JP3462954B2 - 真空溶鋼処理装置の内張り構造 - Google Patents

真空溶鋼処理装置の内張り構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐用性と断熱性を
兼ね備えた、不定形耐火物による真空溶鋼処理装置の内
張り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の二次精錬処理は、近年の鋼品質の
高級化指向から不可欠なものとなっている。この溶鋼の
二次精錬処理には、各種の真空溶鋼処理装置が使用され
る。
【0003】この真空溶鋼処理装置の内張りは煉瓦積み
で行われていたが、例えば特開平6−300438号公
報に見られるとおり、内張り施工の省力化・機械化など
を目的として、最近、不定形耐火物による内張りが提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3は、真空溶鋼処理
装置の一例としての、RH式真空脱ガス装置の縦断面を
示したものである。真空槽(1)の下端に、取鍋内の溶
鋼を真空槽(1)内に環流させるスノーケル(2)が設
けられている。
【0005】真空槽(1)は、内張り(3)の施工・補
修を容易にするため、上下方向にフランジ(4)にて複
数に分割され分離可能になっている。例えば図のよう
に、下部槽(A)、中間槽(B)、上部槽(C)に分割
されている。図には示していないが、DH式真空脱ガス
装置などの真空溶鋼処理装置おいても、同様の理由で
真空槽を上下方向に複数に分割、分離可能にしている。
【0006】図2は、図3の真空脱ガス装置の全体図に
おいて、下部槽(A)の点線で囲んだ部分の拡大図であ
る。フランジ(4)はパッキンなどを介することでシー
ル性を付与している。しかし、フランジ(4)は操業時
の高温による膨張あるいは休止時の冷却による収縮のく
り返しで変形し、シール性が低下して槽内への大気の侵
入は免れない。また、不定形耐火物による内張り(3)
は、使用中に受ける熱衝撃で必然的に亀裂が生じる真空
槽(1)において、溶鋼と直接接触する下部槽(A)に
は、ガスリークが原因による先行溶損が生じる。これ
は、フランジ(4)部から侵入した大気が、内張り
(3)と鉄皮(5)の間に設けられた断熱材(6)の組
織内を通過し、内張り(3)の背面に廻った後、内張り
(3)に生じた亀裂部分から真空槽(1)内にリーク
し、その際のガス噴出圧などで溶損が促進されるためと
思われる。
【0007】煉瓦積みによる内張りでは、前記の問題は
生じない。これは、煉瓦は不定形耐火物に比べて組織強
度が大きいことに加え、煉瓦目地が多数存在することで
ガスリーク部分が分散され、ガス噴出圧が小さいためと
考えられる。
【0008】本発明は、不定形耐火物で内張りした真空
溶鋼処理装置における、上記従来の問題を解決すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、フランジにて
上下方向に複数に分離可能とした真空槽のうちの、溶鋼
と直接接触する下部槽において、真空槽を構成し且つ上
下端にフランジを有する鉄皮の内側に断熱材を介在して
不定形耐火物の内張りを設けると共に、この内張りの上
端部背面に前記断熱材を介在しない不定形耐火物の内張
りを設けたことを特徴とする真空溶鋼処理装置の内張り
構造である。また、フランジにて上下方向に複数に分離
可能とした真空槽のうちの、溶鋼と直接接触する下部槽
において、真空槽を構成し且つ上下端にフランジを有す
鉄皮の内側に断熱材を介在して不定形耐火物の内張り
を設けると共に、この内張りにおける上端部背面の断熱
材の厚さをその他の部分の断熱材に比べて薄くしたこと
を特徴とする真空溶鋼処理装置の内張り構造である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の実施例を示す縦断面図であ
り、図3のRH式真空脱ガス装置の縦断面でいえば、下
部槽(A)の点線で囲んだ部分に当る部分の拡大図であ
る。図1のように、鉄皮(5)の内側に、断熱材(6)
を介して不定形耐火物(8)による内張りを設ける点で
は従来構造と同じである。
【0012】断熱材(6)は、鉄皮(5)の赤熱防止お
よび溶鋼の熱損失を低減させる役割をもつ。断熱性を備
えるため、多孔質組織を有する。
【0013】本発明は、内張り(3)の上端部(7)に
は断熱材(6)を介在しない。これにより、断熱材
(6)部分の上端が内張り(3)によって覆われる。そ
の結果、フランジ(4)から侵入した大気は下部槽の内
張りの背面への侵入が阻止され、従来構造で見られた内
張りのガスリークによる溶損促進が生じることもない。
【0014】本発明においてフランジ(4)から侵入し
た大気は下部槽への侵入が阻止された結果、例えば下部
槽の内張りと中間槽の内張りとの間や中間槽の背面に侵
入するが、これらの部位は溶鋼が直接接触しないため、
ガスリークによる先行溶損の問題もない。
【0015】本発明は、下部槽の内張り(3)の上端部
(7)背面には断熱材(6)をまったく設けないのが好
ましい。しかし、図には示していないが、下部槽の内張
りの背面全体に設けた断熱材に比べて厚さが薄い断熱材
を、その内張り(3)の上端部(7)背面に設けてもよ
い。上端部(7)背面の断熱材(6)の厚さを薄くすれ
ば、その分、内張り(3)の背面に大気が侵入し難くな
り、ガスリークが原因による先行溶損を防止する効果が
ある。
【0016】以上の本発明において以上の構造は、真空
槽(1)のうち、少なくとも下部槽(A)に対して行
う。これは、ガスリークが原因する亀裂からの先行溶損
は、溶鋼が直接接触する下部槽(A)に限られるためで
ある。下部槽(A)の上方に位置する中間槽(B)ある
いは上部槽(C)は、必ずしも上記の構造にする必要は
ない。中間槽(B)あるいは上部槽(C)などは、煉瓦
積みによる内張りにしてもよい。
【0017】また、下部槽(A)のフランジ接合部位
(9)は、上下端に存在するので、図1の通り、断熱材
(6)に大気の侵入を阻止するためのこの構造は、下端
にも設けるとさらに効果的である。
【0018】本発明で使用される断熱材の具体的な材質
は限定されものではなく、例えばシリカ質、アルミナ質
よりなる多孔質ボード、ファイバー・ボードなどであ
る。あるいは、多孔質のキャスタブル耐火物などでもよ
い。
【0019】不定形耐火物(8)の具体的な材質につい
ても特に限定されない。例えば、アルミナ質、アルミナ
−シリカ質、スピネル質、アルミナ−スピネル質、マグ
ネシア質、アルミナ−マグネシア質などのキャスタブル
耐火物とする。結合剤は、例えばアルミナセメント、マ
グネシアセメント、シリカゾル、アルミナゾルなどが使
用される。必要により、解こう剤、硬化促進剤、硬化遅
延剤、有機ファイバー、金属ファイバー、アルミナ超微
粉、シリカ超微粉、粗大粒子などを添加してもよい。
【0020】不定形耐火物による内張り施工の方法は、
常法どおり、中子を用いて流し込みによって行う。施工
の際、充填率を向上させるために、棒状バイブレータを
用いることが好ましい。
【0021】
【実施例】鉄皮の内径が3200mmの真空槽を有する
RH式真空脱ガス装置に、本発明実施例を適用した。
【0022】図1に基づいて説明すると、断熱材(6)
はシリカ質の厚さ25mmの多孔質ボードとした。内張
り(3)は、アルミナ−スピネル質キャスタブル耐火物
とし、厚さ465mmに施工した。図のように内張り
(3)の上端部(7)背面には断熱材(6)を介在させ
ず、鉄皮(5)に達するまで不定形耐火物とした。
【0023】内張り(3)の背面上端において、断熱材
(6)を覆う部分の不定形耐火物の厚さは、100mm
とした。また、施工時には内張り(3)の不定形耐火物
(8)とフランジ接合部位(9)の不定形耐火物とを同
時に流し込み施工したことで、両者を一体構造とした。
【0024】この本発明実施例の真空脱ガス装置を用い
て、340t取鍋の溶鋼を脱ガス処理後、下部槽の内張
りの溶損状況を観察した。不定形耐火物による内張り
は、使用中の熱的スポーリングあるいは構造的スポーリ
ングにより、必然的に亀裂が生じる。この亀裂部分から
のガスリークが原因による先行溶損が、図3の従来構造
に比べて、本発明実施例ではきわめて少なかった。
【0025】溶損速度について、従来構造では2.0m
m/チャージに対し、本発明実施例1は0.9mm/チ
ャージであった。その結果、本発明実施例では、下部槽
の耐用寿命が従来構造に比べて2.2倍以上向上した。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明はガスリークが原
因した先行溶損の低減という、真空溶鋼処理装置を不定
形耐火物で内張りした際の特有の問題を解決したもので
ある。真空溶鋼処理装置の内張りの不定形耐火物化は、
内張り施工の省力化から、今後ますます拡大することが
予想され、本発明はこの不定形耐火物化の技術の一貫と
してきわめて重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のRH式真空脱ガス装置におい
て、図3の下部槽(A)の点線で囲んだ部分に当る部分
の拡大図である。
【図2】従来構造のRH式真空脱ガス装置において、図
3の下部槽(A)の点線で囲んだ部分の拡大図である。
【図3】RH式真空脱ガス装置の縦断面である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 スノーケル 3 内張り 4 フランジ 5 鉄皮 6 断熱材 7 上端部 8 不定形耐火物 A 下部槽 B 中間槽 C 上部槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井哲郎 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 水野富生 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (56)参考文献 実開 平7−24962(JP,U) 実開 昭61−198257(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジにて上下方向に複数に分離可能
    とした真空槽のうちの、溶鋼と直接接触する下部槽にお
    いて、真空槽を構成し且つ上下端にフランジを有する
    皮の内側に断熱材を介在して不定形耐火物の内張りを設
    けると共に、この内張りの上端部背面に前記断熱材を介
    在しない不定形耐火物の内張りを設けたことを特徴とす
    る真空溶鋼処理装置の内張り構造。
  2. 【請求項2】 フランジにて上下方向に複数に分離可能
    とした真空槽のうちの、溶鋼と直接接触する下部槽にお
    いて、真空槽を構成し且つ上下端にフランジを有する
    皮の内側に断熱材を介在して不定形耐火物の内張りを設
    けると共に、この内張りにおける上端部背面の断熱材の
    厚さをその他の部分の断熱材に比べて薄くしたことを特
    徴とする真空溶鋼処理装置の内張り構造。
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