JP3098081B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP3098081B2
JP3098081B2 JP03316837A JP31683791A JP3098081B2 JP 3098081 B2 JP3098081 B2 JP 3098081B2 JP 03316837 A JP03316837 A JP 03316837A JP 31683791 A JP31683791 A JP 31683791A JP 3098081 B2 JP3098081 B2 JP 3098081B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、より詳細には、静電式複写機やレーザービームプリ
ンタ等の、いわゆるカールソンプロセスを応用した画像
形成に使用される電子写真用トナーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーとキャリアとを含む二成分
現像剤を用いた磁気ブラシ現像法は以下の工程にて画像
を形成するものである。 (A)まず、電子写真用トナーを含む現像剤を、内部に
磁極を備えた現像スリーブの外周に保持させていわゆる
磁気ブラシを形成する。
【0003】(b)この磁気ブラシを、表面に静電潜像
が形成された感光体に摺接させて、上記トナーを静電潜
像に静電付着させることで、トナー像に顕像化する。 (c)上記トナー像を、感光体表面から紙上に転写し、
さらに定着ローラによって紙上に定着させて画像形成が
完了する。 ここで、トナーはキャリアとの接触摩擦により帯電する
ため、トナーには帯電性の付与を目的として電荷制御剤
が添加されている。すなわち、トナーは、定着用樹脂中
に、カーボンブラック等の着色剤等のほか、電荷制御剤
を配合し、これを所定の粒度に造粒して製造される。か
かる電荷制御剤としては、アゾ系などの金属錯塩染料が
広く用いられている。
【0004】一般に、トナーの性能は、キャリアに直接
接触するトナー表面の電荷制御剤によって大きく影響す
る。従って、従来より、トナーの性能評価方法として、
トナー表面の電荷制御剤量を測定することが行われてい
る。すなわち、トナーをメタノールなどの定着用樹脂を
溶解しないが電荷制御剤を溶解する溶媒に加えて、トナ
ー表面の電荷制御剤を溶解させ、その吸光度を測定す
る、いわゆる表面染料濃度測定法が広く使用されてい
る。
【0005】そして、上記吸光度測定から得られたトナ
ー粒子1 g当たりの電荷制御剤量が0.004〜0.0
06gの範囲であるとき、良好な性能を有するトナーが
得られるとされていた。一方、トナーには、流動性を改
善したり帯電性を安定させるために、シリカ、アルミ
ナ、チタンなどの表面処理用の無機金属系添加剤が含有
されている。この添加剤は通常、トナー粒子と混合して
トナー粒子の表面に付着させて使用される。従って、ト
ナーの表面には前記電荷制御剤と無機金属系添加剤とが
存在している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電荷制
御剤および無機金属系添加剤は互いに独立してそれぞれ
の性能を発揮するのでなく、流動性を改善する無機金属
系添加剤も帯電性に影響し、電荷制御剤も流動性に影響
を及ぼす。従って、それらの相互間の影響を考慮せず、
単に個々の成分ごとにそれらの性能を評価していた従来
のトナーでは、十分に高い性能を発揮させることができ
なかった。
【0007】また、トナー表面に存在する電荷制御剤に
関して、その量が同一であっても、性能が異なるトナー
が存在するという現象が発生する。本発明者らは鋭意研
究を重ねた結果、この現象は、電荷制御剤の表面積(ト
ナー表面の露出面積ともいう)が異なることにより発生
するという事実を見いだした。具体的には、トナー表面
における電荷制御剤の表面積が大きすぎると、キャリア
との接触確率が増大し、キャリアへ付着しやすくなる。
その結果、くり返し使用すると、キャリアの帯電能が低
下し、かぶり、トナー飛散、前引きなどが発生する。一
方、電荷制御剤の表面積が小さすぎると、キャリアとの
接触確率が低下し、帯電不良が発生する。しかるに、従
来、このようなトナー表面における電荷制御剤の表面積
に関する知見がなかったため、帯電性が安定しなかった
り、画像劣化(かぶり、前引きなど)やトナー飛散など
の問題を解決する手段をもち得なかった。
【0008】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、流動性の劣化を防止すると共に、帯電性を
安定させ画像劣化やトナー飛散などを防止した電子写真
用トナーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための本発明の電子写真用トナーは、電荷制御
剤、定着用樹脂および表面処理用の無機金属系添加剤を
含有したものであって、電位差法(溶媒:メタノール)
により求めた、トナー粒子表面の電荷制御剤の全表面積
0 (m2)と、トナー粒子表面の電荷制御剤の全量が溶
媒に溶解した時の濃度C0 (mol/l) との比が 300 ≦ S0 /C0 ≦ 6000 であり、かつ前記C0 が 1.0×10-7 ≦ C0 ≦ 1.0×10-3 であり、しかもトナー粒子表面に付着した前記無機金属
系添加剤は粒径が140nm以上の粒子の割合(個数
%)が25%以下である粒度分布を有することを特徴と
する。
【0010】すなわち、本発明者らは、トナー表面にお
ける電荷制御剤の量および表面積を知る手段として、電
位差法が有効であるという新たな知見を得、かかる電位
差法にて測定した前記電荷制御剤の全表面積S0 と電荷
制御剤の全量が溶媒に溶解した時の濃度C0 との比〔S
0 /C0 〕を前記範囲内とし、かつ前記C0 を前記範囲
内とするときは、トナーとキャリアとの接触確率が最適
範囲になり、トナーの帯電性が安定し、画像汚れやトナ
ー飛散などの発生を防止できるという事実を見いだし
た。また、前記無機金属系添加剤については、大粒径物
が流動性の劣化に大きく影響するという知見を得て、大
粒径添加剤の割合を抑え、流動性の劣化を防止し、これ
により帯電性も安定させた。
【0011】本発明の電子写真用トナーは、電荷制御剤
の前記条件および無機金属系添加剤の粒度分布をそれぞ
れ規定することにより、それらの個々の条件では予期さ
れない流動性および帯電性の飛躍的向上を発揮するもの
である。前記S0 /C0 が300未満の場合は、キャリ
アとトナーとの接触確率が著しく小さくなり、帯電不良
が発生する。一方、S0 /C0 が6000を超える場合
は、キャリアとトナーとの接触確率が著しく大きくなっ
て、電荷制御剤がキャリアに付着しやすくなり、そのた
め使用を繰り返すと、キャリアの帯電能が低下し、かぶ
り、トナー飛散、前引きなどが発生する。また、前記C
0 が1.0×10 -7未満であると、帯電不良が発生し、
逆に1.0×10-3を超えると、前記のようにかぶり、
トナー飛散などが発生する。
【0012】前記S0 /C0 およびC0 の数値に大きな
影響を有するのは、トナー製造過程における電荷制御剤
の添加量と、電荷制御剤を含むトナー成分の混合条件と
であるので、製造されるトナーが前記S0 /C0 および
0 の条件を満足するようにこれらの条件を決定すれば
よい。また、前記無機金属系添加剤のうち粒径が140
nm以上の粒子の割合(個数%)が25%を超えるとき
は、大粒径物が多く存在するために、トナーの流動性が
劣化し、その結果帯電性が低下する。無機金属系添加剤
としては、従来より表面処理剤として使用されている添
加剤、例えばシリカ(疎水シリカ等)、アルミナ、チタ
ン、スズ等があげられ、これらの1種または2種以上を
混合して使用することができる。
【0013】前記粒子の割合は、例えば走査型電子顕微
鏡(SEM)の画像解析によって求めることができる。
なお、無機金属系添加剤の添加量は、トナー粒子100
重量部に対して0.1〜1重量部であるのが適当であ
る。本発明における前記電位差法とは、トナーを、定着
用樹脂を溶解しないが電荷制御剤を溶解する溶剤(本発
明ではメタノールを使用)に分散させて、電荷制御剤の
溶解に伴う電位差測定を行うことをいい、得られる溶解
曲線から上記S0 /C0 およびC0 を求めるものであ
る。すなわち、トナー粒子表面の電荷制御剤の表面積S
0 は、電荷制御剤が溶媒に溶解する場合の溶解速度に関
係する。従って、その溶解曲線を解析することにより、
電荷制御剤の表面積S0 に関する知見が得られる。
【0014】一方、前述した従来の表面染料濃度測定法
では、電荷制御剤の飽和溶解量は測定できるが、電荷制
御剤の溶解が飽和に達するまでの過程、すなわち溶解速
度の面からの情報が得られず、従ってトナー表面の電荷
制御剤の表面積を知ることができない。電位差測定はガ
ラス電極にて行う。上記溶解したトナー表面の電荷制御
剤の全濃度に関する式は、次のように表される。
【0015】 Emax = E0 −B×log(C0 ) ─(1) Emax :溶解飽和電位(mV) E0 :ガラス電極のpH1の基準電位(mV) B :電位勾配(mV/pH) ここで、E0 およびBはガラス電極装置の定数である。
かかる(1) 式に基づいて電荷制御剤の表面濃度C0 を評
価することができる。
【0016】また、溶媒に溶解したトナー表面の電荷制
御剤の表面積に関する式は、次のように表される。 t∞ = 3C0 /K・S0 ─(2) t∞ :溶解飽和時間(分) K :溶解速度定数 従って、t∞、KおよびC0 の各値に基づいてトナー粒
子表面の電荷制御剤の全表面積S0 を評価することがで
きる。
【0017】電位差測定にあたっては、所定量のトナー
をメタノールに加えて、攪拌しながら電位差滴定装置の
ガラス電極にて測定する。メタノールを使用するのは、
電荷制御剤に対する溶解性にすぐれており、かつ定着樹
脂が不溶な溶媒であるためである。メタノール以外の他
の溶媒も使用可能であるが、S0 /C0 の比およびC 0
の値は変動する場合がある。
【0018】本発明における上記評価方法は、電荷制御
剤が本質的に電解質であり、その溶解過程で解離してイ
オンを発生するという現象を利用するものである。例え
ば代表的な負電荷制御剤であるアゾ系金属錯塩染料は、
これをメタノールに溶解すると、反応式:
【0019】
【化1】
【0020】(式中、AおよびBはそれぞれジアゾ成分
およびカップリング成分の残基を示し、Mはクロム、
鉄、コバルト等の多価金属を示す。)で表されるよう
に、イオンに解離する。これにより、溶液から電気的な
測定が可能となる。すなわち、解離するイオンのうち、
水素イオン濃度〔H+ 〕に着目すると、〔H+ 〕の測定
は、従来よりpHメーター等で広く行われていることか
ら、電位差測定が可能であることがわかる。なお、上記
反応式において、水素イオンの代わりに無機または有機
のカチオンが含まれている場合もあるが、この場合にも
メタノールの解離により水素イオンが発生する。
【0021】電位差滴定法を図1に基づいて説明する。
測定用容器1内に、溶媒2(メタノールなど)を充填
し、この溶媒中にガラス電極3および参照電極4を浸漬
する。これらの電極を電位差計5に接続する。測定に際
しては、所定量のトナー6を溶媒2に加えて攪拌し分散
させる。そして、トナー6表面から電荷制御剤が溶剤中
に溶出し、イオンに解離する。この解離したイオンはガ
ラス電極3により検出され、電位差計5により電位差と
して表示される。
【0022】本発明のトナーは、定着用樹脂中に、着色
剤、電荷制御剤、離型剤(オフセット防止剤)等の添加
剤を配合し、適当な粒径に造粒し、さらに得られたトナ
ー粒子に前記した無機金属系添加剤を混合することによ
り製造される。前記定着用樹脂としては、従来のトナー
において使用されている定着用樹脂がいずれも使用可能
であり、例えばポリスチレン、クロロポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共
重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、ス
チレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共
重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル
酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−アクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メ
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸フェニル共重合体など)、スチレン−α−クロルア
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(ス
チレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重
合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリスチレン樹脂、低分子量ポリエチレン、低
分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂等があるが、上記樹脂は単独で使用するに
限らず、2種以上を併用することもできる。なかでも、
スチレン系樹脂、特にスチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体が好ましい。
【0023】電荷制御剤は、トナーの極性に応じて、正
電荷制御用と負電荷制御用の2種の電荷制御剤が用いら
れる。本発明は、これらのいずれの電荷制御剤に対して
も有効である。正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩
基性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、
アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合
物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理され
た充填剤等があげられる。
【0024】負電荷制御用の電荷制御剤としては、カル
ボキシル基を含有する化合物(例えばアルキルサリチル
酸金属キレート等)、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、ナフ
テン酸金属塩等があげられる。電荷制御剤は、通常、定
着用樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。トナー
の製造にあたって、電荷制御剤の添加量は、得られるト
ナーのS0 /C0 の比およびC0 が前記範囲内にある
ように決定する。すなわち、予め計画した配合組成でト
ナーを試験的に製造し、このトナーが前記条件を満足す
るか否かを調べる。そして、条件を満足していない場合
は、後述する混合条件か電荷制御剤の配合量を再検討す
る。条件を満足している場合は、その配合組成にて適切
な性能のトナーが得られることがわかるので、本格的な
製造を開始することができる。
【0025】着色剤としては、種々の着色顔料、体質顔
料、導電性顔料、磁性顔料、光導電性顔料等があげられ
る。これらは用途に応じて、1種または2種以上の組み
合わせで使用される。着色顔料としては、以下にあげる
ものが好適に使用される。黒色 ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマル、
ガスブラック、オイルブラック、アセチレンブラック等
のカーボンブラック、ランプブラック、アニリンブラッ
ク。
【0026】白色 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 赤色
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、パーマ
ネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッ
ド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッド
D、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロー
ダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカー
ミン3B。
【0027】橙色 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダ
ンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK。黄色 黄鉛、亜鉛華、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエ
ローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジンイエロー
G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレー
キ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ。
【0028】緑色 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。青色 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。
【0029】紫色 マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ。体質顔料としては、パライト粉、炭酸バ
リウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、
アルミナホワイト等があげられる。導電性顔料として
は、導電性カーボンブラックやアルミニウム粉等があげ
られる。
【0030】磁性顔料としては、各種フェライト、例え
ば、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ-Fe2O3) 、酸
化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe
5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガトリニ
ウム(Gd3Fe5O4)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(Pb
Fe12O19 )、酸化鉄ネオジム(NdFeO3)、酸化鉄バリウ
ム(BaFe12O19 )、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸
化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、
鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉等があげられる。
【0031】光導電性顔料としては、酸化亜鉛、セレ
ン、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等があげられ
る。着色剤は、定着用樹脂100重量部に対して1〜3
0重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用され
る。離型剤(オフセット防止剤)としては、脂肪族系炭
化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステ
ル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各
種ワックス等があげられる。中でも、重量平均分子量が
1000〜10000程度の脂肪族系炭化水素が好まし
い。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポ
リエチレン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上の
オレフィン単位からなる低分子量のオレフィン重合体等
の1種または2種以上の組み合わせが適当である。離型
剤は、定着用樹脂100重量部に対して0.1〜10重
量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用され
る。
【0032】トナーは、以上の各成分を乾式ブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等によって均質に
予備混合して得られた混合物を、例えばバンバリーミキ
サー、ロール、一軸または二軸の押出混練機等の混練装
置を用いて均一に溶融混練した後、得られた混練物を冷
却して粉砕し、必要に応じて分級することで製造され
る。このとき、混合条件(回転数および混合時間)は電
荷制御剤の配合量と共にトナーの性質を決定する上で重
要な要因である。従って、前述したように、予備的に製
造したトナーのS0 /C0 の比およびC0 が前記範囲内
にあるか否かを調べ、条件を満足しない場合は、混合条
件または電荷制御剤の配合量を再検討するのである。一
般には、トナーの性質は、混合時間によって大きな影響
を受ける。
【0033】トナーの粒径は、通常、3〜35μm、好
ましくは5〜25μmであるのが適当であり、小粒径ト
ナーの場合は4〜10μm程度の粒径で使用される。本
発明の電子写真用トナーは、一成分現像剤、二成分現像
剤のいずれとしても有用である。一成分現像剤として使
用する場合には上記磁性体を含有するトナーおよびシリ
カ微粉末を混合して現像剤とする。二成分現像剤として
用いる場合には、トナーとシリカ微粉末からなる混合物
を、ガラスビーズや酸化または未酸化の鉄粉、フェライ
ト等の未被覆キャリア、または鉄、ニッケル、コバル
ト、フェライト等の磁性体をアクリル系重合体、フッ素
樹脂系重合体、ポリエステル等の重合体で被覆した被覆
キャリアと混合して現像剤とする。上記キャリアは一般
に50〜2000μmの粒径を有している。また二成分
現像剤を用いる場合は、トナー濃度は2〜15重量%で
あるのが好ましい。
【0034】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の電子写真用ト
ナーをより詳細に説明する。 実施例1〜5 表1に示す組成の各成分をヘンシェルミキサーにて同表
に示す時間だけ混合し、ついで2軸混練機で溶融混練
し、ジェットミルで粉砕して平均粒径10μmのトナー
粒子を得た。このトナー粒子に同表に示す無機金属系添
加剤(日本アエロジル社製のR−972)を混合して電
子写真用トナーを得た。電荷制御剤として使用したアゾ
系金属錯塩染料は、オリエント化学工業(株)製のS−
34である。また、表に示した無機金属系添加剤の14
0nm以上の割合(個数%)は走査型電子顕微鏡の画像
解析により得たものである。 比較例1〜9 表2,表3に示す組成の各成分をそれらの表に示す混合
時間で混合したほかは実施例1〜5と同様にしてトナー
粒子を得た。物性値の測定 実施例および比較例で得た各トナーを、図1に示す電位
差滴定装置(京都電子工業社製)にて電位差を測定し
た。すなわち、トナー1gをメタノール150mlに加
え、装置に付属するスターラーで攪拌して測定した(攪
拌速度:目盛り2に設定)。
【0035】測定したC0 、S0 、S0 /C0 の値を表
1、表2、表3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】トナー性能の評価 実施例および比較例で得た各トナーについて、三田工業
株式会社製の電子写真複写機(DC−3555型)を用
いて、温度20℃、湿度65%の常温常湿(N/N)下
と、温度35℃、湿度85%の高温高湿(H/H)下に
おいてそれぞれ2万枚の複写テストを行い、トナー性能
を評価した。その結果を表4および表5に示す。
【0040】試験項目および試験方法は以下のとおりで
ある。 画像濃度(I.D):反射濃度計にて確認し、I.Dが
1.30以上を良品とした。 画像カブリ(F.D):反射濃度計にて確認し、F.D
が0.005以下を良品とした。 トナー飛散:目視にて複写機内のトナー飛散を観察し、
以下の基準にて判断した。
【0041】○: 機内飛散が僅少 △: 機内飛散が大、画像上にトナー汚染発生が散発 ×: 機内飛散が過大、画像上にトナー汚染発生が頻発 表4,5において、総合評価が○のものがトナーとして
良好な性質を有していると判断でき、×はトナーとして
不良なもの、△はトナーとしてやや難があるものであ
る。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】表1〜表5に示すように、トナー粒子表面
の電荷制御剤の全表面積S0 (m2)と、トナー粒子表面
の電荷制御剤の全量が溶媒に溶解した時の濃度C0 (mol
/l)との比が 300 ≦ S0 /C0 ≦ 6000 の範囲であり、かつ前記C0 が 1.0×10-7 ≦ C0 ≦ 1.0×10-3 の範囲であり、しかもトナー粒子の表面に付着した無機
金属系添加剤が粒径140nm以上の個数が25%以下
である粒度分布を有するときに、流動性にすぐれ、かつ
帯電性が向上したトナーが得られることがわかる(実施
例1〜5)。
【0045】これに対して、上記条件のいずれか1つを
欠く場合(比較例1〜9)では十分に満足しうるトナー
性能を有するトナーが得られていない。
【0046】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、トナー粒
子表面の電荷制御剤の全表面積S0 と、トナー粒子表面
の電荷制御剤の全量が溶媒に溶解した時の濃度C0 との
比および前記C0 の値を規定し、粒径が140nm以上
の粒子の割合(個数%)が25%以下である粒度分布を
有する無機金属系添加剤を粒子表面に付着させることに
より、トナーの流動性が向上すると共に、帯電性が安定
し、画像の劣化(かぶり、画像濃度の低下、前引きな
ど)やトナー飛散、スペントトナーの発生が防止される
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電位差測定に使用する電位差滴
定装置の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
1: 測定用容器 2: 溶媒 3: ガラス電極 4: 参照電極 5: 電位差計 6: トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 剛史 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 岡本 克巳 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−45556(JP,A) 特開 昭57−54953(JP,A) 特開 昭60−118851(JP,A) 特開 昭63−244056(JP,A) 特開 平2−176668(JP,A) 特開 平4−21862(JP,A) 特開 平4−44055(JP,A) 特開 昭61−36757(JP,A) 特開 平3−31859(JP,A) 特開 平3−84558(JP,A) 特開 平3−171147(JP,A) 特開 昭62−291666(JP,A) 特開 昭62−75545(JP,A) 特開 昭62−297854(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷制御剤、定着用樹脂および表面処理用
    の無機金属系添加剤を含有した電子写真用トナーにおい
    て、電位差法(溶媒:メタノール)により求めた、トナ
    ー粒子表面の電荷制御剤の全表面積S0 (m2)と、トナ
    ー粒子表面の電荷制御剤の全量が溶媒に溶解した時の濃
    度C0 (mol/l) との比が 300 ≦ S0 /C0 ≦ 6000 であり、かつ前記C0 が 1.0×10-7 ≦ C0 ≦ 1.0×10-3 であり、しかもトナー粒子表面に付着した前記無機金属
    系添加剤は粒径が140nm以上の粒子の割合(個数
    %)が25%以下である粒度分布を有することを特徴と
    する電子写真用トナー。
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