JP3323541B2 - 運動方向変換機構 - Google Patents

運動方向変換機構

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JP3323541B2
JP3323541B2 JP20412192A JP20412192A JP3323541B2 JP 3323541 B2 JP3323541 B2 JP 3323541B2 JP 20412192 A JP20412192 A JP 20412192A JP 20412192 A JP20412192 A JP 20412192A JP 3323541 B2 JP3323541 B2 JP 3323541B2
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晃一 久保
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Kyushu Hitachi Maxell Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動マッサージャや、
靴磨き器や、電動歯ブラシ等に適するモータの回転運動
を、作動体において、直線往復運動と揺動往復運動との
合成による真円を描く運動に変更可能とした運動方向変
換機構に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば電動歯ブラシでは、特開昭
63-77404号公報に記載されているように、各種形態のも
のが開発・提示されており、かかる電動歯ブラシは、そ
の内蔵モータのモータ軸を、ピニオンと、フェイスギヤ
と、直線運動用第1偏心カム及び揺動往復運動用第2偏
心カムとからなる運動方向変換カム部とを介して、作動
体としてのブラシ取付軸に連結している。
【0003】かかる構成によって、内蔵モータの正逆回
転によって、ブラシ取付軸を、選択的に、その軸線方向
に直線運動させたり、その軸線周りに一定の角度で揺動
運動させることができる。
【0004】ところで、歯磨きのブラッシングの一形態
として、フォーンズ法と呼ばれるものがあり、これは、
描円法とも呼ばれ、真円を描くようにブラッシングする
ものである。
【0005】このブラッシング法はプラーク除去に効果
が高いことが、最近の実験、調査で明らかになってい
る。
【0006】本出願人は、先に、特願平3-274321号で、
ブラシ取付軸を、直線運動と揺動運動とを合成して、複
雑な動きを可能とした運動方向変換機構を開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の電動歯ブラシは、未だ、以下の解決すべき課題を有し
ていた。
【0008】即ち、この電動歯ブラシは、運動方向変換
カム部を、直線運動用第1偏心カムと揺動往復運動用第
2偏心カムとからなり、かかる直線運動と揺動運動と
は、内蔵モータの正逆回転によって、選択的に切換える
ものであり、これらの直進、揺動運動を同時に行うこと
はできなかった。
【0009】また、本出願人が先に開示した複雑な動き
を可能とした運動方向変換機構では、揺動運動が主体と
なり、直進方向の距離を長く取れずに、真円にはなら
ず、フォーンズ法を電動歯ブラシで実現するまでには至
らなかった。
【0010】本発明は、上記した課題を解決することが
できる運動方向変換機構を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケーシング内
に内蔵したモータの上方出力軸にピニオンを取付け、同
ピニオンを、同様にケーシング内に内蔵した運動方向変
換カム部を介して作動体に連動連結した運動方向変換機
構において、同運動方向変換カム部を、 a)ピニオンと直交状態で噛合し、軸線廻りに回動自在な
フェイスギアと、 b)一端にフェイスギアを一体的に取付け、かつ、その軸
線をフェイスギアの軸線より偏心量e1だけ偏心させた偏
心筒と、 c)フェイスギアに一体的に取付け、かつ、その軸線を、
偏心筒と同一方向で、しかも、偏心量e1より大きい偏心
量e2でフェイスギアの軸線より偏心させた偏心カムと、 d)内部に偏心カムを長手方向に摺動自在に囲繞する長円
形開口と、同長円形開口と90°直交する方向に伸延し、
上記偏心筒を長手方向に摺動自在に囲繞する長円形開口
とを具備するカム受筒と、 e) 同カム受筒に設けた方向規制リングに嵌着するとと
もに、偏心ブラケットを介して作動体との連結を行なう
環状リングとから形成し、モータの回転によってフェイ
スギアを回転させることにより偏心筒及び偏心カムを回
転させ、カム受筒を水平方向及び垂直方向に同時に往復
運動可能とすることにより、作動体を、同期的に、同作
動体の軸線に沿って直線往復運動及び作動体の軸線廻り
に揺動往復運動可能とするとともに、方向規制リングの
一側外周縁には180°の円周角で第1円弧状ストッパー
を設けるとともに、同方向規制リングに嵌着される環状
リングの内周面には90°の円周角で第2円弧状ストッパ
ーを設け、フェイスギアを正転または逆転させることに
より第2円弧状ストッパーのいずれかの端部を、第1円
弧状ストッパーのいずれかの端部に当接させて、作動体
の運動形態を、作動体の軸線周りに小振れ角で揺動往復
運動しながら作動体の軸線の軸線方向に大振幅で直線往
復運動する運動形態、または、作動体の軸線周りに大振
れ角で揺動往復運動しながら作動体の軸線の軸線方向に
小振幅で直線往復運動する運動形態に切り換えることが
できるようにしていることを特徴とする運動方向変換機
構に係るものである。
【0012】
【実施例】以下、電動歯ブラシを例に、添付図に示す実
施例に基づいて、本発明を、具体的に説明する。
【0013】(電動歯ブラシAの全体構成)まず、本発明
に係る電動歯ブラシAの全体構成を、図1を参照して説
明する。
【0014】図示するように、電動歯ブラシAは、長尺
の中空円筒状のケーシング10内に、下方から上方に向け
て順に、2次誘導コイル11と、2次電池12と、モータ13
と、運動方向変換カム部14と、ブラシ取付軸15とを内蔵
しており、作動体としてのブラシ取付軸15には、ブラシ
体Bが着脱自在に取付けられる。
【0015】また、ケーシング10の周面には、モータ13
と2次電池12との間をオン・オフさせるとともに、正逆
極性を切り換え、運動方向変換カム部14を操作して、ブ
ラシ取付軸15に大振幅の直進往復運動及び小振れ角の揺
動往復運動、即ち、ブラシ体Bの先端部の毛先に真円を
描かせる作用、または、小振幅の直進往復運動及び大振
れ角の揺動往復運動、即ち、ブラシ体Bの毛先に長円を
描かせる作用を行わせる操作スイッチ16が取付けられて
いる。
【0016】そして、電動歯ブラシAの2次誘導コイル
11を図示しない充電器の一次誘導コイルに装着すること
によって、2次電池12が充電されることになる。
【0017】(運動方向変換カム部14)次に、本発明の要
旨をなす運動方向変換カム部14の構成を、図1〜図3を
参照して説明する。
【0018】図1において、ケーシング1の中央部にモ
ータケーシング20によって囲繞された状態で配設したモ
ータ13は、その上方から取り出したモータ出力軸21にピ
ニオン22を取付けている。
【0019】モータケーシング20の上板23には平行間隔
を開けて一対の軸受板24,25 が立設されており、軸受板
24,25 には枢軸26の両端が支持されている。
【0020】枢軸26には、図1及び図4に示すように、
一端にフェイスギア27を一体的に取付けた偏心筒28が回
転自在に装着されており、同偏心筒28の軸線L0は、図4
に示すように、フェイスギア27の軸線L1から偏心量e1
け偏心した位置にある。
【0021】また、同フェイスギア27は、ピニオン22と
常時噛合している。
【0022】偏心筒28のフェイスギア27側には偏心カム
29が一体的に取付けられており、同偏心カム29の軸線L2
は、図4に示すように、フェイスギア27の軸線L1から偏
心量e2だけ偏心した位置にある。
【0023】また、この偏心カム29の外周面上には、図
3に示すように、環状の方向変換用のカム受筒30が装着
されており、同カム受筒30の長円形開口31は、その短径
を偏心カム29の直径と等しくするとともに、その長径を
少なくとも偏心カム29の偏心量e2の2倍に偏心カム29の
直径を加えた長さとしている。
【0024】また、この方向変換用のカム受筒30は、図
3、図5及び図6に示すように、フェイスギア27と反対
側をなす端面に方向規制リング32をその一部として形成
しており、同方向規制リング32は、上記したカム受筒30
に設けた長円形開口31と90°直交する方向に伸延する長
円形開口33を設けている。
【0025】長円形開口33には上記した偏心筒28が嵌入
されている。そして、同長円形開口33は、その短径を偏
心筒28の直径と等しくするとともに、その長径を少なく
とも偏心筒28の偏心量e1の2倍に偏心筒28の直径を加え
た長さとしている。
【0026】さらに、同方向規制リング32は、上記した
長円形開口33と直交する方向の一側外周縁に、180 °の
円周角で、第1円弧状ストッパー34を設けている。
【0027】また、この方向規制リング32には環状リン
グ35が嵌着されており、同環状リング35は、その内周面
に、90°の円周角で第2円弧状ストッパー36を設けてお
り、同円弧ストッパー36は、カム受筒30の回動によっ
て、そのいずれかの端部36a,36b を、上記した180 °の
円周角を有する第1円弧状ストッパー34のいずれかの端
部34a,34b に当接可能としている。
【0028】これら第1, 第2円弧状ストッパー34,36
の形成位置は、各々の周面上のどこの位置に設けても良
く、カム受筒30の長円形開口31の短径がブラシ取付軸15
に対し、同一方向と直交方向との間で位置決めできれば
よい。しかも、各ストッパー34,36 は、各々の端部34a,
34b,36a,36b が存在すれば十分で、円弧状の中間部分は
特に必要とせず、例えば、リブ状のものでも可能であ
る。
【0029】なお、上記実施例において、第1円弧状ス
トッパー34は、長円形開口33の長径と直交方向の周縁
に、その端部34a,34b を設けることにより、長円形開口
33との距離を十分に拡げ、当接時の衝撃力による長円形
開口33への変形等の影響を抑制している。
【0030】また、環状リング35は、図3に示すよう
に、その上端に、一対の矩形プレートからなるブラケッ
ト抜止片37,38 と、両ブラケット抜止片37,38 を結ぶ嵌
入軸39とからなるブラシ取付軸係合部40を形成してい
る。
【0031】一方、垂直方向に伸延するブラシ取付軸15
の下端には、図3に示すように、矩形板状の偏心ブラケ
ット41の基端が取付けられており、同偏心ブラケット41
は、ブラシ取付軸15の軸線L3から偏心量hだけ偏心した
先端位置に、嵌入軸39の直径と略等しい幅を有する切欠
溝42を設けており、同切欠溝42は、軸線L3から半径方向
に伸延・開口している。
【0032】そして、この切欠溝42に、環状リング35の
上部に設けた嵌入軸39が嵌合されている。
【0033】なお、図3において、43はフェイスギア27
の一側端面に一体的に設けた摺動円盤であり、同一側端
面と対向するカム受筒30の端面には、位置規制用スペー
サーを兼ねた摺動抵抗低減部材44が設けられている。
【0034】(運動方向変換カム部14の作用)まず、ブラ
シ取付軸15が小振れ角及び大振幅で、水平方向及び垂直
方向に往復運動する場合について説明する。
【0035】この場合、図3において、モータ13のピニ
オン22を反時計方向aに回転すると、フェイスギア27、
これと一体をなす偏心筒28及び偏心カム29も反時計方向
aに回転する。
【0036】軸線L2をフェイスギア27の軸線L1より偏心
量e2だけ偏心させた偏心カム29の回転によって、偏心カ
ム29の外周面が方向転換用のカム受筒30の内周面に当接
し、その当接摩擦力によってカム受筒30も時計方向aに
回転しようとするが、図5に示すように、カム受筒30の
一端に設けた方向規制リング32の周面に設けた第1円弧
状ストッパー34の一端34a が環状リング35の内面に設け
た第2円弧状ストッパー36の一端36a に当接しているの
で、カム受筒30は、図3の反時計方向a( 図5では、環
状リング35側ら視るので時計方向になる) に回転するこ
となく、図3に示す水平方向姿勢を保持することにな
る。
【0037】従って、偏心カム29のフェイスギア27の軸
線L1周りの反時計方向aの公転運動は、カム受筒30を上
下方向(垂直方向)に、偏心カム29の偏心量e2の大振幅
で往復運動させることになる。
【0038】なお、カム受筒30は、図3に示す水平方向
姿勢をとるときは、長円形開口31は水平方向に伸延して
いるので、偏心カム29の回転は長円形開口31内を左右方
向に摺動移動するだけなので、同偏心カム29の回転によ
ってカム受筒30を左右方向に移動させる力は発生しな
い。
【0039】その結果、偏心カム29の軸線L1周りの反時
計方向aの公転運動は、カム受筒30及びその外周面に嵌
着した環状リング35を一体的に上下方向に偏心カム29の
偏心量e2の大振幅で直進往復運動させることになる。
【0040】一方、軸線L0をフェイスギア27の軸線L1
り偏心量e1だけ偏心させた偏心筒28も、反時計方向aに
回転しており、しかも、同偏心筒28は方向規制リング32
の内周面に当接している。
【0041】ところで、同方向規制リング32に形成した
長円形開口33は、カム受筒30の長円形開口31と90°直交
する方向に伸延しているので、垂直方向に保持されてい
る。
【0042】よって、偏心筒28は当接摩擦力によって、
方向規制リング32をを反時計方向aに回転しようとする
が、上述したように、カム受筒30は回転することなく、
同カム受筒30と一体的に形成している方向規制リング32
も回転せずに、垂直方向姿勢を保持することになる。
【0043】従って、偏心筒28の軸線L0周りの反時計方
向aの公転運動は、カム受筒30を左右方向(水平方向)
に、偏心筒28の偏心量e1の小振幅で往復運動させること
になる。
【0044】なお、方向規制リング32は、図3に示す垂
直方向姿勢をとるときは、長円形開口33は垂直方向に伸
延しているので、偏心した偏心筒28の回転は長円形開口
31内を上下方向に摺動移動するだけなので、同偏心筒28
の回転によって方向規制リング32を上下方向に移動させ
る力は発生しない。
【0045】その結果、偏心筒28の軸線L0周りの反時計
方向aの公転運動は、方向規制リング32及びその外周面
に嵌着した環状リング35を一体的に左右方向に偏心筒28
の偏心量e1の小振幅で往復運動させることになる。
【0046】ところで、環状リング35の上部に設けた嵌
入軸39は、環状リング35とともに、上下方向及び左右方
向に往復運動するが、嵌入軸39は、ブラシ取付軸15の軸
線L3よりも偏心量hだけ偏心した偏心ブラケット41の切
欠溝42内に嵌入されているので、ブラシ取付軸15を、そ
の軸線L3に沿って、大振幅で直進往復運動、及び、その
軸線L3周りに、小振れ角で揺動往復運動を同時にさせる
ことができる。
【0047】従って、ブラシ取付軸15に取付けたブラシ
体Bも大振幅の直進往復運動及び小振れ角の揺動往復運
動を同時に行うことになり、かかる両往復運動が合成さ
れて、ブラシ体Bの毛先においては真円を描くことが可
能となる。
【0048】かかる真円を描く様子について、さらに説
明を加えると、図6において、先ず、図6の(a) に示
すように、偏心カム29が最下側位置にあり、ブラシ取付
軸15が最も後退し、また、偏心筒28も同様に最下側位置
にあって、ブラシ取付軸15は振れ角0°の状態を初期状
態とする。
【0049】モータ13の回転により、ピニオン22を介し
てフェイスギア27が反時計方向へ回転し、同フェイスギ
ア27に一体的に取付けている偏心筒28及び偏心カム29が
90°回転した位置においては、ブラシ取付軸15は上下の
振幅0の位置にあり、また、所望の最大振れ角αをなす
(図6の(a) )。
【0050】次いで、偏心筒28及び偏心カム29がさらに
90°回転して、初期状態から180 °回転した位置におい
ては、偏心カム29が最上側位置になり、ブラシ取付軸15
が最も前進した位置に達し、また、偏心筒28も同様に最
上側位置となって、振れ角は0°となる(図6の(a)
)。
【0051】そして、さらに90°回転して、初期状態か
ら270 °回転した位置になると、ブラシ取付軸15は再び
中間位置になり、また、振れ角は、今度はマイナス位置
における最大振れ角αとなり、ブラシ体Bの毛先は初期
状態から90°回転した位置のときの反対側に振れること
になる(図6の(a) )。
【0052】さらに90°回転すると、初期状態の位置に
戻り、このようなサイクルでブラシ取付軸15は直進往復
運動及び揺動往復運動を同時に繰り返し、ブラシ体Bの
毛先は、図7に示すように、かかる往復運動が合成され
た真円の軌跡を描くように作動することになる。
【0053】ところで、上記の最大振れ角αは、偏心ブ
ラケット41のブラシ取付軸15の軸線L3との偏心量hが決
まれば、ブラシ体Bの左右方向への最大振幅(偏心筒28
の偏心量e1)と、上下方向への最大振幅の距離L(偏心
カム29の偏心量e2)と、ブラシ体Bの毛の長さHとの関
係から、三角関数を用いて容易に求められるものであ
り、また、これらの偏心量e1,e2 やブラシ体Bの毛の長
さH等の設定を変えることにより、真円のみならず、適
宜楕円軌跡を得ることが可能である。
【0054】本実施例では、偏心ブラケット41の偏心量
hを5.5mm 、左右方向への最大振幅(偏心筒28の偏心量
e1)を0.75mm、上下方向への最大振幅の距離L(偏心カ
ム29の偏心量e2)を1.5mm 、毛の長さHを11mmとして、
最大振れ角αを7.8 °に設定し、半径1.5mm の円軌跡を
描くようにしている。
【0055】上述したように、ブラシ体Bを真円を描く
ように作動させることができるようにしたので、プラー
ク除去率の高い、効果的なブラッシングを実現できるこ
とになる。
【0056】次に、モータ13を逆転させて、ブラシ取付
軸15が大振れ角及び小振幅で、水平方向及び垂直方向に
往復運動する場合について説明する。
【0057】この場合、図8において、モータ13のピニ
オン22を時計方向bに回転すると、フェイスギア27、及
び、これと一体をなす偏心筒28及び偏心カム29も時計方
向bに回転する。
【0058】軸線L2をフェイスギア27の軸線L1より偏心
量e2だけ偏心させた偏心カム29の回転によって、偏心カ
ム29の外周面が方向変換用のカム受筒30の内周面に当接
し、その当接摩擦力によってカム受筒30を時計方向bに
回転しようとする。
【0059】ところで、図8に示すように、カム受筒30
の一端に設けた方向規制リング32の周面に設けた第1円
弧状ストッパー34の端部34b は環状リング35の内面に設
けた第2円弧状ストッパー36の端部36b に当接していな
いので、上記した偏心カム29とカム受筒30との当接摩擦
力によって、カム受筒30およびそれと一体をなす第1円
弧状ストッパー34は時計方向bに回転する。そして、90
°回転した状態で、図9に示すように、第1円弧状スト
ッパー34の端部34b は第2円弧状ストッパー36の端部36
b に当接し、カム受筒30は、図8に示すように、図3に
示す水平方向姿勢から90°回転した垂直方向姿勢を移動
し、同姿勢を保持することになる。
【0060】従って、偏心カム29のフェイスギア27の軸
線L1周りの時計方向aの公転運動は、カム受筒30を左右
方向(水平方向)に、偏心カム29の偏心量e2の大振幅で
往復運動させることになる。
【0061】なお、カム受筒30は、図8に示す姿勢をと
るときは、長円形開口31は垂直方向に伸延しているの
で、偏心カム29の回転は長円形開口31内を上下方向に摺
動移動するだけで、カム受筒30を上下方向に移動する力
は発生しない。
【0062】その結果、偏心カム29の軸線L1周りの時計
方向aの公転運動は、カム受筒30及びその外周面に嵌着
した環状リング35を一体的に左右方向に大振幅で往復運
動させることになる。
【0063】一方、軸線L0をフェイスギア27の軸線L1
り偏心量e1だけ偏心させた偏心筒28も、時計方向bに
回転しており、しかも、同偏心筒28が嵌入している方
向規制リング32の内周面に当接している。
【0064】ところで、同方向規制リング32に形成した
長円形開口33は、カム受筒30の長円形開口31と90°直交
する方向に伸延しているので、水平方向に保持されてい
る。
【0065】よって、偏心筒28は当接摩擦力によって、
方向規制リング32をを時計方向bに回転しようとする
が、上述したように、カム受筒30は回転することなく、
同カム受筒30と一体的に形成している方向規制リング32
も回転せずに、水平方向姿勢を保持することになる。
【0066】従って、偏心筒28の軸線L0周りの時計方向
bの公転運動は、カム受筒30を上下方向(垂直方向)
に、偏心筒28の偏心量e1の小振幅で往復運動させること
になる。
【0067】なお、方向規制リング32は、図8に示す水
平方向姿勢をとるときは、長円形開口33は水平方向に伸
延しているので、偏心した偏心筒28の回転は長円形開口
31内を左右方向に摺動移動するだけなので、同偏心筒28
の回転によって方向規制リング32を左右方向に移動させ
る力は発生しない。
【0068】その結果、偏心筒28の軸線L0周りの反時計
方向aの公転運動は、方向規制リング32及びその外周面
に嵌着した環状リング35を一体的に上下方向に小振幅で
往復運動させることになる。
【0069】ところで、環状リング35の上部に設けたブ
ラシ取付軸係合部40は、環状リング35とともに上下方向
に往復運動するが、偏心ブラケット41はブラシ取付軸係
合部40のブラケット抜止片37,38 によって上下方向抜け
止め支持されているので、ブラシ取付軸15の軸線L3より
も偏心量hだけ偏心した偏心ブラケット41及びそれと一
体をなすブラシ取付軸15を、その軸線L3に沿って、小振
幅で直進往復運動、及び、その軸線L3周りに、大振れ角
で揺動往復運動を同時にさせることができる。
【0070】従って、ブラシ取付軸15に取付けたブラシ
体Bも小振幅の直進往復運動及び大振れ角の揺動往復運
動を同時に行い、かかる両往復運動が合成されて、図1
0に示すように、ブラシ体Bの毛先においては、短径と
長径の差が著しい偏平状の長円を描くことになる。
【0071】なお、偏心カム29を正逆反転回転させるに
は、直流モータ13の極性切換によることの他、モータ13
の出力軸21とフェイスギヤ27との間にアイドルギヤを入
り切りさせて連動連結してもよく、この場合は、モータ
13の極性を切換えず、一方向にのみ回転させるので、モ
ータ13の寿命を長いものとすることができる。
【0072】また、偏心カム29を正逆反転回転させず
に、一方向のみの回転だけに規制することもでき、例え
ば、ブラシ体Bの毛先が真円を描くように、ブラシ取付
軸15を、その軸線L3に沿って、大振幅で直進往復運動、
及び、その軸線L3周りに、小振れ角で揺動往復運動を同
時にさせるのみとすることもできる。
【0073】
【効果】以上説明してきたように、本発明では、運動方
向変換機構の運動方向変換カム部を、モータの出力軸に
偏心した偏心筒と偏心カムを一体的に連動連結し、偏心
カムをカム受筒の長円形開口内に摺動自在に嵌着し、同
カム受筒を、垂直方向及び水平方向に往復運動可能とな
し、さらに、同往復運動によって、作動体を、軸線に沿
って直線往復運動、及び、軸線周りに揺動往復運動を同
時に行える構成としている。
【0074】このように、運動方向変換カム部により、
作動体を、軸線に沿っての直線往復運動と軸線周りへの
揺動往復運動とを同時に行わせるようにしたので、作動
体は真円の軌跡を描くように作動することが可能とな
り、かかる運動方向変換機構を、例えば、電動歯ブラシ
等に応用すれば、使用者は、プラーク除去率の高い、効
果的なブラッシング法といわれるフォーンズ法(描円
法)によるブラッシングが電動歯ブラシで行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る運動方向変換機構を適用した電動
歯ブラシの断面正面図である。
【図2】同電動歯ブラシのケーシングを無くした状態の
一側側面図である。
【図3】大振幅及び小振れ角でブラシ取付軸を作動させ
る場合の運動方向変換カム部の分解斜視図である。
【図4】図3のI−I線によるフェイスギアの矢視図で
ある。
【図5】大振幅及び小振れ角でブラシ取付軸を作動させ
る場合の図3のII−II線による方向規制リングと環
状リングの矢視図である。
【図6】同作動状態を示す説明図である。
【図7】同作動状態において、ブラシ体の毛先が描く真
円の軌跡である。
【図8】小振幅及び大振れ角でブラシ取付軸を作動させ
る場合の運動方向変換カム部の分解斜視図である。
【図9】図8のI−I線による方向規制リングと環状リ
ングの矢視図である。
【図10】小振幅及び大振れ角でブラシ取付軸を作動さ
せる場合のブラシ体の毛先が描く楕円の軌跡である。
【符号の説明】
A 電動歯ブラシ L0 軸線 L1 軸線 L2 軸線 10 ケーシング 13 モータ 14 運動方向変換カム部 15 ブラシ取付軸 22 ピニオン 27 フェイスギア 28 偏心筒 29 偏心カム 30 カム受筒 31 長円形開口 33 長円形開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 19/00 - 31/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(10)内に内蔵したモータ(13)
    の上方出力軸にピニオン(22)を取付け、同ピニオン(22)
    を、同様にケーシング(10)内に内蔵した運動方向変換カ
    ム部(14)を介して作動体に連動連結した運動方向変換機
    構において、 同運動方向変換カム部(14)を、a)ピニオン(22)と直交状態で噛合し、軸線(L1)廻りに回
    動自在なフェイスギア(27)と、 b)一端にフェイスギア(27)を一体的に取付け、かつ、そ
    軸線(L0)をフェイスギア(27)の軸線(L1)より偏心量e1
    だけ偏心させた偏心筒(28)と、c)フェイスギア(27)に一体的に取付け、かつ、その 軸線
    (L2)を、偏心筒(28)と同一方向で、しかも、偏心量e1よ
    り大きい偏心量e2でフェイスギア(27)の軸線(L1)より偏
    心させた偏心カム(29)と、d) 内部に偏心カム(29)を長手方向に摺動自在に囲繞する
    長円形開口(31)と、同長円形開口(31)と90°直交する方
    向に伸延し、上記偏心筒(28)を長手方向に摺動自在に囲
    繞する長円形開口(33)とを具備するカム受筒(30)と e) 同カム受筒(30)に設けた方向規制リング(32)に嵌着
    するとともに、偏心ブラケット(41)を介して作動体との
    連結を行なう環状リング(35) とから形成し、 モータ(13)の回転によってフェイスギア(27)を回転させ
    ることにより偏心筒(28)及び偏心カム(29)を回転させ、
    カム受筒(30)を水平方向及び垂直方向に同時に往復運動
    可能とすることにより、作動体を、同期的に、同作動体
    の軸線に沿って直線往復運動及び作動体の軸線廻りに揺
    動往復運動可能とするとともに、 方向規制リング(32)の一側外周縁には180°の円周角で
    第1円弧状ストッパー(34)を設けるとともに、同方向規
    制リング(32)に嵌着される環状リング(35)の内周面には
    90°の円周角で第2円弧状ストッパー(36)を設け、フェ
    イスギア(27)を正転または逆転させることにより第2円
    弧状ストッパー(36)のいずれかの端部(36a)(36b)を、第
    1円弧状ストッパー( 34)のいずれかの端部(34a)(34b)
    に当接させて、作動体の運動形態を、作動体の軸線周り
    に小振れ角で揺動往復運動しながら作動体の軸線の軸線
    方向に大振幅で直線往復運動する運動形態、または、作
    動体の軸線周りに大振れ角で揺動往復運動しながら作動
    体の軸線の軸線方向に小振 幅で直線往復運動する運動形
    態に切り換えることができるようにしていること を特徴
    とする運動方向変換機構。
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