JP3090208B1 - 溶湯用樋 - Google Patents
溶湯用樋Info
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Abstract
【要約】
【課題】 長寿命化、安定操業、製品不良の低減等を可
能とした溶湯用樋を提供する。 【解決手段】 上面に湯道１１を形成したキャスタブル
耐火物製第１耐火層１２と、第１耐火層１２の底面から
側面にかけて外側に配設されるキャスタブル耐火物製第
２耐火層１４と、第２耐火層１４の底面から側面にかけ
て外側に配設される第１，第２断熱層１５，１６と、前
記各層により形成される積層体の上面を除く外周面を包
囲する鉄皮１７とを備えた溶湯用樋１Ａにおいて、第１
耐火層１２と第２耐火層１４との間にセラミックファイ
バー層１３を介在させて、セラミックファイバー１３を
介して第２耐火層１４に第１耐火層１２の底面および側
面全体を包囲させるとともに、第１耐火層１２を長手方
向に隙間を設けて配置した複数の分割片１２ａから形成
し、第１断熱層１５を貫かせて鉄皮１７に固定した保持
部材１８により第２耐火層１４を保持させた構成として
ある。
能とした溶湯用樋を提供する。 【解決手段】 上面に湯道１１を形成したキャスタブル
耐火物製第１耐火層１２と、第１耐火層１２の底面から
側面にかけて外側に配設されるキャスタブル耐火物製第
２耐火層１４と、第２耐火層１４の底面から側面にかけ
て外側に配設される第１，第２断熱層１５，１６と、前
記各層により形成される積層体の上面を除く外周面を包
囲する鉄皮１７とを備えた溶湯用樋１Ａにおいて、第１
耐火層１２と第２耐火層１４との間にセラミックファイ
バー層１３を介在させて、セラミックファイバー１３を
介して第２耐火層１４に第１耐火層１２の底面および側
面全体を包囲させるとともに、第１耐火層１２を長手方
向に隙間を設けて配置した複数の分割片１２ａから形成
し、第１断熱層１５を貫かせて鉄皮１７に固定した保持
部材１８により第２耐火層１４を保持させた構成として
ある。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造装置に使
用される溶湯用樋に関するものである。
用される溶湯用樋に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、図５〜８に示すように、溶融状態
の金属、例えば白銅や青銅等を溜めた溶解炉３１からこ
の溶融金属、即ち溶湯を供給され、この溶湯をディスト
リビュター３２を介して図示しない連続鋳造用鋳型に導
く溶湯用樋３３を備えた連続鋳造装置が公知である。こ
の連続鋳造装置では、溶湯用樋３３は２基設けられ、上
流側から下流側に向けてマイナス勾配となるように配置
されており、それぞれの上方には適宜間隔で配置したバ
ーナ３４を有する上蓋３５が設けられている。
の金属、例えば白銅や青銅等を溜めた溶解炉３１からこ
の溶融金属、即ち溶湯を供給され、この溶湯をディスト
リビュター３２を介して図示しない連続鋳造用鋳型に導
く溶湯用樋３３を備えた連続鋳造装置が公知である。こ
の連続鋳造装置では、溶湯用樋３３は２基設けられ、上
流側から下流側に向けてマイナス勾配となるように配置
されており、それぞれの上方には適宜間隔で配置したバ
ーナ３４を有する上蓋３５が設けられている。
【０００３】溶湯用樋３３は、上面に湯道４１を形成し
たキャスタブル耐火物製第１耐火層４２と、この第１耐
火層４２の底面から側面の上端部近くにかけて外側に配
設され、かつこの第１耐火層４２の外側に嵌合したキャ
スタブル耐火物製第２耐火層４３を備えている。また、
この第２耐火層４３の底面から側面およびこの側面の上
端部上に延在する第１耐火層４２の側面の上部にかけて
外側に第１断熱層４４が配設され、この第１断熱層４４
の底面から両側面の上端部近くにかけて外側に第２断熱
層４５が配設されている。さらに、前記各層により形成
される積層体の上面を除く外周部を包囲するように鉄皮
４６が配設されている。このように、この溶湯用樋３３
では、第１耐火層４２の上端部と鉄皮４６との間には第
１断熱層４４が介在した構造となっている。また、この
溶湯用樋３３では、第１耐火層４２および第２耐火層４
３がそれぞれ長手方向に一体成形されている。
たキャスタブル耐火物製第１耐火層４２と、この第１耐
火層４２の底面から側面の上端部近くにかけて外側に配
設され、かつこの第１耐火層４２の外側に嵌合したキャ
スタブル耐火物製第２耐火層４３を備えている。また、
この第２耐火層４３の底面から側面およびこの側面の上
端部上に延在する第１耐火層４２の側面の上部にかけて
外側に第１断熱層４４が配設され、この第１断熱層４４
の底面から両側面の上端部近くにかけて外側に第２断熱
層４５が配設されている。さらに、前記各層により形成
される積層体の上面を除く外周部を包囲するように鉄皮
４６が配設されている。このように、この溶湯用樋３３
では、第１耐火層４２の上端部と鉄皮４６との間には第
１断熱層４４が介在した構造となっている。また、この
溶湯用樋３３では、第１耐火層４２および第２耐火層４
３がそれぞれ長手方向に一体成形されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前述した樋３３の場
合、第１耐火層４２が湯道４１における高温（約１３０
０℃）の溶湯により温度上昇して熱膨張しようとする。
一方、第１耐火層４２に第２耐火層４３が嵌合した状態
となっており、かつ、第１耐火層４２および第２耐火層
４３が長手方向に一体成形されているのに加えて、溶湯
用樋３３の上面を除く外周部は鉄皮４６により包囲され
ているため、第１耐火層４２の長手方向における熱膨張
が制限され、第１耐火層４２に対してそれよりも温度が
低い第２耐火層４３および鉄皮４６から長手方向に圧縮
力が作用する結果、第１耐火層４２に亀裂が発生する。
さらに、第１耐火層４２の上部と鉄皮４６との間には、
強度の低い第１断熱層４４が介在するだけであり、幅方
向に広がろうとする第１耐火層４２に対して、これに対
抗し得る十分な力を幅方向に作用させることができな
い。このため、湯道４１を形成する第１耐火層４２の割
れあるいは亀裂が発生し易い。これらの割れあるいは亀
裂が発生すると、その部分に溶湯が進入し、やがて外層
の第１断熱層４４、さらに第２断熱層４５をも損傷して
しまい、操業を緊急停止させなければならない事態を招
くという問題がある。
合、第１耐火層４２が湯道４１における高温（約１３０
０℃）の溶湯により温度上昇して熱膨張しようとする。
一方、第１耐火層４２に第２耐火層４３が嵌合した状態
となっており、かつ、第１耐火層４２および第２耐火層
４３が長手方向に一体成形されているのに加えて、溶湯
用樋３３の上面を除く外周部は鉄皮４６により包囲され
ているため、第１耐火層４２の長手方向における熱膨張
が制限され、第１耐火層４２に対してそれよりも温度が
低い第２耐火層４３および鉄皮４６から長手方向に圧縮
力が作用する結果、第１耐火層４２に亀裂が発生する。
さらに、第１耐火層４２の上部と鉄皮４６との間には、
強度の低い第１断熱層４４が介在するだけであり、幅方
向に広がろうとする第１耐火層４２に対して、これに対
抗し得る十分な力を幅方向に作用させることができな
い。このため、湯道４１を形成する第１耐火層４２の割
れあるいは亀裂が発生し易い。これらの割れあるいは亀
裂が発生すると、その部分に溶湯が進入し、やがて外層
の第１断熱層４４、さらに第２断熱層４５をも損傷して
しまい、操業を緊急停止させなければならない事態を招
くという問題がある。
【０００５】また、夜間に操業を停止した場合には、操
業を開始する前に、溶湯用樋３３の湯道４１に付着して
いる凝固金属を、例えばピック或はエアハンマーを用い
て人手作業により除去するため、前述した割れあるいは
亀裂をさらに拡大することになるという問題がある。さ
らに、第１耐火層４２と第２耐火層４３との間の熱膨張
差により、長手方向に第１耐火層４２が第２耐火層４３
から圧縮力を受ける一方、第２耐火層４３は第１耐火層
４２から大きな引張り力を受けるため、第２耐火層４３
の割れあるいは亀裂も誘発されることになる。この他、
湯道４１における溶湯は上方のバーナからの燃焼火炎に
直接晒され、燃焼生成物、具体的には水素脆性を引き起
こす燃焼生成物中のＨ2Ｏが高温火炎中（約１８００
℃）でＨ2と（１／２）Ｏ2に分離し、この分離した水素
が溶湯内に混入してしまうため、連続鋳造に続く圧延工
程で、圧延金属に割れが発生し易いのに加えて、溶湯用
樋３３の入口側および出口側からの進入空気により溶湯
が酸化され易く、いわゆる耳割れによる製品不良が生じ
るという問題がある。
業を開始する前に、溶湯用樋３３の湯道４１に付着して
いる凝固金属を、例えばピック或はエアハンマーを用い
て人手作業により除去するため、前述した割れあるいは
亀裂をさらに拡大することになるという問題がある。さ
らに、第１耐火層４２と第２耐火層４３との間の熱膨張
差により、長手方向に第１耐火層４２が第２耐火層４３
から圧縮力を受ける一方、第２耐火層４３は第１耐火層
４２から大きな引張り力を受けるため、第２耐火層４３
の割れあるいは亀裂も誘発されることになる。この他、
湯道４１における溶湯は上方のバーナからの燃焼火炎に
直接晒され、燃焼生成物、具体的には水素脆性を引き起
こす燃焼生成物中のＨ2Ｏが高温火炎中（約１８００
℃）でＨ2と（１／２）Ｏ2に分離し、この分離した水素
が溶湯内に混入してしまうため、連続鋳造に続く圧延工
程で、圧延金属に割れが発生し易いのに加えて、溶湯用
樋３３の入口側および出口側からの進入空気により溶湯
が酸化され易く、いわゆる耳割れによる製品不良が生じ
るという問題がある。
【０００６】このように、従来の溶湯用樋３３の場合、
耐火層、特に第１耐火層４２の割れあるいは亀裂により
操業の緊急停止を招き易く、溶湯用樋３３の寿命が短
く、前記燃焼火炎による燃焼生成物、酸化等による製品
不良の発生等の問題があった。本発明は、斯る従来の問
題をなくすことを課題としてなされたもので、長寿命化
および安定した操業を可能にし、製品不良の低減を可能
とした溶湯用樋を提供しようとするものである。
耐火層、特に第１耐火層４２の割れあるいは亀裂により
操業の緊急停止を招き易く、溶湯用樋３３の寿命が短
く、前記燃焼火炎による燃焼生成物、酸化等による製品
不良の発生等の問題があった。本発明は、斯る従来の問
題をなくすことを課題としてなされたもので、長寿命化
および安定した操業を可能にし、製品不良の低減を可能
とした溶湯用樋を提供しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第１発明は、上面に湯道を形成した不定形耐火物製
第１耐火層と、この第１耐火層の底面から側面にかけて
外側に配設される不定形耐火物製第２耐火層と、この第
２耐火層の底面から側面にかけて外側に配設される断熱
層と、前記各層により形成される積層体の上面を除く外
周面を包囲する鉄皮とを備えた溶湯用樋において、前記
第１耐火層と前記第２耐火層との間にセラミックファイ
バー層を介在させ、このセラミックファイバー層を介し
て前記第２耐火層により前記第１耐火層の底面および側
面全体を包囲させるとともに、前記第１耐火層を長手方
向に隙間を設けて配置した複数の分割片から形成して配
置されるとともに、前記断熱層を貫かせて前記鉄皮に固
定した保持部材により前記第２耐火層を保持させた構成
とした。
に、第１発明は、上面に湯道を形成した不定形耐火物製
第１耐火層と、この第１耐火層の底面から側面にかけて
外側に配設される不定形耐火物製第２耐火層と、この第
２耐火層の底面から側面にかけて外側に配設される断熱
層と、前記各層により形成される積層体の上面を除く外
周面を包囲する鉄皮とを備えた溶湯用樋において、前記
第１耐火層と前記第２耐火層との間にセラミックファイ
バー層を介在させ、このセラミックファイバー層を介し
て前記第２耐火層により前記第１耐火層の底面および側
面全体を包囲させるとともに、前記第１耐火層を長手方
向に隙間を設けて配置した複数の分割片から形成して配
置されるとともに、前記断熱層を貫かせて前記鉄皮に固
定した保持部材により前記第２耐火層を保持させた構成
とした。
【０００８】また、第２発明は、第１発明の構成に加え
て、前記湯道の上方を覆う遮蔽板と、遮蔽板により覆わ
れた前記湯道の上部空間に不活性ガスを送込むガス供給
路を設けた構成とした。
て、前記湯道の上方を覆う遮蔽板と、遮蔽板により覆わ
れた前記湯道の上部空間に不活性ガスを送込むガス供給
路を設けた構成とした。
【０００９】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図面
にしたがって説明する。図１〜３は、本発明の第１実施
形態に係る溶湯用樋１Ａを示し、前述した連続鋳造装置
において、溶湯用樋１Ａは従来の溶湯用樋３３と同様
に、即ち従来の溶湯用樋３３に代えて用いられる。この
溶湯用樋１Ａは、上面に湯道１１を形成したキャスタブ
ル耐火物製第１耐火層１２と、この第１耐火層１２の底
面および側面全体を覆うように配設されたセラミックフ
ァイバー層１３と、このセラミックファイバー層１３の
外側に配設され、このセラミックファイバー層１３を介
して第１耐火層１２の底面および側面全体を支持する形
状に形成されたキャスタブル耐火物製第２耐火層１４と
を備えている。
にしたがって説明する。図１〜３は、本発明の第１実施
形態に係る溶湯用樋１Ａを示し、前述した連続鋳造装置
において、溶湯用樋１Ａは従来の溶湯用樋３３と同様
に、即ち従来の溶湯用樋３３に代えて用いられる。この
溶湯用樋１Ａは、上面に湯道１１を形成したキャスタブ
ル耐火物製第１耐火層１２と、この第１耐火層１２の底
面および側面全体を覆うように配設されたセラミックフ
ァイバー層１３と、このセラミックファイバー層１３の
外側に配設され、このセラミックファイバー層１３を介
して第１耐火層１２の底面および側面全体を支持する形
状に形成されたキャスタブル耐火物製第２耐火層１４と
を備えている。
【００１０】また、この第２耐火層１４の底面から側面
には断熱層が配設されている。即ち、第２耐火層１４の
底面から側面の上端部近くにかけて外側に第１断熱層１
５が配設されており、この第１断熱層１５の外側の両側
面には第２断熱層１６が配設されている。さらに、前記
各層により形成される積層体の上面を除く外周面を包囲
するように鉄皮１７が配設されている。
には断熱層が配設されている。即ち、第２耐火層１４の
底面から側面の上端部近くにかけて外側に第１断熱層１
５が配設されており、この第１断熱層１５の外側の両側
面には第２断熱層１６が配設されている。さらに、前記
各層により形成される積層体の上面を除く外周面を包囲
するように鉄皮１７が配設されている。
【００１１】また、この溶湯用樋１Ａでは、第１耐火層
１２を長手方向に隙間を設けて配置した複数の分割片１
２ａから形成するとともに、第１断熱層１５の底部を貫
かせて鉄皮１７に固定した保持部材１８により第２耐火
層１４を保持させてある。図示する例では、保持部材１
８はＹ字形状をしており、保持部材１８と第２耐火層１
４との熱膨張差を考慮して保持部材１８と第２耐火層１
４との間には隙間が形成されるように施工される。さら
に、分割片１２ａ同志が隣合う分割片１２ａの端部は第
２耐火層１４の側部に向けて突出し、これに対応して第
２耐火層１４の側部には凹所１９が形成され、分割片１
２ａの端部が前記側部の凹所１９内に嵌入するように形
成されている。
１２を長手方向に隙間を設けて配置した複数の分割片１
２ａから形成するとともに、第１断熱層１５の底部を貫
かせて鉄皮１７に固定した保持部材１８により第２耐火
層１４を保持させてある。図示する例では、保持部材１
８はＹ字形状をしており、保持部材１８と第２耐火層１
４との熱膨張差を考慮して保持部材１８と第２耐火層１
４との間には隙間が形成されるように施工される。さら
に、分割片１２ａ同志が隣合う分割片１２ａの端部は第
２耐火層１４の側部に向けて突出し、これに対応して第
２耐火層１４の側部には凹所１９が形成され、分割片１
２ａの端部が前記側部の凹所１９内に嵌入するように形
成されている。
【００１２】このように、この溶湯用樋１Ａでは、第１
耐火層１２と第２耐火層１４との間にセラミックファイ
バー層１３を介設して第１耐火層１２と第２耐火層１４
とを分離することにより、熱膨張および熱収縮時、この
両者間で滑りが生じ得るようにしてある。また、第１耐
火層１２を長手方向に隙間を設けて配置した複数の分割
片１２ａから形成することにより第１耐火層１２が高熱
に晒された際に、前記隙間によりその熱膨張を吸収でき
る構造となっている。
耐火層１２と第２耐火層１４との間にセラミックファイ
バー層１３を介設して第１耐火層１２と第２耐火層１４
とを分離することにより、熱膨張および熱収縮時、この
両者間で滑りが生じ得るようにしてある。また、第１耐
火層１２を長手方向に隙間を設けて配置した複数の分割
片１２ａから形成することにより第１耐火層１２が高熱
に晒された際に、前記隙間によりその熱膨張を吸収でき
る構造となっている。
【００１３】さらに、セラミックファイバー層１３を介
して第２耐火層１４が第１耐火層１２の底面および側面
の全体を包囲し、かつ前記第２耐火層１４の両端部が鉄
皮１７の内面に突出した構造になっているため、第１耐
火層１２の幅方向の広がりを抑えることができる。した
がって、この溶湯用樋１Ａでは、第１耐火層１２に長手
方向における大きな圧縮力は作用せず、幅方向における
異常な広がりもなくなり、第１耐火層１２の割れあるい
は亀裂、またこれに伴う第１断熱層１５あるいは第２断
熱層１６の損傷、さらには操業の緊急停止という事態の
発生は回避されるようになっている。
して第２耐火層１４が第１耐火層１２の底面および側面
の全体を包囲し、かつ前記第２耐火層１４の両端部が鉄
皮１７の内面に突出した構造になっているため、第１耐
火層１２の幅方向の広がりを抑えることができる。した
がって、この溶湯用樋１Ａでは、第１耐火層１２に長手
方向における大きな圧縮力は作用せず、幅方向における
異常な広がりもなくなり、第１耐火層１２の割れあるい
は亀裂、またこれに伴う第１断熱層１５あるいは第２断
熱層１６の損傷、さらには操業の緊急停止という事態の
発生は回避されるようになっている。
【００１４】図４は、本発明の第２実施形態に係る溶湯
用樋１Ｂを示し、前述した溶湯用樋１Ａと共通する部分
については、互いに同一を番号を付して説明を省略す
る。この溶湯用樋１Ｂでは、鉄皮１７の側部から第１耐
火層１２を貫通して延び、湯道１１の上部空間に開口し
たガス供給路２０が設けられており、前記上部空間に不
活性ガス、例えばＡｒガス、Ｎ2ガスを送り込むように
なっている。また、湯道１１の上方を覆う遮蔽板２１が
設けられている。そして、斯かる構成からなる溶湯用樋
１Ｂでは、ガス供給路２０から湯道１１の上部空間に不
活性ガスが供給されるようになっているため、溶湯表面
が不活性ガスで覆われて溶湯の酸化を防止し、また湯道
１１の上方を覆う遮蔽板２１が設けられているため前記
バーナ３４からの燃焼生成物が溶湯へ混入することを防
止するようになっている。なお、第１耐火層１２および
第２耐火層１４の材料は、キャスタブル耐火物の他、プ
ラスチック耐火物、軽量キャスタブル耐火物等の不定形
耐火物のいずれかであればよい。また、前述した溶湯用
樋１Ａ，１Ｂでは、底部に保持部材１８を設けてある
が、側部にも設けてもよく、その形状は限定するもので
はない。また、ガス供給路２０の数および遮蔽板２１の
形状は限定するものではない。
用樋１Ｂを示し、前述した溶湯用樋１Ａと共通する部分
については、互いに同一を番号を付して説明を省略す
る。この溶湯用樋１Ｂでは、鉄皮１７の側部から第１耐
火層１２を貫通して延び、湯道１１の上部空間に開口し
たガス供給路２０が設けられており、前記上部空間に不
活性ガス、例えばＡｒガス、Ｎ2ガスを送り込むように
なっている。また、湯道１１の上方を覆う遮蔽板２１が
設けられている。そして、斯かる構成からなる溶湯用樋
１Ｂでは、ガス供給路２０から湯道１１の上部空間に不
活性ガスが供給されるようになっているため、溶湯表面
が不活性ガスで覆われて溶湯の酸化を防止し、また湯道
１１の上方を覆う遮蔽板２１が設けられているため前記
バーナ３４からの燃焼生成物が溶湯へ混入することを防
止するようになっている。なお、第１耐火層１２および
第２耐火層１４の材料は、キャスタブル耐火物の他、プ
ラスチック耐火物、軽量キャスタブル耐火物等の不定形
耐火物のいずれかであればよい。また、前述した溶湯用
樋１Ａ，１Ｂでは、底部に保持部材１８を設けてある
が、側部にも設けてもよく、その形状は限定するもので
はない。また、ガス供給路２０の数および遮蔽板２１の
形状は限定するものではない。
【００１５】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第１発
明によれば、上面に湯道を形成した不定形耐火物製第１
耐火層と、この第１耐火層の底面から側面にかけて外側
に配設される不定形耐火物製第２耐火層と、この第２耐
火層の底面から側面にかけて外側に配設される断熱層
と、前記各層により形成される積層体の上面を除く外周
面を包囲する鉄皮とを備えた溶湯用樋において、前記第
１耐火層と前記第２耐火層との間に繊維状断熱材からな
るセラミックファイバー層を介在させ、このセラミック
ファイバー層を介して前記第２耐火層により前記第１耐
火層の底面および側面全体を包囲させるとともに、前記
第１耐火層を長手方向に隙間を設けて配置した複数の分
割片から形成して配置されるとともに、前記断熱層を貫
かせて前記鉄皮に固定した保持部材により前記第２耐火
層を保持させた構成としてある。このため、この溶湯用
樋では、第１耐火層に長手方向における大きな圧縮力は
作用せず、幅方向における異常な広がりもなくなり、第
１耐火層の割れあるいは亀裂、またこれに伴う第１断熱
層或は第２断熱層の損傷、さらには操業の緊急停止とい
う事態の発生は回避され、安定した操業が可能になると
ともに溶湯用樋自体の寿命も長くなるという効果を奏す
る。
明によれば、上面に湯道を形成した不定形耐火物製第１
耐火層と、この第１耐火層の底面から側面にかけて外側
に配設される不定形耐火物製第２耐火層と、この第２耐
火層の底面から側面にかけて外側に配設される断熱層
と、前記各層により形成される積層体の上面を除く外周
面を包囲する鉄皮とを備えた溶湯用樋において、前記第
１耐火層と前記第２耐火層との間に繊維状断熱材からな
るセラミックファイバー層を介在させ、このセラミック
ファイバー層を介して前記第２耐火層により前記第１耐
火層の底面および側面全体を包囲させるとともに、前記
第１耐火層を長手方向に隙間を設けて配置した複数の分
割片から形成して配置されるとともに、前記断熱層を貫
かせて前記鉄皮に固定した保持部材により前記第２耐火
層を保持させた構成としてある。このため、この溶湯用
樋では、第１耐火層に長手方向における大きな圧縮力は
作用せず、幅方向における異常な広がりもなくなり、第
１耐火層の割れあるいは亀裂、またこれに伴う第１断熱
層或は第２断熱層の損傷、さらには操業の緊急停止とい
う事態の発生は回避され、安定した操業が可能になると
ともに溶湯用樋自体の寿命も長くなるという効果を奏す
る。
【００１６】また、第２発明によれば、第１発明の構成
に加えて、前記湯道の上方を覆う遮蔽板と、遮蔽板によ
り覆われた前記湯道の上部空間に不活性ガスを送込むガ
ス供給路を設けた構成としてある。このため、溶湯の酸
化およびこの溶湯を高温状態に保つバーナからの燃焼生
成物の溶湯への混入による製品不良の発生という問題は
改善されるという効果を奏する。
に加えて、前記湯道の上方を覆う遮蔽板と、遮蔽板によ
り覆われた前記湯道の上部空間に不活性ガスを送込むガ
ス供給路を設けた構成としてある。このため、溶湯の酸
化およびこの溶湯を高温状態に保つバーナからの燃焼生
成物の溶湯への混入による製品不良の発生という問題は
改善されるという効果を奏する。
【図１】 本発明の第１実施形態に係る溶湯用樋の平面
図である。
図である。
【図２】 図１のII-II線断面図である。
【図３】 図１の円IIIで囲む部分の拡大図である。
【図４】 本発明の第２実施形態に係る溶湯用樋の断面
図である。
図である。
【図５】 従来の溶湯用樋を使用した連続鋳造装置の平
面図である。
面図である。
【図６】 図５に示す連続鋳造装置の側面図である。
【図７】 図５に示す樋の平面図である。
【図８】 図７のVIII-VIII線断面図である。
１Ａ，１Ｂ 溶湯用樋 １１ 湯道 １２ 第１耐火層 １２ａ 分割片 １３ セラミックファイバー １４ 第２耐火層 １５ 第１断熱層 １６ 第２断熱層 １７ 鉄皮 １８ 保持部材 １９ 凹所 ２０ ガス供給路 ２１ 遮蔽板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 邦夫 大阪府大阪市西区京町堀２丁目４番７号 中外炉工業株式会社内 (72)発明者 河本 祐作 大阪府大阪市西区京町堀２丁目４番７号 中外炉工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−175895（ＪＰ，Ｕ) 特公 平８−26374（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F27D 3/14 B22D 11/10 B22D 35/00 - 35/04 C21B 7/14 302
Claims (2)
- 【請求項１】 上面に湯道を形成した不定形耐火物製第
１耐火層と、この第１耐火層の底面から側面にかけて外
側に配設される不定形耐火物製第２耐火層と、この第２
耐火層の底面から側面にかけて外側に配設される断熱層
と、前記各層により形成される積層体の上面を除く外周
面を包囲する鉄皮とを備えた溶湯用樋において、前記第
１耐火層と前記第２耐火層との間にセラミックファイバ
ー層を介在させ、このセラミックファイバー層を介して
前記第２耐火層により前記第１耐火層の底面および側面
全体を包囲させるとともに、前記第１耐火層を長手方向
に隙間を設けて配置した複数の分割片から形成して配置
されるとともに、前記断熱層を貫かせて前記鉄皮に固定
した保持部材により前記第２耐火層を保持させたことを
特徴とする溶湯用樋。 - 【請求項２】 前記湯道の上方を覆う遮蔽板と、遮蔽板
により覆われた前記湯道の上部空間に不活性ガスを送込
むガス供給路を設けたことを特徴とする請求項１に記載
の溶湯用樋。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP11191770A JP3090208B1 (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 溶湯用樋 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11191770A JP3090208B1 (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 溶湯用樋 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP3090208B1 true JP3090208B1 (ja) | 2000-09-18 |
| JP2001021271A JP2001021271A (ja) | 2001-01-26 |
Family
ID=16280241
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11191770A Expired - Lifetime JP3090208B1 (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 溶湯用樋 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3090208B1 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104571150A (zh) * | 2014-11-19 | 2015-04-29 | 田志恒 | 熔融陶瓷纤维流量控制系统 |
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|---|---|---|---|---|
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| CN100430490C (zh) * | 2006-03-09 | 2008-11-05 | 武汉威林炉衬材料有限责任公司 | 一种贮铁式高炉出铁沟 |
| GB2522349B (en) * | 2011-06-21 | 2015-12-09 | Pyrotek Engineering Materials | Metal transfer device |
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| KR101815304B1 (ko) | 2016-08-19 | 2018-01-11 | (주)에이원엔지니어링 | 금속 환원로 |
| KR101815305B1 (ko) | 2016-08-19 | 2018-01-11 | (주)에이원엔지니어링 | 내화물 손상 방지구조를 가진 금속 환원로 |
| JP7425957B1 (ja) | 2023-07-25 | 2024-02-01 | 品川リフラクトリーズ株式会社 | 高炉樋及び高炉樋の施工方法 |
-
1999
- 1999-07-06 JP JP11191770A patent/JP3090208B1/ja not_active Expired - Lifetime
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|---|---|---|---|---|
| CN104571150A (zh) * | 2014-11-19 | 2015-04-29 | 田志恒 | 熔融陶瓷纤维流量控制系统 |
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|---|---|
| JP2001021271A (ja) | 2001-01-26 |
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