JP3093836B2 - ダイヤモンド膜作製方法 - Google Patents
ダイヤモンド膜作製方法Info
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Description
の少ない反応ガスを用いることによって作製する方法に
関する。
る。
反応ガスとしては、炭素原子を含む原料ガスと該原料ガ
スを希釈する希釈ガスを混合したものが用いられてい
る。また、前記混合ガスに酸素、ヘリウムなどの添加ガ
スを微量加えて用いることもある。
的気相成長法)装置を用いる場合においては、炭素原子
を含む原料ガスとしてメタンを用いる際、水素で希釈す
ることがダイヤモンド膜を作製する必要条件である。マ
イクロ波プラズマCVD装置は図1に示してあるよう
に、反応ガスをマイクロ波(周波数が2.45GHz)
によって励起することにより基板4上にダイヤモンド膜
を合成する方法であり、ダイヤモンド膜が合成される際
のメタン濃度は、0.5〜1.5%である。ダイヤモン
ド膜の成膜速度はメタン濃度に対応して増加するが、質
は逆に低下する。
モンド成膜では核発生とその後の成膜においてメタン濃
度を変える方法が用いられることもあるが、該方法であ
ってもメタン濃度は最大10%程度である。また、マイ
クロ波プラズマCVD法においては、ダイヤモンド膜合
成における基体または基板の温度は700〜900℃が
適しており、該温度以下では析出物がないことさえあ
り、また該温度以上では非ダイヤモンド成分が増大し、
黒鉛状になる。
は熱フィラメントCVD法がよく利用されている。該方
法とは、例えば図2に示すように石英反応管1に反応性
ガスをガス導入口2より流入し金属タングステン(また
はタンタル)製フィラメント3に電流を流し該フィラメ
ントを1500〜3000℃に加熱し熱電子を放出させ
ることによって基板4を700〜1300℃に加熱す
る。化学反応により基体または基板4上にダイヤモンド
膜を合成する方法である。この時、反応容器内の圧力は
1〜350Torrに維持されている。それゆえ、熱C
VD法は安価で手軽に行うことができる方法である。本
熱フィラメントCVD法においては、水素に対する原料
ガス濃度は、通常0.5〜2%である。また、酸素を添
加ガスとして用いることにより成膜速度は向上すること
がわかっているが、水素に対する酸素濃度は0.5%程
度が最適であり、それ以上になるとダイヤモンド膜が存
在しなくなってくる。
際、反応ガスとしてメタンなどの炭化水素ガスを用いる
と、水素で数%に希釈することが絶対に必要である。さ
らに、ダイヤモンド膜が合成される基体または基板は、
700℃以上に加熱されなければならない。
を含む原料ガス例えばメタン等は、爆発性の非常に高い
水素により希釈することが絶対に必要であり、危険性が
常に付きまとう。さらに、炭素を含む原料ガスとして炭
化水素を用いるために、可燃性が常に存在している。
たは基板の温度は700℃以上と高く、耐熱性の低い低
融点の物質上にダイヤモンド膜を合成することは非常に
困難であり、さらに、高温における成膜では基体または
基板を取り出した際の冷却により、ダイヤモンド膜にひ
びが生じ剥離の原因になる可能性がある。
性を考慮するために鋭利研究を重ねてきた結果、可燃性
の強い炭化水素を用いる必要なしにダイヤモンド膜を合
成することが可能である方法を発明した。すなわち、反
応ガスとしてOH基を含むアルコール類を用いることに
よっても、ダイヤモンド膜が合成されることがわかっ
た。さらに、鋭利研究を重ねた結果、アルコール類を反
応ガスとして用いるのであれば、水素で希釈せずとも膜
質の良いダイヤモンド膜を作成することができることが
わかった。このようにアルコール類100%でダイヤモ
ンド膜が成膜できるので、原料ガスが非常に安価にたや
すく手に入る方法によってダイヤモンド膜を合成するこ
とが可能になった。
てダイヤモンド膜を合成する方法においては、有磁場マ
イクロ波プラズマCVD装置を用いた場合に、最も効果
が顕著に現れる。すなわち、有磁場マイクロ波CVD法
は1Torr以下の減圧で行う方法であり、液体原料が
気化されやすい条件になっているからである。有磁場マ
イクロ波プラズマCVD装置の概略図を図3に示す。磁
場コイル7による磁界とマイクロ波導波管6から反応室
に導入されたマイクロ波の相互作用を利用してガス導入
口2より流入される反応性ガスを効率よく励起し、基板
4上にダイヤモンドを含む炭素膜またはダイヤモンド膜
を形成する。基板4は基板保持板を加熱することにより
外部コントロールされている。また、浮遊電界8を基板
4に加えることもできる。反応ガスとしてはメタン、一
酸化炭素、エチレン、メタノール、エタノールなどの通
常において気体または液体の炭化水素を水素で希釈した
ガスが用いられている。また、水、二酸化炭素、酸素を
少量添加したガスも用いられている。
100%を用いてダイヤモンド合成を行うが、この際、
バブリングをすることなしに加熱などの方法により液体
をガス化しなければならない。また、液体タンク内を減
圧にすることにより発生する蒸気圧を用いて反応室に一
定量ガスを送り出すことも、原料液体の蒸気圧によって
は可能である。
マイクロ波プラズマCVD装置を用いてダイヤモンド膜
の成膜を行った。該方法では1Torr以下で成膜を行うこ
とができるので、液体をガス化するには有利な方法であ
る。以下に成膜条件を示す。基板はφ100mmのSi
ウェハーを用いた。原料ガスとしてメタノール100c
cmを用いた。反応圧力は2.0×10-1Torr、基
板温度は800℃、処理時間は4hr、マイクロ波
(2.45GHz)出力3kW、最大磁場強度2kGa
uss。膜厚の測定は、成膜の際にSiウェハー上にマ
スキング用のダミーSiウェハーを置き、成膜された部
分とマスクにより成膜されなかった部分の段差により行
った。
μmであった。すなわち、成膜速度はおよそ0.75μ
m/hrであった。
分に成膜された膜の膜質をラマン分光法で測定した結果
を示す。1550cm-1付近にアモルファス状炭素膜の
ブロードなピークが存在しているが、1333cm-1に
ダイヤモンドの鋭いピークを確認することができ、ダイ
ヤモンド膜が成膜されたことがわかる。
1と同様の有磁場マイクロ波プラズマCVD装置を用い
てダイヤモンド膜成膜を行った。但し、本実験では基板
を冷却することにより、基板温度を100℃とした。そ
の他の条件は実施例1と同様であり、原料ガスとしてメ
タノール100ccmを用いた。反応圧力は2.0×1
0-1Torr、処理時間は10hr、マイクロ波(2.
45GHz)出力3kW、最大磁場強度2kGauss
とした。
示す。アモルファス状のピークがほとんど見られなくな
っており膜質の良いダイヤモンド膜であることがわか
る。
μm 、成膜速度はおよそ0.1μm/hrであった。従
来、800℃前後の高温で成膜を行うと、実施例1に示
すように成膜速度が0.5〜0.8μmであるので、基
板温度を低温にすることにより膜質は向上するが、成膜
速度は減少することがわかる。しかし、従来の高温成膜
において見られることのあったダイヤモンド膜の剥離現
象はほとんど見られることは無くなった。
用いないマイクロ波プラズマCVD装置を用いてダイヤ
モンド膜の合成を行った。該マイクロ波プラズマCVD
装置の概略図を図1に示す。磁場を用いていないため非
常に簡易な装置になっており、安価である。しかしなが
ら、有磁場マイクロ波プラズマCVD法とは違い、ダイ
ヤモンド膜を均一に合成することができる大きさはφ1
cm程度と非常に小さい。しかし、機械的な工夫、例え
ば、基板保持台を移動させながら成膜する等の方法を取
ることにより大面積上にダイヤモンド膜を合成すること
は可能になる。また、流量コントローラとして微差圧仕
様のものを用いることにより、反応圧力が10Torr
以上と高くても安定に原料ガスを供給できる。
反応ガスとしてメタノール100ccm、マイクロ波
(2.45GHz)出力 600W、基板はφ2cmの
Siウェハー、基板温度750〜850℃、処理時間4
hrとした。
そ2.5μmであり、成膜速度はおよそ0.6μm/h
rであった。前記した膜厚は最大膜厚部分であり、膜厚
のばらつきは±50%程度であった。
を図6に示す。アモルファス状炭素膜のラマンピークが
顕著であり、あまり膜質の良いダイヤモンド膜ではない
が1333cm-1付近にピークが見られるためダイヤモ
ンド成分が膜中に含まれていることが確認でき、この方
法でもダイヤモンド膜の作製が可能であることを示し
た。
高い水素を用いることなく、さらに可燃性の強い炭化水
素ガスを用いることなく、ダイヤモンド膜を作製するこ
とができるようになった。また、反応ガスとして通常で
は液体である材料を用いるため高圧ボンベなどを用いる
必要がなく安全である。さらに、排気ガスの処理も従来
水素で希釈していた時より、簡便な方法で行うことがで
きるようになった。その上、低級アルコールは非常に安
価なため、ダイヤモンド膜を安価な原料で合成できるよ
うになった。
成されるようになったため、低融点の金属等耐熱性の低
い基体または基板上にダイヤモンド膜を合成することが
できるようになり、さらに熱膨張率が高いためにダイヤ
モンド膜が剥離していた基板上にも剥離せずにダイヤモ
ンド膜を合成できるようになった。
す。
を示す。
て、基板温度800℃で成膜したダイヤモンド膜のラマ
ンスペクトルを示す。
て、基板温度100℃で成膜したダイヤモンド膜のラマ
ンスペクトルを示す。
たダイヤモンド膜のラマンスペクトルを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】有磁場マイクロ波プラズマCVD法を用い
てダイヤモンド膜を作製する方法において、 反応ガスとしてアルコール類のみを用いる ことを特徴と
するダイヤモンド膜作製方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 ダイヤモンド膜が合成される基体または基板の温度が2
00℃以下であることを特徴とするダイヤモンド膜作製
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03290724A JP3093836B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | ダイヤモンド膜作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03290724A JP3093836B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | ダイヤモンド膜作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0597583A JPH0597583A (ja) | 1993-04-20 |
JP3093836B2 true JP3093836B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=17759707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03290724A Expired - Fee Related JP3093836B2 (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | ダイヤモンド膜作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3093836B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7622151B2 (en) * | 1999-02-10 | 2009-11-24 | Auburn University | Method of plasma enhanced chemical vapor deposition of diamond using methanol-based solutions |
-
1991
- 1991-10-08 JP JP03290724A patent/JP3093836B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0597583A (ja) | 1993-04-20 |
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