JP3097061U - テレビジョンチューナの中間周波回路 - Google Patents

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佐々木 道徳
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Abstract

【課題】所望の特性を持ちながら、基板上のスペースを少なくできるテレビジョンチューナの中間周波回路を提供する。
【解決手段】中間周波信号を平衡出力するミキサ1と、中間周波帯に同調する第一の並列同調回路3と、中間周波帯の帯域外であって隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の一方に同調する第二の並列同調回路4とを備え、第一の並列同調回路3と第二の並列同調回路4とを互いに直列接続すると共にそれらをミキサ1の平衡出力端の間に接続し、ミキサ1に給電する電源電圧を給電抵抗5を介して二つの並列同調回路3、4の互いの接続点に印加し、第一の並列同調回路3の両端から中間周波信号を平衡出力した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はテレビジョンチューナの中間周波回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレビジョンチューナの中間周波回路を図4に従って説明する。ミキサ21には選択されたチャンネルのテレビジョン信号RFと発振器22から出力される局部発振信号LOとが入力され、ミキサ21からは中間周波帯に変換されたテレビジョン信号(中間周波信号)が平衡出力される。
【0003】
ミキサ21の平衡出力端には中間周波帯(映像中間周波数と色副搬送波周波数との間)に同調する第一の並列同調回路23が接続される。第一の並列同調回路23は二つのコイルが直列接続されて構成される第一のインダクタンス素子23aと第一の容量素子23bとの並列回路で構成され、第一のインダクタンス素子23aの中点に電源電圧Bが印加され、この電圧は第一のインダクタンス素子23aを介してミキサ21に給電される。
【0004】
第一の並列同調回路23の一端は第二の並列同調回路24の一端に接続され、また、第一の並列同調回路23の他端は第三の並列同調回路25の一端に接続される。第二の並列同調回路24は例えば、中間周波帯の高い方の帯域外における隣接チャンネル(放送チャンネルでは周波数が低い方の隣接チャンネル)の音声中間周波数−Sに同調し、第三の並列同調回路25は他の隣接チャンネル(放送チャンネルでは周波数が高い方の隣接チャンネル)の映像中間周波数+Pに同調する。
【0005】
従って、第二の並列同調回路24の他端と第三の並列同調回路25の他端間には図3に示すような周波数特性を有する波形が得られ、第二の並列同調回路24と第三の並列同調回路25はそれぞれ隣接チャンネルの音声中間周信号と他の隣接チャンネルの映像中間周波信号とを減衰するトラップ回路として機能している。
【0006】
そして、第二の並列同調回路24の他端と第三の並列同調回路25の他端から出力される中間周波信号はDCカット用の容量素子26、27を介して中間周波増幅器28に平衡入力される。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
上記の第一乃至第三の並列同調回路は四個のインダクタンス素子(第一のインダクタンス素子23aは実質的に二個のインダクタンス素子で構成される)と三個の容量素子を有するが、各インダクタンス素子には導線を巻回して構成したコイルが使用され、容量素子にはチップコンデンサが使用される。そして、これらのLC部品は基板上に取り付けられるが、コイルはチップコンデンサに比較してその形状が大きいことからその取り付けに必要とする基板上の面積を無視できず、基板の小型化が制約されていた。
【0008】
この考案は、所望の特性を持ちながら、基板上のスペースを少なくできるテレビジョンチューナの中間周波回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本考案では、中間周波信号を平衡出力するミキサと、中間周波帯に同調する第一の並列同調回路と、前記中間周波帯の帯域外であって隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の一方に同調する第二の並列同調回路とを備え、前記第一の並列同調回路と前記第二の並列同調回路とを互いに直列接続すると共にそれらを前記ミキサの平衡出力端の間に接続し、前記ミキサに給電する電源電圧を給電抵抗を介して前記二つの並列同調回路の互いの接続点に印加し、前記第一の並列同調回路の両端から前記中間周波信号を平衡出力した。
【0010】
また、前記隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の他方に同調する第三の並列同調回路を設け、前記第三の並列同調回路を前記第一の並列同調回路に直列に接続し、前記平衡出力される中間周波信号の一方を前記第三の並列同調回路を介して出力した。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案のテレビジョンチューナの中間周波回路を図1に示す。ミキサ1には選択されたチャンネルのテレビジョン信号RFと発振器2から出力される局部発振信号LOとが入力され、ミキサ1からは中間周波帯に変換されたテレビジョン信号(中間周波信号)が平衡出力される。
【0012】
ミキサ1の平衡出力端の間には互いに直列に接続された第一の並列同調回路3及び第二の並列同調回路4が接続される。第一の同調回路3は第一のインダクタンス素子3aと第一の容量素子3bとの並列回路で構成され、中間周波帯(映像中間周波数と色副搬送波周波数との間)に同調する。また、第二の並列同調回路4は第二のインダクタンス素子4aと第二の容量素子4bとの並列回路で構成され、例えば、中間周波帯の高い方の帯域外における隣接チャンネル(放送チャンネルでは周波数が低い方の隣接チャンネル)の音声中間周波数−Sに同調する。
【0013】
そして、第一の並列同調回路3と第二の並列同調回路4のと接続点に給電抵抗5を介して電源電圧Bが印加される。この構成によって、第一の並列同調回路3における第一のインダクタンス素子4aと第二の並列同調回路4における第二のインダクタンス素子4aを介してミキサ1に給電される。
【0014】
第一の並列同調回路3の一端(第一の並列同調回路3と第二の並列同調回路4との接続点)はDCカット用の容量素子6を介して中間周波増幅器9の一方の入力端に結合される。また、第一の並列同調回路3の他端には第三の並列同調回路7の一端が接続される。よって、第三の並列同調回路は第一の並列同調回路3の他端側に直列に接続される。第三の並列同調回路7は第三のインダクタンス素子7aと第三の容量素子7bとの並列回路で構成され、例えば、他の隣接チャンネル(放送チャンネルでは周波数が高い方の隣接チャンネル)の映像中間周波数+Pに同調する。そして、第三の並列同調回路7の他端がDCカット用の容量素子8を介して中間周波増幅器9の他方の入力端に結合される。
【0015】
従って、第一の並列同調回路3の両端には図2に示すような隣接チャンネルの音声周波数−Sで減衰する周波数特性を有する波形が得られる。よって、第二の並列同調回路4は隣接チャンネルの音声中間周信号を減衰するトラップ回路として機能する。また、第一の並列同調回路3と第二の並列同調回路4との接続点と第三の並列同調回路7の他端との間には図3に示すような他の隣接チャンネルの映像中間周波数+Pで減衰する周波数特性が得られる。よって、第三の並列同調回路7は他の隣接チャンネルの映像中間周波信号を減衰するトラップ回路として機能する。
【0016】
上記構成では、第一の並列同調回路3と第二の並列同調回路4との接続点は、給電抵抗5によって電源電圧が印加されるので、高周波的には接地されていない。よって、中間周波増幅器9には中間周波信号が平衡入力される。
【0017】
以上の構成によれば、第一乃至第三の並列同調回路3、4、7によって中間周波帯に同調すると共に上下に隣接チャンネルの音声中間周波信号−Sと映像中間周波信号+Pとを減衰する中間周波回路が構成できる。そして、全体として使用するインダクタンス素子の数が一個削減できるので、これらを取り付ける基板のスペースを少なくできる。
【0018】
なお、一方の隣接チャンネルの音声中間数は信号又は映像中間集発振号のみを減衰する場合は、第二の並列同調回路4をその周波数に同調させ、第三の並列同調回路7を削除すると共に第一の並列同調回路3とDCカット用の容量素子8とを直結すればよい。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案は、中間周波帯に同調する第一の並列同調回路と中間周波帯の帯域外であって隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の一方に同調する第二の並列同調回路とを互いに直列接続すると共にそれらをミキサの平衡出力端の間に接続し、ミキサに給電する電源電圧を給電抵抗を介して二つの並列同調回路の互いの接続点に印加し、第一の並列同調回路の両端から中間周波信号を平衡出力したので、中間周波帯に同調すると共に、隣接チャンネルの音声中間周波信号又は映像中間周波信号の一方を減衰する中間周波回路が構成できる。そして、全体として使用するインダクタンス素子の数が一個削減できるので、これらを取り付ける基板のスペースを少なくできる。
【0020】
また、隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の他方に同調する第三の並列同調回路を設け、第三の並列同調回路を第一の並列同調回路に直列に接続し、平衡出力される中間周波信号の一方を第三の並列同調回路を介して出力したので、隣接チャンネルの音声中間周波信号又は映像中間周波信号の他方も減衰する中間周波回路が構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のテレビジョンチューナの中間周波回路の構成を示す回路図である。
【図2】本考案のテレビジョンチューナの中間周波回路の周波数特性図である。
【図3】本考案のテレビジョンチューナの中間周波回路の周波数特性図である。
【図4】従来のテレビジョンチューナの中間周波回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ミキサ
2 発振器
3 第一の並列同調回路
3a 第一のインダクタンス素子
3b 第一の容量素子
4 第二の並列同調回路
4a 第二のインダクタンス素子
4b 第二の容量素子
5 給電抵抗
6、8 DCカット容量素子
7 第三の並列同調回路
7a 第三のインダクタンス素子
7b 第三の容量素子
9 中間周波増幅器

Claims (2)

  1. 中間周波信号を平衡出力するミキサと、中間周波帯に同調する第一の並列同調回路と、前記中間周波帯の帯域外であって隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の一方に同調する第二の並列同調回路とを備え、前記第一の並列同調回路と前記第二の並列同調回路とを互いに直列接続すると共にそれらを前記ミキサの平衡出力端の間に接続し、前記ミキサに給電する電源電圧を給電抵抗を介して前記二つの並列同調回路の互いの接続点に印加し、前記第一の並列同調回路の両端から前記中間周波信号を平衡出力したことを特徴とするテレビジョンチューナの中間周波回路。
  2. 前記隣接チャンネルの音声中間周波数又は映像中間周波数の他方に同調する第三の並列同調回路を設け、前記第三の並列同調回路を前記第一の並列同調回路に直列に接続し、前記平衡出力される中間周波信号の一方を前記第三の並列同調回路を介して出力したことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョンチューナの中間周波回路。
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