JP3089811B2 - デジタルオーディオ信号処理装置 - Google Patents

デジタルオーディオ信号処理装置

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JP3089811B2
JP3089811B2 JP9730792A JP9730792A JP3089811B2 JP 3089811 B2 JP3089811 B2 JP 3089811B2 JP 9730792 A JP9730792 A JP 9730792A JP 9730792 A JP9730792 A JP 9730792A JP 3089811 B2 JP3089811 B2 JP 3089811B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数のマイクロホン等
によって収録された複数のデジタルオーディオ信号をミ
キシングして、一つの完成されたオーディオプログラム
に作成するデジタルオーディオミキサ、特にデジタルV
TRのオーディオの編集に好適なデジタルオーディオ信
号ミキサに関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】多系統のオーディオ信号
をミキシングするために、そのソースがアナログ信号で
あれ、デジタルソースにかかわりなくデジタルオーディ
オ信号ミキサ(以下、デジタルミキサという。)による
オーディオプログラムの作成が行われるのが主流となっ
ている。デジタル化された複数チャンネルのオーディオ
信号を所望の混合比をもって混合し、新たなデジタル化
された複数チャンネルのオーディオ信号を得るようにし
たデジタルミキサは、図1に示すブロック図のように構
成されている。
【0003】まず、図1を参照してデジタルミキサの概
略を説明する。図1に示すデジタルミキサは、32チャ
ンネルのデジタルオーディオ信号が入力され、4チャン
ネルのデジタルオーディオ信号がプログラムされて出力
されるデジタルミキサを示している。図1において、ま
ず、入力チャンネルは、32チャンネルのデジタルオー
ディオ信号#1から#32が入力端1から入力される。
この32チャンネルのオーディオ信号がルーティングス
イッチャー2で選択されて16チャンネル(CH1〜C
H16)のオーディオ信号となり、この16チャネルの
出力は、ミュートスイッチ3、デエンファシス・位相変
更装置4、遅延装置5、フィルタ6、イコライザー7、
インサーション8を通り、チャネルフェーダー9によっ
て音量が調節される。その後、アサインスイッチ10を
経由して4つのバスに加算され、マスタフェーダー11
によって音量調節され、プログラムされた4つの出力1
2(PGM1〜PGM4)となる。
【0004】以下に、前記デジタルミキサの各要部につ
いて詳述する。32チャンネルのデジタルオーディオ信
号#1から#32は、デジタルオーディオデータであっ
て、一般的にはAES/EBUフォーマットの信号であ
る。具体的に言えばDATやCDPのディジタル出力信
号でオーディオのPCMデータに付加情報の加わった信
号である。
【0005】ルーティングスイッチャ2ーは、CH1か
らCH16にデジタルオーディオ信号#1から#32の
どの信号を割り当てるかを決めるスイッチャーで、CH
1からCH16すべてに同じ信号、例えば入力信号#1
を割り当てることも可能である。ミュートスイッチ3
は、操作者が必要としないデジタルオーディオ信号を伝
送しないように切り替えるスイッチである。デエンファ
シス装置4は、エンファシス(高域強調)の処理が施さ
れている信号が入力された場合、この信号処理を取り除
く(デエンファシス)ことにより高域信号を元に戻す装
置である。
【0006】次にデエンファシス装置と同じブロックに
記載されている位相変更装置4について説明する。この
位相変更装置は、デジタルオーディオ信号の位相を反転
する装置である。この位相変更装置は一般に販売されて
いるCD、音楽テープ、レコード等を聞く場合は特に必
要としないので、通常販売されている音響装置に付属す
るオーディオ増幅器にはない機能である。その用途とし
て、主に録音、収録時のマイクロフォンの位相補正に使
用する。マイクロフォンは、音圧によって振動板を震わ
せその振動を電気信号に変換するが、マイクロフォンに
よっては、音響振動(空気の振動)の密な所でプラスの
電圧を発生するものと疎の所でプラスの電圧を発生する
ものがあり、複数のマイクロフォンを用いて録音収録を
行うと極性がまちまちになり、位相を合わせる必要があ
り、位相を揃えないと音響振動が打ち消しあって、特に
指向性の弱い低音が消えてしまう。このため、ミキシン
グに当たってマイクロフォンで収録された入力信号はマ
イクロフォンの特性によって位相合わせをする必要が生
じ、この位相反転器(フェイズリバース)がミキサに必
要となる。
【0007】遅延装置5は、デジタルVTRのオーディ
オ信号の編集を行う場合、映像の編集をデジタルマルチ
エフェクター(DME)等で行うと数フレームの遅延を
生じる場合があり、このような場合、音声も映像に合わ
せて遅延させてやる必要があり、このために遅延装置が
必要になる。フィルタ6は、低域カットフィルタと高域
カットフィルタを備えており、ミキサにおいては、エフ
ェクターや雑音を除去するために用いられる。高域カッ
トフィルタは、例えば入力オーディオ信号のソースがア
ナログ信号でテープ等に収録されている場合等にヒスノ
イズを伴うことがあり、このような雑音を取り除くのに
使用される。また低域カットフィルタは、風の音等周囲
の低周波ノイズ等を取り除くのに使用される。イコライ
ザー7は、オーディオ信号のある音域の信号レベルを上
げたり下げたりする場合に用いられるものであるが、ミ
キサにおいては、主として効果音を作成するエフェクタ
ーとして用いられる。
【0008】次に、インサーション8について説明する
と、インサーション8は、ミキサ外の外部エフェクター
等(リミッター、フィルター、イコライザー等)を操作
者が交換して用いる場合に接点を外部に解放する機能を
指している。すなわち、オーデオ信号の通路をインサー
ションポイントで切り、その切り口を外部に解放するも
のである。したがって、インサーション機能をオンさせ
ても、機器の外部で何の接続も行わないと音はインサー
ションポイントで切断されてしまうので前記入力オーデ
イオ信号は出力されなくなる。図31で具体的に説明す
ると、インサーションをオフにすると、スイッチ13は
上側に倒されるので入力と出力が直結され、インサーシ
ョン機能はない。一方スイッチ13をオンにすると、ス
イッチは下側に倒されて入出力ともインサーションポイ
ント25から外部に入出力される。ここで操作者が用い
たいエフェクターをインサーションアウトに接続し、そ
のエフェクターの出力をインサーションインに接続す
る。このようにデジタルミキサの持っていないエフェク
ト等も外部機器を通してかけることができるものであ
る。
【0009】チャンネルフェーダー9は、CH1からC
H16までの音量を調節する機能を有しており、これら
チャンネルフェーダー9によって音量調節(+12dB
から−∞)された後、ミキシングバスに送られ、アサイ
ンスイッチ10に従って各々の音がミキシングされる。
アサインスイッチ10は、前記チャンネルフェーダー9
によって音量調節された音をミキシングするかどうかを
決めるスイッチであって、スイッチがオンの場合は、足
し込み、スイッチがオフの時は、足し込まない機能を有
し、ミキシングバスに対する入力のオンオフスイッチで
ある。
【0010】次にマスターフェーダー11は、前記アサ
インスイッチ10に従って4つのミキシングバスに足し
込まれた音(例えばサラウンドプログラム)はそれぞれ
PMG1(プログラム1)、PGM2、PGM3、PG
M4となり、これらプログラムされたPGM1からPG
M4までの出力は、それぞれこのマスターフェーダー1
1によって最終的な音量調節(通常の調整範囲は0dB
から−∞であるが、ゲインを持たせることもある。)が
なされる。マスターフェーダー11によって音量調節さ
れた後、再びAES/EBUフォーマットに変調され
て、前記PGM1〜PGM4出力として外部に出力され
る。
【0011】以上、デジタルオーディオ信号のデジタル
ミキサの要部について説明したが、従来のデジタルミキ
サが持つ問題点について以下に説明する。そこで、まず
従来の位相変更及び音量調整の問題点について説明す
る。従来、位相変更機能のあるデジタルミキサでは、図
28の(A)に示すように、オーディオデータに対して
「1」を乗算器14で乗算するか、「−1」を乗算器1
5で乗算するかで位相反転を実現している。この方法で
は、図28の(B)に示すように位相反転していない信
号28Aが連続であっても位相反転スイッチ16を切り
換えて位相反転させた場合、位相反転させるタイミング
によって不連続な波形28Bになり、結果的に図28の
(C)に示すような位相変換波形になる。この不連続が
生じるために切り換え時においてノイズが発生する。
【0012】特にデジタルオーディオ信号の場合には、
離散的データになっているため、図28の(C)のよう
な位相変換波形では、スイッチオン瞬間でデータの連続
性がなくなるため、「ブチッ」、「バチッ」というよう
なノイズを発生する。特にデジタル信号では、不連続点
があるために、周波数成分が∞まで伸びており、実際に
D/A変換する場合にはサンプリング周波数の二分の一
以上の周波数成分は表現できないため折り返しノイズと
なり、デジタルオーディオ信号を切り替える場合は、不
連続点がないように切り替えないとノイズの発生要因と
なる。
【0013】位相変更機能を実際にデジタルオーディオ
信号に対して処理するには、従来は図28の(A)にお
いて、DSP等で「−1」を乗じることで位相変更を行
う。DSPで乗算を行う場合は、その係数kとしては一
般的には−1≦k<1となっており、「1」を乗ずると
入力信号そのものになり、「0.5」ではレベルが半分
になり、「0」で無音、「−1」で位相が反転し、「−
0.5」でレベルが半分の位相が反転した波形になると
いう処理が施される。従って、デジタルオーディオ信号
に対して位相反転機能を行おうとすると、入力信号に
「1」を乗じるか、「−1」を乗じるかを選択する回路
で実現できる。しかし、このような位相変更の方法で
は、信号の不連続性の問題は解決することはできず、図
28の(C)の波形そのものが出力されてしまう。
【0014】次に、デジタルミキサにおいて音量調整を
行うフェーダーの問題点について以下に説明する。デジ
タルオーディオ信号をフェーダー等でデジタル的に音量
調節する場合、実際の信号処理はDSPを用いて行う。
この処理の内容はフェーダーの操作としては、デジタル
オーディオ信号に1から0までの値の係数を乗算して行
う。例えば「1」を乗じると入力信号はそのままのレベ
ルになり、「0」を乗じると無音となる。図29には、
従来使用されているデジタルフェーダーの一例を示して
いる。図29において、制御用フェーダー17の値をA
−D変換器18でデジタルデータに変換し、この値をC
PU19で読み取り、1から0までの係数データに変換
して表す。この変換された係数データはデータ補間器2
0に書き込まれる。
【0015】この回路を実際に動作させた際、CPU1
9の転送する係数値とデジタルオーディオ信号の流れは
図6の(C)に示す状態になっており、デジタルオーデ
ィオデータは当然1/fS (fS はサンプリング周波
数)の周期で更新される。一方、ミキサ内部ではデジタ
ルオーディオ信号は全てシリアル信号で通信されている
ので、デジタルオーディオデータはNo.1、No.2
・・・No.Nのように変化する。これに対してCPU
19ではフェーダー係数Fdn−1・・を書き込む場合
は、デジタルオーディオ信号のfS に同期してfS 毎に
係数を変化させることは殆ど不可能に近い。
【0016】この理由は、(1)CPU19のマスター
クロックをデジタルオーディオ信号のfS に同期させな
ければならないが、ミキサ等のように、複数の入出力を
有する機器では、どの入力に同期させるか、同期はずれ
が生じた時にいかに処理するか等の問題があり、CPU
の動作を完全に保証するのが困難である。 (2)前記(1)の問題が仮に克服された場合でも、デ
ジタルオーディオ信号のfS に同期してCPUで係数を
書き換えることはできるが、fS 毎に書き換えるには、
CPUの処理が重くなってしまう。例えば、フェーダー
一つにCPUが一つ必要になるというような事態になっ
てしまい、現実的でない。
【0017】従って、図6の(C)ように、フェーダー
係数Fdn−1、Fdn、Fdn+1は、デジタルオー
ディオ信号の変化数回に1回しか変化させることができ
ない。実際、従来のデジタルミキサにおいては、オーデ
ィオ信号のサンプリング周波数fS が44.1kHzま
たは48kHzに対して、フェーダー係数の更新の周期
は60Hzとなっており、オーディオデータの変化が約
1000回で1回フェーダー係数が変化するようになっ
ている。結局、前記フェーダー係数は図6の(B)中の
リアルデータとして示す階段上の変化をすることにな
る。この係数をそのまま用いてDSP内部でデジタルオ
ーディオデータと乗算器21で乗算を行うと、この係数
転送の周期(60Hz)で変調された変調ノイズが発生
し、聴感上ゴロゴロといったようなノイズ(ジッパーノ
イズ)となって聞こえてしまう。そこで、DSPでは、
CPU19から転送されてきたフェーダー係数をそのま
ま用いるのではなく、補間器20で何らかの補間をして
乗算に用いる方法が取られる。そのために図6の(B)
に示すように補間データを用いてまずその解決すべき方
法を説明する。
【0018】前述したように、図6の(B)中の補間し
ていない階段状の係数を用いると変調ノイズが発生す
る。そこで、この係数をDSP内部で補間するために補
間の時定数として2種類の時定数、20msと5msで
もって処理を行う。この時定数の決定は実際の試聴テス
トの結果に基づいてなされたものである。このテスト方
法について説明すると、まず、補間器20の時定数を十
分に大きく取っておく(例えば、200ms)。そこ
で、フェーダー17を実際に上下させてみると、時定数
が十分に大きいので変調ノイズは発生しないが、図6の
(A)のカーブ6Bに示すように目標値への到達も当然
に遅くなる。このような場合、変調ノイズの発生はない
ものの、フェーダー17を上げてから(ボリュームを上
げる)音が大きくなるまで、または、フェーダー17を
下げてから(ボリュームを絞る)音が聞こえるまで時間
がかかり遅延して聞こえる。つまり、時定数が小さけれ
ば小さいほどレスポンスは早くなるが、ここで変調ノイ
ズが発生しない限界近くまで時定数を小さくしていく
と、ノイズの発生にないレスポンスの早い補間を実現で
きる。このようにして検討した結果得られた時定数が2
0msである。
【0019】次に図29において、フェーダ制御データ
ミュートスイッチ22をオンオフして制御フェーダー1
7を切り離したり接続したりすると、ノイズはないが依
然としてレスポンスが遅く感じられる。つまり、フェー
ダー17の上下ではレスポンスは許容範囲内の早さでも
ミュートスイッチ22のオンオフでは遅く感じられる。
そこでミュートスイッチ22に対してもレスポンスに違
和感がなくなるまで十分に時定数を小さくしていく。こ
のようにして得られた時定数が5msである。この時、
スイッチ等の一方向の変化は係数を補間しなくても特に
ノイズの発生がないように見受けられるが、瞬時にフェ
ーダー係数を「0」からある値もしくはある値から
「0」に変化させると、そのポイントでオーディオデー
タに不連続点が生じ、この不連続点のあるデジタルオー
ディオデータをDA変換するとサンプリングの定理によ
り折り返しノイズが発生し、先に位相変更のところで述
べたと同様にノイズとなって聞こえる。このように、同
じ時定数を補間器20に設定してミュートスイッチ22
のオンオフ及びフェーダ17が動かされた時の係数を補
間すると、ミュートスイッチ22に時定数を合わせて係
数を補間するとノイズが発生し、フェーダー17の動き
に合わせた時定数で係数を補間すると、レスポンスが遅
くなるという問題点が存在する。
【0020】次に、デジタルミキサのエフェクターの従
来例の問題点について説明する。従来エフェクター(イ
コライザー、フィルター)で効果音を挿入する場合、エ
フェクター23の切り換えを図30に示すように、単に
スイッチ24を用いてオンオフで切り替えていたが、特
にデジタルオーディオではデータの連続性が失われるた
め、切り換えノイズが発生する場合がある。例えば、エ
フェクターとして、イコライザーを考え、図30の
(B)に示すEQ周波数特性のように、ある音域(f0
付近)をかなりのレベル例えば+10dBブーストした
場合についてみると、従来のように単にスイッチ24で
エフェクター側に切り換えると、当然f0 付近の音を含
むオーディオ信号が入力されていると、スイッチ24の
オンオフで出力レベルに差が生じる。これを図示する
と、図11の(B)中の11Dのようにスイッチ24の
切り換えによりオーディオデータ11Cに不連続点が生
じて、スイッチの切り換え時のレベル差によりオーディ
オ信号の連続性は失われる。
【0021】次に、前記インサーション8の問題点につ
いて説明する。一般にオーディオミキサでは、多入力の
オーディオ信号が加算されることを考慮して、ミキサの
内部レベル(ヘッドルーム)は入力レベルよりも低く設
定している。この入力よりも低くなっている内部レベル
でインサーションポイント25より外部に出力すると、
外部のエフェクター機器に対してフルビットの入力がで
きずに最適なS/Nが得られない。そこで、レベルを入
力レベルまで戻してインサーションポイント25(図3
1)より出力すると、外部エフェクターに何らかのゲイ
ン(高低音のブースト)があると、図13の(B)に示
すようにデータがクリップしてしまう。上記のように、
内部レベルを下げないで一度クリップしてしまうとデー
タは元の戻らなくなるが、内部レベルを低くとってある
と、マスターフェーダー11でレベルを下げれば正常な
データを出力できる。入力信号をそのまま加算すると当
然クリップしてしまいマスターフェーダー11を下げて
もクリップした音が小さくなるだけで、クリップを避け
ることができない。従って、ミキサでは内部レベルを小
さくしておく必要がある。
【0022】前記したように、インサーションポイント
25(図31)は、イコライザー7の後段チャネルフェ
ーダー9の前段に持っており(図1)、従って内部レベ
ルは入力レベルよりも小さくなっている。これは前記し
たようにオーディオデータの足し合わせによるクリップ
を防止する以外に他の理由がある。それはミキサに何ら
かのゲインを持ったエフェクターが存在することであ
る。例えばイコライザー7ではある帯域の音を最大15
dB持ち上げることがある。そこで、内部レベルを下げ
ておかないと、チャンネルフェーダ9を下げてもイコラ
イザー7によるクリップを免れることができないからで
ある。以上、最適なインサーションの入出力レベルは、
インサーションを利用する操作者の利用方法によって異
なってくる。
【0023】次に、前記ミキサにおいて、従来は、ルー
ティングスイッチャー2を通した入力をミキサーの入力
とする場合、ルーティングスイッチャー2の設定を変更
すると、ミキサのチャンネルCH1〜CH16のパラメ
ータの設定も変更しなければならない。従って、従来は
チャンネル変更時、変更後の各パラメータは再度設定す
る必要があった。すなわち、従来は16のチャンネルC
H1からCH16に対してそれぞれイコライザー7、フ
ィルタ6、フェーダー9等を備えて信号処理をするが、
従来のスナップショットオートメーションでは(特公平
2−47125号公報等)、このCH1からCH16の
入力に対して設定したイコライザー、フィルタ、フェー
ダー等のパラメータを瞬時に読み出すものである。例え
ば、図16に一例として示すシーン設定データでは、こ
れらデータに従ってイコライザー、フィルタ、フェーダ
等のパラメータを瞬時に変化させている。つまり、スナ
ップショットはルーティングスイッチャー2を通過した
入力信号に対して、それぞれパラメータの値を変化させ
るものである。従って、オーディオ信号のどの入力信号
#がチャンネルCH1に入力されているかどうかは、ス
ナップショットには反映できないという問題があった。
【0024】次に、前記ミキサや他に提案されたミキサ
(特許出願公告平2ー47125号公報)の出力(PG
M)レベル表示装置について説明する。前記ミキサは、
図17に示すように、データの処理を行うプロセッサラ
ック26とマンマシンインタフェースを司るコントロー
ルパネル27とで構成されている。そしてコントロール
パネル27が備える音量・音質データレベルを表示する
メーター28のデータは、外部出力PGM1〜PGM4
(図1)のデータから生成する。そしてメーター28へ
のレベル表示は、前記PGMデータをそのままメーター
データとして表示するのではなく、dB表示で行われ
る。図20のフローチャートが示すようにメーター28
を表示させるメーターデータは、前記プロセッサーラッ
ク26で生成する。図1のミキサは、フルデジタル処理
のオーディオミキサであり、従ってメーターデータもデ
ジタルデータとなる。そして一般的にはメーター28
は、バーグラフメーターで図18又は図19に示す10
0セグメントのものを使用し、メーターデータは8ビッ
トになっている。
【0025】従来のメーター表示は、前記フローチャー
トにおいて、コントロールパネル27でメーターデータ
に基準レベルを付加して、メーターデータをメータ28
に送るのではなく、プロセッサラック26でオーディオ
出力データからメーターデータを作り、このメーターデ
ータをコントロールパネル27に伝送し、バーグラフメ
ーター28をメーターデータに従って点灯させるととも
に、基準レベルの表示は、図32に示すように基準レベ
ル以上のセグメント29の色を変える(例えば、オレン
ジ色)か、又は、基準レベルの設定ツマミ30を設け、
同時に基準レベルを表示する別のバーグラフメータ31
を設けるという方法が取られていた。このような方法だ
と、メーター表示と基準レベル表示の一体感がなく後者
の場合は別のバーグラフ表示を必要とするためハドウェ
アが複雑化するという欠点を有している。
【0026】次に、これまで説明してきたデジタルミキ
サを使用するに際し、メインテナンスの必要を生じ、ミ
キサ内の回路ブロックに対する機能をチェックしなけれ
ばならない。ミキサ内にこのような回路ブロック特にデ
ジタル処理を行うDSP等の機能をチェックする自己診
断システムがない場合、すべての入出力よりオーディオ
信号を入力し、すべての出力からオーディオ信号をチェ
ックする必要がある。また、自己診断システムを備えて
いても、ミキサを構成するDSPや集積回路装置のリフ
ァレンス表示機能がなければ、測定機器等を用いて測定
する必要がある。このように従来の自己診断システム
は、メインテナンス時、治具工具を必要とし複雑な作業
をするという煩わしさを避けることができなかった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】これまで、デジタルミ
キサが有する諸問題について説明してきたが、本発明
は、デジタルミキサにおいて、位相変更時のスイッチ切
り換え及び音量調整時のスイッチ切り換えによる信号の
不連続によって発生するノイズを低減すること、インサ
ーションアウトのレベルに伴ってインサーションインし
た時の信号のクリップを防止し、S/Nの向上を図るこ
と、入力信号をルーティングスイッチャーで変更させた
時、ミキサの各チャンネルのイコライザー、フィルタ、
フェーダーレベル、アサインスイッチの各パラメータの
設定を容易にすること、ミキシングコンソールにおい
て、ミキサ出力データのレベル表示を見易く且つ構成を
簡易化すること、ミキサのメインテナンス時の自己診断
を迅速且つ容易にすることを目的としており、特に本発
明は、エフェクタ機能の切り換えによる信号の不連続に
よって発生するノイズを低減することを目的とするもの
である。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、デジタルオー
ディオ信号が入力される複数の入力端子と、上記入力信
号に所定の処理を与えるN個(N≧1)の処理手段と、
上記処理手段によって処理された信号と上記入力信号の
うちいずれかの信号を選択する選択手段と、上記選択手
段によって選択される信号が切り替わった場合には、前
記選択されていた信号のレベルを所定の時定数で減衰さ
せるとともに、今回選択された信号のレベルを所定の時
定数で0レベルから元のレベルまでブーストして、両者
を混合させてその混合信号を出力するクロスフェーダー
とを備えてなることを特徴とする。
【0029】
【実施例】以下に、デジタルミキサが有する前記問題点
を解決した各実施例について順次説明する。 〔位相変更〕従来のデジタルミキサの位相変更や音量音
質調整する際、係数を「1」から「−1」にスイッチで
瞬時に切り換えているため前記したように不連続点がで
きてノイズが発生するが、本発明はこのノイズの発生を
防ぐために、乗じる係数を「1」から「−1」に徐々に
変化させる点に特徴を有するものである。そこで、本発
明は、図2の(A)に示すように、係数を「1」から
「−1」、または「−1」から「1」に変化させるため
にIIRフィルタ等で構成された補間器32を用いる点
に特徴がある。そして位相の反転が必要な場合、位相変
更スイッチ34を必要な側に切り替えることにより、図
2の(B)に示すように係数データkを補間する補間器
32の出力とオーディオデータが乗算器33で乗算され
て位相変更が指数関数的に徐々に変化し補間されて出力
される。
【0030】図2の(B)に示す補間特性は、前記補間
器32で係数kを「1」から「−1」又は「−1」から
「1」に指数関数的に徐々に変化させ、位相変更スイッ
チ34をオンしてから完全に位相が反転するまでに時定
数を設定する。この係数kを補間するときの時定数の設
定は、視聴者のテストの結果、3ms〜5msとするの
が適切であることが明らかになった。このような補間さ
れた係数kを用いて位相変更機能を動作させると信号波
形は図4のようになり、位相反転部においても連続性が
保たれる。図4に示す波形は、前記係数kが「1」から
徐々に「0」になり、それから徐々に「−1」に変化し
た時のアナログ出力信号の波形を示しており、信号波形
もレベルが徐々に小さくなって0になり、位相反転した
波形が徐々にレベルが大きくなっていき滑らかに位相反
転されることがわかる。
【0031】図3は、前記補間器32をDSPで構成し
た一例を示している。前記補間器32は、位相変更スイ
ッチ35、係数乗算器36、37及び38、加算器3
9、乗算器40、1サンプル遅延RAM41で構成され
る。この補間器32は、入力係数データkを[0.5]
又は[−0.5]として設定し、位相変更オンの指令が
あると、スイッチ35が係数「−0.5」側に、位相変
更オフの指令があると係数「0.5」側に切り替わる。
この係数データkに係数乗算器36で係数「0.004
5」が乗算される。また、1サンプル前の係数データは
遅延RAM41によって1サンプル周期遅延され、係数
乗算器37で係数「0.9955」と乗算されて、前記
係数乗算器36の出力と加算器39で加算される。そし
て加算器39の出力データとデジタルオーディオデータ
が乗算器40で乗算され、係数乗算器38で2倍されて
指数関数的に位相変更されたデジタルオーディオ信号が
出力される。このように、位相変更時にオーディオデー
タに乗算される係数を前記補間器32で補間することに
より、図4に示すようにオーディオ信号に不連続を生じ
ることなく位相変更を達成できる。前記補間特性は指数
関数的に変化したものを採用したが、係数kが直線的に
変化する直線補間を採用することも可能である。
【0032】〔音量音質調整〕前記のように、同じ時定
数でミュートスイッチ22のオンオフ及び制御フェーダ
17(図29)が動かされた時の係数を補間すると、ミ
ュートスイッチ22に時定数を合わせて係数を補間する
と変調ノイズ(ジッパーノイズ)が発生し、制御フェー
ダー17の動きに合わせた時定数で係数を補間すると、
レスポンスが遅くなるという問題点が存在する。
【0033】本発明は、前記変調ノイズをなくし、レス
ポンスを早くするために、ミュートスイッチがオンオフ
されたのか、制御フェーダーが動かされたのかを補間器
が検知して、それぞれに適した時定数でその係数を補間
し音量を調整することを特徴とするものである。図5に
本発明による係数を補間して音量を調整するシステムを
示している。まず、制御フェーダー17で設定された係
数値は、ミュートスイッチ22を通りAD変換器18で
AD変換される。そしてミュートスイッチ22のオン時
は制御フェーダー17で設定された係数そのものを、ス
イッチオフで係数「0」をAD変換器19と通信する。
ここでミュートスイッチ22のオンオフ指令をCPU1
9が判別してCPU19内でデジタル的に処理される
【0034】CPU19は、AD変換器18でAD変換
されたフェーダー係数データを読み取り、データ補間ブ
ロック42に書き込む。このデータ補間ブロック42
は、補間時定数5msと20msを有する2つのデータ
補間器からなり、一方のデータ補間器43は5msの時
定数を有し、他のデータ補間器44は20msの時定数
を有しており、図6の(A)に示すように、目標値に対
して前記データ補間器43は短い時定数(カーブ6A、
5ms)で補間を行い、前記データ補間器44は、長い
時定数(カーブ6B、20ms)で補間を行う。
【0035】そこで前記データ補間器の動作を図5のブ
ロック図及び図7の係数補間フローチャートに基づいて
説明する。前記デジタル変換されたデータ補間係数はC
PU19に書き込まれ、該CPU19に書き込まれた係
数はデータ補間ブロック42内でレジスタ45に書き込
まれる。なお、レジスタに代えてDRAMを用いて書き
込んでも良い。このレジスタ45に書き込まれた係数デ
ータは、次のデータが転送されてくると、遅延RAM4
6に書き込まれる。従って、データ補間ブロック42に
おいて、前記レジスター45が現在の係数値Fdnを、
遅延RAM46が1サンプル前の係数値Fdn−1を記
憶している。
【0036】このような状態で、ミュートスイッチ22
がオンオフされて係数が変化した場合は、Fdnまたは
Fdn−1の値は0となるので、Fdn=0またはFd
n−1=0の時はデータ補間器43を用いて目標値に対
して短い時定数5msで補間し、それ以外のFdn≠0
およびFdn−1≠0の時は補間器44を用いて目標値
に対して長い時定数20msで補間する。このように補
間することによって、図6の(B)に示すように、実際
にCPU19より転送されるリアルデータに対して、制
御フェーダ17の係数値が変化した時はなめらかな補間
データが得られて補間が行われ、ミュートスイッチ22
がオンオフされた時は速いレスポンスで補間できる。従
って、ミュートスイッチ22及び制御フェーダー17の
操作に対して実際の音量の変化を近付けることが可能と
なる。
【0037】〔エフェクターの切り換え〕前記したよう
に、エフェクターを単にスイッチ24(図30)で切り
換えた場合、デジタルオーディオデータの連続性が失わ
れて切り換えノイズが発生する。そこで、本発明は、単
に切り換えスイッチではなく、図8に示すようにクロス
フェードでエフェクター23に切り換えるものである。
図11は、エフェクターをクロスフェードで切り換えた
時の信号の移り変りを示している。このエフェクターを
作動させると(スイッチオンに対応する)、図11の
(A)に示すようにエフェクターを通らない信号(11
A)が徐々にフェードアウトし、エフェクターを通った
信号(11B)は徐々にフェードインする。このクロス
フェードの時定数は3msから5msで行う。さらに図
11の(B)は、クロスフェードを作動させた時とさせ
ない時のオーディオ信号の実際の移り変わりを示してい
る。まず、クロスフェードを作動させない場合は,信号
に変化はないので、入力信号はそのまま出力される(波
形11C)。従来どおりに単にスイッチで切り換えた場
合は、前述のごとく不連続な波形(波形11D)となる
が、本発明のようにクロスフェードして切り換えると図
11の(A)のようにエフェクターオンの信号とエフェ
クターオフの信号が徐々に移り変わるので不連続点を持
たない信号(波形11E)となる。
【0038】図9は、実際にクロスフェードする際のD
SP内処理のブロック構成図の一例を示している。図9
において、図8に示すフェードイン、フェードアウトは
次のようにDSP内で処理される。クロスフェードスイ
ッチ47がオンの時は係数データ「0.5」を、クロス
フェードスイッチ47がオフの時は係数データ「0」を
乗算係数0.0045の係数乗算器48に入力する。エ
フェクター23の出力をフェードインする時は前記係数
データ「0.5」が係数乗算器48に入力されてその出
力データと、1サンプル遅延回路49、係数乗算器50
(乗算係数0.9955)を通った信号とが加算器51
で加算される。このように処理されたフェードイン係数
データkは指数関数的に徐々に増大する。この係数デー
タkとエフェクター23の出力が乗算器52で乗算され
フェードイン信号として加算器53に入力される。
【0039】一方、デジタルオーデオ信号は乗算器54
にも入力され、係数データ「0.5」が加算器55で前
記係数データkと演算されて、フェードアウト係数デー
タ(0.5−k)が前記乗算器54に入力されてオーデ
ィオ信号と乗算され、指数関数的にフェードアウトされ
る。このフェードアウトされたオーデイオ信号も加算器
53に入力してエフェクターを掛けられた信号と混合さ
れ、この混合出力は係数乗算器56(乗算係数2)を通
ってクロスフェードされたオーディオ信号が出力され
る。また、クロスフェードスイッチ47をオフにすると
係数データ「0」が係数乗算器48に入力されてk=0
となるのでエフェクタ出力はフェードインされず、オー
ディオ信号は乗算器54で係数データ「0.5」と乗算
され加算器53を通って係数乗算器56で2倍されてエ
フェクター処理が施されることなく出力される。さらに
図10に示すように、エフェクターが複数並列して存在
する場合、つまり、エフェクターを通さない音とエフェ
クターNを通った音との切り替え、「エフェクター1」
と「エフェクターN」との切り替え等、複数の種類のエ
フェクターの切り替えもクロスフェードして切り替える
とノイズの出ない切り替えが可能となる。これらの切り
替えも、実際はクロスフェードのオンオフ情報をDSP
に通信し、DSP内部でクロスフェード処理を行う。
【0040】前記クロスフェードされたエフェクターを
ビデオ編集用のデジタルミキサに採用すると、ビデオ編
集器等の制御で動作させることが可能となる。ビデオ編
集器で制御する場合、エフェクター等の多種類のパター
ンを予めスナップショットメモリに記憶させておき、そ
のスナップショットナンバーを呼び出して行うのが一般
的になっている。そこで、図1に示すデジタルミキサの
入力16チャンネル(CH1〜CH16)に対して、フ
ェーダー値、イコライザー及びフィルタ等のエフェクタ
ーのパラメータ等を記憶しておき、スナップショットを
呼び出した場合、16チャネル分の全てのエフェクター
のパラメータが同時に変更されることもある。このよう
な場合、エフェクターが一個の場合よりもオーディオデ
ータが不連続になる可能性が高くなる。また、手動でエ
フェクターを動作させる場合は、徐々にブースト量等を
上下させる場合が多いが、スナップショットを用いてエ
フェクターをオンオフさせる際、予め決めておいたパラ
メータを呼び出す場合が殆どなので、シーン再現時に徐
々にエフェクト量を増やしていくという操作ができな
い。これに対して本発明のようにクロスフェード動作を
させると、スナップショット時特に有効な手段となる。
【0041】〔インサーション〕前記したように、最適
なインサーションの入出力レベルは、インサーションを
利用する操作者の利用方法によって異なってくる。そこ
で、本発明は、まず、インサーションをデジタル信号の
ままで行う。これは、一度アナログ信号に変換してしま
うとフルデジタル処理が行えなくなり、高精度の処理が
できなくなる可能性がある。さらに、本発明は、インサ
ーションの入出力レベルをユーザーが設定できるように
する。それは入力レベルをそのままインサーションに出
力しても、内部レベル(ヘッドルームの分レベルを落と
したレベル)のまま出力しても、クリップを生じたり、
十分なS/Nが得られなくなるので入出力レベルをユー
ザーが可変にする点に特徴がある。例えば、外部エフェ
クター59(図12)がゲインを有するようなイコライ
ザー等の場合は、インサーションアウトのレベルを下げ
る必要が生じ、また外部エフェクターがリミッタ等の場
合はゲインを持たないからS/Nを良くするために必要
なレベルにブーストしてインサーションアウトする等、
操作者の判断でインサーションアウトのレベルを自由に
可変にすることができるようにするものである。これに
よって前記クリップを未然に防止し、また十分なS/N
を得ることができる。操作者が行うレベルの可変範囲を
イコライザー入力内部レベル(−30dB)から入力レ
ベル(0dB)とする。
【0042】図12は、本発明のブロック図を示してお
り、インサーションを行う場合は、ミキサ内に設けた入
力信号をレベルシフトするインサーションアウト用レベ
ルシフタ57で操作者がインサーションアウト信号のレ
ベルを決定する。またミキサーは、インサーションアウ
ト信号のレベルでインサーションイン信号を受け取るも
のとし、そのためにミキサはインサーションインのレベ
ルシフター58を備えている。前記レベルシフター5
7、58を連動して制御し自動設定するようにすれば操
作者は容易にインサーションを行うことができるように
なる。このように操作者が自由にインサーションアウト
信号のレベルを可変にして、図13の(A)に示すよう
に入力信号よりインサーションアウト信号レベルを下げ
ていくと、図13の(B)に示すようにインサーション
イン信号はフルビットレベルを越えることはなく、クリ
ップを防止することが可能となる。
【0043】〔ミキサのパラメータ可変方法〕ミキサに
おいて、従来はルーティングスイッチャー2を通した入
力をミキサの入力とする場合、ルーティングスイッチャ
ー2の設定を変更すると、ミキサのチャンネルCH1〜
CH16のパラメータの設定も変更しなければならなか
った。従って、従来はチャンネル変更時、変更後の各パ
ラメータは再度設定する必要があった。そこで本発明
は、従来のようにCH1からCH16のルーティングス
イッチャー2を通過したチャンネルに対してパラメータ
の設定を行うのではなく、これをルーティングスイッチ
ャー2の入力に対してパラメータの設定を行う点に特徴
がある。図1のデジタルミキサの場合、ルーティングス
イッチャー2の入力は32チャンネル、出力は16チャ
ンネルなのでシーンデータは倍になり、一例として図1
5のようなシーン設定になる。このシーンデータと、ル
ーティングスイッチャー2の設定を見て、CPU19で
CH1からCH16に対してそれぞれのパラメータの値
を変化させる。
【0044】本発明の前記パラメータ設定について具体
的に説明する。一例として、CH1にルーティングスイ
ッチャー2でオーディオ入力#3が選択されているとす
る。その時スナップショットで前記図15のシーンデー
タが呼び出されたとする。すると、CH1のパラメータ
をオーディオ入力#3のデータに従って変化させる。こ
のように、CH16までの入力に対してルーティングス
イッチャー2で選択されたオーディオ入力#1から#3
2までの信号を参照してシーンの設定を行うことができ
る。また、他の例としてルーティングスイッチャー2で
CH1からCH16の入力に全てのオーディオ入力#1
が選択されると、この時図15のシーンを呼び出すとパ
ラメータの値は、すべて入力オーディオ#1の値に設定
される。
【0045】図14は、本発明のルーティングスイッチ
ャー2の入力に対してパラメータ設定を行うデジタルミ
キサの構成を示している。#1から#Nまでのデジタル
オーディオ入力信号をルーティングスイッチャー2でミ
キシングした後のバス出力には、CH1からCHMまで
のMチャンネルのデジタルオーディオ信号がフィルタ
6、イコライザー7等のエフェクターを経てチャネルフ
ェーダー9を通ってアサインスイッチ10に従ってミキ
シングバスに加算される。操作者によってシーン番号、
ルーティングスイッチャー2が選択されると、CPU1
9はシーンデータメモリ60から選択されたシーンデー
タを呼び出し、ルーティングスイッチャー2と入力され
るチャンネル数のパラメータ設定を記憶する。ミキサ入
力CH1に対しては#x(1≦x≦N)がルーティング
されると、前記CPU19は,それに従って#xに対す
るパラメータ設定を選択されたシーンデータに基づいて
フィルタ6、イコライザー7、フェーダー9、アサイン
スイッチ10に行う。つまり、パラメータの変更は、ソ
ースとなる#1から#Nに従って行うことができ、M>
Nの場合においても、ルーティングスイッチャ2を切り
替えるたびにチャンネルCH1からCHMのパラメータ
の設定をいちいち変更する必要がなくなる。
【0046】前記パラメータ設定の操作を従来例と対比
してさらに具体的に説明する。入力にルーティングスイ
ッチャー2を備えるミキサにおいて、従来はスナップシ
ョットオートメーションが選択された信号に対して行わ
れていたのに対し、本発明の場合は前記したように選択
される前の信号に対してパラメータを変化させることが
できる。このようにすると、例えばオーディオ入力信号
#1に対して電話音声のようなエフェクトをかけたい場
合、このようなパラメータを設定できるスナップショッ
トがある場合は、従来はこのスナップショットをCH1
からCH16に対して行われるので、電話のエフェクト
を行う設定はチャネルに対してリコールされる。従っ
て、電話のシーンデータがCH2に電話のエフェクトが
なされているならば、そのエフェクトを行いたいオーデ
ィオ入力信号#1は必ずCH2に選択しなければならな
い。従って、実際の操作としては、スナップショットを
リコールしてから、電話のエフェクトのなされているチ
ャンネルにオーディオ入力信号#1を選択しなおすとい
う操作を行わなければならない。この場合、どのチャン
ネルにどのエフェクトがなされているかを操作者は把握
しておく必要がある。
【0047】一方、本発明の場合は、スナップショット
リコールがオーディオ入力信号#1からオーディオ入力
信号#32に対してなされるので、例えば電話のエフェ
クトをかけたい信号がオーディオ入力信号#1であるな
ら、オーディオ入力信号#1にそのエフェクトをかける
というシーンをリコールできる。従って、CH1からC
H16のどの入力にオーディオ入力信号#1が選択され
ていても、シーンをリコールするとオーディオ入力信号
#1の選択されているチャネルに電話のエフェクトをか
けることができる。つまり、予めオーディオ入力信号#
1から#32に施すエフェクトをそれぞれのシーンに作
っておけば操作者はスナップショットをリコールするだ
けで、各チャネルに対して入力を選択し直すという操作
を必要としなくなる。
【0048】〔ミキシングコンソールの出力レベル表示
装置〕次に、前記ミキサや他に提案されたミキサ(特許
出願公告平2ー47125号公報)に好適なミキシング
コンソールの表示装置について説明する。ミキサは、先
に図17で説明したようにデータの処理を行うプロセッ
サラック26とマンマシンインタフェースを司るコント
ロールパネル27とで構成されている。そしてコントロ
ールパネル27が備える音量・音質データを表示するメ
ーター28のデータは、前記した4つの外部出力PGM
1〜PGM4のデータから生成する。そしてメーター2
8への表示は、PGMデータをそのままメーターデータ
として表示するのではなく、dB表示で行われる。図2
0のフローチャートが示すようにメーターを表示させる
メーターデータは、前記プロセッサーラック26で生成
する。図1のミキサは、フルデジタル処理のオーディオ
ミキサであり、従ってメーターデータもデジタルデータ
となる。そして一般的にはメーターは、バーグラフメー
ターで100セグメントのものを使用し、メーターデー
タは8ビットになっている。
【0049】従来のメーター表示は、前記フローチャー
トに記載のように、コントロールパネル27でメーター
データに基準レベルを付加して、メーターデータをメー
ター部分に送るのではなく、プロセッサラック26でオ
ーディオ出力データを作り、このメーターデータをコン
トロールパネル27に伝送し、バーグラフメーターをメ
ーターデータに従って点灯させるとともに、基準レベル
の表示は、基準レベル以上のセグメントの色を変えると
か又は基準レベルの設定ツマミを設け、同時に基準レベ
ルを表示する別のバーグラフメーターを設けるという方
法(図32)が取られていた。このような方法だと、メ
ーター表示と基準レベル表示の一体感がなく後者の場合
は別のバーグラフ表示を必要とするためハードウェアが
複雑化するという欠点を有している。
【0050】本発明は上記問題点を解決したもので、以
下に本発明のメーターデータの点灯方法について説明す
る。本発明を説明するにあたり、まずメーターを表示さ
せるメーターデータの作成方法を、図18、図19及び
図21に基づいて説明する。図18に示すセグメント表
示メーター28において、基準レベルを−20dB、オ
ーディオデータとして−30dBと−10dBが転送さ
れた場合について以下に説明する。またバーグラフメー
タの100セグメント中−20dBが下から20セグメ
ント、−30dBが下から10セグメント(図18の
B)、−10dBが30セグメント(図18のC)点灯
されるものとする。
【0051】まず、プロセッサーラック26から転送さ
れてきた8bitのデータを100bitのデータに変
換61する。つまり、−30dBのオーディオデータは
8bitで0a(16進)、−10dBは1eと表せる
ので、このデータから100bitのデータを作る。そ
れぞれ100bitで表すと、 0a=000...000000000000000000001000000000 1e=000...100000000000000000000000000000 となり、0aは下から10bit目が「1」となり残り
はすべて「0」、1eは下から30bit目が「1」と
なる。このデータを「1」となっているビットから下位
のビットをすべて「1」に変換62する。つまり、 0a→000...000000000000000000001111111111・・・(F1) 1e→000...111111111111111111111111111111・・・(F2) と変換する。これに基準レベル表示用のデータを加え
る。基準レベルは−20dBなので14(16進)と表
せるから、14=000...0000000000100000000000000000
00とLSBから20ビット目が「1」になる。このデー
タと変換後のそれぞれのデータとの論理和63を取る。
そうすると メーターデータ(−30dB)=000...000000000010000000001111111111 メーターデータ(−10dB)=000...111111111111111111111111111111 というメーターデータができる。このデータでメーター
のセグメントを点灯させれば図18のような基準レベル
とオーディオデータレベルを同時に表示するような点灯
が実現できる。
【0052】また、実際に実施する場合は、メータの最
下位のセグメント(LSB)を−∞レベル、すなわちオ
ーディオデータが「0」でもLSBのセグメントを点灯
させる(図18のA)。この場合、基準レベルのデータ
「14」と論理和63を取った後に、「01」というデー
タ67を論理和64する。−30dBや−10dB等の
データは、前記F1やF2のように変換後に必ずLSB
は1となるので、「01」を論理和する必要はないが、デ
ータが0の時にLSB67を点灯させるために前記操作
が必要となる。若しくは、LSBだけハードウェアで必
ず点灯しておくことも可能である。また、他の点灯例と
して、基準レベル表示用データを論理和63するのでは
なく、排他的論理和65すると、図19に示すようにオ
ーディオレベルが基準レベルより大きくても基準レベル
(−20dB)の表示が可能となる。コントロールパネ
ル27には、基準レベル表示データ66をユーザーが設
定したいデータに設定できるよう設定器を備えている。
【0053】〔ミキサの自己診断〕これまで説明してき
たミキサを利用するに際し、メインテナンスの必要を生
じ、ミキサ内の回路ブロックにたいする機能をチェック
しなければならない。ミキシサ内にこのような回路ブロ
ック特にデジタル処理を行うDSP等の機能をチェック
する自己診断システムがない場合、すべての入出力より
オーディオ信号を入力し、すべての出力からオーディオ
信号をチェックする必要がある。また自己診断するシス
テムがあっても、ミキサを構成するDSPや集積回路装
置のリファレンスを表示しなければ、順次、測定器等を
用いて測定する必要がある。
【0054】図22は、デジタルミキサが内蔵するDS
Pブロック図であって、デジタルオーディオ信号16チ
ャンネルがルーティングスイッチャー2に入力する例を
示している。図22において、デジタルオーディオ信号
#1/2から#15/16の8つのステレオ信号は、ま
ずルーティングスイッチャー2に入力される。ルーティ
ングスイッチャー2で選択された信号がAES/EBU
復調用ICであるDI1〜DI8で復調されて、その出
力がDSP(Digital Signal Processor)DSP1_1
からDSP1_4に入力される。さらにDSP1_1か
らDSP1_4の出力がDSP2_1〜DSP2_4の
入力となる。これらのDSPはイコライザー、フィル
タ、遅延等の信号処理を行う。またDSP2_1〜DS
P2−4の出力はDSP3_1〜DSP3_4に入力さ
れ、DSP3_1〜DSP3_4において、フェーダー
等の処理を行う。
【0055】これらのDSPを経由した信号が最後に加
算器66で加算されてDSP3を経由し、DSP3の出
力信号PGM1/2及びPGM3/4は、DSP4及び
変調器DO1、DO2にそれぞれ入力される。変調器D
O1及びDO2に入力された信号はAES/EBU信号
に変調されて外部に出力PGM1/2,PGM3/4さ
れる。また、DSP4に入力された信号はDSP4でメ
ータ表示用のデータに変換され、シリアル/パラレル変
換器S/Pでパラレル信号に変換され、CPU19によ
って読み取られ、コントロールパネルの表示器28に表
示される。さらに、変調器DO1、DO2で変調された
信号は、それぞれループを介してルーティングスイッチ
ャー2の入力に戻され、このループを介して自己診断が
なされる。
【0056】次に、本発明の自己診断方法について、以
下に図23乃至図27示す自己診断フローチャートに基
づいて説明する。そしてこのフローチャートにおいて、
DSPをエラーとしてコントロールパネル27(図1
7)に表示する処理があるが、この時エラーと判断する
条件は、 (1)DCデータ(5555aaaa)を発生すること
ができない。 (2)データーをスルーにできない。 (3)「0」データを発生できない。 の3点のどれかに当てはまる場合である。また(3)の
条件に関しては、条件(1)が不成立ならばチェックし
ていない場合もある。さらに条件(1)のDCデータを
発生する場合に、DSP内部の乗算器、ALU、RAM
等の機能チェックも行う。従って、このフローチャート
に記載された自己診断の各DSPでの信号処理の態様
は、A:データーをスルーにする(入力=出力)、B:
DSP内部のMPY、ALU、RAM等のチェックを行
い異常がないならば、0でないDCデータを発生させる
(例えば、5555aaaa)、C:0を出力する、な
る3つの信号処理を行うことで対応している。
【0057】以下、フローチャートに従って自己診断の
流れを説明する。 〔ステップ1〕DSP4でデータ(5555aaaa)
を発生させる(処理B)とともに、そのほかのDSPは
全てデーターをスルー(処理A)にする。また、ルーテ
ィングはステレオ入力#1/2を1、#3/4を2・・
#15/16を8とする。 〔ステップ2〕DSP4が発生した前記データをS/P
変換してそのデータをCPUで読み取り、データをCP
Uのデータ(5555aaaa)と比較する。比較の結
果、正しく受信されていない(NO)の場合は、DSP
4をエラーとしてコントロールパネルにDSP4を構成
するICのレファレンス番号を出力する。 〔ステップ3〕DSP4が前記データーを正しく受信し
ている(YES)場合は、DSP4に処理Aを施し、D
SP3に処理Bを施してDSP3からデータ(5555
aaaa)を発生させる。 〔ステップ4〕ステップ2と同様の判断を行い、データ
が一致しない場合は、DSP4、DSP3をエラーとし
てコントロールパネルにICのリファレンス番号を出力
する。 〔ステップ5〕データが一致している場合は、DSP3
に処理Aを、DSP3_1に処理Bを、またDSP3_
2〜DSP3_4には処理Cを施す。 〔ステップ6〕S/P変換してそのデーターをCPUで
読み取り、データを5555aaaaと比較する。デー
タ不一致の場合(NO)は、DSP3、DSP3_13
〜DSP3_4をエラーとしてコントロールパネルにI
Cのリファレンス番号を出力する。 〔ステップ7〜12〕DSP3_2に処理Bを他のDS
P3_1、DSP3_3、DSP3_4に処理Cを施し
同様の判断を行う。そして繰り返しDSP3_3、DS
P3_4についても処理Bを施して同様の判断を行い、
データ不一致の場合は、前記同様DSP3、DSP3_
1〜DSP3_4をエラーとしてコントロールパネルに
ICのリファレンス番号を出力する。
【0058】〔ステップ13〕DSP3_1〜DSP3
_4に処理Aを、DSP2_1に処理Bを、DSP2_
2〜DSP2_4に処理Cを施す。 〔ステップ14〕出力データをS/P変換してそのデー
タをCPUで読み取り、データをCPUのデータ(55
55aaaa)と比較する。データ不一致の場合は、D
SP3_1〜DSP3_4及びDSP2_1〜DSP2
_4をエラーとしてコントロールパネルにICのリファ
レンス番号を出力する。 〔ステップ15〜20〕DSP2_2に処理Bを他のD
SP2_1、DSP2_3、DSP2_4に処理Cを施
し同様の判断を行う。そして繰り返しDSP2_3、D
SP2_4についても処理Bを施して同様の判断を行
い、データ不一致の場合は、前記同様DSP3_1〜D
SP3_4及びDSP2_1〜DSP2_4をエラーと
してコントロールパネルにICのリファレンス番号を出
力する。
【0059】〔ステップ21〕DSP2_1〜DSP2
_4に処理Aを、DSP1_1に処理Bを、DSP1_
2〜DSP1_4に処理Cを施す。 〔ステップ22〕出力データをS/P変換してそのデー
タをCPUで読み取り、データをCPUのデータ(55
55aaaa)と比較する。データ不一致の場合は、D
SP1_1〜DSP1_4及びDSP2_1〜DSP2
_4をエラーとしてコントロールパネルにICのリファ
レンス番号を出力する。 〔ステップ23〜28〕DSP1_2に処理Bを他のD
SP1_1、DSP1_3、DSP1_4に処理Cを施
し同様の判断を行う。そして繰り返しDSP1_3、D
SP1_4についても処理Bを施して同様の判断を行
い、データ不一致の場合は、前記同様DSP1_1〜D
SP1_4及びDSP2_1〜DSP2_4をエラーと
してコントロールパネルにICのリファレンス番号を出
力する。
【0060】〔ステップ29〕DSP5及びDSP6に
処理Bを、DSP1_1に処理A、DSP1_2〜DS
P1_4に処理Cを施し、DO1及びDO2(変調器)
の入力をDSP5及びDSP6に切り替える。また、ル
ーティングスイッチャーでDI1、DI2(復調器)の
入力にDO1、DO2の出力を選択する。 〔ステップ30〕出力データをS/P変換してそのデー
タをCPUで読み取りデータを(5555aa00)と
比較する。ここで比較するデータを(5555aa0
0)としたのは、DI、DOを通過すると、データは内
部バス32bitからABS/EBUフォーマットによ
りデータは24bitになるためである。データ不一致
の場合は、DSP1_1、DI1、DI2、DO1、D
O2、ルーティングスイッチャー2をエラーとしてコン
トロールパネルにICのリファレンス番号を出力する。 〔ステップ31〕DSP1_1に処理Cを、DSP1_
2に処理Aを、DSP1_3及びDSP1_4に処理C
を施し、ルーティングスイッチャーでDI3、DI4の
入力にDO1、DO2の出力を選択する。 〔ステップ32〕ステップ30と同様の比較を行い、デ
ータ不一致の場合は、DSP1_2、DI3、DI4を
エラーとしてコントロールパネルにICのリファレンス
番号を出力する。 〔ステップ33〕DSP1_1、DSP1_2及びDS
P1_4に処理Cを施し、DSP1_3に処理Aを施
し、ルーティングスイッチャーでD15、DI6の入力
にDO1、DO2の出力を選択する。 〔ステップ34〕前記同様の比較を行い、データが不一
致の場合は、DSP1_3、DI5、DI6をエラーと
してコントロールパネルにICのリファレンス番号を出
力する。 〔ステップ35〕DSP1_1〜DSP1_3に処理C
を、DSP1_4に処理Aを施し、ルーティングスイッ
チャーでDI7、DI8の入力にDO1、DO2の出力
を選択する。 〔ステップ36〕前記同様の比較を行い、データが不一
致の場合は、DSP1_4、DI7、DI8をエラーと
してコントロールパネルにICのリファレンス番号を出
力する。
【0061】〔ステップ37〕 かくして、すべてのD
SP、DO、DI及びルーティングスイッチャーの機能
チェックが終了してエラーがない場合は、エラーなしの
表示をコントロールパネルに表示し、自己診断が終了す
る。
【0062】本発明による自己診断は、前記フローチャ
ートから明らかなように、出力を入力に戻して、DSP
信号発生、スルー、受信を繰り返してループチェックを
行い、不良ICがあればこれを特定し、表示器にICの
リファレンス番号を出力するものである。
【0063】
【発明の効果】本発明デジタルミキサは、 (1)オーディオデータのレベル、位相、周波数等がい
かなる態様でも切り換えノイズが発生しない位相変更を
行うことができる。 (2)フェーダーのミュートスイッチをオンオフした
時、又はフェーダーを動かした時の操作感覚と実際の音
量のレスポンスが近くなる。さらに、ホスト・コンピュ
ータで、ミュートスイッチ及びフェーダーの係数を区別
する必要がなくなるので、処理スピードが速くなり、プ
ログラムも簡単になる。 (3)エフェクターの切り換え時のノイズの発生がなく
なり、また、スナップショットメモリ(シーンデータメ
モリ)からの再現時、違和感のない自然なシーンの再現
が可能である。 (4)インサーション時にオーディオデータをアナログ
に変換することなく、フルデジタルで編集作業ができ
る。また、インサーションアウトのレベルを操作者が任
意に選択できるので、内外部エフェクターに対して最適
なS/Nで信号にクリップが生ずることなくエフェクタ
ーを用いることができる。 (5)ミキサのチャンネルのパラメータ設定が、オーデ
ィオ信号のソースに対して行うことができ、ルーティン
グスイッチャーで選択されたどのチャンネルにどのソー
スを入力しても一度パラメータを設定しておけば、瞬時
にソースを切り換えるだけでパラメータの変更を行うこ
とができる。 (6)バーグラフメーターの基準レベルの表示が一目で
わかるのでミキシング作業が容易になり、また、作業に
よって基準レベルを変更できるので汎用性が高くなる。 (7)多入力、多出力のデジタルオーディオ機器では、
構成部品(コンポーネント)単位の機能検査が容易にな
り自己診断を速く行うことができ、また、コンポーネン
トリファレンス番号を出力することで、メインテナンス
が容易になる。さらに外部機器が接続された状態でのメ
インテナンスも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルミキサの構成図である。
【図2】本発明の位相変更の説明図である。
【図3】本発明位相変更の実施例を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明位相変更時のオーディオ信号の波形図で
ある。
【図5】本発明フェーダー切り換えの実施例を示すブロ
ック図である。
【図6】フェーダー切り換えの動作説明図である。
【図7】本発明のフェーダー切り換えのフローチャート
である。
【図8】本発明エフェクター切り換えの説明図である。
【図9】本発明エフェクター切り換えの実施例を示すブ
ロック図である。
【図10】本発明エフェクター切り換えの他の実施例を
示すブロック図である。
【図11】本発明エフェクター切り換えの動作説明図で
ある。
【図12】本発明インサーションのブロック図である。
【図13】インサーションの動作波形図である。
【図14】本発明パラメータ設定の実施例を示すブロッ
ク図である。
【図15】本発明シーンデータ設定の一例を示す表図で
ある。
【図16】従来のシーンデータ設定の一例を示す表図で
ある。
【図17】ミキシングコンソールの斜視図である。
【図18】本発明バーグラフメーター出力レベル表示の
一例を示す図である。
【図19】本発明バーグラフメーター出力レベル表示の
他の例を示す図である。
【図20】本発明バーグラフメーター出力レベル表示の
フローチャートである。
【図21】本発明バーグラフメーター出力レベル表示の
実施例のブロック図である。
【図22】本発明自己診断を行うミキサ内部のブロック
系統図である。
【図23】本発明自己診断のフローチャートである。
【図24】本発明自己診断のフローチャートである。
【図25】本発明自己診断のフローチャートである。
【図26】本発明自己診断のフローチャートである。
【図27】本発明自己診断のフローチャートである。
【図28】従来の位相変更の説明図である。
【図29】従来のフェーダー切り換えの説明図である。
【図30】従来のエフェクター切り換えの説明図であ
る。
【図31】従来のインサーションの説明図である。
【図32】従来のバーグラフメーターの出力データ表示
の説明図である。
【符号の説明】
1・・ミキサ入力信号 2・・ルーティングスイッチャー 3・・チャンネルミュートスイッチ 4・・位相変更装置 5・・遅延装置 6・・フィルタ 7・・イコライザー 8・・インサーション 9・・チャンネルフェーダー 10・・アサインスイッチ 11・・マスターフェーダー 12・・ミキサ出力信号 28・・バーグラフメーター 32、43、44・・係数データ補間器 57、58・・レベルシフタ 59・・外部エフェクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/00 320 G11B 27/038 H04R 1/40 320

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタルオーディオ信号が入力される複
    数の入力端子と、上記入力信号に所定の処理を与えるN
    個(N≧1)の処理手段と、 上記処理手段によって処理された信号と上記信号のうち
    いずれかの信号を選択する選択手段と、 上記選択手段によって選択される信号が切り替わった場
    合には、記選択選択された信号の振幅レベルを所定の
    時定数で減衰させるとともに、上記振幅レベルが最小付
    近で位相が変化する補間器と、 今回選択された信号を上記補間器の最小付近で該信号の
    振幅レベルを所定の時定数で0レベルから元のレベルま
    でブーストして、 両者を混合させてその混合信号を出力
    するクロスフェーダーとを備えてなるデジタルオーディ
    オ信号処理装置。
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