JP3097357B2 - リング部材のロール成形装置 - Google Patents

リング部材のロール成形装置

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JP3097357B2
JP3097357B2 JP04315793A JP31579392A JP3097357B2 JP 3097357 B2 JP3097357 B2 JP 3097357B2 JP 04315793 A JP04315793 A JP 04315793A JP 31579392 A JP31579392 A JP 31579392A JP 3097357 B2 JP3097357 B2 JP 3097357B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は成形ロール,マンドレ
ルを用いてボールベアリングアウターレースやギヤ用素
材等リング部材を成形加工する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6(A)(ハ)に示すように内周面に
環状の溝100を有するボールベアリングアウターレー
ス102の成形方法として、リング部材(ワーク)の外
周面に成形ロールを押圧接触させる一方、内周面に上記
溝に対応する形状の環状の突条部(成形部)を有するマ
ンドレルを該成形部において押圧接触させ、その状態で
成形ロール,マンドレル及びワークを回転させつつ加工
を施して、ワークの内周面に環状の溝を冷間加工で成形
する方法が用いられている。
【0003】図7はこの成形装置の一例を示している。
図において103はリング部材(ワーク)102の幅に
対応した幅の溝104を有する成形ロール,106はマ
ンドレルで、軸方向所定個所に環状の突条部(成形部)
108を有している。
【0004】この装置は、受ロール110にてワーク1
02の軸方向の位置を規制しつつ、成形ロール103と
マンドレル106とでワーク102を内外両面から挾圧
し、その状態で成形ロール,マンドレル106とともに
ワーク102を回転運動させながら、マンドレル106
の突条部108によりワーク102内周面に溝を成形加
工して行く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの冷間成形
装置において、上記溝100を深く形成する必要がある
場合、その溝100の成形加工を一段階で一挙に行なっ
てしまうと、加工度が高くなることから図6(B)に示
しているように加工部位周辺に割れが発生し易くなる。
【0006】そこで従来は深い溝(例えば深さ2.5m
m)を成形加工する場合には、図6(A)に示している
ようにこれを2段階に分けて、例えば第一段階目の加工
((イ)→(ロ))で深さ1.5mmの溝を、第二段階
目の加工((ロ)→(ハ))で目的とする深さ2.5m
mの溝を成形加工するといったことが行なわれている。
【0007】しかしながらこのように加工を2段階に分
けて行なう場合、2台の成形装置が必要であり、装置の
設置スペースが広くなってしまう他、装置へのワークの
供給からワーク排出に到る一連の作業工程を二回繰り返
すこととなり、全体として工程数が多くなって能率低下
を招いてしまう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して本願
の発明に係る装置は、(イ)リング部材の外周面に押圧
接触させられる成形ロールと、(ロ)軸方向に移動可能
に設けられ且つ該軸方向に沿って、該リング部材の内周
面に接触して該成形ロールとともに該リング部材に対し
て逐次的に成形加工を施すための複数の成形部が設けら
れたマンドレルと、(ハ)該マンドレルを軸方向に進退
駆動する進退駆動手段と、(ニ)前記マンドレルが前記
成形部を移し替るために軸方向に移動する間前記リング
部材を保持するワーク保持手段とを含むことを特徴とす
る(請求項1)。
【0009】本願の別の発明は、請求項1のロール成形
装置において、前記マンドレルの一端部及び他端部を軸
受を介して回転可能に保持する第一保持体及び第二保持
体が設けられ、該第二保持体は該マンドレルの他端部を
保持及び開放可能と成されるとともに、該マンドレル保
持状態においてそれら第一保持体及び第二保持体が該マ
ンドレルと一体にその軸方向に進退可能とされているこ
とを特徴とする(請求項2)。
【0010】
【作用及び発明の効果】このように請求項1の装置は、
一本のマンドレルに複数の成形部を軸方向に沿って設
け、これを進退駆動手段にて軸方向に移動させて複数の
成形部を逐次的に成形ロールに対応する位置、つまり成
形位置に位置させ、以てリング部材に対し所定の成形加
工を段階的に施して行くようにしたものである。
【0011】かかる本発明によれば、リング部材に対し
複数段階の加工を施すに際して一台の成形装置で足り、
装置の占有スペースを少なくすることができる。また成
形装置へのワークの供給から排出に到る一連の作業を一
回行なうだけで良く、このため加工のための作業工程数
も少なくなり生産能率が向上する。
【0012】請求項2の装置は、上記マンドレルの各端
部を第一保持体と第二保持体とにより回転可能に保持す
るとともに、第二保持体によるマンドレルの端部の保持
を開放可能となし、且つそれら保持体をマンドレルと一
体に位置移動可能、つまりマンドレルを保持体により保
持した状態で軸方向に移動可能となしたものである。
【0013】このようにすれば、マンドレルの端部(第
二保持体による保持側端部)を通じてワークを成形位置
に容易にセットでき、また加工済みのワークを容易に排
出することができるとともに、マンドレルを支持状態で
軸方向に移動させることができ、各成形部を円滑に成形
位置に移行させることができ且つこれと同時に成形を開
始できる利点が得られる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図2において10は位置固定に設けられた成
形ロールで、リング部材(ワーク)12に対応する幅の
溝14を有している。16は成形ロール10に対向して
配置された受ロールで、この受ロール16は、ワーク1
2の軸方向位置を規制する規制部材(ガイド部材)とし
て作用する。
【0015】これら成形ロール10と受ロール16との
間にはマンドレル18が配置されている。マンドレル1
8には軸方向2ヵ所に環状且つ突条形態の第一成形部2
0及び第二成形部22が設けられている。
【0016】図1においてテーブル24上には第一スラ
イダ26と第二スライダ28とがガイド30に沿ってマ
ンドレル18の軸方向に移動可能に設けられ、これらス
ライダ26,28上に第一支持ブラケット32,第二支
持ブラケット34が固定されている。
【0017】一方の第一支持ブラケット32はマンドレ
ル18の一端部に連結され、同端部を軸受を介して回転
可能に保持している。この第一支持ブラケット32はマ
ンドレル18に対して軸方向に相対移動不能に固定され
ており、マンドレル18と一体に移動する。
【0018】他方の第二支持ブラケット34は、マンド
レル18の図中左方向の移動時に軸受を介してその他端
部に嵌合し、これを回転可能に保持する一方、マンドレ
ル18の後退運動によってその保持を解除する。
【0019】前記第一スライダ26には可動の第一シリ
ンダ36が連結されている。一方テーブル24上には第
二シリンダ38が位置固定に設けられており、夫々のロ
ッドが突合せ状態で結合されている。そしてその結合部
位から長い連結ロッド40がマンドレル18の軸方向
(図中左方向)に延び出しており、その先端が前記第二
スライダ28に結合されている。
【0020】ここで第一シリンダ36は、マンドレル1
8を第一スライダ26及び第一支持ブラケット32とと
もに移動させるもので、第二シリンダ38は、その推力
を第一シリンダ36を介して第一スライダ26,第一支
持ブラケット32,マンドレル18に及ぼすとともに、
連結ロッド40を介して第二スライダ28,第二支持ブ
ラケット34にも及ぼし、それらを全体的に一体に移動
させるものである。
【0021】図1(B)において、42は保持アーム
で、先端に設けられたローラ44を介してワーク12に
接触し、成形ロール10とともにワーク12を保持する
作用をなすものである。この保持アーム42は、シリン
ダ48によりガイド46に沿って図中左右方向、つまり
ワーク12に接触する位置と離間する位置との間で進退
可能とされている。
【0022】尚この保持アーム42は、ワーク12の外
径に応じてワーク12に対する接触位置を変化させるも
ので、これに基づきワーク12の外径を検出する機能を
併せ有する。
【0023】次に本装置の作用を説明する。図2(I)
に示しているように成形ロール10が後退位置、且つ図
1に示しているようにマンドレル18と第二支持ブラケ
ット34とが切離し状態の下でワーク12が成形位置に
セットされ、これとともに第一シリンダ36の作動によ
り第一スライダ26,第一支持ブラケット32及びマン
ドレル18が一体に図中左方向に前進移動させられ、マ
ンドレル18がワーク12の内部を挿通して先端部を第
二支持ブラケット34の軸受に嵌合させる。このときマ
ンドレル18の第一成形部20が成形ロール10と対向
する成形位置に位置させられる。
【0024】次に図2(II)に示しているように成形ロ
ール10が前進移動してマンドレル18の第一成形部2
0とともにワーク12を内外両側から挾圧する。この状
態で成形ロール10,ワーク12,マンドレル18の三
者が回転させられ、ワーク12の内周面に第一成形部2
0による第一段階目の溝加工が施される。
【0025】第一段階目の溝加工が終了すると、保持ア
ーム42が後退位置から前進し、先端においてワーク1
2を成形ロール10とともに保持する。そしてその状態
で更に一定距離成形ロール10とともに位置移動し、ワ
ーク12内周面をマンドレル18の第一成形部20から
軸直角方向に離間させる(図2(III))。
【0026】この状態で次に(IV)に示しているように
第二シリンダ38が作動してマンドレル18を第一支持
ブラケット32及び第二支持ブラケット34ごと図中左
方向に移動させ、マンドレル18の第二成形部22を成
形位置に位置させる。
【0027】そして第二成形部22が同位置に位置した
時点で成形ロール10が再び前進駆動され、更に保持ア
ーム42が後退運動させられた後において、成形ロール
10,マンドレル18,ワーク12の回転が行なわれ、
第二段階目の溝加工が施される(図2(V))。
【0028】この第二段階目の溝加工が終了すると再び
保持アーム42が前進運動してワーク12を保持すると
ともに、成形ロール10とともにこれをマンドレル18
から離間させる。この状態でマンドレル18が後退運動
させられてワーク12から抜き出され、ワーク12が下
方に落下排出される。
【0029】尚マンドレル18の後退運動は、第一シリ
ンダ36及び第二シリンダ38の両方によって行なわれ
る。而して第二シリンダ38による後退運動では、第二
支持ブラケット34がマンドレル18とともに同方向に
移動させられ、第一シリンダ36による後退運動時には
第二支持ブラケット34は位置停止させられ、マンドレ
ル18のみが第一支持ブラケット32とともに後退運動
して第二支持ブラケット34から切り離される。
【0030】図3は本発明の第二実施例を示したもの
で、この例ではマンドレル18の進退駆動用として単一
のシリンダ50が用いられ、かかるシリンダ50がテー
ブル24の上面より下側に配設されている。このように
した場合、第一の実施例のようにシリンダが後方に大き
く突出した状態となるのを避けることができ、装置をコ
ンパクトに構成できる利点が得られる。
【0031】この実施例においては、第一スライダ26
が一定位置まで前進した時点で第二スライダ28を貫通
するロッド52の中間に設けたストッパ29が第二スラ
イダ28に当接し、第二スライダ28をともに移動させ
るように構成してある。尚第一スライダ26の後退運動
時には、第二スライダ28は前記ロッド52先端のスト
ッパ31によって同方向に移動させられ、所定部位に設
けたストッパに当接して位置停止する。
【0032】図4は本発明の第三実施例を示している。
この実施例では第一ベース60,第二ベース62上に第
一支持ブラケット32,第二支持ブラケット34がそれ
ぞれ固設されるとともに、第一ベース60,第二ベース
62に第一油圧シリンダ64,第二油圧シリンダ66が
それぞれ一体的に設けられている。
【0033】第一油圧シリンダ64及び第二油圧シリン
ダ66のピストンロッド68,72及びピストン70,
74はそれぞれ固定的に設けられており、それらピスト
ン70,74にて区画された第一油圧シリンダ64,第
二油圧シリンダ66における各油室に油圧が択一的に供
給されることによって、第一ベース60及び第二ベース
62が、ガイドロッド76,78の案内の下に図中左右
方向に進退させられる。
【0034】この実施例の場合、当初第一油圧シリンダ
64のみが作動して第一支持ブラケット32及びマンド
レル18が図中左方向に前進し、そして(B)に示して
いるようにマンドレル18の先端部が第二支持ブラケッ
ト34に嵌合した時点で第一成形部20による成形を行
い、その後第二油圧シリンダ66が作動して、第一支持
ブラケット32及び第二支持ブラケット34がマンドレ
ル18を支持した状態で図中左方向に同期して一体に移
動して、(C)のようになり、第二成形部22による成
形をする。この第三実施例によれば、各ベースの移動精
度が良く、且つ装置全体もコンパクトにすることができ
る。
【0035】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明は例えば図5(A)に示し
ているような受部材54によりワーク12を下側から保
持するようになすことや、同図(B)に示すように昇降
ロッド58の下端にチャック56を有するワーク装入用
ローダ59でこれを上方から保持するようになすことも
可能であるなど、その主旨を逸脱しない範囲において、
当業者の知識に基づき様々な変更を加えた形態で構成可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるロール成形装置の構成
図である。
【図2】同成形装置の作用説明図である。
【図3】本発明の他の実施例の図である。
【図4】本発明の更に他の実施例の図である。
【図5】本発明の更に他の実施例におけるワーク保持手
段の図である。
【図6】本発明の背景説明図である。
【図7】従来の成形装置の図である。
【符号の説明】
10 成形ロール 12 リング部材 18 マンドレル 20 第一成形部 22 第二成形部 36,38,50 シリンダ 26 第一スライダ 28 第二スライダ 32 第一支持ブラケット 34 第二支持ブラケット 42 保持アーム 60 第一ベース 62 第二ベース 64 第一油圧シリンダ 66 第二油圧シリンダ 68,72 ピストンロッド 70,74 ピストン 76,78 ガイドロッド

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)リング部材の外周面に押圧接触させ
    られる成形ロールと、 (ロ)軸方向に移動可能に設けられ且つ該軸方向に沿っ
    て、該リング部材の内周面に接触して該成形ロールとと
    もに該リング部材に対して逐次的に成形加工を施すため
    の複数の成形部が設けられたマンドレルと、 (ハ)該マンドレルを軸方向に進退駆動する進退駆動手
    段と、 (ニ)前記マンドレルが前記成形部を移し替るために軸
    方向に移動する間前記リング部材を保持するワーク保持
    手段とを含むことを特徴とするリング部材のロール成形
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のロール成形装置において、前
    記マンドレルの一端部及び他端部を軸受を介して回転可
    能に保持する第一保持体及び第二保持体が設けられ、該
    第二保持体は該マンドレルの他端部を保持及び開放可能
    と成されるとともに、該マンドレル保持状態においてそ
    れら第一保持体及び第二保持体が該マンドレルと一体に
    その軸方向に進退可能とされていることを特徴とするリ
    ング部材のロール成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200485705Y1 (ko) * 2016-05-16 2018-02-09 (주)피티아이 화재 대피용 타월 팩
KR101924803B1 (ko) * 2018-08-29 2018-12-04 김상현 화재용 고글 마스크

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200485705Y1 (ko) * 2016-05-16 2018-02-09 (주)피티아이 화재 대피용 타월 팩
KR101924803B1 (ko) * 2018-08-29 2018-12-04 김상현 화재용 고글 마스크

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