JP3097349B2 - 真珠光沢顔料の製造方法 - Google Patents

真珠光沢顔料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真珠光沢顔料の製造方
法、特にチタニア、ジルコニア単独またはそれらの混合
物からなる金属酸化物微粒子をフレーク上に被覆した真
珠光沢顔料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、真珠光沢顔料として、チタニア微
粒子の半透明層を雲母薄片上に形成したものが広く使用
されている。
【0003】雲母薄片上へのチタニアの被覆方法とし
て、沸騰温度で硫酸酸性オキシ硫酸チタン溶液を加水分
解する方法(例えば、特公昭43−25644号)や、
四塩化チタンの加水分解法(例えば、特公昭49−38
24号)が一般に知られている。これらの方法では、水
酸化チタンを被覆した後、700〜1000℃で熱処理
し、安定で輝度の高いチタニア被覆層となす。
【0004】一方、本発明者らは、雲母薄片の代わりに
フレーク状ガラスを使用し真珠光沢顔料を製造すること
を提案した。雲母薄片の代わりにフレーク状ガラスを使
用することの利点は、フレーク状ガラスの表面平滑性の
良さにある。すなわち、フレーク状ガラスは雲母のよう
に表面凹凸が大きくなく、チタニア層を設けた場合、チ
タニア層内の多重反射が良好であり、色調がより美しい
と言う長所がある。
【0005】これら雲母やフレーク状ガラスは何れも可
視光透過率が低くないので、チタニア被覆後のこれら顔
料を明るい背景に置いた場合、反射干渉色と透過干渉色
が混じって見えることになる。反射干渉色と透過干渉色
は、互いに相補的関係にあり、その混合色は白色であ
る。このように、明るい背景上に置かれたこの種の顔料
は、その特徴とする反射干渉色が現れにくくなるという
欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この欠点を解決する方
法として、雲母上に被覆した二酸化チタンを還元し、低
酸化状態のチタニアとして黒色となし、さらにその上
に、二酸化チタンの被覆を行うことにより、反射干渉色
を強調することが行われている(例えば、鈴木 福二,
ニューセラミックス,No.1,79-84(1991).参照)。しか
し、この方法では、二酸化チタン被覆、還元操作、二酸
化チタン被覆と、操作が煩雑であり、工業的利用の観点
からは不利であると言う問題点があった。
【0007】本発明は上記の従来技術に鑑み、鮮やかな
反射干渉色を有する真珠光沢顔料を簡単かつ効率的に製
造することのできる方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、チタ
ニアもしくはジルコニア単独またはそれらの混合物をフ
レーク状基材上に被覆し、熱処理して真珠光沢顔料を製
造する方法において、前記フレーク状基材として、加水
分解・重縮合可能な有機金属化合物および結果的に光吸
収の原因となる物質を含む溶液から製造した、400n
m〜800nmの波長範囲の少なくとも一部の光の透過
率が50%以下である材料を使用することを特徴とする
真珠光沢顔料の製造方法である。
【0009】フレーク状基材は、加水分解・重縮合可能
な有機金属化合物を含む溶液から既に発明者らが提案し
た方法(特開平3−285838)によって製造するこ
とができる。
【0010】すなわち、加水分解・重縮合可能な有機金
属化合物を含む溶液を基材上に塗布し、これを乾燥して
ゲル状膜を形成させた後、ゲル状膜が付着した基材から
ゲル状膜を剥離させ、焼結してフレーク状基材を製造す
る。
【0011】本発明に用いる原料としての加水分解・重
縮合可能な有機金属化合物は、加水分解、脱水縮合を行
なうものであれば基本的にはどんな化合物でもよいが、
アルコキシル基を有する金属アルコキシドが好ましい。
更に具体的には、シリコン、チタン、アルミニウム、ジ
ルコニウム、リン、ホウ素等のメトキシド、エトキシ
ド、プロポキシド、ブトキシド等が、単体あるいは混合
体として用いられる。従って、本発明によって得られる
フレーク状基材の組成は、例えば純粋なシリカ、珪酸塩
系、チタン酸塩系、アルミン酸系、ジルコニウム酸塩
系、リン酸塩系、ホウ酸塩系の非晶質または結晶質のも
のである。
【0012】上記有機金属化合物を含む原料溶液の溶媒
は、実質的に上記有機金属化合物を溶解すれば基本的に
何でもよいが、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−
ル、ブタノ−ル等のアルコ−ル類が最も好ましい。この
溶媒の使用量は有機金属化合物と溶媒との合計量に対し
て容積比で0.1〜0.995、好ましくは0.2〜0.
9、更に好ましくは0.3〜0.85である。
【0013】上記原料の有機金属化合物の加水分解には
水分が必要である。これは中性、酸性、塩基性の何れで
もよいが、加水分解を促進するためには、塩酸、硝酸、
硫酸等で酸性にした水を用いるのが好ましい。その使用
量は、有機金属化合物1モルに対して水1モル〜100
モルの範囲が好ましい。そして酸の使用量は有機金属化
合物に対してモル比で0.01〜2、好ましくは0.0
5〜1.5である。
【0014】本発明で使用する基板はステンレス、金、
銀のような金属、ガラスあるいはプラスチックなどの材
質で、表面が平滑なものを用いる。このような基板に、
上記有機金属化合物を含む液体を塗布し、0.06〜5
0μmの薄い液膜とする。この膜が乾燥すると収縮する
が、基板は収縮しないので、膜に亀裂が発生する。基材
からゲル状膜を剥離させた後、焼結してフレーク状ガラ
スを製造する。
【0015】本発明に用いる結果的に光吸収の原因とな
る物質は、前記フレーク状物質の可視光透過率を低くす
るものであり、炭化残留するような有機物、鉄等の金属
イオンまたはコロイドなどを挙げることができる。
【0016】該有機物を炭化残留させる方法は、原料で
ある加水分解・重縮合可能な有機金属化合物中の有機基
を炭化させても良いし、積極的に原料溶液中に有機物質
を添加付与しても良い。前者有機金属化合物としては、
ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の
アルコキシシランやシランカップリング剤などの使用
が、炭化に有効である。例えば上記のジメチルジメトキ
シシランおよびメチルトリエトキシシランは加水分解・
重縮合可能な有機金属化合物でもあり、かつ結果的に光
吸収の原因となる物質でもあるので兼用することができ
る。後者の有機物質は、有機色素、有機高分子化合物
等、炭素原子を分子中に有し原料溶液に可溶であるもの
なら、何でも使用できる。
【0017】結果的に光吸収の原因となる物質の添加量
は加水分解・重縮合可能な有機金属化合物に対して、通
常は0.1〜30重量%である。この添加量が0.1重
量%未満では鮮やかな反射干渉色を有する真珠光沢顔料
が得られない。またこの添加量が30重量%を越えても
真珠光沢顔料の反射干渉色の鮮やかさは、もはや向上せ
ず、添加物ぼ無駄となる。
【0018】これら原料溶液を、基材上に塗布し、乾燥
して基材から剥離させた後、熱処理する。この熱処理を
還元性雰囲気中で行えば、容易に有機物が炭素分として
フレーク中に残留する。熱処理温度は特に限定されない
が、フレーク状基材の強度を考慮すれば、600〜12
00℃の範囲で熱処理するのが好ましい。
【0019】得られるフレーク状ガラス基材は400n
m〜800nmの波長範囲の少なくとも一部の光の透過
率が50%以下であることが鮮やかな反射干渉色を有す
る真珠光沢顔料を得るために必要である。この光の透過
率は、チタニアもしくはジルコニア単独またはそれらの
混合物を被覆する前のフレーク状基材を、市販のアクリ
ル樹脂中に、濃度が5重量%となるように分散させ、厚
みが2mmの窓ガラス板上に約100μmの厚みで塗布
・乾燥させ、分光光度計で透過率を測定した値で定義す
る。この透過率は好ましくは30%以下である。この透
過率は小さければ小さい程効果が高いが、透過率が3%
以下では、さらに効果が高くなることはない。従って通
常は3%より高い透過率のものを使用する。また使用す
るフレーク状ガラス基材の寸法については、厚さは、通
常0.05μm〜5μmである。5μmより厚いと、自
由表面の膜部分と基材付近の膜部分との乾燥速度の差が
大きくなりすぎ、得られるフレーク状ガラスに、基板に
水平な方向の膜間剥離が発生するようになる。このよう
な膜間剥離が発生すると、得られるフレーク状ガラスの
膜厚の分布が 広くなり製品としての 品質が悪くなる。
逆に0.05μmより薄いと、基板と膜との付着性が大
きくなりすぎ、膜が基板から剥離しなくなり、フレーク
状とはならない。また本発明によって製造されるフレー
ク状ガラスの直径は通常10μm〜数mmであり、その
アスペクト比は少なくとも5、好ましくは少なくとも1
0である。
【0020】このようにして得られた、可視光透過率の
低いフレーク状基材上に、既知の方法でチタニアもしく
はジルコニア単独またはそれらの混合物を被覆し、鮮や
かな反射干渉色を有する真珠光沢顔料を簡単に製造する
ことができる。被覆するチタニアもしくはジルコニア単
独またはそれらの混合物の厚みを50〜200nmの範
囲で制御することによって、銀色、黄金色、赤色、赤紫
色、青色、緑色などの真珠光沢が得られる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示す。
【0022】実施例−1 市販のシリコンテトラエトキシド、エタノール、水を、
体積比で1:2:1の割合で混合し、さらに市販の有機
色素であるメチレンブルーを、前記混合溶液に対し0.
1重量%となるように添加し、室温で約24時間攪拌を
行なった。
【0023】表面を研磨した、20cm×20cmで厚
さ1mmのステンレス板を基材として用意しておき、先
に調製した溶液を、ディップコーティングによってステ
ンレス板基材上に成膜し、20℃、60%RHの大気中
に5分間放置した。その後これを120℃オーブンに入
れて2分間乾燥し、基材から剥離した青色のゲル膜をナ
イロンブラシで集めた。この青色は原料の中に混入した
メチレンブルーから由来するものである。
【0024】集めた青色ゲル膜を坩堝に入れて、これ
を、さらに還元剤として炭素片を入れた大きな坩堝内に
置き、蓋をして1000℃で2時間熱処理し、フレーク
状褐色シリカガラスを得た。その寸法は平均厚みが約
0.5μmで平均粒径が約85μmであった。この褐色
の着色はゲル膜中のメチレンブルーが分解し炭素成分が
還元されて炭素がシリカ中に分散していることによるも
のである。
【0025】このフレーク状褐色シリカガラスを、市販
のアクリル樹脂中に、濃度が5重量%となるように分散
させ、これを厚みが2mmの窓ガラス板上に約100μ
mの厚みで塗布・乾燥させ、分光光度計で透過率を測定
したところ、450nm光の透過率は8%であり、肉眼
で観察すると薄い褐色を呈していた。
【0026】先のフレーク状褐色シリカガラス15gを
100mlの水に分散させ、80℃に保った。ここに、
12gの二酸化チタンに相当するオキシ硫酸チタン水溶
液100gと、50gの50%硫酸をゆっくり加えた。
これを約1時間半加熱沸騰させた。この加熱沸騰により
フレーク状褐色シリカガラスの表面に徐々に水酸化チタ
ンが反応生成するが、加熱沸騰の途中で時々スラリーを
1滴取り、これを黒地の背景上に置き、チタニア層起因
の干渉色を観察した。この色が赤橙色になったところ
で、沸騰を止めた。スラリーを濾過し、水で洗浄して硫
酸を除去、乾燥して、水酸化チタン被覆フレーク状褐色
シリカガラスを得た。
【0027】得られた水酸化チタン被覆フレークを、1
000℃で1時間熱処理した。この熱処理により被覆層
の水酸化チタンがチタニアに変化した。被覆されたチタ
ニアの厚みは約85nmであった。最終的に得られたこ
の真珠光沢顔料を、アクリル樹脂に約5%となるように
分散させ、予め白色塗料を塗布乾燥させた金属基板上に
約50μmの厚みに塗布して乾燥させた。肉眼で見ると
この時の真珠光沢顔料の反射色は、チタニア層に起因す
る反射干渉色が強調されて、鮮やかな黄金色であった。
【0028】実施例−2 有機色素の代わりに、塩化第二鉄を濃度が1重量%とな
るように添加した他は、実施例−1と同様にして、鉄含
有フレークを製造した。フレークは、茶褐色であり、実
施例−1記載の方法で400〜600nm光に対する透
過率を測定したところ、10〜25%であった。実施例
−1記載と同じ方法で、約130nm厚みのチタニア被
覆を行い、青色の反射干渉色を有する真珠光沢顔料を得
た。
【0029】実施例−3 市販のシリコンテトラエトキシド、ジメチルジエトキシ
シラン、エタノール、水を、体積比で0.7:0.3:
2:1の割合で混合し、室温で約24時間攪拌を行なっ
た。
【0030】この溶液を用い、実施例−1と同じ方法で
フレーク状褐色シリカガラスを作製した。この褐色の着
色はジメチルジエトキシシランが分解して還元されて生
成された炭素微粒子によるものである。このフレークの
550nm光に対する透過率は、約10%であった。
【0031】実施例−1記載の方法で約120nm厚み
のチタニア層被覆を行い、赤紫色の反射干渉色を有する
真珠光沢顔料を得た。
【0032】比較例−1 実施例−1記載の青色ゲルフレークを、そのまま空気中
で1000℃で熱処理して、透明なフレーク状シリカガ
ラスを得た。実施例1の場合とは違い、ゲル膜中のメチ
レンブルーは還元炭化されずに酸化分解するため着色は
生じない。
【0033】実施例−1記載の方法で、400nmから
800nmの範囲の光に対する透過率を測定したとこ
ろ、この範囲で90〜95%であった。
【0034】さらに実施例−1記載の方法で、約85n
m厚みのチタニア被覆を行ない、得られた真珠光沢顔料
を、アクリル樹脂に約5%となるように分散させ、白色
基板上に塗布した。この時の真珠光沢顔料の反射色は、
弱い黄色の混じった白色であった。この弱い黄色の着色
は反射干渉色に起因するものである。白色基板上にある
チタニア被覆シリカガラスフレークを、基板上方から見
た場合、フレークを透過してくる光は一度フレーク中を
通過して白色基板上で反射した光である。この光の強度
は、フレーク表面で直接反射する光の強度よりも弱い。
同じことが反射干渉光と透過干渉光強度にも言え、若干
強い反射干渉色が、補色である透過干渉色によって白色
化されなかった部分が弱い色として観察されるのであ
る。
【0035】比較例−2 フレーク状基材として、フレーク状褐色シリカガラスの
代わりに市販の白雲母を用いた他は、実施例−1と同様
に約85nm厚みのチタニア被覆を行い、真珠光沢顔料
を作製した。この顔料は、白色基板上に置いた時、反射
干渉色が弱くなり、淡黄白色となった。また使用した白
雲母の400nmから800nmの範囲の光の透過率は
85〜95%であった。
【0036】実施例−4 予め、尿素を加えてpHを2.7に調節した水溶液30
0mlに、15gの二酸化ジルコニウムに相当する硫酸
ジルコニウムを溶解させた。ここに実施例−1記載のフ
レーク状褐色シリカガラスを15g加え、90℃に加熱
し、よく攪伴しながら約2時間この温度に保った。その
後、スラリーを濾過し水で洗浄、乾燥した。これを80
0℃で1時間処理した。ジルコニア層の厚みは約100
nmであった。
【0037】実施例−1と同様に白色基板上で観察して
も反射干渉色は薄れず、鮮やかな黄金色が観察された。
【0038】実施例−5 市販のメチルトリエトキシシラン、エタノール、および
0.1N塩酸をそれぞれ体積比で1:1.8:0.8の
割合で混合し、50℃で約24時間攪伴を行った。実施
例−1と同様の方法でフレーク状ゲルを得、窒素気体
中、1000℃で1時間熱処理してフレーク状褐色シリ
カガラスを得た。このフレークの厚みは約0.7μmで
あった。この褐色の着色は、ゲル膜中の有機残基である
メチル基が分解して生じた炭素がフレーク中に均一に分
散していることに起因している。実施例−1記載の方法
で800nm光に対する透過率を測定したところ、約3
0%であった。
【0039】実施例−1記載と同じ方法で約160nm
厚みのチタニア被覆を行い、白色背景上でも薄れない鮮
やかな緑色の反射干渉色を有する真珠光沢顔料を得た。
【0040】
【発明の効果】本発明は、チタニア、ジルコニア単独ま
たはそれらの混合物を、400nm以上800nm以下
の範囲の光のうち少なくとも一部の可視光の透過率が5
0%以下であるフレーク状物質上に被覆する方法におい
て、有機金属化合物を含む溶液から直接製造した可視光
透過率の低いフレーク状物質を、基材として用いた。こ
のことにより、鮮やかな反射干渉色を持つ真珠光沢顔料
を簡単に、効率よく得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−54126(JP,A) 特開 平4−193725(JP,A) 特開 平3−285843(JP,A) 特開 平4−37622(JP,A) 特開 平3−66764(JP,A) 特開 平4−227769(JP,A) 実開 平3−25525(JP,U) 実開 昭62−175045(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/00 - 3/12 C03C 17/00 - 17/44 C09D 5/00 - 7/14 C08K 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニアもしくはジルコニア単独または
    それらの混合物をフレーク状基材上に被覆し、熱処理し
    て真珠光沢顔料を製造する方法において、前記フレーク
    状基材として、加水分解・重縮合可能な有機金属化合物
    および結果的に光吸収の原因となる物質を含む溶液から
    製造した、400〜800nmの波長範囲の少なくとも
    一部の光の透過率が50%以下である材料を使用するこ
    とを特徴とする真珠光沢顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記結果的に光吸収の原因となる物質が
    炭素原子を分子中に有する有機物であり、前記材料は、
    前記溶液から製造したフレーク状ゲルを熱処理すること
    により得た、炭素を含むガラスである請求項1記載の真
    珠光沢顔料の製造方法。
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