JP3033461B2 - スタンプ作成用の加熱穿孔装置 - Google Patents

スタンプ作成用の加熱穿孔装置

Info

Publication number
JP3033461B2
JP3033461B2 JP7013701A JP1370195A JP3033461B2 JP 3033461 B2 JP3033461 B2 JP 3033461B2 JP 7013701 A JP7013701 A JP 7013701A JP 1370195 A JP1370195 A JP 1370195A JP 3033461 B2 JP3033461 B2 JP 3033461B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
stamp
range
thermal head
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7013701A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08197701A (ja
Inventor
弘 高見
比呂志 平
稔 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP7013701A priority Critical patent/JP3033461B2/ja
Publication of JPH08197701A publication Critical patent/JPH08197701A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3033461B2 publication Critical patent/JP3033461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク体の表面を感熱
性孔版原紙で覆って印面部を構成したスタンプ体の印面
部に対し、サーマルヘッドによってドット状に加熱穿孔
してスタンプを作成するための加熱穿孔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インク体の表面を感熱性孔版原紙
で覆って印面部を構成したスタンプ体の印面部に対し、
サーマルヘッドによってドット状に加熱穿孔してスタン
プを作成するための加熱穿孔装置に関して種々出願され
ている。
【0003】例えば、本願出願人は、特願平5−329
657号の出願において、スタンプ体およびこのスタン
プ体の印面部に穿孔を形成する加熱穿孔装置とからなる
スタンプ装置を提案した。このスタンプ体の孔版印刷用
原板は、インク体とそのインク体の表面を固定的に覆い
印面部を構成する感熱性孔版原紙とを備えている。孔版
印刷用原板が簡単な小型・軽量な構成となり、また感熱
性孔版原紙がインク体の表面を固定的に覆うように構成
したので、印面部以外へインクが漏出することがない。
そして、インク体をインクを含浸させた含浸体で構成す
る場合には、長期間にわたって、印刷時にインクを過不
足なく供給できるのである。
【0004】一方、加熱穿孔装置は、スタンプ体を着脱
自在に装着するための穿孔用装着部と、装着したスタン
プ体の感熱性孔版原紙の印面部にドット状に穿孔するサ
ーマルヘッドと、文字や記号を入力するためのキーボー
ドと、その入力手段から入力された入力データを記憶す
るデータ記憶手段と、入力データに基づいて、上記スタ
ンプ体の印面部の長手方向に沿ってサーマルヘッドが相
対的に摺動するように移動させる移動制御、及びサーマ
ルヘッドへの通電時間を制御して穿孔動作を行わせる穿
孔制御を行わせる制御手段とを備えている。
【0005】このスタンプ装置によれば、加熱穿孔装置
によりスタンプ体の印面部に所望の文字列のパターンを
穿孔できるので、適宜必要に応じて、印面部に異なるパ
ターンを穿孔することができ、また、印刷の際、スタン
プ体の内部のインク体から印面部にインクが自動的に供
給されるため、印面部に外部のインクを塗布することな
く印刷できる。そのため、所望の文字列等のパターンを
用紙に多数回にわたって印刷することのできるスタンプ
が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サーマルヘ
ッドの抵抗値R(サーマルヘッド中の発熱素子の平均抵
抗値をこのように呼ぶこととする。)は、製造時のばら
つきによって±15%程度の誤差を生じていた。例えば
標準値を700オームとして製造したものが、695〜
805オーム程度の範囲にばらつくのである。一方、サ
ーマルヘッドが感熱性孔版原紙を穿孔する場合の印加エ
ネルギEは、印加電力Wと通電時間Tの積で表される
(E=W×T)。そして、印加電力Wは、印加電圧Vと
サーマルヘッドの抵抗値Rを用いてW=V2/Rと表さ
れる。
【0007】ここで、印加電圧Vは一定であるから、サ
ーマルヘッドの抵抗値Rにばらつきがあると印加電力W
がばらついてしまい、通電時間Tを一定にすると、結果
として印加エネルギEがばらついてしまう。印加エネル
ギEは感熱性孔版原紙を穿孔するためのエネルギであ
り、この穿孔エネルギが大きいと、穿孔される穴が大き
すぎたり、感熱性孔版原紙を構成する物質が溶融されて
サーマルヘッドの発熱素子に付着する現象(以下これを
「融着」という。)が生じ、その付着度合によっては穿
孔が不可能になったりする。また穿孔エネルギが小さい
と、穴が穿孔されないこともある。
【0008】このような印加エネルギEのばらつきに対
して、従来は、使用するサーマルヘッドの抵抗値Rを所
定範囲毎に区切ってランク分けし、各ランクにおける平
均の印加エネルギEが一定になるように、各ランクに対
応する通電時間Tを設定していた。つまり、抵抗値Rが
標準値である場合の印加エネルギEと同じになるよう、
抵抗値Rのばらつきに応じた通電時間Tを設定していた
のである。なお、各ランク内で通電時間Tは一定にする
ので、当然各ランクの上限値と下限値とでは対応する印
加エネルギEに多少の差は生じるが、このようにランク
分けすることで、全体としての印加エネルギEのばらつ
きがすくなくなるのである。
【0009】しかしながら、印加エネルギEを一定にす
るような設定では、次のような不都合が生じることが判
った。 印加電力Wが小さい、つまり抵抗値Rが大きいサーマ
ルヘッドにおいては穿孔される穴の大きさが相対的に小
さく、場合によっては穴があかないこともある。 一方、印加電力Wが大きい、つまり抵抗値Rが小さい
サーマルヘッドにおいては、上述した融着の発生が頻繁
になり、付着物がサーマルヘッドを覆って結果的に穿孔
できなくなることもある。
【0010】そして、これら,の不都合は、穿孔対
象である感熱性孔版原紙が相対的に厚い場合には顕著に
なる。そこで、本発明は、サーマルヘッドの発熱素子の
抵抗値のばらつきによる穿孔不良を適切に防止できるス
タンプ作成用の加熱穿孔装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに成された請求項1に記載の発明は、インク体および
そのインク体の表面を固定的に覆って印面部を構成する
感熱性孔版原紙を含む孔版印刷用原板を備えたスタンプ
体を着脱自在に装着するための穿孔用装着部と、文字や
記号を入力するための入力手段と、その入力手段から入
力された入力データを記憶するデータ記憶手段と、上記
穿孔用装着部に装着された上記スタンプ体の印面部に対
してドット状に穿孔するサーマルヘッドを含む穿孔手段
と、上記データ記憶手段からの入力データに基づいて、
上記穿孔用装着部に装着された上記スタンプ体の印面部
の長手方向に沿って上記サーマルヘッドが相対的に摺動
するように移動させる移動制御、及び穿孔のための印加
エネルギが上記サーマルヘッドへの印加電力と通電時間
との積で与えられる場合の該通電時間を制御して穿孔動
作を行わせる通電時間制御を行う制御手段とを備えたス
タンプ作成用の加熱穿孔装置において、上記装着可能な
サーマルヘッドに応じた印加電力の上下限値の間を複数
の電力範囲に分割し、その各電力範囲に対応した通電時
間を記憶しておく通電時間記憶手段を備えており、上記
制御手段は、現在装着されているサーマルヘッドに応じ
た印加電力の属する上記電力範囲に対応した通電時間を
上記通電時間記憶手段より読み出して、上記通電時間制
御を行なうものであって、上記通電時間記憶手段に記憶
されている上記複数の電力範囲に対応する各通電時間
は、上記電力範囲が印加電力の大きくなる方向にいくに
つれて、対応する印加エネルギが小さくなるような時間
に設定されていることを特徴とする加熱穿孔装置であ
る。
【0012】なお、上記制御手段による移動制御は、穿
孔用装着部に装着されたスタンプ体の印面部の長手方向
に沿ってサーマルヘッドが相対的に摺動するように移動
させるのであるが、これは、スタンプ体を固定しておい
てサーマルヘッドの方を移動させながら穿孔してもよい
し、逆に、サーマルヘッドを固定的に設け、スタンプ体
の方を移動させつつ穿孔するようにしてもよい。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の加熱穿孔装置において、上記通電時間がそれぞれ
設定されている電力範囲は、印加電力が相対的に小さい
側では分割範囲が大きく、印加電力が相対的に大きい側
では分割範囲が小さくなるように分割されていることを
特徴とする加熱穿孔装置である。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載の加熱穿孔装置において、上記複数の電力範囲に対
応する各通電時間は、上記電力範囲が印加電力の大きく
なる方向にいくにつれて、対応する印加エネルギが小さ
くなるような時間に設定されていると共に、数式:E=
A×W+B×W2 =W×T(但し、Eは印加エネルギ、
Wは印加電力、Tは通電時間、A,Bは定数)に基づい
て設定されていることを特徴とする加熱穿孔装置であ
る。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の加熱穿孔装置において、上記サーマルヘ
ッドを構成する1つの発熱素子によって穿孔された穴
が、該発熱素子の大きさに対して0.9〜2.0倍とな
るような上記印加エネルギに対応して、上記通電時間が
設定されていることを特徴とする加熱穿孔装置である。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載の加熱穿孔装置において、上記制御手段
は、上記通電時間記憶手段が、上記スタンプ体の備え得
る上記感熱性孔版原紙の厚み毎に、上記各電力範囲に対
応した通電時間テーブルを記憶しており、上記制御手段
は、穿孔対象となるスタンプ体の感熱性孔版原紙の厚み
に基づく通電時間テーブル中から、現在装着されている
サーマルヘッドの取る印加電力の属する上記電力範囲に
対応した通電時間を上記通電時間記憶手段より読み出
し、上記通電時間制御を行なうことを特徴とする加熱穿
孔装置である。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項1記載の加
熱穿孔装置において、上記通電時間がそれぞれ設定され
ている電力範囲は、その電力範囲に対応する抵抗値範囲
でみた場合に、抵抗値が相対的に大きい側では分割範囲
が大きく、抵抗値が相対的に小さい側では分割範囲が小
さくなるように分割されていることを特徴とする加熱穿
孔装置である。
【0018】
【作用および発明の効果】上記構成を有する請求項1に
記載の加熱穿孔装置によれば、スタンプ体を穿孔用装着
部に装着した状態において、入力手段から文字や記号が
入力されると、その入力データがデータ記憶手段に記憶
され、制御手段は、データ記憶手段から入力データを受
けてサーマルヘッドを含む穿孔手段に対する移動制御お
よび通電制御を行い、スタンプ体の印面部にドット状に
穿孔する。
【0019】このようにして印面部を穿孔したスタンプ
体を加熱穿孔装置の穿孔用装着部から取り出し、孔版印
刷用原板を用紙の表面に押圧すると、孔版印刷用原板の
インク体のインクが、印面部を構成する感熱性孔版原紙
の穿孔からにじみ出すので、入力された文字列等のパタ
ーンが用紙に印刷されることとなる。
【0020】ここで、本発明の制御手段は、穿孔用装着
部に装着されたスタンプ体の印面部の長手方向に沿って
サーマルヘッドが相対的に摺動するように移動させなが
ら、サーマルヘッドへの通電時間を制御して穿孔動作を
行わせるものである。この通電時間を制御することで、
その通電時間と印加電力との積で穿孔のための印加エネ
ルギが与えられる。
【0021】そして、通電時間記憶手段は、装着可能な
サーマルヘッドに応じた印加電力の上下限値の間を複数
の電力範囲に分割し、その各電力範囲に対応した通電時
間を記憶しており、制御手段による通電制御は、現在装
着されているサーマルヘッドに応じた印加電力の属する
電力範囲に対応した通電時間を通電時間記憶手段より読
み出して行なう。このような通電制御に用いられる複数
の電力範囲に対応する各通電時間は、電力範囲が印加電
力の大きくなる方向にいくにつれて、対応する印加エネ
ルギが小さくなるような時間に設定されて通電時間記憶
手段に記憶されているのである。
【0022】これにより、以下のような効果を奏する。
まず従来の場合を簡単に繰り返して説明しておく。サー
マルヘッドの平均抵抗値Rにばらつきがあると印加電力
Wがばらついてしまい、通電時間Tを一定にすると、結
果として印加エネルギEがばらついてしまう。印加エネ
ルギEは感熱性孔版原紙を穿孔するためのエネルギであ
り、この穿孔エネルギが大きいと、穿孔される穴が大き
すぎたり、融着が生じ、その付着度合によっては穿孔が
不可能になったりする。また穿孔エネルギが小さいと、
穴が穿孔されないこともある。
【0023】このような印加エネルギEのばらつきに対
して、従来は、使用するサーマルヘッドの抵抗値Rを所
定範囲毎に区切ってランク分けし、各ランクにおける平
均印加エネルギEが一定になるように、各ランクに対応
する通電時間Tを設定していた。
【0024】しかしながら、平均印加エネルギEを一定
にするような設定では、印加電力Wが小さい、つまり
平均抵抗値Rが大きいサーマルヘッドにおいては、穿孔
される穴の大きさが相対的に小さく、場合によっては穴
があかない(「ヌケ」が生じる)こともあり、一方、
印加電力Wが大きい、つまり平均抵抗値Rが小さいサー
マルヘッドにおいては、上述した融着の発生が頻繁にな
り、付着物がサーマルヘッドを覆って結果的に穿孔でき
なくなることもあった。つまり、穿孔のためのエネルギ
の総量は一定であるが、印加電力W、つまり単位時間当
りのエネルギにばらつきがあるため、これを考慮せずに
単に穿孔のためのエネルギとして印加エネルギえを一定
にしただけでは、上記,の不都合が生じるのであ
る。
【0025】それに対して、本発明によれば、複数の電
力範囲(上記従来におけるランクに相当する。)に対応
する各通電時間Tを、電力範囲が印加電力Wの大きくな
る方向にいくにつれて、対応する印加エネルギEが小さ
くなるような時間に設定しているため、印加電力Wが小
さい(つまり抵抗値が大きい)場合には印加エネルギE
が相対的に大きくなるようにし、また印加電力Wが大き
い(つまり抵抗値が小さい)場合には印加エネルギEが
相対的に小さくなるようにしている。そのため、上記
の「ヌケ」が生じることもの融着の発生を防止あるい
は減少させ、穿孔不良を適切に防止することができるの
である。
【0026】また、請求項2に記載の発明では、上記通
電時間がそれぞれ設定されている電力範囲は、印加電力
が相対的に小さい側では分割範囲が大きく、印加電力が
相対的に大きい側では分割範囲が小さくなるように分割
されている。電力範囲の分割については、装着可能なサ
ーマルヘッドに応じた印加電力の上下限値の間を複数に
分割すればよく、例えば等分割することが考えられる
が、本発明のように印加電力が相対的に小さい側では分
割範囲が大きく、印加電力が相対的に大きい側では分割
範囲が小さくなるように分割すれば、融着やヌケの発生
を防止する点で有利である。
【0027】あるいは、請求項6記載のように、上記通
電時間がそれぞれ設定されている電力範囲を、その電力
範囲に対応する抵抗値範囲でみた場合には、抵抗値が相
対的に大きい側では分割範囲が大きく、抵抗値が相対的
に小さい側では分割範囲が小さくなるように分割するこ
とが考えられる。電力範囲に対応する抵抗値範囲でみた
場合の抵抗値の分割については、装着可能なサーマルヘ
ッドに応じた抵抗値の上下限値の間を例えば等分割する
ことが考えられるが、本発明のように抵抗値が相対的に
大きい側では抵抗値範囲の分割範囲を大きく、抵抗値が
相対的に小さい側では抵抗値範囲の分割範囲が小さくな
るように分割すれば、やはり融着やヌケの発生を防止す
る点で有利である。
【0028】この融着やヌケの発生を防止する点で有利
であることについて補足する。請求項2では印加電力そ
のもので見ており、請求項6ではその印加電力を発生す
る源となる抵抗値で見ている。以下の説明では、主に請
求項6の抵抗値でみた場合について説明する。
【0029】上述したように、抵抗値範囲を設定する場
合に、抵抗値の上下限値の間を等分割すると、その抵抗
値範囲に対応する印加電力の範囲は、印加電力が相対的
に小さい側では分割範囲が小さく、印加電力が相対的に
大きい側では分割範囲が大きくなり、そのため、印加電
力が相対的に小さい側では印加エネルギの上下限値の差
は小さくなる。したがって、印加電力が相対的に小さい
側の抵抗値範囲に属するサーマルヘッドを用いた場合に
は融着やヌケが発生し難いが、印加電力が相対的に小さ
い側の抵抗値範囲に属するサーマルヘッドを用いた場合
には融着やヌケが発生し易くなってしまう。
【0030】分割数を多くすることにより印加エネルギ
の上下限値の差を小さくする方法もあるが、分割数を多
くするとサーマルヘッドを抵抗値に基づいてランク分け
する際の手間が増えるだけでなく、設定する通電時間の
データの数も多く、複雑となるため好ましくない。そこ
で、抵抗値の分割については、抵抗値が相対的に大きい
側では分割範囲が大きく、抵抗値が相対的に小さい範囲
では分割範囲が小さくなるようにすれば良く、例えば分
割された抵抗値の範囲によって決定する印加電力の範囲
が、ランクによらず一定になるように設定することによ
り、各ランクの印加エネルギの上下限値の差がランクに
よって大きくばらつくことが無くなる。このため、ラン
クによって融着やヌケの発生状態が著しく異なるという
ことはなくなり、どのランクのサーマルヘッドでも同じ
ように、融着やヌケの発生し難い状態での穿孔が可能と
なる。
【0031】また、例えば融着について考えてみると、
印加電力が大きくなるにつれて融着度合も大きくなるの
ではなく、印加電力が小さい側ではほとんど融着がない
が、印加電力が大きい側にいくと、急に融着度合が大き
くなる傾向にあることが判った。そこで、印加電力の相
対的に小さい側では、抵抗値の分割範囲を、等分割した
場合より大きく取り、印加電力の相対的に大きい側で
は、抵抗値の分割範囲を等分割した場合より小さく取る
ことによって、分割数を増やすことなく、且つどのラン
クのサーマルヘッドでも融着やヌケの発生し難い状態で
の穿孔が可能となる。
【0032】次に、請求項3記載の発明によれば、複数
の電力範囲に対応する各通電時間は、電力範囲が印加電
力の大きくなる方向にいくにつれて、対応する印加エネ
ルギが小さくなるような時間に設定されていると共に、
数式:E=A×W+B×W2=W×T(但し、Eは印加
エネルギ、Wは印加電力、Tは通電時間、A,Bは定
数)に基づいて設定されている。
【0033】複数の電力範囲に対応する各通電時間T
を、電力範囲が印加電力Wの大きくなる方向にいくにつ
れて、対応する印加エネルギEが小さくなるような時間
に設定する方法としては、例えば比例して小さくする方
法もある。しかし、上述したように、例えば融着につい
ては、印加電力Wが大きくなるにつれて比例して融着度
合も大きくなるのではなく、印加電力Wが小さい側では
ほとんど融着がなく、印加電力Wが大きい側にいくと、
急に融着度合が大きくなるような傾向にあることが判っ
た。
【0034】そこで、上記数式:E=A×W+B×W2
=W×Tを満たすような通電時間Tを設定することで、
各電力範囲に対応する通電時間が、上に凸の放物線状に
変化するようにでき、融着防止の点等においてもより有
利であり、穿孔不良をより適切に防止できるのである。
上に凸の放物線とするために、上記定数A,Bは、それ
ぞれ正の定数Aと負の定数Bとされる。
【0035】一方、請求項4記載の発明によれば、サー
マルヘッドを構成する1つの発熱素子によって穿孔され
た穴が、発熱素子の大きさに対して0.9〜2.0倍と
なるような印加エネルギに対応して、上記通電時間が設
定されている。この0.9倍は上記の「ヌケ」を防止
する下限の目安であり、2.0倍は上記の「融着」を
防止する上限の目安であり、これらの範囲に収まるよう
に考慮すれば、良好な穿孔が行えるということである。
【0036】なお、この発熱素子の大きさに対して0.
9〜2.0倍という点について補足すると、この倍率は
例えば発熱素子の配列方向への長さに対しての倍率とす
ることが好ましい。これは、例えばサーマルヘッドに1
ラインの発熱素子群が設けられている場合に、発熱素子
の配列方向へは穿孔がされ易いが、それと直交する方向
には穿孔がされ難く、発熱素子の配列方向へ細長く穿孔
される傾向にあることを考慮したものである。
【0037】また、請求項5記載の発明によれば、通電
時間記憶手段が、スタンプ体の備え得る感熱性孔版原紙
の厚み毎に、各電力範囲に対応した通電時間テーブルを
記憶している。そして、制御手段による通電時間制御
は、穿孔対象となるスタンプ体の感熱性孔版原紙の厚み
に基づく通電時間テーブルであって、現在装着されてい
るサーマルヘッドの取る印加電力の属する電力範囲に対
応した通電時間を通電時間記憶手段より読み出して行な
う。
【0038】従来の問題として、上記の「ヌケ」や
の「融着」を示し、それを防止して適切な穿孔ができる
ようにしたことが本発明の目的であるが、感熱性孔版原
紙の厚みの違いによっても、「ヌケ」や「融着」の生じ
る度合も変わってくる。そのため、その厚み毎に、各電
力範囲に対応した通電時間テーブルを記憶しておくこと
で、より適切な穿孔が実現できる。
【0039】なお、仮に感熱性孔版原紙として融点が異
なるものも使用する場合には、上記厚みだけでなく、そ
の融点の違いも考慮する必要がある。その場合には、融
点に基づいて分類した感熱性孔版原紙の種類に応じた通
電時間テーブルあるいは補正係数等を記憶しておき、そ
れを用いて通電時間制御を実行すればよい。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は一実施例としてのスタンプ作成用の
加熱穿孔装置の概略斜視図である。本実施例に係る加熱
穿孔装置50は、スタンプ体1に対して所定の穿孔処理
を行いスタンプを作成するためのもので、最初にスタン
プ体1について説明する。
【0041】図2〜図4に示すように、スタンプ体1
は、手で握るための把持部2と、この把持部2に固定的
に連結されるスタンプ部3と、スタンプ部3の外周側を
覆うスカート部材6と、スタンプ部3に着脱自在に装着
される保護キャップ7とから構成されている。
【0042】前記把持部2は、金属又は合成樹脂材料か
らなる下端開放の直方体状の中空体で構成され、その頂
部にはラベル10を貼付するための凹部11が形成さ
れ、把持部2の前壁12と後壁13の下端部には、夫々
下方へ突出する1対の係合爪14が設けられている。ま
た、把持部2の前壁12と後壁13の下部にはガイド溝
15が形成され、前壁12には係合凹部16が形成さ
れ、左側壁17にはガイド穴18が形成され、把持部2
内部において上壁19の下面の中央部にはバネ支持部2
0が形成されている。
【0043】前記スタンプ部3は、スタンプ部本体4
と、このスタンプ部本体4が下方より挿入して固定され
且つスタンプ部本体4の外周側の上部約2/3部分を覆
い且つ把持部2の4つの係合爪14に係合して把持部2
に固定された外周保持部材5とで構成されている。
【0044】そしてスタンプ部本体4は、下面側に浅い
凹部25を備え直方体状で中空状の合成樹脂製の基部材
26と、この基部材26の凹部25に装着される含浸体
27であって油性インクを含浸させた含浸体27と、含
浸体27の下面と基部材26の外周側を覆い接着剤29
にて基部材26の外周面に接着された感熱性孔版原紙2
8とから構成されている。なお、含浸体27は接着剤等
により基部材26の凹部25に接着してもよい。
【0045】また前記基部材26は、油性インクに接触
する関係上、耐油性に優れる合成樹脂材料(例えば、塩
化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタ
ール、ポリエチレンテレフタレート等)又は金属材料で
構成され、この基部材26の凹部25に含浸体27を装
着することで含浸体27の位置ズレを防止でき、含浸体
27からのインクの流出を防止できる。
【0046】前記含浸体27は、合成樹脂材料(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリウレタン、アクリルニトリルブタジエ
ンゴム等)の弾力性のある発泡体又は不織布からなり、
この含浸体27には油性インクが飽和状態に含浸されて
おり、この含浸体27に圧力が付加されるとインクがに
じみ出すようになっている。
【0047】一方、前記感熱性孔版原紙28は、熱可塑
性フィルムと多孔性支持体とこれらを接着する接着剤層
とで構成されている。前記熱可塑性フィルムは、厚さ1
〜4μm、好ましくは2μmの熱可塑性合成樹脂材料
(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体等)のフィル
ムで構成されている。
【0048】厚さ1μm未満のものは製造コストが高価
で強度も弱く実用性に欠けるため実用的でなく、また、
厚さ4μm以上のものは厚すぎるために、定格出力が5
0mJ/mm2 程度の一般のサーマルヘッドでは穿孔で
きない。前記多孔性支持体は、天然繊維(例えは、マニ
ラ麻、こうぞ、みつまた等)、合成繊維(例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリルニトリル等)、又はレーヨン等の半合成繊維を
主原料とした多孔性薄葉紙で構成されている。
【0049】前記含浸体27の表面(図4では下面)に
密着した感熱性孔版原紙28の部分が印面部33を構成
している。前記のように、感熱性孔版原紙28の外周側
部分を、基部材26の外周面に接着する構成を採用した
ため、スタンプ部3の下面のほぼ全域にわたり印面部3
3を形成することができた。その結果、印刷する際の位
置決めが簡単化する。
【0050】前記感熱性孔版原紙28の外周側部分を、
基部材26の外周面に接着するために、感熱性孔版原紙
28の外周側部分に予め接着剤層29を形成しておいて
もよいし、又は基部材26の外周面に接着剤層29を予
め形成しておいてもよいし、又は感熱性孔版原紙28の
外周側部分と基部材26の外周面の両方に接着剤層29
を予め形成しておいてもよい。
【0051】図3、図4に示すように、前記外周保持部
材5は、スタンプ部本体4が内嵌状に接着される平面視
矩形状の外周壁部34と、上壁部35と、この上壁部3
5から所定高さ突出する左右1対の係合壁部36とで構
成されている。前記左右1対の係合壁部36には、把持
部2の4つの係合爪14に対応する係合孔37が形成さ
れ、左右1対の係合壁部36は、スカート部材6の上壁
部41の左右1対の矩形穴42に、下方より上下方向に
スライド自在に挿入され、これら係合壁部36の4つの
係合穴37に、前記4つの係合爪14を上方より係合さ
せ、且つ係合壁部36の上端を把持部2の下端に当接さ
せることにより、外周保持部材5は把持部2に固定され
ている。
【0052】また前記スカート部材6は、図3、図4に
示すように、外周保持部材5の外周壁部34が上下方向
にスライド自在に内嵌される平面視矩形状の外周壁部4
0と、その上端の上壁部41であって、外周保持部材5
の上壁部35の上側に位置する上壁部41と、この上壁
部41の中央部から所定高さ上方へ突出して把持部2内
へ挿入される門形部43と、この門形部43の上端の中
央部に突設されたバネ支持部45等で構成されている。
そして、前記門形部43の左右の壁部の下部には、該両
壁部を貫通するように、前記ガイド穴18に対応する前
後方向位置においてガイド穴44が形成されている。
【0053】前記把持部2のバネ支持部20とスカート
部材6のバネ支持部45には、把持部2に対して、スカ
ート部材6を下方へ付勢する圧縮スプリング21が装着
され、スカート部材6は、図4に示す基準位置と所定の
上昇位置とにわたって昇降自在に構成され、スカート部
材6はスプリング21により基準位置の方へ付勢されて
いる。なお、保護キャップ7を着脱するためと印面部3
3の位置決めのために、スカート部材6の外周壁部40
の4面の中央部の下端部は、部分的に切り欠かれてい
る。
【0054】上記基準位置のとき、スカート部材6の上
壁部41は外周保持部材5の上壁部35に当接して、ス
カート部材6の下端が印面部33よりも低く突出し、ま
た、第2位置のとき、スカート部材6の上壁部41は外
周保持部材5の上壁部35と、把持部2の下端との間に
位置してスカート部材6の下端が印面部33と同レベル
に位置し、また、上昇位置のとき、スカート部材6の上
壁部41は把持部2の下端に当接して、スカート部材6
の下端が印面部33よりも上方に位置する。
【0055】前記保護キャップ7は、スタンプ部本体4
の下端側を着脱自在に覆って保護するためのもので、そ
の外周壁部48は、外周保持部材5の外周壁部34と、
平面視にて同形状に形成され、この保護キャップ7は、
スカート部材6の外周壁部40に内嵌させて支持され
る。
【0056】図4に示すように、保護キャップ7を装着
した状態では、その上端は外周壁部34の下端に当接
し、保護キャップ7と印面部33間には小さな隙間が空
き、保護キャップ7はその外周壁部48の外周面とスカ
ート部材6の外周壁部40の内周面との間の摩擦力でも
って支持される。それ故、保護キャップ7を装着した状
態で把持部2を下方へ押動しても、保護キャップ7の上
端と外周壁部34の下端との当接により前記隙間が保た
れているので、保護キャップ7にインクが付着すること
がない。
【0057】前記印面部33には、スタンプしたい文字
のミラー文字の文字列等、後述のサーマルヘッド90に
より形成され、通常のラバー製の印面部33を有するス
タンプと同様に、例えば、約1000回にもわたって前
記パターンを印刷することができる。
【0058】前記印面部33を構成する感熱性孔版原紙
28に穿孔する場合には、スタンプ体1を、後述する加
熱穿孔装置50の穿孔用装着部71にセットし、その装
置のガイドバー83を、ガイド穴18,44,44にわ
たって挿通させることで、スカート部材6を上昇位置に
保持して穿孔を行ない、また、不使用時には、保護キャ
ップ7を装着し、図4に示すように、スカート部材6を
基準位置に保持し、また、印刷する際には、保護キャッ
プ7を取外し、スカート部材6を基準位置に保持して、
用紙Pの表面の印刷すべき位置にスカート部材6を位置
決めすることで、スタンプ部3の印面部33を位置決め
してから、把持部2を下方へ押圧することで印刷でき
る。
【0059】次に、加熱穿孔装置50について説明す
る。図1及び図5〜図8に示すように、加熱穿孔装置5
0は、本体フレーム51と、本体フレーム51の前部に
設けられたキーボード52及び液晶ディスプレイ53
と、本体フレーム51の後部に設けられた加熱穿孔部5
4(図6,7に示す)と、本体フレーム51内に設けら
れた制御ユニットCU(図8のブロック図に示す)及び
図8に示すヘッドランク切替スイッチ140等で構成さ
れている。
【0060】前記キーボード52には、仮名キーとアル
ファベットキー兼用の複数の文字キーと複数の記号キー
とを含む文字記号キー56、種々のファンクションキー
(カーソル移動キー57・実行キー58・改行キー59
・確定/終了キー60・取消キー61・削除キー62・
シフトキー63・小文字スイッチ64・文字種設定スイ
ッチ65・穿孔スイッチ66等)、メインスイッチ67
が設けられている。
【0061】前記液晶ディスプレイ53は、前記スタン
プ体1で印刷する印刷対象のパターンに相当する複数行
の文字列を表示可能に構成されている。次に、前記加熱
穿孔部54について説明する。図5〜図7に示すよう
に、加熱穿孔部54には、サブフレーム70と、スタン
プ体1を着脱自在に装着するための穿孔用装着部71
と、この穿孔用装着部71に装着されたスタンプ体1の
印面部33にドット状に穿孔する加熱穿孔機構72等が
設けられている。
【0062】前記穿孔用装着部71について説明する
と、図6に示すように、サブフレーム70の右端壁73
には、スタンプ部3の前後方向幅が最大のスタンプ体1
の下半分の側面形状とほぼ同形の開口74が形成され、
この開口74を開閉する開閉扉75にはセクタギヤ76
が固定的に設けられ、開閉扉75とセクタギヤ76は、
図16において左右方向向きの枢軸77により右端壁7
3に回動自在に枢着されている。前記サブフレーム70
の上部には、前後1対の平行なガイド部材78,79が
設けられ、これらガイド部材78,79の下端には、左
右方向に水平かつ平行に延びるガイド部80が相対向状
に形成されている。
【0063】前側のガイド部材78には、左右1対のロ
ーラ81が長穴を介して図6における前後方向に小距離
移動可能に設けられ、これらローラ81は、スプリング
82により後方へ付勢されている。前側のガイド部材7
8に固定されたガイドバー83は、ガイド部材78,7
9間の中間位置に配設され、図6に示すようにガイドバ
ー83の右端部の上面には、右方下がり傾斜状のテーパ
ー面84が形成され、また、ガイドバー83の左端部に
は、スタンプ体1の左限界位置を規制する係止部85が
形成されている。
【0064】前記スタンプ体1を開口74から挿入し、
スタンプ体1の把持部2の前後1対のガイド溝15に前
後1対のガイド部80を係合させることで、スタンプ体
1が1対のガイド部80で支持され、スタンプ体1は1
対のローラ81を介してスプリング82で後方へ付勢さ
れて前後方向位置が正確に設定され、また、スタンプ体
1が係止部85に当接し、右側のローラ81が把持部2
の係合凹部16に係合した状態でスタンプ体1の左右方
向位置が正確に設定されるよう構成してある。
【0065】前記スタンプ体1を、穿孔用装着部71に
装着する際に、ガイドバー83が、スタンプ体1のガイ
ド穴18,44,44にわたって挿通され、これにより
スカート部材6が前記上昇位置に上昇させた状態に保持
される。前記加熱穿孔機構72について説明すると、図
6に示すように、前記穿孔用装着部71の下方におい
て、サブフレーム70の右端壁73と左端壁86とにわ
たって、キャリッジ87を案内するための左右方向に延
びるガイドロッド88と、キャリッジ87を案内し且つ
キャリッジ87に搭載されたサーマルヘッド90の位置
を切換えるカム体91(図7参照)を操作するための左
右方向に延びるヘッド切換えロッド89とが架着され、
カム体91は、ヘッド切換えロッド89に回動不能かつ
軸方向へスライド自在に装着されている。
【0066】前記キャリッジ87は、ガイドロッド88
とヘッド切換えロッド89とにより左右方向に移動自在
に支持され、キャリッジ87の前端部には、その全長に
わたる所定の長さのラック92(図5参照)が形成され
ている。そして、キャリッジ87には、カム当接板93
(図7参照)と、ヘッド放熱板94とが、前後方向向き
の支軸95により上下揺動自在に装着され、ヘッド放熱
板94には、サーマルヘッド90が固定され、ヘッド放
熱板94は、それに固定されたピン96に外装されたス
プリング97により、カム当接板93に対して上方へ弾
性付勢されている。
【0067】前記カム体91は、楕円形状に形成され
て、カム当接板93の下面に当接され、ヘッド切換えロ
ッド89を回動させてカム体91を横向き姿勢にする
と、サーマルヘッド90はヘッド放熱板94とともに下
方へリリースされ、また、カム体91を立向き姿勢にす
ると、サーマルヘッド90は、カム当接板93とスプリ
ング97を介して、上方へ揺動して穿孔位置に切換えら
れる。
【0068】前記ヘッド切換えロッド89の右端部に
は、サブフレーム70の右端壁73の外側において、セ
クタギヤ76に噛合したギヤ98が設けられ、開閉扉7
5を開くとカム体91が横向き姿勢となり、また、開閉
扉75を閉じるとカム体91が立て向き姿勢に切換えら
れるように構成してある。
【0069】前記サブフレーム70の前壁99には、キ
ャリッジ87を駆動するキャリッジ送りモータ100
と、ラック92に噛合した駆動ギヤ101と、キャリッ
ジ送りモータ100出力軸の出力ギヤ102の回転を駆
動ギヤ101に伝達する減速ギヤ機構102とが付設さ
れている。それ故、キャリッジ送りモータ100の回転
駆動力が駆動ギヤ101に減速して伝達されるため、キ
ャリッジ送りモータ100によりキャリッジ87を左右
方向へ移動駆動することができる。
【0070】前記サーマルヘッド90は、サーマルプリ
ンタのサーマルヘッドと同様のもので、このサーマルヘ
ッド90には、図9に示すように、例えば96個の発熱
素子103が前後方向向きに1列に設けられている。次
に、前記加熱穿孔機構72と液晶ディスプレイ53とを
駆動制御する制御ユニットCUを含む制御系について説
明する。図8に示すように、制御ユニットCUには、キ
ーボード52と、ヘッドランク切替スイッチ140と、
サーマルヘッド90と、キャリッジ送りモータ100
と、液晶ディスプレイ53と、スタンプ体1の有無と前
後幅とを検知するための2つの近接スイッチ104,1
05とが接続されている。
【0071】前記スタンプ体1は、本実施例の場合、狭
幅タイプと示す広幅タイプの2種類あり、2つの近接ス
イッチ104,105は、図5に示すように後側のガイ
ド部材79の下面に固定された板片106に付設され、
近接スイッチ104,105により広幅タイプのスタン
プ体1が検知され、また、近接スイッチ104により狭
幅タイプのスタンプ体1が検知される。
【0072】図8に示すように、制御ユニットCUは、
CPU111と、ROM112と、RAM113と、穿
孔用CG−ROM114と、液晶ディスプレイ53への
表示のための表示用CG−ROM115と、キーボード
52、ヘッドランク切替スイッチ140及び近接スイッ
チ104,105に接続された入力インタフェース11
6と、出力インタフェース117とを備えており、これ
らはバス118により相互に接続されている。更に、制
御ユニットCUの出力インタフェース117には、ヘッ
ド駆動回路119と、モータ駆動回路120と、ディス
プレイ駆動回路121とが夫々接続されている。
【0073】前記ROM112には、この加熱穿孔装置
50の全体の作動を制御する制御プログラムを記憶した
プログラムメモリ122と、仮名・漢字変換等のための
辞書メモリ123が設けられている。前記RAM113
には、入力データを記憶する入力バッファ124、穿孔
用データを記憶する穿孔バッファ125、シフトレジス
タ126、その他種々のカウンタやレジスタが設けられ
ている。また、RAM113には、後述する通電時間記
憶テーブルも格納されている。
【0074】前記穿孔用CG−ROM114には、穿孔
対象となる多数の文字のドットパターンデータがコード
データと対応付けて記憶され、また、表示用CG−RO
M115には、穿孔対象となる多数の文字の表示用ドッ
トパターンデータがコードデータと対応付けて記憶され
ている。
【0075】次に、前記ヘッド駆動回路119について
説明する。図9に示すように、各発熱素子103の一方
の電極は、+12Vの電源端子127に夫々接続される
とともに、他方の電極はドライバ128に夫々接続され
ている。各ドライバ128の入力端子には、穿孔用スト
ローブ入力端子130に入力側に接続されたインバータ
129の出力端子と、ラッチ信号入力端子131に入力
側が接続されたデータラッチ回路132の各出力端子と
が夫々接続されている。更に、データラッチ回路132
の各入力端子には、クロック入力端子133とデータ入
力端子134とに入力端子が接続されたシフトレジスタ
135の各出力端子が夫々接続されている。
【0076】前記ヘッド駆動回路119において、シフ
トレジスタ135は、穿孔用のデータがクロック信号に
同期して記憶され、その後、ラッチ信号がデータラッチ
回路132に供給されると、シフトレジスタ135にお
いて記憶されたデータが対応するデータラッチ回路13
2に出力されて記憶される。これと同時に、そのデータ
が各ドライバ128に印加される。この状態において、
穿孔用ストローブ入力端子130から論理「0」の穿孔
パルス信号がインバータ129の入力端子に印加される
と、インバータ129の出力端子から論理「1」の信号
が出力され、各ドライバ128の入力端子に印加され
る。
【0077】従って、データラッチ回路132のデータ
が論理「1」の場合には、ドライバ128の出力側は論
理「0」となり、それに対応する発熱素子103に電源
端子127から駆動電流が通電される。その際、発熱素
子103の表面温度が熱穿孔に適する温度となるよう
に、穿孔用ストローブ入力端子130に入力される穿孔
パルス信号のパルス幅が設定されている。
【0078】なお、サーマルヘッド90の抵抗値R(発
熱素子103の平均抵抗値をこのように呼ぶこととす
る。)は、製造時のばらつきによって±15%程度の誤
差を生じることがあり、例えば700オームとして製造
したものが、±15%程度の誤差によって695〜80
5オーム程度の範囲にばらつくのである。このようなば
らつきによる穿孔不良を防止するような工夫がなされて
いるが、その点については後述することとする。そし
て、上述したヘッドランク切替スイッチ140は、この
ようなばらつきがあるサーマルヘッド90のため、装着
されているサーマルヘッド90に対応するヘッドランク
に切り替えるためのスイッチである。
【0079】次に、前記加熱穿孔装置50を用いて、ス
タンプ体1の印面部33に文字列のパターンを穿孔する
場合の処理を説明する。ます、図10に基づいてメイン
処理について説明する。なお、この処理は制御ユニット
CUにより実行されるものであるが、処理説明の途中で
オペレータにより実行される操作を適宜補足していくも
のとする。
【0080】メインスイッチ67の投入とともに本メイ
ン処理が開始され、最初に近接スイッチ104,105
からの検出信号を読み込む(ステップ10。以下ステッ
プをSと記す)。次にスタンプ体1が有りか否か、つま
り、スタンプ体1が穿孔用装着部71に装着されている
か否かを判断し(S20)、肯定判断のとき即ち、スタ
ンプ体1が穿孔用装着部71に装着されたままの状態で
電源が投入されると、液晶ディスプレイ(以下、LCD
という)53に「スタンプ体を取り外して下さい」とメ
ッセージを表示してされ(S30)、S10へ戻る。
【0081】オペレータによりスタンプ体1が取り外さ
れるまで、上記S10〜S30が繰り返し実行される。
開閉扉75を開いてスタンプ体1が取り外されると、前
記S20において否定判断される。電源投入時にスタン
プ体1が穿孔用装着部71に装着されていないか、また
は、電源投入時にはスタンプ体1が穿孔用装着部71に
装着されていたが、上述したように、その後オペレータ
によりスタンプ体1が取り外された場合には(S20:
NO)、S40へ移行して、加熱穿孔装置50のRAM
112のデータのクリアやキャリッジ送りモータ100
を駆動してキャリッジ87をガイドロット88右端の初
期位置へ移動させる等の初期設定を実行し、かつLCD
53に「準備中」と表示する。
【0082】続いて、S50においてキーボード52を
操作することにより印面内容の入力設定が実行される
が、この入力設定においては、印面サイズ指定と、文字
サイズや文字配置の設定等を含む書式入力と、穿孔用文
字列データの入力バッファ124への入力とが実行され
る。
【0083】S50での印面内容入力設定が済むと、次
にLCD53に「スタンプ体を装着して下さい」とメッ
セージを表示し(S60)、穿孔スイッチ66がON操
作されるまで待機する(S70)。この間、オペレータ
は開閉扉75を開き、スタンプ体1を装着してから開閉
扉75を閉じ、即ちスタンプ体1を穿孔用装着部71に
装着する。
【0084】この装着時の作動について補足すると、開
閉扉75の開操作によりセクタギヤ76が図6における
時計方向に回動し、この回動に伴ってセクタギヤ76と
噛み合っているギヤ98を介してヘッド切換えロッド8
9が同図における反時計方向に回動する。すると、ヘッ
ド切換えロッド89に装着されているカム体91が横向
き姿勢にされ、サーマルヘッド90がヘッド放熱板94
とともに下方へリリースされる。
【0085】オペレータは、スタンプ体1の把持部2の
ガイド溝15をガイド部80に係合させつつ、スタンプ
体1を開口74から挿入する。この挿入の際、サーマル
ヘッド90がスタンプ体1の装着を妨げることは無い。
また、挿入に伴って、ガイドバー83がスタンプ体1の
ガイド穴18,44,44にわたって挿通される。この
ことにより、ガイドバー83のテーパー面84に沿って
門形部43が上昇し、この門形部43の上昇に伴ってス
カート部材6がその下端が印面部33よりも上方へ位置
するように上昇し、図7に示すように、その状態が保持
される。
【0086】オペレータは、スタンプ体1がガイドバー
83の係止部85に当接し、ガイド部材78に設けられ
ている右側のローラ81がスタンプ体1の把持部2の係
合凹部16に係合するまで挿入する。当接及び係合する
まで挿入すると、スタンプ体1は図7に示す穿孔用装着
部71内の所定位置に配置される。
【0087】次に、オペレータは開閉扉75を図6の反
時計方向へ回動させる閉操作を行う。この閉操作に伴っ
て、セクタギヤ76が図6における反時計方向に回動
し、セクタギヤ76の回動に伴ってヘッド切換えロッド
89が同図における時計方向に回動する。すると、ヘッ
ド切換えロッド89に装着されているカム体91が立向
き姿勢にされ、サーマルヘッド90がカム当接板93と
スプリング97を介して上方へ揺動し、図7に実線で示
すスタンプ体1の印面部33右端を押圧する穿孔位置に
配置される。
【0088】上記のようにオペレータは、スタンプ体1
を装着した後に穿孔スイッチ66をオン操作する。図1
0に戻り、穿孔スイッチ66がオン操作されると(S7
0:YES)、近接スイッチ104,105の検出信号
が読み込まれ(S80)、次にスタンプ体1が有るか否
か、つまり、スタンプ体1が穿孔用装着部71に装着さ
れているか否か判定する(S90)。そして、装着され
ていない場合、即ち、オペレータがスタンプ体1の装着
を行わずに穿孔スイッチ66を操作した場合(S90:
NO)には、S100において、LCD53に「スタン
プ体を装着して下さい」と表示され、その後S70へ戻
る。
【0089】一方、S90にて肯定判断、すなわちスタ
ンプ体1が装着されている場合には、S110におい
て、S50にて設定した印面サイズとスタンプ体1のサ
イズが適合しているか否か判定される。なお、前記スタ
ンプ体1のサイズとは、近接スイッチ104,105か
らの検出信号に基いて判別されるスタンプ体1の幅サイ
ズのことである。
【0090】次に、S110にて否定判断、即ちスタン
プ体1のサイズが設定した印面サイズに適合しないとき
には、LCD53に「スタンプ体を差し替えて下さい」
と表示して(S120)、S70へ戻る。そして、現在
装着されているスタンプ体1が取り外され、設定された
印面サイズに適合するサイズのスタンプ体1が装着され
るまで、前記S70〜S120が繰り返し実行される。
【0091】一方、S110にて肯定判断、即ち装着さ
れているスタンプ体1のサイズが設定されている印面サ
イズに適合するときには、スタンプ体1の印面部33に
穿孔処理が実行されその穿孔処理の間LCD53には
「穿孔中」と表示される(S130)。なお、この穿孔
処理については、後で詳述する。
【0092】S130での穿孔処理が終了すると、LC
D53に「穿孔処理終了」及び「スタンプ体を取り外し
て下さい」と表示し(S140)、前記S10へ戻る。
この「スタンプ体を取り外して下さい」の表示を見て、
オペレータは、開閉扉75を開き、スタンプ体1を取り
外す。この時、キャリッジ87は図7の二点鎖線で示す
位置まで移動しているので、キャリッジ87及びサーマ
ルヘッド90がスタンプ体1の取り外しを妨げることは
無い。
【0093】次に、上記S130での穿孔処理について
詳述する。まず穿孔処理の概略について説明しておく。
上記図10のS50で入力設定された印面内容、すなわ
ち入力バッファ124に入力されている書式と穿孔用文
字列データに基づいて穿孔用のドットパターンデータが
作成され、穿孔バッファ125に格納される。この穿孔
バッファ125に格納されているドットパターンデータ
に基づいてキャリッジ送りモータ100が駆動され、キ
ャリッジ87が図7の実線で示す位置から二点鎖線で示
す位置まで移動するとともに、サーマルヘッド90が駆
動され、印面部33に穿孔用ドットパターンデータに基
づく穿孔が形成される。なお、穿孔終了時には、サーマ
ルヘッド90が印面部33から左方に外れる位置まで、
キャリッジ87が移動駆動されるため、サーマルヘッド
90で印面部33を押圧し続けてインクの漏出を招くこ
とがない。
【0094】図11には、その穿孔処理を示す。穿孔処
理では、まず、ラインカウンタ値Cを「0」にセットし
(S210)、通電時間をRAM113内の通電時間テ
ーブルより読み込んでセットする(S220)。この通
電時間については、本発明の特徴でもあるので後で詳し
く説明する。続くS230では、設定された通電時間に
よって穿孔を行なう。
【0095】そして、最終ラインであるか否かを判断し
(S240)、最終ラインでなければ、S250でライ
ンカウンタをインクリメントしてS230へ戻る。一
方、最終ラインであれば(S240:YES)、本処理
を一旦終了して図10のメイン処理へ戻り、S140へ
移行する。
【0096】続いて、上記S220においてRAM11
3内の通電時間テーブルより読み込む通電時間Tについ
て説明する。穿孔処理は、上述したようにスタンプ体1
の印面部33の長手方向に沿ってサーマルヘッド90を
移動させながら、サーマルヘッド90への通電時間を制
御して穿孔動作を行わせるものである。この通電時間T
を制御することで、その通電時間Tと印加電力Vとの積
で穿孔のための印加エネルギEが与えられる。
【0097】サーマルヘッド90の抵抗値R(発熱素子
103の平均抵抗値をこのように呼ぶこととする。)
は、製造時のばらつきによって±15%程度の誤差を生
じていた。例えば700オームとして製造したものが、
±15%程度の誤差によって695〜805オーム程度
の範囲にばらつくのである。一方、印加エネルギEは、
上述したように印加電力Wと通電時間Tの積で表され
(E=W×T)、印加電力Wは、印加電圧Vとサーマル
ヘッドの抵抗値Rを用いてW=V2/Rと表される。
ここで、印加電圧Vは一定であるから、サーマルヘッド
90の抵抗値Rにばらつきがあると、印加電力Wがばら
ついてしまい、通電時間Tを一定にすると、結果として
印加エネルギEがばらついてしまう。印加エネルギEが
大きいと、穿孔される穴が大きすぎたり、サーマルヘッ
ド90の発熱素子103に付着する現象(=融着)が生
じ、その付着度合によっては穿孔が不可能になったりす
る。また印加エネルギEが小さいと、穴が穿孔されない
こともある。
【0098】このような印加エネルギEのばらつきに対
して、従来は、サーマルヘッド90の抵抗値Rを所定範
囲毎に区切ってランク分けし、各ランクにおける印加エ
ネルギEの平均が一定になるように、各ランクに対応す
る通電時間Tを設定していた。しかしながら、平均印加
エネルギEを一定にするような設定では、 印加電力Wが小さい、つまり平均抵抗値Rが大きいサ
ーマルヘッドにおいては、穿孔される穴の大きさが相対
的に小さく、場合によっては穴があかないこともあり、 一方、印加電力Wが大きい、つまり平均抵抗値Rが小
さいサーマルヘッドにおいては、上述した融着の発生が
頻繁になり、付着物がサーマルヘッドを覆って結果的に
穿孔できなくなることもある。
【0099】そこで、このような問題を解決するため
に、本実施例では、サーマルヘッド90の抵抗値Rのば
らつきに起因する印加電力Wの上下限値の間を複数の電
力範囲に分割し、その各電力範囲に対応した通電時間T
を記憶しておくのであるが、この各通電時間Tは、電力
範囲が印加電力Wの大きくなる方向にいくにつれて、対
応する印加エネルギEが小さくなるような時間に設定さ
れているのである。
【0100】ここで、その一例を示す。まず周辺条件に
ついて説明すると、サーマルヘッド90の発熱素子10
3のサイズは55×75(μm)であり、その発熱素子
103平均抵抗値、すなわちサーマルヘッド90の抵抗
値Rは標準値700オームであり、±15%のばらつき
があるとする。また、印加電力Wの上下限値の間を複数
の電力範囲に分割する方法として、本実施例では、サー
マルヘッド90の抵抗値Rを700オームを基準として
35オーム刻みで6段階のランクに分割してある。すな
わち、抵抗値Rが「805〜770オーム」をAラン
ク、「770〜735オーム」をBランク、「735〜
700オーム」をCランク、「700〜665オーム」
をDランク、「665〜630オーム」をEランク、
「630〜595オーム」をFランクとしてある。
【0101】また、サーマルヘッド90へ供給される電
圧は12Vであり、感熱性孔版原紙28の厚さは1.8
μmとする。このような周辺条件のもとで、電力範囲が
印加電力Wの大きくなる方向にいくにつれて、すなわち
AランクからFランクに行くにしたがって対応する印加
エネルギEが小さくなるような通電時間Tに設定した場
合の通電時間テーブルの一例を図12に示す。また、こ
の図12に示した場合の印加電力Wと印加エネルギEと
の関係を図13のグラフに示す。
【0102】図13からも判るように、A〜Fランクに
ついて印加電力Wの上限値あるいは下限値をそれぞれ見
ていくと、印加電力Wの増加度合と印加エネルギEの減
少度合とは比例していないことが判る。つまり、Fラン
クに近づくにつれて印加エネルギEの減少度合が大きく
なっている。
【0103】これは、下記数式 E=A×W+B×W2 =W×T (但し、A,Bは
定数) に基づいて設定されている。そして、本実施例の場合
は、定数A,BはそれぞれA=10.22,B=−3
0.87に設定してある。
【0104】そして、このような印加エネルギEとなる
通電時間TをA〜Fの各ランクに対応して算出し、RA
M113内に通電時間テーブルとして記憶させてある。
したがって、上記図11のS220では、設定されてい
るランクに対応する通電時間Tをこの通電時間テーブル
より読み出すのである。このランクは、上述したよう
に、ヘッドランク切替スイッチ140によって設定され
ているランクである。例えば、製造工場において本装置
を組み立てる際、サーマルヘッド90のランクを検出し
たり、あるいは予め検出されたランク情報を取得し、組
立作業者がヘッドランク切替スイッチ140を操作して
設定しておくことが考えられる。
【0105】以上詳述した本実施例の加熱穿孔装置によ
れば、以下のような効果を奏する。サーマルヘッド90
の抵抗値Rにばらつきがあると、印加電力Wがばらつい
てしまい、通電時間Tを一定にすると、結果として印加
エネルギEがばらついてしまい、穿孔される穴が大きす
ぎたり、融着によって穿孔が不可能になったり、あるい
は逆に穿孔エネルギが小さいと、穴が穿孔されないこと
もある。
【0106】このような印加エネルギEのばらつきに対
して、従来は、使用するサーマルヘッド90の抵抗値R
を所定範囲毎に区切ってランク分けし、各ランクにおけ
る平均印加エネルギEが一定になるように、各ランクに
対応する通電時間Tを設定していた。
【0107】しかしながら、平均印加エネルギEを一定
にするような設定では、印加電力Wが小さい、つまり
平均抵抗値Rが大きいサーマルヘッドにおいては、穿孔
される穴の大きさが相対的に小さく、場合によっては穴
があかない(「ヌケ」が生じる)こともあり、一方、
印加電力Wが大きい、つまり平均抵抗値Rが小さいサー
マルヘッドにおいては、上述した融着の発生が頻繁にな
り、付着物がサーマルヘッドを覆って結果的に穿孔でき
なくなることもあった。
【0108】それに対して、本実施例の場合は、A〜F
の各ランクに対応する各通電時間Tを、電力範囲が印加
電力Wの大きくなる方向にいくにつれて、対応する印加
エネルギEが小さくなるような時間に設定しているた
め、印加電力Wが小さい(つまり抵抗値Rが大きい)場
合には印加エネルギEが相対的に大きくなるようにし、
また印加電力Wが大きい(つまり抵抗値Rが小さい)場
合には印加エネルギEが相対的に小さくなるようにして
いる。そのため、上記の「ヌケ」が生じることもの
融着の発生も防ぎ、穿孔不良を適切に防止することがで
きるのである。
【0109】また、本実施例の場合には、さらに、上記
数式:E=A×W+B×W2 =W×T(但し、A,Bは
定数)に基づいて設定されている。電力範囲が印加電力
Wの大きくなる方向にいくにつれて、対応する印加エネ
ルギEが小さくなるような通電時間Tに設定する方法と
しては、例えば比例して小さくする方法もある。しか
し、例えば融着について考えてみると、印加電力Wが大
きくなるにつれて比例して融着度合も大きくなるのでは
なく、印加電力Wが小さい側ではほとんど融着がなく、
印加電力Wが大きい側にいくと、急に融着度合が大きく
なるような傾向にあることが判った。
【0110】そこで、上記数式:E=A×W+B×W2
=W×Tを満たすような通電時間Tを設定することで、
図12に示すように,各電力範囲に対応する印加エネル
ギEが、上に凸の放物線状に変化するようにでき、融着
防止の点等においてもより有利であり、穿孔不良をより
適切に防止できるのである。
【0111】なお、上記条件を満たした上でさらに、サ
ーマルヘッド90を構成する1つの発熱素子103によ
って穿孔された穴が、発熱素子103の大きさに対して
0.9〜2.0倍となるような印加エネルギEに対応し
て、上記通電時間Tを設定することも考えられる。この
0.9倍は上記の「ヌケ」を防止する下限の目安であ
り、2.0倍は上記の「融着」を防止する上限の目安
であり、これらの範囲に収まるように考慮すれば、良好
な穿孔が行えるということである。
【0112】なお、この発熱素子103の大きさに対し
て0.9〜2.0倍という点について補足すると、この
倍率は例えば発熱素子103の配列方向への長さに対し
ての倍率とすることが好ましい。これは、サーマルヘッ
ド90に1ラインの発熱素子群が設けられている場合
に、発熱素子103の配列方向へは穿孔がされ易いが、
それと直交する方向には穿孔がされ難く、発熱素子10
3の配列方向へ細長く穿孔される傾向にあることを考慮
したものである。
【0113】前記実施例において、含浸体27がインク
体に相当し、含浸体27と感熱性孔版原紙28とが孔版
印刷用原板に相当する。また、キーボード52が入力手
段に相当し、加熱穿孔機構72が穿孔手段に相当する。
そして、制御ユニットCUが制御手段に相当し、RAM
113がデータ記憶手段及び通電時間記憶手段に相当す
る。
【0114】ここで、前記実施例の一部を次の(1)〜
(3)のように変更することもできる。 (1)穿孔用装着部71は、スタンプ体1を右方より着
脱自在に装着するように構成したが、スタンプ体1を上
方より着脱自在に装着する構成にしてもよい。 (2)前記加熱用穿孔機構72は、スタンプ体1を所定
位置に保持した状態で、キャリッジ87を介してサーマ
ルヘッド90を移動させつつ穿孔するように構成した
が、サーマルヘッド90を固定的に設け、スタンプ体1
を移動させつつ穿孔するように構成してもよい。 (3)前記含浸体27の代わりに、粘度の高いインクの
塊からなるインク体を使用し、このインク体を凹部25
に装着し、含浸体27と同様の形状に盛り上がらせてお
いてもよい。
【0115】また、上記実施例においては、感熱性孔版
原紙28の厚みは一定として考え、図11,12には、
その場合の例だけを挙げたが、例えば、厚みの異なる感
熱性孔版原紙28を用いる場合には、次のようにするこ
とが考えられる。つまり、スタンプ体1の備え得る感熱
性孔版原紙28の厚み毎に、各電力範囲に対応した通電
時間テーブルを記憶しておくのである。そして、通電時
間制御は、穿孔対象となるスタンプ体1に装着されてい
る感熱性孔版原紙28の厚みに基づく通電時間テーブル
中より、現在装着されているサーマルヘッド90のラン
クに対応した通電時間Tを読み出して行なえばよい。
【0116】従来の問題として、「ヌケ」や「融着」が
あり、それを防止して適切な穿孔ができるようにしたこ
とが本発明の目的であるが、感熱性孔版原紙28の厚み
の違いによっても、「ヌケ」や「融着」の生じる度合も
変わってくる。そのため、その厚み毎に、各電力範囲に
対応した通電時間テーブルを記憶しておくことで、より
適切な穿孔が実現できる。
【0117】なお、仮に感熱性孔版原紙28として融点
が異なるものも使用する場合には、上記厚みだけでな
く、その融点の違いも考慮する必要がある。その場合に
は、融点に基づいて分類した感熱性孔版原紙28の種類
に応じた通電時間テーブルあるいは補正係数等を記憶し
ておき、それを用いて通電時間制御を実行すればよい。
【0118】また、上記実施例においては、サーマルヘ
ッド90の抵抗値Rを700オームを基準として35オ
ーム刻みで等分割して6段階のランクを設定したが、等
分割しないで、抵抗値Rが相対的に大きい側では分割範
囲が大きく、抵抗値Rが相対的に小さい側(Fランク
側)では分割範囲が小さくなるように分割することが考
えられる。この場合の利点について説明する。
【0119】抵抗値Rの上下限値の間を等分割すると、
その抵抗値範囲(図12におけるランクA〜F)に対応
する印加電力Wの範囲は、抵抗値Rが相対的に大きい、
すなわち印加電力Wが相対的に小さい側(Aランク側)
では分割範囲が小さく、抵抗値Rが相対的に小さい、す
なわち印加電力Wが相対的に大きい側(Fランク側)で
は分割範囲が大きくなる。そのため、印加電力Wが相対
的に小さい側では印加エネルギEの上下限値の差は小さ
くなる。したがって、印加電力Wが相対的に小さい側の
抵抗値範囲に属するサーマルヘッド90を用いた場合に
は融着やヌケが発生し難いが、印加電力Wが相対的に小
さい側の抵抗値範囲に属するサーマルヘッド90を用い
た場合には融着やヌケが発生し易くなってしまう。
【0120】分割数を多くすることにより印加エネルギ
Eの上下限値の差を小さくする方法もあるが、分割数を
多くするとサーマルヘッド90を抵抗値に基づいてラン
ク分けする際の手間が増えるだけでなく、設定する通電
時間Tのデータの数も多く、複雑となるため好ましくな
い。
【0121】そこで、抵抗値Rの分割については、抵抗
値Rが相対的に大きい側では分割範囲が大きく、抵抗値
Rが相対的に小さい範囲では分割範囲が小さくなるよう
にすれば良く、例えば分割された抵抗値Rの範囲によっ
て決定する印加電力Wの範囲が、A〜Fランクによらず
一定になるように設定することにより、各ランクの印加
エネルギEの上下限値の差がランクによって大きくばら
つくことが無くなる。このため、ランクによって融着や
ヌケの発生状態が著しく異なるということはなくなり、
どのランクのサーマルヘッド90でも同じように、融着
やヌケの発生し難い状態での穿孔が可能となる。
【0122】また、例えば融着について考えてみると、
印加電力Wが大きくなるにつれて融着度合も大きくなる
のではなく、印加電力Wが小さい側ではほとんど融着が
ないが、印加電力Wが大きい側にいくと、急に融着度合
が大きくなる傾向にある。そこで、印加電力Wの相対的
に小さい側では、抵抗値Rの分割範囲を、等分割した場
合より大きく取り、印加電力Wの相対的に大きい側で
は、抵抗値Rの分割範囲を等分割した場合より小さく取
ることによって、やはり分割数を増やすことなく、且つ
どのランクのサーマルヘッド90でも融着やヌケの発生
し難い状態での穿孔が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例としてのスタンプ作成用の
加熱穿孔装置の概略斜視図である。
【図2】 実施例のスタンプ体の斜視図である。
【図3】 実施例のスタンプ体の分解斜視図である。
【図4】 実施例のスタンプ体の縦断正面図である。
【図5】 加熱穿孔装置の平面図である。
【図6】 加熱穿孔装置の加熱穿孔部の斜視図である。
【図7】 穿孔用装着部に装着後のスタンプ体と加熱穿
孔部の縦断正面図である。
【図8】 スタンプ装置の制御系のブロック図である。
【図9】 ヘッド駆動回路の電気回路図である。
【図10】 加熱穿孔装置によるメイン処理を示すフロ
ーチャートである。
【図11】 加熱穿孔装置による穿孔処理を示すフロー
チャートである。
【図12】 実施例の通電時間テーブルの一例を示す説
明図である。
【図13】 図12の通電時間テーブルに基づく場合の
印加電力Wと印加エネルギEとの関係を示すグラフであ
る。
【図14】 感熱性孔版原紙の厚みの違いによる影響を
説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1…スタンプ体 2…把持部 3…スタンプ部 4…スタンプ部本
体 5…外周保持部材 27…含浸体 28…感熱性孔版原紙 29…接着剤層 31…多孔性支持体 33…印面部 50…加熱穿孔装置 52…キーボード 53…液晶ディスプレイ 54…加熱穿孔部 56…文字記号キー 66…穿孔スイッ
チ 71…穿孔用装着部 72…加熱穿孔機
構 90…サーマルヘッド 103…発熱素子 111…CPU 112…ROM 113…RAM 140…ヘッドラン
ク切替スイッチ 114…穿孔用CG−ROM CU…制御ユニッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−91963(JP,A) 特開 平3−244559(JP,A) 特開 平6−143641(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41C 1/055 B41K 1/32 B41J 2/35

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク体およびそのインク体の表面を固
    定的に覆って印面部を構成する感熱性孔版原紙を含む孔
    版印刷用原板を備えたスタンプ体を着脱自在に装着する
    ための穿孔用装着部と、 文字や記号を入力するための入力手段と、 その入力手段から入力された入力データを記憶するデー
    タ記憶手段と、 上記穿孔用装着部に装着された上記スタンプ体の印面部
    に対してドット状に穿孔するサーマルヘッドを含む穿孔
    手段と、 上記データ記憶手段からの入力データに基づいて、上記
    穿孔用装着部に装着された上記スタンプ体の印面部の長
    手方向に沿って上記サーマルヘッドが相対的に摺動する
    ように移動させる移動制御、及び穿孔のための印加エネ
    ルギが上記サーマルヘッドへの印加電力と通電時間との
    積で与えられる際の該通電時間を制御して穿孔動作を行
    わせる通電時間制御を行う制御手段とを備えたスタンプ
    作成用の加熱穿孔装置において、 上記装着可能なサーマルヘッドに応じた印加電力の上下
    限値の間を複数の電力範囲に分割し、その各電力範囲に
    対応した通電時間を記憶しておく通電時間記憶手段を備
    えており、 上記制御手段は、現在装着されているサーマルヘッドに
    応じた印加電力の属する上記電力範囲に対応した通電時
    間を上記通電時間記憶手段より読み出して、上記通電時
    間制御を行なうものであって、 上記通電時間記憶手段に記憶されている上記複数の電力
    範囲に対応する各通電時間は、上記電力範囲が印加電力
    の大きくなる方向にいくにつれて、対応する印加エネル
    ギが小さくなるような時間に設定されていることを特徴
    とする加熱穿孔装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加熱穿孔装置において、 上記通電時間がそれぞれ設定されている電力範囲は、印
    加電力が相対的に小さい側では分割範囲が大きく、印加
    電力が相対的に大きい側では分割範囲が小さくなるよう
    に分割されていることを特徴とする加熱穿孔装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の加熱穿孔装置にお
    いて、 上記複数の電力範囲に対応する各通電時間は、 上記電力範囲が印加電力の大きくなる方向にいくにつれ
    て、対応する印加エネルギが小さくなるような時間に設
    定されていると共に、下記数式 E=A×W+B×W2 =W×T (但し、Eは印加エネルギ、Wは印加電力、Tは通電時
    間、A,Bは定数)に基づいて設定されていることを特
    徴とする加熱穿孔装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の加熱穿
    孔装置において、 上記サーマルヘッドを構成する1つの発熱素子によって
    穿孔された穴が、該発熱素子の大きさに対して0.9〜
    2.0倍となるような上記印加エネルギに対応して、上
    記通電時間が設定されていることを特徴とする加熱穿孔
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の加熱穿
    孔装置において、 上記通電時間記憶手段は、上記スタンプ体の備え得る上
    記感熱性孔版原紙の厚み毎に、上記各電力範囲に対応し
    た通電時間テーブルを記憶しており、 上記制御手段は、穿孔対象となるスタンプ体の感熱性孔
    版原紙の厚みに基づく通電時間テーブル中から、現在装
    着されているサーマルヘッドの取る印加電力の属する上
    記電力範囲に対応した通電時間を上記通電時間記憶手段
    より読み出し、上記通電時間制御を行なうことを特徴と
    する加熱穿孔装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の加熱穿孔装置において、 上記通電時間がそれぞれ設定されている電力範囲は、そ
    の電力範囲に対応する抵抗値範囲でみた場合に、抵抗値
    が相対的に大きい側では分割範囲が大きく、抵抗値が相
    対的に小さい側では分割範囲が小さくなるように分割さ
    れていることを特徴とする加熱穿孔装置。
JP7013701A 1995-01-31 1995-01-31 スタンプ作成用の加熱穿孔装置 Expired - Fee Related JP3033461B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7013701A JP3033461B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 スタンプ作成用の加熱穿孔装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7013701A JP3033461B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 スタンプ作成用の加熱穿孔装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08197701A JPH08197701A (ja) 1996-08-06
JP3033461B2 true JP3033461B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=11840516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7013701A Expired - Fee Related JP3033461B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 スタンプ作成用の加熱穿孔装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3033461B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08197701A (ja) 1996-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100321809B1 (ko) 스탬프체,스탬프체를구비한스탬프유니트및천공장치
JP2856055B2 (ja) スタンプ装置
JP3033461B2 (ja) スタンプ作成用の加熱穿孔装置
JP3006663B2 (ja) 印面作成装置
JP3224934B2 (ja) スタンプ装置
JP3008783B2 (ja) スタンプ装置
JP2988301B2 (ja) スタンプユニット
JP3139421B2 (ja) スタンプ作成装置
JP3366831B2 (ja) スタンプ装置
JP2924646B2 (ja) スタンプ装置
JP3028785B2 (ja) スタンプ体用加熱穿孔装置
JP3045240U (ja) スタンプ体
JP3304199B2 (ja) 加熱穿孔装置
JP2959397B2 (ja) 孔版印刷用原板
JP3060822B2 (ja) スタンプ装置
JP3224676B2 (ja) スタンプ装置
JP2001096709A (ja) スタンプ作成装置
JP3304196B2 (ja) スタンプ装置
JP3097483B2 (ja) テープ作成装置
JP3028729B2 (ja) スタンプ装置
JPH10287031A (ja) スタンプ体
JP2894212B2 (ja) スタンプ装置
JPH10217422A (ja) スタンプユニットの穿孔装置
JP3163895B2 (ja) スタンプユニット
JPH09277681A (ja) 加熱穿孔装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080218

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090218

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100218

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120218

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130218

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees