JP3092065B2 - 無接点icカードのリーダ・ライタ及びそれを組み込んだパチンコの台間玉貸機 - Google Patents

無接点icカードのリーダ・ライタ及びそれを組み込んだパチンコの台間玉貸機

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JP3092065B2 JP5340799A JP5340799A JP3092065B2 JP 3092065 B2 JP3092065 B2 JP 3092065B2 JP 5340799 A JP5340799 A JP 5340799A JP 5340799 A JP5340799 A JP 5340799A JP 3092065 B2 JP3092065 B2 JP 3092065B2
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信二 大木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無接点ICカード
にデータを読み書きするのに適したリーダ・ライタに関
し、特にカードの取り込み、返却及び回収機構に工夫を
加えたリーダ・ライタに関する。
【0002】
【従来の技術】ICカードはCPU等の能動素子を含む
ことからセキュリティー面での性能が磁気カードに比べ
て格段に高く、このためICカードはさまざまなデータ
を格納しかつ処理する媒体として用いられており、最近
に至っては、ICカードに格納したデータを現金の代わ
りとして用いることも行われ出している。ICカードを
現金の代わりとして用いることは、あらゆる産業に広が
りつつあるが、例えばパチンコ業界においては、玉貸機
に適用されている。
【0003】玉貸機によるパチンコ玉の貸し出しは、最
初のころは現金を投入することによって行われていた
が、近年に至って、パチンコ店の経理把握や利用客の利
便性等を考慮してプリペイドカードの導入が行われた。
しかしプリペイドカードはセキュリティー面での機能が
それほど高くないため、偽造カードが続出し、社会問題
化するに至った。このためパチンコ業界ではセキュリテ
ィーに優れたICカードに着目し、玉貸機の購入媒体を
プリペイドカードからICカードに切り替えることを構
想し、一部実用化もされている。
【0004】ICカードへの切り替えによって不正行為
の発生率は格段に低下することが期待されるものの、不
正行為を行う意思を持つ者が高度な技術を有する場合に
は、たとえICカードであっても不正行為を完全に防止
することはできず、このための新たな対策が必要とな
る。本出願人は、不正行為の発生原因の多くが、残高ゼ
ロとなったICカードが利用客の手元に戻されることに
あると考え、残高ゼロとなったICカードを玉貸機内部
に回収する技術の開発を進め、またそれと同時にICカ
ードを使用する際の問題点についても検討してきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような検討を行っ
た結果、ICカードを使用する際の問題点はICカード
自体の問題とICカードのリーダ・ライタの問題とに分
けられ、これらはそれぞれ次のような問題を有している
との認識を得た。ICカード自体の問題に関しては、接
触不良等による読み取り不良が挙げられる。接触不良の
主な原因は表面露出した信号授受端子に水滴や汚れがつ
くためであり、特にパチンコホールの中では煙草の煙等
もカード表面に付着することによって接触不良原因とな
る。また、カードの機械的強度が脆く、パチンコホール
内での乱雑なカードの取り扱いに対する耐久性が不足し
ているという問題がある。
【0006】リーダーライターの問題に関しては、IC
カードのリーダーライターへの取り込みタイミングの問
題と、カードの取り込みのための構造及び返却、更には
使用済みカードの装置内への回収の構造に関する問題が
挙げられる。まず取り組みタイミングの問題とは次のよ
うなものである。従来のリーダ・ライタにおいては、リ
ーダ・ライタ内へのカードの取り込みは、例えばリーダ
・ライタのカード挿入口に設けた一対の送りローラー間
にカードの前端を挟み込むと同時にカードを所定長さ引
き込む過程で、カード前端の側面に設けた信号授受端子
に読み取り側の端子を接触させて、カード内データの一
部を読み込み、カードのチェックを行っているが、この
ときカードを引き込むタイミングとカード内データを読
み出すタイミングとを合わせることが難しく、読み込み
エラーや引込動作の作動不良を起こしやすい。また、カ
ードの返却及び使用済みカードの装置内への回収の機構
が複雑であるとともに、随所に設けられたカードを送り
用のローラーが摩耗しやすく耐久性にも問題がある。
【0007】本発明者等は、上記問題を解決する手段に
ついて考察したところ、前者のICカード自体の問題に
ついては、既に公知となっている無接点ICカードを用
いることによって解決できると考えた。また後者のリー
ダーライターの問題については、ICカードとして無接
点ICカードを用いることを前提とした工夫が必要にな
ると考えた。本発明はかかる考察を基にしてなされたも
ので、無接点ICカードを読み書きするリーダ・ライタ
であって、読み取りエラーや機械的な作動不良がなく、
構造が簡単で長期間にわたる使用にもトラブルが発生し
ない無接点ICカードのリーダ・ライタを提供せんとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するにあたって、リーダ・ライタの装置内からロー
ラ等の送り機構を排除し、リーダ・ライタ内へのカード
の取り込み、回収動作に駆動源を用いることなく、基本
的にカードの自重のみによって、これら動作を行うこと
を着想した。そしてこれら取り込み及び回収機構を設計
するにあたっては、無接点ICカードの性質、即ち、カ
ードからのデータの読み出しに際し、高度な位置決め精
度を必要としないことを最大限利用することにした。こ
のような考え方に立脚して完成された本発明は次の構成
を有する。
【0009】請求項1記載の発明は、前面にカード厚み
に対して余裕幅を有するカード挿入口を、その背後に当
該カード挿入口から挿入したカードを一時的に収容する
カード収容空間を設け、当該カード収容空間の底部にお
けるカード挿入口の背後位置から所定範囲を、カード挿
入方向奥側に向かって下方へ傾斜する傾斜滑走面にて構
成し、この傾斜滑走面にて停止位置にまで案内された又
は案内途上のカードからカード内格納データを非接触で
読み出す無接点読出手段を設け、この無接点読出手段に
て読み出されたデータに基づきカード内格納データの更
新あるいはチェックを行うとともに、カードの返却又は
回収を判断する判断手段を設け、カード挿入口を通じて
カード収容空間外部にカードを返却する返却手段、又は
カード収容空間底部を開放させて自重によりカードを下
方へ落下させて回収する回収手段への作動指令を前記判
断手段の判断結果に基づいて制御してなることを特徴と
している。
【0010】このような構成のリーダ・ライタのカード
挿入口にカードが挿入されると、カード挿入口はカード
厚みに対して余裕幅を設けているので、カードは簡単に
カード挿入口を通過する。カード挿入口を通過したカー
ドはカード収容空間に入り、当該空間の底部を構成する
傾斜滑走面を自重によりすべり落ちて停止位置にまで案
内される。この間の作動力は自重のみであり、モーター
等の駆動源による作動力は全く関与していない。この傾
斜滑走面をすべり落ちる途上又は停止位置にまで到達し
たカードに対して無接点読出手段が非接触でカード内デ
ータの読み出しを行う。非接触で読み出すため読み出し
位置を特に厳密に定める必要はない。カード内データが
読み出されると、この読み出したデータに基づいてカー
ドに対する次の操作が選択される。すなわちカード内格
納データを更新又はチェックしたのち、カード内データ
に残数があればカードを返却し、他方、残数がなければ
カードを装置内部に回収する。カードの返却はカード挿
入口を通じてを行う。またカードの回収は、カード収容
空間底部を開放させてカードを自重により落下させるこ
とによって行う。
【0011】請求項2記載の発明は、傾斜滑走面の傾斜
角度を水平線に対して10°〜40°に設定にしたもの
である。傾斜角度をこのような範囲とすることで、カー
ド挿入口からカード読み取り位置にまでカードを確実に
移送できる。
【0012】請求項3記載の発明は、カード挿入口の手
前側に、当該カード挿入口へのカード挿入を案内する案
内溝を設け、この案内溝の前端縁を挿入前の水平姿勢に
あるカードを傾斜姿勢に切り換える回動支点となした挿
入案内ガイドを付設したものである。これにより、カー
ドのカード挿入口への挿入は挿入案内ガイドの案内溝に
カードを沿わせ、当該案内溝の前端縁を支点として回動
させることにより容易に行うことができる。
【0013】請求項4記載の発明は、挿入案内ガイドの
案内溝を傾斜滑走面と同角度で傾斜させるとともに傾斜
滑走面の延長線上に位置づけたものである。この場合、
挿入案内ガイドの案内溝にセットされたカードはスムー
ズにカード挿入口に導かれる。
【0014】請求項5記載の発明は、カードをカード挿
入口を通じて返却する手段として定角度範囲内で往復旋
回動作する回動レバーを用い、且つこの回動レバーをカ
ード収容空間内へのカードの収容を許容する格納位置と
カード挿入口を通じてカードをカード収容空間外部に排
出する排出位置とに2位置的に切り換え制御されるもの
を用いることとしたものである。
【0015】請求項6記載の発明は、カード収容空間底
部に設けた開閉扉が回収手段の一部又は全部を構成する
ようにしたものである。この場合、傾斜滑走面を自重に
より滑り落ちてカード収容空間底部にまで導かれたカー
ドは、カードを収容空間底部が開放することにより、そ
のまま下方へ自重により落下することになる。
【0016】請求項7記載の発明は、開閉扉に傾斜滑走
面を兼ねさせたものである。この場合、傾斜滑走面を滑
り落ちて到達したカード収容空間底部自体も傾斜滑走面
を構成する一部又は全部である。
【0017】請求項8記載の発明は、傾斜滑走面表面に
突条を定間隔で多設し、カードとの接触を点接触とした
ものである。この場合、カードと傾斜滑走面との摩擦抵
抗は小さく、カードの滑走はスムーズに行われる。
【0018】請求項9記載及び請求項10記載の発明
は、判断手段の配置位置に特徴を与えたものである。即
ち、請求項9記載の発明は、カード収容空間を囲むケー
ス部材を構成する部材内部に判断手段を埋め込んだもの
であり、請求項10記載の発明は、ケース部材の外側に
判断手段を配置したものである。
【0019】請求項11記載の発明は、カード収容空間
を囲むケース部材内面の少なくともICカードが接触す
る部分を粗面加工したものである。これにより、カード
が静電気を帯びたケース部材に吸引されることがあって
も、カードはケース部材内面に密着しないので自重によ
るカードの滑走や落下は確実になされる。
【0020】請求項12記載の発明は、前記請求項1〜
11記載の発明であるリーダ・ライタを組み込んでパチ
ンコの台間玉貸機を構成したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示した実
施例に基づき説明する。尚、以下の説明ではパチンコの
台間玉貸機に組み込まれるリーダ・ライタを例に挙げて
説明するが、本発明のリーダ・ライタは、カード内格納
データの残数がゼロになったときに装置内部にカードを
回収し、他方、残数がある場合にはカードを利用者に返
却するという動作態様をとるものであれば、他のもので
あっても適用できる。台間玉貸機Pは図1に示すよう
に、隣接するパチンコ台の間に挟まれて設置されるもの
で、パチンコ台の密集した配置を可能とするために、そ
の幅は極めて薄いものとなっている。本発明のリーダ・
ライタAは、図2に示すようにこのような台間玉貸機P
に組み込まれ、前方からICカードBを出し入れして使
用される。そしてリーダ・ライタAに挿入されたICカ
ードBは、リーダ・ライタA内に取り込み、格納データ
のチェックを行ったのち、利用者の購入玉数の指定を受
けた処理を行う。リーダ・ライタAはこのような処理を
行うと同時にあるいは行った後に、カード内に記録され
た玉数データあるいは金額データのチェックを行い、残
数がゼロでなければカードBを利用者に返却し、他方、
残数がゼロとなったり不正カードであることを発見した
場合には、図3に示すように、カードBを下方へ自重に
より落下させて例えば装置底部に集積し、その集積量が
一定量以上となればベルトコンベヤ等の搬送手段Cによ
って装置外部に取り出すものである。尚、装置外部への
取り出しは一定量集積することを待たずに、カードが落
下する毎に行う場合もある。リーダ・ライタAの動作概
要はこのようなものであるが、その構造は次のようなも
のである。
【0022】図4はリーダ・ライタAの台間玉貸機Pへ
の取り付け姿勢を示すと同時にその内部構造の概略と、
挿入されたカードBの移動経路と姿勢変化を示してい
る。本リーダ・ライタAは 図示するように傾斜した姿
勢で台間玉貸機Pに組み込まれる。図5〜図7は図面相
互の対応関係が明確となるよう傾斜姿勢を水平姿勢に変
えて表したもので図5は正面図、図6は左側面図、図7
は右側面図を表している。また、図8は図5におけるI
−I断面図、図9はII−II断面図である。
【0023】リーダ・ライタAは、その前面にカード厚
みに対して余裕幅を有するカード挿入口1を有し、その
背後に前記カード挿入口1から挿入したカードを一時的
に収容するカード収容空間2を設けている。そしてこの
カード収容空間2の底部には、ほぼその全域に渡ってカ
ード挿入方向奥側に向かって下方へ傾斜する傾斜滑走面
3となしている。また、リーダ・ライタAには傾斜滑走
面3を滑り落ちてカードの進行を停止する位置にまで案
内されたカードあるいは案内途上のカードに対して、カ
ード内格納データを読み出すための無接点読出手段(図
4では図示せず)と、この手段によって読み出したカー
ド内格納データの内容に従って、カードの返却又は回収
を判断する判断手段(図示せず)を設けている。更に、
リーダ・ライタAはカード収容空間2に導入されたカー
ドを前記カード挿入口1を通じてカード収容空間2外部
にカードを返却する返却手段4と、カードを落下させて
回収する回収手段5も備えている。本実施例では回収手
段5は傾斜滑走面3を構成する部材を兼ねている。以
下、これら各部の詳細について説明する。
【0024】カード挿入口1の開口幅は挿入するカード
厚みに対して余裕幅を与えている。この開口幅は3mm
〜5mm程度の幅に設定することが好ましく、ICカー
ドBの厚みに対して1.5倍〜3倍の範囲に設定するこ
とが好ましい。開口幅が広いことでカードの挿入が容易
となる。一方、開口幅が広いことはカードを定姿勢に保
つ上では不利であるが、本発明は読み取り手段として非
接触で読み取ることができる無接点読出手段を用いてい
るため、定まった姿勢を厳密に維持する必要はない。本
実施例では、カード挿入口1の手前に、カードBのカー
ド挿入口1への挿入を案内する挿入案内ガイド6を設け
ている。この挿入案内ガイド6は図10の断面図に示す
ように案内溝6aを有している。案内溝6aは少なくと
もカード挿入口1との接続部においてはカード挿入口1
の開口幅と同幅に設定されるが前端側は同幅であって
も、また幅広となっていてもよい。案内溝6aの前端6
bは、水平姿勢で挿入を待機しているカードBの姿勢を
傾斜姿勢に変更する際の回動支点として利用される。こ
のような挿入案内ガイド6がカード挿入口1の手前に存
在することで、カードBの挿入が極めて容易となる。ま
た、案内溝6aの傾斜角度αを傾斜滑走面3と同角度と
なし、傾斜滑走面3の延長線上に案内溝6aが位置づけ
られるようにすると、カード挿入口1へのカードBの案
内はよりスムーズとなる。
【0025】カード挿入口1の背後には、ケース8を外
装体とするリーダ・ライタAの本体部7が配置されてい
る。本実施例ではケース8としてPVC樹脂を用い、組
み合わせ後にカード収容空間2となる凹部を形成した板
材を対面させて貼り合せてビス止め8aした構成として
いる。.ケース8内には、カード挿入方向奥部に向かっ
て下方へに傾斜する傾斜滑走面3を底部とし、上部をカ
ードBを当接させて案内する案内路9によって規制した
カード収容空間2が形成されている。案内路9にはカー
ド挿入口1から挿入されたカードBの先端角部が接触し
て案内されることでカードBの傾斜姿勢への姿勢変更を
支援する。傾斜滑走面3は、カード挿入口1から挿入さ
れたカードBをその上面を滑らせて本収容空間の奥部に
まで到達させるためのものであり、本実施例ではカード
収容空間2の底部のほぼ全長が傾斜滑走面3となってい
る。また本実施例では傾斜滑走面3は、カード挿入方向
に沿った回転軸5aを有する板状の回転部材によって形
成し、前記回転軸5aを所定角度回転させることで収容
空間底部を開放し、この開放箇所を通じてカードBを下
方へ落下させてカードBを回収する構成を採用してお
り、傾斜滑走面3は回収手段5を兼ねた構成となってい
る。傾斜滑走面3と回収手段5は別々に設けてもよい
が、省スペース化を図る観点からは兼用することが好ま
しい。
【0026】回収手段5でもある傾斜滑走面3の表面に
は多数の突条3aを定間隔で設けている。これにより、
傾斜滑走面3とカードBとの接触は点接触となり、摩擦
抵抗が小さくなって滑走が円滑になる。摩擦抵抗を軽減
する手段として、傾斜滑走面3に表面処理を行うことや
滑りやすい素材を用いることなども適時選択される。傾
斜滑走面3は図11に示すようにステッピングモーター
5b(図示せず)に連結された回転軸5aに90°の角
度差を設けて取り付けられた翼状の二枚の板材の一枚に
よって構成されている。ここで傾斜滑走面3と90°の
角度差で設けられている他方の板材5cは図9,12,
13に示すようにケース8内面の片面側に静電気によっ
てICカードBがケース8内面に吸着して、落下動作を
阻害することを、ICカードBを強制的に吸着した面か
ら引き離すことで、防止せんとするものである。したが
ってこの板材5cの取り付け関係はICカードBが吸着
しやすい面が左右いずれであるかによって変わる。ここ
ではICカードのケース8内面への吸着を板材5cで引
き離すという機械的手段を用いたが、吸着防止策として
は、例えばケース内面を粗面加工すること等も考慮され
る。
【0027】傾斜滑走面3の傾斜角度θは、水平線に対
して10°〜40°の範囲に設定することが好ましい。
傾斜角度は傾斜滑走面3の摩擦係数をも考慮して設定さ
れる。傾斜角度が10°未満であると、滑走途上でカー
ドBが停止する恐れがあり、他方、40°を超えると
を、滑走スピードが早すぎて装置としての高級感がない
うえに使用しずらい。
【0028】返却手段4は、カード収容空間2内の定位
置で停止していカードBを、カード挿入口1を通じて外
部へ排出する機能を有している。図例の返却手段4は、
ケース8の外側面に取り付けたステッピングモーター4
aの回転軸をケース8内に貫通させ、その先端に定角度
範囲内で往復旋回動作する回動レバー4bを設けた構成
であり、その動作はカードBを定位置で受け入れる格納
位置qとカード挿入口1を通じてカードをカード収容空
間外部に排出する排出位置rとに2位置的に切り換え制
御される。返却手段4としては、他のものを用いても良
く、例えば駆動源にロータリーソレノイドを用いたり、
あるいは回動レバーに代えて進退する直進ロッドを用い
てもよい。
【0029】カード挿入口1から挿入され、カード収容
空間2に一旦収容されたICカードBは、所定の処理を
経た後、回収手段5によって装置底部に落下させられる
か、あるいは返却手段4によってカード挿入口1を通じ
て利用者に返却されたりするが、いずれを選択するかの
判断は、無接点読出手段によってカード内格納データを
読み出し、且つこの読みだしたデータを解析することに
よって行われる。使用するICカードBが従来の有接点
ICカードであれば、これら解析に関係する部分のう
ち、少なくともカードからデータを読み出す読出手段
は、カードとの正確な位置での接触が必要となるため、
自ずとその設置位置は制限されることとなっていたが、
本発明のように、無接点ICカードを用いるものにあっ
ては、その配置位置に関する制約は少ない。例えば無接
点読出手段Zやそれによって得られたデータを解析して
判断を下す判断手段は図6,7に示すようケース8外部
に設けることもできるし、またケース8そのものの構成
部材に埋め込んでもよい。特にケース構成部材中に埋め
込んだ場合、リーダ・ライタの薄型化が容易となり、細
幅である台間玉貸機Pに適したリーダ・ライタとなる。
【0030】無接点ICカードとしては磁気により結合
を行うもの及び電波により結合を行うもの等が採用でき
る。本発明においては、ICカードBが無接点ICカー
ドであることから、カード収容空間2内へのカード収容
に関して厳密な位置決めは必要ない。
【0031】本実施例のリーダ・ライタAは以上の構成
を有するが、その動作態様を図14〜19を参照して説
明すると次のようなものである。 (図14)リーダ・ライタはカードBを受け入れるため
の待機状態にある。リーダ・ライタは待機状態にある
が、従来のリーダ・ライタのようにカードを迎えるため
ローラー等の機械部品が待機状態となることはない。ま
たこの状態では、回収手段5は閉鎖している。 (図15)カードBの挿入が開始される。カードBの挿
入は、カードの下縁を挿入案内ガイド6の前端6bにあ
てがい、この前端6bを回動支点として回動させる。 (図16)カードBが傾斜滑走面3に沿ってを滑走し始
める。 (図17)カードBは、格納位置qに位置する回動レバ
ー4bにその前端が当たって停止する。この状態では、
カードBは、その全長を回収手段5でもある傾斜滑走面
3のうえに位置している。この停止状態にあるときに無
接点読出手段Zによってカード内格納データが読み出さ
れる。データの読み出しは磁気結合等を利用して非接触
で行われるので、読み出しに際して、カードに高度な位
置決め精度が要求されることはない。 (図18)無接点読出手段Zによって読み出されたデー
タを解析した結果、回収の作動指令が出力されたならば
回収手段5が作動してカードBをが装置底部に向けて回
収する。回収は傾斜滑走面3でもある回収手段5を開放
することによって行い、開放によって開いた空間からカ
ードBを落下させることで行う。ここでは単に落下させ
るだけであるが、落下経路を案内する補助部材を設けて
もよい。また回収手段5が開放するとき、板材5cも回
転してケース8内面に静電気により吸着しているICカ
ードBを静電気により吸着しているICカードを引き離
す。 (図19)無接点読出手段Zによって読み出されたデー
タを解析した結果、返却の作動指令が出力されたならば
返却手段4である回動レバー4bを所定角度回動させて
カードBの前端を押して、カードBをカード挿入口1か
ら外部へと押し出す。
【0032】本発明のリーダ・ライタの変形例として
は、図20、図21、図22で示すもの等が考えられ
る。例えば、図20は、挿入案内ガイドを設けず、また
本体部20の形状を変化させたものである。また図21
はカード挿入口へのカードの挿入姿勢を斜めにした場合
である。更に、図22は図20の変形例において、挿入
案内ガイド46を付設した場合である。本発明は、この
他、様々な変形例も考慮され、例えばカードの挿入姿勢
を上記実施例及び変形例のように垂直姿勢とするのでは
なく水平姿勢とすることも考慮される。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、カード挿入口か
ら挿入された無接点ICカードを、傾斜滑走面を伝わせ
て、カード収容空間内所定位置まで自重に起因する滑走
力により移送することとなし、この移送途上あるいは移
送終了後に無接点読出手段を用いてカード内格納データ
を読み出し、その後、カードを回収する際には、自重に
より落下させて回収することとしたので、送りローラの
摩耗等の機械的なトラブル発生要因が極めて少なく、過
酷な環境下での使用や長期間にわたる使用にも確実な動
作が保証できる耐久性に優れたリーダ・ライタが得られ
る。
【0034】請求項2記載のように、傾斜滑走面の傾斜
角度を水平線に対して10°〜40°に設定にした場
合、傾斜滑走面をカードは、より確実に移送される。
【0035】請求項3記載のように、カード挿入口の手
前側に、カードの挿入を案内する挿入案内ガイドを付設
した場合、カード挿入口へのカードの挿入はより簡単に
なる。
【0036】請求項7記載の発明のように、開閉扉に傾
斜滑走面を兼ねさせた場合、部品点数が少なくなるとと
もに装置の小型化に寄与することができる。
【0037】請求項8記載の発明のように、傾斜滑走面
表面に突条を定間隔で多設してカードとの接触を点接触
とした場合、カードと傾斜滑走面との摩擦抵抗は小さく
なり、カードの滑走はスムーズとなる。
【0038】請求項9記載の発明は、カード収容空間を
囲むケース部材を構成する部材内部に判断手段を埋め込
んだ場合、装置の薄型化が可能となる。
【0039】請求項10記載の発明は、カード収容空間
を囲むケース部材内面の少なくともICカードが接触す
る部分を粗面加工した場合、ケースに静電気が発生して
もICカードが吸着することがないので、カードの落下
を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 台間玉貸機の配置状態を示す説明図
【図2】 台間玉貸機に組み込まれたリーダ・ライタを
示す説明図
【図3】 本発明のリーダ・ライタを組み込んだ台間玉
貸機の概要を示す模式図。
【図4】 本発明のリーダ・ライタの一実施例における
装置構成の概略と、ICカードの姿勢変化を示す説明図
【図5】 同実施例のリーダ・ライタを水平姿勢にして
表現した正面図
【図6】 同姿勢のリーダ・ライタの左側面図
【図7】 同姿勢のリーダ・ライタの右側面図
【図8】 図5におけるI−I断面図
【図9】 図5におけるII−II断面図
【図10】 挿入案内ガイドの拡大説明図
【図11】 傾斜滑走面と回収手段とを兼ねた部材の斜
視図
【図12】 ケース内面に吸着したICカードをケース
内面から引き離す方法を示す説明図
【図13】 ケース内面に吸着したICカードをケース
内面から引き離す方法を示す説明図
【図14】 本発明のリーダ・ライタの一実施例の動作
態様を示す説明図
【図15】 本発明のリーダ・ライタの一実施例の動作
態様を示す説明図
【図16】 本発明のリーダ・ライタの一実施例の動作
態様を示す説明図
【図17】 本発明のリーダ・ライタの一実施例の動作
態様を示す説明図
【図18】 本発明のリーダ・ライタの一実施例の動作
態様を示す説明図
【図19】 本発明のリーダ・ライタの一実施例の動作
態様を示す説明図
【図20】 本発明のリーダ・ライタの変形例の概念図
【図21】 本発明のリーダ・ライタの変形例の概念図
【図22】 本発明のリーダ・ライタの変形例の概念図
【符号の説明】
P 台間玉貸機 A リーダ・ライタ B ICカード Z 無接点読出手段 1 カード挿入口 2 カード収容空間 3 傾斜滑走面 4 返却手段 5a 回転軸 5b ステッピングモーター 5c 板材 4a ステッピングモーター 4b 回動レバー 5 回収手段 6 挿入案内ガイド案内溝6a 7 本体部 8 ケース 8a ビス止め 9 案内路 q 格納位置 r 排出位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06K 17/00 G06K 19/00 A63F 7/02 B42D 15/02,15/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面にカード厚みに対して余裕幅を有す
    るカード挿入口を、その背後に当該カード挿入口から挿
    入したカードを一時的に収容するカード収容空間を設
    け、当該カード収容空間の底部におけるカード挿入口の
    背後位置から所定範囲を、カード挿入方向奥側に向かっ
    て下方へ傾斜する傾斜滑走面にて構成し、この傾斜滑走
    面にて停止位置にまで案内された又は案内途上のカード
    からカード内格納データを非接触で読み出す無接点読出
    手段を設け、この無接点読出手段にて読み出されたデー
    タに基づきカード内格納データの更新あるいはチェック
    を行うとともにカードの返却又は回収を判断する判断手
    段を設け、カード挿入口を通じてカード収容空間外部に
    カードを返却する返却手段、又はカード収容空間底部を
    開放させて自重によりカードを下方へ落下させて回収す
    る回収手段への作動指令を前記判断手段の判断結果に基
    づいて制御してなる無接点ICカードのリーダ・ライ
    タ。
  2. 【請求項2】 傾斜滑走面の傾斜角度が水平線に対して
    10°〜40°である請求項1記載の無接点ICカード
    のリーダ・ライタ。
  3. 【請求項3】 カード挿入口の手前側に、当該カード挿
    入口へのカード挿入を案内する案内溝を設け、この案内
    溝の前端縁を挿入前の水平姿勢にあるカードを傾斜姿勢
    に切り換える回動支点となした挿入案内ガイドを付設し
    た請求項1又は2記載の無接点ICカードのリーダ・ラ
    イタ。
  4. 【請求項4】 挿入案内ガイドの案内溝を傾斜滑走面と
    同角度で傾斜させるとともに傾斜滑走面の延長線上に位
    置づけた請求項3記載の無接点ICカードのリーダ・ラ
    イタ。
  5. 【請求項5】 返却手段が定角度範囲内で往復旋回動作
    する回動レバーであり、カード収容空間内へのカードの
    収容を許容する格納位置とカード挿入口を通じてカード
    をカード収容空間外部に排出する排出位置とに2位置的
    に切り換え制御されるものである請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の無接点ICカードのリーダ・ライタ。
  6. 【請求項6】 カード収容空間底部に設けた開閉扉が回
    収手段の一部又は全部を構成する請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の無接点ICカードのリーダ・ライタ。
  7. 【請求項7】 開閉扉が傾斜滑走面を兼ねている請求項
    6記載の無接点ICカードのリーダ・ライタ。
  8. 【請求項8】 傾斜滑走面表面に突条を定間隔で多設
    し、カードとの接触を点接触とした請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の無接点ICカードのリーダ・ライタ。
  9. 【請求項9】 カード収容空間を囲むケース部材を構成
    する部材内部に判断手段を埋め込んだ請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の無接点ICカードのリーダ・ライ
    タ。
  10. 【請求項10】 カード収容空間を囲むケース部材の外
    側に判断手段を配置した請求項1〜のいずれか1項に
    記載の無接点ICカードのリーダ・ライタ。
  11. 【請求項11】 カード収容空間を囲むケース部材内面
    の少なくともICカードが接触する部分を粗面加工した
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の無接点ICカー
    ドのリーダ・ライタ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の無接点ICカードのリーダ・ライタを組み込んだパチ
    ンコの台間玉貸機。
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