JP3095119B2 - 被覆種子の硬化装置 - Google Patents

被覆種子の硬化装置

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靖司 河野
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01CPLANTING; SOWING; FERTILISING
    • A01C1/00Apparatus, or methods of use thereof, for testing or treating seed, roots, or the like, prior to sowing or planting
    • A01C1/06Coating or dressing seed

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工用種子を高分
子ゲルのゲル化剤で被覆した被覆種子が投入され、この
被覆種子を内部の硬化剤中で移動させつつ、硬化剤に前
記ゲル化剤を反応させて該ゲル化剤を硬化させる被覆種
子の硬化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、栄養物質や殺菌剤等を含み弾
力性を有する高分子ゲルで種子を被覆したゲル被覆種子
が知られている。このゲル被覆種子は、種子を動物の食
害から保護したり、種子を殺菌するのに有効であり、ま
た、粒径の大型化により種子の取り扱いを容易にして播
種作業を効率化できる他、ゲル中の栄養物質の吸収によ
り発芽率を向上させることができるといった数多くの利
点を有している。
【0003】本出願人は、上述した数多くの利点に着目
して、ゲル被覆種子を自動的に製造する種子のゲル被覆
加工装置を過去から複数提案している。図22は本出願
人の提案による従来装置の一例を示す正面図で、図中全
体符号Aで示すゲル被覆加工装置は、架台B、種子ホッ
パC、種子移送部D、ゲル化剤タンクE、ゲル加工部
F、硬化槽G、水洗槽J等を備えている。
【0004】種子ホッパCは、架台Bの上半部で架台B
の幅方向の中央よりもやや一側寄り箇所に、エアシリン
ダC1を介して昇降可能に支持されており、種子ホッパ
Cは、図23に示すように、上方に開放された平面視略
円形を呈し、図22に示すように、底部は中心に向かう
につれて次第に低くなる略円錐形状を呈し、種子ホッパ
Cの内部には、ゲルにより被覆する種子(図示せず)が
多数収容されている。ゲル化剤タンクEは、架台Bの下
半部で幅方向一側箇所に配設されており、ゲル化剤タン
クE内には、種子を被覆するゲルを構成する粘度の高い
液体状のゲル化剤が収容されている。
【0005】ゲル加工部Fは、架台Bの上半部で幅方向
略中央箇所に設けられており、このゲル加工部Fは、内
部が略二重管状に形成された加工ノズルF1を有してい
る。前記加工ノズルF1の内側管には加工ノズルF1の
上端から種子が供給され、外側管にはゲル化剤タンクE
内のゲル化剤が不図示のチューブを介して加工ノズルF
1の側方から供給される。そして、ゲル加工部Fは、加
工ノズルF1内の不図示のプランジャの働きにより外側
管の下端からゲル化剤を定量ずつ吐出させつつ、加工ノ
ズルF1の内側管の下端から種子を1つ吐出させること
で、種子の外側をゲル化剤で被覆した被覆種子を自重に
より下方に落下させるように構成されている。
【0006】種子移送部Dは、架台Bの上半部で種子ホ
ッパCと加工ノズルF1の間の箇所に立設されたロータ
リアクチュエータD1と、このロータリアクチュエータ
D1により略中間部が水平面内で旋回可能に支持された
長尺の旋回アームD3と、この旋回アームD3の両端下
面にそれぞれ着脱可能に取着されるディスポーザブルの
2本の吸引チップD5,D7を有している。前記種子移
送部Dは、ロータリアクチュエータD1により旋回アー
ムD3が180°ずつ旋回されることで、一方の吸引チ
ップD5が種子ホッパCの上方に位置すると共に他方の
吸引チップD7が加工ノズルF1の上方に位置する第1
状態と、一方の吸引チップD5が加工ノズルF1の上方
に位置すると共に他方の吸引チップD7が種子ホッパC
の上方に位置する第2状態を交互に繰り返すように構成
されている。
【0007】硬化槽Gは、架台Bの上下方向略中間箇所
で、外側をゲル化剤で被覆した被覆種子が自重により落
下する加工ノズルF1の下方箇所から、幅方向の他側寄
り箇所に亘って水平に延設されており、硬化槽G内に
は、前記被覆種子のゲル化剤と反応しこのゲル化剤を硬
化させて被覆種子をゲル被覆種子とする液状の硬化剤が
流れている。また、硬化槽G内には、図23に示すよう
に、加工ノズルF1の下方の硬化槽G内箇所から幅方向
の他側寄りの硬化槽G内箇所に向けてゲル被覆種子を搬
送するスクリューフィーダG1が回転可能に収容されて
いる。
【0008】そして、硬化槽Gの側方箇所には、硬化槽
G内の硬化剤の液面調整用の高濃度の硬化剤が収容され
たリザーブタンクG5が配設されていて、このリザーブ
タンクG5が装着されるタンクホルダG7は、硬化槽G
内の硬化剤の水流の途中で該水流の上流側箇所と下流側
箇所にそれぞれ接続されており、硬化槽Gの上流側箇所
からタンクホルダG7に流入する硬化剤の液面が所定の
基準高さから下がると、この基準高さに液面が復帰する
まで、リザーブタンクG5内の高濃度の硬化剤がタンク
ホルダG7に流出し、硬化槽Gの下流側箇所に環流され
るように構成されている。
【0009】水洗槽Jは、前記硬化槽Gの後方にこの硬
化槽Gに沿って水平に延設されており、水洗槽J内に
は、硬化槽G内でゲル化剤が硬化したゲル被覆種子を洗
浄する水が流れている。また、水洗槽J内には、硬化槽
Gとは反対向きにゲル被覆種子を搬送するスクリューフ
ィーダJ1が回転可能に収容されている。
【0010】このような構成による従来のゲル被覆加工
装置Aでは、種子のゲル被覆加工を次のようにして行
う。
【0011】まず、前記種子移送部Dの第1状態におい
て、エアシリンダC1により上動させた種子ホッパC内
の種子を、一方の吸引チップD5を負圧にすることで吸
着し、次に、種子ホッパCをエアシリンダC1により下
動させた後に、ロータリアクチュエータD1により旋回
アームD3を180°水平旋回させて種子移送部Dを第
2状態とする。そして、この第2状態において、一方の
吸引チップD5を正圧として吸着種子を加工ノズルF1
の内側管に上方から投入すると共に、エアシリンダC1
により上動させた種子ホッパC内の種子を、他方の吸引
チップD7を負圧にすることで吸着し、以後、これらの
動作の繰り返しにより、種子ホッパCから加工ノズルF
1への種子の移送を行う。尚、各吸引チップD5,D7
による種子ホッパC内の種子の吸着の際、エアシリンダ
C1により上動させた状態で種子を吸着できない場合
は、種子ホッパCを細かいピッチで上下に振動させて、
種子ホッパC内の種子を撹拌させ、吸引チップD5,D
7の先端に種子が近付き易いようにしている。
【0012】また、加工ノズルF1の内側管に種子が上
方から投入されたならば、これに合わせて、プランジャ
を作動させて種子と共に定量のゲル化剤を加工ノズルF
1の先端から吐出させ、外側がゲル化剤で被覆された被
覆種子を自重により加工ノズルF1の先端からの硬化槽
Gに落下させる。さらに、硬化槽Gに落下した被覆種子
をスクリューフィーダG1により移送させつつ、この移
動中に種子の外側を被覆するゲル化剤を硬化させてゲル
被覆種子とし、前記幅方向の他側寄りの硬化槽G内箇所
に達したゲル被覆種子を、スクリューフィーダG1の回
転と、このスクリューフィーダG1の回転に同期して不
図示のエア吹出口から吹き出されるエアにより、硬化槽
Gと水洗槽Jの隔壁G3(図23参照)を乗り越えさせ
て水洗槽J側に移載させる。
【0013】そして、前記水洗槽Jに移載されたゲル被
覆種子を、スクリューフィーダJ1が作る水流により水
洗槽Jの洗浄水内で移動させつつ、この移動中にゲル被
覆種子の表面を洗浄し、洗浄されて水洗槽Jの終端に達
したゲル被覆種子を、スクリューフィーダJ1により水
洗槽Jの終端の隔壁J3(図23参照)を乗り越えさせ
て、ゲル被覆種子の排出落下口K(図23参照)に移載
し、ゲル被覆加工装置Aの下部に設置した製品受け(図
示せず)に回収する。さらに、種子ホッパC内の種子の
残量を常時監視し、残量が僅かになったならば、種子ホ
ッパC内に種子を適宜補給する。
【0014】尚、硬化槽Gにおいて、種子の外側を被覆
するゲル化剤が硬化剤内に一定時間浸漬され反応して硬
化するのに伴って、硬化剤の濃度が薄まって全体の量が
減り、タンクホルダG7内の硬化剤の液面が基準高さを
割ると、この基準高さに復帰するまでの間、リザーブタ
ンクG5内の高濃度の硬化剤がタンクホルダG7に流出
し、このタンクホルダG7を介して硬化槽G内に適宜補
給される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の構
成によるゲル被覆加工装置Aは、外側がゲル化剤で被覆
された種子を、硬化槽G内でスクリューフィーダG1の
作る水流により移動させる方式を採用していたため、硬
化槽G内に投入された被覆種子を、スクリューフィーダ
G1が作る水流に確実に乗せるために、硬化槽Gの幅を
スクリューフィーダG1の螺旋羽根の直径よりも大幅に
拡げることができず、従って、ゲル被覆加工装置Aの処
理能力を向上させる一環として、硬化槽Gを大型化し複
数の被覆種子を同時に並行して硬化剤内で移送させる場
合には、平面視した硬化槽Gの大型化だけでなく、スク
リューフィーダG1の大径化に合わせて硬化槽Gの高さ
をも大型化しなければならず、装置の無用な大型化につ
ながってしまうという不具合があった。
【0016】しかも、従来のスクリューフィーダG1を
用いる従来のゲル被覆加工装置Aでは、図23に示すよ
うに、スクリューフィーダG1の螺旋羽根の略半ピッチ
分の部分は、硬化剤の液面が螺旋羽根により隠されてし
まって、外側がゲル化剤で被覆された種子を硬化剤内に
到達させることができない。そのため、硬化槽Gに被覆
種子を投入するタイミングとスクリューフィーダG1の
回転周期との一致、不一致により、被覆種子の硬化剤中
での浸漬時間、即ち、被覆種子の種子を包むゲル化剤が
硬化剤と反応する時間にばらつきが生じて、ゲル化剤が
硬化した後のゲル被覆種子のゲル固さがばらついてしま
い、発芽時期等、播種後の種子の生育のばらつきを招く
おそれがあるという不具合があった。
【0017】また、上述した従来の構成によるゲル被覆
加工装置Aでは、硬化槽G内の硬化剤の濃度が薄まって
硬化剤の全体量が減った場合に、リザーブタンクG5内
の高濃度の硬化剤が、硬化槽G内の硬化剤の水流の途中
で補給されるので、被覆種子が硬化槽G内をスクリュー
フィーダG1の作る水流により移動している途中で、硬
化剤の濃度が大きく変わってしまい、これにより、被覆
種子の硬化剤中での浸漬時間のばらつきと同様に、ゲル
化剤が硬化した後のゲル被覆種子のゲル固さにばらつき
が生じてしまい、発芽時期等、播種後の種子の生育がば
らついてしまうという不具合があった。
【0018】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、本発明の第1の目的は、被覆種子のゲル化剤の硬化
処理を複数同時に行わせるのに適した構造の被覆種子の
硬化装置を提供することにある。また、本発明の第2の
目的は、加工用種子にゲル化剤を被覆した被覆種子のゲ
ル化剤を硬化剤と反応させて硬化させるに当たり、硬化
剤中での被覆種子の浸漬時間を一定化させることができ
る被覆種子の硬化装置を提供することにあり、さらに、
本発明の第3の目的は、ゲル化剤と反応してこのゲル化
剤を硬化させる硬化剤の濃度や量を、硬化剤中の被覆種
子の硬化処理に影響を与えることなく略自動的に行うこ
とができる被覆種子の硬化装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の本発明による被覆種子の硬化装置
は、加工用種子を高分子ゲルのゲル化剤で包んだ被覆種
子を、硬化槽の誘導開始箇所から該硬化槽の内部の硬化
剤の中に投入し、該被覆種子を、前記誘導開始箇所から
前記硬化槽の誘導終了箇所に向かって流れる前記硬化剤
の中で移動させつつ、前記ゲル化剤を前記硬化剤と反応
させて硬化させる被覆種子の硬化装置において、前記硬
化剤中で移動する前記被覆種子の移動方向と交わる前記
硬化槽の幅方向の寸法に対応する幅で形成され、該幅方
向が前記硬化槽の幅方向に沿うように延在する誘導パド
ルと、前記誘導開始箇所から前記誘導終了箇所に亘って
前記誘導パドルを前記硬化剤中で前記移動方向に移動さ
せるパドル駆動機構とを備え、前記パドル駆動機構によ
る前記誘導パドルの前記硬化剤内での移動により、該硬
化剤内で前記被覆種子を前記移動方向に誘導するように
したことを特徴とする。
【0020】また、前記第2の目的を達成するため請求
項2記載の本発明による被覆種子の硬化装置は、前記パ
ドル駆動機構が、前記硬化槽の幅方向に軸方向を延在さ
せて前記誘導開始箇所及び前記誘導終了箇所に対応する
箇所にそれぞれ配設した一対のプーリと、これら一対の
プーリ間に掛け渡されたベルトと、前記プーリを介して
前記ベルトを周回させる周回駆動源とを有し、前記ベル
トが、前記一対のプーリ間に位置する2つのベルト半部
部分のうち、一方のベルト半部部分が前記硬化剤に臨
み、他方の前記ベルト半部部分が前記一方のベルト半部
部分を介して前記硬化剤に臨むように配置され、前記誘
導パドルが、前記周回駆動源による周回方向に間隔を置
いた前記ベルトの外面箇所に、該誘導パドルの幅方向を
前記プーリの回転軸方向に合致させてそれぞれ立設され
ており、前記他方のベルト半部部分に立設された前記誘
導パドルが前記硬化剤の外部に位置して、前記周回駆動
源により前記誘導終了箇所から前記誘導開始箇所に向け
て移動されると共に、前記一方のベルト半部部分に立設
された前記誘導パドルが前記硬化剤内に位置して、前記
周回駆動源により前記誘導開始箇所から前記誘導終了箇
所に向けて移動されるものとした。
【0021】さらに、請求項3記載の本発明による被覆
種子の硬化装置は、前記パドル駆動機構が、前記被覆種
子の移動方向に間隔を置いてそれぞれ配設され前記硬化
槽の幅方向に軸方向を延在させた複数のローラと、これ
ら複数のローラを同一回転方向にそれぞれ回転させる回
転駆動源とを有しており、前記誘導パドルが、前記各ロ
ーラの周面で該ローラの周方向に間隔を置いた周面箇所
に、該誘導パドルの幅方向を前記ローラの回転軸方向に
合致させてそれぞれ立設され、前記各ローラが、該ロー
ラの周面のうち前記硬化剤に臨む周面部分に立設された
前記誘導パドルが前記硬化剤内に位置すると共に、前記
硬化剤に臨む周面部分とは前記回転軸を挟んで対向する
前記ローラの周面部分から立設された前記誘導パドルが
前記硬化剤の外方に位置するように配置され、前記硬化
剤内に位置する前記誘導パドルが、前記回転駆動源によ
り前記硬化剤内で前記移動方向に沿って移動されるもの
とした。
【0022】また、請求項4記載の本発明による被覆種
子の硬化装置は、前記誘導終了箇所よりも前記移動方向
における下流側の前記硬化槽箇所に、該硬化槽箇所より
も前記移動方向における下流側への前記硬化剤の流入を
阻止する水切り堰部が形成され、該水切り堰部で前記誘
導開始箇所側側に位置する堰面が、前記硬化剤内から外
方に出る前記誘導パドルの先端の移動軌跡に沿う形状に
形成され、前記水切り堰部よりも前記移動方向における
下流側の前記硬化槽部分に、前記硬化槽の外部と連通す
る種子排出口が形成され、前記被覆種子が、前記誘導終
了箇所において前記誘導パドルに乗って前記堰面上を移
動しつつ、該誘導パドルと共に前記硬化剤内から出水
し、前記誘導パドルが前記水切り堰部を越えることで該
誘導パドルから前記種子排出口に落下、投入されるもの
とした。
【0023】さらに、前記第3の目的を達成するため請
求項5記載の本発明による被覆種子の硬化装置は、前記
水切り堰部よりも前記移動方向における上流側の前記硬
化槽部分の前記硬化剤を前記誘導開始箇所に環流させる
環流路と、該環流路中の硬化剤にタンク口が上方から臨
むように配設され、前記硬化槽内の前記硬化剤の濃度を
調整するための濃度調整用硬化剤が貯留されるリザーブ
タンクとをさらに有しており、前記環流路中の前記硬化
剤の液面が前記タンク口から離間した時に、前記リザー
ブタンクから前記タンク口を通して前記濃度調整用硬化
剤が自重により前記環流路中に流出し、該環流路中の前
記硬化剤の液面が前記タンク口に達した時に、前記リザ
ーブタンクからの前記濃度調整用硬化剤の流出が、前記
タンク口を通して前記環流路中の前記硬化剤から受ける
水圧により停止するものとした。
【0024】また、請求項6記載の本発明による被覆種
子の硬化装置は、前記誘導パドルに、少なくとも前記被
覆種子よりも小さい幅のスリットが形成されているもの
とした。
【0025】また、請求項7記載の本発明による被覆種
子の硬化装置は、加工用種子を高分子ゲルのゲル化剤で
包んだ被覆種子を、硬化槽の誘導開始箇所から該硬化槽
の内部の硬化剤の中に投入し、該被覆種子を、前記誘導
開始箇所から前記硬化槽の誘導終了箇所に向かって流れ
る前記硬化剤の中で移動させつつ、前記ゲル化剤を前記
硬化剤と反応させて硬化させ、ゲル化剤が硬化した前記
被覆種子を前記誘導終了箇所において前記硬化剤内から
外部に出す被覆種子の硬化装置において、前記誘導終了
箇所から前記誘導開始箇所に向けて前記硬化剤を環流さ
せる環流路と、前記環流路中の硬化剤にタンク口が上方
から臨むように配設され、前記硬化槽内の前記硬化剤の
濃度を調整するための濃度調整用硬化剤が貯留されるリ
ザーブタンクとを備え、前記環流路中の前記硬化剤の液
面が前記タンク口から離間した時に、前記リザーブタン
クから前記タンク口を通して前記濃度調整用硬化剤を自
重により前記環流路中に流出させ、該環流路中の前記硬
化剤の液面が前記タンク口に達した時に、前記タンク口
を通して前記環流路中の前記硬化剤から受ける水圧によ
り、前記リザーブタンクからの前記濃度調整用硬化剤の
流出を停止させることを特徴とする。
【0026】請求項1に記載した本発明の被覆種子の硬
化装置によれば、硬化槽の誘導開始箇所から硬化剤中に
投入した被覆種子を、この誘導開始箇所から誘導終了箇
所に向かう硬化剤の流れの中で移動させるに当たり、誘
導パドルをパドル駆動機構により誘導開始箇所から誘導
終了箇所に亘って硬化剤内で移動させることで、この誘
導パドルに誘導されて被覆種子が誘導開始箇所から誘導
終了箇所まで硬化剤内で移動することとなる。
【0027】そして、前記誘導パドルが、硬化剤中での
被覆種子の移動方向と交わる硬化槽の幅方向の寸法に対
応する幅で形成され、しかも、その幅方向が硬化槽の幅
方向に沿うように延在させていることから、誘導パドル
の幅方向の寸法と被覆種子の寸法との比に応じた数の複
数の被覆種子を、誘導パドルにより誘導させつつ硬化槽
の誘導開始箇所から誘導終了箇所までの間、硬化剤内で
移動させることが可能となる。
【0028】また、請求項2に記載した本発明の被覆種
子の硬化装置によれば、誘導パドルがパドル駆動機構を
構成するベルトの外面上に立設され、このベルトがパド
ル駆動機構を構成する一対のプーリ間に掛け渡され、こ
のプーリを介して周回駆動源によりベルトが周回される
ことで、一対のプーリ間に位置する2つのベルト半部部
分のうち硬化剤に臨む一方のベルト半部部分に立設され
た誘導パドルが、硬化剤内で誘導開始箇所から誘導終了
箇所に亘って移動されて被覆種子が硬化剤内で誘導され
ることから、周回駆動源によるベルトの周回時間を調整
することで、被覆種子のゲル化剤を硬化剤と反応させて
硬化させる際の、硬化剤中での被覆種子の浸漬時間を一
定化させることが可能となる。しかも、硬化槽の誘導開
始箇所から誘導終了箇所までの間を除く硬化槽部分にお
いては、誘導パドルが硬化剤内から外方に出ることか
ら、硬化槽の誘導開始箇所から誘導終了箇所までの間を
除く硬化剤内での誘導パドルの移動により、硬化剤の流
れに乱れなどが生じることはない。
【0029】さらに、請求項3に記載した本発明の被覆
種子の硬化装置によっても、請求項2記載の被覆種子の
硬化装置と同様で、誘導パドルがパドル駆動機構を構成
する複数のローラの周面上に立設され、各ローラが、パ
ドル駆動機構を構成する回転駆動源により回転されるこ
とで、各ローラの硬化剤に臨む周面部分に立設された誘
導パドルが、硬化剤内で被覆種子の移動方向に沿って移
動されて被覆種子が硬化剤内で誘導されることから、回
転駆動源によるローラの回転時間を調整することで、被
覆種子のゲル化剤を硬化剤と反応させて硬化させる際
の、硬化剤中での被覆種子の浸漬時間を一定化させるこ
とが可能となる。しかも、請求項2記載の被覆種子の硬
化装置と同様で、硬化槽の誘導開始箇所から誘導終了箇
所までの間を除く硬化槽部分においては、誘導パドルが
硬化剤内から外方に出ることから、硬化槽の誘導開始箇
所から誘導終了箇所までの間を除く硬化剤内での誘導パ
ドルの移動により、硬化剤の流れに乱れなどが生じるこ
とはない。
【0030】また、請求項4に記載した本発明の被覆種
子の硬化装置によれば、誘導パドルが硬化槽の誘導終了
箇所において硬化剤内から外方に出るのに伴って、硬化
剤内の被覆種子が誘導パドルに乗って水切り堰部の堰面
上を移動しつつ、誘導パドルと共に硬化剤内から出さ
れ、さらに、誘導パドルの先端が水切り堰部の先端を越
えることで誘導パドルから水切り堰部の下流側の種子排
出口に被覆種子が落下、投入され、硬化槽の下方に排出
されることから、被覆種子を硬化剤内から外方に出すた
めの機構を、硬化剤内で被覆種子を硬化槽の誘導開始箇
所から誘導終了箇所に誘導するのに用いる誘導パドルで
兼用することが可能となる。
【0031】さらに、請求項5に記載した本発明の被覆
種子の硬化装置によれば、硬化槽と連通し、硬化槽の誘
導終了箇所から誘導開始箇所に硬化剤を環流させる環流
路の液面が、リザーブタンクのタンク口から離間する
と、このタンク口に環流路の液面が達するまでの間、リ
ザーブタンクから濃度調整用硬化剤が環流路に流出する
ことから、被覆種子が移動する硬化槽の誘導終了箇所か
ら誘導開始箇所に亘る硬化剤部分を除いた、環流路中の
硬化剤部分において、リザーブタンクからの濃度調整用
硬化剤の混入が行われ、被覆種子が移動する硬化剤部分
での硬化剤の濃度が、被覆種子の移動中に変動すること
がなくなる。
【0032】従って、被覆種子の移動中における硬化剤
の濃度の大きな変動による被覆種子のゲル化剤の硬化の
度合いのばらつきが発生せず、これにより、ゲル化剤と
反応してこのゲル化剤を硬化させる硬化剤の濃度や量
を、硬化剤中の被覆種子の硬化処理に影響を与えること
なく略自動的に行うことが可能となる。尚、請求項7に
記載した本発明の被覆種子の硬化装置によっても、上述
と同様の作用が生じる。
【0033】さらに、請求項6に記載した本発明の被覆
種子の硬化装置によれば、誘導パドルが硬化剤内を移動
する際、誘導パドルよりも誘導終了箇所側の硬化剤をス
リットを通して誘導パドルの誘導開始箇所側に逃がしつ
つ、スリットの幅よりも大きい寸法の被覆種子を、スリ
ット間の誘導パドル部分が硬化剤内で誘導開始箇所側か
ら誘導終了箇所側に誘導するので、硬化剤の流れを乱さ
ずに被覆種子を確実に硬化剤内で誘導することが可能と
なる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明による被覆種子の硬
化装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本
発明の一実施形態に係る硬化装置を採用した種子のゲル
被覆加工装置の概略構成を示す正面図、図2は同平面
図、図3は同側面図で、図中引用符号1で示す本実施形
態のゲル被覆加工装置は、架台3、種子供給部5、ゲル
加工部7、種子移送部9、ゲル硬化部11、ゲル水洗部
13等を備えている。
【0035】前記架台3は、図3に示すように、側方に
開放された枠により形成され、前後に長い平面視略矩形
の主枠31と、この主枠31上の後端寄り部分に立設さ
れた補助枠33を有しており、主枠31は、下面四隅の
キャスタ輪34により移動可能に支持され、主枠31の
上下方向中間よりも若干上端寄り部分には、横補強枠3
5が水平に架設されている。また、図4に補助枠及び種
子移送部の拡大平面図で示すように、補助枠33の前端
と、後端よりも若干前方寄りの左右両枠部箇所間には、
主上桟36が水平にそれぞれ架設されている。
【0036】さらに、前記両主上桟36で補助枠33の
左右方向に間隔を置いた箇所間には、主上桟36を補強
する2本の副上桟37が水平に架設され、左方の副上桟
37上には、この副上桟37と平行して前後方向に延在
するガイドレール38(図5参照)が支持されている。
また、図1に示すように、補助枠33の左右両前枠部で
上下方向中央よりも若干下方箇所間には、前横桟39が
水平に架設されている。さらに、前記各主上桟36で左
右方向の中央よりも若干左側の副上桟37寄りの上面箇
所には、図4に示すように、支持板36aがそれぞれ立
設されており、これら両支持板36aの左右に間隔を置
いた箇所間には、ガイドシャフト36bが互いに平行し
て水平にそれぞれ架設されている。
【0037】前記種子供給部5は、ゲル被覆種子とする
元の種子を供給するためのもので、図3に示すように、
前記主枠31上で前記補助枠33の内側箇所に配設さ
れ、主枠31上に固設された基台51と、この基台51
上に固設された種子タンク53を有している。
【0038】図5は種子供給部及び種子移送部の拡大正
面図、図6は種子供給部の拡大平面図、図7は種子供給
部及び種子移送部の拡大側面図をそれぞれ示し、前記基
台51は、図6に示すように、主枠31の左右両枠部間
に亘る左右長さで左右に長い平面視略矩形状を呈し、基
台51上の前後両端にはガイドレール51aが平行に取
着されている。
【0039】前記各ガイドレール51aの互いに対向す
る内側面には、図7に示すように、断面略凹状のガイド
溝51bが、ガイドレール51の前後両端に亘って形成
されており、これら両ガイドレール51a間に、各ガイ
ド溝51bに左右両端を係合させたスライド板51c
が、主枠31の右外方に引き出し可能に支持されてい
る。尚、図6中51dは、スライド板51cのスライド
の際に用いる把手を示す。
【0040】前記種子タンク53は、前記スライド板5
1c上に配設され、例えばアクリル樹脂板等からなり、
図5に示すように、ゲル被覆加工装置1の左右方向に間
隔を置いたスライド板51c箇所からそれぞれ立設され
た一対の側壁53aと、図6に示すように、これら両側
壁53a間に形成されたタンク本体部53b及びホッパ
部53cを備えている。
【0041】前記タンク本体部53bは、図6に示すよ
うに、前記両側壁53aで両端が閉塞された略円筒状の
周壁53dにより、左右に長い略円筒状を呈している。
前記タンク本体部53bの下部寄りの周壁53d箇所に
は、図7に示すように、前記両側壁53a間に亘って扁
平なスリット53eが、上下高さH1で形成されてい
る。また、前記周壁53dの上端には、図5に一部切り
欠いて示すように、左右に等間隔を置いて平面視略円形
の通孔53fが8つ形成されており、各通孔53fに
は、通孔53Aが略中央に形成された環状のアダプタ5
3gが着脱可能に取り付けられている。
【0042】前記アダプタ53gの通孔53Aの内周面
は、図8に拡大断面図で示すように、タンク本体部53
bの周壁53dの外周面側の大径部53hと内周面側の
小径部53jとで構成され、これら大径部53hと小径
部53jの境界に段差部53kが形成されている。そし
て、前記アダプタ53gは、通孔53Aの内径が異なる
複数種が準備されており、タンク本体部53b内に収容
する種子の大きさに応じて、この種子が通過可能な小径
部53jを有するもののうち内径が最も小さいアダプタ
53gが前記各通孔53fに選択的に取り付けられる。
【0043】さらに、前記タンク本体部53b内には、
図7に示すように、両側壁53aに亘り、タンク本体部
53bよりも十分小径で円筒状のエアチャンバ53m
が、タンク本体部53bの底部内周面から上方に前記ス
リット53eの上下高さH1と略等しい若干の間隔H3
を置いて架設されている。前記エアチャンバ53mは、
両側壁53aの略中間箇所で左右2つに分割されてお
り、分割された左右の各エアチャンバ53m部分の前記
スリット53eとは反対の後部側の周面箇所には、図5
及び図7に示すように、複数の吹出口53nが左右に等
間隔を置いてそれぞれ形成されている。
【0044】また、前記分割された各エアチャンバ53
m部分の底部箇所にはそれぞれ、図5に示すように、継
手53pの一端が2つずつ連結され、これら各継手53
pは、タンク本体部53bの底部を貫通してタンク本体
部53bの外側に延出し、各継手53pの他端は、不図
示の高圧ホースを介して、図7に示すように、タンク本
体部53bの後側に隣接する基台51箇所上に固設され
たマニホールド53rの4つの継手53sにそれぞれ接
続されている。前記マニホールド53rには、ゲル被覆
加工装置1の外部のエアコンプレッサ(図示せず)から
の圧縮空気が不図示の減圧器を介して供給され、この圧
縮空気が各継手53s,53p及び高圧ホースを介して
各分割エアチャンバ53m部分に供給される。
【0045】前記ホッパ部53cは、前記タンク本体部
53bでスリット53eの上辺の周壁53d箇所から略
垂直に立設された前板53tと、スリット53eの下辺
から次第にタンク本体部53bと離間するように傾斜
し、さらに、先部が略垂直に立設された後板53vで形
成され、この後板53vはタンク本体部53bの底部付
近から後上方に向かう周壁53dの接線方向に延在し
て、この周壁53dと一体に形成されている。
【0046】前記ゲル加工部7は、種子をゲル化剤によ
り被覆して被覆種子とするためのもので、図3に示すよ
うに、前記主枠31上で前記補助枠33の前方箇所に配
設され、主枠31の左右両端間に亘って架設された基板
71と、この基板71上に配設されたノズルブロック7
3と、このノズルブロック73の前側に隣接して基板7
1上に固設されたゲル収容ブロック75と、このゲル収
容ブロック75に接続された8つの加圧用エアシリンダ
77及び8つのエア抜き用バルブ78と、ゲル収容ブロ
ック75にゲル化剤を供給するマニホールド79を有し
ている。
【0047】図9はゲル加工部の拡大正面図、図10は
同拡大平面図、図11は同拡大側面図をそれぞれ示し、
前記基板71は、図10に示すように、左右に長い平面
視略矩形を呈しており、基板71の後端は、図3に示す
ように、前記補助枠33の前横桟39上に係止され、こ
の状態で、図11に示すように、補助枠33で前横桟3
9よりも下方の前側面箇所に突設された左右2枚の補強
板71aにより、基板71が水平に支持されている。
【0048】前記ノズルブロック73は、前記基板71
の左右両端間に架設された略門型の基枠74上に配設さ
れ、図10に示すように、左右に長く基板71よりも短
い前後長さの平面視略矩形を呈している。前記ノズルブ
ロック73の上面には、左右に等間隔を置いて8つの種
子投入口73aが形成され、各種子投入口73aに対応
するノズルブロック73の下面箇所には、図12に拡大
断側面図で示すように、種子投入口73aよりも小さい
内径でバルブ73bがそれぞれ形成されている。また、
前記ノズルブロック73の内部には、前記種子投入口7
3aとこれに対応するバルブ73bを連通する通路73
cが、ノズルブロック73を上下に貫通して8つ形成さ
れている。
【0049】前記各通路73cは、種子投入口73aに
連なりこの種子投入口73aと略同径に形成された大径
部73dと、バルブ73bに連なりこのバルブ73bよ
りも若干大径で大径部73dよりも小径に形成された小
径部73eとを有しており、通路73cで上下方向中間
よりも若干種子投入口73a寄りの内周面箇所に、大径
部73dと小径部73eの境界となる段部73fが形成
され、大径部73dには雌ねじ73gが形成されてい
る。
【0050】前記各通路73cには、円筒状のプランジ
ャ73hが上下方向に移動可能に収容されている。前記
プランジャ73hは、前記小径部73eの内径に対応す
る外径で形成され、このプランジャ73hの外周には、
前記通路73cの大径部73dの内径に対応する外径で
フランジ73jが形成されており、このフランジ73j
から間隔を置いたプランジャ73hの一端寄り部分に
は、他端側よりも外径の小さい細径部73kが形成され
ている。
【0051】前記プランジャ73hは、細径部73kを
下に向け種子投入口73aを介して上方から通路73c
に挿入し、フランジ73jを通路73cの段部73fに
係合させた状態で、プランジャ73hの上端(他端)が
種子投入口73aから上方に突出し、且つ、プランジャ
73hの下端(一端)、即ち、細径部73kの下端がノ
ズルブロック73下面と略同一面上に位置し、このプラ
ンジャ73hの下端周面が前記バルブ73bの内周面に
隙間なく密接してこのバルブ73bを閉塞するように構
成されている。そして、前記状態で、通路73cの小径
部73eとプランジャ73hの細径部73kとの間に
は、環状の空間73mが画成され、この空間73mは、
ノズルブロック73のゲル収容ブロック75側に位置す
る前側面と、通孔73nを介して連通している。
【0052】また、前記状態で、フランジ73jよりも
上端側のプランジャ73h周面と、通路73cの大径部
73dとの間には、環状の空間73pが画成され、この
空間73pにはコイルスプリング73rが収容され、さ
らに、前記大径部73dの雌ねじ73gには、キャップ
73sの雄ねじ73tが螺着され、通路73cにキャッ
プ73sを螺着した状態で、前記雄ねじ73tの端面に
よりコイルスプリング73rがフランジ73j側に押圧
されている。従って、前記プランジャ73hは、コイル
スプリング73rの弾発力により、細径部73kの下端
がバルブ73bを閉じるようにフランジ73jを介して
付勢されている。
【0053】尚、図12中73vは、プランジャ73h
内部を貫通する通路を示し、この通路73vは、複数種
のアダプタ53gのうち内径が最も大きい大径部53h
と略同一の内径で形成されている。また、前記基枠74
及び基板71で前記各バルブ73bに臨む箇所には、こ
のバルブ73bから滴下される粒体状のゲル化剤の基板
71下方への通過を可能とする通孔74a,71bがそ
れぞれ形成されている。そして、前記プランジャ73h
は、細径部73kの外径が異なる複数種が準備されてお
り、前記アダプタ53gと同様に、種子供給部5からゲ
ル加工部7に移送する種子の大きさや形状に応じて、そ
の種子を被覆するのに適した量のゲル化剤が滴下される
ように、前記環状の空間73mが最も適した大きさとな
る細径部73kを有するプランジャ73hが、前記各通
路73cに選択的に収容される。
【0054】前記ゲル収容ブロック75は、図10に示
すように、左右に長い平面視略矩形を呈しており、ゲル
収容ブロック75の左右長さは、前記ノズルブロック7
3に対応する寸法で形成されている。前記ゲル収容ブロ
ック75の内部には、図12に示すように、下方に開口
されたゲル通路75aが、ノズルブロック73の各通路
73cに対応して、ゲル収容ブロック75の左右に等間
隔を置いて8つ形成されている。
【0055】前記各ゲル通路75aの上端寄り箇所と、
ノズルブロック73の対応する通孔73nに臨むゲル収
容ブロック75の後側面箇所とは、通孔75bを介して
連通しており、この通孔75b及びノズルブロック73
の通孔73nを介して、前記各ゲル通路75aと、ノズ
ルブロック73の対応する各通路73cの空間73mと
がそれぞれ連通している。
【0056】前記各加圧用エアシリンダ77は、前記ゲ
ル収容ブロック75で各通孔75bに対向する前側面箇
所に水平に連結されており、各加圧用エアシリンダ77
の内部は、対応するゲル通路75aで前記通孔75bよ
りも下端寄りのゲル通路75a箇所と連通している。
尚、図12中75cは、加圧用エアシリンダ77の伸縮
動作の速度を調整するためのスピードコントローラを示
す。また、前記ゲル通路75aの下端には、ゲル通路7
5a内から外側に向かう逆流を防止するための逆止弁7
5dが設けられている。
【0057】前記各エア抜き用バルブ78は、前記ゲル
収容ブロック75で前記加圧用エアシリンダ77が連結
された前側面の上端の傾斜面部分に、略45°前方に傾
斜した向きで連結されており、各エア抜き用バルブ78
の内部は、対応するゲル通路75aの上端箇所と連通し
ている。
【0058】前記マニホールド79は、図11に示すよ
うに、基板71分の隙間を挟んで加圧用エアシリンダ7
7の下方箇所に配設され、略円筒状を呈しており、図9
に示すように、マニホールド79の両端は、基板71の
左右両端の下面箇所に取着され基板71から前方にそれ
ぞれ延出する一対のブラケット71cによって閉塞、支
持されている。前記マニホールド79の一端には、ブラ
ケット71cを挿通して着脱自在継手(以下、カプラと
称する)79aが接続されており、このカプラ79a
は、不図示の高圧ホース及びポンプを介してゲル化剤タ
ンク(図示せず)に接続されている。また、マニホール
ド79の後部寄りの外周面箇所には、ゲル被覆加工装置
1の左右方向に等間隔を置いて8つの継手79bの一端
が接続されており、各継手79bの他端は、図12に示
すように、基板71の通孔71dを挿通して、ゲル収容
ブロック75の対応するゲル通路75aの下端にそれぞ
れ接続されている。
【0059】前記種子移送部9は、種子供給部5からゲ
ル加工部7に種子を移送するためのもので、図3に示す
ように、前記補助枠33上でゲル被覆加工装置1の前後
方向に移動可能に支持された移動ステージ91と、この
移動ステージ91で昇降可能に支持されたマニホールド
93と、このマニホールド93で支持された8つの吸引
チップ95と、前記移動ステージ91上に固設された真
空ポンプ97を有している。
【0060】移動ステージ91は、図7に示すように、
基板91aと、この基板91aを移動させるロッドレス
マグネットシリンダ91bを備えている。
【0061】前記基板91aは、図4に示すように、補
助枠33の左右両枠部に亘る左右幅で左右に長い平面視
略矩形を呈し、図7に示すように、補助枠33の上方に
水平に配置され、図5に示すように、基板91aの下面
で補助枠33の左枠部寄り箇所にはスライダ91cが取
着されている。そして、図5に示すように、前記スライ
ダ91cの下面には、下方に開放状のガイド溝91dが
形成され、このガイド溝91dが前記左方の副上桟37
上のガイドレール38に上方から係合している。また、
図4に示すように、前記両主上桟36間に基板91aを
位置させた状態で、前記各ガイドシャフト36bに臨む
基板91aの下面箇所には、カラー付きのブロック91
eがそれぞれ取着されており、各ブロック91eのカラ
ー内を前記各ガイドシャフト36bが前後にそれぞれ貫
通している。
【0062】前記ロッドレスマグネットシリンダ91b
は、図4に示すように、前記各主上桟36の支持板36
aで、前記2本のガイドシャフト36bの略中間の支持
板36a箇所間に架設されており、ロッドレスマグネッ
トシリンダ91bのシリンダバレル91fは、前記基板
91aの下方で両ブロック91e間の部分に、これら基
板91a及び両ブロック91eに干渉しないように配置
されている。前記シリンダバレル91fの上部には、こ
のシリンダバレル91fの略全長に亘ってスリット91
hが形成されており、シリンダバレル91fの内部に
は、マグネットの作用によりシリンダバレル91fの両
端間をスライドするピストンヨーク(図示せず)が配設
されている。
【0063】そして、前記ピストンヨークと一体にスラ
イドするピストンマウント91jが前記スリット91h
からシリンダバレル91fの外方に突出しており、この
ピストンマウント91には、前記基板91aで両ブロッ
ク91e間の下面箇所から垂設されたブラケット91k
がねじ91mにより固着されている。
【0064】前記マニホールド93は、図5に示すよう
に、前記種子タンク53よりも若干小さい左右幅で、図
7に示すように、側面略円形の両端が閉塞された筒状を
呈しており、昇降機構94を介して前記基板91aによ
り支持されている。
【0065】前記昇降機構94は、図5に示すように、
前記基板91aで前記各スライダ91cの左右方向内側
の下面箇所からそれぞれ垂設された側板94aと、この
側板94aの内側にそれぞれ配設された一対の昇降フレ
ーム94bと、これら昇降フレーム94bで左右方向の
両端が支持され基板91aの下方に位置する保持板94
cと、この保持板94cを前記基板91aに対して昇降
させるエアシリンダ94dを有している。
【0066】前記各側板94aの内側面には、上下に延
在するガイドレール94eがそれぞれ取着され、前記各
昇降フレーム94bの外側面にはスライダ94fがそれ
ぞれ取着され、図4に示すように、各スライダ94fの
外側面にそれぞれ形成され外方に開放されたガイド溝9
4gが、対応する側板の各ガイドレール94eにそれぞ
れ係合している。前記保持板94cは、前記基板91a
の前後方向略中間箇所に後端を位置させた状態で、前端
が基板91aの前方に位置するように、基板91aより
も大きい前後長さで形成されている。前記エアシリンダ
94dは、基板91aの前端寄りで前記ブロック91e
よりも若干左側の上面箇所に取着され、エアシリンダ9
4dのシリンダロッドは、図5に示すように、基板91
aを挿通し、ジョイントロッド94hを介して、図4に
示すように、保持板94cの後端寄りの上面箇所に取着
されている。
【0067】前記マニホールド93は、前記保持板94
cの前端下面に取着され、マニホールド93の周壁後端
で左右に間隔を置いた後端箇所には、継手93aがそれ
ぞれ取着されている。また、前記マニホールド93の周
壁下端で、前記タンク本体部53bの各通孔53fに対
応する等間隔を左右に置いた8つの周壁箇所には、図5
に示すように、通孔93bがそれぞれ形成されている。
そして、前記2つの継手93aは、図4に示すように、
エアシリンダ94dよりも後端寄りの保持板94c下面
箇所に取着された二股の継手94jに、不図示の高圧ホ
ースを介してそれぞれ接続されている。
【0068】前記吸引チップ95は、図5に示すよう
に、前記マニホールド93の各通孔93bに着脱可能に
それぞれ取り付けられ、略円筒状を呈し、吸引チップ9
5の中心には、マニホールド93の内部と連通する吸引
通路(図示せず)が形成されている。前記吸引チップ9
5は、外径と吸引通路の内径が異なる複数種が準備され
ており、タンク本体部53bのアダプタ53gと同様
に、種子供給部5からゲル加工部7に移送する種子の大
きさや形状に応じて、吸引チップ95の外径及び吸引通
路の内径が前記種子を吸引保持するのに最も適してお
り、しかも、吸引チップ95の外径が前記アダプタ53
gの通孔53Aの大径部53hに挿入できる寸法の吸引
チップ95が、前記各通孔93bに選択的に取り付けら
れる。
【0069】前記ロッドレスマグネットシリンダ91b
は、そのピストンマウント91jの前後方向へのスライ
ドにより、昇降機構94中のエアシリンダ94dの収縮
状態において、各吸引チップ95の先部がタンク本体部
53bの対応する各アダプタ53gの上方にそれぞれ位
置する後方位置と、各吸引チップ95の先部がノズルブ
ロック73の対応する各種子投入口73aの上方にそれ
ぞれ位置する前方位置の間でマニホールド93を前後動
させるように構成されている。
【0070】また、前記昇降機構94中のエアシリンダ
94dは、前記ロッドレスマグネットシリンダ91bの
後方位置におけるピストンロッドの伸長動作により、図
8中の想像線で示すように、各吸引チップ95の先部
を、対応するアダプタ53gの段差部53kに接触する
直前の高さに位置させ、また、前記ロッドレスマグネッ
トシリンダ91bの前方位置におけるピストンロッドの
伸長動作により、各吸引チップ95の先部を、種子投入
口73aから通路73c内のプランジャ73hの通路7
3vに挿入される高さに位置させるように構成されてい
る。
【0071】尚、ロッドレスマグネットシリンダ91b
の後方位置におけるエアシリンダ94dの伸長動作時に
おいて、アダプタ53gと吸引チップ95の間には僅か
な隙間ができ、タンク本体部53bの内部はこの隙間を
介してタンク本体部53bの外部と連通する。
【0072】前記真空ポンプ97は、図5に示すよう
に、前記基板91aの両ブロック91eと対向する上面
箇所に台座97aを介して取着されており、この真空ポ
ンプ97上にはサイレンサ97bが取着され、また、前
記真空ポンプ97の左方の基板箇所91a上には、マニ
ホールド98を介してエアフィルタ99が取着されてい
る。前記真空ポンプ97は、不図示の高圧ホースを介し
てエアフィルタ99に接続され、このエアフィルタ99
は、不図示の高圧ホースとマニホールド98を介して、
図4に示すように、マニホールド98よりもゲル被覆加
工装置1の後方の基板91a箇所に配置された圧力セン
サ97cに接続されている。また、前記マニホールド9
8は、前記圧力センサ97cとは別に、不図示の高圧ホ
ースと前記継手94jを介して、マニホールド93の2
つの継手93aに接
【0073】前記ゲル硬化部11は、ゲル加工部7にお
いて加工された粒体状の被覆種子のゲル化剤を硬化剤と
反応させて硬化させ、ゲル被覆種子とするためのもの
で、図3に示すように、硬化槽111、ゲル誘導機構1
13、及び、硬化剤補給機構115を有している。
【0074】図13はゲル硬化部及びゲル水洗部の一部
截断拡大正面図、図14はゲル硬化部の拡大平面図、図
15は図14のA−A線断面図、図16は同B−B線断
面図をそれぞれ示す。前記硬化槽111は、図14に示
すように、ゲル被覆加工装置1の左右方向において前記
ゲル加工部7のノズルブロック73よりも若干大きい幅
で、ゲル被覆加工装置1の前後方向に長い平面視略矩形
状を呈している。前記硬化槽111の前後方向両端部
は、図14に示すように、主枠31の横補強枠35で前
後方向に間隔を置いた左右枠部箇所間にそれぞれ架設さ
れた2枚の薄板35a上で支持されている。
【0075】そして、前記硬化槽111は、給液槽部1
11a、反応槽部111b、種子投下口111c、排液
槽部111d、並びに、迂回液路111eを有してい
る。
【0076】前記給液槽部111aは、図14に示すよ
うに、ゲル被覆加工装置1の後端側の硬化槽111部分
に形成され、また、この給液槽部111aでゲル被覆加
工装置1の前端側に前記反応槽部111bが連設され、
図15に示すように、反応槽部111bの底面は給液槽
部111aの底面よりも高い箇所に位置している。前記
給液槽部111aで前後方向の略中間の底面箇所には、
反応槽部111bの底面よりも高く、且つ、給液槽部1
11aの上端よりも低い高さの整流堰111gが、図1
4に示すように、左右方向の全長に亘って立設されてお
り、この整流堰111gの基部は、前後に開口されてい
る。
【0077】前記給液槽部111aで整流堰111gよ
りもゲル被覆加工装置1の前端側、即ち、反応槽部11
1b寄りの給液槽部部分は、前記ゲル加工部7のノズル
ブロック73に形成された8つのバルブ73bの下方に
配置されており、本実施形態では、この給液槽部部分が
請求項中の誘導開始箇所に相当している。また、整流堰
111gよりもゲル被覆加工装置1の後端側の給液槽部
111a部分の底面には、図16に示すように、給液口
111hが形成され、この給液口111hを覆うよう
に、整流堰111gよりも後端側の給液槽部111a部
分に、硬化槽111よりも小さい左右幅のプラスチック
の薄板を上方に凸状に湾曲させた邪魔板111jが収容
されている。
【0078】前記反応槽部111bでゲル被覆加工装置
1の前端側の底面箇所には、図15に示すように、ゲル
被覆加工装置1を側方から見た状態で略山形を呈する水
切り堰部111kが、整流堰111gよりも高く、且
つ、給液槽部111aの上端よりも低い高さで形成され
ている。そして、前記水切り堰部111kで、ゲル被覆
加工装置1の後端側に位置する傾斜面111m(堰面に
相当)は、上方に凹状の円弧面で形成されている。
【0079】前記種子投下口111c(種子排出口に相
当)は、ゲル被覆加工装置1の前後方向における水切り
堰部111kの前端側に連設され、図13に示すよう
に、上方から下方に至るにつれて、左右方向の幅が次第
に狭くなる略漏斗形を呈しており、硬化槽111の上方
と、この硬化槽111の前端側を支持する薄板35aよ
りも後方の硬化槽111の下方にそれぞれ開放された通
路を画成している。そして、前記種子投下口111cの
内部には、上方から下方に至るにつれて次第に左右方向
の外方に向かう略山形の邪魔板111nが配設されてい
る。
【0080】前記排液槽部111dは、ゲル被覆加工装
置1の後端側の種子投下口111c部分に連設され、図
14に示すように、左右方向略中間の仕切り壁111p
により、硬化槽111の右方のタンクホルダ部111r
と、硬化槽111の左方の浄化部111sの2つに分割
されている。
【0081】前記タンクホルダ部111rの底面は、図
16に示すように、給液槽部111aの底面よりも高
く、且つ、反応槽部111bの底面よりも若干低い箇所
に位置しており、この底面の略中央箇所には、図13及
び図14に示すように、水切り堰部111kの上端より
も僅かに低い高さで略円柱状の係合突起111tが立設
され、タンクホルダ部111rの側壁には、図13に示
すように、水抜き用の開閉バルブ111vが取着されて
いる。また、前記タンクホルダ部111rの底面の四隅
には、図14に示すように、スペーサ111wがそれぞ
れ配設され、これらスペーサ111wの上端は、図16
に示すように、水切り堰部111kの上端と略同一高さ
箇所に位置している。
【0082】前記浄化部111sの底面は、給液槽部1
11aの底面よりも高く、且つ、図13に示すように、
タンクホルダ部111rの底面よりも若干低い箇所に位
置しており、浄化部111sの底面で側壁寄りの箇所に
は、硬化剤内の種子かす等を除去するフィルタ111x
が配設されており、このフィルタ111xの下方に、排
液口111yが形成されている。そして、前記仕切り壁
111pで種子投下口111c寄りの前部には、図14
に示すように、タンクホルダ部111rと浄化部111
sを連通する切欠111zが形成されている。
【0083】前記迂回液路111eは、反応槽部111
bで水切り堰部111kよりも給液槽部111a寄りの
側壁箇所と、排液槽部111dの側壁箇所を接続するも
ので、硬化槽111の側方に延出しており、この迂回液
路111eが接続された反応槽部111bの側壁箇所
は、図15に示すように、ゲル加工部7のバルブ73b
から滴下される種子を包んだ粒体状のゲル化剤の侵入を
規制する櫛形格子111Aで覆われている。
【0084】尚、給液槽部111aの給液口111hと
浄化部111sの排液口111yは、通水ホース117
及びマグネットポンプ119を介して接続され、また、
このマグネットポンプ119の上流側(排液口111y
側)の通水ホース117箇所には、経路切り換え用の切
換弁(図示せず)を介して不図示の硬化剤タンクが接続
されている。
【0085】そして、硬化槽111には、前記切換弁を
硬化剤タンク側に切り換えた状態でマグネットポンプ1
19を作動させることにより、硬化剤タンク内の硬化剤
が通水ホース117を介して給液口111hから給液槽
部111a内に供給され、さらに、この給液槽部111
aから反応槽部111b、迂回液路111e、排液槽部
111dのタンクホルダ部111r、仕切り壁111
p、浄化部111sへと流入して、硬化槽111の全体
が、水切り堰部111kの上下両端の間の水位となる量
の硬化剤で満たされる。また、浄化部111sの排液口
111yから排出される硬化剤は、前記切換弁を排液口
111y側に切り換えた状態でマグネットポンプ119
を作動させることにより、通水ホース117を介して給
液口111hから給液槽部111a内に環流される。以
上の説明からも明らかなように、本実施形態では、迂回
液路111e、タンクホルダ部111r、仕切り壁11
1p、浄化部111s、通水ホース117、並びに、給
液槽部111aにより、硬化剤を排液槽部111dから
給液槽部111aに環流する環流路111Bが形成され
ている。
【0086】前記ゲル誘導機構113は、ベルトコンベ
ア113aと、このベルトコンベア113aにより周回
される誘導パドル113bと、ベルトコンベア113a
を作動させるモータ113cと、モータ113cの回転
をベルトコンベア113aに伝達する動力伝達部113
dを有している。
【0087】前記ベルトコンベア113aは、図16に
示すように、2つのプーリ113eの間にベルト113
fを掛け渡して構成されている。
【0088】前記各プーリ113eは、整流堰111g
よりも反応槽部111b寄りの給液槽部111a部分、
即ち、ゲル加工部7のバルブ73bからのゲル化剤が滴
下される給液槽部111a部分の上方と、水切り堰部1
11kよりも給液槽部111a寄りの反応槽部111b
箇所の上方とに、左右に軸方向を向けて水平にそれぞれ
延設されている。各プーリ113eの両端は、図2及び
図3に示すように、ゲル被覆加工装置1の前後方向に延
在する2枚の支持板31fの前後両端寄り部分で回転可
能にそれぞれ支持されており、この2枚の支持板31f
の前後両端は、前記主枠31の前後方向略中間箇所と、
これよりも若干前端寄り箇所との左右両枠部間に架設さ
れた2枚の基板31eの、主枠31よりも内側の下面箇
所によりそれぞれ支持されている。前記ベルト113f
は、図1に示すように、硬化槽111の左右方向の全長
に亘る幅で形成されている。
【0089】前記誘導パドル113bは、図16に示す
ように、前記ベルト113fの延在方向に等間隔を置い
たベルト113f表面上に垂直にそれぞれ立設されてお
り、図1に示すように、ベルト113fに対応する幅
と、この幅よりも十分小さい高さの平面視略矩形状を呈
している。前記各誘導パドル113bには、図1に示す
ように、高さ方向の略全長に亘る長さのスリット113
gが、幅方向に等間隔を置いて多数形成されている。
【0090】そして、前記誘導パドル113bは、図1
6に示すように、前記反応槽部111bの底面に対向す
るベルト113f部分に突設された誘導パドル113b
の先端が、反応槽部111bの側壁や底面に僅かな間隔
を置いて臨み、且つ、給液槽部111aの上方のプーリ
113eの周面上を周回するベルト113f部分の誘導
パドル113bの先端が、水切り堰部111kの傾斜面
111mから僅かな間隔を置いて、この傾斜面111m
を倣うように移動する突出長さで形成されている。
【0091】前記モータ113c(周回駆動源に相当)
は、図2に示すように、2枚の基板31eの前後方向略
中間に位置する2枚の支持板31f箇所間に架設された
基板35c上で支持されている。前記動力伝達部113
dは、基板35c上で支持されモータ113cの出力軸
に連結された減速機構113hと、この減速機構113
hの出力軸からゲル被覆加工装置1の前端側のプーリ1
13eの軸に亘って架設されたベルトプーリ機構113
jからなる。前記ベルトコンベア113aは、モータ1
13c及び動力伝達部113dの動作により、硬化槽1
11内の硬化剤に臨む側のベルト113f部分が給液槽
部111a側から排液槽部111d側に移動する向きに
周回する。
【0092】前記硬化剤補給機構115は、図13に示
すように、リザーブタンク115aとキャップ115b
を有している。
【0093】前記リザーブタンク115aは、硬化槽1
11内の硬化剤の濃度調整用の高濃度の硬化剤が貯留さ
れるもので、図13に示すように、上下に長い正面視略
矩形状を呈し、また、平面視した状態で、図14に示す
ように、タンクホルダ部111rに収容可能な大きさで
形成されている。前記リザーブタンク115aの下面略
中央には、図16に示すように、内部と外部を連通する
タンク口115cが形成されている。
【0094】前記キャップ115bは、前記タンク口1
15cに螺着してタンク口115cを密閉させるための
もので、図17に拡大側断面図で示すように、タンク口
115cに螺着した状態で外部に露出する端面に凹部1
15dを有しており、この凹部115dの底部略中央
に、小径のスライドピン115fが挿通され、このスラ
イドピン115fが挿通された凹部115dの底部箇所
周縁には、キャップ115bの内側と外側を連通する通
孔115eが形成されている。
【0095】前記スライドピン115fの一端は、前記
凹部115d内に延出し、スライドピン115fの他端
は、キャップ115bの内側に位置し、このスライドピ
ン115f他端に、前記通孔115eを塞ぐ大きさのゴ
ム栓115gが取着され、スライドピン115fは、そ
の一端のフランジと、スライドピン115fが挿通され
た凹部115dの底部箇所の周縁部分の間のスライドピ
ン115f部分に嵌装されたコイルスプリング111h
により、スライドピン115fがキャップ115bの外
側に突出し、これにより、ゴム栓115gが前記通孔1
15eを塞ぐ方向に付勢されている。
【0096】前記リザーブタンク115aは、タンク口
115cにキャップ115bを螺着した後、キャップ1
15bを下に向けてタンクホルダ部111rに収容した
状態で、キャップ115bの凹部115dの底部が水切
り堰部111kの上端よりも若干低い高さ箇所に位置す
るように構成されている。
【0097】前記ゲル水洗部13は、ゲル硬化部11で
硬化剤と反応してゲル化剤が硬化した後のゲル被覆種子
を洗浄するためのもので、図3に示すように、水洗槽1
31、ゲル誘導機構133、及び、ゲル排出機構135
を有している。
【0098】前記水洗槽131は、図16に示すよう
に、種子投下口111cから反応槽部111bの前後方
向略中間箇所に至る前後長さで形成され、支持板31a
上で支持されて、硬化槽111の下方箇所で、且つ、図
13に示すように、主枠31の左右方向略中間箇所に配
置されている。前記支持板31aは、主枠31で横補強
枠35の下方の左右両前枠間に水平に架設された薄板3
1bに一端が取着され、他端の左右両側が、図16に示
し、且つ、図18にゲル水洗部の拡大平面図で示すよう
に、主枠31の左右両上枠間に架設された補強枠31c
の左右に間隔を置いた箇所からそれぞれ吊設された2つ
の薄板31dの下端に取着されている。
【0099】前記水洗槽131は、上下に開放された平
面視略矩形の外枠と、この外枠内に収容され前板131
aから後板131bに至る前後長さの胴板131cを有
しており、水洗槽131内には、硬化後のゲル被覆種子
の洗浄水が流される。
【0100】前記前板131aは、図13に示すよう
に、上下に長い正面視略矩形を呈しており、前板131
aの上下方向略中央部には、水洗槽131の内部と連通
する給水口131dが形成されている。前記後板131
bは、図19に拡大背面図で示すように、前板131a
の上半部に略逆L字状の切欠部131eを設けた形状を
呈し、前記胴板131cは、正面から見て上方に開放さ
れ下部が半円状に折曲された略U字状に形成されてい
る。そして、図16に示すように、前記胴板131cの
前後方向に間隔を置いた外面箇所と支持板31aの間に
は、補強板131fがそれぞれ介設されている。尚、図
16中131gは、前板131a寄りの胴板131c下
部箇所に取着された前記洗浄水の水抜き栓を示す。
【0101】前記ゲル誘導機構133は、スクリューフ
ィーダ133aと、このスクリューフィーダ133aを
回転駆動させるモータ(図示せず)を有している。
【0102】前記スクリューフィーダ133aは、図1
8に示すように、軸133bと螺旋羽根133cを有し
ており、軸133bは、胴板131cの下部の曲率中心
上に延在し、その両端が前板131a及び後板131b
により回転可能にそれぞれ支持されている。前記螺旋羽
根133cは、前板131a及び後板131bの間の軸
133b部分の外周に取着されている。前記不図示のモ
ータは、図16に示すように、前記前板131aを貫通
して水洗槽131の前方に延出した軸133b部分のギ
ア133dと、このギア133dに噛合する不図示の減
速歯車群を介して、前記軸133bに連結されている。
前記スクリューフィーダ133aは、前記モータ、減速
歯車群、及び、前記ギア133dにより、水洗槽131
の洗浄水内でゲル被覆種子を前板131a側から後板1
31b側に向けて搬送する方向に回転する。
【0103】前記ゲル排出機構135は、水切り箱13
5aと、排水パン135bと、種子受かご135cを有
している。
【0104】前記水切り箱135aは、前記後板131
bの後面に連設され、所定の前後長さで上方に開放状の
平面視略矩形に形成され、且つ、図18に示すように、
水洗槽131の左右幅に対応する左右長さで形成されて
いる。
【0105】前記水切り箱135aの前後方向略中間の
底面箇所には、図16に示すように、係止壁135dが
立設され、この係止壁135dの上端と、前記後板13
1bの後面で切欠部131eの下端との間に、後板13
1bから係止壁135dに至るにつれて下方に向かうよ
うに傾斜した水切り板135eが架設され、この水切り
板135eの下端は、係止壁135dの後板131b側
の隅部に係止されている。
【0106】前記水切り板135eで係止壁135d上
端と後板131bとの間に位置する部分には、図18に
示すように、水切り箱135aの左右全長に亘る幅で形
成され、この水切り板135eには、左右に長いスリッ
ト135fが、水切り板135eの前後に間隔を置いて
多数形成されており、各スリット135fは、水洗槽1
31からのゲル被覆種子の通過を阻止しつつ水を通過さ
せるように構成されている。
【0107】前記水切り箱135aで係止壁135dよ
りも後板131b寄りの底面箇所には、図16に示すよ
うに、水切り板135eのスリット135fを通過した
水を排出するための排水口135gが形成され、水切り
箱135aで係止壁135dを挟んで排水口135gと
は反対側の底面箇所には、開閉可能な種子排出口135
hが設けられている。
【0108】前記排水パン135bは、上方に開放され
た扁平な矩形受皿状を呈し、前記水切り箱135aの下
方箇所から主枠31の後端箇所に至る前後長さで、主枠
31よりも小さい左右幅で形成されており、排水パン1
35bの前後両端は、主枠31の後端と前後方向略中間
部で左右にそれぞれ架設された下枠部上で支持されてい
る。排水パン135b内の底面には排水口(図示せず)
が形成されており、この排水口は、排水パン135bの
右側面の排水バルブ135jに連通している。前記種子
受かご135cは、上方に開放された平面視略矩形状を
呈し、ゲル被覆種子が通過できない程度の大きさの網目
を有するかごにより、前記排水パン135b内に載置で
きる平面視形状及び大きさで形成されている。
【0109】次に、上述のように構成された本実施形態
のゲル被覆加工装置1の動作(作用)について説明す
る。
【0110】ゲルによる種子の被覆加工を開始するに当
たっては、まず、複数種類のアダプタ53gのうち、小
径部53jの内径が、加工する種子の種類、即ち、大き
さに最も適したアダプタ53gを選択して、そのアダプ
タ53gを種子タンク53のタンク本体部53bの8つ
の通孔53fにそれぞれ取り付ける。
【0111】同じく、複数種類のプランジャ73hのう
ち、細径部73kの外径が、加工する種子の大きさに最
も適したプランジャ73hを選択し、そのプランジャ7
3hをゲル加工部7のノズルブロック73の8つの通路
73cにそれぞれ収容した後、各通路73cにコイルス
プリング73rをそれぞれ収容してキャップ73sを螺
着する。さらに、複数種類の吸引チップ95のうち、外
径及び吸引通路の内径が、加工する種子の大きさに最も
適し、且つ、吸引チップ95の外径が、アダプタ53b
の通孔53Aの大径部53hに挿入できる寸法の吸引チ
ップ95を選択し、その吸引チップ95を種子移送部9
のマニホールド93の8つの通孔93bにそれぞれ取り
付ける。
【0112】次に、ゲル被覆加工装置1の不図示の電源
スイッチを投入し、ゲル収容ブロック75の各加圧用エ
アシリンダ77を収縮動作させておく。また、昇降機構
94のエアシリンダ94dを収縮動作させて、保持板9
4cを基板91a側に引き上げると共に、ロッドレスマ
グネットシリンダ91bによりピストンマウント91j
を後方にスライドさせ、これにより、マニホールド93
を前記後方位置に移動させておく。
【0113】さらに、前記電源スイッチの投入に伴い真
空ポンプ97を作動させて、吸引チップ95の吸引通路
から、マニホールド93、継手93a,94j、及び、
不図示の高圧ホースを介して真空ポンプ97に空気を吸
引させ始める。このとき、真空ポンプ97と各吸引チッ
プ95の間にマニホールド93が介設されており、この
マニホールド93を介して各吸引チップ95から空気が
吸引されることから、各吸引チップ95による吸引圧は
互いに均等となる。
【0114】また、前記電源スイッチの投入に伴い、前
記切換弁を硬化剤タンク側に切り換えた状態で、マグネ
ットポンプ119により硬化剤タンク内の硬化剤を硬化
槽111に供給する。このとき、給液口111hから給
液槽部111a内に流入した硬化剤は、整流堰111g
を乗り越えて、或は、整流堰111gの基部前後箇所の
開口を通って、給液口111h側とは反対側の給液槽部
111a部分に整流堰111gの上方及び下方から流れ
込み、さらに、この硬化剤が反応槽部111b側に流れ
込んで硬化槽111の全体を満たす。
【0115】尚、マグネットポンプ119の作動は、硬
化剤タンクからの硬化剤の供給量が、硬化槽111内の
水位が水切り堰部111kの上下両端の間の所定位置に
達するのに応じた量に達した時点で一旦停止され、前記
切換弁を排液口111y側に切り換えた後、再度作動さ
れる。従って、硬化剤タンクから硬化槽111に所定量
の硬化剤が供給された後は、浄化部111sの排液口1
11yから排出される硬化剤が、通水ホース117を介
して給液口111hから給液槽部111a内に環流され
る。
【0116】そして、硬化剤タンクから供給される硬化
剤が硬化槽111の全体を満たす際や、浄化部111s
の排液口111yから通水ホース117及び給液口11
1hを介して給液槽部111a内に硬化剤が環流される
際には、給液槽部111a内の硬化剤が整流堰111g
の上下から反応槽部111b側に流入するため、硬化槽
111内には、給液槽部111aから反応槽部111
b、迂回液路111e、排液槽部111dのタンクホル
ダ部111r、浄化部111sへと向かう硬化剤の流れ
が生じる。
【0117】次に、硬化剤タンクから供給された所定量
の硬化剤により、硬化槽111の水位が水切り堰部11
1kの上下両端の間の所定位置に達したならば、キャッ
プ115bを下に向けた状態でリザーブタンク115a
をタンクホルダ部111rに収容する。これにより、タ
ンクホルダ部111rの係合突起111tがキャップ1
15bの凹部115dに挿入され、係合突起111tの
先端がスライドピン115fに当接して、コイルスプリ
ングの付勢力に抗してスライドピン115fがキャップ
115bの内側に押し込まれ、ゴム栓115gがキャッ
プ115bの通孔115eから離間して、この通孔11
5eとスライドピン115fの周面の間に隙間が形成さ
れる。
【0118】ここで、ゴム栓115gが離れて開いたキ
ャップ115bの通孔115eの位置は、係合突起11
1tにより押し込まれたスライドピン115fの先端よ
りも若干高く、これに対して、上述したように、硬化槽
111内の硬化剤の水位は、水切り堰部111kの上下
両端の間の所定位置に達していることから、現在の硬化
剤の水位の状態では、リザーブタンク115a内の高濃
度の硬化剤の硬化槽111への流出は起こらない。
【0119】次に、ゲル硬化部11のゲル誘導機構11
3のモータ113cを作動させて、ベルトコンベア11
3aを硬化槽111内の硬化剤の流れに沿って周回させ
始める。また、ゲル水洗部13の不図示のモータを作動
させてスクリューフィーダ133aを回転駆動させ始め
て、水洗槽131内で洗浄水を、前板131a側から後
板131b側に向かい、最後に後板131bの切欠部1
31eから若干オーバーフローするように流す。これに
より、水洗槽131内でゲル被覆種子が前板131a側
から後板131b側に向かって搬送される。尚、後板1
31bの切欠部131eからオーバーフローした洗浄水
は、水切り箱135aに入って水切り板135eのスリ
ット135fを通過し、排水口135gから水洗槽13
1外に排出され、さらに、給水口131dから水洗槽1
31内に環流される。
【0120】さらに、前記電源の投入に伴い、不図示の
エアコンプレッサにより、ゲル化剤タンク内に正圧をか
けて、ゲル化剤タンクから高圧ホース、ポンプ、並び
に、ゴム管継手79aを介してマニホールド79にゲル
化剤を圧送させ、この圧送されたゲル化剤をマニホール
ド79内に充填させる。そして、マニホールド79内に
充填されたゲル化剤を、ゲル化剤タンクからの送圧によ
ってさらに、8つの継手79bを介してゲル収容ブロッ
ク75の対応する各ゲル通路75aに下端側から供給す
る。この際、ゲル化剤タンクとゲル収容ブロック75の
間にマニホールド79が介設されており、このマニホー
ルド79を介してゲル収容ブロック75の各ゲル通路7
5aにゲル化剤が供給されるため、各ゲル通路75aへ
のゲル化剤の供給圧は互いに均等な圧力となり、従っ
て、各ゲル通路75aには、その容量に応じた一定、同
量のゲル化剤が供給される。
【0121】そして、各ゲル通路75aにゲル化剤が供
給される際に、エア抜き用バルブ78を開放させてお
き、下端側から供給されたゲル化剤の上方のゲル通路7
5a部分のエア抜きを行って、ゲル通路75a内に隙間
なくゲル化剤を充填させる。続いて、ゲル化剤タンクか
らの送圧によりゲル化剤を、各ゲル通路75a内から通
孔75b及び通孔73nを介して、ノズルブロック73
の対応する各通路73cの空間73mにそれぞれ充填さ
せ、各空間73mにゲル化剤が隙間なく充填されたなら
ば、エア抜き用バルブ78を閉じる。尚、各ゲル通路7
5aへのゲル化剤の供給時、ゲル通路75aからマニホ
ールド79側へのゲル化剤の逆流は、各ゲル通路75a
下端の逆止弁75dによりそれぞれ防止される。
【0122】そして、この状態で、加圧用エアシリンダ
77を伸長動作させてゲル通路75a内を加圧し、ゲル
化剤が充填された通孔75b,73nを介して空間73
mを昇圧させる。すると、コイルスプリング73rの弾
発力による付勢に抗してプランジャ73hが通路73c
内を上動し、細径部73kの下端により閉じていたバル
ブ73bが開き、空間73mに充填されていた所定量の
ゲル化剤が、空間73mの内圧によりバルブ73bから
ノズルブロック73の下方に押し出され、粒体状となっ
て滴下する。
【0123】バルブ73bから粒体状のゲル化剤が滴下
するのに合わせて、加圧用エアシリンダ77を収縮動作
させると、バルブ73bからのゲル化剤の滴下により空
間73m内のゲル化剤が減るのと相まって空間73m内
の圧力が低下し、空間73mの圧力よりもコイルスプリ
ング73rの弾発力がまさって、コイルスプリング73
rによる付勢でプランジャ73hが通路73c内を下動
し、細径部73kの下端によりバルブ73bが閉じられ
る。尚、バルブ73bが閉じる際、バルブ73bや細径
部73kの下端に付着したゲル化剤により、細径部73
kの下端にゲル化剤の膜が形成される。また、バルブ7
3bからのゲル化剤の滴下により減った分のゲル化剤
は、ゲル化剤タンクからの送圧により、マニホールド7
9を介して各ゲル通路75aにそれぞれ補充される。
【0124】次に、種子供給部5の種子タンク53のホ
ッパ部53c内に加工する種子を投入する。すると、投
入した種子が後板53vの傾斜部分上を転、摺動して、
スリット53eからタンク本体部53bの内部に収容さ
れる。
【0125】この際、スリット53eを通過する種子の
量が、スリット53eの上下高さH1によって定まる所
定の量に制限され、従って、タンク本体部53b内の種
子の量は、ホッパ部53c内に投入した種子の量に関係
なく、常に略一定の量となる。また、ホッパ部53c内
からタンク本体部53b内に収容される種子の量の制限
には、タンク本体部53bの底部内周面からエアチャン
バ53mまでの間隔H3も若干関与する。
【0126】種子をタンク本体部53b内に収容させた
ならば、不図示のエアコンプレッサを作動させ、圧縮空
気をマニホールド53r経由でエアチャンバ53mに供
給する。すると、エアチャンバ53mの各吹出口53n
から圧縮空気が吹き出し、この圧縮空気がタンク本体部
53b内に起こす、タンク本体部53bの下端から前
端、上端、さらに後端へと周回する空気流により、タン
ク本体部53b内で種子が撹拌される。
【0127】尚、本実施形態では、エアコンプレッサと
エアチャンバ53mの間にマニホールド53rが介設さ
れており、このマニホールド53rを経由して各吹出口
53nに圧縮空気が供給されることから、各吹出口53
nからの圧縮空気の吹き出し圧は互いに均等となる。ま
た、本実施形態では、タンク本体部53b内で撹拌され
る種子の量が、タンク本体部53bの下端から前端、上
端、さらに後端へと周回して下端に戻った空気流によ
り、エアチャンバ53mとタンク本体部53bの底部内
周面との間を通過してさらにタンク本体部53bの下端
から前端に向かう加工用種子の量によって定まり、即
ち、加工用種子の撹拌量が、エアチャンバ53mとタン
ク本体部53bの底部内周面との上下の間隔H3によっ
て定まる。
【0128】続いて、マニホールド93を前記後方位置
に置いたまま、昇降機構94のエアシリンダ94dを伸
長動作させて、保持板94cを基板91aから離間する
ように下動させ、各吸引チップ95の先部を、タンク本
体部53bの対応するアダプタ53gの段差部53kに
接触する直前の高さに位置させる。すると、タンク本体
部53b内で撹拌されている種子が各通孔53fに近づ
いた際に、各吸引チップ95により吸引保持される。
【0129】そして、前記エアシリンダ94dの伸長動
作から所定時間が経過すると、前記圧力センサ97cで
マニホールド98内の空気圧を計測し、この空気圧が所
定の圧力を上回っている場合には、少なくとも一部の吸
引チップ95の吸引圧が、種子の吸着保持状態における
吸引圧まで降下しておらず、各吸引チップ95が全て種
子を吸引保持している状態ではないとものとして、真空
ポンプ97による空気の吸引を停止させ、その後、エア
シリンダ94dを収縮動作させて、保持板94cを基板
91a側に引き上げ最初の状態に戻す。また、前記真空
ポンプ97は、エアシリンダ94dの収縮動作後に再始
動される。
【0130】そして、圧力センサ97cによるマニホー
ルド98内の計測空気圧が所定の圧力以下に収まってい
る場合には、真空ポンプ97を停止させず全吸引チップ
95に種子をそれぞれ吸引保持させたまま、エアシリン
ダ94dを収縮動作させて、保持板94cを基板91a
側に引き上げる。
【0131】尚、各吸引チップ95による種子の吸着保
持動作中、各吸引チップ95の先部とアダプタ53gの
間の僅かな隙間を介してタンク本体部53bの内部が外
部と連通するため、各吹出口53nから吹き出す圧縮空
気によりタンク本体部53bの内部に形成される空気流
の一部が、各吸引チップ95の先部とアダプタ53gの
通孔53Aとの間の僅かな隙間からタンク本体部53b
の外部に向かう。従って、タンク本体部53bの内部で
撹拌された加工用種子の一部が、このタンク本体部53
bの外部に向かう一部の空気流に乗って、アダプタ53
gの通孔53A付近に誘導される。
【0132】また、各吸引チップ95による種子の吸引
保持動作中には、タンク本体部53b内において、各吹
出口53nからの圧縮空気の吹き出しにより起こる空気
流で、種子だけでなく、タンク本体部53bの内壁に種
子が接触した際に発生する種子かすや、アダプタ53g
を通ってをタンク本体部53b内に侵入するちり等の塵
埃が一緒に周回し、この塵埃を吸引チップ95が吸い込
むこともあり得る。しかし、真空ポンプ97に隣接され
たエアフィルタ99により、吸引チップ95が吸い込ん
だ塵埃が除去されて空気が浄化されるので、吸引チップ
95の目詰まりや真空ポンプ97の過負荷による過熱等
が発生することはない。
【0133】そして、前記種子供給部5のアダプタ53
gの交換や種子タンク53のメンテナンスを行う際に
は、把手51dを持ってスライド板51cをガイドレー
ル51のガイド溝51bに沿って移動させて、種子タン
ク53を主枠31の右外方に引き出せばよく、これによ
り、種子供給部5の上方の種子移送部9に干渉されずに
メンテナンスを行うことが可能となる。
【0134】さて、各吸引チップ95が種子を吸着保持
した状態で、エアシリンダ94dの収縮動作により保持
板94cを基板91a側に引き上げたならば、続いて、
ロッドレスマグネットシリンダ91bによりピストンマ
ウント91jを前方にスライドさせて、マニホールド9
3を前記前方位置に移動させる。そしてさらに、エアシ
リンダ94dを伸長動作させて保持板94cを基板91
aから離間するように下動させ、各吸引チップ95の先
部を、ノズルブロック73の対応する各種子投入口73
aから通路73c内のプランジャ73hの通路73vに
挿入される高さに位置させる。その後、真空ポンプ97
による空気の吸引を停止させて、各吸引チップ95によ
る種子の吸引保持を解除させ、さらに、各吸引チップ9
5に正圧をかけて、各吸引チップ95の種子を対応する
各プランジャ73hの通路73v内に落下、投入させ
る。
【0135】尚、真空ポンプ97の作動を停止させ、各
吸引チップ95が吸引保持している種子を各プランジャ
73hの通路73v内に落下、投入させた後には、エア
シリンダ94dの収縮動作により保持板94cを基板9
1a側に引き上げ、続いて、ロッドレスマグネットシリ
ンダ91bによりピストンマウント91jを後方にスラ
イドさせて、マニホールド93を前記後方位置に移動さ
せて元の状態に戻す。以上の説明からも明らかなよう
に、種子移送部9が種子を種子供給部5からゲル加工部
7に移送する際の平面視した状態での移送方向、即ち、
移送方向の水平成分は、図4及び図7中に示す矢印Xと
なる。
【0136】上述したように、各吸引チップ95の吸引
保持している種子が各プランジャ73hに落下、投入さ
れると、プランジャ73hの細径部73kの下端に形成
されたゲル化剤の膜上に種子が乗り、これにタイミング
を合わせて、加圧用エアシリンダ77の伸長動作が行わ
れる。これにより、ゲル通路75a及び通孔75b,7
3nを介して空間73mが昇圧され、プランジャ73h
が上動してバルブ73bが開き、空間73m内の所定量
のゲル化剤が、空間73mの内圧によりバルブ73bか
らノズルブロック73の下方に押し出されて、細径部7
3k下端の種子が乗ったゲル化剤の膜に触れ、この種子
を包み込みつつ粒体状の被覆種子となって滴下し、基枠
74及び基板71の通孔74a,71dを介して、基板
71の下方の硬化槽111箇所に落下する。この際に
も、ゲル通路75からマニホールド79側へのゲル化剤
の逆流は逆止弁75dにより防止される。
【0137】その後、加圧用エアシリンダ77が収縮動
作されてプランジャ73hが下動し、これにより、バル
ブ73bが閉じて、細径部73kの下端にゲル化剤の膜
が形成されると共に、バルブ73bから被覆種子が滴下
して減った分のゲル化剤が、ゲル化剤タンクからの送圧
により、マニホールド79を介して各ゲル通路75aに
それぞれ補充される。
【0138】以上に説明した種子供給部5、ゲル加工部
7、及び、種子移送部9の各部の動作は、不図示のシー
ケンサの制御により互いに連係して行われ、これら各部
の動作を繰り返し行うことで、1工程当たり、種子を包
み込んだ粒体状の被覆種子が8つ同時に製造され、製造
された8つの被覆種子は、上述したように、基板71の
下方に配置された硬化槽111で、整流堰111gより
も反応槽部111b側の給液槽部111a部分に落下
し、硬化剤内に入水する。
【0139】一方、硬化槽111で整流堰111gより
も反応槽部111b側の給液槽部111a部分に、被覆
種子が落下、入水すると、その被覆種子は、硬化槽11
1内の流れに乗って硬化剤内を反応槽部111b側に移
動し、反応槽部111bで若干水切り堰部111k側に
移動したところで、ベルトコンベア113aの周回に伴
い硬化剤中に入水した誘導パドル113bにより給液槽
部111a側から押されて、硬化剤内で水切り堰部11
1k側に誘導される。
【0140】また、この間、反応槽部111b内の硬化
剤は、入水中の誘導パドル113bの移動により、スリ
ット113gを通して、或は、誘導パドル113bと反
応槽部111bの側壁や底面との僅かな隙間を通って誘
導パドル113bよりも給液槽部111a側に逃げる。
従って、誘導パドル113bの硬化剤内での移動により
硬化剤の流れが大きく乱れたり、硬化剤が硬化槽111
から外方に溢れ、或は、水切り堰部111kを越えて種
子投下口111cに侵入することはない。
【0141】そして、硬化剤内の被覆種子が誘導パドル
113bにより水切り堰部111kの手前の反応槽部1
11b箇所まで誘導されると、上方のプーリ113eの
周面に沿ってベルト113fが周回するのに応じて、誘
導パドル113bが、その先端が、水切り堰部111k
の傾斜面111mから僅かな間隔を置き、この傾斜面1
11mを倣って移動するように、上方に反転する。この
誘導パドル113bの上方への反転に伴い、硬化剤内の
被覆種子が誘導パドル113bにより押されつつ、水切
り堰部111kの傾斜面111m上に乗り上げ、誘導パ
ドル113bの先端が水切り堰部111kの頂上を越え
る高さとなった時点かその直前の時点で、被覆種子が水
切り堰部111kの傾斜面111mとは反対側の面上に
転動し、種子投下口111cに投入される。
【0142】上述したように種子投下口111cに投入
されるまでの間、ノズルブロック73のプランジャ73
hのバルブ73bから落下した被覆種子は、硬化剤内に
略一定の時間浸漬され、この間に種子を包むゲル化剤が
硬化剤と反応し硬化してゲル被覆種子となり、このゲル
被覆種子は、種子投下口111cの左右両内壁や邪魔板
111nが傾斜していることから、多少の硬化剤が周囲
に付着していても、種子投下口111cの下方に配置さ
れた水洗槽131aの前板131a寄り箇所に確実に落
下する。以上の説明からも明らかなように、ゲル硬化部
11のゲル誘導機構113が被覆種子を硬化槽111の
硬化剤内で給液槽部111aから水切り堰部111kを
越えて種子投下口111cに誘導する際の平面視した状
態での誘導方向、即ち、誘導方向の水平成分は、図16
中に示す矢印Yとなる。
【0143】尚、ノズルブロック73のプランジャ73
hのバルブ73bから落下した粒体状の被覆種子が、硬
化剤内に一定時間浸漬され反応して硬化するのに伴い、
硬化剤の濃度が薄まって全体の量が減ると、硬化槽11
1内の硬化剤の水位が、水切り堰部111kの上下両端
の間の所定位置を下回って、ゴム栓115gが離れて開
いたキャップ115bの通孔115eの位置よりも低く
なる。すると、タンクホルダ部111rの係合突起11
1tに当接して押し込まれたスライドピン115fの周
面と、キャップ115bの通孔115eとの隙間から、
リザーブタンク115a内の高濃度の硬化剤がタンクホ
ルダ部111rに流出し、反応槽部111bから迂回液
路111eを経てタンクホルダ部111rに流入した、
硬化後の被覆種子を除いた後の使用中の硬化剤に混入す
る。
【0144】そして、リザーブタンク115aからの高
濃度の硬化剤の流出により、硬化槽111内の硬化剤の
濃度が上昇し、この硬化剤の水位が前記所定位置に回復
すると、ゴム栓115gが離れて開いたキャップ115
bの通孔115eの位置以上となって、硬化剤の硬化槽
111への流出が止まる。このようにして、硬化槽11
1内の硬化剤の水位は、水切り堰部111kの上下両端
の間の所定位置に常時維持され、硬化剤の濃度も、被覆
種子の硬化に適した濃度に常時維持される。
【0145】続いて、水洗槽131aの前板131a寄
り箇所に落下したゲル被覆種子は、不図示のモータによ
るスクリューフィーダ133aの回転駆動で水洗槽13
1内に生じた、前板131aから後板131bに向かう
水流と、スクリューフィーダ133aの回転に伴う螺旋
羽根133cの水没箇所の前板131a側から後板13
1b側への見かけ上の移動により、後板131b側に誘
導される。
【0146】そして、ゲル被覆種子が後板131bの直
前に達すると、スクリューフィーダ133aの回転に伴
って洗浄水中から上方に移動する後板131b側の螺旋
羽根133c部分により、洗浄水内からゲル被覆種子が
すくい上げられる。
【0147】このようにゲル被覆種子が洗浄水中から前
記螺旋羽根133c部分によりすくい上げられるまでの
間、硬化槽111の種子投下口111cから水洗槽13
1aの前板131a寄り箇所に落下したゲル被覆種子
は、洗浄水内に一定の間浸漬されつつ移動して洗浄され
る。また、洗浄後のゲル被覆種子は、洗浄水内からすく
い上げた後のスクリューフィーダ133aの回転によっ
て、ゲル被覆種子をすくい上げた螺旋羽根133c部分
が後板131b側に傾斜することから、この傾斜に沿っ
て螺旋羽根133c部分上を転動し、後板131bの切
欠部131eの下端を乗り越えて水切り板135e上に
放出される。
【0148】尚、種子タンク53のタンク本体部53a
を出てから硬化槽111の種子投下口111cに投入さ
れるまでの間、8つの種子、或は、この種子を包んで粒
体状となったゲル化剤は、ゲル被覆加工装置1の左右方
向に略一直線状に並んで並行に移送、移動、並びに、加
工されるが、この種子投下口111cに投入された粒体
状のゲル化剤は、種子投下口111cの左右幅が下方に
至るにつれて次第に狭くなることから一群となり、ゲル
水洗部13においては、8つまとめて洗浄されることと
なる。
【0149】前記水切り板135e上では、螺旋羽根1
33cがゲル被覆種子と共に水切り板135e上に放出
した若干の洗浄水や、ゲル被覆種子の周囲に付着してい
る洗浄水を、スリット135fを通して落下させ、排水
口135gから水切り箱135aの外方に排出させる。
また、水切り板135e上に放出され水切りされたゲル
被覆種子は、水切り板135e上をその傾斜に沿って転
動して、種子排出口135hから水切り箱135aの外
方に排出され、種子受かご135cに収容される。そし
て、種子受かご135cでは、ゲル被覆種子の周囲に付
着したまま残っている洗浄水を、自重により種子受かご
135cの網目を通して排水パン135b内の底面に流
出させ、排水口から排水バルブ135jを介して排水パ
ン135b外に排出させる。
【0150】以上の説明からも明らかなように、ゲル水
洗部13のゲル誘導機構133がゲル被覆種子を水洗槽
131の洗浄水内で前板131a側から後板131bの
切欠部131eに誘導する際の平面視した状態での誘導
方向、即ち、誘導方向の水平成分は、図16及び図18
中に示す矢印Zとなる。
【0151】このように、本実施形態のゲル被覆加工装
置1によれば、ゲル加工部9のバルブ73bから滴下さ
れた被覆種子を、ゲル硬化部11の硬化槽111で、整
流堰111gよりも反応槽部111b側の給液槽部11
1a部分に落下させて硬化剤内に入水させ、反応槽部1
11bの給液槽部111a側部分から硬化剤内に入水さ
れる誘導パドル113bが、水切り堰部111kの傾斜
面111mに連なる反応槽部111b箇所に移動して硬
化剤内から出水するまでの間、硬化剤内で誘導方向Yに
被覆種子を誘導して移動させる構成とした。
【0152】このため、ゲル被覆加工装置1の左右方
向、即ち、硬化槽111の幅方向における誘導パドル1
13bの寸法と、被覆種子の大きさとの比に応じて、本
実施形態の場合は、被覆種子のゲル化剤を硬化させる処
理を8つ同時に並行して行うことができ、ゲル化剤の硬
化処理能力、ひいては、ゲル被覆加工装置1全体の処理
能力を向上させるための、複数の被覆種子に対する同時
並行処理に容易に対応可能な構成とすることができる。
【0153】また、本実施形態のゲル被覆加工装置1に
よれば、誘導パドル113bを、反応槽部111bの給
液槽部111a側部分から、水切り堰部111kの傾斜
面111mに連なる反応槽部111b箇所まで、硬化剤
内で移動させるゲル誘導機構113を、一対のプーリ1
13eと、これらプーリ113e間に掛け渡され誘導パ
ドル113bが立設されたベルト113fと、プーリ1
13eを介してベルト113fを周回させるモータ11
3cにより構成した。
【0154】このため、モータ113cの回転速度を調
整することにより、誘導パドル113bが、反応槽部1
11bの給液槽部111a側部分から、水切り堰部11
1kの傾斜面111mに連なる反応槽部111b箇所ま
でまで移動するのに要する所要時間を調整して、ゲル加
工部9のバルブ73bから落下して硬化剤内に投入され
た被覆種子が、硬化剤内から外方に出水されるまでの時
間を常時一定に保ち、硬化剤との反応時間を一定化させ
て、ゲル化剤の硬化の度合いを一定に保たせることがで
きる。
【0155】さらに、本実施形態のゲル被覆加工装置1
によれば、水切り堰部111kにおいて、誘導パドル1
13bにより押されつつ水切り堰部111kの傾斜面1
11m上に乗り上げて、被覆種子が硬化剤内から外方に
出水され、その後、誘導パドル113bによりさらに押
されつつ水切り堰部111kの頂上を越えて、被覆種子
が種子投下口111cに投入されるように構成したの
で、硬化剤内で被覆種子の移動を誘導する誘導パドル1
13bにより、硬化剤内から被覆種子を出す機能を兼用
して持たせ、構成の簡略化を図ることができる。
【0156】また、本実施形態のゲル被覆加工装置1に
よれば、被覆種子よりも小さい幅のスリット113gを
誘導パドル113bに形成したので、誘導パドル113
bが反応槽部111bで硬化剤内を移動する際に、誘導
パドル113bよりも水切り堰部111k側の硬化剤
が、スリット113gを通して、誘導パドル113bよ
りも給液槽部111a側に逃げ、これにより、誘導パド
ル113bの硬化剤内での移動により硬化剤の流れが大
きく乱れたり、硬化剤が硬化槽111から外方に溢れ、
或は、水切り堰部111kを越えて種子投下口111c
に侵入するのを防止することができる。
【0157】さらに、本実施形態のゲル被覆加工装置1
によれば、被覆種子が硬化剤内に一定時間浸漬され反応
して硬化するのに伴い、硬化剤の濃度が薄まって硬化槽
111全体の硬化剤量が減り、硬化槽111内の硬化剤
の水位が、水切り堰部111kの上下両端の間の所定位
置を下回って、ゴム栓115gが離れて開いたキャップ
115bの通孔115eの位置よりも低くなると、タン
クホルダ部111rの係合突起111tに当接して押し
込まれたスライドピン115fの周面と、キャップ11
5bの通孔115eとの隙間から、リザーブタンク11
5a内の高濃度の硬化剤がタンクホルダ部111rに流
出し、反応槽部111bから迂回液路111eを経てタ
ンクホルダ部111rに流入した、硬化後の被覆種子を
除いた後の使用中の硬化剤に混入する構成とした。
【0158】そして、リザーブタンク115aからの高
濃度の硬化剤の流出により、硬化槽111内の硬化剤の
濃度が上昇し、この硬化剤の水位が前記所定位置に回復
すると、ゴム栓115gが離れて開いたキャップ115
bの通孔115eの位置以上となって、硬化剤の硬化槽
111への流出が止まる構成とした。
【0159】このため、硬化槽111内の硬化剤の水位
を、水切り堰部111kの上下両端の間の所定位置に常
時維持し、しかも、硬化剤の濃度を、被覆種子の硬化に
必要な濃度以上に常時維持するための、高濃度の硬化剤
の補給を、硬化槽111内の硬化剤の水位を常時監視し
ていなくても略自動的に行うことができる。しかも、硬
化槽111内の硬化剤と、リザーブタンク115aから
の高濃度の硬化剤との混入が、タンクホルダ部111r
で行われるので、被覆種子が硬化剤内に浸漬される、整
流堰111gよりも反応槽部111b側の給液槽部11
1a部分から、反応槽部111bで水切り堰部111k
よりも若干上流側寄りの反応槽部111b箇所までの間
で、リザーブタンク115aから流出する高濃度の硬化
剤が混入されて硬化剤の濃度が途中で大きく変わるのを
防止し、ゲル化剤の硬化の度合いがばらつくのを防ぐこ
とができる。
【0160】尚、本実施形態では、種子供給部5のホッ
パ部53cからタンク本体部53b内に収容される種子
の量が、ホッパ部53c内に投入した種子の量に関係な
く、ホッパ部53cとタンク本体部53bを連通するス
リット53eの上下高さH1によって定まるものとし、
これに、タンク本体部53bの底部内周面からエアチャ
ンバ53mまでの間隔H3も若干関与する構成とした。
しかし、例えば図20に要部拡大側面図で示すように、
タンク本体部53bの底部内周面からエアチャンバ53
mまでの間隔H5を調整できるように構成し、タンク本
体部53b内で撹拌される加工用種子の量に加えて、種
子供給部5のホッパ部53cからタンク本体部53b内
に収容される種子の量も、主にこの間隔H5に応じて調
整可能に定まる構成としてもよい。
【0161】その場合の種子タンク53の構成について
簡単に説明すると、種子タンク53の両側壁53aに、
上下に長い長孔53wを形成し、両側壁53aに亘って
タンク本体部53b内に架設されるエアチャンバ53m
の両端に、このエアチャンバ53mよりも大径の目隠し
板53yを取着する。そして、目隠し板53yの略中心
から外方に突設されたボルト53xを、両側壁53aの
内側から長孔53wに挿通し、両側壁53aに突出する
ボルト53xの先端部分にナット53zを螺着して、エ
アチャンバ53mの上下高さH5を、長孔53w内でボ
ルト53xの位置を上下させることにより調整できる構
成とする。この際、目隠し板53yは、長孔53w内で
のボルト53xの位置1に関係なく、長孔53wの全体
を覆うことができる径で形成する。
【0162】また、本実施形態では、硬化槽111の硬
化剤内で被覆種子を誘導するゲル誘導機構113の誘導
パドル113bを、ベルトコンベア113aのベルト1
13fの表面上に等間隔を置いて垂直に立設する構成と
したが、ベルトコンベア113aに限定されない。
【0163】例えば、図21に要部拡大側断面図で示す
ように、硬化槽111の反応槽部111bの上方に前後
に間隔を置いて、硬化槽111の左右幅に応じた寸法の
ローラ113kを複数配置し、各ローラ113kの周面
上に、ローラ113kの周方向に間隔を置いて複数の誘
導パドル113bを径方向に向けて突設した、ゲル誘導
機構113Aにより行う構成としてもよい。この場合、
硬化槽111の硬化剤内での被覆種子の誘導は、不図示
のモータと動力伝達機構の作動に伴う各ローラ113k
の回転駆動により、各ローラ113kの誘導パドル11
3bを給液槽部111a側から水切り堰部111k側に
向けて硬化剤に対して入出水させることで行われる。
【0164】さらに、本発明が適用されるゲル被覆加工
装置の構成は、本実施形態で示した種子供給部5、ゲル
加工部7、種子移送部9、並びに、ゲル水洗部13を有
するゲル被覆加工装置1に限定されず、ゲル硬化部11
以外の各部分の構成が異なるゲル被覆加工装置について
も本発明は適用可能である。また、本実施形態では、ゲ
ル硬化部11における被覆種子の硬化処理を、硬化槽1
11の硬化剤内において、ゲル被覆加工装置1の左右方
向に8つの被覆種子を並べて並行して行う構成とした
が、ゲル硬化部11で並行して行う被覆種子のゲル化剤
硬化処理数は、本実施形態の8つに限らず任意で、単数
を含む7つ以下であってもよく、反対に、9つ以上の複
数であってもよい。
【0165】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明の被覆種子の硬化装置によれば、加工用種子を高
分子ゲルのゲル化剤で包んだ被覆種子を、硬化槽の誘導
開始箇所から該硬化槽の内部の硬化剤の中に投入し、該
被覆種子を、前記誘導開始箇所から前記硬化槽の誘導終
了箇所に向かって流れる前記硬化剤の中で移動させつ
つ、前記ゲル化剤を前記硬化剤と反応させて硬化させる
被覆種子の硬化装置において、前記硬化剤中で移動する
前記被覆種子の移動方向と交わる前記硬化槽の幅方向の
寸法に対応する幅で形成され、該幅方向が前記硬化槽の
幅方向に沿うように延在する誘導パドルと、前記誘導開
始箇所から前記誘導終了箇所に亘って前記誘導パドルを
前記硬化剤中で前記移動方向に移動させるパドル駆動機
構とを備え、前記パドル駆動機構による前記誘導パドル
の前記硬化剤内での移動により、該硬化剤内で前記被覆
種子を前記移動方向に誘導する構成とした。
【0166】このため、誘導パドルの幅方向の寸法と被
覆種子の寸法との比に応じた数の複数の被覆種子を、誘
導パドルにより誘導させつつ硬化槽の誘導開始箇所から
誘導終了箇所までの間、硬化剤内で移動させることがで
き、処理能力の大幅な向上を図るための、複数のゲル化
剤被覆種子のゲル化剤の同時並行による硬化処理に容易
に対応することができる。
【0167】また、請求項2に記載した本発明の被覆種
子の硬化装置によれば、前記パドル駆動機構が、前記硬
化槽の幅方向に軸方向を延在させて前記誘導開始箇所及
び前記誘導終了箇所に対応する箇所にそれぞれ配設した
一対のプーリと、これら一対のプーリ間に掛け渡された
ベルトと、前記プーリを介して前記ベルトを周回させる
周回駆動源とを有し、前記ベルトが、前記一対のプーリ
間に位置する2つのベルト半部部分のうち、一方のベル
ト半部部分が前記硬化剤に臨み、他方の前記ベルト半部
部分が前記一方のベルト半部部分を介して前記硬化剤に
臨むように配置され、前記誘導パドルが、前記周回駆動
源による周回方向に間隔を置いた前記ベルトの外面箇所
に、該誘導パドルの幅方向を前記プーリの回転軸方向に
合致させてそれぞれ立設されており、前記他方のベルト
半部部分に立設された前記誘導パドルが前記硬化剤の外
部に位置して、前記周回駆動源により前記誘導終了箇所
から前記誘導開始箇所に向けて移動されると共に、前記
一方のベルト半部部分に立設された前記誘導パドルが前
記硬化剤内に位置して、前記周回駆動源により前記誘導
開始箇所から前記誘導終了箇所に向けて移動される構成
とした。
【0168】このため、周回駆動源によるベルトの周回
時間を調整することで、被覆種子のゲル化剤を硬化剤と
反応させて硬化させる際の、硬化剤中での被覆種子の浸
漬時間を一定化させることができる。しかも、誘導パド
ルが硬化剤内から外方に出る、硬化槽の誘導開始箇所か
ら誘導終了箇所までの間を除く硬化槽部分において、誘
導パドルの移動に伴う硬化剤の流れの乱れのなどの発生
を防止することができる。
【0169】さらに、請求項3に記載した本発明の被覆
種子の硬化装置によれば、前記パドル駆動機構が、前記
被覆種子の移動方向に間隔を置いてそれぞれ配設され前
記硬化槽の幅方向に軸方向を延在させた複数のローラ
と、これら複数のローラを同一回転方向にそれぞれ回転
させる回転駆動源とを有しており、前記誘導パドルが、
前記各ローラの周面で該ローラの周方向に間隔を置いた
周面箇所に、該誘導パドルの幅方向を前記ローラの回転
軸方向に合致させてそれぞれ立設され、前記各ローラ
が、該ローラの周面のうち前記硬化剤に臨む周面部分に
立設された前記誘導パドルが前記硬化剤内に位置すると
共に、前記硬化剤に臨む周面部分とは前記回転軸を挟ん
で対向する前記ローラの周面部分から立設された前記誘
導パドルが前記硬化剤の外方に位置するように配置さ
れ、前記硬化剤内に位置する前記誘導パドルが、前記回
転駆動源により前記硬化剤内で前記移動方向に沿って移
動される構成とした。
【0170】このため、請求項2記載の被覆種子の硬化
装置と同様に、回転駆動源によるローラの回転時間を調
整することで、被覆種子のゲル化剤を硬化剤と反応させ
て硬化させる際の、硬化剤中での被覆種子の浸漬時間を
一定化させることができ、しかも、誘導パドルが硬化剤
内から外方に出る、硬化槽の誘導開始箇所から誘導終了
箇所までの間を除く硬化槽部分において、誘導パドルの
移動に伴う硬化剤の流れの乱れのなどの発生を防止する
ことができる。
【0171】また、請求項4に記載した本発明の被覆種
子の硬化装置によれば、前記誘導終了箇所よりも前記移
動方向における下流側の前記硬化槽箇所に、該硬化槽箇
所よりも前記移動方向における下流側への前記硬化剤の
流入を阻止する水切り堰部が形成され、該水切り堰部で
前記誘導開始箇所側側に位置する堰面が、前記硬化剤内
から外方に出る前記誘導パドルの先端の移動軌跡に沿う
形状に形成され、前記水切り堰部よりも前記移動方向に
おける下流側の前記硬化槽部分に、前記硬化槽の外部と
連通する種子排出口が形成され、前記被覆種子が、前記
誘導終了箇所において前記誘導パドルに乗って前記堰面
上を移動しつつ、該誘導パドルと共に前記硬化剤内から
出水し、前記誘導パドルが前記水切り堰部を越えること
で該誘導パドルから前記種子排出口に落下、投入される
構成とした。このため、被覆種子を硬化剤内から外方に
出すための機構を、硬化剤内で被覆種子を硬化槽の誘導
開始箇所から誘導終了箇所に誘導するのに用いる誘導パ
ドルで兼用することができる。
【0172】さらに、請求項5に記載した本発明の被覆
種子の硬化装置によれば、前記水切り堰部よりも前記移
動方向における上流側の前記硬化槽部分の前記硬化剤を
前記誘導開始箇所に環流させる環流路と、該環流路中の
硬化剤にタンク口が上方から臨むように配設され、前記
硬化槽内の前記硬化剤の濃度を調整するための濃度調整
用硬化剤が貯留されるリザーブタンクとをさらに有して
おり、前記環流路中の前記硬化剤の液面が前記タンク口
から離間した時に、前記リザーブタンクから前記タンク
口を通して前記濃度調整用硬化剤が自重により前記環流
路中に流出し、該環流路中の前記硬化剤の液面が前記タ
ンク口に達した時に、前記リザーブタンクからの前記濃
度調整用硬化剤の流出が、前記タンク口を通して前記環
流路中の前記硬化剤から受ける水圧により停止する構成
とした。
【0173】このため、被覆種子が移動する硬化槽の誘
導終了箇所から誘導開始箇所に亘る硬化剤部分を除い
た、環流路中の硬化剤部分において、リザーブタンクか
らの濃度調整用硬化剤の混入が行われ、被覆種子が移動
する硬化剤部分での硬化剤の濃度が、被覆種子の移動中
に変動することがなくなり、従って、被覆種子の移動中
における硬化剤の濃度の大きな変動による被覆種子のゲ
ル化剤の硬化の度合いのばらつきが発生せず、これによ
り、ゲル化剤と反応してこのゲル化剤を硬化させる硬化
剤の濃度や量を、硬化剤中の被覆種子の硬化処理に影響
を与えることなく略自動的に行うことができる。
【0174】さらに、請求項6に記載した本発明の被覆
種子の硬化装置によれば、前記誘導パドルに、少なくと
も前記被覆種子よりも小さい幅のスリットが形成されて
いる構成としたので、誘導パドルが硬化剤内を移動する
際、誘導パドルよりも誘導終了箇所側の硬化剤をスリッ
トを通して誘導パドルの誘導開始箇所側に逃がしつつ、
スリットの幅よりも大きい寸法の被覆種子を、スリット
間の誘導パドル部分が硬化剤内で誘導開始箇所側から誘
導終了箇所側に誘導し、これにより、硬化剤の流れを乱
さずに被覆種子を確実に硬化剤内で誘導することができ
る。
【0175】また、請求項7に記載した本発明の被覆種
子の硬化装置によれば、加工用種子を高分子ゲルのゲル
化剤で包んだ被覆種子を、硬化槽の誘導開始箇所から該
硬化槽の内部の硬化剤の中に投入し、該被覆種子を、前
記誘導開始箇所から前記硬化槽の誘導終了箇所に向かっ
て流れる前記硬化剤の中で移動させつつ、前記ゲル化剤
を前記硬化剤と反応させて硬化させ、ゲル化剤が硬化し
た前記被覆種子を前記誘導終了箇所において前記硬化剤
内から外部に出す被覆種子の硬化装置において、前記誘
導終了箇所から前記誘導開始箇所に向けて前記硬化剤を
環流させる環流路と、前記環流路中の硬化剤にタンク口
が上方から臨むように配設され、前記硬化槽内の前記硬
化剤の濃度を調整するための濃度調整用硬化剤が貯留さ
れるリザーブタンクとを備え、前記環流路中の前記硬化
剤の液面が前記タンク口から離間した時に、前記リザー
ブタンクから前記タンク口を通して前記濃度調整用硬化
剤を自重により前記環流路中に流出させ、該環流路中の
前記硬化剤の液面が前記タンク口に達した時に、前記タ
ンク口を通して前記環流路中の前記硬化剤から受ける水
圧により、前記リザーブタンクからの前記濃度調整用硬
化剤の流出を停止させる構成とした。
【0176】このため、請求項5に記載した本発明の被
覆種子の硬化装置と同様に、被覆種子が移動する硬化槽
の誘導終了箇所から誘導開始箇所に亘る硬化剤部分を除
いた、環流路中の硬化剤部分において、リザーブタンク
からの濃度調整用硬化剤の混入が行われ、被覆種子が移
動する硬化剤部分での硬化剤の濃度が、被覆種子の移動
中に変動することがなくなり、従って、被覆種子の移動
中における硬化剤の濃度の大きな変動による被覆種子の
ゲル化剤の硬化の度合いのばらつきが発生せず、これに
より、ゲル化剤と反応してこのゲル化剤を硬化させる硬
化剤の濃度や量を、硬化剤中の被覆種子の硬化処理に影
響を与えることなく略自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る硬化装置を採用した
種子のゲル被覆加工装置の概略構成を示す正面図であ
る。
【図2】図1に示す種子のゲル被覆加工装置の平面図で
ある。
【図3】図1に示す種子のゲル被覆加工装置の側面図で
ある。
【図4】図2に示す補助枠及び種子移送部の拡大平面図
である。
【図5】図2に示す種子供給部及び種子移送部の一部截
断拡大正面図である。
【図6】図2に示す種子供給部の拡大平面図である。
【図7】図2に示す種子供給部及び種子移送部の拡大側
面図である。
【図8】図5に示すアダプタの拡大断面図である。
【図9】図2に示すゲル加工部の拡大正面図である。
【図10】図2に示すゲル加工部の拡大平面図である。
【図11】図2に示すゲル加工部の拡大側面図である。
【図12】図11に示すノズルブロックの拡大側断面図
である。
【図13】図1に示すゲル硬化部及びゲル水洗部の一部
截断拡大正面図である。
【図14】図1に示すゲル硬化部の拡大平面図である。
【図15】図14のA−A線断面図である。
【図16】図14のB−B線断面図である。
【図17】図13に示すキャップの拡大側断面図であ
る。
【図18】図1に示すゲル水洗部の拡大平面図である。
【図19】図18に示す水洗槽の後板の拡大背面図であ
る。
【図20】図7に示すタンク本体部のエアチャンバの別
実施形態を示す要部拡大側面図である。
【図21】図16に示すゲル硬化部のゲル誘導機構の別
実施形態を示す要部拡大側断面図である。
【図22】従来技術に係るゲル被覆加工装置の一例を示
す正面図である。
【図23】図22に示す従来のゲル被覆加工装置の平面
図である。
【符号の説明】
111 硬化槽 111B 環流路 111c 種子投下口(種子排出口) 111k 水切り堰部 111m 水切り堰部傾斜面(水切り堰部堰面) 113,113A パドル駆動機構 113b 誘導パドル 113c モータ(周回駆動源) 113e プーリ 113f ベルト 113g スリット 113k ローラ 115a リザーブタンク 115c タンク口 Y 被覆種子の誘導方向(硬化剤内の被覆種子の移動方
向)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−141005(JP,A) 実開 平5−7017(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 1/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工用種子を高分子ゲルのゲル化剤で包
    んだ被覆種子を、硬化槽の誘導開始箇所から該硬化槽の
    内部の硬化剤の中に投入し、該被覆種子を、前記誘導開
    始箇所から前記硬化槽の誘導終了箇所に向かって流れる
    前記硬化剤の中で移動させつつ、前記ゲル化剤を前記硬
    化剤と反応させて硬化させる被覆種子の硬化装置におい
    て、 前記硬化剤中で移動する前記被覆種子の移動方向と交わ
    る前記硬化槽の幅方向の寸法に対応する幅で形成され、
    該幅方向が前記硬化槽の幅方向に沿うように延在する誘
    導パドルと、 前記誘導開始箇所から前記誘導終了箇所に亘って前記誘
    導パドルを前記硬化剤中で前記移動方向に移動させるパ
    ドル駆動機構とを備え、 前記パドル駆動機構による前記誘導パドルの前記硬化剤
    内での移動により、該硬化剤内で前記被覆種子を前記移
    動方向に誘導するようにした、 ことを特徴とする被覆種子の硬化装置。
  2. 【請求項2】 前記パドル駆動機構は、前記硬化槽の幅
    方向に軸方向を延在させて前記誘導開始箇所及び前記誘
    導終了箇所に対応する箇所にそれぞれ配設した一対のプ
    ーリと、これら一対のプーリ間に掛け渡されたベルト
    と、前記プーリを介して前記ベルトを周回させる周回駆
    動源とを有し、前記ベルトは、前記一対のプーリ間に位
    置する2つのベルト半部部分のうち、一方のベルト半部
    部分が前記硬化剤に臨み、他方の前記ベルト半部部分が
    前記一方のベルト半部部分を介して前記硬化剤に臨むよ
    うに配置され、前記誘導パドルは、前記周回駆動源によ
    る周回方向に間隔を置いた前記ベルトの外面箇所に、該
    誘導パドルの幅方向を前記プーリの回転軸方向に合致さ
    せてそれぞれ立設されており、前記他方のベルト半部部
    分に立設された前記誘導パドルが前記硬化剤の外部に位
    置して、前記周回駆動源により前記誘導終了箇所から前
    記誘導開始箇所に向けて移動されると共に、前記一方の
    ベルト半部部分に立設された前記誘導パドルが前記硬化
    剤内に位置して、前記周回駆動源により前記誘導開始箇
    所から前記誘導終了箇所に向けて移動される請求項1記
    載の被覆種子の硬化装置。
  3. 【請求項3】 前記パドル駆動機構は、前記被覆種子の
    移動方向に間隔を置いてそれぞれ配設され前記硬化槽の
    幅方向に軸方向を延在させた複数のローラと、これら複
    数のローラを同一回転方向にそれぞれ回転させる回転駆
    動源とを有しており、前記誘導パドルは、前記各ローラ
    の周面で該ローラの周方向に間隔を置いた周面箇所に、
    該誘導パドルの幅方向を前記ローラの回転軸方向に合致
    させてそれぞれ立設され、前記各ローラは、該ローラの
    周面のうち前記硬化剤に臨む周面部分に立設された前記
    誘導パドルが前記硬化剤内に位置すると共に、前記硬化
    剤に臨む周面部分とは前記回転軸を挟んで対向する前記
    ローラの周面部分から立設された前記誘導パドルが前記
    硬化剤の外方に位置するように配置され、前記硬化剤内
    に位置する前記誘導パドルが、前記回転駆動源により前
    記硬化剤内で前記移動方向に沿って移動される請求項1
    記載の被覆種子の硬化装置。
  4. 【請求項4】 前記誘導終了箇所よりも前記移動方向に
    おける下流側の前記硬化槽箇所には、該硬化槽箇所より
    も前記移動方向における下流側への前記硬化剤の流入を
    阻止する水切り堰部が形成され、該水切り堰部で前記誘
    導開始箇所側側に位置する堰面は、前記硬化剤内から外
    方に出る前記誘導パドルの先端の移動軌跡に沿う形状に
    形成され、前記水切り堰部よりも前記移動方向における
    下流側の前記硬化槽部分には、前記硬化槽の外部と連通
    する種子排出口が形成され、前記被覆種子は、前記誘導
    終了箇所において前記誘導パドルに乗って前記堰面上を
    移動しつつ、該誘導パドルと共に前記硬化剤内から出水
    し、前記誘導パドルが前記水切り堰部を越えることで該
    誘導パドルから前記種子排出口に落下、投入される請求
    項1、2又は3記載の被覆種子の硬化装置。
  5. 【請求項5】 前記水切り堰部よりも前記移動方向にお
    ける上流側の前記硬化槽部分の前記硬化剤を前記誘導開
    始箇所に環流させる環流路と、該環流路中の硬化剤にタ
    ンク口が上方から臨むように配設され、前記硬化槽内の
    前記硬化剤の濃度を調整するための濃度調整用硬化剤が
    貯留されるリザーブタンクとをさらに有しており、前記
    環流路中の前記硬化剤の液面が前記タンク口から離間し
    た時に、前記リザーブタンクから前記タンク口を通して
    前記濃度調整用硬化剤が自重により前記環流路中に流出
    し、該環流路中の前記硬化剤の液面が前記タンク口に達
    した時に、前記リザーブタンクからの前記濃度調整用硬
    化剤の流出が、前記タンク口を通して前記環流路中の前
    記硬化剤から受ける水圧により停止する請求項4記載の
    被覆種子の硬化装置。
  6. 【請求項6】 前記誘導パドルには、少なくとも前記被
    覆種子よりも小さい幅のスリットが形成されている請求
    項1、2、3、4又は5記載の被覆種子の硬化装置。
  7. 【請求項7】 加工用種子を高分子ゲルのゲル化剤で包
    んだ被覆種子を、硬化槽の誘導開始箇所から該硬化槽の
    内部の硬化剤の中に投入し、該被覆種子を、前記誘導開
    始箇所から前記硬化槽の誘導終了箇所に向かって流れる
    前記硬化剤の中で移動させつつ、前記ゲル化剤を前記硬
    化剤と反応させて硬化させ、ゲル化剤が硬化した前記被
    覆種子を前記誘導終了箇所において前記硬化剤内から外
    部に出す被覆種子の硬化装置において、 前記誘導終了箇所から前記誘導開始箇所に向けて前記硬
    化剤を環流させる環流路と、 前記環流路中の硬化剤にタンク口が上方から臨むように
    配設され、前記硬化槽内の前記硬化剤の濃度を調整する
    ための濃度調整用硬化剤が貯留されるリザーブタンクと
    を備え、 前記環流路中の前記硬化剤の液面が前記タンク口から離
    間した時に、前記リザーブタンクから前記タンク口を通
    して前記濃度調整用硬化剤を自重により前記環流路中に
    流出させ、該環流路中の前記硬化剤の液面が前記タンク
    口に達した時に、前記タンク口を通して前記環流路中の
    前記硬化剤から受ける水圧により、前記リザーブタンク
    からの前記濃度調整用硬化剤の流出を停止させるように
    した、 ことを特徴とする被覆種子の硬化装置。
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