JP3097731U - スピニングリールの往復移動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプールの糸巻き形態を改善でき、且つ、スプールの往復移動行程の調整できる範囲も従来より大きくする。
【解決手段】ハンドル20の回転に連動して回転するように支軸11上に軸支され、偏心箇所に第1の係合部612と長形通孔613が設けられているギア部材61と、スプール軸41の後端部に固定され、第2の係合部621が設けられているスライダ部材62と、非円形の閉ループからなり、支軸11の周りに形成配置されているカムレール63と、ギア部材61とスライダ部材62との間に設けられており、第1の係合部612及び第2の係合部621と係合する第3及び第4の係合部641,642、並びに、ギア部材61の長形通孔613を貫通してカムレール63に案内されることができるように引っ掛ける突起643が設けられている摺動部材64とを備えてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】ハンドル20の回転に連動して回転するように支軸11上に軸支され、偏心箇所に第1の係合部612と長形通孔613が設けられているギア部材61と、スプール軸41の後端部に固定され、第2の係合部621が設けられているスライダ部材62と、非円形の閉ループからなり、支軸11の周りに形成配置されているカムレール63と、ギア部材61とスライダ部材62との間に設けられており、第1の係合部612及び第2の係合部621と係合する第3及び第4の係合部641,642、並びに、ギア部材61の長形通孔613を貫通してカムレール63に案内されることができるように引っ掛ける突起643が設けられている摺動部材64とを備えてなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、スピニングリールの往復移動装置に関し、特に、リールのスプール軸の先端部に固定された釣糸巻き用のスプールをハンドルの回転に連動して前後に往復移動するようにさせ、前記釣糸を前記スプールの外周面に巻き取るスピニングリールの往復移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピニングリールにおいて、スプールを往復移動させる往復移動装置は、図8及び図9に示すように、主として、ギア部材1と、スライダ部材2とからなる。前記ギア部材1は、ハンドル3の回転軸301の外周に設けられた駆動ギア302と噛み合うようにリールのフレーム4内に軸支されており、その一面上の偏心箇所に突部101が形成されている。前記スライダ部材2は、スプール5が先端に装着されたスプール軸501の後端部に固定されており、且つ、前記ギア部材1と対面している面に前記突部101と係合する係合溝201が形成されている。
【0003】
前記構成の往復移動装置は、前記ギア部材1がハンドル3の回転に連動して図9中のX方向を中心として回転されると、前記突部101と前記係合溝201との係合により、前記ギア部材1の円形回転運動を前記スライダ部材2の直線運動に変え、前記スライダ部材2と前記スプール5とをy方向に前後(図8では左右)に往復移動させることができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような往復移動装置は、円形状をなすギア部材1の円形回転運動を直線運動に変えるので、前記スプール5の往復移動速度が互いに対称的な三角関数で変化する。即ち、往動(前進)の速度と復動(後退)の速度とも両端近傍では遅く、中間部では速くなる。その結果、前記スプール5の両端部では中央部より釣糸が多く巻き取られて高くなり、両端部の高くなった釣糸が中央部へ向けて崩れ、釣糸を互いに絡ませるという問題が生じ易い。
【0005】
また、前記スプール5の往復移動行程は、前記突部101の回転軌跡の半径、即ち、前記突部101から前記ギア部材1の回転軸心までの距離に関係し、回転軌跡の半径が大きくなると、前記スプール5の往復移動行程は大きくなり、回転軌跡の半径が小さくなると、前記スプール5の往復移動行程は小さくなる。しかしながら、この構成の往復移動装置は、設計や製造時において、前記突部101から前記ギア部材1の回転軸心までの距離しか調整できないため、調整できる往復移動行程の範囲がかなり限られるという欠点がある。
【0006】
そこで、本考案では、スプールの糸巻き形態を改善することができるスピニングリールの往復移動装置を提供することを第1の課題とするものである。また、スプールの往復移動行程を調整できる範囲を従来より大きくすることができるスピニングリールの往復移動装置を提供することを第2の課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本考案のスピニングリールの往復移動装置は、スプール軸の先端部に固定された釣糸巻き用のスプールをハンドルの回転に連動して前後に往復移動させ、釣糸を前記スプールの外周面に巻き取るスピニングリールの往復移動装置であって、前記ハンドルの回転に連動して回転するように支軸上に軸支され、且つ、その一面上の偏心箇所にそれぞれ第1の係合部と長形通孔が設けられているギア部材と、前記スプール軸の後端部に固定されており、且つ、前記ギア部材と対面している面に第2の係合部が設けられているスライダ部材と、非円形の閉ループからなり、前記支軸の周りに形成配置されているカムレールと、前記ギア部材と前記スライダ部材との間に設けられており、且つ、前記ギア部材及び前記スライダ部材と対面している両面に、それぞれ前記第1の係合部及び前記第2の係合部と係合する第3及び第4の係合部、並びに、前記ギア部材と対面している面から突出し、前記ギア部材の前記長形通孔を貫通して前記カムレールに案内されることができるように引っ掛ける突起が設けられている摺動部材とを備えてなる構成としている。
【0008】
それにより、前記ギア部材が前記ハンドルの回転に連動して回転されると、前記第1の係合部と前記第3の係合部との係合、及び、前記突起が前記カムレールに案内されることにより、前記ギヤ部材の円形回転運動を変形して前記摺動部材に伝え、前記摺動部材を回転摺動させ、そして、前記第2の係合部と前記第4の係合部との係合により、前記スライダ部材と前記スプールを前記摺動部材の非円形回転運動に連動して前後に往復移動させることができる。
【0009】
前記構成による往復移動装置によれば、前記ギヤ部材の円形回転運動が変形されるので、釣糸を従来より前記スプールの外周面に均一に分布させ、スプールに巻き取られる釣糸の密度を高めると共に、巻き取られる釣糸の高さをも全面的に低め、スプールの糸巻き形状を改善することができる。即ち、前記従来のように、スプールの両端部で中央部より釣糸が多く巻き取られるなどの問題を軽減させることができる。
【0010】
また、前記スプールの往復移動行程を調整する場合、前記突起と前記ギア部材の軸支点との距離を変化させることにより可能であるうえ、前記第4の係合部と前記ギア部材の軸支点との距離、及び、前記突起と前記第4の係合部との距離も変化させることにより調整できるので、スプールの往復移動行程の調整できる範囲は従来より大である。
【0011】
そして、前記カムレールは、前記支軸を中心とした楕円形の突台と楕円形の周壁とを内外に設けてその間に楕円形の案内溝を形成してなるものが挙げられるが、前記案内溝の形状は、楕円形であっても良く、他の閉ループを呈している形状、例えば偏心した一対の円形を重ねて閉ループとした輪郭線の形状としても良い。
【0012】
さらに、前記第1及び第4の係合部は、それぞれ前記ギア部材の前記一面上及び前記摺動部材の前記スライダ部材と対面する面上から突出してなる突部であり、前記第2と第3の係合部は、それぞれ前記スライダ部材の前記摺動部材と対面する面及び前記摺動部材の前記ギア部材と対面する面に形成された係合溝であることが好ましい。また、前記係合溝としての第3の係合部は、前記摺動部材を貫通し、前記第1の係合部と係合する通孔であることがより好ましい。
【0013】
さらに、前記第1の係合部及び前記第3の係合部は、それぞれ2つずつ設けられ、一対の第1の係合部は、前記ギア部材の軸支点の左右両側に対称的に設けられており、一対の第3の係合部は、それぞれ前記一対の第1の係合部の1つと係合していることが好ましい。
【0014】
【考案の実施の形態】
以下、本考案のスピニングリールの往復移動装置の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の説明においては、そのサイズに拘わらず、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要な場合にのみ行う。
【0015】
図1は、本考案の第1実施形態の往復移動装置を用いたスピニングリールを示す。このスピニングリールは、主として、フレーム10と、ハンドル20と、ロータ30と、スプール40と、ベール50とからなる。
【0016】
前記ハンドル20は、前記フレーム10に回転自在に軸支されている。前記ロータ30は、円筒状のロータ本体31と、このロータ本体31の対向する両側から対称的に延伸してなる一対のロータアーム32,32とからなり、前記ハンドル20の回転に伴って回転できるように前記フレーム10に装着されている。前記スプール40は、釣糸をその外周面に巻き取るものであって、本考案の往復移動装置60により、前記ハンドル20の回転に連動して前記ロータ30の回転と共にロータ30の軸線延長線上(y方向)に沿って、前後(図1では左右)に往復移動できるように前記ロータ本体31の一側に設けられている。前記ベール50は、釣糸を前記スプール40に案内して巻き付けることができるように、前記一対のロータアーム32,32に揺動自在に装着されている。
【0017】
なお、以上の構成は図8に示した従来のスピニングリールと略同様であるが、本考案では、前記往復移動装置60の構成に特徴を有する。具体的には、本考案の往復移動装置60は、図1から図3に示すように、従来と同様であるギア部材61とスライダ部材62とを有し、前記ギア部材61の支軸の周りにカムレール63及び前記ギア部材61と前記スライダ部材62との間に摺動部材64を更に設けた点で、従来と相違している。
【0018】
以下、本考案の往復移動装置60の第1実施形態を詳しく説明する。図1から図3のように、前記スプール40は、スプール軸41を有する。前記ハンドル20は、前記スプール軸41に対して直交方向に延びる回転軸21を有する。前記回転軸21の外周には、駆動ギア22が設けられている。
【0019】
前記ギア部材61は、その外周縁の一部が前記駆動ギア22と噛み合うように通孔611を介して前記フレーム10内の支軸11上に軸支されており、且つ、その一面上の偏心箇所にそれぞれ突部612(第1の係合部)と前記通孔611と連通している長形通孔613が形成してある。本実施形態では、前記突部612(第1の係合部)は、2つあり、この一対の突部612は、前記ギア部材61の前記通孔611を中心として左右両側に対称的に設けられている。また、前記支軸11は、前記ハンドル2の回転軸21に対して平行(X方向)に延びるように構成されている。
【0020】
前記スライダ部材62は、前記スプール40が先端に装着されたスプール軸41の後端部に固定され、且つ、前記ギア部材61と対面している面に係合溝621(第2の係合部)が形成されている。
【0021】
前記カムレール63は、非円形の閉ループからなり、前記支軸11と一体に形成するように前記支軸11の周りに形成配置されている。本実施形態において、前記カムレール63は、前記支軸11を中心とした楕円形の突台と楕円形の周壁とを内外に設けてその間に楕円形の案内溝を形成してなる。
【0022】
前記摺動部材64は、前記ギア部材61と前記スライダ部材62との間に設けられており、且つ、前記ギア部材61及び前記スライダ部材62と対面している両面に、それぞれ前記一対の突部612(第1の係合部)及び前記係合溝621(第2の係合部)と係合する一対の係合溝641(第3の係合部)及び突部642(第4の係合部)、並びに、前記ギア部材61と対面している面から突出し、前記ギア部材61の前記長形通孔613を貫通して前記カムレール63の楕円形の案内溝に突入して案内されることができるように引っ掛ける突起643が設けられている。本実施形態において、前記突部642及び前記突起643は、前記摺動部材64の略同一側に位置されている。
【0023】
また、本実施形態において、前記摺動部材64の前記一対の係合溝641(第3の係合部)は、前記摺動部材64を貫通し、それぞれ前記一対の第1の係合部612の1つと係合する通孔である。
【0024】
前記構成の往復移動装置では、前記ギア部材61がハンドル20の回転に連動して前記支軸11を軸心として回転されると、前記突部612(第1の係合部)と前記係合溝641(第3の係合部)との係合、及び、前記突起643が前記カムレール63の楕円形の案内溝に案内されることにより、前記ギア部材61の円形回転運動を変形して前記摺動部材64に伝え、前記摺動部材64を回転摺動させる。また、前記係合溝621(第2の係合部)と前記突部642(第4の係合部)との係合により、前記スライダ部材62を前記摺動部材64の非円形回転運動に連動して前後に往復移動させることができる。
【0025】
そして、前記スライダ部材62は、前記スプール40のスプール軸41の後端部に固定されているので、前記スライダ部材62が前記摺動部材64の運動に連動して左右に往復移動されると、前記スプール軸41も前記スプール40も共に前後に往復移動される。
【0026】
次に、第1の実施形態の往復移動装置の動作原理について図4及び図5を参照して具体的に説明する。前記摺動部材64が前記ギア部材61の回転に伴って回転しながら摺動する場合、前記摺動部材64の突起643の回転軌跡は図4のような楕円形Pになる。なお、図4における点Oは、前記ギア部材61の回転時の軸心(支軸11)であり、円Qは、従来の円形回転軌跡であり、点G1と点G2は、前記突起643の回転時の最前進端(左端)及び最後退端(右端)位置であり、点H1と点H2は、前記突部642の回転時の最前進端(左端)及び最後退端(右端)位置である。
【0027】
線S2は、前記突起643(点G1または点G2)から前記支軸11(点O)までの距離であり、線S3は、前記突部642(点H1または点H2)から前記突起643(点G1または点G2)までの距離である。線(S2+S3)は、前記突部642(点H1または点H2)から前記支軸11(点O)までの距離である。前記スプール40は、点H1と点H2とを接続してなる直線K上に沿って往復移動する。点H1から点H2までの距離S1は、1/2往復移動行程である。
【0028】
図5は、前記ギア部材61の回転角度と前記スプール40の前進(または後退)行程との関係図である。図4及び図5を参照し、同じJ角度回転下に、楕円形の軌跡Pの両端部の投影長さP1(投影長さは前記スプール40の前進(または後退)行程である)は、円形の軌跡Qの投影長さQ1より大であり、楕円形の軌跡Pの中間部の投影長さP2は、円形の軌跡Qの投影長さQ2より小である。また、図5に示すように、楕円形の軌跡Pからなる線LPのスロープ変化は、円形の軌跡Qからなる線LQより緩く、即ち、楕円形の軌跡PのJ角度あたりの行程変化は円形の軌跡QのJ角度あたりの行程変化より小であるので、従来より前記スプール40の外周面に釣糸をより均一に分布させることができる。その結果、前記スプール40上の巻き取られる釣糸の密度を高めると共に、巻き取られる釣糸の高さをも平均的に低め、スプールの糸巻き形状を改善し、前記両端部の釣糸が中央部へ崩れて釣糸を互いに絡ませるという問題を大幅に軽減させることができる。
【0029】
前記スプール40の往復移動行程を調整しようとする場合、設計や製造において線(S2+S3)の大きさを調整することにより可能であるうえ、必要に応じて前記線S2と前記線S3の大きさもそれぞれ調整することが可能であるので、本考案では、前記スプール40の往復移動行程は調整できる範囲が従来より大である。
【0030】
なお、前記第1実施形態では、前記第1及び第4の係合部は、それぞれ前記ギア部材61の前記一面上及び前記摺動部材64の前記スライダ部材62と対面する面上から突出してなる突部612,642であり、前記第2と第3の係合部は、それぞれ前記スライダ部材62の前記摺動部材64と対面する面及び前記摺動部材64の前記ギア部材61と対面する面に形成された係合溝621,641であるように構成したが、前記第1と第2の係合部は突部であり、前記第3と第4の係合部は係合溝である構成としてもよく、または、前記第2と第3の係合部は突部であり、前記第1と第4の係合部は係合溝であるように構成してもよい。
【0031】
図6は、本考案の第2実施形態の往復移動装置60を用いたスピニングリールを示す一部断面図である。本実施形態において、前記第1実施形態と異なる点は、前記カムレール63は、偏心した一対の円形を重ねて閉ループとした輪郭線の形状を呈し、且つ、前記突部642と前記突起643がそれぞれ前記摺動部材64の対向する両側に位置していることにある。
【0032】
図7は、この第2実施形態の往復移動装置の動作原理を示す図である。前記摺動部材64が前記ギア部材61の回転に伴って回転しながら摺動する場合、前記摺動部材64の突部642の回転軌跡は図7のような楕円形Mになる。なお、図7における点Oは、前記ギア部材61の回転時の軸心(支軸11)であり、曲線Pは、前記摺動部材64の突起643の回転軌跡であり、点G1と点G2は、前記カムレール63を構成した偏心の一対の円形の左右接点位置であり、点H1と点H2は、前記突部642の回転時の最前進端(左端)及び最後退端(右端)位置である。
【0033】
線S2は、前記突起643(点G1または点G2)から前記支軸11(点O)までの距離である。線1/2S1は、前記突部642(点H1または点H2)から前記支軸11(点O)までの距離である。前記スプール40は、点H1と点H2とを接続してなる直線K上に往復移動をする。点H1から点H2までの距離S1は、1/2往復移動行程である。
【0034】
前記スプール40の往復移動行程を調整しようとする場合、線1/2S1の大きさを調整することができる。また、前記ギア部材61がある角度回転する場合、前記突部642が点Hに位置され、前記突起643が点Gに位置される。計算したところ、点Gと点Hとの間の距離はS2+1/2S1である。即ち、この第2実施形態では、前記線S2の大きさまたは前記突部642と前記突起643との間の距離を調整することにより、前記スプール40の往復移動行程を調整することもできる。よって、前記スプール40の往復移動行程は、調整できる範囲が従来より大である。
【0035】
以上説明した実施の形態は、あくまでも本考案の技術的内容を明らかにする意図のものにおいてなされたものであり、本考案はそうした具体例に限定して狭義に解釈されるものではなく、本考案の精神とクレームに述べられた範囲で、いろいろと変更して実施できるものである。
【0036】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案のスピニングリールの往復移動装置は、スプールの糸巻き形態を改善することができるのみならず、往復移動行程の調整できる範囲も従来より遥かに大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施形態の往復移動装置を用いたスピニングリールの一部断面図
【図2】第1実施形態の要部拡大分解斜視図
【図3】図1のIII−III線の断面図
【図4】第1実施形態の動作原理を示す図
【図5】第1実施形態の動作原理を示す図
【図6】本考案の第2実施形態の往復移動装置を用いたスピニングリールの一部断面図
【図7】第2実施形態の動作原理を示す図
【図8】従来の往復移動装置を用いたスピニングリールの一部断面図
【図9】図8のIX−IX線の断面図
【符号の説明】
10...フレーム
11...支軸
20...ハンドル
21...ハンドルの回転軸
22...駆動ギア
30...ロータ
31...ロータ本体
32...ロータアーム
40...スプール
41...スプール軸
50...ベール
60...往復移動装置
61...ギア部材
611...通孔
612...突部(第1の係合部)
613...長形通孔
62...スライダ部材
621...係合溝(第2の係合部)
63...カムレール
64...摺動部材
641...係合溝(第3の係合部)
642...突部(第4の係合部)
643...突起
【考案の属する技術分野】
本考案は、スピニングリールの往復移動装置に関し、特に、リールのスプール軸の先端部に固定された釣糸巻き用のスプールをハンドルの回転に連動して前後に往復移動するようにさせ、前記釣糸を前記スプールの外周面に巻き取るスピニングリールの往復移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピニングリールにおいて、スプールを往復移動させる往復移動装置は、図8及び図9に示すように、主として、ギア部材1と、スライダ部材2とからなる。前記ギア部材1は、ハンドル3の回転軸301の外周に設けられた駆動ギア302と噛み合うようにリールのフレーム4内に軸支されており、その一面上の偏心箇所に突部101が形成されている。前記スライダ部材2は、スプール5が先端に装着されたスプール軸501の後端部に固定されており、且つ、前記ギア部材1と対面している面に前記突部101と係合する係合溝201が形成されている。
【0003】
前記構成の往復移動装置は、前記ギア部材1がハンドル3の回転に連動して図9中のX方向を中心として回転されると、前記突部101と前記係合溝201との係合により、前記ギア部材1の円形回転運動を前記スライダ部材2の直線運動に変え、前記スライダ部材2と前記スプール5とをy方向に前後(図8では左右)に往復移動させることができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような往復移動装置は、円形状をなすギア部材1の円形回転運動を直線運動に変えるので、前記スプール5の往復移動速度が互いに対称的な三角関数で変化する。即ち、往動(前進)の速度と復動(後退)の速度とも両端近傍では遅く、中間部では速くなる。その結果、前記スプール5の両端部では中央部より釣糸が多く巻き取られて高くなり、両端部の高くなった釣糸が中央部へ向けて崩れ、釣糸を互いに絡ませるという問題が生じ易い。
【0005】
また、前記スプール5の往復移動行程は、前記突部101の回転軌跡の半径、即ち、前記突部101から前記ギア部材1の回転軸心までの距離に関係し、回転軌跡の半径が大きくなると、前記スプール5の往復移動行程は大きくなり、回転軌跡の半径が小さくなると、前記スプール5の往復移動行程は小さくなる。しかしながら、この構成の往復移動装置は、設計や製造時において、前記突部101から前記ギア部材1の回転軸心までの距離しか調整できないため、調整できる往復移動行程の範囲がかなり限られるという欠点がある。
【0006】
そこで、本考案では、スプールの糸巻き形態を改善することができるスピニングリールの往復移動装置を提供することを第1の課題とするものである。また、スプールの往復移動行程を調整できる範囲を従来より大きくすることができるスピニングリールの往復移動装置を提供することを第2の課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本考案のスピニングリールの往復移動装置は、スプール軸の先端部に固定された釣糸巻き用のスプールをハンドルの回転に連動して前後に往復移動させ、釣糸を前記スプールの外周面に巻き取るスピニングリールの往復移動装置であって、前記ハンドルの回転に連動して回転するように支軸上に軸支され、且つ、その一面上の偏心箇所にそれぞれ第1の係合部と長形通孔が設けられているギア部材と、前記スプール軸の後端部に固定されており、且つ、前記ギア部材と対面している面に第2の係合部が設けられているスライダ部材と、非円形の閉ループからなり、前記支軸の周りに形成配置されているカムレールと、前記ギア部材と前記スライダ部材との間に設けられており、且つ、前記ギア部材及び前記スライダ部材と対面している両面に、それぞれ前記第1の係合部及び前記第2の係合部と係合する第3及び第4の係合部、並びに、前記ギア部材と対面している面から突出し、前記ギア部材の前記長形通孔を貫通して前記カムレールに案内されることができるように引っ掛ける突起が設けられている摺動部材とを備えてなる構成としている。
【0008】
それにより、前記ギア部材が前記ハンドルの回転に連動して回転されると、前記第1の係合部と前記第3の係合部との係合、及び、前記突起が前記カムレールに案内されることにより、前記ギヤ部材の円形回転運動を変形して前記摺動部材に伝え、前記摺動部材を回転摺動させ、そして、前記第2の係合部と前記第4の係合部との係合により、前記スライダ部材と前記スプールを前記摺動部材の非円形回転運動に連動して前後に往復移動させることができる。
【0009】
前記構成による往復移動装置によれば、前記ギヤ部材の円形回転運動が変形されるので、釣糸を従来より前記スプールの外周面に均一に分布させ、スプールに巻き取られる釣糸の密度を高めると共に、巻き取られる釣糸の高さをも全面的に低め、スプールの糸巻き形状を改善することができる。即ち、前記従来のように、スプールの両端部で中央部より釣糸が多く巻き取られるなどの問題を軽減させることができる。
【0010】
また、前記スプールの往復移動行程を調整する場合、前記突起と前記ギア部材の軸支点との距離を変化させることにより可能であるうえ、前記第4の係合部と前記ギア部材の軸支点との距離、及び、前記突起と前記第4の係合部との距離も変化させることにより調整できるので、スプールの往復移動行程の調整できる範囲は従来より大である。
【0011】
そして、前記カムレールは、前記支軸を中心とした楕円形の突台と楕円形の周壁とを内外に設けてその間に楕円形の案内溝を形成してなるものが挙げられるが、前記案内溝の形状は、楕円形であっても良く、他の閉ループを呈している形状、例えば偏心した一対の円形を重ねて閉ループとした輪郭線の形状としても良い。
【0012】
さらに、前記第1及び第4の係合部は、それぞれ前記ギア部材の前記一面上及び前記摺動部材の前記スライダ部材と対面する面上から突出してなる突部であり、前記第2と第3の係合部は、それぞれ前記スライダ部材の前記摺動部材と対面する面及び前記摺動部材の前記ギア部材と対面する面に形成された係合溝であることが好ましい。また、前記係合溝としての第3の係合部は、前記摺動部材を貫通し、前記第1の係合部と係合する通孔であることがより好ましい。
【0013】
さらに、前記第1の係合部及び前記第3の係合部は、それぞれ2つずつ設けられ、一対の第1の係合部は、前記ギア部材の軸支点の左右両側に対称的に設けられており、一対の第3の係合部は、それぞれ前記一対の第1の係合部の1つと係合していることが好ましい。
【0014】
【考案の実施の形態】
以下、本考案のスピニングリールの往復移動装置の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の説明においては、そのサイズに拘わらず、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要な場合にのみ行う。
【0015】
図1は、本考案の第1実施形態の往復移動装置を用いたスピニングリールを示す。このスピニングリールは、主として、フレーム10と、ハンドル20と、ロータ30と、スプール40と、ベール50とからなる。
【0016】
前記ハンドル20は、前記フレーム10に回転自在に軸支されている。前記ロータ30は、円筒状のロータ本体31と、このロータ本体31の対向する両側から対称的に延伸してなる一対のロータアーム32,32とからなり、前記ハンドル20の回転に伴って回転できるように前記フレーム10に装着されている。前記スプール40は、釣糸をその外周面に巻き取るものであって、本考案の往復移動装置60により、前記ハンドル20の回転に連動して前記ロータ30の回転と共にロータ30の軸線延長線上(y方向)に沿って、前後(図1では左右)に往復移動できるように前記ロータ本体31の一側に設けられている。前記ベール50は、釣糸を前記スプール40に案内して巻き付けることができるように、前記一対のロータアーム32,32に揺動自在に装着されている。
【0017】
なお、以上の構成は図8に示した従来のスピニングリールと略同様であるが、本考案では、前記往復移動装置60の構成に特徴を有する。具体的には、本考案の往復移動装置60は、図1から図3に示すように、従来と同様であるギア部材61とスライダ部材62とを有し、前記ギア部材61の支軸の周りにカムレール63及び前記ギア部材61と前記スライダ部材62との間に摺動部材64を更に設けた点で、従来と相違している。
【0018】
以下、本考案の往復移動装置60の第1実施形態を詳しく説明する。図1から図3のように、前記スプール40は、スプール軸41を有する。前記ハンドル20は、前記スプール軸41に対して直交方向に延びる回転軸21を有する。前記回転軸21の外周には、駆動ギア22が設けられている。
【0019】
前記ギア部材61は、その外周縁の一部が前記駆動ギア22と噛み合うように通孔611を介して前記フレーム10内の支軸11上に軸支されており、且つ、その一面上の偏心箇所にそれぞれ突部612(第1の係合部)と前記通孔611と連通している長形通孔613が形成してある。本実施形態では、前記突部612(第1の係合部)は、2つあり、この一対の突部612は、前記ギア部材61の前記通孔611を中心として左右両側に対称的に設けられている。また、前記支軸11は、前記ハンドル2の回転軸21に対して平行(X方向)に延びるように構成されている。
【0020】
前記スライダ部材62は、前記スプール40が先端に装着されたスプール軸41の後端部に固定され、且つ、前記ギア部材61と対面している面に係合溝621(第2の係合部)が形成されている。
【0021】
前記カムレール63は、非円形の閉ループからなり、前記支軸11と一体に形成するように前記支軸11の周りに形成配置されている。本実施形態において、前記カムレール63は、前記支軸11を中心とした楕円形の突台と楕円形の周壁とを内外に設けてその間に楕円形の案内溝を形成してなる。
【0022】
前記摺動部材64は、前記ギア部材61と前記スライダ部材62との間に設けられており、且つ、前記ギア部材61及び前記スライダ部材62と対面している両面に、それぞれ前記一対の突部612(第1の係合部)及び前記係合溝621(第2の係合部)と係合する一対の係合溝641(第3の係合部)及び突部642(第4の係合部)、並びに、前記ギア部材61と対面している面から突出し、前記ギア部材61の前記長形通孔613を貫通して前記カムレール63の楕円形の案内溝に突入して案内されることができるように引っ掛ける突起643が設けられている。本実施形態において、前記突部642及び前記突起643は、前記摺動部材64の略同一側に位置されている。
【0023】
また、本実施形態において、前記摺動部材64の前記一対の係合溝641(第3の係合部)は、前記摺動部材64を貫通し、それぞれ前記一対の第1の係合部612の1つと係合する通孔である。
【0024】
前記構成の往復移動装置では、前記ギア部材61がハンドル20の回転に連動して前記支軸11を軸心として回転されると、前記突部612(第1の係合部)と前記係合溝641(第3の係合部)との係合、及び、前記突起643が前記カムレール63の楕円形の案内溝に案内されることにより、前記ギア部材61の円形回転運動を変形して前記摺動部材64に伝え、前記摺動部材64を回転摺動させる。また、前記係合溝621(第2の係合部)と前記突部642(第4の係合部)との係合により、前記スライダ部材62を前記摺動部材64の非円形回転運動に連動して前後に往復移動させることができる。
【0025】
そして、前記スライダ部材62は、前記スプール40のスプール軸41の後端部に固定されているので、前記スライダ部材62が前記摺動部材64の運動に連動して左右に往復移動されると、前記スプール軸41も前記スプール40も共に前後に往復移動される。
【0026】
次に、第1の実施形態の往復移動装置の動作原理について図4及び図5を参照して具体的に説明する。前記摺動部材64が前記ギア部材61の回転に伴って回転しながら摺動する場合、前記摺動部材64の突起643の回転軌跡は図4のような楕円形Pになる。なお、図4における点Oは、前記ギア部材61の回転時の軸心(支軸11)であり、円Qは、従来の円形回転軌跡であり、点G1と点G2は、前記突起643の回転時の最前進端(左端)及び最後退端(右端)位置であり、点H1と点H2は、前記突部642の回転時の最前進端(左端)及び最後退端(右端)位置である。
【0027】
線S2は、前記突起643(点G1または点G2)から前記支軸11(点O)までの距離であり、線S3は、前記突部642(点H1または点H2)から前記突起643(点G1または点G2)までの距離である。線(S2+S3)は、前記突部642(点H1または点H2)から前記支軸11(点O)までの距離である。前記スプール40は、点H1と点H2とを接続してなる直線K上に沿って往復移動する。点H1から点H2までの距離S1は、1/2往復移動行程である。
【0028】
図5は、前記ギア部材61の回転角度と前記スプール40の前進(または後退)行程との関係図である。図4及び図5を参照し、同じJ角度回転下に、楕円形の軌跡Pの両端部の投影長さP1(投影長さは前記スプール40の前進(または後退)行程である)は、円形の軌跡Qの投影長さQ1より大であり、楕円形の軌跡Pの中間部の投影長さP2は、円形の軌跡Qの投影長さQ2より小である。また、図5に示すように、楕円形の軌跡Pからなる線LPのスロープ変化は、円形の軌跡Qからなる線LQより緩く、即ち、楕円形の軌跡PのJ角度あたりの行程変化は円形の軌跡QのJ角度あたりの行程変化より小であるので、従来より前記スプール40の外周面に釣糸をより均一に分布させることができる。その結果、前記スプール40上の巻き取られる釣糸の密度を高めると共に、巻き取られる釣糸の高さをも平均的に低め、スプールの糸巻き形状を改善し、前記両端部の釣糸が中央部へ崩れて釣糸を互いに絡ませるという問題を大幅に軽減させることができる。
【0029】
前記スプール40の往復移動行程を調整しようとする場合、設計や製造において線(S2+S3)の大きさを調整することにより可能であるうえ、必要に応じて前記線S2と前記線S3の大きさもそれぞれ調整することが可能であるので、本考案では、前記スプール40の往復移動行程は調整できる範囲が従来より大である。
【0030】
なお、前記第1実施形態では、前記第1及び第4の係合部は、それぞれ前記ギア部材61の前記一面上及び前記摺動部材64の前記スライダ部材62と対面する面上から突出してなる突部612,642であり、前記第2と第3の係合部は、それぞれ前記スライダ部材62の前記摺動部材64と対面する面及び前記摺動部材64の前記ギア部材61と対面する面に形成された係合溝621,641であるように構成したが、前記第1と第2の係合部は突部であり、前記第3と第4の係合部は係合溝である構成としてもよく、または、前記第2と第3の係合部は突部であり、前記第1と第4の係合部は係合溝であるように構成してもよい。
【0031】
図6は、本考案の第2実施形態の往復移動装置60を用いたスピニングリールを示す一部断面図である。本実施形態において、前記第1実施形態と異なる点は、前記カムレール63は、偏心した一対の円形を重ねて閉ループとした輪郭線の形状を呈し、且つ、前記突部642と前記突起643がそれぞれ前記摺動部材64の対向する両側に位置していることにある。
【0032】
図7は、この第2実施形態の往復移動装置の動作原理を示す図である。前記摺動部材64が前記ギア部材61の回転に伴って回転しながら摺動する場合、前記摺動部材64の突部642の回転軌跡は図7のような楕円形Mになる。なお、図7における点Oは、前記ギア部材61の回転時の軸心(支軸11)であり、曲線Pは、前記摺動部材64の突起643の回転軌跡であり、点G1と点G2は、前記カムレール63を構成した偏心の一対の円形の左右接点位置であり、点H1と点H2は、前記突部642の回転時の最前進端(左端)及び最後退端(右端)位置である。
【0033】
線S2は、前記突起643(点G1または点G2)から前記支軸11(点O)までの距離である。線1/2S1は、前記突部642(点H1または点H2)から前記支軸11(点O)までの距離である。前記スプール40は、点H1と点H2とを接続してなる直線K上に往復移動をする。点H1から点H2までの距離S1は、1/2往復移動行程である。
【0034】
前記スプール40の往復移動行程を調整しようとする場合、線1/2S1の大きさを調整することができる。また、前記ギア部材61がある角度回転する場合、前記突部642が点Hに位置され、前記突起643が点Gに位置される。計算したところ、点Gと点Hとの間の距離はS2+1/2S1である。即ち、この第2実施形態では、前記線S2の大きさまたは前記突部642と前記突起643との間の距離を調整することにより、前記スプール40の往復移動行程を調整することもできる。よって、前記スプール40の往復移動行程は、調整できる範囲が従来より大である。
【0035】
以上説明した実施の形態は、あくまでも本考案の技術的内容を明らかにする意図のものにおいてなされたものであり、本考案はそうした具体例に限定して狭義に解釈されるものではなく、本考案の精神とクレームに述べられた範囲で、いろいろと変更して実施できるものである。
【0036】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案のスピニングリールの往復移動装置は、スプールの糸巻き形態を改善することができるのみならず、往復移動行程の調整できる範囲も従来より遥かに大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施形態の往復移動装置を用いたスピニングリールの一部断面図
【図2】第1実施形態の要部拡大分解斜視図
【図3】図1のIII−III線の断面図
【図4】第1実施形態の動作原理を示す図
【図5】第1実施形態の動作原理を示す図
【図6】本考案の第2実施形態の往復移動装置を用いたスピニングリールの一部断面図
【図7】第2実施形態の動作原理を示す図
【図8】従来の往復移動装置を用いたスピニングリールの一部断面図
【図9】図8のIX−IX線の断面図
【符号の説明】
10...フレーム
11...支軸
20...ハンドル
21...ハンドルの回転軸
22...駆動ギア
30...ロータ
31...ロータ本体
32...ロータアーム
40...スプール
41...スプール軸
50...ベール
60...往復移動装置
61...ギア部材
611...通孔
612...突部(第1の係合部)
613...長形通孔
62...スライダ部材
621...係合溝(第2の係合部)
63...カムレール
64...摺動部材
641...係合溝(第3の係合部)
642...突部(第4の係合部)
643...突起
Claims (6)
- スプール軸の先端部に固定された釣糸巻き用のスプールをハンドルの回転に連動して前後に往復移動させ、釣糸を前記スプールの外周面に巻き取るスピニングリールの往復移動装置であって、
前記ハンドルの回転に連動して回転するように支軸上に軸支され、且つ、その一面上の偏心箇所にそれぞれ第1の係合部と長形通孔が設けられているギア部材と、
前記スプール軸の後端部に固定されており、且つ、前記ギア部材と対面している面に第2の係合部が設けられているスライダ部材と、
非円形の閉ループからなり、前記支軸の周りに形成配置されているカムレールと、
前記ギア部材と前記スライダ部材との間に設けられており、且つ、前記ギア部材及び前記スライダ部材と対面している両面に、それぞれ前記第1の係合部及び前記第2の係合部と係合する第3及び第4の係合部、並びに、前記ギア部材と対面している面から突出し、前記ギア部材の前記長形通孔を貫通して前記カムレールに案内されることができるように引っ掛ける突起が設けられている摺動部材とを備えてなることを特徴とするスピニングリールの往復移動装置。 - 前記カムレールは、前記支軸を中心とした楕円形の突台と楕円形の周壁とを内外に設けてその間に楕円形の案内溝を形成してなることを特徴とする請求項1に記載のスピニングリールの往復移動装置。
- 前記カムレールは、偏心した一対の円形を重ねて閉ループとした輪郭線の形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載のスピニングリールの往復移動装置。
- 前記第1及び第4の係合部は、それぞれ前記ギア部材の前記一面上及び前記摺動部材の前記スライダ部材と対面する面上から突出してなる突部であり、
前記第2と第3の係合部は、それぞれ前記スライダ部材の前記摺動部材と対面する面及び前記摺動部材の前記ギア部材と対面する面に形成された係合溝であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスピニングリールの往復移動装置。 - 前記第3の係合部は、前記摺動部材を貫通し、前記第1の係合部と係合する通孔であることを特徴とする請求項4に記載のスピニングリールの往復移動装置。
- 前記第1の係合部及び前記第3の係合部は、それぞれ2つずつ設けられ、
一対の第1の係合部は、前記ギア部材の軸支点の左右両側に対称的に設けられており、
一対の第3の係合部は、それぞれ前記一対の第1の係合部の1つと係合していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかの1項に記載のスピニングリールの往復移動装置。
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