JP3090094U - 石材パネルの取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の慳貪式により大谷石を木造躯体に取り
付ける場合は、Ｈ型レールを水平に配設するため、Ｈ型
レールの上側の窪みに雨水等が溜まって排水されず、凍
結融解が繰り返されたり、腐朽菌が繁殖していた。 【解決手段】 断面略Ｈ字状の取り付けレール１を木造
躯体５に複数本上下に平行に配設し、取り付けレール１
の一方のフランジの取り付け基部を外壁にビス２等で固
定し、上下の取り付けレール１の間にそれぞれ石材パネ
ル６を配置し、取り付けレール１の他方のフランジの上
部の上嵌合突片１ｄを石材パネル６の下端の下嵌合凹溝
６ｂに嵌合するとともに取り付けレール１の他方のフラ
ンジの下部の下嵌合突片１ｅを石材パネル６の上端の上
嵌合凹溝６ａに嵌合する慳貪式の石材パネルの取り付け
構造において、取り付けレール１の中間リブ部１ｃに適
間隔で水抜き孔４を形成して通気性を向上した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、大谷石等の凝灰岩又は砂石からなる石材パネルを木造躯体に取り付 ける石材パネルの取り付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

大谷石は、ビルや蔵、塀等には多用されているが、住宅の外壁に用いられるこ とは希であり、そこで本考案者らは、美観のすぐれた大谷石の普及をめざして当 該住宅の外壁に大谷石を用いようと試みた。 しかし、木造躯体に取り付ける場合、熟練工が、アンカ、ステンレス線、接着 ボンド、裏込め用モルタル等を用いて、直接、木造躯体に貼り付けるため、コス ト高になるとともに、取り付け構造上通気性が悪く、大谷石の呼吸が阻害され、 また吸水性を有する大谷石は、冬期に、吸収した水分が凍結融解を繰り返すこと で破壊が進み、さらにその湿気のために腐朽菌が繁殖し木造躯体を腐らせるとい う欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

一方、大谷石ではないが、石材を直接躯体に貼り付けないで固定する工法が実 開平4-82235 号公報に「壁面パネルの取り付け構造」として提案され、この工法 は、壁面パネルを直接木造躯体に貼り付けないので通気性の点で改善されている が、Ｈ型レールを水平に配設するため、Ｈ型レールの上側の窪みに雨水等が溜ま って排水されず、やはり、凍結融解が繰り返されたり、腐朽菌が繁殖すると言う 問題点が解決されずに残った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで上記課題を解決するために、請求項１の考案は、断面略Ｈ字状の取り付 けレールを木造躯体の外壁に複数本上下に平行に配設し、取り付けレールの一方 のフランジの取り付け基部を外壁にビス等の固着具で固定し、上下取り付けレー ルの間にそれぞれ大谷石からなる石材パネルを配置し、取り付けレールの他方の フランジの上部の上嵌合突片を石材パネルの下端の下嵌合凹溝に嵌合するととも に取り付けレールの他方のフランジの下部の下嵌合突片を石材パネルの上端の上 嵌合凹溝に嵌合する慳貪式の石材パネルの取り付け構造において、取り付けレー ルの中間リブ部に適間隔で水抜き孔を形成して通気性を向上したことを特徴とす る。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下、図に沿って本考案の実施形態を説明する。図１は本考案に用いられるＨ 型レールの斜視図である。アルミ材からなるＨ型レール１は、幅の広い方のフラ ンジ１ａ，１ｂが取り付け基部となり、図示しない木造躯体に当接されて固定さ れる。また、このフランジ１ａ，１ｂには、ビス２を挿入するための孔３が一定 間隔で形成されている。Ｈ型レール１の中間リブ１ｃには、水抜き孔４が長手方 向に適間隔で形成されている。Ｈ型レール１の幅の狭い方のフランジが石材パネ ル（図示せず）と嵌合する上嵌合突片１ｄおよび下嵌合突片１ｅとなる。

【０００６】 図２は木造躯体５にＨ型レール１を取り付けた後、大谷石からなる石材パネル ６をＨ型レール１に挿入した状態を示す斜視図である。木造躯体５の上中下に３ 本のＨ型レール１が等間隔で水平に配設され、それぞれＨ型レール１に挟まれた 部分に、２枚の石材パネル６が挿入されている。

【０００７】 図３は本考案の要部を示す断面図である。木造躯体５の上下にそれぞれＨ型レ ール１がビス２により固着され、２本のＨ型レール１の間に石材パネル６が挿入 されている。石材パネル６の上端には、上嵌合凹溝６ａが形成されて、Ｈ型レー ル１の下嵌合突片１ｅが嵌合される。同じく、石材パネル６の下端には、下嵌合 凹溝６ｂが形成されて、Ｈ型レール１の上嵌合突片１ｄが嵌合される。上のＨ型 レール１の上方には、防水カバー７が配設されて、上のＨ型レール１および石材 パネル６の上端が直接雨水に晒されることを防いでいる。

【０００８】 このように構成されたことで、Ｈ型レール１の上嵌合突片１ｄおよび下嵌合突 片１ｅは、そのフランジ１ａ，１ｂから充分に離間しているため、石材パネル６ の背面と木造躯体５との間に空間が形成され、充分な通気性が確保される。また 、石材パネル６の背面に雨水等が浸入した場合も、下側のＨ型レール１の中間リ ブ１ｃに、水抜き孔４が長手方向に適間隔で形成されているため、雨水等はその 水抜き孔４を経て下方へ排出され、中間リブ１ｃの上側に水が溜まることが解消 される。その結果、石材パネル６が雨水を吸収して凍結融解したり、木造躯体５ に腐朽菌が繁殖することがなくなる。 また、石材パネル６は、Ｈ型レール１に挟まれた空間に挿着するいわゆる慳貪 式により取り付け固定する構造であるため、熟練工に頼ることなく素人でも施工 が可能となる。しかも、副資材のアンカ、ステンレス線、接着ボンド、裏込め用 モルタル等が不要となるため低コストでの施工が可能となる。なお、石材パネル ６には、大谷石以外の凝灰岩や砂岩を用いることも可能である。

【０００９】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、Ｈ型レールの中間リブ部に水抜き孔を適間 隔で形成したため、雨水が溜まることなく排水され、凍結融解や腐朽菌の繁殖が 解消される。また、本考案は、慳貪式により石材パネルを取り付ける構造である ため、熟練工に頼ることなく素人でも施工が可能となる。さらには、副資材のア ンカ、ステンレス線、接着ボンド、裏込め用モルタル等が不要となるため低コス トでの施工が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に用いられるＨ型レールの斜視図であ
る。

【図２】Ｈ型レールに石材パネルを挿入した状態を示す
斜視図である。

【図３】本考案の要部を示す断面図である。

【符号の説明】

１ Ｈ型レール １ａ，１ｂ フランジ １ｃ 中間リブ １ｄ 上嵌合突片 １ｅ 下嵌合突片 ２ ビス ３ 孔 ４ 水抜き孔 ５ 木造躯体 ６ 石材パネル ６ａ 上嵌合凹溝 ６ｂ 下嵌合凹溝 ７ 防水カバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面略Ｈ字状の取り付けレールを木造躯
   体の外壁に複数本上下に平行に配設し、取り付けレール
   の一方のフランジの取り付け基部を外壁にビス等の固着
   具で固定し、上下取り付けレールの間にそれぞれ大谷石
   からなる石材パネルを配置し、取り付けレールの他方の
   フランジの上部の上嵌合突片を石材パネルの下端の下嵌
   合凹溝に嵌合するとともに取り付けレールの他方のフラ
   ンジの下部の下嵌合突片を石材パネルの上端の上嵌合凹
   溝に嵌合する慳貪式の石材パネルの取り付け構造におい
   て、取り付けレールの中間リブ部に適間隔で水抜き孔を
   形成して通気性を向上したことを特徴とする石材パネル
   の取り付け構造。