JP3096880B2 - 音声信号処理方法及び装置 - Google Patents

音声信号処理方法及び装置

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JP3096880B2
JP3096880B2 JP06129654A JP12965494A JP3096880B2 JP 3096880 B2 JP3096880 B2 JP 3096880B2 JP 06129654 A JP06129654 A JP 06129654A JP 12965494 A JP12965494 A JP 12965494A JP 3096880 B2 JP3096880 B2 JP 3096880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロフォンの検出信
号から呼吸音部分を除去又は減衰させて出力する音声信
号処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術及び課題】一般に、水中ダイバーやジェット
機のパイロット等の音声を検出する場合、水中服やヘル
メット等の内側にマイクロフォンを取付けるとともに、
話者は酸素吸入しながら会話を行うため、音声の他に呼
吸音もかなり大きい耳障りな音として検出されてしま
う。このため、呼吸音を検出しにくい場所を選んでマイ
クロフォンを取付けたり、骨伝導マイクロフォンを使用
するなどにより対処していたが、十分な効果を得れない
のが実情である。
【0003】一方、マイクロフォンから得る検出信号の
音声部分と呼吸音部分を判別し、音声部分のみを取り出
すことができれば、呼吸音の無い明瞭な音声を聞き取る
ことができる。
【0004】しかし、音声部分と呼吸音部分を判別する
ことは容易でなく、例えば、音声データと呼吸音データ
をコンピュータ等により解析し、周波数成分の分布等の
相違によって両者を判別する必要があるなど、音声信号
処理装置が大掛かりになることに伴うコストアップ及び
大型化を招く問題があり、従来より、検出信号の音声部
分と呼吸音部分を的確かつ容易に判別し、呼吸音部分を
除去し(又は減衰させ)て出力する新たな音声信号処理
方法及び装置の実用化が要請されていた。
【0005】本発明はこのような従来の要請に応えたも
のであり、マイクロフォンから得る検出信号の音声部分
と呼吸音部分を的確かつ容易に判別し、大幅なコストダ
ウン及び装置の小型化を図るとともに、音声品質の向
上、さらには使用環境に対する適応性及び汎用性を高め
ることができる音声信号処理方法及び装置の提供を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音声信号処
理方法は、マイクロフォン2から得る検出信号Saから
呼吸音部分Mbを除去又は減衰させて出力するに際し、
検出信号Sa(ディジタル検出信号x〔n〕(nは時刻
を表す))から少なくとも直流成分又は低域成分を除去
して帯域除去検出信号y〔n〕を得るとともに、この帯
域除去検出信号y〔n〕の零交差を検出し、一定時間当
たりの零交差回数が一定回数以上となる有意区間が設定
時間Ts以上連続したなら、その連続区間Zsを呼吸音
部分Mbと判別し、検出信号Saから連続区間Zsに対
応する呼吸音部分Mbを除去又は減衰させて出力するこ
とを特徴とする。
【0007】この場合、検出信号Saは、ディジタル検
出信号x〔n〕に変換してもよいし、直接利用してもよ
い。また、検出信号Saから呼吸音部分Mbを除去又は
減衰させるに際しては、一つの方法として、検出信号S
a(ディジタル検出信号x〔n〕)を一時記憶すること
により遅延させて出力するとともに、呼吸音部分Mbを
判別したなら一時記憶した呼吸音部分Mbを消去又は減
衰させて出力することができるし、他の方法として、呼
吸音部分Mbを判別しないときは検出信号Saを出力
し、かつ呼吸音部分Mbを判別したときは判別時点Ps
から連続区間Zsの終了するまで、検出信号Saの出力
を停止又は減衰させることができる。
【0008】一方、本発明に係る音声信号処理装置1
は、検出信号Sa(ディジタル検出信号x〔n〕)から
少なくとも直流成分又は低域成分を除去して帯域除去検
出信号y〔n〕を得る帯域除去部3と、この帯域除去検
出信号y〔n〕の零交差を検出する零交差検出部4と、
一定時間当たりの零交差回数が一定回数以上となる有意
区間が設定時間Ts以上連続したなら、その連続区間Z
sを呼吸音部分Mbと判別し、検出信号Saから連続区
間Zsに対応する呼吸音部分Mbを除去又は減衰させて
出力する信号処理部5を備えることを特徴とする。
【0009】この場合、検出信号Saをディジタル検出
信号x〔n〕に変換するアナログ−ディジタル信号変換
部6を設けることができる。また、検出信号Saから呼
吸音部分Mbを除去又は減衰させる一つの手段として
は、検出信号Sa(ディジタル検出信号x〔n〕)を一
時記憶することにより遅延させて出力するとともに、呼
吸音部分Mbを判別したなら一時記憶した呼吸音部分M
bを消去又は減衰させて出力する記憶処理部7により構
成できるし、他の手段としては、呼吸音部分Mbを判別
しないときは検出信号Saを出力し、かつ呼吸音部分M
bを判別したときは判別時点Psから連続区間Zsの終
了するまで、検出信号Saの出力を停止又は減衰させる
切換部8により構成できる。
【0010】
【作用】本発明に係る音声信号処理方法及び装置1によ
れば、まず、マイクロフォン2から得る検出信号Saは
アナログ−ディジタル信号変換部6によりディジタル検
出信号x〔n〕に変換される。なお、アナログ処理する
場合には検出信号Saを直接利用することもでき、この
場合にはアナログ−ディジタル信号変換部6は不要とな
る。また、検出信号Sa(ディジタル検出信号x
〔n〕)は帯域除去部3に付与され、検出信号Sa(デ
ィジタル検出信号x〔n〕)から少なくとも直流成分又
は低域成分が除去される。
【0011】一方、帯域除去部3から得る帯域除去検出
信号y〔n〕は零交差検出部4に付与され、帯域除去検
出信号y〔n〕の零交差が検出される。この場合、y
〔n〕とy〔n−1〕を比較し、両者が異符号又は一方
が零のときは零交差有り、両者が同符号又は双方が零の
ときは零交差無しとして検出する。なお、アナログ信号
処理する場合には、帯域除去検出信号y〔n〕の正負
(振幅平均値との大小)の変化を検出し、この変化点を
零交差として検出する。そして、零交差の検出結果は信
号処理部5に付与され、零交差の検出頻度に基づいて、
呼吸音部分Mb又は呼吸音以外の部分(音声部分Mv)
の判別が行われる。即ち、信号処理部5は零交差の検出
結果を監視し、一定時間当たりの零交差回数が一定回数
以上となる有意区間が設定時間Ts以上連続したなら、
その連続区間Zsを呼吸音部分Mbと判別するととも
に、有意区間が存在しないか或いは存在してもその連続
が設定時間Ts未満の場合には音声部分Mvと判別す
る。
【0012】また、信号処理部5により呼吸音部分Mb
を判別したなら、検出信号Saの呼吸音部分Mbを除去
又は減衰させる処理が行われる。具体的には、記憶処理
部7を設けた場合には、検出信号Sa(ディジタル検出
信号x〔n〕)を一時記憶することにより遅延させて出
力し、呼吸音部分Mbを判別したなら一時記憶した呼吸
音部分Mbを消去して出力する。或いは、切換部8を設
けた場合には、検出信号Saを切換部8を介して出力
し、呼吸音部分Mbを判別しないときは検出信号Saを
そのまま出力するとともに、呼吸音部分Mbを判別した
ときは判別時点Psから連続区間Zsの終了するまで、
検出信号Saの出力を停止又は減衰させる。これによ
り、信号処理部5からは呼吸音部分Mbが除去又は減衰
せしめられた検出信号Saが得られる。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0014】まず、本発明の基本実施例に係る音声信号
処理装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0015】図1において、2は水中ダイバーやジェッ
ト機のパイロットの音声を検出するマイクロフォンであ
る。マイクロフォン2は音声信号処理装置1におけるア
ナログ−ディジタル信号変換部6の入力側に接続する。
アナログ−ディジタル信号変換部6はマイクロフォン2
から得る検出信号(アナログ信号)Saをディジタル検
出信号x〔n〕に変換する機能を有する。また、同変換
部6の出力側は、制御部11の入力側に接続するととも
に、帯域除去部3を構成するバンドパスフィルタ10の
入力側に接続する。バンドパスフィルタ10はディジタ
ル検出信号x〔n〕から低域成分及び高域成分を除去
し、特定の中域成分(望ましくは、1kHz〜4kHz
程度)のみを通過させる機能を有する。なお、帯域除去
部3としては、精度上このようなバンドパスフィルタ1
0を用いることが望ましいが、原理的には少なくとも直
流成分又は低域成分を除去する機能を備えれば足りるた
め、ハイパスフィルタ等を用いてもよい。
【0016】一方、バンドパスフィルタ10の出力側は
帯域除去検出信号y〔n〕の零交差を検出する機能を有
する零交差検出部4の入力側に接続する。また、零交差
検出部4の出力側は信号処理部5に接続する。信号処理
部5は零交差検出部4の出力側に接続するローパスフィ
ルタ12、このローパスフィルタ12の出力側に接続す
る比較部13、この比較部13の出力側に接続するタイ
マ部14を備えるとともに、さらに比較部13の出力側
及びタイマ部14の出力側を接続する前記制御部11を
含む。信号処理部5は零交差検出部4から付与される零
交差の検出結果を監視することにより、一定時間当たり
の零交差回数が一定回数以上となる有意区間が設定時間
Ts以上連続したなら、その連続区間Zsを呼吸音部分
Mbと判別し、検出信号Saから連続区間Zsに対応す
る呼吸音部分Mbを除去する機能を有する。
【0017】他方、制御部11の出力側には記憶処理部
7を接続する。記憶処理部7は、例えば、FIFOを内
蔵し、ディジタル検出信号x〔n〕を一時記憶すること
により遅延させて出力するとともに、呼吸音部分Mbを
判別したなら一時記憶した呼吸音部分Mbを消去して出
力する機能を有する。また、記憶処理部7の出力側には
ディジタル−アナログ信号変換部15を接続する。同変
換部15は記憶処理部7から出力するディジタル検出信
号x〔n〕をアナログ信号(呼吸音部分Mbの除去され
た検出信号Sa)に変換する機能を有する。
【0018】次に、本発明に係る音声信号処理方法につ
いて、基本実施例に係る音声信号処理装置1の動作とと
もに図1及び図2を参照して説明する。
【0019】まず、マイクロフォン2からはアナログ信
号である検出信号Saが得られる。なお、一般に、検出
信号Saには図2に示すように、音声部分Mv、周囲音
Mr及び呼吸音部分Mbを含むとともに、音声部分Mv
には母音部分Mvm及び(又は)子音部分Mvcを含
む。
【0020】一方、検出信号Saはアナログ−ディジタ
ル信号変換部6に付与され、ディジタル検出信号x
〔n〕に変換される。また、ディジタル検出信号x
〔n〕は制御部11に付与されるとともに、バンドパス
フィルタ10に付与され、ディジタル検出信号x〔n〕
から低域成分(及び高域成分)が除去された帯域除去検
出信号y〔n〕を得る。ところで、本発明による呼吸音
部分の判別においては、呼吸音に含まれるホルマントが
零交差を減少させ、呼吸音の判別ミスを生ずる場合があ
るが、このようなバンドパスフィルタ10を用いること
により、このホルマントの影響が軽減される。なお、低
域遮断周波数は1kHz〜2kHz程度が望ましい。こ
の帯域除去検出信号y〔n〕は零交差検出部4に付与さ
れる。そして、零交差検出部4により帯域除去検出信号
y〔n〕の零交差が検出される。即ち、零交差検出部4
は帯域除去検出信号y〔n〕におけるy〔n〕とy〔n
−1〕を比較し、零交差データu〔n〕を出力する。こ
の場合、y〔n〕とy〔n−1〕が異符号又は一方が零
のときはu〔n〕=1を出力するとともに、y〔n〕と
y〔n−1〕が同符号又は双方が零のときはu〔n〕=
0を出力する。なお、一般に、直流成分又は低域成分を
除去した帯域除去検出信号y〔n〕における零交差を観
察した場合、図2に示すように、呼吸音部分Mbでは頻
繁に発生し、音声部分Mvでは比較的少ない。音声部分
Mvの場合、子音部分Mvcでは呼吸音部分Mbと同様
に頻繁に発生するが、その発生時間は数十ミリ秒以下
(呼吸音部分Mbは数十ミリ秒以上)と短い。
【0021】また、零交差データu〔n〕は信号処理部
5に付与され、零交差の検出頻度に基づいて、呼吸音部
分Mb又は呼吸音以外の部分(音声部分Mv)の判別が
行われる。即ち、零交差データu〔n〕を監視し、一定
時間当たりの零交差回数が一定回数以上となる有意区間
が予め設定した設定時間Ts(通常、50ミリ秒〜20
0ミリ秒程度)以上連続したなら、その連続区間Zsを
呼吸音部分Mbと判別するとともに、有意区間が存在し
ないか或いは存在しても設定時間Ts未満の場合には音
声部分Mvと判別する。具体的には、零交差データu
〔n〕をローパスフィルタ12に付与することにより、
零交差データu〔n〕の高域を除去した処理データv
〔n〕={1−(1/a)}・v〔n−1〕+u〔n〕
/a(a:定数)を得る。なお、このような処理データ
v〔n〕の算出法は、ディジタルローパスフィルタを構
成する上で処理が非常に簡単となり、特に、a値の選定
により、二回の乗算と一回の加算で実現可能となる。ま
た、u〔n〕=1のときはv〔n〕が増加し、u〔n〕
=0のときはv〔n〕が減少することから、v〔n〕の
増減はy〔n〕における一定時間当たりの零交差回数の
増減に対応する。
【0022】他方、ローパスフィルタ12から得る処理
データv〔n〕は、比較部13に付与される。比較部1
3では処理データv〔n〕の大きさと予め設定した基準
データEの大きさを比較し、v〔n〕<Eのときはロー
レベルLを出力し、v〔n〕≧EのときはハイレベルH
となる比較データSzを出力する。この比較データSz
は制御部11及びタイマ部14に付与される。そして、
タイマ部14はローレベルLからハイレベルHに移行し
た時点で計時を開始する。タイマ部14はハイレベルH
が継続する期間は計時を継続し、前記設定時間Tsを計
時したならタイムアップし、判別データStを制御部1
1に付与する。
【0023】よって、マイクロフォン2から得る検出信
号Saが音声部分Mvであれば、零交差は比較的少ない
か、或いは子音部分Mvcにおいて零交差が頻繁に発生
してもその発生時間は短いため、比較部13から得る比
較データSzはローレベルL(主に母音部分Mvm)
か、或いはハイレベルHであっても設定時間Ts未満の
短い継続時間(主に子音部分Mvc)となるため、判別
データStは出力せず、制御部11に入力するディジタ
ル検出信号x〔n〕は、制御部11からそのまま出力
し、記憶処理部7に付与される。この結果、記憶処理部
7は、入力するディジタル検出信号x〔n〕を一時記憶
することにより、遅延させて出力し、さらに、記憶処理
部7から出力したディジタル検出信号x〔n〕はディジ
タル−アナログ信号変換部15によりアナログ信号に変
換、即ち、検出信号Saに戻されて出力する。
【0024】これに対し、マイクロフォン2から得る検
出信号Saが呼吸音部分Mbであれば、零交差は頻繁に
発生し、かつその継続時間が長いため、比較部13から
得る比較データSzはハイレベルHとなり、しかも、設
定時間Ts以上継続する。このため、ハイレベルHの継
続時間が設定時間Tsを経過した時点で判別データSt
が制御部11に付与され、制御部11から記憶処理部7
に対して、呼吸音消去信号が付与される。これにより、
記憶処理部に一時記憶した呼吸音部分Mb、即ち、比較
部13から付与される比較データSzのハイレベルH
(連続区間Zs)の期間に相当する呼吸音部分Mbが消
去される。
【0025】この結果、ディジタル−アナログ信号変換
部15の出力側からは、呼吸音部分Mbの除去された検
出信号Saが得られる。
【0026】次に、本発明の変更実施例に係る音声信号
処理装置1について、図3〜図6を参照して説明する。
【0027】まず、図3は信号処理部5の変更例を示
し、特に、図1に示した基本実施例における制御部11
及び記憶処理部7の代わりに、切換部8を利用した場合
を示す。この変更例の場合、呼吸音部分Mbを判別しな
いときは、ディジタル検出信号x〔n〕を、切換部8を
介してディジタル−アナログ信号変換部15にそのまま
付与するとともに、呼吸音部分Mbを判別したとき、即
ち、判別データStがタイマ部14から出力されたとき
は切換部8を切換えることにより、判別データStの出
力時点(判別時点Ps)から連続区間Zsの終了するま
で、ディジタル検出信号x〔n〕の出力を停止する。こ
の場合、切換部8の接点に減衰器8aを接続し、ディジ
タル検出信号x〔n〕の出力を停止する代わりに、出力
を減衰させてもよい。このように出力を減衰させてもよ
い点は他の実施例(変更実施例)でも同様である。よっ
て、図3に示す変更例では回路を著しく簡略化できる利
点がある。なお、判別データStが出力するまでの時間
(設定時間Ts)は、呼吸音部分Mbが出力してしまう
欠点を有するが、この時間は極めて短いため、実用上は
さほど問題とならない。図3において、図1と同一部分
には同一符号を付し、その構成を明確にするとともに、
その詳細な説明は省略する。
【0028】また、図4及び図5は信号処理部5の変更
例を示し、特に、図1に示した基本実施例におけるロー
パスフィルタ12及び比較部13の代わりに、単安定マ
ルチバイブレータ16を利用した場合を示す。単安定マ
ルチバイブレータ16は図5に示す零交差データu
〔n〕=1が入力すれば、その立上がり時点からパルス
幅TwのワンショットパルスSpを出力するため、予
め、パルス幅Twを設定しておけば、ワンショットパル
スSpの期間に再びu〔n〕=1が入力することによ
り、さらにワンショットパルスSpが継続して出力する
とともに、u〔n〕=1が入力しない場合には、ローレ
ベルとなる。よって、単安定マルチバイブレータ16の
出力が図1における比較部13の出力と同一の比較デー
タSzとなる。この場合、単安定マルチバイブレータ1
6の動作はディジタル方式(ソフトウェアを含む)によ
り模擬的に実施することもできる。また、タイマ部14
は任意の計時手段を利用できるが、このタイマ部14に
単安定マルチバイブレータを利用することもできる。な
お、図4において、図1と同一部分には同一符号を付
し、そのその構成を明確にするとともに、その詳細な説
明は省略する。
【0029】さらにまた、図6はアナログ信号により処
理する場合を示す。この場合、図4(図3)に示した変
更例に比べ、アナログ−ディジタル信号変換部6、ディ
ジタル−アナログ信号変換部15が不要となる点、ま
た、アナログ信号処理を行うバンドパスフィルタ17及
び零交差検出部18を利用する点を除き、図4及び図3
に示した変更例に準じて実施できる。この場合、零交差
検出部18は帯域除去検出信号の正負(振幅平均値との
大小)の変化を監視し、この変化点を零交差として検出
する。なお、図3及び図4と同一部分には同一符号を付
し、そのその構成を明確にするとともに、その詳細な説
明は省略する。
【0030】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではない。
例えば、処理方法はハードウェア構成により実施しても
よいし、ソフトウェア処理により実行してもよい。ま
た、検出信号Saの零交差は、検出信号値を零と比較し
て検出する場合を例示したが、検出信号Saの振幅平均
値(直流成分値)を検出し、或いは既知の場合には既知
の振幅平均値を利用することにより、検出信号Saと振
幅平均値との大小変化を零交差とみなしてもよいし、検
出信号Saの直流成分を除去した後、既知の直流値で検
出信号Saにバイアスを加え、バイアス値との大小変化
を零交差とみなしてもよい。さらにまた、零交差は負
(小)から正(大)への変化或いは正(大)から負
(小)への変化の一方にだけ着目して検出してもよい。
他方、零交差検出部の出力は、u〔n〕=0又はu
〔n〕=1の出力形式に限定されるものではないととも
に、零交差の有無と出力値の対応形式も実施例に限定さ
れるものではない。その他、細部の回路構成、手法等に
おいて本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更でき
る。
【0031】
【発明の効果】このように、本発明に係る音声信号処理
装置は、検出信号から少なくとも直流成分又は低域成分
を除去して帯域除去検出信号を得る帯域除去部と、この
帯域除去検出信号の零交差を検出する零交差検出部と、
一定時間当たりの零交差回数が一定回数以上となる有意
区間が設定時間以上連続したなら、その連続区間を呼吸
音部分と判別し、検出信号から当該連続区間に対応する
呼吸音部分を除去又は減衰させて出力する信号処理部を
備えて構成し、また、本発明に係る音声信号処理方法
は、マイクロフォンから得る検出信号から呼吸音部分を
除去又は減衰させて出力するに際し、検出信号から少な
くとも直流成分又は低域成分を除去して帯域除去検出信
号を得るとともに、この帯域除去検出信号の零交差を検
出し、一定時間当たりの零交差回数が一定回数以上とな
る有意区間が設定時間以上連続したなら、その連続区間
を呼吸音部分と判別し、検出信号から当該連続区間に対
応する呼吸音部分を除去又は減衰させて出力するように
したため、次のような顕著な効果を奏する。
【0032】 音声(呼吸音)を的確かつ容易に判別
できるため、装置の大幅なコストダウン及び小型化を図
れる。
【0033】 音声(呼吸音)を確実に判別できるた
め、スイッチ機能部等により音声部分のみ取出すことが
可能となる。したがって、呼吸音の無い音声のみを明瞭
に聞き取ることができ、音声品質を大幅に向上できる。
【0034】 マイクロフォンの取付場所等が制約さ
れないため、マイクロフォン取付上の自由度が大幅に向
上し、使用環境に対する適応性及び汎用性を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本実施例に係る音声信号処理装置の
ブロック回路図、
【図2】同音声信号処理装置における各部の信号のタイ
ミングチャート、
【図3】本発明の変更実施例に係る音声信号処理装置の
ブロック回路図、
【図4】本発明の他の変更実施例に係る音声信号処理装
置の一部のブロック回路図、
【図5】図4の変更実施例に係る音声信号処理装置にお
ける各部の信号のタイミングチャート、
【図6】本発明の他の変更実施例に係る音声信号処理装
置のブロック回路図、
【符号の説明】
1 音声信号処理装置 2 マイクロフォン 3 帯域除去部 4 零交差検出部 5 信号処理部 6 アナログ−ディジタル信号変換部 7 記憶処理部 8 切換部 Sa 検出信号 Mb 呼吸音部分 x〔n〕 ディジタル検出信号 y〔n〕 帯域除去検出信号 Ts 設定時間 Zs 連続区間 Mb 呼吸音部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/00 320 G10L 11/02 G10L 11/06 G10L 15/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロフォンから得る検出信号から呼
    吸音部分を除去又は減衰させて出力する音声信号処理方
    法において、前記検出信号から少なくとも直流成分又は
    低域成分を除去して帯域除去検出信号を得るとともに、
    この帯域除去検出信号の零交差を検出し、一定時間当た
    りの零交差回数が一定回数以上となる有意区間が設定時
    間以上連続したなら、その連続区間を呼吸音部分と判別
    し、検出信号から当該連続区間に対応する呼吸音部分を
    除去又は減衰させて出力することを特徴とする音声信号
    処理方法。
  2. 【請求項2】 検出信号はディジタル検出信号に変換す
    ることを特徴とする請求項1記載の音声信号処理方法。
  3. 【請求項3】 検出信号を一時記憶することにより遅延
    させて出力するとともに、呼吸音部分を判別したなら一
    時記憶した呼吸音部分を消去又は減衰させて出力するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の音声信号処理方
    法。
  4. 【請求項4】 呼吸音部分を判別しないときは検出信号
    を出力し、かつ呼吸音部分を判別したときは判別時点か
    ら前記連続区間の終了するまで、検出信号の出力を停止
    又は減衰させることを特徴とする請求項1又は2記載の
    音声信号処理方法。
  5. 【請求項5】 マイクロフォンから得る検出信号から呼
    吸音部分を除去又は減衰させて出力する音声信号処理装
    置において、前記検出信号から少なくとも直流成分又は
    低域成分を除去して帯域除去検出信号を得る帯域除去部
    と、この帯域除去検出信号の零交差を検出する零交差検
    出部と、一定時間当たりの零交差回数が一定回数以上と
    なる有意区間が設定時間以上連続したなら、その連続区
    間を呼吸音部分と判別し、検出信号から当該連続区間に
    対応する呼吸音部分を除去又は減衰させて出力する信号
    処理部を備えることを特徴とする音声信号処理装置。
  6. 【請求項6】 検出信号をディジタル検出信号に変換す
    るアナログ−ディジタル信号変換部を備えることを特徴
    とする請求項5記載の音声信号処理装置。
  7. 【請求項7】 検出信号を一時記憶することにより遅延
    させて出力するとともに、呼吸音部分を判別したなら一
    時記憶した呼吸音部分を消去又は減衰させて出力する記
    憶処理部を備えることを特徴とする請求項5又は6記載
    の音声信号処理装置。
  8. 【請求項8】 呼吸音部分を判別しないときは検出信号
    を出力し、かつ呼吸音部分を判別したときは判別時点か
    ら前記連続区間の終了するまで、検出信号の出力を停止
    又は減衰させる切換部を備えることを特徴とする請求項
    5又は6記載の音声信号処理装置。
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