JP3097483B2 - テープ作成装置 - Google Patents

テープ作成装置

Info

Publication number
JP3097483B2
JP3097483B2 JP07013714A JP1371495A JP3097483B2 JP 3097483 B2 JP3097483 B2 JP 3097483B2 JP 07013714 A JP07013714 A JP 07013714A JP 1371495 A JP1371495 A JP 1371495A JP 3097483 B2 JP3097483 B2 JP 3097483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
stamp
heat
film
holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07013714A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08197822A (ja
Inventor
比呂志 平
稔 山本
弘 高見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP07013714A priority Critical patent/JP3097483B2/ja
Publication of JPH08197822A publication Critical patent/JPH08197822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3097483B2 publication Critical patent/JP3097483B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱フィルムのドット
パターン状の孔をとおして被印刷物へインクを転写する
感熱性孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、会社名、住所、その他種々の文字
列をゴム製の印面部に刻設したスタンプで、用紙の表面
に印刷または押印(以下両者を総称して印刷という)す
ることが行われている。この種のスタンプは、通常注文
に応じて個別に作成される関係上、高価で、かつ注文か
ら入手までの期間が長くなる。
【0003】一方、従来より、感熱性孔版原紙に赤外線
の照射やサーマルヘッドにより所望のドットパターン状
に穿孔し、その穿孔群からインクを透過させることで、
文字列、図形、マーク等の種々のパターンを印刷するも
のが実用化されている。
【0004】本願出願人は、実開平5−74833号公
報において、前記感熱性孔版原紙と、インクを含浸させ
たインク保持体とを主体とする孔版印刷用原板により、
前記従来の印面部をゴムで構成したスタンプに代わる新
しいスタンプを提案した。この孔版印刷用原板は、イン
ク不透過性基板に、インク保持体と、そのインク保持体
の周囲を囲繞する枠部材とを接着し、インク保持体と枠
部材の表面に感熱性孔版原紙を重ねて接着した構成であ
る。
【0005】この孔版印刷用原板をスタンプに適用する
場合、把持部を有するスタンプ部材の基部の下面に、ク
ッション材を介して孔版印刷用原板を接着し、その感熱
性孔版原紙に、赤外線照射やサーマルヘッドにより、所
望の文字列等をドットパターン状に穿孔する。そしてそ
の穿孔群からインク保持体中のインクを透過させること
で、通常のスタンプと同様に、所望の文字列等のパター
ンを用紙に多数回に亙って印刷することができる。
【0006】更に、本願出願人は、特願平5−3296
57号において、スタンプ体と、このスタンプ体の印面
部に穿孔を形成する加熱穿孔装置とからなるスタンプ装
置を提案した。
【0007】前記スタンプ体は、把持部と、感熱性孔版
原紙と、インクを含浸したインク保持体とからなる。
【0008】前記加熱穿孔装置は、スタンプ体を着脱自
在に装着する穿孔用装着部と、スタンプ体の感熱性孔版
原紙に穿孔を形成するサーマルヘッドと、そのヘッドを
スタンプ体の感熱性孔版原紙に沿って移動する移動装置
と、文字や記号を入力するキーボードと、入力データに
基いて入力された文字列を感熱性孔版原紙に穿孔するよ
うに、サーマルヘッドおよび移動装置を制御する制御装
置とで構成されている。
【0009】前記スタンプ装置によれば、スタンプ体に
感熱性孔版原紙およびインク保持体を設けてあり、サー
マルヘッドによりスタンプ体の印面部に所望の文字列の
パターンを穿孔することで、印刷の際、スタンプ体の内
部のインク保持体から印面部にインクが自動的に供給さ
れるため、印面部に外部のインクを塗布することなく印
刷できる。また必要に応じて、印面部に異なるパターン
を穿孔することができるので、従来のゴム製のスタンプ
のように注文から入手まで長い期間待つ必要がなくな
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記各感熱性孔版印刷
装置では、できるだけ多数回の印刷をすることができ、
かつ印刷を短い時間間隔で繰り返し実行できることが望
ましい。このためインク保持体にはできるだけ多くのイ
ンクを含浸させておく必要がある。
【0011】しかしインク保持体にあまり多くのインク
を含浸させておくと、印刷するとき、インク保持体に圧
縮力が働くため、インク保持体中の多量のインクが流出
し、被印刷用紙を汚すことがある。
【0012】また、上記特願平5−329657号にお
いて提案した装置では、図22に示すように、サーマル
ヘッド90によりスタンプ体4の印面部33に所望の文
字列のパターンを穿孔する際に、印面部33を押圧しな
がらサーマルヘッド4を移動させるため、印面部33は
サーマルヘッド4により凹み、インク保持体27がしご
かれる状態になる。この結果、感熱性孔版原紙28の穿
孔された孔28aよりインクが流出し、その感熱性孔版
原紙28の表面に付着してしまい(この状態を27aで
示す)、このインクが被印刷用紙を汚すことになる。
【0013】これらの事態を回避するため、多数回の試
し印刷をして、感熱性孔版原紙の表面に付着したインク
のクリーニングをする必要があった。
【0014】さらに、製造する際には、図22を上下逆
にした状態で枠部材26の凹部25にインク保持体2
7、感熱性孔版原紙28を載せた後、上下反転して感熱
性孔版原紙28の周辺を接着剤29で枠部材26に接着
する。この上下反転する前に枠部材26と感熱性孔版原
紙28を治具で挟み、インク保持体27に圧縮力をかけ
る。そのときインク保持体に多くのインクが含浸されて
いると、インクが枠部材26の側方に垂れ、感熱性孔版
原紙の周辺を枠部材26に接着することができなくな
る。
【0015】しかし上記問題を解消するために、インク
保持体に含浸するインク量を少なくすると、印刷できる
回数が少なくなり、また1回印刷した後、つぎにほぼ同
じ濃度で印刷できるまでの周期が長くなる。しかも印面
部を縦にした状態(すなわちスタンプを横倒しにした状
態)で長時間放置すると、含浸されているインクが重力
により片寄ってしまい、印刷結果に濃淡のむらを生じて
しまう。
【0016】本発明は、インク保持体に含浸するインク
量を適正にすることにより、印刷結果に濃淡むらを生じ
ないようにするなど印刷結果を良好にするのみならず、
できるだけ多数回の印刷をすることができ、かつ印刷を
短い時間間隔で繰り返し実行できるようにするととも
に、特にサーマルヘッドによる加熱穿孔の際にインクが
垂れることをできるだけ少なくし品質を良好にすること
を解決課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、インクと、そのインクを含浸保持する多
孔性の弾性材料からなるインク保持体と、ドットパター
ン状に熱穿孔される可撓性薄膜材料からなる感熱フィル
ムとを備えたスタンプ部と、前記スタンプ部を支持する
スタンプ体と、このスタンプ体の前記感熱フィルムにド
ットパターン状の穿孔を施す加熱穿孔装置とを備えた
熱性孔版印刷装置において、前記加熱穿孔装置は、前記
スタンプ体を着脱自在に装着する穿孔用装着部と、前記
穿孔用装着部に装着された前記スタンプ体の感熱フィル
ムにドットパターン状に穿孔するサーマルヘッドを含む
穿孔手段と、前記穿孔手段を前記インク保持体とは反対
側からそのインク保持体の弾性に抗して前記感熱フィル
ムに押圧する押圧手段と、前記押圧手段により押圧しな
がら前記ヘッドを前記感熱フィルムに沿って前記スタン
プ体と相対移動する移動手段とを備え、インクを含浸す
る前のインク保持体内の空孔部に対する、そのインク保
持体に含浸したインクの体積比、または、インクを含浸
する前の前記インク保持体内の空孔部体積に相当するそ
のインク保持体の重量に対する、そのインク保持体に含
浸したインクの重量比を、ほぼ1.5以下に設定したも
のである。
【0018】さらに本発明は、上記構成において好まし
くは、前記の比を、ほぼ0.5以上に設定する。
【0019】また本発明は、上記構成において好ましく
は、前記インク保持体はポリウレタン発泡体からなり、
前記感熱フィルムは厚さ1〜4μmの熱可塑性フィルム
からなる。
【0020】また本発明は、上記構成において好ましく
は、さらに、前記感熱フィルムと共同して前記インク保
持体を挟むインク不透過性の剛性のある枠部材を備え、
その枠部材の周囲に前記感熱フィルムの周囲を固着して
前記インク保持体をほぼ密封した構成とする。
【0021】
【作用】本発明は、上記構成によりスタンプ体に感熱
フィルムおよびインク保持体を支持し、穿孔ヘッドをイ
ンク保持体とは反対側からそのインク保持体の弾性に抗
して感熱フィルムに押圧して、感熱フィルムに所望のド
ットパターン状に熱穿孔する際、インク保持体に圧縮力
が作用するが、上記のようにインク含浸率を設定してい
ることで、インク保持体に含浸したインクが過剰に流出
することを少なくし、被印刷物への転写を良好にする。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。
【0023】本実施例に係る感熱性孔版印刷装置は、図
1〜図8に示すスタンプ体1と、図9以降の図に示す加
熱穿孔装置50とで構成される。
【0024】最初に、前記スタンプ体1について、図1
〜図8を参照して説明する。
【0025】図1〜図4に示すように、スタンプ体1
は、手で掴むためのホルダー部2と、このホルダー部2
に固定的に連結されるスタンプ部3と、スタンプ部3の
外周側を覆うスカート部材6と、スタンプ部3に着脱自
在に装着される保護キャップ7とから構成される。
【0026】ホルダー部2は、金属又は合成樹脂材料か
らなる下面を開放した直方体状の中空体で構成され、そ
の頂部には、ラベル10を貼付するための凹部11が形
成され、ホルダー部2の前壁12と後壁13の下端部に
は、夫々、下方へ突出する1対の係合爪14が設けられ
ている。また、その前壁12と後壁13の下部には、ガ
イド溝15が形成され、前壁12には係合凹部16が形
成され、左側壁17には、係合穴18が形成され、ホル
ダー部2内部において上壁19の下面の中央部には、バ
ネ支持部20が形成されている。
【0027】スタンプ部3は、スタンプ部本体4と、こ
のスタンプ部本体4を収容する下面を開放した直方体状
の中空体からなる外周保持部材5とで構成される。外周
保持部材5は、スタンプ部本体4の外周側の上部約2/
3部分を覆い且つホルダー部2の4つの係合爪14に係
合してホルダー部2に着脱可能に固定される。
【0028】前記スタンプ部本体4は、下面側に浅い凹
部25を備え直方体状で中空状の合成樹脂製の枠部材2
6と、この枠部材26の凹部25に装着される油性イン
クを含浸させたインク保持体27と、インク保持体27
の下面と枠部材26の外周側を覆い接着剤29にて枠部
材26の外周面に接着された感熱フィルム28とから構
成されている。インク保持体27は接着剤等により枠部
材26の凹部25に接着してもよい。
【0029】枠部材26は、油性インクに接触する関係
上、耐油性に優れインク不透過性で剛性のある合成樹脂
材料(例えば、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート
等)又は金属材料で構成され、この枠部材26の凹部2
5にインク保持体27を装着することで、インク保持体
27の位置ズレを防止し、インク保持体27からのイン
クの流出を防止する。
【0030】インク保持体27は、好ましくは多孔性で
弾力性のあるポリウレタン発泡体を不織布にしたもの、
またはその他の合成樹脂材料(例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリ
ルニトリルブタジエンゴム等)の多孔性で弾力性のある
発泡体又は不織布からなる。このインク保持体27に
は、油性インクが含浸されており、このインク保持体2
7に圧力が付加されると、インクが滲み出すようになっ
ている。
【0031】感熱フィルム28は、図5に示すように、
熱可塑性フィルム30と、多孔性支持体31と、これら
を接着する接着剤層32とで構成され、可撓性のある薄
膜をなしている。熱可塑性フィルム30は、加熱溶融に
よって穿孔できる厚さ1〜4μm、好ましくは1.8μ
mの熱可塑性合成樹脂材料(例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体等)のフィルムで構成されている。厚さ1
μm未満のものは製造コストが高価で強度も弱く実用性
に欠けるため実用的でなく、また、厚さ4μm以上のも
のは、厚すぎるために、定格出力が50mJ/mm2 程
度の一般のサーマルヘッドでは穿孔できない。
【0032】多孔性支持体31は、天然繊維(例えは、
マニラ麻、こうぞ、みつまた等)、合成繊維(例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、
ポリアクリルニトリル等)、又はレーヨン等の半合成繊
維を主原料とした多孔性薄葉紙で構成されている。多孔
性支持体31は、穿孔された熱可塑性フィルム30の強
度を補うのが主目的であるため、本実施例では50μm
程度の厚みである。
【0033】図6に示すように、枠部材26を上下逆に
した状態で、その凹部25にインク保持体27を装着し
てから、インク保持体27に油性インクを含浸させ、そ
のインク保持体27の上から、多孔性支持体31がイン
ク保持体27側となるように、感熱フィルム28を被せ
て、インク保持体27の表面に感熱フィルム28を密着
させ、感熱フィルム28の外周側部分を、枠部材26の
外周面に密着状に折り付けて接着剤層29にて接着する
ことにより、図7に示すスタンプ部本体4となる。
【0034】インク保持体27の表面(図5では下面)
に密着した感熱フィルム28の部分が印面部33を構成
している。前記のように、感熱フィルム28の外周側部
分を、枠部材26の外周面に接着する構成を採用したた
め、スタンプ部3の下面のほぼ全域にわたる印面部33
を形成することができた。その結果、印刷する際の位置
決めが簡単化する。
【0035】図2〜図4に示すように、外周保持部材5
は、下面を開放した直方体状の中空体をなす周壁部34
と、上壁部35と、この上壁部35から所定高さ突出す
る左右1対の係合壁部36とで構成されている。周壁部
34の内側にはスタンプ部本体4が挿入され、上壁部3
5の中央部に位置する壁部分35aに、枠部材26から
突出するピン26aを熱かしめすることで、外周保持部
材5とスタンプ部本体4が相互に固定される。
【0036】上記左右1対の係合壁部36には、ホルダ
ー部2の4つの係合爪14に対応する係合孔37が形成
されている。左右1対の係合壁部36は、スカート部材
6の上壁部41の左右1対の矩形穴42に、下方より上
下方向にスライド自在に挿入され、4つの係合穴37
に、4つの係合爪14を上方より係合させ、且つ係合壁
部36の上端をホルダー部2の下端に当接させることに
より、外周保持部材5はホルダー部2に着脱可能に固定
されている。
【0037】図2〜図4に示すように、スカート部材6
は、下面を開放した直方体状の中空体からなる外周壁部
40と、その上端において外周保持部材5の上壁部35
の上側に位置する上壁部41と、この上壁部41の中央
部から所定高さ上方へ突出してホルダー部2内へ挿入さ
れる門形部43と、この門形部43の上端の中央部に突
設されたバネ支持部45等で構成される。外周壁部40
の内側には、外周保持部材5の外周壁部34が上下方向
にスライド自在に内嵌される。門形部43の左右の壁部
の下部には、該両壁部を貫通するように、ガイド穴18
に対応するガイド穴44が形成されている。
【0038】スカート部材6は、ホルダー部2およびス
タンプ部3に対して昇降自在に構成され、ホルダー部2
のバネ支持部20とスカート部材6のバネ支持部45間
に装着された圧縮スプリング21により、ホルダー部2
およびスタンプ部3に対して下方へ付勢されている。ス
カート部材6の外周壁40の4面の中央部の下端部は、
部分的に切り欠かれ、保護キャップ7を着脱と印面部3
3の位置決めをしやすくしている。
【0039】保護キャップ7は、スタンプ部本体4の下
端側を着脱自在に覆って保護するためのもので、その外
周壁部48は、外周保持部材5の外周壁34と平面から
見て同形状に形成されている。この保護キャップ7は、
スカート部材6の外周壁部40に内嵌させて摩擦力でも
って支持される。図3、図4に示すように、保護キャッ
プ7を装着した状態では、その上端は外周壁34の下端
に当接し、保護キャップ7と印面部33間には小さな隙
間があいている。保護キャップ7を装着した状態でホル
ダー部2を下方へ押動しても、保護キャップ7の上端と
外周壁34の下端との当接により上記隙間が保たれてい
るので、保護キャップ7にインクが付着することがな
い。
【0040】印面部33に、例えば、図8に示すよう
に、「BCDE工業(株)」のミラー文字の文字列と、
その外側を囲む6重の矩形枠とからなるパターンの多数
の穿孔(ドットパターン穿孔)とが、後述するサーマル
プリンタのサーマルヘッドにより形成され、通常のゴム
製の印面部を有するスタンプと同様に、上記パターンを
印刷することができる。
【0041】スタンプ体1の使用方法は、保護キャップ
7を取外し、スカート部材6を被印刷物(用紙)に当て
て印面部33を被印刷物に対し位置決めする。このとき
図3のようにスカート部6はスプリング21の付勢によ
りその下端をスタンプ部3の印面部33よりも下に突出
した位置にある。
【0042】その後ホルダー部2を掴んでホルダー部2
を下方へ押動させると、図7のようにスカート部6に対
してホルダー部2およびスタンプ部3が下降して印面部
33が被印刷物に押圧される。その押圧力によってイン
ク保持体27が圧縮され、インク保持体27内のインク
が感熱フィルム28の多数の穿孔からしみ出すため、被
印刷物の表面に前記穿孔パターンを印刷することができ
る。
【0043】そして、印刷後、ホルダー部2への押圧力
を緩めると、スプリング21の付勢により、印面部33
が被印刷物から剥離される。不使用時にはスカート部材
6をスプリング21の付勢により再びその下端をスタン
プ部3の印面部33よりも下に突出し、スカート部材6
でスタンプ体1全体を支持し、印面部33を保護する。
スカート部材6の上記ストロークは、約5mm程度に設
定することが望ましい。
【0044】スタンプ部3はホルダー部2の係合爪14
から取り外して新しいものと交換することができる。
【0045】なおスカート部6が昇降しても外周保持部
材5によってスカート部6は感熱フィルム28と間隔を
保たれ、また保護キャップ7はスカート部6に嵌合支持
されるため、感熱フィルム28の外周部が摩擦で損傷す
るのを防止できる。
【0046】インク保持体27に含浸するインクの量
は、印刷時または後述するように感熱フィルム28に穿
孔する際に過剰にインクが流出して被印刷物を汚した
り、またインクの量が過少で印刷の周期が長くならない
ように、適正でなければならい。表1に示すように、イ
ンク保持体27に含浸するインクの量をいろいろ変えて
試験を実施した。
【0047】表において、「含浸率」は、 MI/(V×γs−Ms) で求める。 但し、MI=インク保持体に含浸したイン
ク重量 V =インクが含浸される前のインク保持体の体積 γs=インク保持体の材料の比重 Ms=インク保持体の重量 とする。
【0048】上記式では、含浸率を、インク保持体の空
孔部に相当するその保持体の重量とインク重量の比から
計算しているが、インクを含浸する前のインク保持体内
の空孔部の体積とインクの体積の比からも計算すること
ができる。後者の場合、インクおよびインク保持体の比
重はほぼ1であるので、前者の式をほぼ代用して計算す
ることができる。
【0049】なお、インク保持体27等の弾性のある多
孔性材料は液体を含浸すると、体積を膨張するので、イ
ンクを含浸する前の空孔部の体積を超えるインク量を蓄
えることができ、表において含浸率=1を超えるものも
ある。
【0050】「インクの片寄り」は、印面部のサイズを
14mm×79mmとするものを、長手方向を縦置きに
して、1か月放置した後、印刷時間(スタンプ部を被印
刷物に押し付ける時間)0.5秒、印刷周期5〜10秒
で、連続印刷してインクの片寄りによって濃淡むらが発
生しないで印刷できた回数を示す。
【0051】「印刷耐久回数」は、印刷時間0.5秒、
印刷周期5〜10秒で、連続印刷してかすれが発生しな
いで印刷できた回数を示す。
【0052】「穿孔時の試し印刷回数」は、後述するよ
うにサーマルヘッドによる穿孔時に、印面部に付着した
インク(図22の27a)をクリーニングできるまでの
試し印刷回数を示す。
【0053】「製造上のインク垂れ」は、図6のように
枠部材26にインク保持体27、感熱フィルム28を載
せた後、感熱フィルム28の周辺を枠部材26に接着す
るために上下反転する前に、枠部材26と感熱フィルム
28を治具で挟み、インク保持体27に圧縮力をかけ
る。そのときインク保持体からインクが枠部材26の側
方に垂れると、感熱フィルムの周辺を枠部材26に接着
することができなくなるので、そのインクの垂れ状況を
確認した。
【0054】
【表1】表から明らかなように、含浸率が0.5未満で
は、印面部を縦に置いたときのインクの片寄りによる濃
淡むらがひどく、また印刷耐久回数も低く、実用に適さ
ない。含浸率が1.5よりも大きいときには、穿孔時に
印面部に流出するインクの量が多く、多数回試し印刷を
しても、鮮明な印刷ができない。また製造時に枠部材2
6にインクが垂れることが頻繁に発生し、不良品が多
い。これも実用および製造に適さない。
【0055】含浸率がほぼ0.5〜1.5ならば、イン
クの片寄りによる濃淡むらや印刷耐久回数、穿孔時の試
し印刷回数、製造上のインク垂れがかなり改善され、実
用に耐えられるようになった。
【0056】含浸率がほぼ0.75〜1.25になる
と、インクの片寄りによる濃淡むらが100〜500回
くらいまで殆ど影響なくなり、試し印刷回数も数回程度
となり、耐久回数、製造上とも全く問題なくなる。実用
上十分な性能を備える。
【0057】さらに含浸率がほぼ0.9〜1.25にな
ると、インクの片寄りによる濃淡むらが500〜100
0回くらいまで影響なくなるとともに、耐久回数も一段
と向上し、実用上快適に使用できる性能となり、製造上
も全く問題ない。
【0058】次に、加熱穿孔装置50について説明す
る。
【0059】図9〜図11に示すように、加熱穿孔装置
50は、本体フレーム51と、本体フレーム51の前部
に設けられたキーボード52および表示装置例えば液晶
ディスプレイ53と、本体フレーム51の後部内に設け
られた加熱穿孔部54と、本体フレーム51内に設けら
れた制御手段すなわち制御ユニット等で構成されてい
る。
【0060】キーボード52には、入力手段例えば複数
の文字キーと複数の記号キーとを含む文字記号キー5
6、種々のファンクションキー(カーソル移動キー5
7、実行キー58、改行キー59、確定/終了キー6
0、取消キー61、削除キー62、シフトキー63、小
文字スイッチ64、文字種設定スイッチ65、穿孔スイ
ッチ66、等)、メインスイッチ67が設けられてい
る。液晶ディスプレイ53は、スタンプ体1で印刷する
印刷対象のパターンに相当する複数行の文字列を表示可
能に構成されている。
【0061】図11〜図19に示すように、加熱穿孔部
54には、サブフレーム70と、スタンプ体1を着脱自
在に装着するための穿孔用装着部71と、この穿孔用装
着部71に装着されたスタンプ体1の印面部33にドッ
ドパターン状に穿孔する加熱穿孔機構72等が設けられ
ている。
【0062】穿孔用装着部71について説明すると、図
14、図15、図17に示すように、サブフレーム70
の右側壁73には、スタンプ部3の前後方向幅が最大サ
イズのものを装着したスタンプ体1の下半分の側面形状
とほぼ同形の開口74が形成され、この開口74を開閉
する開閉扉75にはセクタギヤ76が固定的に設けら
れ、開閉扉75とセクタギヤ76は、図14において左
右方向向きの枢軸77により右側壁73に前後方向に回
動自在に枢着されている。サブフレーム70の上部に
は、前後1対の平行なガイド部材78,79が設けら
れ、これらガイド部材78,79の下端には、左右方向
に水平かつ平行に延びるガイド部80が相対向状に形成
されている。
【0063】前側のガイド部材78には、左右1対のロ
ーラ81が長穴をとおして図14における前後方向に小
距離移動可能に設けられ、これらローラ81は、スプリ
ング82により後側のガイド部材79へ向け付勢されて
いる。
【0064】前側のガイド部材78に一端を固定された
ガイドバー83は、ガイド部材78,79間の中間位置
において開口74へ向かって延びる。図14、18に示
すようにガイドバー83の右端部の上面には、右下がり
傾斜状のテーパー面84が形成され、また、ガイドバー
83の左端部には、スタンプ体1の左限界位置を規制す
る係止部85が形成されている。
【0065】スタンプ体1を開口74から挿入し、スタ
ンプ体1のホルダー部2の前後1対のガイド溝15に、
前後1対のガイド部80を係合させることで、スタンプ
体1が1対のガイド部80で支持され、スタンプ体1
は、1対のローラ81を介してスプリング82で後側の
ガイド部材79へ向け付勢されて前後方向位置が正確に
設定される。また、スタンプ体1が係止部85に当接
し、右側のローラ81がホルダー部2の係合凹部16に
係合した状態で、スタンプ体1の左右方向位置が正確に
設定される。
【0066】スタンプ体1を、穿孔用装着部71に装着
する際に、ガイドバー83が、スタンプ体1のガイド穴
18,44,44に亙って挿通され、これにより図19
のように、スカート部材6が、その下端を印面部33よ
りも上昇させた状態に保持される。
【0067】加熱穿孔機構72について説明すると、加
熱穿孔機構72は穿孔手段としてのサーマルヘッド90
と、そのヘッド90をスタンプ体1の印面部33に向け
て押圧する押圧手段および同印面部に沿って移動する移
動手段から構成される。
【0068】まずその移動手段について説明すると、図
11〜図19に示すように、穿孔用装着部71の下方に
おいて、サブフレーム70の右端壁73と左端壁86と
に亙って、サーマルヘッド90を搭載したキャリッジ8
7を案内するための左右方向に延びるガイドロッド8
8,89が架設されている。ロッド89には、サーマル
ヘッド90の位置を切換えるカム体91が回動不能かつ
軸方向へスライド自在に装着され、ロッド89はヘッド
切換えロッドとして、ヘッド90をスタンプ体1の印面
部33に向けて押圧する押圧手段の一部の機能をもつ。
【0069】キャリッジ87は、ガイドロッド88とヘ
ッド切換えロッド89とに、左右方向に移動自在に支持
され、キャリッジ87の前端部には、その移動方向に所
定の長さのラック92が形成されている。
【0070】サーマルヘッド90はヘッド放熱板94上
に固定されている。ヘッド放熱板94は、カム当接板9
3とともに、キャリッジ87に前後方向向きの支軸95
により上下揺動自在に装着されている。ヘッド放熱板9
4は、それに固定されたピン96に外装されたスプリン
グ97により、カム当接板93に対して上方へ押圧付勢
されている。
【0071】カム体91は、楕円形状に形成されて、カ
ム当接板93の下面に当接され、ヘッド切換えロッド8
9を回動させてカム体91を横向き姿勢にすると、サー
マルヘッド90はヘッド放熱板94とともに下方へ移動
しスタンプ体の印面部33から離れる。またカム体91
を立向き姿勢にすると、サーマルヘッド90は、カム当
接板93とスプリング97を介して、上方へ揺動して印
面部に近づく。つまりヘッド90は、押圧手段すなわち
ヘッド切換えロッド89、カム体91、カム当接板93
およびスプリング97の作用により印面部33に向け押
圧、あるいは印面部33から離隔される。
【0072】ヘッド切換えロッド89の右端部には、サ
ブフレーム70の右端壁73の外側において、セクタギ
ヤ76に噛合したギヤ98が設けられ、開閉扉75を開
くとカム体91が横向き姿勢となり、また、開閉扉75
を閉じるとカム体91が立て向き姿勢に切換えられる。
【0073】サブフレーム70の前壁99には、ステッ
ピングモータ100と、ラック92に噛合した駆動ギヤ
101と、ステッピングモータ100出力軸の出力ギヤ
102の回転を駆動ギヤ101に伝達する減速ギヤ機構
102とが付設されている。それ故、ステッピングモー
タ100の回転駆動力が駆動ギヤ101に減速して伝達
され、キャリッジ87を左右方向へ移動駆動することが
できる。
【0074】サーマルヘッド90は、通常のサーマルプ
リンタのサーマルヘッドと同様のもので、多数の発熱素
子のそれぞれが発熱することにより感熱フィルム28を
ドットパターン状に穿孔する。このサーマルヘッド90
には、図21に示すように、例えば、96個の発熱素子
103がキャリッジ87の移動方向とほぼ直角な方向に
1列に設けられている。この96個からなる発熱素子1
03の長さは、最大サイズのスタンプ部3の印面部33
の幅寸法とほぼ一致する。
【0075】次に、加熱穿孔機構72と液晶ディスプレ
イ53とを駆動制御する制御ユニット110を含む制御
系について説明する。
【0076】図20に示すように、制御ユニット110
には、キーボード52と、サーマルヘッド90と、キャ
リッジ送りモータ100と、液晶ディスプレイ53と、
スタンプ体1のスタンプ部3の有無と前後幅とを検知す
るための2つの近接スイッチ104,105とが接続さ
れている。
【0077】スタンプ体1のスタンプ部3は、本実施例
の場合、図13,図17に実線で図示の狭幅タイプと、
鎖線で図示の広幅タイプの2種類あり、2つの近接スイ
ッチ104,105は、図11、図13、図17に示す
ように、後側のガイド部材79の下面に固定された板片
106に付設され、近接スイッチ104,105によ
り、広幅タイプのスタンプ体1が検知され、また、近接
スイッチ104により、狭幅タイプのスタンプ体1が検
知される。
【0078】図20に示すように、制御ユニット110
には、CPU111と、ROM112と、データ記憶手
段すなわちRAM113と、穿孔用CG−ROM114
と、ディスプレイ53への表示のための表示用CG−R
OM115と、キーボード52及び近接スイッチ10
4,105に接続された入力インタフェース116と、
出力インタフェース117とが設けられ、これらはバス
118により相互に接続されている。更に、制御ユニッ
ト110には、出力インタフェース117に夫々接続さ
れた、ヘッド駆動回路119と、モータ駆動回路120
と、ディスプレイ駆動回路121とが設けられている。
【0079】ROM112には、この加熱穿孔装置50
の全体の作動を制御する制御プログラムを記憶したプロ
グラムメモリ122と、仮名・漢字変換等のための辞書
メモリ123が設けられている。
【0080】RAM113には、入力データを記憶する
入力バッファ124、穿孔用データを記憶する穿孔バッ
ファ125、シフトレジスタ126、その他種々のカウ
ンタやレジスタが設けられている。
【0081】穿孔用CG−ROM114には、穿孔対象
となる多数の文字のドットパターンデータがコードデー
タと対応付けて記憶され、また、表示用CG−ROM1
15には、穿孔対象となる多数の文字の表示用ドットパ
ターンデータがコードデータと対応付けて記憶されてい
る。
【0082】次に、ヘッド駆動回路119について説明
する。
【0083】図21に示すように、各発熱素子103の
一方の電極は、+12Vの電源端子127に夫々接続さ
れるとともに、他方の電極はドライバ128に夫々接続
されている。各ドライバ128の入力端子には、穿孔用
ストローブ入力端子130に入力側が接続されたインバ
ータ129の出力端子と、ラッチ信号入力端子131に
入力側が接続されたデータラッチ回路132の各出力端
子とが夫々接続されている。更に、データラッチ回路1
32の各入力端子には、クロック入力端子133とデー
タ入力端子134とに入力端子が接続されたシフトレジ
スタ135の各出力端子が夫々接続されている。
【0084】ヘッド駆動回路119において、シフトレ
ジスタ135は、穿孔用のデータがクロック信号に同期
して記憶され、その後、ラッチ信号がデータラッチ回路
132に供給されると、シフトレジスタ135において
記憶されたデータが対応するデータラッチ回路132に
出力されて記憶される。
【0085】これと同時に、そのデータが各ドライバ1
28に印加される。この状態において、穿孔用ストロー
ブ入力端子130から論理「0」の穿孔パルス信号がイ
ンバータ128の入力端子に印加されると、インバータ
128の出力端子から論理「1」の信号が出力され、各
ドライバ128の入力端子に印加される。
【0086】従って、データラッチ回路132のデータ
が論理「1」の場合には、ドライバ128の出力側は論
理「0」となり、それに対応する発熱素子103に電源
端子127から駆動電流が通電される。その際、発熱素
子103の表面温度が熱穿孔に適する温度となるよう
に、穿孔用ストローブ入力端子130に入力される穿孔
パルス信号のパルス幅が設定されている。
【0087】次に、加熱穿孔装置50を用いて、スタン
プ体1の印面部33に文字列のパターンを穿孔する穿孔
処理について説明する。
【0088】メインスイッチ67で電源投入すると、キ
ャリッジ送りモータ100を駆動してキャリッジ87を
ガイドロット88右端の初期位置へ移動させる等の初期
設定が実行される。キーボード52を操作することによ
り印刷内容の入力設定が実行されるが、この入力設定に
おいては、印面部のサイズ指定と、文字サイズや文字配
置の設定等を含む書式入力と、穿孔用文字列データの入
力バッファ124への入力とが実行される。
【0089】次に、スタンプ体1を開口74から穿孔用
装着部71に装着する。スタンプ体1を開口74から挿
入するのに伴って、ガイドバー83がスタンプ体1のガ
イド孔18,44,44に亙って挿通され、図18に示
すようにガイドバー83のテーパー面84に沿って門形
部43が上昇し、そして図19に示すようにスカート部
材6が、その下端が印面部33よりも上方へ位置する。
またスタンプ体1はガイドバー83の係止部85に当接
し、ホルダー部2の係合凹部16にローラ81が係合し
て穿孔用装着部71内の所定位置に配置される。そして
開閉扉75を図17の反時計方向へ回動させ閉操作を行
うと、セクタギヤ76が同方向に回動し、ヘッド切換ロ
ッド89をカム体91が立向き姿勢になる方向に回動す
る。すると、サーマルヘッド90がカム当接板93とス
プリング93を介して上方へ揺動し、図19に実線で示
すようにスタンプ体1の印面部33右端を押圧する穿孔
位置に配置される。
【0090】そして穿孔スイッチ66がON操作される
と、スタンプ体1が装着されているか否かと、入力した
印面部のサイズとスタンプ体1のサイズが適合している
か否かが判定され、異常ない場合にはスタンプ体1の印
面部33に穿孔処理が実行される。穿孔処理は、入力バ
ッファ124に入力されている書式と穿孔用文字列デー
タに基づいて穿孔用のドットパターンデータが作成さ
れ、穿孔バッファ125に格納される。この穿孔バッフ
ァ125に格納されているドットパターンデータに基づ
いて、サーマルヘッド90が駆動される。サーマルヘッ
ド90はスプリング97により印面部33押圧されなが
ら、同印面部に沿ってキャリッジ87により移動され
る。キャリッジ87はサーマルヘッド90が印面部33
から左方に外れる位置(図19に二点鎖線で示す位置)
まで、移動して停止するため、サーマルヘッド90で印
面部33を押圧し続けてインクの漏出を招くことがな
い。
【0091】以上のようにして感熱フィルム28にサー
マルヘッド90の加熱によりドットパターン状の穿孔が
行われる。このときインク保持体27は感熱フィルム2
8とともにサーマルヘッド90により押圧されて図22
の従来のものと同様に凹む、つまり局部的に圧縮されな
がらキャリッジ移動方向にしごかれるが、前述のように
インク保持体27に適正なインク量が含浸されているこ
とにより、感熱フィルム28の孔から漏出するインクは
僅かであり、少ない回数の試し印刷で、その余分なイン
クを除くことができる。
【0092】ここで、前記実施例の一部を次のように変
更することもできる。
【0093】1〕 穿孔用装着部71は、スタンプ体1
を側方より着脱自在に装着するように構成したが、上方
より着脱自在にしてもよい。
【0094】2〕 加熱用穿孔機構72は、スタンプ体
1を所定位置に保持した状態で、キャリッジ87を介し
てサーマルヘッド90を移動させつつ穿孔するように構
成したが、サーマルヘッド90を固定的に設け、スタン
プ体1を移動させつつ穿孔するように構成してもよい。
【0095】3〕 カム体91の代わりのソレノイドア
クチュエータを設け、そのアクチュエータによりサーマ
ルヘッド90の位置を切換えるように構成してもよい。
【0096】4〕 ラック92、駆動ギヤ101、減速
ギヤ機構102の代りに、ワイヤとプーリを介してキャ
リッジ87を左右方向に移動駆動するように構成しても
よい。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明は、インクと、そ
のインクを含浸保持する多孔性の弾性材料からなるイン
ク保持体と、ドットパターン状に熱穿孔される可撓性薄
膜材料からなる感熱フィルムとを備えたスタンプ部と、
前記スタンプ部を支持するスタンプ体と、このスタンプ
体の前記感熱フィルムにドットパターン状の穿孔を施す
加熱穿孔装置とを備えた感熱性孔版印刷装置において、
前記加熱穿孔装置は、前記スタンプ体を着脱自在に装着
する穿孔用装着部と、前記穿孔用装着部に装着された前
記スタンプ体の感熱フィルムにドットパターン状に穿孔
するサーマルヘッドを含む穿孔手段と、前記穿孔手段を
前記インク保持体とは反対側からそのインク保持体の弾
性に抗して前記感熱フィルムに押圧する押圧手段と、前
記押圧手段により押圧しながら前記ヘッドを前記感熱フ
ィルムに沿って前記スタンプ体と相対移動する移動手段
とを備え、かつインクを含浸する前のインク保持体内の
空孔部に対する、そのインク保持体に含浸したインクの
体積比、または、インクを含浸する前の前記インク保持
体内の空孔部体積に相当するそのインク保持体の重量に
対する、そのインク保持体に含浸したインクの重量比
を、ほぼ1.5以下に設定したことにより、インク保持
体へのわずかな圧縮力で、インク保持体に含浸したイン
クが過剰に流出することが少なくなり、感熱フィルムの
孔をとおして被印刷物へほぼ適正に転写することができ
る。
【0098】また上記比をほぼ0.5以上に設定するこ
とで、印刷の周期を十分に短くかつ印刷できる回数を多
くできる。しかも印面部を縦にした状態で長時間放置し
ても、含浸されているインクが重力により片寄って印刷
結果に濃淡むらを生じることを少なくできる。
【0099】また本発明は、上記構成においてインク保
持体をインク不透過性の剛性のある枠部材と感熱フィル
ムとで挟み、かつほぼ密封することで、インク保持体内
のインク含浸率を長期間維持できるとともに、印刷ため
の準備に際して取り扱いを容易にできる。
【0100】また本発明は、上記構成においてスタンプ
体に感熱フィルムおよびインク保持体を支持し、穿孔ヘ
ッドをインク保持体とは反対側からそのインク保持体の
弾性に抗して感熱フィルムに押圧して、感熱フィルムに
所望のドットパターン状に熱穿孔することで、使用者の
所望のスタンプを製作することができる。この穿孔の
際、インク保持体に圧縮力が作用するが、上記のように
インク含浸率を設定していることで、インク保持体に含
浸したインクが過剰に流出することを少なくし、その流
出したインクを除去するための初期の試し印刷の回数を
少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る感熱性孔版印刷装置のス
タンプ体の斜視図である。
【図2】スタンプ体の分解斜視図である。
【図3】スタンプ体の縦断正面図である。
【図4】スタンプ体の縦断側面図である。
【図5】スタンプ体の感熱フィルムの拡大断面図であ
る。
【図6】スタンプ部本体の製作方法を説明する斜視図で
ある。
【図7】被印刷物に印刷するときのスタンプ体の縦断正
面図である。
【図8】スタンプ体の印面部に穿孔するパターンの一例
を示す図である。
【図9】スタンプ装置の加熱穿孔装置の斜視図である。
【図10】加熱穿孔装置とスタンプ体の斜視図である。
【図11】加熱穿孔装置の平面図である。
【図12】加熱穿孔装置の部分切欠き正面図である。
【図13】加熱穿孔装置の部分切欠き縦断側面図であ
る。
【図14】加熱穿孔装置の加熱穿孔部の斜視図である。
【図15】加熱穿孔装置の加熱穿孔部の要部斜視図であ
る。
【図16】加熱穿孔機構の分解斜視図である。
【図17】加熱穿孔装置の加熱穿孔部の要部側面図であ
る。
【図18】穿孔用装着部に装着中のスタンプ体と加熱穿
孔部の縦断正面図である。
【図19】穿孔用装着部に装着後のスタンプ体と加熱穿
孔部の縦断正面図である。
【図20】感熱性孔版印刷装置の制御系のブロック図で
ある。
【図21】ヘッド駆動回路の電気回路図である。
【図22】スタンプ部本体の従来のものの作用を説明す
る拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 スタンプ体 2 ホルダー部 3 スタンプ部 4 スタンプ部本体 5 外周保持部材 26 枠部材 27 インク保持体 28 感熱フィルム 33 印面部 50 加熱穿孔装置 52 キーボード 71 穿孔用装着部 72 加熱穿孔機構 110 制御ユニット 111 CPU 112 ROM 113 RAM 114 穿孔用CG−ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−22962(JP,A) 特開 平4−226778(JP,A) 実開 平5−74833(JP,U) 実開 平5−93846(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41C 1/055 B41K 1/32 B41K 1/50 - 1/52 B41L 13/02 B41L 13/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクと、そのインクを含浸保持する多
    孔性の弾性材料からなるインク保持体と、ドットパター
    ン状に熱穿孔される可撓性薄膜材料からなる感熱フィル
    ムとを備えたスタンプ部と、 前記スタンプ部を支持するスタンプ体と、 このスタンプ体の前記感熱フィルムにドットパターン状
    の穿孔を施す加熱穿孔装置とを備えた 感熱性孔版印刷装
    置において、前記加熱穿孔装置は、 前記スタンプ体を着脱自在に装着する穿孔用装着部と、 前記穿孔用装着部に装着された前記スタンプ体の感熱フ
    ィルムにドットパターン状に穿孔するサーマルヘッドを
    含む穿孔手段と、 前記穿孔手段を前記インク保持体とは反対側からそのイ
    ンク保持体の弾性に抗して前記感熱フィルムに押圧する
    押圧手段と、 前記押圧手段により押圧しながら前記ヘッドを前記感熱
    フィルムに沿って前記スタンプ体と相対移動する移動手
    段と、 を備え、 インクを含浸する前の前記インク保持体内の空孔部に対
    する、そのインク保持体に含浸したインクの体積比を、
    1.5以下に設定したことを特徴とする感熱性孔版印刷
    装置。
  2. 【請求項2】 インクと、そのインクを含浸保持する多
    孔性の弾性材料からなるインク保持体と、ドットパター
    ン状に熱穿孔される可撓性薄膜材料からなる感熱フィル
    ムとを備えたスタンプ部と、 前記スタンプ部を支持するスタンプ体と、 このスタンプ体の前記感熱フィルムにドットパターン状
    の穿孔を施す加熱穿孔装置とを備えた 感熱性孔版印刷装
    置において、前記加熱穿孔装置は、 前記スタンプ体を着脱自在に装着する穿孔用装着部と、 前記穿孔用装着部に装着された前記スタンプ体の感熱フ
    ィルムにドットパターン状に穿孔するサーマルヘッドを
    含む穿孔手段と、 前記穿孔手段を前記インク保持体とは反対側からそのイ
    ンク保持体の弾性に抗して前記感熱フィルムに押圧する
    押圧手段と、 前記押圧手段により押圧しながら前記ヘッドを前記感熱
    フィルムに沿って前記スタンプ体と相対移動する移動手
    段と、 を備え、 インクを含浸する前の前記インク保持体内の空孔部体積
    に相当するそのインク保持体の重量に対する、そのイン
    ク保持体に含浸したインクの重量比を、1.5以下に設
    定したことを特徴とする感熱性孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の感熱性孔版印
    刷装置において、さらに前記の比を、0.5以上に設定
    したことを特徴とする感熱性孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の感熱性
    孔版印刷装置において、 前記インク保持体はポリウレタン発泡体からなることを
    特徴とする感熱性孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の感熱性
    孔版印刷装置において、 前記感熱フィルムは厚さ1〜4μmの熱可塑性フィルム
    からなることを特徴とする感熱性孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の感熱性
    孔版印刷装置において、 さらに前記感熱フィルムと共同して前記インク保持体を
    挟むインク不透過性の剛性のある枠部材を備え、その枠
    部材の周囲に前記感熱フィルムの周囲を固着して前記イ
    ンク保持体をほぼ密封したことを特徴とする感熱性孔版
    印刷装置。
JP07013714A 1995-01-31 1995-01-31 テープ作成装置 Expired - Fee Related JP3097483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07013714A JP3097483B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 テープ作成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07013714A JP3097483B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 テープ作成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08197822A JPH08197822A (ja) 1996-08-06
JP3097483B2 true JP3097483B2 (ja) 2000-10-10

Family

ID=11840918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07013714A Expired - Fee Related JP3097483B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 テープ作成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3097483B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916945B2 (ja) * 1978-08-07 1984-04-18 バンドー化学株式会社 含インク印材
JP3010745B2 (ja) * 1990-12-29 2000-02-21 ブラザー工業株式会社 スタンプ装置
JP2582728Y2 (ja) * 1992-01-20 1998-10-08 ブラザー工業株式会社 感熱性孔版原紙
JPH0593846U (ja) * 1992-05-27 1993-12-21 ブラザー工業株式会社 孔版印刷用原板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08197822A (ja) 1996-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2900809B2 (ja) スタンプユニット
JPH07285255A (ja) 孔版印刷用原板
JP2856055B2 (ja) スタンプ装置
JP3224934B2 (ja) スタンプ装置
JP3097483B2 (ja) テープ作成装置
JP3008783B2 (ja) スタンプ装置
JP2924646B2 (ja) スタンプ装置
JP3366831B2 (ja) スタンプ装置
JP3028785B2 (ja) スタンプ体用加熱穿孔装置
JP3139421B2 (ja) スタンプ作成装置
JP3045240U (ja) スタンプ体
JP3125650B2 (ja) 孔版印刷用原板
JP2959397B2 (ja) 孔版印刷用原板
JP3224676B2 (ja) スタンプ装置
JP2988301B2 (ja) スタンプユニット
JP3028729B2 (ja) スタンプ装置
JP3060822B2 (ja) スタンプ装置
JP3304199B2 (ja) 加熱穿孔装置
JP3163895B2 (ja) スタンプユニット
JP2894212B2 (ja) スタンプ装置
JP3951343B2 (ja) スタンプ装置及びスタンプ体
JP3033461B2 (ja) スタンプ作成用の加熱穿孔装置
JP2001096709A (ja) スタンプ作成装置
JPH09277681A (ja) 加熱穿孔装置
JPH10287031A (ja) スタンプ体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080811

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090811

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100811

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130811

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees