JP3095720U - 紫外線カット及び半透明加工処理を施した包装材料 - Google Patents
紫外線カット及び半透明加工処理を施した包装材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 紫外線による商品本体の劣化を防止し、併せ
て中身商品が品良く程々に見えるようにし商品価値を高
める技術を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリオレフィン、ナイロン、及びポリエ
ステルより選択された透明なフィルム支持体の表面に、
顔料を1〜30重量%(樹脂分基準)含有する硝化綿、
ポリアマイド、及びウレタン樹脂より選択されている合
成樹脂の単体または混合物よりなる紫外線カット性で且
つ可視光線透過性の皮膜が形成されていることを特徴と
する包装材料を提供する。
て中身商品が品良く程々に見えるようにし商品価値を高
める技術を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリオレフィン、ナイロン、及びポリエ
ステルより選択された透明なフィルム支持体の表面に、
顔料を1〜30重量%(樹脂分基準)含有する硝化綿、
ポリアマイド、及びウレタン樹脂より選択されている合
成樹脂の単体または混合物よりなる紫外線カット性で且
つ可視光線透過性の皮膜が形成されていることを特徴と
する包装材料を提供する。
Description
【0001】
本考案は、主として食品等の商品を包装する資材に紫外線の透過を抑制する機
能を持たせることにより品質保持を図り、また併せて半透明感を付与することに
より商品が鮮明に見えないようにしデザイン価値を高めることに関する。
【0002】
一般的に商品に太陽光、及び照明等の光が当ると、それらに含まれる紫外線に
より変色、酸化等の劣化が発生する。従来の技術では、紫外線の遮断にはアルミ
箔またはベタインキ塗付等により完全に中身の商品が見えなくする方法か、或い
は透明な紫外線カット剤の添加・塗付等により完全に見えるようにする方法があ
る。また、商品には、消費者の購買意欲への影響の観点から商品本体の形状、色
調等を鮮明に見えるようにした方が良いものと、見えないようにした方が良いも
のがある。
【0003】
従来の技術では、紫外線による商品の劣化防止を図りながら中身商品が半透明
に見えるようにする技術が無かった。本考案では、それらの課題を解決し、紫外
線による商品本体の劣化を防止し、併せて中身商品が品良く程々に見えるように
し商品価値を高める技術を提供することを目的とする。
【0004】
本考案は、透明なフィルム支持体の表面に、顔料を1〜30重量%(樹脂分基
準)含有する一種以上の合成樹脂より選択した単体または混合物よりなる紫外線
カット性で且つ可視光線に対して半透明性の皮膜が形成されていることを特徴と
する包装材料、特に食品包装用の包装材料を提供する。
本考案は特に、ポリオレフィン、ナイロン、及びポリエステルより選択された
透明なフィルム支持体の表面に、顔料を1〜30重量%(樹脂分基準)含有する
硝化綿、ポリアマイド、及びウレタン樹脂より選択されている一種以上の合成樹
脂より選択した単体または混合物よりなる紫外線カット性で且つ可視光線に対し
て半透明性の皮膜が形成されていることを特徴とする包装材料、特に食品包装用
の包装材料を提供する。
ここに、紫外線カット性で且つ可視光線に対する半透明性は顔料比率を変える
ことにより、任意に選択可能である。
【0005】
本考案の包装材料では、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、CPP(無延伸
ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等のポリオリフィン樹脂、ナイロン、
ポリエステルフィルム等のフィルム支持体に、グラビア版を用いて紫外線カット
性で且つ可視光透過性を付与する着色樹脂を塗布加工して皮膜を形成し、必要な
らばさらに用途に応じ異種素材を貼り合わせ加工される。フィルムは、接着性の
改善のためにコロナ放電処理や接着性を増すための樹脂被覆をしたもの、或いは
これらの処理を施さないものなど、使用される樹脂フィルム支持体の特性に応じ
て処理されたものが使用される。フィルムの厚さとしては通常10〜60μmの
ものを用いる。
【0006】
フィルム支持体上に紫外線カット性及び可視光透過性の皮膜を形成するため樹
脂材料としては、硝化綿、ポリアマイド、及びウレタン樹脂より選択される単独
又は混合物が適している。これらの材料は包装フィルムに使用する透明なフィル
ム支持体の樹脂材料よりも大きい紫外線カット性を有する。
【0007】
フィルム上に紫外線カット性を付与し同時に可視光線に対して半透明性を付与
するためには、顔料を使用する必要がある。顔料には酸化亜鉛や酸化チタン(白
色)、べんがら(赤)、べんがらやγ酸化鉄(茶)、ゲータイト(クリーム)、
黄色酸化鉄(ベージュ)、ジオキサジン(紫)、アゾ顔料と酸化チタン(ピンク
)、フタロシアニンブルーと酸化チタン(浅葱)等が使用できる。これらの顔料
は皮膜形成用のインキ組成物として印刷したときに、紫外線カット率を50%以
上90%程度まで引き上げることが出来る。同時に顔料は可視光に対する透過性
を減じるので包装材に収容する商品を透視できるが、不都合な透過性を減じて収
納する商品に応じて適切な半透明性を付与することにより商品の外観を良好にす
ることが可能となる。半透明性を維持するには顔料の皮膜中の含有量は皮膜に対
して1〜30重量%とすべきであり、少なすぎると紫外線カット性やこれ以上多
いとフィルムが不透明になる。
【0008】
デスプレー効果や美感から選定された所望色相と所望の紫外線カット及び半透
明性を付与できる顔料を、上記の重量割合で硝化綿、ポリアマイド、及びウレタ
ン樹脂より選択される単独又は混合物に、必要なインキ組成用の添加物を混練り
して、所望の色相のインキを調製する。
【0009】
得られたインキを、グラビア印刷法により、フィルム上に塗付する。インキの
塗布厚は皮膜の乾燥厚にして0.2〜2.0μmの中から選択する。塗付加工は
、グラビア輪転印刷機、コーター等で作成したグラビア版を用いて行う。
さらに、印刷インキを使用した任意のデザインを印刷を施すことも可能である
。
【0010】
以下、本考案を実施例に基づき説明する。
構造
図1〜図2を参照する。本考案の包装材料は上記の通り、OPP等の透明なフ
ィルム支持体の表面に、酸化チタン等の粉末顔料を1〜30重量%含有する一種
以上の合成樹脂より選択した単体または混合物よりなる紫外線カット性で且つ可
視光線透過性(半透明性)の皮膜を形成したものである。
包装袋1は、本考案の包装材料を袋状に折り込み、重畳縁部3でヒートシール
し、更に他の一縁部をヒートシールしてシール部4を形成し食品を挿入するため
の開孔部7を形成したものである。包装材料は、ポリオレフィン、ナイロン、及
びポリエステルより選択された包装材2と、その面に印刷された紫外線遮蔽及び
半透明性皮膜5、6よりなり、皮膜は硝化綿、ポリアマイド、及びウレタン樹脂
等に顔料を混練りしたインキを包装材2の表面に印刷したものである。この印刷
面はフィルムの面(シール部は除く)の少なくとも50%以上、100%までの
面積を占めることが出来る。
なお、図1〜2は一例であって、本考案の包装材料には種々の使用形態が可能
である。
包装袋1に食品を収納した後に開口部7をヒートシールしてシール部8を形成
し、包装体とする。
【0011】
(1)塗布着色樹脂の調製
硝化綿系透明樹脂約30%に各インキ10%を混ぜ、更にIPA、酢酸エチル
、トルエンを含有する有機溶剤を60%添加し100%とした。
インキに使用した顔料は表1のサンプル番号に対して次の通りである。2:酸
化チタン粉末、3:べんがら、4:ゲータイト、5:黄色酸化鉄、6:酸化チタ
ンとアゾ顔料、7:酸化チタンとアゾ顔料、8:ジオキサジン、9:フタロシア
ニンブルーと酸化チタン、10:フタロシアニンブルー、11:べんがら
(2)印刷サンプルの作成
・印刷素材:OPPフィルム20μ片面処理
・印刷機 :試作品作成用小型印刷機
・印刷条件:スピード30m/分、乾燥温度50℃で処理面に乾燥厚さ0.2
〜2μmに印刷
(3)評価
印刷しないOPP及び作成した印刷サンプルを、紫外線可視分光光度計V−5
60型(日本分光(株)製)を用いて紫外線(200〜400nm)、及び可視光
線(400〜700nm)のカット率を測定した。
顔料を除いた単独樹脂(厚さ0.6μmとして)の紫外線カット率は硝化綿で
33.79%、ポリアマイドで36.85%、及びウレタン樹脂で22.88%
である。
表1のように、非印刷OPPの紫外線カット率24.08、可視光線カット率
12.56%(=透過率87.44%)に対し、印刷物は色調により異なるが、
73.94〜91.38%の紫外線カット率、及び63.89〜85.28%の
可視光線カット率(=透過率36.11〜14.72%)を示し、紫外線カット
、及び可視光線透過性(=100−透過率)の有効性が確認された。
【0012】
【表1】
【0013】
以上のように、本考案の包装材料は、紫外線及び可視光線に対する所望の機能
を有する顔料と樹脂を含有する皮膜を用いて紫外線をカットを行うことにより、
赤、黄、クリーム色等の変色しやすい色相、及び抹茶等の様に変色しやすい物質
の変色・退色を遅延させ、中身商品の品質保持に役立つと共に、任意の半透明性
を確保し商品の完全な透視が外観を損なう場合には半透明化し、また顔料として
着色顔料の使用により意匠効果或いはデスプレー効果を向上することが可能にな
る。
【図1】本考案の包装材を使用して形成した食品包装袋
の透視図である。
の透視図である。
【図2】本考案の包装材を使用して形成した食品包装袋
を封鎖した状態を示す透視図である。
を封鎖した状態を示す透視図である。
1 包装袋
2 包装材
3 重畳縁部
4 シール部
5、6 紫外線遮蔽及び半透明性皮膜
7 開口部
8 シール部
Claims (6)
- 【請求項1】 透明なフィルム支持体の表面に、顔料を
1〜30重量%含有する一種以上の合成樹脂より選択し
た単体または混合物よりなる紫外線カット性で且つ可視
光線に対して半透明性の皮膜が形成されていることを特
徴とする包装材料。 - 【請求項2】 透明なフィルム支持体が、ポリオレフィ
ン、ナイロン、及びポリエステルより選択されている包
装材料。 - 【請求項3】 皮膜の合成樹脂が、硝化綿、ポリアマイ
ド、及びウレタン樹脂より選択されている単体または混
合物である請求項1又は2の包装材料。 - 【請求項4】 可視光線に対する半透明性は顔料比率を
変えることにより、任意に選択可能な請求項1〜3のい
ずれかの包装材料。 - 【請求項5】 顔料が酸化チタン、黄色酸化鉄、べんが
ら、ゲータイト、ジオキサジン、アゾ顔料、フタロシア
ニンブルーの少なくとも一種より選択される請求項1〜
4のいずれかの包装材料。 - 【請求項6】 食品包装用である請求項1〜5のいずれ
かの包装材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003000512U JP3095720U (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 紫外線カット及び半透明加工処理を施した包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003000512U JP3095720U (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 紫外線カット及び半透明加工処理を施した包装材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3095720U true JP3095720U (ja) | 2003-08-15 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3095720U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011001490A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-01-06 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 紫外線遮断機能を有する活性エネルギー線硬化型印刷用インキ、印刷物および包装材料 |
JP2017100800A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 日立化成株式会社 | 食品包装用フィルム |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003000512U patent/JP3095720U/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2017094729A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 日立化成株式会社 | 食品包装用フィルム及び化粧箱付食品包装用小巻フィルム |
CN108291040A (zh) * | 2015-11-30 | 2018-07-17 | 日立化成株式会社 | 食品包装用膜和带包装盒的食品包装用卷膜 |
JPWO2017094729A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2018-09-20 | 日立化成株式会社 | 食品包装用フィルム及び化粧箱付食品包装用小巻フィルム |
CN108291040B (zh) * | 2015-11-30 | 2021-08-24 | 昭和电工材料株式会社 | 食品包装用膜和带包装盒的食品包装用卷膜 |
JP7028544B2 (ja) | 2015-11-30 | 2022-03-02 | 株式会社キッチニスタ | 食品包装用フィルム |
JP7089367B2 (ja) | 2015-11-30 | 2022-06-22 | 株式会社キッチニスタ | 食品包装用フィルム及び化粧箱付食品包装用小巻フィルム |
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