JP3095251B2 - 高強度かつ焼付硬化性に優れた成形加工用アルミニウム合金板の製造法 - Google Patents

高強度かつ焼付硬化性に優れた成形加工用アルミニウム合金板の製造法

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JP3095251B2 JP02410353A JP41035390A JP3095251B2 JP 3095251 B2 JP3095251 B2 JP 3095251B2 JP 02410353 A JP02410353 A JP 02410353A JP 41035390 A JP41035390 A JP 41035390A JP 3095251 B2 JP3095251 B2 JP 3095251B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度かつ焼付硬化性
に優れたアルミニウム合金板の製造法に係り、更に詳し
くは、素材強度が高く、薄肉化に対して有効で、かつ塗
装焼付時の加熱による焼付硬化性に優れたアルミニウム
合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用部品、家電用部品、機械
部品、建材等に用いられているアルミニウム合金板は、
プレスや曲げ等の成形加工が行われ、その後の塗装工程
において、塗装した塗膜に密着性や強度を保持させるた
めに塗装後加熱(焼付、ベーキング)が行われ、併せてこ
の加熱を利用してアルミニウム合金板の強度を向上させ
ることが行われている。
【0003】かゝるアルミニウム合金板としては、 成形加工時は強度が低く成形加工し易く、 かつ、成形加工後は、焼付塗装の加熱によって強度が
著しく向上する材料で あること、が理想とされ、主としてAl−Mg−Si系が
使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、この種
の用途に用いられているAl−Mg−Si系アルミニウム
合金板の製造法では、成形性を重視し、強度を低下させ
ると焼付硬化後の強度も低くなり、軽度な外力を加えた
だけで変形してしまい、素材の強度は十分ではない。
【0005】一方、自動車用部品は、自動車の低燃費規
制に伴い、更なる軽量化が促進しつつある。これによ
り、アルミニウム合金板の薄肉化が要求される傾向にあ
るが、従来の製造法では、素材強度が低いため、薄肉化
が困難であった。
【0006】更には、焼付塗装の焼付条件が、省エネル
ギー化及び生産性の向上、また、樹脂等高温に曝された
くない部品の多用化により、塗料の進歩と相俟って低温
側に移行してきている。しかし、従来のAl−Mg−Si
系アルミニウム合金板の製造法では低い温度での焼付硬
化性は殆ど向上できなかった。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであって、薄肉化に対応した素材
の高強度化と、焼付温度が低い塗装後加熱処理でも優れ
た焼付硬化性を有するアルミニウム合金板の製造法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者は、まず従来のAl−Mg−Si系アルミニ
ウム合金板の製造法において素材の強度が十分でなく、
更には、焼付硬化性が低い原因を調査した。
【0009】従来の製造法は、最終熱処理として溶体化
処理後、室温まで冷却し、焼入れるというものである。
しかし、この方法により製造したAl−Mg−Si系合金
板は、焼入後、数時間を経過すると共に焼付硬化性が劣
り、かつ強度は焼入直後より若干高くなるものの素材を
薄肉化するに十分とは言い難い。
【0010】そこで、本発明者は、素材強度が薄肉化し
ても十分に高く、更には低い焼付温度で焼付硬化性が十
分に得られる製造法を見い出すべく鋭意研究を重ねた結
果、化学成分を調整すると共に、溶体化加熱後の熱処理
条件を制御し、更にその後に低温加熱処理を施すことに
より、素材の高強度化及び焼付硬化性を著しく向上でき
る方法を見い出したものである。
【0011】すなわち、本発明は、Mg:0.3〜1.
5%及びSi:0.6〜2.0%を含むAl−Mg−S
i系合金につき、均質化処理を施した後、熱間圧延を行
い、次いで冷間圧延を行って所望の板厚とした後、溶体
化加熱後、冷却速度を100℃/min以上で50〜1
30℃の温度に焼入れする熱処理を施し、そのまま50
〜130℃の温度に1〜48時間の保持を行い、その後
140〜180℃の温度範囲で3〜10分間の低温加熱
処理を行うことを特徴とする高強度かつ焼付硬化性に優
れた成形加工用アルミニウム合金板の製造法を要旨とす
るものである。以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0012】
【作用】まず、本発明における化学成分の限定理由につ
いて説明する。 Mg: MgはSiと共同して強度を付与する元素であるが、Mg
含有量が0.3%未満では塗装後加熱処理を施した後の
強度が低くなり、一方、1.0%を超えると伸びが低く
なり、靱性が劣る。したがって、Mg含有量は0.3〜
1.0%の範囲とする。
【0013】 Si: SiはMgと共同して強度を付与する元素である。しか
し、Si含有量が0.6%未満では塗装後加熱処理を施し
た後の強度が低下し、一方、2.0%を超えると伸びが
低くなり、靱性が劣る。したがって、Si含有量は0.6
〜2.0%の範囲とする。なお、他の合金元素及び不純
物は本発明の効果を損なわない限度で許容できることは
云うまでもない。
【0014】次に、本発明の製造法の条件について説明
する。上記化学成分を有するAl−Mg−Si系アルミニ
ウム合金は、常法により溶解、鋳造し、均質化処理を施
し、熱間圧延、冷間圧延(場合により中間焼鈍を含む)を
行う。冷間圧延後は溶体化処理を施す。この溶体化処理
までの工程の条件は特に限定されない。
【0015】本発明は、溶体化加熱後の熱処理条件、す
なわち、焼入れ時の冷却速度、焼入温度、その温度での
保持時間を制御すると共に、更に焼入後に低温加熱処理
を施し、その温度と時間を制御するものである。
【0016】まず、焼入温度(すなわち、焼入終了温度)
並びに焼入後保持する温度は、50℃未満では塗装焼付
後の強度向上の効果は少なく、また130℃を超えると
成形性が低下するので好ましくない。したがって、焼入
温度は50〜130℃の範囲とする。更には、この焼入
温度に焼入れるときの冷却速度は、100℃/min未満
では焼入後の強度が著しく低く、しかも焼付硬化性も著
しく劣るので好ましくない。したがって、100℃/mi
n以上の冷却速度とする。
【0017】焼入後の保持時間は、1時間未満では強度
向上の効果は少なく、また48時間を超えると成形性が
低下するので好ましくない。したがって、焼入温度は5
0〜130℃の範囲とし、そのまま50〜130℃の温
度で1〜48時間の温度保持を行う。
【0018】焼入後、続いて低温加熱処理を行う。焼入
後から加熱処理を行うまでの期間の限定はない。しか
し、加熱温度が140℃未満では10分以上の加熱を行
っても素材強度の向上は認められず、また180℃を超
えると3分未満の加熱でも成形性の低下が著しく、しか
も、焼付硬化性が向上しない。したがって、低温加熱処
理は、140〜180℃の温度範囲で3〜10分間の範
囲とする。なお、塗装焼付は170℃以下の如く低温で
の処理が可能である。次に本発明の実施例を示す。
【0019】
【実施例1】
【表1】 に示す化学成分を有するアルミニウム合金を常法により
溶解、鋳造し、得られた鋳塊について、540℃×4時
間の均質化処理を施した後、熱間圧延及び冷間圧延を行
い、1mm厚の板とした。
【0020】この板を530℃の溶体化温度に加熱して
40秒間保持し、50〜500℃/minの冷却速度で6
0℃の温度に焼入れ、そのまま60℃の温度に24時間
保持した。その後、170℃×5分間の低温加熱処理を
行った。
【0021】得られた素材の材料特性並びに焼付(17
0℃×20分)後の焼付硬化性(耐力)を
【表2】 に示す。これより明らかなように、本発明例No.1〜
No.7は、比較例No.8〜No.11に比べて、素
材の強度(引張強さ及び耐力)と、焼付硬化性が共に著
しく向上した優れた材料であることが分かる。一方、比
較例は、いずれも素材強度及び焼付け硬化性が共に向上
していない。
【0022】
【実施例2】実施例1の表1に示したNo.5のアルミニ
ウム合金(本発明範囲内)を常法により、溶解、鋳造し、
得られた鋳塊について、540℃×4時間の均質化処理
を施した後、熱間圧延及び冷間圧延を行って1.0mm厚
の板とした。
【0023】この板を530℃の溶体化温度に加熱して
40秒間保持し、次いで500℃/minの冷却速度で2
0〜150℃の温度に0.5〜60時間保持し、その
後、170℃×5分間の低温加熱処理を行った。
【0024】得られた素材の特性並びに焼付(170℃
×20分)後の焼付硬化性(焼付後耐力)を
【表3】 に示す。表3より、本発明例No.13〜No.14
は、比較例15〜No.16に比べて、高強度でかつ焼
付硬化性に優れた材料であることがわかる。
【0025】
【実施例3】実施例1の表1に示したNo.5のアルミニ
ウム合金(本発明範囲)を通常の方法により溶解、鋳造
し、得られた鋳塊について540℃×4時間の均質化処
理を施した後、熱間圧延及び冷間圧延を行って1mm厚の
板とした。
【0026】この板を530℃の溶体化温度に加熱して
40秒間保持し、次いで500℃/minの冷却速度で5
0℃の温度に焼入れ、そのまま6時間保持後、130〜
190℃の温度範囲で1〜60分間の低温加熱処理を行
った。得られた素材の材料特性並びに焼付(170℃×
20分)後の焼付硬化性(焼付後耐力)を
【表4】 に示す。同表より、本発明例No.17〜No.19
は、比較例No.20〜No.21に比べて、素材強度
が高く、かつ170℃という低い焼付温度で優れた焼付
硬化性を有する材料であることがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板のMg及びSi含有
量を調整し、かつ、溶体化処理条件を制御すると共に溶
体化処理後に特定条件の低温加熱処理を施すので、素材
強度が著しく高く、また低温の塗装焼付においても優れ
た強度並びに焼付硬化性の向上を有するアルミニウム合
金板を得ることができる。したがって、アルミニウム合
金の薄肉化による素材コストの低減、更には工業的かつ
経済的に製造する方法として、その実用上の効果は極め
て大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 686 686B 691 691B 691C 692 692A 692B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/04 - 1/057 C22C 21/00 - 21/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で(以下、同じ)、Mg:0.3
    〜1.5%及びSi:0.6〜2.0%を含むAl−M
    g−Si系合金につき、均質化処理を施した後、熱間圧
    延を行い、次いで冷間圧延を行って所望の板厚とした
    後、溶体化加熱後、冷却速度を100℃/min以上で
    50〜130℃の温度に焼入れする熱処理を施し、その
    まま50〜130℃の温度に1〜48時間の保持を行
    い、その後140〜180℃の温度範囲で3〜10分間
    の低温加熱処理を行うことを特徴とする高強度かつ焼付
    硬化性に優れた成形加工用アルミニウム合金板の製造
    法。
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