JP3091403B2 - 乾式静水圧加圧成形装置及び乾式静水圧加圧成形方法 - Google Patents

乾式静水圧加圧成形装置及び乾式静水圧加圧成形方法

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JP3091403B2
JP3091403B2 JP07283610A JP28361095A JP3091403B2 JP 3091403 B2 JP3091403 B2 JP 3091403B2 JP 07283610 A JP07283610 A JP 07283610A JP 28361095 A JP28361095 A JP 28361095A JP 3091403 B2 JP3091403 B2 JP 3091403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、例えばセラミッ
ク粉末、金属粉末等を成形するための乾式静水圧加圧成
形装置及び乾式静水圧加圧成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 一般に、乾式の静水圧加圧成形(以下
CIP成形という。)は、粉末充填、加圧、減圧、成形
体取出しの各工程から成り、セラミック粉末、金属粉末
等の成形に好適に用いられる。
【0003】 CIP成形による成形工程を、有底円筒
体の成形を例に、図8〜図11を用いて説明する。ま
ず、図8に示すように、セラミック粉末、金属粉末等の
成形用粉末Aが、給粉ノズル1を介して圧力容器2内の
成形空間8に挿入・充填される。ここで、圧力容器2
は、内部に、円柱状のマンドレル3と円筒状の成形用ゴ
ム型4、及びマンドレル3を下方から支持するボトムパ
ンチ9とから形成される成形空間8を有し、成形用ゴム
型4の周方向の外周側には、成形用ゴム型4を包囲する
圧媒シールゴム5が備えられている。圧力容器2には圧
媒出入口6が設けられている。なお、7はシールゴムホ
ルダーである。
【0004】 圧力容器2内の成形空間8に挿入・充填
された成形用粉末Aは、圧力容器2の上部に、トップゴ
ム栓10を備えたトップパンチ11を挿入した後、図9
に示すように、高圧ポンプ(図示せず。)から増圧機
(図示せず。)を経て圧媒出入口6から流入する圧力媒
体により加圧することにより、圧媒シールゴム5及び成
形用ゴム型4を介して圧縮成形される。圧縮成形が終了
した後、図10に示すように、圧力媒体を圧媒出入口6
より流出させて、成形用ゴム型4を復元させ、次いで、
図11に示すように、トップパンチ11を上昇させると
ともにボトムパンチ9を下降させることにより、有底円
筒成形体12を圧力容器2から取り出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来
のCIP成形においては、成形用粉末を充填する際に、
トップパンチを外した上で給粉ノズルを成形用ゴム型内
に導入していたため、成形空間の上部が開放状態とな
り、給粉ノズルの移動、トップパンチの装着等の際に成
形空間内の成形用粉末に不純物が混入するという問題が
あった。このような不純物は1個混入しただけでも、異
常粒成長、気孔の生成の原因となり、成形体の構造強度
を著しく低下させることになる。
【0006】 又、従来のCIP成形においては、給粉
ノズルから供給された成形用粉末は、成形空間内を自然
落下することにより、成形用空間内の空気を置換しなが
ら充填されていたため、充填に長い時間がかかるという
問題があった。一方、充填時間の短縮を図るために一度
に大量の充填を行おうとすると、充填密度が不均一とな
って粉末間の架橋現象を引き起こし、成形体に内在欠陥
が生じるという問題があった。
【0007】 さらに、従来のCIP成形においては、
成形時の加圧により変形した成形用ゴム型を復元する方
法として、圧力媒体の圧力と大気圧との差を利用して圧
力媒体を自然流出させる方法が採られていた。即ち、圧
力媒体の流出により、成形用ゴム型に加わる圧力が成形
用ゴム型の弾性力より小さくなることにより、成形用ゴ
ム型の復元が進行するのである。
【0008】 しかしながら、自然流出下では、流出の
進行により圧力媒体の圧力と大気圧との差が小さくなる
と、流出速度が小さくなるため、成形用ゴム型が完全に
復元するのには長時間を要し、成形効率の向上を図る上
で支障となっていた。復元に要する時間を短縮する方法
として、弾性力の大きい成形用ゴム型を用いることも考
えられるが、この場合は、成形用ゴム型の成形体からの
脱離が急激に起こるため、応力開放により成形体にクラ
ックが発生するという不都合がある。一方、復元が十分
行われていない時点で、次の成形を開始すべく成形用粉
末の充填を開始すると、成形用ゴム型の容積が復元時に
比べ小さいため、所定量の粉末を充填した場合、成形用
ゴム型内の粉末の上端が上昇してトップパンチの装着に
支障を来たし、粉末の充填量を変更しなければならない
という不都合がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明は、このような
状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、不純物を混入させること無く、かつ迅速に、成形
用粉末を充填できるとともに、成形終了後の減圧による
成形用ゴム型の復元を短時間で行うことができる乾式静
水圧加圧成形装置及び乾式静水圧加圧成形方法を提供す
ることにある。
【0010】 即ち、本発明によれば、成形用ゴム型
と、それを収容する圧力容器と、圧力容器の上部に設け
た孔部内に嵌合的に装着されたトップパンチとを備え、
成形用ゴム型内の成形空間に成形用粉末を充填した後、
成形用ゴム型の外周側から圧力媒体により静水圧加圧を
施すことにより成形を行い、続いて成形用ゴム型の外周
側から圧力媒体を除去することにより成形用ゴム型を復
元して成形体を取り出す乾式静水圧加圧成形装置であっ
て、さらに、成形用粉末を成形空間内に供給する給粉
口、供給された成形用粉末により置換された空気を除去
するとともに成形用ゴム型内に圧縮空気を導入するため
の通気口、及び成形用ゴム型内に圧縮空気を供給する圧
縮空気供給手段を備え、上記給粉口及び通気口は、当該
圧力容器の当該孔部内壁に開口部を有するとともに、当
該開口部より斜め上方に当該圧力容器を貫通し、上記給
粉口の開口部は通気口の開口部より上方に位置し、トッ
プパンチは、当該孔部の内周面と当該トップパンチの外
周面との隙間を閉塞するシール部材を有し、上記シール
部材が給粉口及び通気口の上方に位置するようにトップ
パンチを移動させることにより、上記孔部がトップパン
チによって閉塞された状態で、上記給粉口及び通気口と
成形空間とが連通し、上記シール部材が上記給粉口及び
通気口の下方に位置するようにトップパンチを移動させ
ることにより、上記給粉口及び通気口と成形空間との連
通が遮断され、上記シール部材が当該給粉口の下方かつ
当該通気口の上方に位置するように当該トップパンチを
移動させることにより、当該成形空間が当該通気口と連
通するとともに、当該給粉口と当該成形空間との連通が
遮断される乾式静水圧加圧成形装置が提供される。
【0011】 本発明の乾式静水圧加圧成形装置におい
て、前記トップパンチが、前記シール部材の上方近傍に
マグネットを備えることが好ましい。又、本発明の乾式
静水圧加圧成形装置は、成形空間内の空気を前記通気口
より吸引排除する吸引手段を有することが好ましい。
【0012】 又、本発明の乾式静水圧加圧成形装置に
おいて、上記圧力容器の上部に設けた孔部の内周の中心
点に対する、前記給粉口と通気口の開口部間の角距離は
120〜240°であり、シール部材が給粉口及び通気
口の上方に位置するようにトップパンチを移動させた場
合に、前記トップパンチの下端部が、上記給粉口と通気
口の開口部間の空間を遮断することが好ましい。
【0013】 さらに、本発明の乾式静水圧加圧成形装
置は、圧力媒体を前記成形用ゴム型の外周側から除去す
る圧力媒体吸引手段を有することが好ましい。
【0014】 又、本発明によれば、上記の乾式静水圧
加圧成形装置を用いて成形を行う乾式静水圧加圧成形方
法が提供される。圧力媒体の吸引除去は、圧力媒体によ
って成形用ゴム型にかかる圧力が5kgf/cm2
上、40kgf/cm2以下の範囲にある時に行われる
ことが好ましい。又、圧縮空気の成形用ゴム型内への供
給は、圧力媒体によって成形用ゴム型にかかる圧力が5
kgf/cm2以上、40kgf/cm2以下の範囲にあ
る時に行われることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】 本発明のCIP成形装置は、成
形用粉末を成形空間内に供給する給粉口、及び供給され
た成形用粉末により置換された空気を除去するための通
気口を備える。これら給粉口及び通気口は、圧力容器に
トップパンチを嵌合的に装着すべく設けた孔部の内壁に
開口部を有し、その開口部より斜め上方に圧力容器を貫
通して成る。
【0016】 従って、トップパンチを上方に移動させ
ることにより給粉口及び通気口と成形空間とが連通する
ため、トップパンチを取り外さなくても成形用粉末の充
填ができ、従って、成形空間内に、給粉ノズルの移動等
に起因する不純物が混入するのを防ぐことができる。
又、トップパンチを下方に移動させることにより、トッ
プパンチ自体により、上記給粉口及び通気口と成形空間
との連通が遮断され、加圧が可能な状態となる。
【0017】 又、本発明のCIP成形装置は、トップ
パンチの外周面にシール部材を有するため、圧力容器に
設けた孔部の内周面とトップパンチの外周面との隙間を
閉塞することができ、粉末充填の際に、トップパンチの
上下等により発生する不純物が成形空間内に侵入するの
を防ぐことができる。シール部材は、給粉口及び通気口
と成形空間とを連通させた状態において、これらの開口
部より上方に位置するように設けることが必要である。
又、シール部材は、全周に渡って設けることが好まし
い。なお、シール部材としては、硬質樹脂製のシールリ
ング等が好適に用いられる。
【0018】 又、上記のCIP成形装置において、上
記シール部材の上方近傍にマグネットを設ければ、トッ
プパンチの作動によって発生する着磁性の物質を効果的
に除去でき鉄系コンタミ欠陥の発生を防ぐことができ
る。マグネットも全周に渡って設けることが好ましい。
【0019】 又、本発明のCIP成形装置は、さらに
前述の通気口を介して成形用ゴム型内に圧縮空気を供給
する圧縮空気供給手段を備えるとともに、給粉口の開口
部は通気口の開口部より上方に位置する。
【0020】 圧媒を流出させることによる成形用ゴム
型の復元に際して、圧縮空気を成形用ゴム型内に導入す
ることにより、成形用ゴム型の復元と圧媒の流出を促進
することができ、成形用ゴム型の復元に要する時間を短
縮することができる。又、従来の圧媒の自然流出による
復元では、成形用ゴム型の復元が完了したか否かの判断
が困難であるが、本発明においては、成形用ゴム型が復
元を通り越して若干膨らむ程度まで圧縮空気を導入して
から圧縮空気を除去すれば、このような判断が不要にな
るという利点もある。圧縮空気供給手段としては、例え
ば、コンプレッサー等が用いられる。圧縮空気の圧力
は、成形用ゴム型の弾性強度(弾性特性)にもよるが4
kgf/cm2以上であることが好ましい。給粉口の開
口部を通気口の開口部より上方に設けたのは、シール部
材が給粉口と通気口の間に位置するようにトップパンチ
を移動させることにより、成形空間は通気口を介して圧
縮空気供給手段と連通する以外は密閉された状態とな
り、圧縮空気による圧力を効果的に働かせることができ
るからである。
【0021】 なお、加圧の際には、シール部材が給粉
口及び通気口の下方に位置するようにトップパンチを移
動させることにより、給粉口及び通気口と成形空間との
連通が遮断される。
【0022】 さらに、上記のCIP成形装置に圧力媒
体吸引手段を設ければ、成形用ゴム型を復元する際に、
圧力媒体を成形用ゴム型の外周側から強制的に除去する
ことができ、成形用ゴム型の復元に要する時間をより短
縮することができる。圧力媒体は、圧媒出口又は圧媒入
口を介して吸引除去されるが、圧力媒体吸引手段として
は、例えば、真空ポンプ、イジェクター等が用いられ
る。
【0023】 成形用ゴム型内への圧縮空気の供給、成
形用ゴム型の外周側からの圧力媒体の吸引除去は、圧力
媒体の自然流出により成形用ゴム型にかかる圧力が低下
し、5kgf/cm2以上、40kgf/cm2以下の範
囲にある時に行うことが好ましい。さもなければ、成形
用ゴム型の成形体からの脱離が急激に起こり、応力開放
により成形体にクラックが発生する恐れがあるからであ
る。
【0024】 さらに、上記のCIP成形装置に、成形
空間内の空気を前述の通気口を通じて吸引排除する吸引
手段を設ければ、成形用粉末の充填速度を上げることが
でき好ましい。即ち、成形空間内の空気を吸引除去する
ことで、成形空間内が陰圧になるとともに、成形用粉末
の落下の際の空気抵抗が弱まるため、充填速度を上げる
ことができるのである。吸引手段としては、例えば、真
空ポンプ等が用いられる。上記の吸引手段を設けた場合
は、前記のシール部材は、吸引効果を増大させる役割も
果たす。
【0025】 この場合、給粉口及び通気口の開口部間
の角距離は、圧力容器の孔部の内周の中心点に対して1
20〜240°、より望ましくは160〜200°であ
ることが好ましい。開口部をこのように配置することに
より、成形用粉末の充填の際に、トップパンチの下端部
を、給粉口と通気口の開口部間の空間を遮断するように
配置することができるため、給粉口から導入された成形
用粉末が通気口より吸引されるという事態を回避するこ
とができる。
【0026】 図1に上記のCIP成形装置の一例を示
す。図1のCIP成形装置14において、圧力容器2の
内部には、円筒状の成形用ゴム型4が配設され、成形用
ゴム型4の上部及び下部には、それぞれトップパンチ1
1及びボトムパンチ9が配設されている。成形空間8
は、成形用ゴム型4の内周面、トップパンチ11の下
面、及びボトムパンチ9の上面により形成される。成形
用ゴム型4の外周面には、成形用ゴム型4を包囲するよ
うに圧媒シールゴム5が配設されている。
【0027】 圧力容器2は本体2aと蓋部2bから成
り、トップパンチ11は、蓋部2bに設けた孔部13内
に嵌合的に取り付けられている。蓋部2bは給粉口15
及び通気口16を有し、これらは、蓋部2bの上端面2
4及び孔部内壁に開口部17、18、25、26を有す
る。又、トップパンチ11の外周面には、図2に示すよ
うに、シールリング19及びマグネット20が全周に渡
って設けられている。
【0028】 通気口16は真空ポンプ等の吸引手段
(図示せず。)及びコンプレッサー等の圧縮空気供給手
段(図示せず。)に高圧弁等を介して接続されている。
【0029】
【実施例】 以下、本発明を図示の実施例を用いてさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限られ
るものではない。
【0030】 上記のCIP成形装置を用いて、外径4
7.0mm、内径42.7mm、高さ435mmの有底
円筒成形体を作製した。この成形体は、ナトリウム−硫
黄電池用のβ−アルミナ管として用いられるものであ
る。
【0031】 図3に成形に用いたCIP成形装置の構
成を示す。CIP成形装置14において、圧力容器2の
内部には、円筒状の成形用ゴム型4及び円柱状のマンド
レル3が配設され、成形用ゴム型4の上部及び下部に
は、それぞれトップパンチ11及びボトムパンチ9が配
設されている。トップパンチ11にはトップゴム栓10
が取り付けられている。成形空間8は、成形用ゴム型4
の内周面、マンドレル3の周面、トップゴム栓10の下
面、及びボトムパンチ9の上面により形成される。成形
用ゴム型4の外周面には、成形用ゴム型4を包囲するよ
うに圧媒シールゴム5が配設されている。なお、成形用
ゴム型4及びトップゴム栓10はウレタンゴムから成
り、その硬度はHs(A)で70°である。
【0032】 圧力容器2は本体2aと蓋部2bとから
成り、トップパンチ11は、蓋部2bに設けた孔部13
内に嵌合的に取り付けられている。蓋部2bは給粉口1
5及び通気口16を有し、これらは、蓋部2bの上端面
24及び孔部13内壁に開口部17、18、25、26
を有する。給粉口15及び通気口16の開口部のうち、
孔部13内壁に位置するもの17、18は、孔部13の
内周上の互いに対向する位置に設けられている。又、給
粉口15の開口部17は、通気口16の開口部18より
30mm上方に設けられている。トップパンチ11の外
周面には、円周方向にシールリング19及びマグネット
20が設けられている。通気口16には、第1三方弁2
7が接続され、第1三方弁27は真空ポンプ28及び第
2三方弁41に接続されている。第2三方弁41は、エ
アードライヤー42を介してコンプレッサー43に接続
されている。
【0033】 圧媒タンク32は、高圧ポンプ33、増
圧機34、及び第1高圧弁35を介して圧媒入口31に
接続されるとともに、第4高圧弁36を介して圧媒出口
30に接続され、閉ループを形成している。又、第4高
圧弁36を介するラインと並列に、減圧制御装置37及
び第3高圧弁38を有するライン、並びにイジェクター
39及び第2高圧弁40を有するラインが設けられてい
る。
【0034】 成形は以下のように行った。まず、成形
空間8への成形用粉末の充填を行った。イジェクター3
9による圧力媒体の吸引を開始した後、図4に示すよう
に、シールリング19が給粉口15及び通気口16より
上方に位置するようにトップパンチ11を移動させた。
第1三方弁27を真空ポンプ28側にした上で、真空ポ
ンプ28により成形用ゴム型4内の空気を吸引しなが
ら、マンドレル3を装着したボトムパンチ9を圧力容器
2の下部に取り付けた。空気吸引を継続しつつ、粉末計
量供給装置29で予め計量した420gの粉末Aを給粉
口15を介して成形空間8に充填した。粉末充填終了
後、三方弁27、41を大気開放にするとともに圧力媒
体の吸引を停止した。
【0035】 次に加圧を行った。図5に示すように、
トップパンチ11を下方に移動させて給粉口15及び通
気口16を閉じた。圧力容器2をプレスフレーム(図示
せず。)内に収納した後、圧媒出口30を第2〜第4高
圧弁40、38、36で閉じた状態で、高圧ポンプ33
及び増圧機34を用いて圧媒入口31より圧力媒体を注
入した。常圧から2000kgf/cm2まで昇圧し、
2000kgf/cm2で3秒間保持した。なお、プレ
スフレームは、トップパンチ11及びボトムパンチ9
が、成形圧により圧力容器2から突出するのを防ぐため
に用いられる。
【0036】 次に減圧により成形用ゴム型4の復元を
開始した。まず、圧媒入口31を第1高圧弁35で閉じ
るとともに第4高圧弁36を開放し、圧媒の自然流出に
より、2000kgf/cm2から150kgf/cm2
まで減圧した。次に、第4高圧弁36を閉じるとともに
第3高圧弁38を開き、減圧制御装置37を用いて15
0kgf/cm2から15kgf/cm2まで減圧した。
なお、減圧制御装置37は、減圧速度を制御するために
用いられ、350kgf/cm2以下の圧力で作用す
る。次に、第3高圧弁38を閉じるとともに第2高圧弁
40を開き、イジェクター39により圧力媒体の吸引を
開始した。同時に、圧力容器2をプレスフレームから取
り出し、図6に示すように、シールリング19が給粉口
15と通気口16の間に位置するようにトップパンチ1
1を移動させるとともに、三方弁27、41をコンプレ
ッサー43側にし、通気口16より成形空間8内に圧縮
空気を導入した。
【0037】 最後に、成形体12の取り出しを行っ
た。成形体12の取り出しは、圧縮空気の導入開始5秒
後に、図7に示すように、トップパンチ11を成形用粉
末充填時の位置に移動させた上で、ボトムパンチ9を下
方に移動させることにより行った。その後、圧縮空気の
導入を停止した。なお、圧力媒体の吸引は、次のサイク
ルの粉末充填後、トップパンチ11により給粉口15及
び通気口16が閉じられるまで継続した。
【0038】 従来のCIP成形装置では、鉄系の不純
物の混入に起因する鉄系コンタミ欠陥が約3.1%の頻
度で発生したが、上記のCIP成形装置を用いて成形を
行うことにより、発生頻度が0.5%に減少した。又、
上記のCIP成形装置を用いて成形を行うことにより、
従来に比べ、成形サイクル全体に要する時間を約30秒
短縮することができた。即ち、従来のCIP成形装置で
は、トップパンチの動作時間も含めて、粉末の充填に約
30秒を要したが、上記のCIP成形装置を用いた場合
は約15秒で充填が完了し、充填時間を約15秒短縮で
きた。さらに、従来は成形用ゴム型の復元に長時間を要
したため、成形体取り出し後すぐには次の成形サイクル
に移れず、約15秒の待機時間を設けていたが、上記の
CIP成形装置を用いた場合は待機時間を設ける必要が
無くなり、さらに15秒の短縮が可能となった。なお、
復元が完了したか否かは、成形に必要な所定重量の成形
用粉末を充填してトップパンチを閉じた際に、成形空間
内の成形用粉末の上端が圧力容器をプレスフレームに収
容することができる範囲にあるか否かで判断した。即
ち、復元が不十分の場合は成形空間の容積が小さくなる
ため、成形用粉末の上端が上昇してトップパンチが十分
に閉じず、プレスフレームに収容することができなくな
る。
【0039】
【発明の効果】 本発明において、CIP成形装置は、
圧力容器を貫通して成る給粉口及び通気口を有し、これ
らはトップパンチを嵌合的に装着すべく圧力容器に設け
た孔部の内壁に開口部を有するため、トップパンチを取
り外さなくても成形用粉末の充填ができ、従って、成形
空間内に、給粉ノズルの移動等に起因する不純物が混入
するのを防ぐことができる。又、トップパンチの着脱を
行わなくてもよいため、成形効率が向上するという利点
もある。又、トップパンチに、上記孔部の内周面とトッ
プパンチの外周面との隙間を閉塞するシール部材が設け
られているため、トップパンチの上下等により発生する
不純物が混入するのを防ぐことができる。
【0040】 さらに、圧縮空気供給手段を設け、減圧
時に圧縮空気を成形用ゴム型内に導入することにより、
成形用ゴム型の復元を短時間で行うことができ、成形効
率の向上を図ることができる。本発明において、上記シ
ール部材の上方近傍にマグネットを設ければ、トップパ
ンチの作動によって発生する着磁性の物質を効果的に除
去でき、鉄系コンタミ欠陥の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明のCIP成形装置の一例を示す
断面説明図である。(b)(a)に示すCIP成形装置
の平面図である。
【図2】 図1のCIP成形装置に用いられるトップパ
ンチの一例を示す説明図である。
【図3】 本発明のCIP成形装置の他の例を示す断面
説明図である。
【図4】 図3のCIP成形装置を用いた粉末充填工程
を示す断面説明図である。
【図5】 図3のCIP成形装置を用いた加圧工程を示
す断面説明図である。
【図6】 図3のCIP成形装置を用いた減圧工程を示
す断面説明図である。
【図7】 図3のCIP成形装置を用いた成形体取り出
し工程を示す断面説明図である。
【図8】 従来のCIP成形方法の粉末充填工程を示す
断面説明図である。
【図9】 従来のCIP成形方法の加圧工程を示す断面
説明図である。
【図10】従来のCIP成形方法の減圧工程を示す断面
説明図である。
【図11】従来のCIP成形方法の成形体取り出し工程
を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1・・・給粉ノズル、2・・・圧力容器、3・・・マンドレル、
4・・・成形用ゴム型、5・・・圧媒シールゴム、6・・・圧媒
出入口、7・・・シールゴムホルダー、8・・・成形空間、9
・・・ボトムパンチ、10・・・トップゴム栓、11・・・トッ
プパンチ、12・・・成形体、13・・・圧力容器蓋部の孔
部、14・・・CIP成形装置、15・・・給粉口、16・・・
通気口、17・・・給粉口の開口部、18・・・通気口の開口
部、19・・・シールリング、20・・・マグネット、22・・
・圧縮空気供給手段、23・・・吸引手段、24・・・蓋部の
上端面、25・・・給粉口の開口部、26・・・通気口の開口
部、27・・・第1三方弁、28・・・真空ポンプ、29・・・
粉末計量供給装置、30・・・圧媒出口、31・・・圧媒入
口、32・・・圧媒タンク、33・・・高圧ポンプ、34・・・
増圧機、35・・・第1高圧弁、36・・・第4高圧弁、37
・・・減圧制御装置、38・・・第3高圧弁、39・・・イジェ
クター、40・・・第2高圧弁、41・・・第2三方弁、42
・・・エアードライヤー、43・・・コンプレッサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−277798(JP,A) 特開 昭61−124503(JP,A) 特開 昭60−103596(JP,A) 実開 昭49−80983(JP,U) 特公 昭49−37459(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B30B 11/00 B22F 3/04 B28B 3/00 102

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用ゴム型と、 それを収容する圧力容器と、 当該圧力容器の上部に設けた孔部内に嵌合的に装着され
    たトップパンチとを備え、 当該成形用ゴム型内の成形空間に成形用粉末を充填した
    後、当該成形用ゴム型の外周側から圧力媒体により静水
    圧加圧を施すことにより成形を行い、続いて当該成形用
    ゴム型の外周側から圧力媒体を除去することにより当該
    成形用ゴム型を復元して成形体を取り出す乾式静水圧加
    圧成形装置であって、 さらに、当該成形用粉末を当該成形空間内に供給する給
    粉口、 供給された成形用粉末により置換された空気を除去する
    とともに当該成形用ゴム型内に圧縮空気を導入するため
    の通気口、及び当該成形用ゴム型内に圧縮空気を供給す
    る圧縮空気供給手段を備え、 当該給粉口及び当該通気口は、当該圧力容器の当該孔部
    内壁に開口部を有するとともに、当該開口部より斜め上
    方に当該圧力容器を貫通し、 当該給粉口の開口部は当該通気口の開口部より上方に位
    置し、 当該トップパンチは、当該孔部の内周面と当該トップパ
    ンチの外周面との隙間を閉塞するシール部材を有し、 当該シール部材が当該給粉口及び当該通気口の上方に位
    置するように当該トップパンチを移動させることによ
    り、当該孔部が当該トップパンチによって閉塞された状
    態で、当該給粉口及び当該通気口と当該成形空間とが連
    通し、 当該シール部材が当該給粉口及び当該通気口の下方に位
    置するように当該トップパンチを移動させることによ
    り、当該給粉口及び当該通気口と当該成形空間との連通
    が遮断され、 当該シール部材が当該給粉口の下方かつ当該通気口の上
    方に位置するように当該トップパンチを移動させること
    により、当該成形空間が当該通気口と連通するととも
    に、当該給粉口と当該成形空間との連通が遮断されるこ
    とを特徴とする乾式静水圧加圧成形装置。
  2. 【請求項2】 当該トップパンチが、当該シール部材の
    上方近傍にマグネットを備えた請求項1に記載の乾式静
    水圧加圧成形装置。
  3. 【請求項3】 当該成形空間内の空気を当該通気口より
    吸引排除する吸引手段を有する請求項1又は2に記載の
    乾式静水圧加圧成形装置。
  4. 【請求項4】 当該孔部の内周の中心点に対する、当該
    給粉口と当該通気口の開口部間の角距離が120〜24
    0°であり、 当該シール部材が当該給粉口及び当該通気口の上方に位
    置するように当該トップパンチを移動させた場合に、当
    該トップパンチの下端部が、当該給粉口と当該通気口の
    開口部間の空間を遮断する請求項3に記載の乾式静水圧
    加圧成形装置。
  5. 【請求項5】 圧力媒体を当該成形用ゴム型の外周側か
    ら除去する圧力媒体吸引手段を有する請求項1、2、3
    又は4に記載の乾式静水圧加圧成形装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの請求項に記載
    の乾式静水圧加圧成形装置を用いて成形を行うことを特
    徴とする乾式静水圧加圧成形方法。
  7. 【請求項7】 圧力媒体によって成形用ゴム型にかかる
    圧力が5kgf/cm2以上、40kgf/cm2以下の
    範囲にある時に、圧力媒体の吸引除去を行う請求項6に
    記載の乾式静水圧加圧成形方法。
  8. 【請求項8】 圧力媒体によって成形用ゴム型にかかる
    圧力が5kgf/cm2以上、40kgf/cm2以下の
    範囲にある時に、圧縮空気の成形用ゴム型内への供給を
    行う請求項6又7に記載の乾式静水圧加圧成形方法。
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