JP3092048B2 - ユニットバス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ユニットバスが設置
される建物の天井高さに対応させてユニットバスを組構
することが容易なユニットバスに関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】周知のように、ユニットバスが
設置される場所は、同じ住宅であっても１階と２階とで
は天井の高さが相異し、また、一戸建て住宅の場合と集
合住宅の場合でも天井高さが相異し、さらには、リフォ
ームするときにも天井の高さの相異が問題となることが
多いため、従来のユニットバスの場合には、同じシリー
ズのユニットバスでも、高さ寸法が異なる複数種類の壁
パネルを用意しておかなければならず、在庫管理が非常
に煩雑である、という問題を有していた。

【０００３】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、一種類の壁パ
ネルで、ユニットバス設置部の天井高さに対応させてユ
ニットバスを容易に組構することができ、以って、この
種のユニットバスの在庫管理が非常に簡素化されるユニ
ットバスを提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るユニットバスにあっては、浴槽取付
部と洗い場設置部とを有する防水パンの立ち上がり周壁
上端部と、上端部に天井パネルが接続可能な壁パネルの
下端部とを、高さ方向に調整自在な移動代を有してオー
バーラップさせ、該オーバーラップ量は、ユニットバス
設置部における天井高さに対応させて調整された後に、
該壁パネルの下端に形成された段部をボルトでユニット
バス設置部側に固定し、該ボルトの頭部は、上記壁パネ
ルの下端段部と防水パンの立ち上がり周壁上端部とで画
成された空隙部内に隠蔽するように構成したことを特徴
とするものである。

【０００５】

【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づき、この
発明を詳細に説明する。

【０００６】図１乃至図３は、この発明の第１実施例に
係るユニットバス１を示しており、この実施例に係るユ
ニットバス１は、浴槽２が据え付けられる浴槽取付部３
と洗い場４が取り付けられる洗い場設置部５とが一体形
成されてなる防水パン６の立ち上がり周壁部７から構成
されたハーフユニットＵと、上端部に天井パネル（図示
せず）が連結可能な壁パネル８と、から構成されてい
る。勿論、この浴槽取付部３と洗い場４とを別体で形成
し、現場等で連結するように構成してもよい。

【０００７】ハーフユニットＵの立ち上がり周壁部７
は、この実施例では、浴槽取付部３に据え付けられる浴
槽３の高さ寸法よりも高く形成されており、その上端部
には水平方向に延設されたフランジ部９が形成されてい
る。尚、図中、符号１０は、上記防水パン６の底部に配
設された高さ調整用のアジャスターボルトである。

【０００８】また、上記ハーフユニットＵの立ち上がり
周壁部７の内、洗い場側には、特に図示はしないが、水
栓等が取り付けられるカウンターが着脱自在に取り付け
られている他、シャワー取付金具等の必要な部品が取り
付けられるように構成されている。

【０００９】一方、上記壁パネル８は、ユニットバス設
置部の床面Ｆから天井までの高さ寸法からハーフユニッ
トＵの立ち上がり周壁部７の高さ寸法を差し引いた長さ
寸法よりも若干長めの長さ寸法を有した複数枚のパネル
材で形成されており、このパネル材の中には、ドアが開
閉自在に取り付けられる出入口用のパネル材や窓枠が形
成されたパネル材も含まれている。尚、この壁パネル８
の室内側表面は、平滑面で構成し、或は、タイル貼りし
て構成してもよい。

【００１０】このように構成された壁パネル８は、上記
したように、その上端部には天井パネル（図示せず）が
接続され、また、その下端部は、図２に示すように、Ｌ
字状に折曲形成されて段部１１が形成されている。

【００１１】この段部１１は、図２と図３に示す支持部
材１２によって支持されるように構成されている。

【００１２】この支持部材１２は、矩形状の長尺材で形
成されており、その上面には一対のボルト孔１３，１３
が形成されており、また、その下表面には、切断用の目
盛り１４が表示されて形成されている。

【００１３】それ故、この実施例に係るユニットバス１
をユニットバス設置部に組み立てる場合には、先ず、支
持部材１２をユニットバス設置部の高さ寸法に対応させ
て現場で切断する。

【００１４】次に、この切断された支持部材１２を所要
本用意し、これら各支持部材１２を、図２に示すよう
に、Ｌ型金具１５とボルト１６でユニットバス設置部の
床面Ｆに所要間隔毎に固定し、各支持部材１２を立設さ
せる。

【００１５】次に、上記各支持部材１２の上面に各壁パ
ネル８の段部１１を載置して、ボルト１７で両者を夫々
連結し固定する。

【００１６】このようにして各壁パネル８が各支持部材
１２の上面に固定された後、アジャスターボルト１０を
調整して水平度を出した上記防水パン６をユニットバス
設置部の床面Ｆに設置して定着させる。このとき、防水
パン６のフランジ部９が各壁パネル８の段部１１よりも
上方に位置するため、上記ボルト１７が該フランジ部９
によって隠蔽される。勿論、このフランジ部９と各壁パ
ネル８との間隙部は液密にシールされる。

【００１７】このようにして各壁パネル８が立設された
後は、各壁パネル８の上端部に天井パネルを連結する。

【００１８】尚、上記構成からなるハーフユニットＵ
を、ユニットバスの部材としてではなくハーフユニット
Ｕとして使用する場合には、図４に示すように、壁面Ｗ
に取り付けられた桟１８に取付具１９を固着し、この取
付具１９の下面に上記立ち上がり周壁部７のフランジ部
９をボルト２０で連結してユニットバス設置部の壁Ｗに
直接取り付ければよい。

【００１９】図５と図６は、この発明の第２実施例に係
るユニットバス１を示しており、この実施例に係るユニ
ットバス１は、第１実施例で示したハーフユニットＵの
立ち上がり周壁部７のフランジ部９を廃止して、垂直面
のみで形成すると共に、壁パネル８の室内側下部に、タ
イルパネル等で形成されたパネル材２１を一定距離離間
させて配設し、該パネル材２１と壁パネル８との間に形
成される間隙部２２に上記立ち上がり周壁部７の上端部
を挿入することで、壁パネル８と天井パネル２３とで構
成される上ユニットを、ユニットバス設置部の天井高さ
に対応させて昇降調整できるように構成した他は、他の
構成・作用は、上記第１実施例と同様であるので、図面
には、第１実施例と同一の符号を付して、その詳細な説
明をここでは省略する。

【００２０】勿論、上記上ユニットの高さが位置決めら
れた場合には、上記壁パネル８の下端部を前記支持部材
１２に固着してもよく、または、ビス等で壁パネル８と
立ち上がり周壁部７およびパネル材２１とを一体に連結
して固定してもよい。

【００２１】図７乃至図９は、この発明の第３実施例に
係るユニットバス１を示しており、この実施例に係るユ
ニットバス１は、第１実施例で示したハーフユニットＵ
の立ち上がり周壁部７のフランジ部９を廃止して垂直面
２５で形成すると共に、この垂直面２５の内側に壁パネ
ル８を連結するための複数本のリューズネジ２６が所要
間隔毎に立設され、また、該垂直面２５と重合する壁パ
ネル８の下部には、上記リューズネジ２６を挿通するた
めの複数個の小孔２７が所要間隔毎に開設されている。

【００２２】それ故、この実施例に係るユニットバス１
にあっては、壁パネル８をユニットバス設置部の天井高
さに対応させてハーフユニットＵの垂直面２５に重合さ
せ、該壁パネル８の小孔２７に上記リューズネジ２６に
挿通した後、該リューズネジ２６にナット２８を螺合さ
せ、これを緊締することで、壁パネル８を上記垂直面２
５に固着することができる。

【００２３】この後、浴槽２を浴槽取付部３に設置し、
該浴槽２のフランジ部２ａを壁パネル８に当接させてシ
ールすることで、上記壁パネル８と垂直面２５との重合
部が隠蔽されるので、外観が損なわれることはない。勿
論、上記リューズネジ２６に代えて一般的なボルトナッ
トで上記壁パネル８と垂直面２５との重合部を連結して
もよい。

【００２４】尚、上記各実施例では、高さ調節されたユ
ニットバスの重合部の構成を種々説明したが、例えば、
出入口に取り付けられる扉や折戸等は、高さ調整されて
形成された出入口に適合する高さ寸法を有するものを取
り付けることは勿論であり、また、洗い場側の重合部
は、外部に露呈しないように、例えば、カウンターやミ
ラーユニット等で隠蔽されるように構成されている。

【００２５】

【発明の効果】この発明に係るユニットバスは、以上説
明したように構成されているので、天井高さが異なるユ
ニットバス設置部であっても一種類の壁パネルで該天井
高さに対応させてユニットバスを容易に組構することが
でき、その結果、この種のユニットバスにおける壁パネ
ルの在庫管理を大幅に簡素化することができ、また、壁
パネルのボルト固定は、ユニットバス内から楽な姿勢で
行うことができるので、作業性が簡易であり、しかも、
このボルトの頭部は、上記壁パネルの下端段部と防水パ
ンの立ち上がり周壁上端部とで画成された空隙部内に隠
蔽されるので、ユニットバスの室内における外観品質を
損なう心配がない等、幾多の優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例に係るユニットバスの構
成を示す断面図である。

【図２】同ユニットバスの部分拡大断面図である。

【図３】同ユニットバスの壁パネルを支持する支持部材
の斜視図である。

【図４】同ユニットバスのハーフユニットの他の設置例
を示す部分説明図である。

【図５】この発明の第２実施例に係るユニットバスの構
成を示す断面図である。

【図６】同ユニットバスの壁パネルとハーフユニットの
立ち上がり周壁部との嵌合状態を示す部分拡大説明図で
ある。

【図７】この発明の第３実施例に係るユニットバスの構
成を示す断面図である。

【図８】同ユニットバスの立ち上がり周壁部にリューズ
ネジを突設した状態を示す説明図である。

【図９】同ユニットバスの壁パネルを一部切断して示す
正面図である。

【符号の説明】

１ ユニットバス ２ 浴槽 ３ 浴槽取付部 ４ 洗い場 ５ 洗い場設置部 ６ 防水パン ７ 立ち上り周壁部 ８ 壁パネル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽取付部と洗い場設置部とを有する防
   水パンの立ち上がり周壁上端部と、上端部に天井パネル
   が接続可能な壁パネルの下端部とを、高さ方向に調整自
   在な移動代を有してオーバーラップさせ、該オーバーラ
   ップ量は、ユニットバス設置部における天井高さに対応
   させて調整された後に、該壁パネルの下端に形成された
   段部をボルトでユニットバス設置部側に固定し、該ボル
   トの頭部は、上記壁パネルの下端段部と防水パンの立ち
   上がり周壁上端部とで画成された空隙部内に隠蔽するよ
   うに構成したことを特徴とするユニットバス。