法を併せて提供するものである。
【0018】本発明のピラジン誘導体は、前記一般式
[I]で表される各種の化合物であり、単独であるいは
混合物として種々の用途に利用することができる。
【0019】一般式[I]のaは、それぞれのベンゼン
環について独立な値をとることができる置換基R1の数
で0〜4の整数を表すが、該式[I]中の2つの4−ヒ
ドロキシフェニル基について該aの値は同じでもよい
し、相違していてもよい。すなわち、本発明のピラジン
誘導体は、その4−ヒドロキシフェニル基の両方いずれ
にもR1が置換していないものであってもよいし、その
4−ヒドロキシフェニル基の一方のみにR1が置換され
ているものでもよいし、その両方の4−ヒドロキシフェ
ニル基にR1が置換されているものでもよい。
【0020】これらの中でも、aの値が2つの4−ヒド
ロキシフェニル基について同じであるものは、通常、単
一の化合物として選択的に合成しやすいという利点があ
る。また、aの値が0か1あるいは2程度のものは、通
常、合成原料が入手しやすいという利点がある。
【0021】また、R1の置換位置としては、特に制限
はなく、例えば、4−ヒドロキシフェニルのフェニル基
の3位のみにR1 が置換したもの、3位と5位にR1が置
換したものなど種々の置換構造のものを挙げることがで
きる。
【0022】前記式[I]のR1は、炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン
原子を表すが、該アルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環式構造を有するもののいずれでもよい。該アルキ
ル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n
−ペンチル基、sec−ペンチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチ
ル基、以下同様に各種の、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基、イコシル基などを挙げることができ
る。なお、R1は、例えば、シクロヘキシルメチル基、
ベンジル基、フェネチル基、メチルシクロヘキシル基、
メチルシクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルシクロ
ヘキシル基、フェニルシクロヘキシル基のような環式構
造を有する置換アルキル基などであってもよい。
【0023】また、R1としての前記アリール基の具体
例としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、
ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェ
ニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル
基、イソブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル
基、tert−ブチルフェニル基、シクロヘキシルフェ
ニル基、ビフェニル基等の未置換又は各種置換フェニル
基、ナフチル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル
基、エチルナフチル基などを挙げることができる。
【0024】また、R1としての前記ハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子
を挙げることができる。
【0025】なお、本発明のピラジン誘導体は、2種以
上の異なる種類のR1 を有しているものであってもよ
い。
【0026】本発明のピラジン誘導体は、前記一般式
[I]に示すように、そのピラジン環の3,6位に水素
原子以外の置換基であるR2を有している。該R2は炭素
数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロゲン化
アルキル基、炭素数1〜30のアルコキシアルキル基、
炭素数2〜30のアルケニル基又は炭素数6〜12のア
リール基を示すが、このアルキル基は、前記R1同様に
各種の構造のものとすることができ、その具体例として
は、例えば、前記R1として例示した各種のアルキル基
及び更に炭素数が21以上の各種のアルキル基を挙げる
ことができる。
【0027】R2としての前記ハロゲン化アルキル基と
しては、上記炭素数1〜30の各種のアルキル基に少な
くとも一個のハロゲン原子が置換された各種のハロゲン
原子置換アルキル基を挙げることができ、このハロゲン
原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨ
ウ素原子を挙げることができる。このR2としてのハロ
ゲン化アルキル基の具体例としては、例えば、トリフル
オロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチ
ル基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、モノク
ロロメチル基、トリブロモメチル基、ジブロモメチル
基、モノブロモメチル基などの多種多様のものを挙げる
ことができる。
【0028】R2としての前記アリール基としては、前
記R1として例示した各種アリール基などを挙げること
ができる。
【0029】R2が前記アルコキシアルキル基の場合、
該アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメ
チル基、メトキシエチル基、メトキシブチル基、エトキ
シエチル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル
基、シクロヘキシルオキシエチル基などを挙げることが
できる。
【0030】R2が前記アルケニル基の場合、該アルケ
ニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2−メ
チルビニル基、1−メチルビニル基、各種の、ブテニル
基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オク
テニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、
ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペ
ンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル
基、シクロヘキセニル基、2−フェニルビニル基、1−
フェニルビニル基などを挙げることができる。
【0031】更に、R2は、前記アルキル基、ハロゲン
化アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基及びアリール基に、各種の置換基(例え
ば、ヒドロキシ基等)が置換されているそれぞれの基で
あってもよい。
【0032】なお、前記一般式[I]において、ピラジ
ン環の3位と6位に結合しているR2は、互いに同じ種
類の基でもよいし、相違するものでもよい。これらの中
でも、該3,6位のR2が同じ種類のものは、単一の化
合物を選択性よく得ることが容易であるという合成上の
利点がある。
【0033】また、本発明のピラジン誘導体は、光学活
性を示すものでもよい。
【0034】以上において詳細に説明したように、前記
一般式[I]で表される本発明のピラジン誘導体には、
1の有無、置換数、置換位置、その種類あるいは組合
せによって、また、R2の種類あるいは組合せの仕方に
よって多種多様のものがある。これらの中には、例え
ば、液晶性を示すものなど、各種の機能材料の素材若し
くはその合成原料等として有用なものがあることが判明
しており、また、本発明のピラジン誘導体は、ビスフェ
ノール型化合物であるので、例えば、ポリカーボネート
やポリエーテル等の耐熱性ポリマーの合成用モノマーな
どとしても有用であり、種々の用途分野に好適に利用す
ることができる。
【0035】本発明のピラジン誘導体は、その一般的製
造方法としては特に制限はなく、公知の合成手法等の各
種の手法を適宜用いて種々の原料及びルートによって合
成可能であるが、特に、本発明の方法によって有利に製
造することができる。
【0036】すなわち、前記一般式[I]で表される各
種のピラジン誘導体は、次の一般式[II]
【0037】
【化5】 (ただし、式[II]中のR1は炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン原子
を示し、aは0〜4の整数を示す。)で表される化合物
[II]をアミノケトン化し、次いで二量化することを
特徴とする方法である本発明の方法によって好適に製造
することができる。
【0038】前記式[II]中のa及びR1は、それぞ
れ、前記一般式[I]中に示すa及びR1に対応するも
のであるので、これらは前記同様の意味を表し、先に説
明した通りである。すなわち、目的とするピラジン誘導
体の構造に応じて、aの値(R1の有無や置換数)、R1
の種類や置換位置等を考慮し、前記一般式[II]で表
される各種の化合物[II]から所定の構造のものを選
定し、これを製造原料として用いて前記アミノケトン化
に供すればよい。
【0039】したがって、本発明の方法において製造原
料として使用する前記化合物[II]としては、R1
有無あるいは数、置換位置、種類や組合せ等に応じて多
種多様のものがあり、これらは、その一般的構造式から
4−ヒドロキシフェニルグリシン類と総称することがで
きる。これら各種の化合物[II]のうち特に代表的な
ものとして、例えば、下記に示すそれぞれの化合物
【0040】
【化6】 すなわち、4−ヒドロキシフェニルグリシン[II
a]、3−メチル−4−ヒドロキシフェニルグリシン
[IIb]、3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ルグリシン[IIc]などを例示することができるが、
もちろん、これらに限定されるものではない。
【0041】なお、前記化合物[II]の4−ヒドロキ
シフェニルグリシン類には、少なくとも、アミノ基、カ
ルボキシ基、水素原子及び未置換又は置換4−ヒドロキ
シフェニル基という互いに異なる4種の基が結合してい
る炭素原子(不斉炭素)に基づく光学異性体が存在す
る。本発明の方法においては、原料化合物として任意の
光学純度の化合物[II]を使用することができ、D
体、L体、ラセミ体、あるいはD体とL体の任意の割合
の混合物などのいずれのものを使用してもよい。
【0042】本発明の方法においては、前記化合物[I
I]のうちの所定の化合物を原料として用い、まずそれ
をアミノケトン化する。このアミノケトン化によって、
化合物[II]中の少なくともカルボキシ基をケトン型
カルボニル基(−CO−R2)に変える。ここで、R
2は、前記一般式[I]中のR2に対応する基であり、前
記同様の意味を表す。
【0043】このアミノケトン化は、種々の合成手法で
行うことができるが、特に、次に示す酸無水物[(R2
CO)2O]を塩基の存在下で反応させる工程1及び酸
[acid]を反応させる工程2
【0044】
【化7】 (ただし、これらの式中のR2は、前記同様の意味を表
す。)を逐次的に行うことによって好適に達成すること
ができる。すなわち、この場合、前記工程1によって、
原料化合物(化合物[II])の−COOHを−CO−
2に変えるが、その際、−NH2及び未置換又は置換4
−ヒドロキシフェニル基の−OHも酸無水物[(R2
O)2O]によってアシル化され、それぞれ、−NHC
OR2及び−OCOR2に転化されるので、この工程1の
生成物としてアシルケトン体[III]を得る。その
際、CO2が発生し、R2COOHが脱離することになる
が、この脱離は共存する塩基の作用(触媒作用や酸受容
体すなわちR2COOHのトラップ剤としての作用な
ど)によって促進され反応が円滑に進むことになる。
【0045】次いで、このアシルケトン体[III]の
−NHCOR2及び−OCOR2をそれぞれ−NH2及び
−OHに戻すべく工程2において酸[acid]と反応
させ、工程2の生成物としてヒドロキシ−アミノケトン
体の酸塩[IV]を得る。
【0046】ここで、工程1で使用する酸無水物[(R
2CO)2O]としては、R2として前記例示の各種の基
を有するものが使用可能であり、その具体例としては、
例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水
イソ酪酸、無水吉草酸、無水イソ吉草酸、無水ピバル
酸、無水ヘキサン酸、無水ヘプタン酸、無水オクタン
酸、無水ノナン酸、無水デカン酸、無水ウンデカン酸、
無水ラウリル酸、無水トリデカン酸、無水ミリスチン
酸、無水ペンタデカン酸、無水へプタデカン酸、無水パ
ルミチン酸、無水ステアリン酸、無水ノナデカン酸、無
水イコサン酸、無水アクリル酸、無水プロピオル酸、無
水メタクリル酸、無水クロトン酸、無水イソクロトン
酸、無水オレイン酸、無水ヒドロアトロパ酸、無水アト
ロパ酸、無水シンナモイル酸、無水フェノキシ酢酸、無
水安息香酸、無水ナフトエ酸、無水フェニル酢酸、無水
フルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ
酢酸、無水クロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水トリク
ロロ酢酸、無水ブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水ト
リブロモ酢酸などを挙げることができる。なお、これら
は、通常、1種単独で使用されるが、必要に応じて、2
種以上を混合物等として併用することもできる。
【0047】この工程1で反応に供する化合物[II]
と酸無水物[(R2CO)2O]の割合は、特に制限はな
いが、通常、化合物[II]を十分にアミノケトン化す
べく反応の化学量論等を考慮して選定するのが望まし
い。具体的には、使用する化合物[II]1モルあたり
酸無水物[(R2CO)2O]を、通常、3〜6モル程
度、特に、3〜4モルの割合で使用するのが好ましい。
【0048】工程1の反応系に共存させる前記塩基とし
ては、通常活性水素を有しない各種の有機塩基が好適に
使用され、具体的には、例えば、ピリジン、ジメチルア
ニリン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピラジ
ン、テトラメチル尿素、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
などが好適に使用される。これらは、必要に応じて、2
種以上を混合物等として併用してもよい。
【0049】該工程1に用いる前記塩基の使用割合は、
特に制限はないが、通常、触媒量程度から使用する化合
物[II]の5倍モル量程度の範囲の割合で使用するの
が好ましい。また、反応溶媒としても使用できる。
【0050】工程1の反応は、通常、80〜200℃、
好ましくは、100〜130℃の温度で好適に行うこと
ができる。化合物[II]をアシルケトン体[III]
に十分に転化するための反応時間は、反応温度等の他の
条件によって異なるが、通常、30分間〜8時間程度で
ある。
【0051】以上のようにして、化合物[II]をアシ
ルケトン体[III]に十分に転化させることができ、
アシルケトン体[III]をほぼ定量的に生成せしめる
ことができる。
【0052】なお、工程1で生成せしめたアシルケトン
体[III]は、そのまま反応混合物の状態で工程2に
供給してもよいが、通常、単離するなど適宜分離精製
後、工程2に供給するのが好適である。
【0053】一方、前記工程2で使用する前記酸[ac
id]としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、次亜塩素
酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、硼弗化水素酸等の鉱
酸、酢酸等の有機酸などを挙げることができる。なお、
これらは、通常、1種単独で使用されるが、必要に応じ
て、2種以上を混合物等として併用することもできる。
【0054】この工程2で反応に供する前記酸の使用割
合は、特に制限はないが、一般に、用いるアシルケトン
体[III]を十分にヒドロキシ−アミノケトン体の酸
塩[IV]に転化すべく該反応の化学量論等を考慮して
選定するのが望ましい。具体的には、使用に供するアシ
ルケトン体[III]1モルあたり該酸を、通常、3モ
ル以上、好ましくは、3〜4モル程度の割合で使用する
のが好適である。
【0055】工程2の反応は、通常、80〜150℃の
温度で好適に行うことができる。アシルケトン体[II
I]をヒドロキシ−アミノケトン体の酸塩[IV]に十
分に転化するための反応時間は、反応温度等の他の条件
によって異なるが、通常、1時間〜24時間程度であ
る。
【0056】以上のようにして、アシルケトン体[II
I]をヒドロキシ−アミノケトン体の酸塩[IV]に十
分に転化させることができ、ヒドロキシ−アミノケトン
体の酸塩[IV]をほぼ定量的に生成せしめることがで
きる。
【0057】なお、前記工程1及び2のそれぞれの反応
は、特に溶媒を使用しないでも好適に行うことができる
が、必要に応じて適宜溶媒を用いて行ってもよい。この
溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テト
ラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル
等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキ
サメチレンホスホルトリアミド等のアミド類、ジメチル
スルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、水な
ど、更にはこれらの混合溶媒などを挙げることができ
る。
【0058】本発明の方法においては、化合物[II]
を前記のようにアミノケトン化した後、二量化させ、目
的物としてピラジン誘導体[前記一般式(I)の化合
物]を生成せしめる。なお、この二量化反応によって目
的とするピラジン誘導体のほかにピラジン誘導体のヒド
ロ体(−NH−型及び/又は−CH型化合物)が得られ
るのが普通であるが、その場合、この前駆体のヒドロ体
を酸化することによって所望のピラジン誘導体[I]に
転化させればよい。
【0059】すなわち、この二量化工程(工程3)で
は、前記工程2で得たヒドロキシ−アミノケトン体の酸
塩[IV]を二量化せしめ、該化合物[IV]中の−N
2と−CO−R2の−CO−を互いに2分子間で縮合さ
せ、ピラジン環あるいはヒドロピラジン環を形成せしめ
る。この二量化反応は、通常、アルカリの存在下で好適
に達成することができ、これによって、下記の反応式
(3)のように化合物[IV]は、ピラジン誘導体
[I]とそのヒドロ体[V]、[VI]及び[VII]
の混合物に効率よく転化することができる。
【0060】
【化8】 なお、この二量化反応の原料として使用するヒドロキシ
−アミノケトン体の酸塩[IV]は、前記工程2で生成
させたものをそのまま反応混合物の状態で用いてもよい
が、通常、これを単離するなど適宜分離精製してからこ
の二量化反応に供することが好ましい。
【0061】この二量化反応で所望のピラジン誘導体
[I]の前駆体として副生したヒドロ体[V]、[V
I]及び[VII]は、通常の酸化手法によって酸化脱
水素することによって、目的とするピラジン誘導体に転
化すればよい。その際、ヒドロ体[V]、[VI]及び
[VII]は、ピラジン誘導体[I]を分離した後、該
酸化反応に供してもよいが、通常はピラジン誘導体
[I]を含む混合物の状態で該酸化反応に供する方がプ
ロセス上有利であるので好ましい。
【0062】前記二量化反応に使用するアルカリとして
は、通常、アンモニア(アンモニア水等)、水酸化ナト
リウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが好適に使用
され、中でも特に、アンモニア水が好適に使用される。
【0063】このアルカリの使用量は、使用するヒドロ
キシ−アミノケトン体の酸塩[IV]1モルあたり、通
常、1モル以上、好ましくは、2〜3モルの範囲に選定
するのがよい。
【0064】前記二量化反応は、通常、0〜100℃、
好ましくは、10〜30℃の温度で好適に行うことがで
きる。この二量化反応を十分に達成させるための反応時
間は、反応温度等の他の条件によって異なるが、通常、
1時間〜8時間程度である。
【0065】一方、前記酸化反応に使用する酸化剤とし
ては、従来この種の酸化反応に使用される酸化剤を含め
多種多様なもの(無機系酸化剤、有機系酸化剤あるいは
それらの複合系のもの等)が使用可能である。該酸化剤
の代表的なものをいくつか示すと、例えば、空気、酸素
等の酸素含有ガス、過酸化水素、HgCl2、KMnO4
、Br2、K3Fe(CN)6、CuO・Cr23、ベン
ゾキノンクロラニルブロモニル、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノベンゾキノン等を例示することができ
る。これらは、場合に応じて種々の形態で使用すること
ができ、例えば、水溶液等の溶液にして使用してもよい
し、粒子状固体を分散させて使用してもよいし、あるい
は、ガスを反応系に吹き込むようにして使用してもよい
し、これらの組合せによってもよい。また、この酸化反
応は、必要に応じて、適当な触媒の存在下で行ってもよ
い。これら各種の酸化剤の中でも、通常特に、過酸化水
素水が好適に使用される。
【0066】該酸化剤の使用量は、ヒドロ体[V]、
[VI]及び[VII]をピラジン誘導体[I]に十分
に変える際に除去される水素原子1モル(1当量)あた
り、通常少なくとも1当量あるいはそれ以上とするのが
よく、特に、酸化剤の種類等の場合に応じてその最適使
用量を適宜選定するのが好ましい。例えば、酸化剤とし
て、過酸化水素水を用いる場合には、過酸化水素を、酸
化脱水素する水素原子1当量あたり、通常、1〜2当量
程度使用するのが好適である。
【0067】この酸化反応は、通常、0〜120℃の温
度で好適に行うことができるが、最適な反応温度は、使
用する酸化剤の種類等によって異なるので、こうした他
の条件を考慮して場合に応じて適宜選定するのがよい。
反応時間は、用いる酸化剤の種類や反応温度、原料の組
成等によるので一律に定めることができないが、通常、
1時間〜8時間程度で十分である。
【0068】前記二量化反応及び酸化反応は、特に溶媒
を用いないでも好適に行うことができるが、必要に応じ
て適当な溶媒中で行ってもよい。この溶媒としては、前
記例示の各種の溶媒を挙げることができる。なお、溶媒
の使用の有無、その種類や使用割合等の条件は、酸化剤
の種類等の他の条件を考慮して、最適な条件となるよう
に適宜選定するのが望ましい。
【0069】以上のようにして合成した所望のピラジン
誘導体は、公知の分離・精製手段等の各種の方法によっ
て、反応混合物から適宜分離回収し、種々の精製度の製
品として取得することができる。
【0070】以上のように、各種の化合物[II]をア
ミノケトン化後、二量化し、更には副生したヒドロピラ
ジン類を酸化することによって、本発明の各種のピラジ
ン誘導体を効率よく得ることができる。この本発明の方
法によると、目的とする各種のピラジン誘導体を、極め
て高い選択性で収率よく、しかも、短い工程による簡単
な操作で容易に得ることができる。
【0071】なお、本発明の方法は、前記したように、
工程1、工程2、二量化反応工程、酸反応工程等の各工
程間において、途中で中間生成物を分離することなく、
これら一連の工程をすべて連続的に行う連続プロセスと
してもよいし、また、必要に応じて各工程の主要な生成
物(中間生成物)を適宜単離して次の工程に使用すると
いう段階的なプロセスとしてもよいし、一部のみを連続
化した半連続プロセスとしてもよい。なお、各工程で単
離した中間生成物(例えば、前記アシルケトン体[II
I]、ヒドロキシ−アミノケトン体の酸塩[IV]、ピ
ラジン誘導体のヒドロ体[V]、[VI]及び[VI
I]等)などをそれぞれ製品として取得してよく、これ
らは、必要に応じて、他の目的に利用することも可能で
ある。
【0072】
【実施例】以下に、本発明の実施例及びその比較例によ
って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0073】実施例1 (1−1) D(−)−p−ヒドロキシフェニルグリシ
ン(200g)を無水酢酸(500ml)、ピリジン
(100ml)に懸濁させ、2時間、100℃で加熱し
た。溶媒を溜去し1−アセチルアミノ−1−(4−アセ
トキシフェニル)−2−プロパノン(下記)を得た。
【0074】
【化9】 1 H−NMR(CDCl3)δ=1.99(3H,s),
2.12(3H,s),2.29(3H,s),5.5
6(1H,d,J=6.5Hz),6.8(1H,br
d,NH),7.10,7.34(each 2H,
AA′BB′)ppm (1−2) 1−アセチルアミノ−1−(4−アセトキ
シフェニル)−2−プロパノンを濃塩酸(250ml)
に溶かし、12時間、120℃で加熱した。溶媒を溜去
すると1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−
2−プロパノン塩酸塩(下記)を得た。
【0075】
【化10】 1 H−NMR(CD3OD)δ=2.11(3H,s),
5.22(1H,s),6.91,7.29(each
2H,AA′BB′)ppm (1−3) 1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロパノン塩酸塩をメタノール(200m
l)に溶かし、これにアンモニア水(300ml)を加
えて室温で8時間攪拌した。生成した沈殿を吸引濾過
し、これをメタノール(500ml)に懸濁させ、30
%過酸化水素水(200ml)を加えて室温で8時間攪
拌した。生成した2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,6−ジメチルピラジン(下記)を110g得
た。
【0076】
【化11】 1 H−NMR(CD3OD+NaOD)δ=2.59(6
H,s),6.76,7.31(each 4H,A
A′BB′)ppm
【0077】実施例2 (2−1) 実施例1の(1−1)の無水酢酸(500
ml)を無水プロピオン酸(550ml)に変えた以外
は実施例1の1−1と同様に行い、1−プロピオニルア
ミノ−1−(4−プロピオニルオキシフェニル)−2−
ブタノン(下記)を得た。
【0078】
【化12】 1 H−NMR(CDCl3)δ=1.00(3H,t,J
=7Hz),1.08(3H,t,J=7Hz),1.
25(3H,t,J=7Hz),2.24(2H,q,
J=7Hz),2.43(2H,q,J=7Hz),
2.58(2H,q,J=7Hz),5.58(1H,
d,J=6.5Hz),6.8(1H,br d,N
H),7.08,7.31(each 2H,AA′B
B′)ppm (2−2) 実施例1の(1−2)の1−アセチルアミ
ノ−1−(4−アセトキシフェニル)−2−プロパノン
を1−プロピオニルアミノ−1−(4−プロピオニルオ
キシフェニル)−2−ブタノンに変えた以外は実施例1
の(1−2)と同様に行い、1−アミノ−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−ブタノン塩酸塩(下記)を得
た。
【0079】
【化13】 1 H−NMR(CD3OD)δ=1.00(3H,t,J
=7Hz),2.43(2H,qd,J=7.2H
z),5.17(1H,s),6.89,7.24(e
ach 2H,AA′BB′) ppm (2−3) 実施例1の(1−3)の1−アミノ−1
−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロパノン塩酸塩
を1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
ブタノン塩酸塩に変えた以外は実施例1の1−3と同様
に行い、3,6−ジエチル−2,5−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ピラジン(下記)を115g得た。
【0080】
【化14】 1 H−NMR(CD3OD+NaOD)δ=1.21(6
H,t,J=7Hz),2.91(4H,q,J=7H
z),6.75,7.26(each 4H,AA′B
B′) ppm
【0081】実施例3 (3−1) 実施例1の1−1の無水酢酸(500m
l)を無水酪酸(700ml)に変えた以外は実施例1
の(1−1)と同様に行い、1−ブチリルアミノ−1−
(4−ブチリルオキシフェニル)−2−ペンタノン(下
記)を得た。
【0082】
【化15】 1 H−NMR(CDCl3)δ=0.81(3H,t,J
=7Hz),0.90(3H,t,J=7Hz),1.
04(3H,t,J=7Hz),1.4−2.0(6
H,m),2.15(2H,q,J=7Hz),2.3
4(2H,q,J=7Hz),2.50(2H,q,J
=7Hz),5.56(1H,d,J=6.5Hz),
6.8(1H,br d,NH),7.08,7.32
(each2H,AA′BB′)ppm (3−2) 実施例1の(1−2)の1−アセチルアミ
ノ−1−(4−アセトキシフェニル)−2−プロパノン
を1−ブチリルアミノ−1−(4−ブチリルオキシフェ
ニル)−2−ペンタノンに変えた以外は実施例1の(1
−2)と同様に行い、1−アミノ−1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−2−ペンタノン塩酸塩(下記)を得た。
【0083】
【化16】 1 H−NMR(CD3OD)δ=0.81(3H,t,J
=7Hz),1.77(2H,m),2.44(2H,
m),5.22(1H,s),6.91,7.29
(each 2H,AA′BB′)ppm (3−3) 実施例1の(1−3)の1−アミノ−1−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロパノン塩酸塩を
1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ペ
ンタノン塩酸塩に変えた以外は実施例1の(1−3)と
同様に行い、2,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,6−ジプロピルピラジン(下記)を得た。
【0084】
【化17】 1 H−NMR(CD3OD+NaOD)δ=1.00(6
H,t,J=7Hz),1.75(4H,sext,J
=7Hz),2.95(4H,q,J=7Hz),6.
76,7.31(each 4H,AA′BB′)pp
【0085】実施例4 (4−1) 実施例1の(1−1)の無水酢酸(500
ml)を無水ステアリン酸(250g)、D(−)−p
−ヒドロキシフェニルグリシン(200g)をD(−)
−p−ヒドロキシフェニルグリシン(20g)に変えた
以外は実施例1の(1−1)と同様に行い、1−ステア
ロイルアミノ−1−(4−ステアロイルオキシフェニ
ル)−2−ノナデカノン(下記)を得た。
【0086】
【化18】 1 H−NMR(CDCl3)δ=0.8−3.0(105
H,m),5.56(1H,d,J=6.5Hz),
6.8(1H,br d,NH),7.08,7.32
(each 2H,AA′BB′)ppm (4−2) 実施例1の(1−2)の1−アセチルアミ
ノ−1−(4−アセトキシフェニル)−2−プロパノン
を、1−ステアロイルアミノ−1−(4−ステアロイル
オキシフェニル)−2−ノナデカノンに変えた以外は実
施例1の(1−2)と同様に行い、1−アミノ−1−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−ノナデカノン塩酸塩
(下記)を得た。
【0087】
【化19】 1 H−NMR(CD8OD)δ=0.8−3.0(35
H,m),5.22(1H,s),6.91,7.29
(each 2H,AA′BB′)ppm (4−3) 実施例1の(1−3)の1−アミノ−1−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロパノン塩酸塩を
1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ノ
ナデカノン塩酸塩に変えた以外は実施例1の1−3と同
様に行い、3,6−ジヘプタデシル−2,5−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ピラジン(下記)を15.3g
得た。
【0088】
【化20】 1 H−NMR(CD3OD+NaOD)δ=0.9−3.
0(70H,m),6.76,7.31(each 4
H,AA′BB′)ppm
【0089】実施例5 (5−1) 実施例1の1−1の無水酢酸(500m
l)を無水トリフルオロ酢酸(50ml)、D(−)−
p−ヒドロキシフェニルグリシン(200g)をD
(−)−p−ヒドロキシフェニルグリシン(20g)に
変えた以外は実施例1の1−1と同様に行い、1−トリ
フルオロアセチルアミノ−1−[4−(トリフルオロア
セチル)フェニル]−3,3,3−トリフルオロ−2−
プロパノン(下記)を得た。
【0090】
【化21】 1 H−NMR(CDCl3)δ=5.56(1H,d,J
=6.5Hz),6.8(1H,br d,NH),
7.08,7.32(each 2H,AA′BB′)
ppm (5−2) 実施例1の(1−2)の1−アセチルアミ
ノ−1−(4−アセトキシフェニル)−2−プロパノン
を1−トリフルオロアセチルアミノ−1−[4−(トリ
フルオロアセチル)フェニル]−3,3,3−トリフル
オロ−2−プロパノンに変えた以外は実施例1の(1−
2)と同様に行い、1−アミノ−1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,3−トリフルオロ−2−プロパノ
ン塩酸塩(下記)を得た。
【0091】
【化22】 1 H−NMR(CD3OD)δ=5.22(1H,s),
6.91,7.29(each 2H,AA′BB′)
ppm (5−3) 実施例1の(1−3)の1−アミノ−1−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロパノン塩酸塩を
1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,3−トリフルオロ−2−プロパノン塩酸塩に変えた
以外は実施例1の1−3と同様に行い、2,5−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ビス(トリフル
オロメチル)ピラジン(下記)を10g得た。
【0092】
【化23】 1 H−NMR(CD3OD+NaOD)δ=6.76,
7.31(each 4H,AA′BB′)ppm
【0093】
【発明の効果】本発明によると、各種機能材料用化合物
や高分子化合物の製造用モノマーなど各種の用途にその
有用性が期待できる新規なビスフェノール型ピラジン誘
導体、より具体的に言うと、少なくともピラジン環の
3,6位に置換基を有する各種の2,5−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ピラジン類を提供することができ
る。
【0094】また、本発明によると、上記各種の本発明
のピラジン誘導体を、選択性よく、高収率で、しかも、
短い工程で効率よく製造することができる実用上特に有
利な製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 241/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式[I] 【化1】 (ただし、式[I]中のR1は炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン原子を
    示し、R2 は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜
    30のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜30のアルコ
    キシアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基若しく
    はアルキニル基又は炭素数6〜12のアリール基を示
    し、aは0〜4の整数を示す。)で表されるピラジン誘
    導体。
  2. 【請求項2】 次の一般式[II] 【化2】 (ただし、式[II]中のR1は炭素数1〜20のアル
    キル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン原子
    を示し、aは0〜4の整数を示す。)で表される化合物
    [II]をアミノケトン化し、次いで二量化することを
    特徴とする請求項1記載のピラジン誘導体の製造法。
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