JP3096379B2 - 内燃エンジンの触媒温度制御装置 - Google Patents

内燃エンジンの触媒温度制御装置

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JP3096379B2
JP3096379B2 JP05249932A JP24993293A JP3096379B2 JP 3096379 B2 JP3096379 B2 JP 3096379B2 JP 05249932 A JP05249932 A JP 05249932A JP 24993293 A JP24993293 A JP 24993293A JP 3096379 B2 JP3096379 B2 JP 3096379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃エンジンの排気系
に取り付けられて排気ガス中の有害成分を浄化する触媒
の温度を制御する触媒温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃エンジンの排気浄化性能を向
上させるため、エンジンに排気ガス浄化装置を装備し、
エンジンから排出される有害物質の排出量を低減させる
ようにしている。例えば、排気ガス浄化装置として三元
触媒装置を用い、排気ガス中のCO、HC及びNOxの
三成分を同時に浄化すべく、エンジンの排気系に配され
た排気濃度検出器の出力値に応じて変化するフィードバ
ック制御信号によりエンジンに供給される混合気の空燃
比が理論空燃比になるようにフィードバック制御してい
る。このように空燃比をフィードバック制御することに
より三元触媒を浄化する方法は二次空気の供給を必要と
せずに三元触媒の浄化効率がよい反面、エンジンの高速
部分負荷運転域において三元触媒の温度が異常に上昇す
ると(例えば、800℃以上)、触媒が劣化し易いとい
う欠点があった。
【0003】そこで、本願出願人は、特開平4−298
666号公報に示すように触媒の温度が所定の温度(7
00℃)より高いときに内燃エンジンに供給される空燃
比、点火時期および排気還流量(EGR)などの内燃エ
ンジンの制御パラメータを制御して触媒の温度を低下さ
せることにより触媒の劣化を防止する装置を提案してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
触媒の劣化を防止する装置において、触媒温度センサの
固有のバラツキや経時劣化により温度センサの出力が実
際の温度に対してずれることがある。そのずれが正の方
向であれば不用意に触媒温度制御を行なうことになり、
燃費の悪化を来たし、また運転性に影響を及ぼす。ま
た、ずれが負の方向であれば劣化の影響が高くなる温度
域であっても触媒温度制御を行なわずに触媒の劣化が起
こることになる。
【0005】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、触媒温度センサの出力特性にずれが生じても適切
な触媒温度制御を行なうことができる内燃エンジンの触
媒温度制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の内燃エンジンの触媒温度制御装置は内燃エ
ンジンの排気系に取り付けられ排ガス中の有害成分を浄
化する触媒と、該触媒の温度を検出する触媒温度検出手
段と、該触媒温度検出手段によって検出された前記触媒
の温度が開始温度を越えるときに、前記内燃エンジンの
制御パラメータを前記触媒の温度が低くなるように制御
する触媒温度抑制手段とを備えた内燃エンジンの触媒温
度制御装置において、前記内燃エンジンの運転状態を検
出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段によっ
て検出された運転状態が所定運転状態であるときに前記
触媒温度検出手段により検出された前記触媒の温度を基
準温度として記憶する基準温度記憶手段と、該基準温度
記憶手段に記憶された前記基準温度より所定値低い温度
を比較温度として設定する比較温度設定手段とを備え、
前記触媒温度抑制手段は、前記触媒温度検出手段により
検出された触媒温度が前記比較温度より高いとき前記内
燃エンジンの制御パラメータを触媒温度が低くなるよう
に制御する。
【0007】
【作用】本発明の内燃エンジンの触媒温度制御装置は、
内燃エンジンの排気系に取り付けられた触媒により排ガ
ス中の有害成分を浄化し、触媒温度検出手段により該触
媒の温度を検出し、該触媒温度検出手段によって検出さ
れた前記触媒の温度が開始温度を越えるときに、触媒温
度抑制手段により前記内燃エンジンの制御パラメータを
前記触媒の温度が低くなるように制御する際に、運転状
態検出手段により前記内燃エンジンの運転状態を検出
し、検出された運転状態が所定運転状態であるときに前
記触媒温度検出手段により検出された前記触媒の温度を
基準温度記憶手段により基準温度として記憶し、該基準
温度より所定値低い温度を比較温度設定手段により比較
温度として設定し、前記触媒温度検出手段により検出さ
れた触媒温度が前記比較温度より高いとき前記触媒温度
抑制手段により前記内燃エンジンの制御パラメータを触
媒温度が低くなるように制御する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の内燃エンジンの触媒温度制御
装置の実施例について図面に基づき説明する。図1は内
燃エンジンの触媒温度制御装置の一実施例の全体構成を
示す概略図である。
【0009】内燃エンジン(以下、単に「エンジン」と
いう)1は4気筒タイプで、エンジン1の各気筒の吸気
ポ−トに接続された吸気管2の途中にはスロットルボデ
ィ3が設けられており、その内部にはスロットル弁3a
が配されている。また、スロットル弁3aにはスロット
ル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、スロッ
トル弁3aの開度に応じた電気信号を出力して電子コン
トロ−ルユニット(以下、「ECU」という)5に供給
する。
【0010】燃料噴射弁6は、エンジン1とスロットル
弁3aとの間に且つ吸気管2の図示しない吸気弁の少し
上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃料噴射
弁6は図示しない燃料ポンプに接続されると共にECU
5に電気的に接続され、このECU5からの信号により
燃料噴射の開弁時間が制御される。
【0011】吸気管2のスロットル弁3aの下流側には
分岐管7が設けられ、この分岐管7の先端には絶対圧
(PBA)センサ8が取付けられている。このPBAセ
ンサ8はECU5に電気的に接続されており、吸気管2
内の絶対圧PBAは前記PBAセンサ8により電気信号
に変換されてECU5に供給される。分岐管7の下流側
の吸気管2の管壁には吸気温(TA)センサ9が装着さ
れ、このTAセンサ9により検出された吸気温TAは電
気信号に変換され、ECU5に供給される。
【0012】また、エンジン1のシリンダブロックの冷
却水が充満した気筒周壁にはサ−ミスタ等からなるエン
ジン水温(TW)センサ10が挿着され、このTWセン
サ10により検出されたエンジン冷却水温TWは電気信
号に変換されてECU5に供給される。エンジン1の図
示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲にはエンジン回
転数(NE)センサ11及び気筒判別(CYL)センサ
12が取付けられている。NEセンサ11はエンジン1
のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位
置で信号パルス(以下「TDC信号パルス」という)を
出力し、CYLセンサ12は特定の気筒の所定のクラン
ク角度位置でTDC信号パルスを出力し、これらの各T
DC信号パルスはECU5に供給される。
【0013】さらに、エンジン1の各気筒の点火プラグ
13は、ECU5に電気的に接続され、ECU5により
点火時期が制御される。
【0014】エンジン1の排気ポ−トに接続された排気
管14の途中には触媒装置(三元触媒)15が介装され
ており、この触媒装置15により排気ガス中のHC、C
O、NOx等の有害成分の浄化作用が行なわれる。触媒
装置15の周壁にはサ−ミスタ等からなる触媒温度(T
C)センサ16が挿着され、TCセンサ16により検出
された触媒床温度TCは電気信号に変換されてECU5
に供給される。
【0015】さらに、触媒装置15の途中には酸素濃度
センサ(以下O2センサと称する)17が設けられてお
り、このO2センサ17により検出された排気ガス中の
酸素濃度は電気信号に変換されてECU5に供給され
る。
【0016】また、吸気管2と排気管14との間にはバ
イパス状に排気還流路18が配設されている。この排気
還流路18は、その一端が前記O2センサ17より上流
側(つまり、エンジン1側)の排気管14に接続され、
他端がPBAセンサ8より上流側(つまり、スロットル
弁3a側)の吸気管2に接続されている。さらに、排気
還流路18の途中には排気還流量制御弁(以下、EGR
弁という)19が介装されている。このEGR弁19
は、弁室20とダイヤフラム室21とからなるケ−シン
グ22と、弁室20内に位置して排気還流路18が開閉
可能となるように上下方向に可動自在に配設された弁体
23と、弁軸24を介して前記弁体23と連結されたダ
イヤフラム25と、このダイヤフラム25を閉弁方向に
付勢するばね26とから構成されている。ダイヤフラム
室21は、ダイヤフラム25を介して下側に画成される
大気圧室27と上側に画成される負圧室28とを備えて
いる。すなわち、大気圧室27は通気孔27aを介して
大気に連通される一方、負圧室28は負圧連通路29に
接続されている。具体的には、負圧連通路29は、その
先端がスロットル弁3aと排気還流路18の他端との間
の吸気管2に接続され、吸気管2内の絶対圧PBAが負
圧連通路29を介して前記負圧室28に導入されるよう
になっている。また、負圧連通路29の途中には大気連
通路30が接続され、大気連通路30の途中には圧力調
整弁31が介装されている。該圧力調整弁31はデュ−
ティ比制御されることにより、前記ダイヤフラム室21
の負圧室28内に導入される合成圧力を調整するもの
で、常開型の電磁弁よりなる。
【0017】圧力調整弁31が励磁されて閉弁すると、
EGR弁19におけるダイヤフラム25に作用する負圧
室28内の負圧が大きくなり、ダイヤフラム25がばね
26の付勢力に抗して上方に変位し、EGR弁19の弁
開度(リフト量)が大きくなる。一方、圧力調整弁31
が消磁され開弁すると、負圧室28の負圧が小さくなる
ため、ダイヤフラム25がばね26の付勢力によって下
方に変位し、EGR弁19の弁開度(リフト量)が小さ
くなる。このように、圧力調整弁31を励磁又は消磁す
ることにより、EGR弁19の弁開度が制御される。ま
た、圧力調整弁31はECU5に電気的に接続されてお
り、ECU5からの指令信号によって開閉作動して、E
GR弁19の弁体23のリフト量及びそのリフト動作速
度が制御される。
【0018】さらに、EGR弁19には弁開度(リフ
ト)センサ(以下、Lセンサと称する)32が設けられ
ており、Lセンサ32はEGR弁の弁体23の作動位置
(リフト量)を検出して、その検出信号をECU5に供
給する。
【0019】また、ECU5は、上述の各種センサから
の入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修
正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の
機能を有する入力回路5aと、中央演算処理回路(以下
「CPU」という)5bと、該CPU5bで実行される
各種演算プログラムや所定のマップ等を記憶するROM
及び演算結果等を記憶するRAMからなる記憶手段5c
と、燃料噴射弁6、点火プラグ13、圧力調整弁31に
駆動信号を供給する出力回路5dとを備えている。
【0020】ECU5(CPU5b)は上述の各種エン
ジン運転パラメ−タ信号に基いて、空燃比フィ−ドバッ
ク制御運転領域やオ−プンル−プ制御運転領域等の種々
のエンジン運転状態を判別するとともに、エンジン運転
状態に応じ、数式1に基づき、前記TDC信号パルスに
同期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算す
る。
【0021】
【数1】 TOUT=Ti×K1×KEGR×KO2+K2 ここに、Tiは燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTの
基準値であって、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧
PBAに応じて決定される。KEGRは燃料量補正係数
であって、後述する排気還流路18の変動に応じて、燃
料量を補正し空燃比を理論空燃比に制御する。
【0022】KO2は空燃比補正係数であって、空燃比
フィ−ドバック制御時においては排気ガス中の酸素濃
度、即ちO2センサ17の出力に応じて設定され、また
フィ−ドバック制御を行なわない複数の特定運転領域
(オ−プンル−プ制御運転領域)においては各運転領域
に応じて設定される。
【0023】また、ECU5は数式2に基いて点火進角
値を算出し、点火時期の進遅角制御を行なう。
【0024】
【数2】θIG=θIGMAP+θIGCAT ここに、θIGMAPはエンジンの運転状態、例えば予
め記憶手段5c(ROM)に記憶されたNE−PBA−
θIGマップに基づき、エンジン回転数NE及び吸気管
内絶対圧PBAに応じて設定される基本点火進角値であ
り、θIGCATは予め記憶手段5c(ROM)に記憶
された触媒床温度制御時に適用される補正値マップに基
づき設定される補正点火進角値である。
【0025】上記触媒温度制御装置において、ECU5
は、TCセンサ16によって検出された触媒床温度TC
が開始温度TSTARTを越えるときに、内燃エンジン1の
制御パラメータを触媒床温度TCが低くなるように制御
する触媒温度抑制手段と、検出された運転状態が所定運
転状態であるときにTCセンサ16により検出された触
媒床温度TCを基準温度として記憶する基準温度記憶手
段とを備えている。更に、ECU5は、TCセンサ16
により検出された触媒床温度TCが開始温度TSTARTよ
り高いとき排気還流路18を流れる排気還流量を増量す
る排気還流量増量手段と、この排気還流量増量手段によ
り排気還流量が増量されて所定の遅延時間T1が経過し
たときに点火時期を進角補正する点火時期補正手段と、
前記排気還流量増量手段により排気還流量が増量されて
所定時間T2が経過した場合において前記触媒床温度T
Cが開始温度TSTARTより低いが終了温度TENDよりも高
いときは混合気の空燃比を濃化する空燃比濃化手段とを
備えている。また、ECU5は排気還流量増量手段によ
る排気還流量の増量に対応して所定の遅延時間T1後に
燃料量の補正を行なう燃料量補正手段とを備えている。
【0026】つぎに、本実施例の要点である上記触媒温
度制御の開始温度TSTARTおよび終了温度TENDを設定す
る手順について説明する。図2は触媒温度設定ルーチン
を示すフローチャートである。
【0027】まず、本ルーチンが開始されると、触媒床
温度Tcの基準温度TREFを検出する基準温度モニタサ
ブルーチンが実行される(ステップS1)。図3は基準
温度モニタサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、内燃エンジンが始動モードであるかどうかを判別
する(ステップ201)。始動モードであるときは始動
後の時間経過を計測するためにタイマT4をプリセット
してカウントダウンを開始する(ステップS202)。
エンジン1の所定運転状態の継続時間を計測するための
タイマT5もプリセットしてカウントダウンを開始して
(ステップS203)、触媒温度制御が実施可能である
ことを判別するフラグFOKを値「1」にセットして
(ステップS204)メインルーチンに戻る。始動モー
ドでないときにタイマT4のプリセット後にカウントダ
ウンを開始してから始動後の所定時間T4が経過したか
どうかを判別する(ステップS205)。始動後の所定
時間T4が経過するまではタイマT5のプリセットによる
カウントダウン開始を再び行って(ステップS203)
メインルーチンに戻る。始動後の所定時間T4が経過す
ると、エンジン冷却水温TWが所定温度Ta以上となっ
て暖機完了状態になったかどうかを判別する(ステップ
S206)。暖機運転が完了していないときは再びタイ
マT5のプリセット後のカウントダウンを開始してメイ
ンルーチンに戻る。
【0028】暖機完了状態になったときには、エンジン
1が所定運転状態に至ったかどうかを判別する(ステッ
プS207)。所定運転状態に至っていないときにはタ
イマT5のプリセットによるカウントダウン開始を再び
行なう。ここで、所定運転状態とはエンジン回転数N
e、吸気管内絶対圧力PBのマップにおいて領域設定さ
れる範囲であり、本実施例では触媒床温度TCが触媒の
劣化を来す高温(例えば800℃以上)に至り得る中負
荷運転領域である。エンジン1が前記所定運転状態に至
ると、つぎに該所定運転状態に至ってから所定時間T5
が経過したかどうかを判断する(ステップS208)。
【0029】所定時間T5を経過していないときにはフ
ラグFOKの値を「0」にリセットして触媒温度制御を
中断し(ステップS209)、タイマT6をプリセット
してダウンカウントを開始して(ステップS210)メ
インルーチンに戻る。所定時間T5を経過したときに
は、TCセンサ16により検出した触媒床温度TCの平
均値を算出するための所定時間T6が経過したかどうか
を判別する(ステップS211)。所定時間T5が経過
すると触媒床温度TCは所定運転状態に対応した温度
(例えば、800℃)まで上昇する。そのときの触媒床
温度TCを所定時間T6経過するまで読み込み(ステッ
プS212)、読み込んだ触媒床温度TCの平均値を算
出する(ステップS213)。この平均値の算出は数式
3により例えば加重平均で行われる。
【0030】
【数3】 TCAVE ← CTC / 100 ×TC + (100 −CTC ) / 100 ×TCAVE ここで、CTCは0〜100の間のいずれかの値に設定さ
れる平均なまし係数である。
【0031】上記平均値の算出後、メインルーチンに戻
る。また、所定時間T6が経過したときにはフラグFO
Kを値「1」にセットし、触媒温度制御を再開して(ス
テップS214)メインルーチンに戻る。
【0032】図2のメインルーチンに戻り、ステップS
2で触媒床温度Tcの平均値が算出されたか否かを判別
し、算出されているときにはつぎの処理ステップS3に
移行するが、算出されていないときには本ルーチンを一
旦終了する。
【0033】前述の図3のサブルーチンによって算出さ
れた触媒床温度TCの平均値は触媒床温度TCの基準温
度TREFとしてECU5の記憶手段5cに記憶される
(ステップS3)。つぎに、記憶手段5cに記憶された
基準温度TREFから一定温度△T1を数式4に基づいて減
算し、触媒温度制御の開始温度TSTARTとする(ステッ
プS4)。
【0034】
【数4】TSTART = TREF − △T1 ここで、本実施例においては一定温度△T1は100℃
に設定されている。したがって、基準温度TREFが本実
施例で800℃に設定されていることから触媒温度制御
の開始温度TSTARTは700℃となる。さらに、触媒温
度制御の終了温度TENDは開始温度TSTARTを基にヒステ
リシスを付加して設定されており、本実施例においては
開始温度TSTARTよりΔT2(=50℃)低い650℃で
ある(ステップS5)。
【0035】開始温度TSTARTおよび終了温度TENDが設
定されると、触媒床温度Tcに応じて触媒温度制御が実
行されることになるが、その開始判定ルーチンについて
説明する。図4は触媒温度制御の開始判定ルーチンを示
すフローチャートである。まず、図3の基準温度モニタ
サブルーチンのステップS204およびステップS21
4で設定され、記憶手段5cに記憶されているフラグF
OKが値「1」にセットされているかどうかを判別する
(ステップS401)。フラグFOKが値「1」にセッ
トされているときには、触媒床温度TCが開始温度TST
ART以上となっているかどうかを判別する(ステップS
402)。フラグFOKが値「0」のときには以後何も
することなく本ルーチンを一旦終了する。また、触媒床
温度TCが開始温度TSTART以上となっているときには
触媒温度制御を開始して本ルーチンを一旦終了する(ス
テップS403)。触媒床温度TCが開始温度TSTART
に至っていないときには、さらに終了温度TENDに達し
ていないかどうかを判断する(ステップS404)。終
了温度TENDにも達していないときには触媒温度制御を
終了し(ステップS405)、終了温度TENDには達し
ているときには触媒温度制御を終了することなく本ルー
チンを一旦終了する。
【0036】このように、触媒温度設定ルーチンにおい
て温度制御開始温度TSTARTを設定した後に、再び開始
温度TSTARTに達すると触媒温度制御が開始されること
になる。
【0037】つぎに、触媒温度制御の開始は触媒温度制
御を排気還流量、点火時期、空燃比などの各種手段によ
って実行することとなるが、既に本願出願人は特開平4
−298666号公報に触媒温度制御について詳細に開
示しているので、ここではその概略についてだけ説明す
ることとする。
【0038】図5はECU5に内蔵される上記各種手段
の動作タイミングを示すタイムチャ−トである。ECU
5はTCセンサ16から出力される触媒床温度TCを読
み込むと、触媒床温度TCが触媒劣化の生じる開始温度
TSTART、例えば700℃より高い場合は、排気還流量
増量手段によりEGR弁19の目標弁開度値LCMDを
上げて、排気還流量(未燃ガス)を増量させ、触媒床温
度TCを低下させる。所定の遅延時間T1経過後に排気
還流量の増量に対応して空燃比を理論空燃比に補正すべ
く燃料量補正手段により燃料量補正係数KEGRを算出
し、燃料噴射時間TOUTを変更する。燃料量補正手段
の実行と同時に点火時期補正手段を実行し、点火時期θ
IGを進角補正して燃焼温度を下げる。空燃比A/F及
び触媒床温度TCが安定する所定時間T2が経過した場
合において、触媒床温度TCが終了温度TENDよりも高
いときは空燃比を濃化すべく空燃比濃化手段を実行して
空燃比補正係数KO2を増加させ、空燃比をリッチ側、
例えば空燃比A/F=14.3に設定する。
【0039】以上示したように、本実施例の内燃エンジ
ンの触媒温度制御装置によれば、触媒温度センサ16で
測定される絶対値にセンサ固有のバラツキや経時劣化等
によるずれが生じても所定運転状態で検出した基準温度
の平均値に対して相対的な値に基づいて触媒温度制御の
開始を決定するので、燃費の悪化を来たしたり運転性に
影響を及ぼしたりすることなく、かつ触媒を劣化させる
ことなく前述した従来技術の触媒温度制御の不具合を解
消することができる。
【0040】尚、上記実施例において、例えば、一定温
度ΔTは予め決まった温度100℃に設定していたが、
温度センサから出力される信号の値に応じて相対的に設
定してもよい。また、基準温度TREFは触媒床温度TC
が所定運転状態に入ってから所定時間T6内に計測され
る触媒床温度TCの平均値を用いて設定していたが、こ
れに限らず所定時間T6内の最高温度に設定してもよい
し、最高温度と最小温度を除いた温度の平均値に設定す
るなど種々の設定の仕方で行ってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明の内燃エンジンの触媒温度制御装
置によれば、触媒温度検出手段で測定される触媒の温度
の絶対値によるセンサ固有のバラツキや経時劣化による
ずれが生じていても、前記基準温度に対し相対的な値に
基づいて触媒温度制御の開始が決定されるので、従っ
て、燃費の悪化や運転性に影響を及ぼすことなく、かつ
触媒を劣化させることなく、適切な触媒温度制御を行な
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒温度制御装置の一実施例を組み込
んだ内燃エンジン1の全体構成を示す概略図である。
【図2】触媒温度設定ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図3】基準温度モニタサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図4】触媒温度制御開始判定ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図5】各種手段の動作タイミングを示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 … 内燃エンジン 5 … ECU 8 … 絶対圧センサ(運転状態検出手段) 11… エンジン回転数センサ(運転状態検出手段) 13… 点火プラグ 16… 触媒温度センサ(触媒温度検出手段) 17… 酸素濃度センサ 19… EGR弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301E 301N (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/28 F01N 9/00 F02D 43/00 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンの排気系に取り付けられ排
    ガス中の有害成分を浄化する触媒と、 該触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、 該触媒温度検出手段によって検出された前記触媒の温度
    が開始温度を越えるときに、前記内燃エンジンの制御パ
    ラメータを前記触媒の温度が低くなるように制御する触
    媒温度抑制手段とを備えた内燃エンジンの触媒温度制御
    装置において、 前記内燃エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手
    段と、 該運転状態検出手段によって検出された運転状態が所定
    運転状態であるときに前記触媒温度検出手段により検出
    された前記触媒の温度を基準温度として記憶する基準温
    度記憶手段と、 該基準温度記憶手段に記憶された前記基準温度より所定
    値低い温度を比較温度として設定する比較温度設定手段
    とを備え、 前記触媒温度抑制手段は、前記触媒温度検出手段により
    検出された触媒温度が前記比較温度より高いとき前記内
    燃エンジンの制御パラメータを触媒温度が低くなるよう
    に制御することを特徴とする内燃エンジンの触媒温度制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記内燃エンジンの制御パラメータは、
    点火時期、空燃比、排気還流量の少なくとも1つである
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃エンジンの触媒温
    度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記所定運転状態とは、前記内燃エンジ
    ンの始動後所定時間が経過しかつ前記内燃エンジンが中
    負荷運転状態を継続したときであることを特徴とする請
    求項1記載の内燃エンジンの触媒温度制御装置。
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