JPH10217422A - スタンプユニットの穿孔装置 - Google Patents

スタンプユニットの穿孔装置

Info

Publication number
JPH10217422A
JPH10217422A JP8093698A JP8093698A JPH10217422A JP H10217422 A JPH10217422 A JP H10217422A JP 8093698 A JP8093698 A JP 8093698A JP 8093698 A JP8093698 A JP 8093698A JP H10217422 A JPH10217422 A JP H10217422A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stamp
thermal head
temperature
heat
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8093698A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Fuwa
鉄治 不破
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP8093698A priority Critical patent/JPH10217422A/ja
Publication of JPH10217422A publication Critical patent/JPH10217422A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドの発熱素子に溶融された熱可
塑性フィルムが付着することを防止する。 【解決手段】 ヘッド駆動回路から穿孔データAに対応
してストローブ信号Cをサーマルヘッドの発熱素子に出
力して、発熱素子を熱可塑性フィルムの溶融温度以上で
ある200℃以上に加熱駆動することにより印面部に穿
孔を形成し、その後、ヘッド駆動回路からデータBに対
応してストローブ信号Dを発熱素子に出力して、発熱素
子を熱可塑性フィルム、軟化温度である約105℃前後
に加熱駆動した状態を保持したまま、モータ駆動回路か
らモータ駆動信号をキャリッジモータに出力してサーマ
ルヘッドを印面部に対して相対移動させることにより発
熱素子の表面に付着したフィルムを穿孔Hの端部にて擦
り付けるとともに、発熱素子の表面から引き剥す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを含浸した
インク含浸体を内蔵し、そのインク含浸体の下面を感熱
性孔版原紙にて被覆してなるスタンプユニットの印面部
に対して、サーマルヘッドにより所望の文字列パターン
の穿孔を行う穿孔装置に関し、特に、感熱性孔版原紙に
含まれる熱可塑性フィルムを溶融させて穿孔を行う際
に、サーマルヘッドの発熱素子に溶融された熱可塑性フ
ィルムが付着することを防止し、常に発熱素子をきれい
な状態に保持して美麗な文字列パターンを穿孔すること
が可能な穿孔装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、サーマルヘッドの発熱素子を
介して、熱可塑性フィルムやこの種のフィルムを含む感
熱性孔版原紙に穿孔を行い、所望の文字列パターン等を
形成する穿孔装置が提案されている。
【0003】例えば、特開昭62−70079号公報に
は、ドット発熱素子を所望のパターン状に発熱させて熱
可塑性樹脂フィルムをドット状に加熱穿孔することによ
り加熱穿孔部を形成するとともに、かかる加熱穿孔の際
に、熱可塑性樹脂フィルムと発熱素子とを摺動させ、加
熱穿孔の後には、加熱穿孔部からインクを通過させて記
録媒体上にパターン状の記録像を形成するようにした記
録方法が記載されている。かかる記録方法によれば、加
熱穿孔部を形成する際に熱可塑性樹脂フィルムとドット
状発熱素子とを相互に密着させつつ相対的に摺動させる
ことに基づき、穿孔部の穿孔径の均一化を図って鮮明な
記録像を得ることができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭62−70079号公報に記載された記録方法で
は、加熱穿孔部の穿孔時にドット状発熱素子と熱可塑性
樹脂フィルムとを相対的に摺動させることにより溶融し
た樹脂を穿孔部の一端に集積するようにしているが、発
熱素子の加熱温度は、瞬間的に穿孔部を形成する必要が
あることから、熱可塑性樹脂フィルムの溶融温度よりも
十分高い温度に加熱されるのが一般的であり、また、発
熱素子の温度は穿孔後に急激に低下してしまうものであ
る。従って、加熱穿孔時に溶融した樹脂が発熱素子に付
着してしまい、更に、このように発熱素子に付着した溶
融樹脂は発熱素子の急激な温度低下に伴って固化して発
熱素子に強固に付着してしまう虞が多分に存することと
なる。
【0005】この結果、発熱素子は付着した樹脂により
汚損され、また、再度の加熱穿孔を行えば付着樹脂が焦
げ付いて、もはや発熱素子から容易に除去することがで
きなくなる。これに起因して、発熱素子に汚れが厚く蓄
積し、場合によっては加熱穿孔を妨げる原因となってド
ット状穿孔部のパターンが不明瞭になることから、記録
画像の質が低下してまう問題がある。
【0006】これを防止するには、発熱素子の表面を清
掃すればよいことから、例えば、特開平2−20407
6号公報には、サーマルヘッドを加熱状態に保ちなが
ら、薄い繊維質の清掃材をサーマルヘッドに押し付けて
走行させる感熱性孔版印刷用製版機のサーマルヘッドの
清掃方法が記載されている。
【0007】しかし、前記清掃方法に使用される清掃材
は、サーマルヘッドの清掃を行うことを唯一の目的とす
るものであり、前記のように加熱穿孔を行いながらサー
マルヘッドの清掃を可能とするものではない。このよう
に、かかる清掃材は、一定量(時間)の加熱穿孔を行っ
た後に、加熱穿孔動作とは無関係に定期的に使用される
ものであり、従って、サーマルヘッドの清掃中は加熱穿
孔を行うことができないという問題がある。また、清掃
材によるサーマルヘッドの清掃は、加熱穿孔が終了した
後にしか行うことができず、加熱穿孔中にサーマルヘッ
ドに付着した溶融樹脂が付着しても、そのまま穿孔動作
を行わなければならないので、前記の場合と同様、付着
した樹脂に起因して穿孔部のパターンが不明瞭となるこ
とは否めない。この結果、穿孔フィルムから形成される
画像等の質が低下する問題がまだなお残存するものであ
る。
【0008】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、感熱性孔版原紙に含まれる熱可
塑性フィルムを溶融させて穿孔を行う際に、サーマルヘ
ッドの発熱素子に溶融された熱可塑性フィルムが付着す
ることを防止し、発熱素子を常にきれいな状態に保持し
て美麗な文字列パターンを穿孔することが可能な穿孔装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、インク含浸体が内設されるとともに熱可塑性
フィルムを含む感熱性孔版原紙によりインク含浸体を被
覆してなるスタンプユニットの印面部に所望の文字列パ
ターンを穿孔するスタンプユニットの穿孔装置におい
て、複数の発熱素子が設けられ、各発熱素子に選択的に
通電することにより所定の第1温度に発熱させて前記熱
可塑性フィルムを溶融しつつ感熱性孔版原紙を文字列パ
ターンに従って穿孔するサーマルヘッドと、前記サーマ
ルヘッドにより穿孔を行った後にサーマルヘッドと印面
部とを相対的に移動させる移動手段と、前記移動手段を
介してサーマルヘッドと印面部とが相対移動されている
間に、前記各発熱素子の温度が前記第1温度よりも低い
第2温度となるように通電駆動を行う通電駆動手段とを
備えた構成とされる。
【0010】このとき、前記第1温度は熱可塑性フィル
ムの溶融温度よりも高く設定されており、前記第2温度
は熱可塑性フィルムの溶融温度よりも低く設定されてい
るのが望ましい。
【0011】
【作用】前記構成を有する本発明に係るスタンプユニッ
トの穿孔装置では、スタンプユニットの印面部に所望の
文字列パターンを穿孔する場合、サーマルヘッドに設け
られた複数の各発熱素子に選択的に通電して発熱素子が
第1温度に発熱され、その発熱された各発熱素子を介し
て、熱可塑性フィルムが溶融されつつ感熱性孔版原紙に
対して文字列パターンに従って穿孔が行われる。かかる
文字列パターンの穿孔時、熱可塑性フィルムは各発熱素
子により溶融された後、発熱素子の温度が低下するに従
って固化していくことから、溶融された熱可塑性フィル
ムは一旦各発熱素子に融着しようとする。
【0012】前記のようにサーマルヘッドにより穿孔が
行われた後、移動手段を介してサーマルヘッドと印面部
とが相対的に移動される。このとき、かかる相対移動の
間に、サーマルヘッドにおける各発熱素子の温度が、通
電駆動手段を介して、第1温度よりも低い第2温度とな
るように通電駆動される。この通電駆動により、文字列
パターンの穿孔時に一旦発熱素子に融着した溶融フィル
ムは、再び軟化されることとなり、更に、サーマルヘッ
ドと印面部との前記相対移動を介して、融着フィルム
は、熱可塑性フィルムに形成された穿孔の近傍にて擦ら
れることにより発熱素子から引き剥されるとともに、穿
孔の近傍に残存される。従って、穿孔時に溶融された熱
可塑性フィルムがサーマルヘッドの各発熱素子に付着す
ることは確実に防止され、発熱素子を常にきれいな状態
に保持して美麗な文字列パターンを穿孔することが可能
となるものである。
【0013】ここに、前記第1温度が熱可塑性フィルム
の溶融温度よりも高く設定されており、前記第2温度が
熱可塑性フィルムの溶融温度よりも低く設定されている
場合には、より確実、且つ、効率的に、サーマルヘッド
の発熱素子に溶融フィルムが付着することを防止するこ
とが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスタンプユニ
ットの穿孔装置について、本発明を具体化した実施例に
基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】本実施例に係るスタンプユニットの穿孔装
置は、図1〜図10に示すスタンプユニット1と、図1
1以降の図に示す加熱穿孔装置50とで構成されてい
る。
【0016】最初に、前記スタンプユニット1につい
て、図1〜図10を参照しつつ説明する。
【0017】図1〜図4に示すように、スタンプユニッ
ト1は、手で握る為の把持部2と、この把持部2に固定
的に連結されるスタンプ部3と、スタンプ部3の外周側
を覆うスカート部材6と、スタンプ部3に着脱自在に装
着される保護キャップ7とから構成されている。
【0018】前記把持部2は、金属又は合成樹脂材料か
らなる下端開放の直方体状の中空体で構成され、その頂
部には、ラベル10を貼付する為の凹部11が形成さ
れ、把持部2の前壁12と後壁13の下端部には、夫
々、下方へ突出する1対の係合爪14が設けられてい
る。また、把持部2の前壁12と後壁13の下部には、
ガイド溝15が形成され、前壁12には係合凹部16が
形成され、左側壁17には、係合穴18が形成され、把
持部2内部において上壁19の下面の中央部には、バネ
支持部20が形成されている。
【0019】前記スタンプ部3は、スタンプ部本体4
と、このスタンプ部本体4が下方より挿入して固定され
且つスタンプ部本体4の外周側の上部約2/3部分を覆
い且つ把持部2の4つの係合爪14に係合して把持部2
に固定された外周保持部材5とで構成されている。
【0020】前記スタンプ部本体4は、下面側に浅い凹
部25を備え直方体状で中空状の合成樹脂製の基部材2
6と、この基部材26の凹部25に装着される含浸体2
7であって油性インクを含浸させた含浸体27(これ
が、インク体に相当する)と、含浸体27の下面と基部
材26の外周側を覆い接着剤29にて基部材26の外周
面に接着された感熱性孔版原紙28とから構成されてい
る。尚、含浸体27は接着剤等により基部材26の凹部
25に接着してもよい。
【0021】前記基部材26は、油性インクに接触する
関係上、耐油性に優れる合成樹脂材料(例えば、塩化ビ
ニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセター
ル、ポリエチレンテレフタレート等)又は金属材料で構
成され、この基部材6の凹部25に含浸体27を装着す
ることで、含浸体27の位置ズレを防止でき、含浸体2
7からのインクの流出を防止できる。
【0022】前記含浸体27は、合成樹脂材料(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリウレタン、アクリルニトリルブタジエ
ンゴム等)の弾力性のある発泡体又は不織布からなり、
この含浸体27には、油性インクが飽和状態に含浸され
ており、この含浸体27に圧力が付加されると、インク
が滲み出すようになっている。
【0023】前記感熱性孔版原紙28は、図6に示すよ
うに、熱可塑性フィルム30と、多孔性支持体31と、
これらを接着する接着剤層32とで構成されている。前
記熱可塑性フィルム30は、厚さ1〜4μm、好ましく
は2μmの熱可塑性合成樹脂材料(例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニリデン−
塩化ビニル共重合体等)のフィルムで構成されており、
溶融温度が140℃〜150℃の範囲にある。
【0024】厚さ1μm未満のものは製造コストが高価
で強度も弱く実用性に欠けるため実用的でなく、また、
厚さ4μm以上のものは、厚すぎるために、定格出力が
50mJ/mm2 程度の一般のサーマルヘッドでは穿孔
できない。
【0025】前記多孔性支持体31は、天然繊維(例え
は、マニラ麻、こうぞ、みつまた等)、合成繊維(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルニトリル等)、又はレーヨン等の半合
成繊維を主原料とした多孔性薄葉紙で構成されている。
【0026】図5、図7に示すように、基部材26を上
下逆にした状態で、その凹部25に含浸体27を装着し
てから、含浸体27に油性インクを含浸させ、その含浸
体27の上から、多孔性支持体31が含浸体27側とな
るように、感熱性孔版原紙28を被せて、含浸体27の
表面に感熱性孔版原紙28を密着させ、感熱性孔版原紙
28の外周側部分を、基部材26の外周面に密着状に折
り付けて接着剤層29にて接着することにより、図7に
示すスタンプ部本体4となる。
【0027】前記含浸体27の表面(図5では下面)に
密着した感熱性孔版原紙28の部分が印面部33を構成
している。前記のように、感熱性孔版原紙28の外周側
部分を、基部材26の外周面に接着する構成を採用した
ため、スタンプ部3の下面のほぼ全域に渡る印面部33
を形成することができた。その結果、印刷する際の位置
決めが簡単化する。
【0028】前記感熱性孔版原紙28の外周側部分を、
基部材26の外周面に接着する為に、感熱性孔版原紙2
8の外周側部分に予め接着剤層29を形成しておいても
よいし、又は、基部材26の外周面に接着剤層29を予
め形成しておいてもよいし、又は、感熱性孔版原紙28
の外周側部分と基部材26の外周面の両方に接着剤層2
9を予め形成しておいてもよい。
【0029】図2〜図4に示すように、前記外周保持部
材5は、スタンプ部本体4が内嵌状に接着される平面視
矩形状の周壁部34と、上壁部35と、この上壁部35
から所定高さ突出する左右1対の係合壁部36とで構成
されている。前記左右1対の係合壁部36には、把持部
2の4つの係合爪14に対応する係合孔37が形成さ
れ、左右1対の係合壁部36は、スカート部材6の上壁
部41の左右1対の矩形穴42に、下方より上下方向に
スライド自在に挿入され、これら係合壁部36の4つの
係合穴37に、前記4つの係合爪14を上方より係合さ
せ、且つ係合壁部36の上端を把持部2の下端に当接さ
せることにより、外周保持部材5は把持部2に固定され
ている。
【0030】図2〜図4に示すように、前記スカート部
材6は、外周保持部材5の外周壁部34が上下方向にス
ライド自在に内嵌される平面視矩形状の外周壁部40
と、その上端の上壁部41であって、外周保持部材5の
上壁部35の上側に位置する上壁部41と、この上壁部
41の中央部から所定高さ上方へ突出して把持部2内へ
挿入される門形部43と、この門形部43の上端の中央
部に突設されたバネ支持部45等で構成されている。
【0031】前記門形部43の左右の壁部の下部には、
該両壁部を貫通するように、前記ガイド穴18に対応す
る前後方向位置においてガイド穴44が形成されてい
る。
【0032】前記把持部2のバネ支持部20と、スカー
ト部材6のバネ支持部45には、把持部2に対して、ス
カート部材6を下方へ付勢する圧縮スプリング21が装
着され、スカート部材6は、図3、図4に示す第1位置
と、図9に示す第2位置と、図8に示す第3位置とに亙
って昇降自在に構成され、スカート部材6はスプリング
21により、第1位置の方へ付勢されている。尚、保護
キャップ7を着脱する為と印面部33の位置決めの為
に、スカート部材6の外周壁40の4面の中央部の下端
部は、部分的に切り欠かれている。
【0033】第1位置のとき、スカート部材6の上壁部
41は、外周保持部材5の上壁部35に当接して、スカ
ート部材6の下端が、印面部33よりも低く突出し、ま
た、第2位置のとき、スカート部材6の上壁部41は、
外周保持部材5の上壁部35と、把持部2の下端との間
に位置して、スカート部材6の下端が印面部33と同レ
ベルに位置し、また、第3位置のとき、スカート部材6
の上壁部41は、把持部2の下端に当接して、スカート
部材6の下端が印面部33よりも上方に位置する。尚、
前記スカート部材6の第1位置から第2位置へのストロ
ークは、約5mm程度に設定することが望ましい。
【0034】前記保護キャップ7は、スタンプ部本体4
の下端側を着脱自在に覆って保護する為のもので、その
外周壁部48は、外周保持部材5の外周壁34と、平面
視にて同形状に形成され、この保護キャップ7は、スカ
ート部材6の外周壁部40に内嵌させて支持される。
【0035】図3、図4に示すように、保護キャップ7
を装着した状態では、その上端は外周壁34の下端に当
接し、保護キャップ7と印面部33間には小さな隙間が
空き、保護キャップ7はその外周壁部48の外周面とス
カート部材6の外周壁部40の内周面との間の摩擦力で
もって支持される。それ故、保護キャップ7を装着した
状態で把持部2を下方へ押動しても、保護キャップ7の
上端と外周壁34の下端との当接により前記隙間が保た
れているので、保護キャップ7にインクが付着すること
がない。
【0036】前記印面部33に、例えば、図10に示す
ように、「ABC」のミラー文字の文字列と、その外側
を囲む6重の矩形枠とからなるパターンの多数の穿孔
(ドットパターン穿孔)とが、図示外のサーマルプリン
タのサーマルヘッドにより形成され、図10のパターン
の鏡像である「ABC」の文字列と6重の矩形枠を印刷
可能なスタンプユニットが構成されるため、通常のラバ
ー製の印面部を有するスタンプと同様に、例えば、約1
000回にも亙って前記パターンを印刷することができ
る。尚、サーマルヘッドで穿孔する以外に、赤外線照射
によっても穿孔できることは勿論である。
【0037】前記印面部33を構成する感熱性孔版原紙
28に穿孔する場合には、スタンプユニット1を、後述
する加熱穿孔装置50の穿孔用装着部71にセットし、
その装置のガイドバー83を、ガイド穴18、44、4
4に亙って挿通させることで、スカート部材6を第3位
置に保持して穿孔を行ない、また、不使用時には、保護
キャップ7を装着し、図3、図4に示すように、スカー
ト部材6を第1位置に保持し、また、印刷する際には、
保護キャップ7を取外し、スカート部材6を第1位置に
保持して、用紙の表面の印刷すべき位置にスカート部材
6を位置決めすることで、スタンプ部3の印面部33を
位置決めしてから、把持部2を下方へ押圧することで、
図9に示すように印刷する。
【0038】次に、加熱穿孔装置50について説明す
る。
【0039】図11〜図15に示すように、加熱穿孔装
置50は、本体フレーム51と、本体フレーム51の前
部に設けられたキーボード52及び液晶ディスプレイ5
3と、本体フレーム51の後部に設けられた加熱穿孔部
54と、本体フレーム51内に設けられた制御ユニット
110(図22参照)等で構成されている。
【0040】前記キーボード52には、仮名キーとアル
ファベットキー兼用の複数の文字キーと複数の記号キー
とを含む文字記号キー56、種々のファンクションキー
(カーソル移動キー57、実行キー58、改行キー5
9、確定/終了キー60、取消キー61、削除キー6
2、シフトキー63、小文字スイッチ64、文字種設定
スイッチ65、穿孔スイッチ66、等)、メインスイッ
チ67が設けられている。前記液晶ディスプレイ53
は、前記スタンプユニット1で印刷する印刷対象のパタ
ーンに相当する複数行の文字列を表示可能に構成されて
いる。
【0041】次に、前記加熱穿孔部54について説明す
る。
【0042】図13〜図22に示すように、加熱穿孔部
54には、サブフレーム70と、スタンプユニット1を
着脱自在に装着する為の穿孔用装着部71と、この穿孔
用装着部71に装着されたスタンプユニット1の印面部
33にドット状に穿孔する加熱穿孔機構72等が設けら
れている。
【0043】前記穿孔用装着部71について説明する
と、図14〜図17に示すように、サブフレーム70の
右側壁73には、スタンプ部3の前後方向幅が最大のス
タンプユニット1の下半分の側面形状とほぼ同形の開口
74が形成され、この開口74を開閉する開閉扉75に
はセクタギヤ76が固定的に設けられ、開閉扉75とセ
クタギヤ76は、図17において左右方向向きの枢軸7
7により右側壁73に回動自在に枢着されている。前記
サブフレーム70の上部には、前後1対の平行なガイド
部材78,79が設けられ、これらガイド部材78,7
9の下端には、左右方向に水平かつ平行に延びるガイド
部80が相対向状に形成されている。
【0044】前側のガイド部材78には、左右1対のロ
ーラ81が長穴を介して図16における前後方向に小距
離移動可能に設けられ、これらローラ81は、スプリン
グ82により後方へ付勢されている。
【0045】前側のガイド部材78に固定されたガイド
バー83は、ガイド部材78,79間の中間位置に配設
され、図16、20に示すようにガイドバー83の右端
部の上面には、右方下がり傾斜状のテーパー面84が形
成され、また、ガイドバー83の左端部には、スタンプ
ユニット1の左限界位置を規制する係止部85が形成さ
れている。
【0046】前記スタンプユニット1を開口74から挿
入し、スタンプユニット1の把持部2の前後1対のガイ
ド溝15に、前後1対のガイド部80を係合させること
で、スタンプユニット1が1対のガイド部80で支持さ
れ、スタンプユニット1は、1対のローラ81を介して
スプリング82で後方へ付勢されて前後方向位置が正確
に設定され、また、スタンプユニット1が係止部85に
当接し、右側のローラ81が把持部2の係合凹部16に
係合した状態で、スタンプユニット1の左右方向位置が
正確に設定されるように構成してある。
【0047】前記スタンプユニット1を、穿孔用装着部
71に装着する際に、ガイドバー83が、スタンプユニ
ット1のガイド穴18,44,44に亙って挿通され、
これにより、スカート部材6が、図8に示す第3位置に
上昇させた状態に保持される。
【0048】前記加熱穿孔機構72について説明する
と、図13〜図22に示すように、前記穿孔用装着部7
1の下方において、サブフレーム70の右端壁73と左
端壁86とに亙って、キャリッジ87を案内する為の左
右方向に延びるガイドロッド88と、キャリッジ87を
案内し且つキャリッジ87に搭載されたサーマルヘッド
90の位置を切換えるカム体91を操作する為の左右方
向に延びるヘッド切換えロッド89とが架着され、カム
体91は、回転不可能な状態でヘッド切換えロッド89
に、軸方向へスライド自在に装着されている。
【0049】前記キャリッジ87は、ガイドロッド88
とヘッド切換えロッド89とに、左右方向に移動自在に
支持され、キャリッジ87の前端部には、その全長に亙
る所定の長さのラック92が形成されている。
【0050】前記キャリッジ87には、カム当接板93
と、ヘッド放熱板94とが、前後方向向きの支軸95に
より上下揺動自在に装着される。ヘッド放熱板94は、
その下方に垂直に折れた係合板90aが、キャリッジ8
7の両側面部に形成された係合穴87aに嵌挿するよう
に形成され、その上面にはサーマルヘッド90が固定さ
れている。また、ヘッド放熱板94は、それに固定され
たピン96に外装されたスプリング97により、カム当
接板93に対して上方へ弾性付勢されている。前記カム
体91は、楕円形状に形成されて、カム当接板93の下
面に当接され、ヘッド切換えロッド89を回動させてカ
ム体91を横向き姿勢にすると、サーマルヘッド90は
ヘッド放熱板94とともに下方へリリースされ、また、
カム体91を立向き姿勢にすると、サーマルヘッド90
は、カム当接板93とスプリング97を介して、上方へ
揺動して穿孔位置に切換えられる。
【0051】かかる穿孔位置においては、図18(B)
に示すように、ヘッド放熱板94の各係合板90aは、
キャリッジ87の各係合穴87a内で、いずれの端縁部
にも係止されておらず、これよりサーマルヘッド90
は、スプリング97が有する所定の付勢力(弾性力)の
みを介して、ヘッド放熱板94と共に上方へ弾性付勢さ
れるものである。従って、この状態においてサーマルヘ
ッド90は、スタンプユニット1における含浸体27の
弾性力に影響されることのない大きな押圧力で印面部3
3を押圧して圧縮する。このとき、スプリング97の弾
性力(バネ力)は、例えば含浸体27の厚さが3mmで
ある場合には、含浸体27の圧縮量が0.1mm乃至
0.9mmの範囲内となるように設定されるのが望まし
い。これにより、サーマルヘッド90は、スタンプユニ
ット1における含浸体27の圧縮量が常に一定範囲の値
となるように、スプリング97を介して含浸体27を圧
縮するものである。
【0052】前記ヘッド切換えロッド89の右端部に
は、サブフレーム70の右端壁73の外側において、セ
クタギヤ76に噛合したギヤ98が設けられ、開閉扉7
5を開くとカム体91が横向き姿勢となり、また、開閉
扉75を閉じるとカム体91が立て向き姿勢に切換えら
れるように構成してある。
【0053】前記サブフレーム70の前壁99には、キ
ャリッジ87を駆動するステッピングモータ100と、
ラック92に噛合した駆動ギヤ101と、ステッピング
モータ100出力軸の出力ギヤ102の回転を駆動ギヤ
101に伝達する減速ギヤ機構102とが付設されてい
る。それ故、ステッピングモータ100の回転駆動力が
駆動ギヤ101に減速して伝達されるため、ステッピン
グモータ100により、キャリッジ87を左右方向へ移
動駆動することができる。
【0054】前記サーマルヘッド90は、サーマルプリ
ンタのサーマルヘッドと同様のもので、このサーマルヘ
ッド90には、図23に示すように、例えば、96個の
発熱素子103が前後方向向きに1列に設けられてい
る。
【0055】次に、前記加熱穿孔機構72と液晶ディス
プレイ53とを駆動制御する制御ユニット110を含む
制御系について説明する。
【0056】図22に示すように、制御ユニット110
には、キーボード52と、サーマルヘッド90と、キャ
リッジ送りモータ100と、液晶ディスプレイ53と、
スタンプユニット1の有無と前後幅とを検知する為の2
つの近接スイッチ104,105とが接続されている。
【0057】前記スタンプユニット1は、本実施例の場
合、図15,図19に実線で図示の狭幅タイプと、鎖線
で図示の広幅タイプの2種類あり、2つの近接スイッチ
104,105は、図13、図15、図19に示すよう
に、後側のガイド部材79の下面に固定された板片10
6に付設され、近接スイッチ104,105により、広
幅タイプのスタンプユニット1が検知され、また、近接
スイッチ104により、狭幅タイプのスタンプユニット
1が検知される。
【0058】図22に示すように、制御ユニット110
には、CPU111と、ROM112と、RAM113
と、穿孔用CG−ROM114と、ディスプレイ53へ
の表示の為の表示用CG−ROM115と、キーボード
52及び近接スイッチ104,105に接続された入力
インタフェース116と、出力インタフェース117と
が設けられ、これらはバス118により相互に接続され
ている。更に、制御ユニット110には、出力インタフ
ェース117に夫々接続された、ヘッド駆動回路119
と、モータ駆動回路120と、ディスプレイ駆動回路1
21とが設けられている。
【0059】前記ROM112には、この加熱穿孔装置
50の全体の作動を制御する制御プログラムを記憶した
プログラムメモリ122と、仮名・漢字変換等の為の辞
書メモリ123が設けられている。
【0060】前記RAM113には、入力データを記憶
する入力バッファ124、穿孔用データを記憶する穿孔
バッファ125、シフトレジスタ126、その他種々の
カウンタやレジスタが設けられている。
【0061】前記穿孔用CG−ROM114には、穿孔
対象となる多数の文字のドットパターンデータがコード
データと対応付けて記憶され、また、表示用CG−RO
M115には、穿孔対象となる多数の文字の表示用ドッ
トパターンデータがコードデータと対応付けて記憶され
ている。
【0062】次に、前記ヘッド駆動回路119について
説明する。
【0063】図23に示すように、各発熱素子103の
一方の電極は、+12Vの電源端子127に夫々接続さ
れるとともに、他方の電極はドライバ128に夫々接続
されている。各ドライバ128の入力端子には、穿孔用
ストローブ信号入力端子130に入力側に接続されたイ
ンバータ129の出力端子と、ラッチ信号入力端子13
1に入力側が接続されたデータラッチ回路132の各出
力端子とが夫々接続されている。更に、データラッチ回
路132の各入力端子には、クロック信号入力端子13
3と穿孔データ入力端子134とに入力端子が接続され
たシフトレジスタ135の各出力端子が夫々接続されて
いる。
【0064】ここで、前記各穿孔データ入力端子13
4、クロック信号入力端子133、ラッチ信号入力端子
131、ストローブ印号入力端子130のそれぞれに入
力される各信号、及び、前記モータ駆動回路120を介
してキャリッジ送りモータ(ステッピングモータ)に出
力されるモータ駆動信号について、図24及び図25に
基づき説明する。ここに、図24はヘッド駆動回路11
9における各入力端子に入力される信号及びモータ駆動
回路120から出力されるモータ駆動信号を示すタイミ
ングチャートである。
【0065】図24において、穿孔データは、基本的
に、サーマルヘッド90における各発熱素子103を介
してスタンプユニット1の印面部33に文字列を穿孔す
るためのデータであり、文字列の文字データに対応する
データAと、後述するように発熱素子135への熱可塑
性フィルム30の融着を防止するためのデータBとがあ
る。クロック信号は、穿孔データと同期して出力され、
かかるクロック信号に同期させて穿孔データをシフトレ
ジスタ135に記憶するためのものである。ラッチ信号
は、シフトレジスタ135に記憶された穿孔データをラ
ッチするための信号である。
【0066】ストローブ信号は、サーマルヘッド90の
各発熱素子103に通電して発熱(通電)駆動するため
の信号である。かかるストローブ信号には、穿孔データ
に対応して各発熱素子103を、感熱孔版原紙28の熱
可塑性フィルム30の溶融温度(140℃〜150℃)
以上の所定温度にまで発熱駆動するストローブ信号C
と、文字列の穿孔後にサーマルヘッド90がキャリッジ
送りモータ100により印面部33に対して相対移動さ
れている間に各発熱素子103を、穿孔時よりも低い感
熱孔版原紙28の熱可塑性フィルム30の溶融温度(1
40℃〜150℃)以下の温度(105℃前後)に発熱
駆動するストローブ信号Dがある。このとき、ストロー
ブ信号Cを介して発熱駆動された際における各発熱素子
103の温度は200℃以上となり、また、ストローブ
信号Dを介して発熱駆動された際における各発熱素子1
03の温度は、約70℃〜105℃となる。
【0067】また、モータ駆動回路120に接続された
キャリッジ送りモータ100は、4相(A相、B相、C
相、D相)ステッピングモータから構成されていること
から、キャリッジ送りモータ100に出力されるモータ
駆動信号は、図24に示すように、各励磁相を2相ずつ
順次切換ながら回転させるようなパルス信号から構成さ
れている。尚、かかるモータ駆動信号を介してキャリッ
ジ送りモータ100の回転駆動を行う方法については公
知であるので、ここではその説明を省略する。ここで、
各ストローブ信号C、Dと発熱素子103の発熱温度と
の関係について図25に基づき説明する。図25は各ス
トローブ信号C、Dと発熱素子103の発熱温度との関
係を示す説明図である。図25において、ストローブ信
号Cが発熱素子103に出力されると、発熱素子103
の温度は、ストローブ信号Cの立ち上がりから徐々に上
昇していき、ストローブ信号Cの立ち下がりの直前では
200℃以上の温度に発熱されている。そして、ストロ
ーブ信号Cが立ち下がって後において、発熱素子103
の温度は、急激に常温(約25℃)に低下していく。続
いて、ストローブ信号Dが発熱素子103に対して連続
的に出力されると、発熱素子103の温度は、常温約2
5℃から微小温度範囲で上下しながら徐々に上昇してい
き、ストローブ信号Dの終了直前では100℃を若干越
えた温度105℃前後となる。ストローブ信号Dが終了
した後においては、発熱素子103の温度は、再度常温
約25℃まで低下する。
【0068】次に、前記ヘッド駆動回路119の動作に
ついて説明すると、前記ヘッド駆動回路119におい
て、シフトレジスタ135には、穿孔用のデータAがク
ロック信号に同期して記憶され、その後、ラッチ信号が
データラッチ回路132に供給されると、シフトレジス
タ135において記憶されたデータAが対応するデータ
ラッチ回路132に出力されて記憶される。
【0069】これと同時に、そのデータAが各ドライバ
128に出力される。この状態において、ストローブ信
号入力端子130から論理「0」のストローブ信号C
(穿孔パルス信号)がインバータ129の入力端子に印
加されると、インバータ129の出力端子から論理
「1」の信号が出力され、各ドライバ128の入力端子
に出力される。
【0070】従って、データラッチ回路132のデータ
が論理「1」の場合には、ドライバ128の出力側は論
理「0」となり、それに対応する発熱素子103に電源
端子127から駆動電流が通電される。その際、発熱素
子103の表面温度が加熱穿孔に適する温度(200℃
以上)となるように、ストローブ信号入力端子130に
入力されるストローブ信号Cのパルス幅が設定されてい
る。前記した動作に基づき、後述するように、感熱孔版
原紙28の熱可塑性フィルム30に文字列の穿孔が行わ
れるものである。
【0071】また、前記のように熱可塑性フィルム30
に文字列の穿孔が行われた後、データBがクロック信号
に同期してシフトレジスタ135に記憶され、その後、
ラッチ信号がデータラッチ回路132に供給されると、
シフトレジスタ135において記憶されたデータBが対
応するデータラッチ回路132に出力されて記憶され
る。
【0072】これと同時に、そのデータBが各ドライバ
128に出力される。この状態において、ストローブ信
号入力端子130から論理「0」のストローブ信号Dが
インバータ129の入力端子に印加されると、インバー
タ129の出力端子から論理「1」の信号が出力され、
各ドライバ128の入力端子に出力される。
【0073】従って、データラッチ回路132のデータ
が論理「1」の場合には、ドライバ128の出力側は論
理「0」となり、それに対応する発熱素子103に電源
端子127から駆動電流が通電される。その際、発熱素
子103の表面温度が、感熱性孔版原紙28における熱
可塑性フィルム30の溶融温度以下で軟化させるに適す
る温度(105℃前後)となるように、ストローブ信号
入力端子130に入力されるストローブ信号Dのパルス
幅、パルス数が設定されている。前記した動作に基づ
き、後述するように、感熱孔版原紙28の熱可塑性フィ
ルム30にサーマルヘッド90の発熱素子103に融着
したフィルム30が、穿孔の近傍にて残存するものであ
る。
【0074】次に、前記のように制御されるサーマルヘ
ッド90、キャリッジ送りモータ100を介して、スタ
ンプユニット1の印面部33における感熱孔版原紙28
の熱可塑性フィルム30に文字列を穿孔する動作、及
び、サーマルヘッド90を印面部33に対して相対移動
させつつ発熱素子103に融着したフィルム30が付着
されるのを防止する動作について図26及び図27に基
づき説明する。ここに、図26は穿孔時における感熱孔
版原紙28とサーマルヘッド90の発熱素子103との
関係を模式的に示す断面図、図27はサーマルヘッド9
0を相対移動させた後における感熱孔版原紙28とサー
マルヘッド90の発熱素子103との関係を模式的に示
す断面図である。
【0075】図26において、感熱性孔版原紙28の熱
可塑性フィルム30に文字列を穿孔する際には、サーマ
ルヘッド90の発熱素子103は、図26に示すよう
に、スプリング97を介して弾圧されている。この状態
で、前記したように、ヘッド駆動回路119によりサー
マルヘッド90における発熱素子103を発熱駆動する
と、発熱素子103の温度は、穿孔データにおけるデー
タA及びストローブ信号Cに基づき図25に示すように
徐々に上昇し、熱可塑性フィルム30の溶融温度以上で
ある200℃以上の温度となる。これにより、発熱素子
103が当接している熱可塑性フィルムの部分は溶融さ
れ、同時に、接着剤層32の一部も溶融され、感熱性孔
版原紙28に文字列に対応して穿孔Hが形成される。こ
れにより、インクが含浸された含浸体27から多孔性支
持体31に供給されるインクは、穿孔Hを介して熱可塑
性フィルム30の表面側に浸出可能な状態となる。
【0076】かかる状態においては、前記のように穿孔
Hを形成する際に、熱可塑性フィルム30が溶融され、
また、ストローブ信号Cの消失時点から発熱素子103
の温度低下に伴って溶融フィルムも固化していくので、
各発熱素子103の表面には、溶融後のフィルム30A
が一旦付着される。
【0077】前記のように熱可塑性フィルム30に穿孔
Hが形成された後、ヘッド駆動回路119を介して、前
記のようにデータB及びストローブデータDに基づき発
熱素子103を発熱駆動すると、サーマルヘッド90に
おける発熱素子103の温度は、再度徐々に105℃前
後まで上昇する。かかる温度は熱可塑性フィルム30の
溶融温度以下であり、且つ、熱可塑性フィルム30を軟
化させ得る温度であるから、発熱素子103の表面に付
着している溶融後のフィルム30Aは軟化状態にされ
る。このような状態を保持したまま、モータ駆動回路1
20からモータ駆動信号(図24参照)がキャリッジ送
りモータ100に出力される。これにより、サーマルヘ
ッド90は、キャリッジ87と共に、印面部33に対し
て図26中矢印E方向に相対移動される。このとき、発
熱素子103の表面で軟化状態にあるフィルム30A
は、穿孔Hの端部(図27中左端部)で擦られるととも
に、発熱素子103の表面から引き剥され、この結果、
フィルム30Aは穿孔Hの端部に付着して残存すること
となる。従って、感熱性孔版原紙28に含まれる熱可塑
性フィルム30を溶融させて穿孔を行う場合において
も、サーマルヘッド90の発熱素子103に溶融された
熱可塑性フィルム30Aが付着することが確実に防止さ
れ、発熱素子103を常にきれいな状態に保持して美麗
な文字列を穿孔することが可能となる。
【0078】前記のように文字列に従って穿孔Hが形成
された印面部33を有するスタンプユニット1を使用し
てスタンプ印刷するには、スカート部材6を介して、印
面部33を用紙の表面の所望の位置に位置決めしてか
ら、把持部2を握って把持部2を下方へ押動させ、印面
部33を用紙の表面に押圧すると、含浸体27内のイン
クが多数の穿孔からしみ出すため、用紙の表面に前記穿
孔パターンを印刷することができる。
【0079】スタンプ部3の外周側を囲繞する昇降自在
のスカート部材6を設け、そのスカート部材6を、第1
位置と、第2位置と、第3位置とに亙って昇降自在に構
成し、このスカート部材6を、スプリング21により、
第1位置の方へ弾性付勢したので、スカート部材6を第
3位置に保持した状態において、印面部33に所望のパ
ターンをドッドパターンにて穿孔できる。
【0080】そして、印刷の際にはスカート部材6を第
1位置に保持し、スカート部材6を用紙の表面の印刷す
べき位置にセットして、印面部33を位置決めしてか
ら、把持部2を押圧すると、スプリング21が収縮して
スカート部材6が第2位置まで上昇するので、所望の位
置に正確に印刷することができる。そして、印刷後、把
持部2への押圧力を緩めると、スカート部材6の第1位
置への復帰動作により、印面部33からの用紙の剥離が
促進されるため、薄手の用紙にもきれいに印刷すること
ができる。但し、用紙の表面の狭い枠内に印刷するよう
な場合には、手でスカート部材6を第2位置や第3位置
に保持した状態で印刷することもできる。また、不使用
時にはスカート部材6をスプリング21の付勢力で第1
位置に保持し、スカート部材6でスタンプユニット1全
体を支持し、印面部33を保護することができる。
【0081】更に、前記スタンプ部3に、含浸体27の
表面部を固定的に覆う感熱性孔版原紙28を設け、スカ
ート部材6よりも内側において、基部材26の外周側に
延びた感熱性孔版原紙28の外周部を囲繞する外周保持
部材5を設けたので、基部材26の外周側に延びた感熱
性孔版原紙28の外周部がスカート部材6で損傷するの
を防止できるし、含浸体27からインクが外部へ流出す
るのを防止できる。
【0082】更に、前記スタンプ部3の印面部33を覆
う保護キャップ7であって、スタンプ部3に着脱自在に
装着される保護キャップ7を設けたため、保護キャップ
7により、不使用時における印面部33の損傷と埃の付
着を防止でき、誤操作により印刷すべきでない位置に印
刷してしまうのを防止できる。
【0083】加熱穿孔装置50に関して、穿孔用装着部
71にスタンプユニット1を装着した際に、スタンプユ
ニット1は、その前後1対のガイド溝15に係合した前
後1対のガイド部で支持され、1対のローラ81で後方
へ押圧されて、スタンプユニット1の前後方向位置が正
確に設定される。
【0084】そして、スタンプユニット1は、係止部8
5で係止されるとともに、前後1対のガイド溝15の終
端で係止されて、左右方向位置が正確に設定される。し
かも、スタンプユニット1の係合凹部16に1つのロー
ラ81を係合させるため、穿孔中にスタンプユニット1
の位置がズレることもない。
【0085】セクタギヤ76とギヤ98とヘッド切換え
ロッド89を介して、開閉扉75とカム体91とを連動
させ、スタンプユニット1を穿孔用装着部71に装着
し、開閉扉75を閉じるまでは、サーマルヘッド90が
下方へリリースするように構成してあるため、スタンプ
ユニット1の装着の際に、サーマルヘッド90で印面部
33を損傷することがないし、また、穿孔終了後には、
サーマルヘッド90が印面部33から左方へ退くまで、
キャリッジ87を移動させるため、サーマルヘッド90
で印面部33を押圧し続けることがないから、印面部3
3からのインクの漏出を防止できる。また、穿孔後のス
タンプユニット1を取り外す際には、開閉扉75を開く
と、サーマルヘッド90が下方へリリースされるため、
スタンプユニット1の取り出し時にも印面部33を損傷
することがない。
【0086】スタンプユニット1を穿孔用装着部71に
装着する際に、ガイドバー83により、スカート部材6
が、最も上昇した第3位置へ切換えられるため、印面部
33への穿孔時にスカート部材6が、穿孔の邪魔になる
ことがない。
【0087】近接スイッチ104,105により、スタ
ンプユニット1の幅サイズを検知するように構成したの
で、スタンプユニット1のサイズを間違えて、印面部3
3のサイズに適合しない文字列を穿孔することがない。
また、スタンプユニット1は穿孔用装着部71内におい
て、ガイド部材78と把持部2との係合により支持され
ているので、把持部2を同じ構成にすれば、穿孔用装着
部71には、狭幅のスタンプユニット1も広幅のスタン
プユニット1も装着可能であるので、汎用性に優れる。
【0088】以上詳細に説明した通り本実施例に係るス
タンプユニット1の穿孔装置では、スタンプユニット1
の印面部33にサーマルヘッド90の各発熱素子103
を介して文字列に従い穿孔Hを形成するについて、先
ず、ヘッド駆動回路119からデータAに対応してスト
ローブ信号Cをサーマルヘッド90の発熱素子103に
出力して、発熱素子103の表面温度を熱可塑性フィル
ム30の溶融温度以上である200℃以上の温度に加熱
駆動することにより印面部33に穿孔Hを形成し、この
ように穿孔Hを形成した後、ヘッド駆動回路119から
データBに対応してストローブ信号Dを発熱素子103
に出力して、発熱素子103の表面温度を熱可塑性フィ
ルム30の溶融温度以下で、且つ、軟化温度である約1
05℃前後に加熱駆動した状態を保持したまま、モータ
駆動回路120からモータ駆動信号をキャリッジモータ
100に出力してサーマルヘッド90を印面部33に対
して相対移動させることにより発熱素子103の表面に
付着したフィルム30Aを穿孔Hの端部にて擦り付ける
とともに、発熱素子103の表面から引き剥してフィル
ム30Aを穿孔Hの端部に残存させるように構成したの
で、感熱性孔版原紙28に含まれる熱可塑性フィルム3
0を溶融させて穿孔を行う場合においても、サーマルヘ
ッド90の発熱素子103に溶融された熱可塑性フィル
ム30Aが付着することを確実に防止することができ
る。これにより、発熱素子103を常にきれいな状態に
保持して美麗な文字列を穿孔することができるものであ
る。
【0089】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良、変形が可能であることは勿論である。例えば、前記
実施例においては、穿孔Hの形成時に、ストローブ信号
C及びDに基づく発熱素子103の発熱駆動を利用して
溶融フィルム30Aを発熱素子103の表面から除去す
るように構成されているが、各ストローブ信号C、Dと
は別のタイミングで全ての発熱素子103を発熱駆動す
るように制御してもよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、感熱性孔版
原紙に含まれる熱可塑性フィルムを溶融させて穿孔を行
う際に、サーマルヘッドの発熱素子に溶融された熱可塑
性フィルムが付着することを防止し、発熱素子を常にき
れいな状態に保持して美麗な文字列パターンを穿孔する
ことが可能な穿孔装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスタンプ装置のスタンプ
ユニットの斜視図である。
【図2】スタンプユニットの分解斜視図である。
【図3】スタンプユニットの縦断正面図である。
【図4】スタンプユニットの縦断側面図である。
【図5】スタンプユニットのスタンプ部本体の拡大縦断
正面図である。
【図6】スタンプユニットの感熱性孔版原紙の拡大断面
図である。
【図7】スタンプ部本体の製作方法を説明する斜視図で
ある。
【図8】スカート部材が第3位置のときのスタンプユニ
ットの縦断正面図である。
【図9】スカート部材が第2位置のときのスタンプユニ
ットの縦断正面図である。
【図10】スタンプユニットの印面部に穿孔するパター
ンの一例を示す図である。
【図11】スタンプ装置の加熱穿孔装置の斜視図であ
る。
【図12】加熱穿孔装置とスタンプユニットの斜視図で
ある。
【図13】加熱穿孔装置の平面図である。
【図14】加熱穿孔装置の部分切欠き正面図である。
【図15】加熱穿孔装置の部分切欠き縦断側面図であ
る。
【図16】加熱穿孔装置の加熱穿孔部の斜視図である。
【図17】加熱穿孔装置の加熱穿孔部の要部斜視図であ
る。
【図18】加熱穿孔機構の分解斜視図である。
【図19】加熱穿孔装置の加熱穿孔部の要部側面図であ
る。
【図20】穿孔用装着部に装着中のスタンプユニットと
加熱穿孔部の縦断正面図である。
【図21】穿孔用装着部に装着後のスタンプユニットと
加熱穿孔部の縦断正面図である。
【図22】スタンプ装置の制御系のブロック図である。
【図23】ヘッド駆動回路の電気回路図である。
【図24】ヘッド駆動回路における各入力端子に入力さ
れる信号及びモータ駆動回路から出力されるモータ駆動
信号を示すタイミングチャートである。
【図25】各ストローブ信号C、Dと発熱素子の発熱温
度との関係を示す説明図である。
【図26】穿孔時における感熱孔版原紙とサーマルヘッ
ドの発熱素子との関係を模式的に示す断面図である。
【図27】サーマルヘッドを相対移動させた後における
感熱孔版原紙とサーマルヘッドの発熱素子との関係を模
式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 スタンプユニット 2 把持部 3 スタンプ部 4 スタンプ部本体 5 外周保持部材 26 基部材 27 含浸体 28 感熱性孔版原紙 30 熱可塑性フィルム 33 印面部 50 加熱穿孔装置 52 キーボード 71 穿孔用装着部 72 加熱穿孔機構 90 サーマルヘッド 100 キャリッジ送りモータ 110 制御ユニット 111 CPU 112 ROM 113 RAM 119 ヘッド駆動回路 120 モータ駆動回路 A、B 穿孔データ C、D ストローブ信号 H 穿孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク含浸体が内設されるとともに熱可
    塑性フィルムを含む感熱性孔版原紙によりインク含浸体
    を被覆してなるスタンプユニットの印面部に所望の文字
    列パターンを穿孔するスタンプユニットの穿孔装置にお
    いて、 複数の発熱素子が設けられ、各発熱素子に選択的に通電
    することにより所定の第1温度に発熱させて前記熱可塑
    性フィルムを溶融しつつ感熱性孔版原紙を文字列パター
    ンに従って穿孔するサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドにより穿孔を行った後にサーマルヘ
    ッドと印面部とを相対的に移動させる移動手段と、 前記移動手段を介してサーマルヘッドと印面部とが相対
    移動されている間に、前記各発熱素子の温度が前記第1
    温度よりも低い第2温度となるように通電駆動を行う通
    電駆動手段とを備えたことを特徴とするスタンプユニッ
    トの穿孔装置。
  2. 【請求項2】 前記第1温度は熱可塑性フィルムの溶融
    温度よりも高く設定されており、前記第2温度は熱可塑
    性フィルムの溶融温度よりも低く設定されていることを
    特徴とする請求項1記載のスタンプユニットの穿孔装
    置。
JP8093698A 1998-03-27 1998-03-27 スタンプユニットの穿孔装置 Pending JPH10217422A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8093698A JPH10217422A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 スタンプユニットの穿孔装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8093698A JPH10217422A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 スタンプユニットの穿孔装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7031494A Division JP3006663B2 (ja) 1995-01-27 1995-01-27 印面作成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10217422A true JPH10217422A (ja) 1998-08-18

Family

ID=13732359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8093698A Pending JPH10217422A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 スタンプユニットの穿孔装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10217422A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6571700B2 (en) 2000-05-17 2003-06-03 Riso Kagaku Corporation Method for making a heat-sensitive stencil
US6571699B2 (en) 2000-05-17 2003-06-03 Riso Kagaku Corporation Method of thermally perforating a heat sensitive stencil
US6629495B2 (en) 2000-05-17 2003-10-07 Riso Kagaku Corporation Method of and apparatus for making heat-sensitive stencil and heat-sensitive stencil material

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6571700B2 (en) 2000-05-17 2003-06-03 Riso Kagaku Corporation Method for making a heat-sensitive stencil
US6571699B2 (en) 2000-05-17 2003-06-03 Riso Kagaku Corporation Method of thermally perforating a heat sensitive stencil
US6629495B2 (en) 2000-05-17 2003-10-07 Riso Kagaku Corporation Method of and apparatus for making heat-sensitive stencil and heat-sensitive stencil material
US6755126B2 (en) 2000-05-17 2004-06-29 Riso Kagaku Corporation Apparatus for making a heat-sensitive stencil
US6758138B2 (en) 2000-05-17 2004-07-06 Riso Kagaku Corporation Heat sensitive stencil material
US6807904B2 (en) 2000-05-17 2004-10-26 Riso Kagaku Corporation Method and apparatus for making heat-sensitive stencil and heat-sensitive stencil material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2900809B2 (ja) スタンプユニット
JP3006663B2 (ja) 印面作成装置
KR100263274B1 (ko) 인면부를 감열성 공판원지로 구성한 스탬프체를 구비한 스탬프장치 및 그 천공방법
JPH10217422A (ja) スタンプユニットの穿孔装置
JP3224934B2 (ja) スタンプ装置
JP3085071B2 (ja) スタンプユニット用加熱印字装置
JP3028785B2 (ja) スタンプ体用加熱穿孔装置
JP3951343B2 (ja) スタンプ装置及びスタンプ体
JP2959397B2 (ja) 孔版印刷用原板
JP3045240U (ja) スタンプ体
JP2988301B2 (ja) スタンプユニット
JP2924646B2 (ja) スタンプ装置
JP3366831B2 (ja) スタンプ装置
JP3060822B2 (ja) スタンプ装置
JP3008783B2 (ja) スタンプ装置
JP3304199B2 (ja) 加熱穿孔装置
JP3224676B2 (ja) スタンプ装置
JP3028729B2 (ja) スタンプ装置
JPH10287031A (ja) スタンプ体
JP3139421B2 (ja) スタンプ作成装置
JP3097483B2 (ja) テープ作成装置
JP2894212B2 (ja) スタンプ装置
JP2939969B2 (ja) カットシート状感熱紙カセット
JP3033461B2 (ja) スタンプ作成用の加熱穿孔装置
JP3163895B2 (ja) スタンプユニット