JP3095541B2 - 免疫学的凝集反応試薬の製造方法 - Google Patents

免疫学的凝集反応試薬の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫学的凝集反応試薬
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査の分野では、近年種々の疾患を
血液学的に診断することが重要視されている。そして、
この診断のためには、検体中の抗原あるいは抗体を正
確、迅速且つ簡便にに定量することがきわめて重要な課
題となっている。そこで、抗原あるいは抗体を不溶性担
体に感作して得られる感作粒子を使用して抗原あるいは
抗体を検出する方法、いわゆる免疫学的凝集反応を利用
する方法が、操作が簡単で迅速に結果を得られることか
ら臨床検査や研究分野で広く用いられている。
【0003】前記の免疫凝集反応は検出法により分類さ
れるのが普通である。この検出法は、ガラス板上の担体
の凝集を肉眼で検出するラテックス凝集反応法、反応容
器中の担体の凝集を溶液の吸光度の変化で検出するラテ
ックス比濁法、反応容器中の担体の凝集を反応容器底面
の凝集像を肉眼で検出する管底凝集法などが用いられ
る。
【0004】上記の免疫凝集反応の検出法の担体として
は、ラテックス、カオリン、炭末、有機無機複合粒子な
どの非生物学的粒子、動物赤血球、細菌菌体などの生物
学的粒子、などが用いられる。又、担体の分散媒として
は、ポリエチレングリコール、糖などの非生物学的溶
質、動物血清、菌体破砕物などの生物学的溶質、などが
用いられる。更に、抗原、抗体も種々の物が使用され
る。
【0005】これらを適宜選択して組み合わせることに
より、免疫学的凝集反応試薬を製造するが、これらの試
薬構成要素全ての品質管理は大変難しく、組み合わされ
た試薬は同じグレードの物質を同じ量を用いても時とし
てその反応性が異なり、非特異凝集反応を起こすことや
目的感度に達しないことが少なくない。
【0006】診断試薬分野において正しい判定ができな
いことは致命的な欠陥である。そこで、製造した試薬の
品質を一定に保つため、基準物質を用いて検定を行な
い、規格から外れた物は再調整を行なうのが一般的であ
る。例えば、臨床試薬においては臨床的に要求される感
度が既知の場合が多く、この様な感度が目的感度になる
のであるが、潜在的に該目的感度を実現し得る感作粒子
を用い、同様の方法により調製しても、検定を行なって
みると目的感度を示さない試薬が得られていることがま
まあり、この様な試薬については再度感度調整を行なう
必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、製造し
た試薬の品質を一定の範囲に保つため、基準物質を用い
て検定を行うのは多くの時間と労力を要する。また、試
験の再現性が十分確保されていないときにはその判定を
誤ってしまう場合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記した
問題を解決するために誠意研究を重ねた結果、試薬品質
を一定に保つためには、感作粒子が分散される溶液の電
気伝導度を、ある一定の範囲内に納めなければならない
ことを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、担体粒子に抗原或いは抗
体を感作させた感作粒子及び少なくとも一種類の液体成
分を含んでなる免疫学的凝集反応試薬を製造する方法で
あって、 (1)前記感作粒子と前記免疫学的凝集反応試薬に含ま
れる全ての液体成分とを混合して異なる電気伝導度を有
する複数の懸濁液からなる試薬を調製し、次いで得られ
た各液試薬の感度を測定して目的の感度を与える試薬の
電気伝導度の範囲を決定する工程、及び (2)前記液体成分の少なくとも一種の電気伝導度を、
免疫学的凝集反応試薬の全ての構成成分を混合して得ら
れる懸濁液の電気伝導度が前記工程(1)で決定された
電気伝導度の範囲内となるように調整する工程を含んで
なることを特徴とする前記免疫学的凝集反応試薬の製造
方法である。上記本発明の製造方法で製造される免疫学
的凝集反応試薬とは、例えば、担体粒子に抗原或いは
抗体を感作させた感作粒子、及び液体成分として分散媒
のみを含有してなる感作粒子液からなる免疫学的凝集反
応試薬、該感作粒子液及び被検体希釈液からなる(即
ち、液体成分として分散媒および被検体希釈液を含む)
免疫学的凝集反応試薬、又は担体粒子に抗原或いは抗
体を感作させた後に乾燥した乾燥感作粒子、並びに粒子
復元液及び被検体希釈液からなる液体成分を含んでなる
免疫学的凝集反応試薬である。上記又はの免疫学的
凝集反応試薬を製造する場合には、液体成分である分散
媒又は被検体希釈液の電気伝導度を、各免疫学的凝集反
応試薬の全ての構成成分を混合して得られる懸濁液の電
気伝導度が前記工程(1)で決定された電気伝導度の範
囲内となるように調整すればよく、上記の免疫学的凝
集反応試薬を製造する場合には、液体成分である粒子復
元液又は被検体希釈液の電気伝導度を、該免疫学的凝集
反応試薬の全ての構成成分を混合して得られる懸濁液の
電気伝導度が前記工程(1)で決定された電気伝導度の
範囲内となるように調整すればよい。
【0010】本発明において用いられる免疫凝集反応の
検出法の担体としては公知の担体を限定なく用いること
ができる。この担体を例示すると、ラテックス、カオリ
ン、炭末、有機無機複合粒子、ゼラチン粒子などの非生
物学的粒子、動物赤血球、細菌菌体などの生物学的粒
子、などが挙げられる。この内、有機無機複合粒子は担
体表面を目的に応じて化学的処理でき、また、極めて非
特異的反応が起こりにくいので好適に用いられる。
【0011】かかる担体に感作する物質としては免疫学
的凝集反応を起こすものであればよく、該物質として抗
原及び抗体が挙げられる。
【0012】抗原は、抗体を産生させて、体液性免疫や
細胞性免疫を誘発する物質であれば特に制限されず、例
えば蛋白質、糖蛋白質、脂質蛋白質、脂質、核酸等が挙
げられる。
【0013】抗体は、抗原と特異的に結合する活性を持
つものであれば特に制限されずIgG,IgM,Ig
A,IgD,IgE等が挙げられる。
【0014】本発明において、まず上記した担体に抗原
又は抗体の感作を行って感作粒子を得る。
【0015】抗原又は抗体を担体に感作する方法は、公
知の方法を限定なく採用しうる。代表的な方法を例示す
れば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液等
の緩衝液中に前記担体と、該担体1g当り0.01〜5
0mgの抗原あるいは抗体とを配合して感作する方法等
が挙げられる。この抗原又は抗体の感作を行う時間は、
通常1時間以上である。また、感作温度は、通常4〜5
6℃であり、好ましくは室温である。
【0016】感作後、上記緩衝液で洗浄し、次いで分散
媒と混合して免疫学的凝集反応試薬とする。かかる感作
粒子の分散媒としては、一般に、蒸留水、超純水、生理
食塩水や、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝
液等のpH3〜9の緩衝液を用いる。このうち、pH3
〜9の緩衝液が、抗原抗体反応が速やかに進行しうるの
で好ましい。
【0017】免疫学的凝集反応試薬中の感作粒子の濃度
は特に限定されないが、0.1〜1重量%とすると凝集
が鮮明となり、充分な検出感度を得ることができるため
に好ましい。
【0018】又、免疫学的凝集反応試薬中には、凝集促
進や検体中の目的外の共存物質の影響を防ぐために、塩
化ナトリウム、塩化カルシウム、アジ化ナトリウム、グ
ルタミン酸ナトリウム等の塩類、ポリエチレングリコー
ル、フルクトース、サッカロース等の糖類などの非生物
学的添加物、ヤギ血清、ウサギ血清、牛血アルブミン、
スキムミルク、ゼラチン、菌体破砕物などの生物学的添
加物を通常含有させる。
【0019】そして、上記免疫学的凝集反応試薬の電気
伝導度を測定する。この免疫学的凝集反応試薬の電気伝
導度の測定方法は、公知の方法を限定なく採用しうる。
例えば該反応試薬20ml以上を電気伝導度計にて攪拌
を行いつつ測定する方法等が挙げられる。この測定時間
は1分以上であり、測定温度は通常4〜37℃であり、
好ましくは室温である。
【0020】上記の免疫学的凝集反応試薬の感度測定方
法は、公知の方法を限定なく採用しうる。例えば、反応
試薬25μlと、担体に感作した抗原又は抗体に相対す
るところの種々の既知濃度の抗原又は抗体を含む標準検
体25μlをガラス板上で混合し攪拌を行い、凝集程度
を肉眼にて判定し、明確な凝集を示す最小の濃度をもっ
て感度とする方法等が挙げられる。この攪拌時間は30
秒以上であり、測定温度は通常4〜37℃であり、好ま
しくは室温である。
【0021】上記の免疫学的凝集反応試薬が最適な特異
反応性を示すとき(即ち、「目的感度」、臨床試薬にあ
っては「臨床的に要求される感度」を示すとき)の電気
伝導度及びその変化幅は、試薬の組成、濃度によって異
なる。一般に、その変化幅は、最適電気伝導度(即ち、
最適な特異反応性を示す電気伝導度の中心値)に対して
±0.1〜±1mS/cm以内である。従って、この範
囲内におさまるように免疫学的凝集反応試薬の成分を調
整すればよい。この時、調整に用いるのはどの成分を用
いても良いが、前述の塩類は少量で電気伝導度を大きく
させ得るので試薬の組成バランスを大きく崩すことがな
く好ましい。尚、免疫学的凝集反応試薬の好適な電気伝
導度及びその変化幅は、使用する試薬の構成成分やその
量によって変化するので、後述する実施例に示されるよ
うに、先ず免疫学的凝集反応試薬で用いる全ての液体成
分と感作粒子とを混合して異なる電気伝導度を有する複
数の懸濁液からなる試薬を調製し、次いで得られた各試
薬の感度を測定することにより、試薬系ごとにその都度
決定しなければならない。
【0022】感作粒子液及び検体希釈液から構成される
免疫学的凝集反応試薬の場合は、前記抗原又は抗体の感
作によって得えられた感作粒子を分散した感作粒子液お
よび/または検体希釈液の電気伝導度を測定する。
【0023】感作粒子液とは、前述の感作粒子を同じく
前述の分散媒に混合した液を意味し、必要に応じて前記
塩類や動物血清等の添加物を含有させる。
【0024】検体希釈液とは、検体を所定濃度に調整す
るために使用する液であり、前述の分散媒に必要に応じ
て同じく前記添加物を含有させてなるものである。
【0025】この感作粒子液および/または検体希釈液
の電気伝導度の測定方法は、前記の方法と同様に行うこ
とができる。
【0026】上記免疫学的凝集反応試薬の感度測定方法
は、公知の方法を限定なく採用しうるが、例えば、感作
粒子液100μlと担体に感作した抗原又は抗体に相対
するところの種々の既知濃度の抗原又は抗体を含む標準
検体1μlと検体希釈液99μlをガラスセル内で混合
し攪拌を行い、凝集程度を吸光度にて判定し、明確な凝
集を示す最小の濃度をもって感度する方法等が挙げられ
る。この測定波長は185nm以上であり、好ましくは
300nm以上であり、攪拌時間は5秒以上であり、測
定温度は通常4〜37℃であり、好ましくは室温であ
る。
【0027】上記の免疫学的凝集反応試薬が最適な特異
反応を示すときの各液の電気伝導度およびその変化幅は
試薬の組成、濃度によって異なる。一般に、変化幅は最
適電気伝導度に対して±0.1〜±1mS/cm以内で
ある。従って、この範囲内におさまるように感作粒子液
/または検体希釈液の成分を調整する。この時調整に用
いるのはどの成分を用いても良いが、前記理由により塩
類の量を調整するのが好ましい。
【0028】この電気伝導度の調整を行うときは、感作
粒子液及び検体希釈液の両方の電気伝導度が所定の範囲
内に納まるように調整しても良いが、いずれか一方を多
量に調製しておき同一ロットのものを使う限り他方の電
気伝導度を調整すれば良い。尚、免疫学的凝集反応試薬
の好適な電気伝導度およびその変化幅は、試薬の構成成
分やその量によって変化するので試薬毎にその都度決定
しなければならない。乾燥感作粒子、粒子復元液、及び
検体希釈液から構成される免疫学的凝集反応試薬の場合
は、乾燥前の感作粒子分散液、および/または粒子復元
液、および/または検体希釈液の電気伝導度を測定す
る。
【0029】感作粒子をより長期にわたって保存するた
めには、該感作粒子を乾燥状態で保存することが好まし
い。この感作粒子の乾燥方法としては、公知の乾燥方法
を限定なく採用することができるが、なかでも凍結乾燥
による方法が好適である。
【0030】乾燥前の感作粒子分散液とは、感作後凍結
乾燥を行うために、洗浄した感作粒子が前述の添加物を
含む同じく前述の分散媒に分散された液を意味する。
【0031】粒子復元液は、前述の添加物を同じく前述
の分散媒に溶解したものである。
【0032】この乾燥前の感作粒子分散液および/また
は、粒子復元液および/または、検体希釈液の電気伝導
度の測定方法は、前記の方法と同様に行うことができ
る。
【0033】上記免疫学的凝集反応試薬の感度測定方法
は、公知の方法を限定なく採用しうるが、例えば乾燥感
作粒子0.05gに粒子復元液1mlを加え攪拌し、感
作粒子液とし、担体に感作した抗原又は抗体に相対する
ところの種々の既知濃度の抗原又は抗体10μlに検体
希釈液10μl以上を加え攪拌した検体液とする、この
感作粒子液25μlと検体液25μlをマイクロプレー
ト内で混合し攪拌を行い、凝集程度を目視にて判定し、
明確な凝集を示す最小の濃度を持って感度とする方法が
挙げられる。この攪拌時間は5秒以上であり、反応時間
は10分以上、好ましくは3時間であり、測定温度は通
常4〜37℃であり、好ましくは室温である。
【0034】上記の免疫学的凝集反応試薬が最適な特異
反応を示すときの各液の電気伝導度およびその変化幅は
試薬の組成、濃度によって異なる。通常、変化幅は最適
電気伝導度に対して±0.1〜±1mS/cm以内であ
る。従って、この範囲内におさまるように乾燥前の感作
粒子分散液、および/または粒子復元液、および/また
は検体希釈液の成分を調整する。この時調整に用いるの
は各液中のどの成分を用いても良いが、前記理由により
塩類の量を調整するのが好ましい。
【0035】この電気伝導度の調整を行うとき、乾燥前
の感作粒子分散液、粒子復元液、検体希釈液の各液の電
気伝導度が所定の範囲内に納まるように調整しても良い
が、いずれか二つを多量に調製しておき同一ロットのも
のを使う限り残りの一つの電気伝導度を調整すれば良い
し、いずれか一つを同一ロットのものを使う場合は他の
二つの液の電気伝導度を調整すれば良い。尚、免疫学的
凝集反応試薬の好適な電気伝導度およびその変化幅は、
試薬の構成成分やその量によって変化するので試薬毎に
その都度決定しなければならない。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法により得られる免疫学的凝
集反応試薬は、製造ロット間の品質が一定であり、かつ
品質の管理が迅速で労力が少なくなる。その理由は明確
ではないが、担体を用いた凝集反応試薬においては、試
薬の反応の強さを抗原抗体反応による凝集力と粒子間の
反発力で反応をコントロールするが、粒子間の反発力が
粒子の分散される溶液の電気伝導度でコントロールされ
ているためと考えられる。
【0037】
【実施例】本発明を以下に示す実施例により具体的に説
明するが、本発明は、その実施例により何ら限定される
ものではない。
【0038】実施例1 有機無機複合粒子(徳山曹達株式会社製)に抗ヒトヘモ
グロビン(ウサギ)抗体を感作し、感作粒子を調製し
た。次いで、この感作粒子を、0.125重量%の牛血
清アルブミン、0.04重量%の塩化ナトリウムを含む
5mMグリシン緩衝液(pH8)中に0.25重量%に
なるように分散させ免疫学的凝集反応試薬を複数個調製
した。この免疫学的凝集反応試薬100mlを攪拌機付
きガラス製フラスコ中で電気伝導度計(東亜電子 CM
−11P型)にて電気伝導度を測定した。免疫学的凝集
反応試薬の感度は以下に示すように測定した。免疫学的
凝集反応試薬25μlと1μg/mlのヒトヘモグロビ
ン水溶液を2倍連続階希釈したもの、及び蒸留水25μ
lを室温でマイクロプレート上にて混合し、1分間攪拌
を行なった後、30分静置し凝集程度を肉眼にて判定し
た。感度は、明確な凝集像を示す最小のヒトヘモグロビ
ン水溶液の濃度で表した。但し、既にこの免疫学的凝集
試薬の感度については臨床的に0.06μg/mlであ
ることが求められている。ここで、異なる電気伝導度を
持つ六つの免疫学的凝集反応試薬について感度の測定を
行った。結果を表1に示す。
【0039】この結果より、電気伝導度を0.4±0.
1ms/cmに調整すれば感度が0.06μg/mlと
なることが判明した。次いで、免疫学的凝集反応試薬の
電気伝導度が最適値より低い場合には、20重量%塩化
ナトリウム溶液を適量加えることによって、また高い場
合には免疫学的凝集反応試薬中の塩化ナトリウムを除い
た成分で構成された溶液で薄めることによって、免疫学
的凝集反応試薬の電気伝導度を0.4±0.1ms/c
mに調整しその感度を再度測定した。表1に併せてこれ
らの結果を表した。
【0040】表1に示すように、免疫学的凝集反応試薬
の電気伝導度を調整することにより、安定した感度を有
する免疫学的凝集反応試薬が調製された。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 実施例1で、感作に用いる担体粒子にポリスチレン粒子
(日本合成ゴム製)を用いる以外はすべて同様に行っ
た。結果を表2に示す。
【0043】この結果より、電気伝導度を0.4±0.
1ms/cmに調整すれば感度が0.06μg/mlと
なることが判明した。次いで、免疫学的凝集反応試薬の
電気伝導度が最適値より低い場合には、20重量%塩化
ナトリウム溶液を適量加えることによって、また高い場
合には免疫凝集反応試薬中の塩化ナトリウムを除いた成
分で構成された溶液で薄めることによって、免疫学的凝
集反応試薬の電気伝導度を0.4±0.1ms/cmに
調整しその感度を再度測定した。表2に併せてこれらの
結果を表した。
【0044】表2に示すように、免疫学的凝集反応試薬
の電気伝導度を調整することにより、安定した感度を有
する免疫学的凝集反応試薬が調製された。
【0045】
【表2】
【0046】実施例3 ポリスチレン粒子(徳山曹達株式会社製)に抗β2−m
(ヤギ)抗体を感作し、感作粒子を調製した。次いで、
この感作粒子を、0.9重量%の塩化ナトリウムを含む
5mMトリス緩衝液(pH8)中に0.2重量%になる
ように感作粒子を分散させ感作粒子液を調製した。次に
0.05重量%のアジ化ナトリウム、2.5重量%の塩
化ナトリウムを含む5mMトリス緩衝液(pH8)から
なる検体希釈液を複数個調製した。次いで、この感作粒
子液、血清希釈液それぞれ100mlを攪拌機付きガラ
ス製フラスコ中で電気伝導度計(東亜電子 CM−11
P型)にて電気伝導度を測定した。感作粒子液の測定結
果を表3に、血清希釈液の測定結果を表4に示す。以上
のようにして感作粒子液、検体希釈液より成る免疫学的
凝集反応試薬を調製した。この免疫学的凝集反応試薬の
感度を以下に示すように測定した。濃度1.0μg/m
lのβ2−mの0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を
0.9重量%塩化ナトリウム水溶液で2倍連続希釈した
もの、及び0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を検体と
した。次に検体1μlを検体希釈液600μlに分散さ
せ、これに300μlの感作粒子液を加え攪拌後、37
℃で5分間にて静置した後、660nmの吸光度を測定
した。感度は、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を検
体として用いた時の吸光度より5%以上大きい吸光度を
示す最小の検体中のβ2−m濃度で表した。但し、既に
この免疫学的凝集試薬の感度については臨床的に0.4
μg/mlであることが求められている。他の免疫学的
凝集反応試薬の構成品である感作粒子液は同一ロットの
ものを使用して、異なる電気伝導度を持つ六つの検体希
釈液について感度の測定を行った。結果を表4に示す。
【0047】この結果より、検体希釈液の電気伝導度を
60±1ms/cmに調整すれば感度が0.4μg/m
lとなることが判明した。次いで、検体希釈液の電気伝
導度が最適値より低い場合には、20重量%塩化ナトリ
ウム溶液を適量加えることによって、また高い場合には
検体希釈液中の塩化ナトリウムを除いた成分で構成され
た溶液で薄めることによって、検体希釈液の電気伝導度
を60±1ms/cmに調整し、これを用いて免疫学的
凝集反応試薬の感度を再度測定した。表4に併せてこれ
らの結果を表した。
【0048】表4に示すように、塩の添加量を変化させ
て検体希釈液の電気伝導度を調整することにより、安定
した感度を有する免疫学的凝集反応試薬が調製された。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】実施例4 有機無機複合粒子(徳山曹達株式会社製)に抗ヒトヘモ
グロビン(ウサギ)抗体を感作し、感作粒子を調製し
た。次いで、この感作粒子を、5mMグリシン緩衝液
(pH8)に0.125重量%になるように牛血清アル
ブミンを加えた溶液中に0.25重量%になるように分
散させ感作粒子液を調製した。次に0.05重量%アジ
化ナトリウム水溶液を調製しこれを粒子復元液とした。
次に0.05重量%のアジ化ナトリウム、0.04重量
%の塩化ナトリウムを含む5mMグリシン緩衝液(pH
8)からなる検体希釈液を複数個調製した。次いで、こ
の感作粒子液、粒子復元液、検体希釈液それぞれ100
mlを攪拌機付きガラス製フラスコ中で電気伝導度計
(東亜電子 CM−11P型)にて電気伝導度を測定し
た。感作粒子液および粒子復元液の電気伝導度を表3
に、検体希釈液のそれを表5に示す。次に感作粒子液を
1mlをガラスバイヤル瓶にいれ凍結乾燥を行い凍結乾
燥感作粒子とした。これら凍結乾燥感作粒子、粒子溶解
液、検体希釈液より成る免疫学的凝集反応試薬を調製し
た。この免疫学的凝集反応試薬の感度を以下に示すよう
に測定した。凍結乾燥感作粒子に粒子溶解液1mlを加
え攪拌を行い30分間静置し感作粒子液とした。1μg
/mlのヒトヘモグロビン水溶液を2倍連続希釈したも
の、及び蒸留水25μlを検体とした。次に感作粒子液
25μlと検体25μlを室温でマイクロプレート上に
て混合し、1分間攪拌を行なった後、30分静置し凝集
程度を肉眼にて判定した。感度は、明確な凝集像をつく
る最小のヒトヘモグロビン水溶液の最終濃度で表した。
但し、既にこの免疫学的凝集試薬の感度については臨床
的に0.06μg/mlであることが求められている。
ここで、異なる電気伝導度を持つ六つの検体希釈液につ
いて、免疫凝集反応試薬の他の構成品である粒子復元液
および凍結乾燥感作粒子は同一ロットのものを使用して
感度の測定を行った。結果を表5に示す。
【0052】この結果より、検体希釈液の電気伝導度を
0.4±0.1ms/cmに調整すれば感度が0.06
μg/mlとなることが判明した。次いで、検体希釈液
の電気伝導度が最適値より低い場合には、20重量%塩
化ナトリウム溶液を適量加えることによって、また高い
場合には検体希釈液中の塩化ナトリウムを除いた成分で
構成された溶液で薄めることによって、検体希釈液の電
気伝導度を0.4ms/cmに調整し、これを用いて免
疫学的凝集反応試薬の感度を再度測定した。表5に併せ
てこれらの結果を表した。
【0053】表5に示すように、塩の添加量を変化させ
ることによって検体希釈液の電気伝導度を調整すること
により、安定した感度を有する免疫学的凝集反応試薬が
調製された。
【0054】
【表5】
【0055】実施例5 有機無機複合粒子(徳山曹達株式会社製)にストレプト
キナーゼを感作し、感作粒子を調製した。次いで、この
感作粒子を0.5重量%ウサギ血清、0.7重量%の塩
化ナトリウムを含む15mMリン酸緩衝液(pH7.
2)に0.25重量%になるように分散させ感作粒子液
を調製した。次に0.5重量%ウサギ血清、0.05重
量%アジ化ナトリウムを含む15mMリン酸緩衝液(p
H7.2)からなる粒子復元液を調製した。次に0.5
重量%ウサギ血清、0.05重量%アジ化ナトリウム、
0.5重量%の塩化ナトリウムを含む15mMリン酸緩
衝液(pH7.2)からなる複数個検体希釈液を調製し
た。次いで、感作粒子液、粒子復元液、検体希釈液10
0mlを攪拌機付きガラス製フラスコ中で電気伝導度計
(東亜電子 CM−11P型)にて電気伝導度を測定し
た。感作粒子液および粒子復元液の電気伝導度を表3
に、検体希釈液のそれを表6に示す。次に感作粒子液を
1mlをガラスバイヤル瓶にいれ凍結乾燥を行い凍結乾
燥感作粒子とした。これら凍結乾燥感作粒子、粒子復元
液、検体希釈液より成る免疫学的凝集反応試薬を調製し
た。この免疫学的凝集反応試薬の感度を以下に示すよう
に測定した。 凍結乾燥感作粒子に粒子溶解液1mlを
加え攪拌を行い30分間静置し感作粒子液とした。他法
で感度を検定した感度1280の検体(標準検体)を検
体希釈液で2倍連続希釈して検体とした。次に感作粒子
液25μlと検体25μlを室温でマイクロプレート上
にて混合し、1分間攪拌を行なった後、30分静置し凝
集程度を肉眼にて判定した。感度は検体の最終的な希釈
倍率の逆数で表した。異なる電気伝導度を持つ六つの検
体希釈液について、免疫凝集反応試薬の他の構成品であ
る凍結乾燥感作粒子及び粒子復元液は同一ロットのもの
を使用して感度の測定を行った。結果を表6に示す。
【0056】この結果より、検体希釈液の電気伝導度を
13±1ms/cmに調整すれば感度が1280となる
ことが判明した。次いで、検体希釈液の電気伝導度が最
適値より低い場合には、20重量%塩化ナトリウム溶液
を適量加えることによって、また高い場合には検体希釈
液中の塩化ナトリウムを除いた成分で構成された溶液で
薄めることによって、検体希釈液の電気伝導度を13m
s/cmに調整し、これを用いて免疫学的凝集反応試薬
の感度を再度測定した。表6に併せてこれらの結果を表
した。
【0057】表6に示すように、塩の添加量を変化させ
て電気伝導度を調整することにより、安定した感度を有
する免疫学的凝集反応試薬が調製された。
【0058】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 G01N 33/531

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体粒子に抗原或いは抗体を感作させた
    感作粒子及び少なくとも一種類の液体成分を含んでなる
    免疫学的凝集反応試薬を製造する方法であって、 (1)前記感作粒子と前記免疫学的凝集反応試薬に含ま
    れる全ての液体成分とを混合して異なる電気伝導度を有
    する複数の懸濁液からなる試薬を調製し、次いで得られ
    た各液試薬の感度を測定して目的の感度を与える試薬の
    電気伝導度の範囲を決定する工程、及び (2)前記液体成分の少なくとも一種の電気伝導度を、
    免疫学的凝集反応試薬の全ての構成成分を混合して得ら
    れる懸濁液の電気伝導度が前記工程(1)で決定された
    電気伝導度の範囲内となるように調整する工程を含んで
    なることを特徴とする前記免疫学的凝集反応試薬の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 液体成分が分散媒のみからなる免疫学的
    凝集反応試薬、又は液体成分が分散媒及び被検体希釈液
    からなる免疫学的凝集反応試薬を製造する請求項1記載
    の免疫学的凝集反応試薬の製造方法。
  3. 【請求項3】 担体粒子に抗原或いは抗体を感作させた
    後に乾燥した乾燥感作粒子、並びに粒子復元液及び被検
    体希釈液からなる液体成分を含んでなる免疫学的凝集反
    応試薬を製造する請求項1記載の免疫学的凝集反応試薬
    の製造方法。
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