JP5621672B2 - 音声信号処理装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、コンサートホールまたはレコーディングスタジオ等における音声信号のミキシングに用いて好適な音声信号処理装置およびプログラムに関する。
音声信号処理を行う様々な機器においては、レベル調節と音質調整とが行われているが、従来より両者をリンクさせる技術が知られている。例えば、特許文献1においては、音量調節ツマミの操作量に応じて音声信号の減衰量を増減するとともに、減衰量が大きくなるほど、高音域または低音域を強調するようにフィルタ特性を設定する技術が開示されている。これは、音量が小さくなるほど高音域および低音域が聞き取りづらくなるという人間の聴覚特性を補償し、音量にかかわらず等しいラウドネス特性を得ようとするものである。
特開平6−232662号公報
しかし、特許文献1に開示された技術は、「音量にかかわらず等しいラウドネス特性を得る」という目的にしか適用できないものである。特許文献1以外にも、レベル調節と音質調整とをリンクさせる技術は様々知られているが、何れも「ある特定の目的」を達成しようとするものである。一方、コンサートホールまたはレコーディングスタジオ等において使用されるミキサは、様々な用途に適用されるものであるため、高い汎用性が求められる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、レベル調節と音質調整との関係をユーザが自由に定義できる、汎用性の高い音声信号処理装置およびプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の音声信号処理装置にあっては、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて、1チャンネルの音声信号に対する処理を行う第1種音声信号処理手段(図3の55−m,62−k)と、各々が、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて前記1チャンネルの音声信号に対する処理を並行して行う複数の第2種音声信号処理手段(55−m−A,55−m−B)と、前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子(6)と、前記所定数のパラメータ値の集合を一のパターンデータとして、複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段(22,273)と、ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値(ThAB)を記憶する境界値記憶手段(22,293)と、ユーザ操作に応じて、動作モードとして第1のモード(パラメータ値遷移モード)または第2のモード(信号混合モード)のうち一方を選択する動作モード選択手段(103)と、前記第1のモードが選択されたことを条件として、前記音量レベルが前記境界値(ThAB)以上であるか否かに基づいて、前記複数のパターンデータのうち何れか一のパターンデータを選択し前記第1種音声信号処理手段(図3の55−m,62−k)に設定するパラメータ値制御手段(SP18)と、前記第2のモードが選択されたことを条件として、前記音量レベルと前記境界値(ThAB)との関係に基づいて、前記複数の第2種音声信号処理手段(55−m−A,55−m−B)から出力された音声信号の混合比を決定する混合比決定手段(SP20)と、前記第2のモードが選択されたことを条件として、前記複数の第2種音声信号処理手段(55−m−A,55−m−B)から出力された音声信号を混合する混合手段(37,39)とを有することを特徴とする。
また、請求項2記載の音声信号処理装置にあっては、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて、1チャンネルの音声信号に対する処理を行う音声信号処理手段(図3の55−m,62−k)と、前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子(6)と、前記所定数のパラメータ値の集合を一のパターンデータとして、複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段(22,273)と、ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値(ThAB)を記憶する境界値記憶手段(22,293)と、前記音量レベルが前記境界値(ThAB)以上であるか否かに基づいて、前記複数のパターンデータのうち何れか一のパターンデータを選択し前記音声信号処理手段(55−m,62−k)に設定するパラメータ値制御手段(SP18)とを有することを特徴とする。
また、請求項3記載の音声信号処理装置にあっては、各々が、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて1チャンネルの音声信号に対する処理を並行して行う複数の音声信号処理手段(55−m−A,55−m−B)と、前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子(6)と、ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値(ThAB)を記憶する境界値記憶手段(22,293)と、前記音量レベルと前記境界値(ThAB)との関係に基づいて、前記複数の音声信号処理手段(55−m,62−k)から出力された音声信号の混合比を決定する混合比決定手段(SP20)と、該決定された混合比に基づいて前記複数の音声信号処理手段(55−m−A,55−m−B)から出力された音声信号を混合する混合手段(37,39)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項2記載の音声信号処理装置において、前記複数のパラメータは、連続的なパラメータ値をとる連続値パラメータを含むものであり、前記パラメータ値制御手段(SP18)は、前記音量レベルが前記境界値を含む所定区間(クロスフェード区間)において徐々に大となると、一のパターンデータにおけるパラメータ値から他の一のパターンデータにおけるパラメータ値に向かって徐々に変化するように、前記音声信号処理手段(55−m,62−k)に設定するパラメータ値を制御するものであることを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項2または4記載の音声信号処理装置において、前記パターンデータ記憶手段(22,273)に記憶された複数のパターンデータを一のパターンセットとし、該パターンセットを単位として前記パターンデータを記憶するパターンセット記憶手段(22,313)と、ユーザが所定のパターンセット・リコール操作を行うと、該パターンセット記憶手段(22,313)に記憶されたパターンセットを前記パターンデータ記憶手段(22,273)に再現するパターンセットリコール手段(130)と、ユーザが所定のパターンセット・ストア操作を行うと、前記パターンデータ記憶手段(22,273)に記憶されたパターンセットを前記パターンセット記憶手段(22,313)に格納するパターンセットストア手段(128)とをさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項6記載の構成にあっては、請求項5記載の音声信号処理装置において、前記音声信号処理手段(図3の55−m,62−k)、音量設定操作子(6)、前記パターンデータ記憶手段(22,273)、および前記境界値記憶手段(22,293)は複数のチャンネルに対応して複数設けられるものであり、前記複数のパターンデータ記憶手段(22,273)に記憶されたパターンデータと前記複数の境界値(ThAB)とからなるデータを一のシーンデータとし、該シーンデータを記憶するシーンデータ記憶手段(22,シーン領域)と、ユーザが所定のシーンリコール操作を行うと、前記シーンデータ記憶手段(22,シーン領域)に記憶されたシーンデータを前記複数のチャンネルに係る前記パターンデータ記憶手段(22,273)と前記境界値記憶手段(22,293)とに再現するシーンリコール手段(400)と、ユーザが所定のシーンストア操作を行うと、前記複数のパターンデータ記憶手段(22,273)に記憶されたパターンデータと前記複数の境界値(ThAB)とを前記シーンデータ記憶手段(22,シーン領域)に格納するシーンストア手段(420)とをさらに有することを特徴とする。
また、請求項7記載のプログラムにあっては、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて、1チャンネルの音声信号に対する処理を行う音声信号処理手段(図3の55−m,62−k)と、前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子(6)と、前記所定数のパラメータ値の集合を一のパターンデータとして、複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段(22,273)と、ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値(ThAB)を記憶する境界値記憶手段(22,293)と、処理装置(18)とを有する音声信号処理装置に適用されるプログラムであって、前記処理装置(18)を、前記音量レベルが前記境界値(ThAB)以上であるか否かに基づいて、前記複数のパターンデータのうち何れか一のパターンデータを選択し前記音声信号処理手段(55−m,62−k)に設定するパラメータ値制御手段(SP18)として機能させるためのものであることを特徴とする。
本発明によれば、パラメータ値制御手段が音量レベルが境界値以上であるか否かに基づいて、複数のパターンのうち何れか一のパターンを選択し音声信号処理手段に設定し、あるいは、音量レベルと境界値との関係に基づいて、複数の音声信号処理手段から出力された音声信号の混合比を決定するから、音量レベル調節と音質調整との関係をユーザが自由に定義できる、汎用性の高い音声信号処理装置を実現することができる。
本発明の一実施例のデジタルミキサのブロック図である。 一実施例で実現されるアルゴリズムの全体ブロック図である。 パラメータ値遷移モードにおけるアルゴリズムの要部のブロック図である。 信号混合モードにおけるアルゴリズムの要部のブロック図である。 両動作モードにおける動作説明図である。 一実施例におけるデータ構造図である。 EQ設定ウィンドウ100を示す図である。 EQ詳細設定ウィンドウ200を示す図である。 シーンリコールウィンドウ400およびシーンストアウィンドウ420を示す図である。 フェーダレベル変動イベント処理ルーチンのフローチャートである。
1.ハードウエア構成
次に、本発明の一実施例のデジタルミキサの構成を図1を参照し説明する。
図1において2はタッチパネルであり、バスライン12を介して供給された表示情報に基づいてユーザに各種画面を表示するディスプレイと、このディスプレイの表面に貼付され、ユーザの指で押下されると、その旨および押下位置を検出するタッチスクリーンとから構成されている。タッチパネル2内のディスプレイは、例えば「1024×768」程度の解像度を有するフラットパネルディスプレイによって構成されている。4は表示器・操作子群であり、操作パネル上の各部に配置される各種のノブ、スイッチおよびLEDキーから構成されている。LEDキーに内蔵されたLEDの点滅状態はバスライン12を介して設定される。また、ノブ、スイッチおよびLEDキー等の操作状態はバスライン12を介して出力される。
6は電動フェーダ群であり、複数の電動フェーダから構成され、各電動フェーダは、操作者の操作に基づいて各入出力チャンネルの信号レベルを調節する。さらに、各電動フェーダは、バスライン12を介して操作コマンドが供給されると、その操作位置が自動設定されるように構成されている。10は波形I/O部であり、アナログ音声信号またはデジタル音声信号を入出力する。本実施例においては、各種音声信号のミキシング処理・効果処理等は全てデジタル処理により実行される。しかし、外部から入力される音声信号および外部に出力すべき音声信号はデジタル、アナログ信号の双方が考えられる。このため、波形I/O部10においては、アナログ信号とデジタル信号間の変換、複数種類のデジタル信号相互間の変換等の処理が行われる。次に、8は信号処理部であり、一群のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)によって構成されている。信号処理部8は、波形I/O部10を介して供給されたデジタル音声信号に対してミキシング処理や効果処理を施し、その結果を波形I/O部10に出力する。
16はその他I/O部であり、レコーダあるいは映像機器等、各種の外部機器との間でタイムコードその他の情報を入出力する。18はCPUであり、各種制御プログラム(例えば、後述する図10のルーチン)に基づいて、バスライン12を介して各部を制御する。20はフラッシュメモリであり、その内部のプログラム領域には上記制御プログラムが記憶されている。22はRAMであり、CPU18のワークメモリとして使用される。本実施例のデジタルミキサにおいては、当該デジタルミキサの制御に用いられる全パラメータの現在の設定値(カレントデータ)がRAM22の所定領域(カレント領域)に記憶されている。すなわち、ユーザが表示器・操作子群4、電動フェーダ群6を操作することによりカレントデータの内容(当該操作の操作対象であるパラメータの設定値)が更新され、また、該カレントデータに基づいて信号処理部10におけるミキシング処理や効果処理、タッチパネル2における表示状態、表示器・操作子群4内のLEDの点滅状態、電動フェーダ群6の各フェーダの位置などが制御される。
2.ミキシングアルゴリズムの構成
2.1.全体構成
次に、信号処理部8等において実現されるアルゴリズムの全体構成を図2を参照し説明する。なお、当該アルゴリズムは信号処理部8に設定されるプログラムによって実現されるものであり、該プログラムは、CPU18の制御の下、フラッシュメモリ20等から信号処理部8にロードされる。図2において51はアナログ入力部であり、マイクレベルまたはラインレベルのアナログ音声信号を受信すると、これをデジタル音声信号に変換し、信号処理部8に供給する。52はデジタル入力部であり、デジタル音声信号を受信すると、これを信号処理部8内部のフォーマットに変換する。66はアナログ出力部であり、信号処理部8から供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し外部に出力する。68はデジタル出力部であり、信号処理部8から供給された内部フォーマットのデジタル音声信号を所定フォーマット(AES/EBU,ADAT,TASCAM等)のデジタル音声信号に変換し出力する。
以上述べた構成は、信号処理部8とは別体のハードウエアである波形I/O部10およびここに介挿される各種カードにより実現されているが、上記以外の構成は信号処理部8において動作するプログラムによって実現されている。55は入力チャンネル調整部であり、操作パネル上の電動フェーダおよびノブ等の操作子の操作に基づいて、「48」チャンネルの入力チャンネルに対して音量・音質等の調整を行う。54は入力パッチ部であり、入力部51,52等の複数の入力ポートから供給されたデジタル音声信号を、入力チャンネル調整部55内の任意の入力チャンネルに割り当てる。
58はMIXバス群であり、「16」系統のMIXバスから構成されている。各MIXバスにおいては、各入力チャンネルのデジタル音声信号のうち当該MIXバスに供給されたものがミキシングされる。各入力チャンネルにおいては、音声信号をMIXバスに供給するか否かを各MIXバス毎に設定することができ、供給する場合には各MIXバスに対するセンドレベル等も系統毎に独立して設定することができる。62はMIX出力チャンネル部であり、上記各MIXバスにおけるミキシング結果のレベル調節および音質調節を行なう。64は出力パッチ部であり、MIX出力チャンネル部62の出力信号を、各出力部66,68の任意のポートに割り当てる。56は汎用イコライザ群であり、インサーションエフェクト、グラフィックイコライザ等の汎用イコライザから構成され、これら汎用イコライザは、入力チャンネル調整部55またはMIX出力チャンネル部62のうち任意のチャンネルに介挿することができる。
2.2.動作モード
上述した入力チャンネル調整部55およびMIX出力チャンネル部62においては、各チャンネル毎に独立して動作モードを選択できる。選択可能な動作モードは、「パラメータ値遷移モード」および「信号混合モード」である。
ここで、パラメータ値遷移モードとは、図3に示すように、「1」チャンネルに対して一系統の入力チャンネル調整部55−mまたはMIX出力チャンネル調整部62−kを設けるものであり、図中の各構成要素31〜38,41〜46に設定されるパラメータ値をフェーダレベルに応じて変動させるものである。
また、信号混合モードとは、図4に示すように、「1」チャンネルに対して、並行して動作する複数系統(図示の例では「2」系統)の入力チャンネル・サブ調整部55−m−A,55−m−BまたはMIX出力チャンネル・サブ調整部62−k−A,62−k−Bを設けるものであり、図中の各構成要素31〜38,41〜46に設定されるパラメータ値は各系統毎に固定され、各系統のミキシング比をフェーダレベルに応じて遷移させるものである。
2.3.パラメータ値遷移モードの詳細構成
次に、動作モードとしてパラメータ値遷移モードが指定されているチャンネルにおける、入力チャンネル調整部55およびMIX出力チャンネル部62の詳細を再び図3を参照し説明する。図3において55−mは、第m入力チャンネル(但し、1≦m≦48)に対応する第m入力チャンネル調整部である。その内部において31はアッテネータ部であり、入力された音声信号を減衰させる。従って、「減衰量」がアッテネータ部31に指定されるパラメータ値になる。32はハイパスフィルタであり、アッテネータ部31の出力信号の低周波成分を減衰する。このハイパスフィルタ32は、主としてマイク入力に対して音の濁りを防止するために用いられるものであり、カットオフ周波数が「100Hz」前後に設定される。該ハイパスフィルタ32はオフ状態に設定することができ、オフ状態に設定されるとその周波数特性がフラットになる。従って、「ハイパスフィルタのオン/オフ状態」および「(オン状態である場合の)カットオフ周波数」がハイパスフィルタ32に設定されるパラメータ値になる。
33はイコライザ部であり、「7」バンドのパラメトリックイコライザから構成され、ハイパスフィルタ32の出力信号の音質調整を行う。これら「7」バンドは、周波数帯域が低い順に「バンドA」〜「バンドF」といい、最低域のバンドAに対しては、バンドパスフィルタ(ピーキングフィルタともいう)、ハイパスフィルタ、またはシェルビングフィルタのうち何れかが適用される。ここで、シェルビングフィルタとは、指定された中心周波数fを境界として、略ステップ状にゲインを変化させるものである。また、最高域のバンドFに対しては、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、またはシェルビングフィルタのうち何れかが適用される。そして、これら以外のバンドB〜バンドEに対しては、バンドパスフィルタが適用される。イコライザ部33においては、これら各バンドに設定されたパラメータ値に基づいて、各バンド毎に周波数特性の調整が行われる。
従って、イコライザ部33に設定されるパラメータ値は以下の通りになる。
・バンドAのフィルタ種別(バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはシェルビングフィルタ)、
・バンドFのフィルタ種別(バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはシェルビングフィルタ)、
・各バンドA〜Fの中心周波数、
・各バンドA〜Fのゲイン、
・各バンドA〜FのQ値(但し、Q値はバンドパスフィルタのみに対して有効)
34はゲート部であり、イコライザ部33の出力信号のノイズをカットするノイズゲートによって構成されている。すなわち、ゲート部34においては、入力信号レベルが閾値Thn以上であれば、ゲインは「0[dB]」になり、音声信号は減衰されないが、入力信号レベルが閾値Thn未満であれば、ゲインは「−Gn[dB]」になり、音声信号が減衰される。これにより、例えば楽音信号または人声音などのある程度のレベルを有する信号が入力されている期間においては、その音声信号は減衰されることなく出力され、それ以外の期間においては出力信号は減衰されるから、後者の期間において生じているノイズが減衰される。従って、「ゲート部のオン/オフ」、「閾値Thn」、および「レベルが閾値未満である場合のゲイン(−Gn[dB])」がゲート部34に設定されるパラメータ値になる。35はコンプレッサ部であり、音声信号のダイナミックレンジの圧縮が必要な場合に、「圧縮率」等のパラメータに基づいて、ゲート部34の出力信号のダイナミックレンジを圧縮または伸長する。従って、「コンプレッサ部のオン/オフ」、「圧縮率」等がコンプレッサ部35に設定されるパラメータ値になる。
36はディレイ部であり、必要な場合にコンプレッサ部35の出力信号を指定された遅延時間だけ遅延させる。従って、「ディレイ部のオン/オフ」および「遅延時間」がディレイ部36に設定されるパラメータ値になる。37はレベル調整部であり、フェーダレベルとセンドレベルとを設定する。ここで、フェーダレベルとは、当該第m入力チャンネルに割り当てられた電動フェーダの操作量に応じたレベルであり、当該第m入力チャンネル全体に共通するものである。一方、センドレベルは、各MIXバス毎に定められるレベルである。また、各MIXバスに音声信号をセンドするか否かのオン/オフ状態もユーザが指定することができる。従って、「フェーダレベル」、「各MIXバスに対するセンドオン/オフ状態」、および「各MIXバスに対するセンドレベル」がレベル調整部37に設定されるパラメータ値になる。
ところで、各MIXバスは各々独立したモノラルのバスとして使用することもできるが、隣接する「2」本のMIXバスをペアにしてステレオのMIXバスとして使用することもできる。38はPAN調整部であり、ステレオのペアを構成する「2」本のMIXバスに対して音量バランスを設定する。具体的には、これらのMIXバスに対して、「PANレベル」というレベルを設定する。なお、モノラルのMIXバスに対して、PANレベルは常に「0dB」になる。従って、この「PANレベル」がPAN調整部38に設定されるパラメータ値になる。以上により、各MIXバスに供給される音声信号のレベルは、デシベル表記でフェーダレベルとセンドレベルとPANレベルとの和になる。
また、図3において62−kは、第k・MIXバス58−k(但し、1≦k≦16)から供給された信号を処理する第k・MIX出力チャンネル調整部である。その内部において41はイコライザ部、42はコンプレッサ部、45はディレイ部、46はアッテネータ部であり、それぞれ上述した第m入力チャンネル調整部55−mにおけるイコライザ部33、コンプレッサ部35、ディレイ部36、およびアッテネータ部31と同様に構成されている。43はレベル調整部であり、当該第k・MIX出力チャンネルに割り当てられた電動フェーダの操作量に応じたフェーダレベルを設定する。
ところで、上述したように、「2」本のMIXバスはステレオのペアを構成する場合もあるが、かかる場合はこれらのMIXバスに対応する第k・MIX出力チャンネル調整部62−kおよび第(k+1)・MIX出力チャンネル調整部62−(k+1)ステレオのペアを構成することになる。44はバランス調整部であり、ステレオのペアを構成する「2」の調整部62−k,62−(k+1)に対して音量バランスを設定する。具体的には、これらの調整部62−k,62−(k+1)内のバランス調整部44において「バランスレベル」というレベルを設定する。なお、モノラルの調整部62−kにおいてバランスレベルは常に「0dB」になる。これにより、各第k・MIX出力チャンネル調整部62−kから出力される音声信号のレベルは、デシベル表記でフェーダレベルとバランスレベルとの和になる。
次に、パラメータ値遷移モードにおけるパラメータ値の決定方法を説明する。上述したように、上記構成要素31〜38,41〜46における動作はそれぞれの構成要素に設定された一組のパラメータ値によって決定される。そして、何れかの構成要素に設定された一組のパラメータ値の集合を「パターン」と呼ぶことにする。
ここで、ある構成要素に対して「2」種類のパターンA,Bを適用する場合、図5に示すように、各パターンA,Bのうち何れを重視するかの境界値として、切替レベルThABが定められる。該切替レベルThABが定められると、そのレベルに交差するように、フェーダレベルの関数であるウエイト特性WA,WBが図示のように定められる。
パラメータ値が連続量(例えば中心周波数、ゲイン、Q値等)である場合、パターンAにおけるパラメータ値をPAとし、パターンBにおけるパラメータ値をPBとすると、適用されるパラメータ値Pは下式(1)によって求められる。

P=(PA・WA+PB・WB)/(WA+WB) …式(1)

イコライザ部33を例とすると、あるバンドの中心周波数がパターンAにおいて「200Hz」であり、パターンBにおいて「100Hz」であるとすると、フェーダレベルが低いときは当該中心周波数は「200Hz」である。ここで、フェーダレベルを徐々に上げてゆき、切替レベルThAB付近のクロスフェード区間に達すると、中心周波数が徐々に下がってゆき、切替レベルThABにおいて「150Hz」になる。さらにフェーダレベルを上げてゆき、クロスフェード区間を過ぎると、中心周波数は「200Hz」に達する。
一方、パラメータ値が非連続量である場合(例えばイコライザ部33のバンドA,Fのフィルタ種別等)には、切替レベルThABを境として、パターンAまたはパターンBの何れか一方のパラメータ値が選択される。例えば、バンドAのフィルタ種別が、パターンAにおいて「バンドパスフィルタ」、パターンBにおいて「シェルビングフィルタ」であるとすると、フェーダレベルが切替レベルThAB未満であるときはシェルビングフィルタが選択され、切替レベルThAB以上である場合はバンドパスフィルタが選択される。
但し、非連続量であるパラメータ値をフェーダレベルに応じて切り替えると、僅かなフェーダ操作によって音質が急激に変わることになり、実用上好ましくない場合も生じる。その場合には、フェーダレベルにかかわらず、パラメータ値を常に一定にすることもできる。なお、その詳細については後述する。
2.4.入出力チャンネル調整部のアルゴリズムの詳細(信号混合モード)
次に、動作モードとして信号混合モードが指定されているチャンネルにおける、入力チャンネル調整部55およびMIX出力チャンネル部62の詳細を再び図4を参照し説明する。図4において第m入力チャンネル調整部55−mは、「2」系統の入力チャンネル・サブ調整部55−m−A,55−m−Bと、チャンネルバス群39とから構成されている。但し、入力チャンネル・サブ調整部の数は「2」に限られるものではなく、「3」系統以上の入力チャンネル・サブ調整部を設けることもできる。各入力チャンネル・サブ調整部のアルゴリズムは、パラメータ値遷移モードにおける第m入力チャンネル調整部55−m(図3参照)と同様である。また、チャンネルバス群39は、MIXバス群58と同数の(本実施例では「16」の)チャンネルバスによって構成され、各入力チャンネル・サブ調整部から出力された各「16」系統の音声信号は、該チャンネルバス群39において系統毎にミキシングされた後、MIXバス群58に供給される。
信号混合モードにおいては、各入力チャンネル・サブ調整部には、リニアスケールで合計が常に「1」になる複数の(系統数と同数の)「混合比レベル」というレベルが設定され、これによって各入力チャンネル・サブ調整部から出力された音声信号の混合比が決定される。この混合比レベルは、レベル調整部37にて反映される。従って、各入力チャンネル・サブ調整部から各チャンネルバスに供給される音声信号のレベルは、デシベル表記でフェーダレベルとセンドレベルとPANレベルと混合比レベルとの和になる。
また、第k・MIX出力チャンネル調整部62−kは、「2」系統のMIX出力チャンネル・サブ調整部62−k−A,62−k−Bと、チャンネルバス47とから構成されている。但し、この場合においてもMIX出力チャンネル・サブ調整部の数は「2」に限られるものではなく、「3」系統以上のMIX出力チャンネル・サブ調整部を設けることもできる。各MIX出力チャンネル・サブ調整部のアルゴリズムは、パラメータ値遷移モードにおける第k・MIX出力チャンネル調整部62−k(図3参照)と同様であり、各MIX出力チャンネル・サブ調整部から出力された音声信号は、該チャンネルバス47においてミキシングされた後、出力パッチ部64に供給される。
信号混合モードにおいては、各MIX出力チャンネル・サブ調整部にも、リニアスケールで合計が常に「1」になる複数の(系統数と同数の)混合比レベルが設定され、これによって各MIX出力チャンネル・サブ調整部から出力された音声信号の混合比が決定される。この混合比レベルは、レベル調整部43にて反映される。従って、各MIX出力チャンネル・サブ調整部からチャンネルバス47に供給される音声信号のレベルは、デシベル表記でデシベル表記でフェーダレベルとバランスレベルと混合比レベルとの和になる。
ここで、各系統の混合比レベルの決定方法を再び図5を参照し説明する。動作モードが信号混合モードであって、あるチャンネルに設ける系統数を「2」としたとき、各系統A,Bのうち何れを重視するかの境界値として、切替レベルThABが定められる。そして、該切替レベルThABが定められると、上述したパラメータ値遷移モードの場合と同様に、そのレベルに交差するように、フェーダレベルの関数であるウエイト特性WA,WBが図示のように定められる。
あるフェーダレベルにおいて、系統Aの混合比レベルは、「WA/(WA+WB)」になり、系統Bの混合比レベルは、「WB/(WA+WB)」になる。従って、上述したように系統A,Bの混合比レベルの合計は、リニアスケールで常に「1」になる。
この場合において、フェーダレベルを最低値から最高値に向けて徐々に増加させると、最初は系統Bから出力される音声信号のみがチャンネルバス群39またはチャンネルバス47を介して出力される。次に、クロスフェード区間内において系統Aの混合比レベルが徐々に大となり、系統Bの混合比レベルが徐々に小となり、切替レベルThABにおいて両系統の混合比レベルが等しくなる。さらにフェーダレベルが上がり、クロスフェード区間を外れると、やがて系統Aから出力される音声信号のみがチャンネルバス群39またはチャンネルバス47を介して出力されるようになる。
3.データ構造
3.1.カレントデータ(シーンデータ)
次に、本実施例におけるデータ構造を図6を参照し説明する。図6において250はカレントデータであり、現時点において本実施例のアルゴリズム(図2)に適用されているパラメータ値の集合であり、RAM22の所定領域(カレント領域)に格納される。より具体的には、カレントデータ250は、入力チャンネル調整部55のパラメータ値を指定する入力チャンネルデータ252と、MIX出力チャンネル部62のパラメータ値を指定するMIX出力チャンネルデータ254と、その他各部のパラメータ値を指定するデータとから構成されている。
なお、カレントデータの内容はシーンデータとしてRAM22の他の所定領域(シーン領域)に格納することができ、格納されたシーンデータは、所定のシーンリコール操作によってワンタッチでカレントデータとして復元することができる。従って、カレントデータ250のデータ構造とシーンデータのデータ構造とは同様のものになる。
上記入力チャンネルデータ252は、各入力チャンネルに対応した第1入力チャンネルデータ261、第2入力チャンネルデータ262等から構成されている。ここで、第1入力チャンネルデータ261は、ヘッダデータ270と、第1入力チャンネル調整部を構成する各構成要素31〜38(図3参照)のパラメータ値を指定するデータ(271、272、273等)とから構成されている。例えば、アッテネータ・データ271はアッテネータ部31のパラメータ値を指定するものであり、ハイパスフィルタ・データ272はハイパスフィルタ32のパラメータ値を指定するものであり、イコライザ・データ273はイコライザ部33のパラメータ値を指定するものである。
上記ヘッダデータ270は、動作モードデータ2701と、並び順データ2702と、切替レベルデータ2703とから構成される。動作モードデータ2701は、当該チャンネル(図示の例では第1入力チャンネル)の動作モードとして、パラメータ値遷移モードまたは信号混合モードの何れか一方を指定するものである。ところで、図6において、左端に「P」の文字を付したデータは、パラメータ値遷移モードのみに適用されるデータであり、左端に「S」の文字を付したデータは、信号混合モードのみに適用されるデータであり、何れの文字も付していないデータは、両モードで共用されるデータである。従って、ヘッダデータ270に含まれる並び順データ2702および切替レベルデータ2703は、信号混合モードのみに適用されることになる。切替レベルデータ2703は、「系統数−1」の切替レベル(例えば図5において説明した切替レベルThAB)を指定するものであり、並び順データ2702は、適用されるフェーダレベルが高い順に系統を特定するデータである。図5の例においては、適用される系統はA,Bの「2」系統であり、系統Aに適用されるフェーダレベルのほうが高いため、並び順データ2702の内容は「A,B」になる。
また、イコライザ・データ273は、固定パラメータデータ281と、切替ルールデータ290と、一または複数のパターンデータとから構成される。図示の例においては、「3」のパターンA,B,Cに対応するパターンデータ282,283,284が設けられている。これらのパターンデータは、パラメータ値遷移モードおよび信号混合モードの双方に対して共通に適用されるデータである。すなわち、パターンデータ282,283,284は、パラメータ値遷移モードにおいては一のイコライザ部33のパラメータ値を決定するために用いられる一方、信号混合モードにおいては、「3」系統の入力チャンネル・サブ調整部に設けられた「3」のイコライザ部33のパラメータ値として用いられる。なお、一のパターンデータのみが設けられる場合とは、フェーダレベルに応じてパラメータ値を遷移させない場合である。
固定パラメータデータ281および切替ルールデータ290は、図上で左端に「P」の文字が付してあるように、パラメータ値遷移モードにおいてのみ用いられるデータである。まず、固定パラメータデータ281は、フェーダレベルにかかわらずパラメータ値を一定にすべきパラメータ(固定パラメータ)の種別を規定するデータである。上述したように、イコライザ部33においてはバンドA,Fのフィルタ種別を選択できるが、フィルタ種別がフェーダレベルに応じて切り替えられると、僅かなフェーダ操作によって音質が急激に変わることになり、実用上好ましくない場合も生じる。そこで、固定パラメータデータ281においては、「バンドAのフィルタ種別」および「バンドFのフィルタ種別」を固定パラメータとして規定しておくと好適である。
次に、切替ルールデータ290は、優先パターンデータ291と、並び順データ292と、切替レベルデータ293とから構成される。まず、優先パターンデータ291は、上述した固定パラメータデータ281に係るパラメータ値を何れのパターンから取得するかを定めたデータである。例えば、固定パラメータデータ281が「パターンA」を指定する場合、固定パラメータ(上述した例においては、バンドAのフィルタ種別およびバンドFのフィルタ種別)は常にパターンAに定められたパラメータ値が適用されることになる。切替レベルデータ293は、「パターン数−1」の切替レベルを指定するものであり、並び順データ292は、適用されるフェーダレベルが高い順にパターンを特定するデータである。
以上、イコライザ・データ273の詳細について説明したが、各構成要素31〜38,41〜46に対応するデータ271,272等も、イコライザ・データ273と同様に構成されている。パラメータ値遷移モードにおいては、これらのデータ271,272等は相互に独立しており、パターンデータの数や切替ルールデータも同一でなくてもよい。但し、信号混合モードにおいては、一のチャンネルにおけるパターンデータの数や切替ルールデータは共通にしておく必要がある。
また、MIX出力チャンネルデータ254の詳細構成の図示は省略するが、MIX出力チャンネルデータ254も入力チャンネルデータ252と同様に、各個別のチャンネル毎に、ヘッダデータと、構成要素41〜46に対応するデータとから構成されている。
3.2.プリセットデータ
カレントデータ250内の何れかのチャンネルに係るデータ(例えば第1入力チャンネルデータ261)内のパラメータ値は、プリセットデータとしてRAM22の所定領域に格納することができ、必要に応じて他のチャンネルにリコールすることができる。このプリセットデータの詳細を再び図6を参照し説明する。図6においてプリセットデータ300は、ヘッダデータ310と、各構成要素31〜38または41〜46のパラメータ値を指定するデータ(311、312、313等)とから構成されている。ここで、ヘッダデータ310は、カレントデータ250におけるヘッダデータ270と同様に構成されており、動作モードデータと、信号混合モード用の並び順データと、信号混合モード用の切替レベルデータとから構成されている。また、図示の例において、プリセットデータ300は、入力チャンネル用のプリセットデータであるため、データ311、312、313等は、入力チャンネル用の構成要素31〜38に対応するものである。
ここでイコライザ部33に対応するイコライザ・データ313は、パターンセットデータ330と、複数のパターンデータとから構成される。図示の例においては、「5」のパターンA,B,C,D,Eに対応するパターンデータ322〜326が設けられている。これらのパターンデータ322〜326は、上述したカレントデータ250内のパターンデータ282,283,284と同様に、パラメータ値遷移モードおよび信号混合モードの双方に対して共通に適用され得るデータである。
パターンセットデータ330は、複数のパターンデータのうち実際に適用するものと、パラメータ値遷移モードにおける切替ルールと固定パラメータとを規定するデータであり、固定パラメータデータ341と、一または複数のポインタと、切替ルールデータ350とから構成される。固定パラメータデータ341は、上述したカレントデータ250内の固定パラメータデータ281と同様であり、パラメータ値遷移モードにおいてフェーダレベルにかかわらずパラメータ値を一定にすべきパラメータの種別を規定するデータである。また、図示の例においては、ポインタとして、パターンデータ322,323,324(パターンA,B,C)を各々指定する「3」のポインタ342,343,344が設けられている。従って、プリセットデータ300をリコールしたとき、実際にカレントデータ250に反映されるパターンは、パターンA,B,Cの「3」種類のみであり、パターンD,Eは、当該プリセットデータ300のリコールによっては反映されないことになる。また、切替ルールデータ350は、上述したカレントデータ250内の切替ルールデータ290と同様であり、優先パターンデータと、並び順データと、切替レベルデータとから構成される。
4.ユーザインタフェース
4.1.EQ設定ウィンドウ100
次に、本実施例に適用されるユーザインタフェースについて説明する。
ユーザが所定の操作を行うと、カレントデータ250内の任意の入力チャンネルまたはMIX出力チャンネルについて、構成要素31〜38,41〜46のパラメータ値を設定するウィンドウをタッチパネル2に表示させることができる。ここでは、一例として、イコライザ部33の詳細設定を行うEQ設定ウィンドウ100の内容を図7を参照し説明する。
図7において102はチャンネル選択部であり、パラメータ値を編集する対象となるチャンネルを選択するものである。103は動作モード選択部であり、当該チャンネルの動作モードとして、パラメータ値遷移モードまたは信号混合モードを選択するものである。104はパターン表示部であり、当該チャンネルのフェーダレベルの範囲(図示の例では−∞[dB]〜10[dB])に対して、適用されるパターンのウエイト特性を表示する。図示の例では、「EQ Ptn.A」および「EQ Ptn.B」という文字列とともに、二のパターンA,Bのウエイト特性が示されている。
106は切替レベルカーソルであり、表示されているパターンの切替レベルThABに相当する位置に表示される。この切替レベルカーソル106は、ユーザのドラッグ操作によって上下方向に移動させることができ、これによってユーザは切替レベルThABを指定することができる。110,120は特性表示部であり、パターンA,Bの周波数特性を表示する。112,122はエディットボタンであり、パターンA,Bの周波数特性の編集を指示するものである。すなわち、エディットボタン112,122のうち何れかがユーザに押下されると、後述するEQ詳細設定ウィンドウ200(図8参照)がタッチパネル2に表示され、対応するパターンの周波数特性を編集することができるようになる。114,124はストアボタンであり、パターンA,Bに係るカレントデータ250内のパターンデータ(例えば、図6におけるパターンデータ282,283)を、プリセットデータ300内の何れかのパターンデータ(例えば、同パターンデータ322〜326)として記憶させることを指示するものである。116,126はリコールボタンであり、プリセットデータ300内の何れかのパターンデータを、パターンA,Bに係るカレントデータ250内のパターンデータにリコールする(コピーする)ことを指示するものである。
108はパターン追加ボタンであり、ユーザによって押下されると、パターン表示部104に新たなパターンが追加される。新たなパターンが追加されると、この新たなパターンに対応して、上述した構成要素110,112,114,116と同様の特性表示部およびボタンがEQ設定ウィンドウ100内に追加される。128はパターンセット・ストアボタンであり、カレントデータ250内のイコライザ・データ273に対応するパターンセットデータ330を生成しプリセットデータ300内に記憶させることを指示するものである。上述のように、イコライザ・データ273は、固定パラメータデータ281と、切替ルールデータ290と、一または複数のパターンデータ(図6の例では282,283,284)とから構成される。このうち、パターンデータの実体は、プリセットデータ300内のパターンデータ322,323,324として記憶されるため、パターンセットデータ330においては、これらパターンデータ322,323,324を各々指定するのポインタ342,343,344が記憶されるのである。また、固定パラメータデータ281および切替ルールデータ290は、そのままパターンセットデータ330内の固定パラメータデータ341および切替ルールデータ350として記憶される。
次に、130はパターンセット・リコールボタンであり、既に記憶されている何れかのパターンセットデータ330の内容をカレントデータ250内のイコライザ・データ273に反映させることを指示するものである。リコールするパターンセットデータ330が指定されると、当該パターンセットデータ330に含まれる固定パラメータデータ341および切替ルールデータ350の内容が、カレントデータ250内の固定パラメータデータ281および切替ルールデータ290の記憶領域にコピーされる。そして、該パターンセットデータ330に含まれるポインタ(図6の例では342,343,344)によって指定される一または複数のパターンデータ(同、322,323,324)の実体が、カレントデータ250内のパターンデータ282,283,284の記憶領域にコピーされる。132はOKボタンであり、ユーザによって押下されると、EQ設定ウィンドウ100が閉じられる。134はキャンセルボタンであり、ユーザによって押下されると、当該EQ設定ウィンドウ100における編集内容がキャンセルされた後、該ウィンドウ100が閉じられる。EQ設定ウィンドウ100がタッチパネル2に表示された際、その時点におけるイコライザ・データ273の内容はRAM22内の所定の退避領域にコピーされる。キャンセルボタン134が押下されると、この退避領域内のデータがイコライザ・データ273の記憶領域に再びコピーされるため、イコライザ・データ273は編集前の内容に戻されるのである。
4.2.EQ詳細設定ウィンドウ200
次に、エディットボタン112,122の何れかが押下された際に表示されるEQ詳細設定ウィンドウ200の詳細を図8を参照し説明する。図8において202は特性表示部であり、編集対象となるパターンの周波数特性を表示する。204はバンドA用のシェルビングフィルタボタン、206はバンドA用のハイパスフィルタボタンであり、押下されることにより何れか一方のみをオン状態に設定することができ、これによってバンドAのフィルタ種別を指定することができる。すなわち、バンドAのフィルタ種別は、ボタン204がオン状態であるとき「シェルビングフィルタ」になり、ボタン206がオン状態であるとき「ハイパスフィルタ」になり、ボタン204,206の双方がオフ状態であるとき「バンドパスフィルタ」になる。また、208はバンドF用のシェルビングフィルタボタン、210はバンドF用のローパスフィルタボタンであり、押下されることにより何れか一方のみをオン状態に設定することができ、これによってバンドFのフィルタ種別を指定することができる。すなわち、バンドFのフィルタ種別は、ボタン208がオン状態であるとき「シェルビングフィルタ」になり、ボタン210がオン状態であるとき「ローパスフィルタ」になり、ボタン208,210の双方がオフ状態であるとき「バンドパスフィルタ」になる。
次に、212はQ値調整ノブ画像であり、バンドA〜Fに対応して「7」個設けられている。何れかのQ値調整ノブ画像212が押下されると、表示器・操作子群4に設けられたノブ操作子(図示せず)によって、当該バンドのQ値を調整することが可能になる。214は周波数調整ノブ画像であり、Q値調整ノブ画像212と同様に、バンドA〜Fに対応して各「7」個設けられている。そして、何れかの周波数調整ノブ画像214が押下されると、上記表示器・操作子群4に設けられたノブ操作子によって、当該バンドの中心周波数を調整することが可能になる。216はゲイン調整ノブ画像であり、Q値調整ノブ画像212と同様に、バンドA〜Fに対応して各「7」個設けられている。そして、何れかのゲイン調整ノブ画像216が押下されると、上記表示器・操作子群4に設けられたノブ操作子によって、当該バンドのゲインを調整することが可能になる。
上記ボタン204〜210、ノブ画像212,214,216およびノブ操作子が操作されると、その操作量に応じて、イコライザ・データ273内の対応するパラメータ値が直ちに変更される。これにより、ユーザは、波形I/O部10から出力される音声信号を耳で聞きながら、最適なパラメータ値を設定することができる。220はOKボタンであり、ユーザによって押下されると、EQ詳細設定ウィンドウ200が閉じられ、EQ設定ウィンドウ100が再びタッチパネル2に表示される。222はキャンセルボタンであり、ユーザによって押下されると、EQ詳細設定ウィンドウ200における編集内容がキャンセルされた後、該ウィンドウ200が閉じられ、EQ設定ウィンドウ100が再び表示される。すなわち、EQ詳細設定ウィンドウ200が表示された時点において当該パターンのパラメータ値は退避領域にコピーされ、キャンセルボタン222が押下されると、この退避領域内のデータが当該パターンのパターンデータの記憶領域に再びコピーされる。224はストアボタンであり、上記EQ設定ウィンドウ100内のストアボタン114,124と同様に、編集対象のパターンに係るパターンデータを、プリセットデータ300内の何れかのパターンデータとして記憶させることを指示するものである。226はリコールボタンであり、EQ設定ウィンドウ100内のリコールボタン116,126と同様に、プリセットデータ300内の何れかのパターンデータを、編集対象のパターンデータにリコールする(コピーする)ことを指示するものである。
4.3.シーンリコールウィンドウ400およびシーンストアウィンドウ420
表示器・操作子群4においては、シーンリコールを指示するシーンリコールボタンが設けられており、ユーザが該シーンリコールボタンを押下すると、図9(a)に示すシーンリコールウィンドウ400がタッチパネル2に表示される。シーンリコールウィンドウ400の内部において402はシーンデータリストであり、RAM22のシーン領域に記憶されているシーンデータ名の一覧を表示する。このシーンデータリスト402において、ユーザは所望のシーンデータ名の欄を押下することにより、当該シーンデータを選択状態にすることができる。404はリコールボタンであり、何れかのシーンデータが選択されているときに押下されると、選択されているシーンデータがリコールされる。すなわち、当該シーンデータの内容がカレントデータ250の記憶領域にコピーされる。これに伴って、新たなカレントデータ250の内容に応じて、表示器・操作子群4の表示/操作状態および電動フェーダ群6の操作量等が再設定される。
また、表示器・操作子群4においては、シーンストアを指示するシーンストアボタンが設けられており、ユーザ該シーンストアボタンを押下すると、図9(b)に示すシーンストアウィンドウ420がタッチパネル2に表示される。シーンストアウィンドウ420の内部において412はシーンデータリストであり、RAM22のシーン領域に記憶されているシーンデータ名の一覧を表示する。このシーンデータリスト412において、ユーザは所望のシーンデータ名の欄を押下することにより、当該シーンデータを選択状態にすることができる。414はリネームボタンであり、ユーザに押下されると、現在のカレントデータ250の内容が新たなシーンデータとしてシーン領域に記憶される。そして、この新たなシーンデータの名称を指定するためのポップアップウィンドウ(図示せず)が表示され、このポップアップウィンドウにおいてユーザはシーンデータ名を入力することができる。416はストアボタンであり、何れかのシーンデータが選択されているときに押下されると、現在のカレントデータ250の内容が当該選択されたシーンデータとしてストアされる。すなわち、カレントデータ250の内容が当該シーンデータの記憶領域にコピーされる。
以上、シーンデータをリコール/ストアするユーザインタフェースについて説明したが、パターンデータまたはパターンセットデータをリコール/ストアする場合においても、上述したウィンドウ400,420と同様のウィンドウが表示される。
5.実施例の動作
次に、本実施例の動作を説明する。何れかの入力チャンネルまたはMIX出力チャンネルにおいてフェーダレベルに変化が生じると、当該チャンネル毎に図10に示すフェーダレベル変動イベント処理ルーチンが起動される。なお、フェーダレベルは、ユーザが直接的にフェーダを操作した場合およびシーンリコールが生じた場合に変化する。
図10において処理がステップSP2に進むと、処理対象となるチャンネルのフェーダレベルの現在値が取得される。次に処理がステップSP3に進むと、当該チャンネルに係る動作モードがパラメータ値遷移モードであるか否かが判定される。ここで「NO」(信号混合モード)と判定されると処理はステップSP20に進み、当該チャンネルを構成する各系統の混合比レベルが算出される。なお、混合比レベルの算出方法の例は前述した通りであり、図5の例においては、現在のフェーダレベルに対して、系統Aの混合比レベルは、「WA/(WA+WB)」になり、系統Bの混合比レベルは、「WB/(WA+WB)」になる。算出された混合比レベルは、各系統のレベル調整部37または43(図4参照)にセットされる。これにより、各系統の音声信号のレベルが当該混合比レベルを反映したレベルに設定され、本ルーチンの処理が終了する。
一方、当該チャンネルの動作モードがパラメータ値遷移モードであった場合は、ステップSP3において「YES」と判定され、処理はステップSP4に進む。ここでは、当該チャンネルの構成要素31〜38,41〜46のうち、複数のパターンデータ(例えば、図6の282,283,284)を有する構成要素に係る全てのパラメータ値に対して、以降のステップSP6〜SP18の処理が終了したか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP6に進み、未処理である一のパラメータが選択され、以降の処理のターゲットに設定される。次に、処理がステップSP8に進むと、ターゲットのパラメータは固定パラメータであるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP4に戻る。一方、ターゲットのパラメータが固定パラメータでなければ「NO」と判定され処理はステップSP10に進む。
ステップSP10においては、フェーダレベルの現在値に対応するパターンが複数存在するか否かが判定される。すなわち、先に図5において説明したように、パラメータ値が連続量であってフェーダレベルがクロスフェード区間内であれば、複数のパターンA,Bに対してウエイト特性WA,WBが「0」を超える値になるため、対応するパターンは複数になる。一方、フェーダレベルがクロスフェード区間から外れると、対応するパターン(ウエイト特性が「0」を超える値になるパターン)は一つだけになる。また、パラメータ値が非連続量である場合にはフェーダレベルに関わらず、適用されるパターン数は一つのみである。パターン数が一つのみである場合は、ステップSP10において「NO」と判定され処理はステップSP12に進む。ここでは、当該パターンに係るパターンデータの中から、ターゲットのパラメータ値が取得される。次に、処理がステップSP18に進むと、信号処理部8に対して、当該パラメータ値がセットされ、処理はステップSP4に戻る。
一方、フェーダレベルの現在値に対応するパターンが複数存在する場合は、ステップSP10において「YES」と判定され、処理はステップSP14に進む。ここでは、対応する複数のパターンデータの中から、ターゲットのパラメータ値が各々取得される。次に、処理がステップSP16に進むと、フェーダレベルの現在値に対応するパラメータ値が算出される。図5の例においては、パターンAのパラメータ値PAおよびパターンBのパラメータ値PBに対して、算出されるパラメータ値Pは上述した式(1)によって求められる。次に、処理がステップSP18に進むと、信号処理部8に対して、当該算出されたパラメータ値がセットされ、処理はステップSP4に戻る。
そして、複数のパターンデータを有する全てのパラメータに対してステップSP6〜SP18の処理が実行されると、ステップSP4において「YES」と判定され、本ルーチンの処理が終了する。
6.パターンデータの設定の具体例
次に、デジタルミキサが使用される様々な状況下において、具体的にパターンデータがどのように設定されるのかについて若干の例を挙げて説明する。
(1)まず、ある入力チャンネルにおいて、マイクから集音した話者の声を処理することを想定してみる。話者の声が比較的小さいときは、フェーダレベルを高くする必要が生じるが、これによってハウリングが起こりやすくなる。ハウリングを防止するためには、イコライザ部33の特性を、ハウリング周波数のゲインを下げるノッチフィルタを形成するように設定する必要が生じる。但し、このような設定では、話者の声が若干不自然なものにならざるを得ない。逆に、話者の声が比較的大きいときは、フェーダレベルが低くても充分な音量が確保でき、ハウリングが生じにくくなるため、イコライザ部33の特性は、ほぼフラットにして自然な音声が聞こえるようにしたほうが望ましい。
従って、このような用途においては、フェーダレベルが高い場合におけるパターン(例えば図5におけるパターンA)にあっては、ハウリング周波数のゲインを下げるノッチフィルタを形成するようにイコライザ部33の特性を設定し、フェーダレベルが低い場合におけるパターン(同、パターンB)はほぼフラットな特性にしておくと好適である。
(2)次に、オペラなど、生音が音量的に主たるものになる用途においては、中低域をカットして子音に係る高音域だけを補助的に拡声することがある。これは、音量を上げるというよりは、むしろ明瞭度を改善するために行うことである。但し、オーケストラの演奏音が大きなときには、一時的に更なる拡声が必要となることが有り、そのときは生音よりもスピーカーから出力される音のほうが大きくなる。その際に中低域をカットしたまま放音すると、音声が不自然になる。
従って、かかる用途において、フェーダレベルが高い場合におけるパターン(例えば図5におけるパターンA)にあっては、イコライザ部33の特性をほぼフラットな特性にしておき、フェーダレベルが低い場合におけるパターン(同、パターンB)は、中低域をカットした特性にしておくと好適である。
(3)次に、コンプレッサ部35に付与される圧縮率について検討する。入力された音声信号に対して、基本的にはダイナミックレンジを操作しない方が原音に忠実な音声信号を出力できる。しかし、フェーダレベルが高い場合には、過大なピークが発生することもあるため、ダイナミックレンジを圧縮する必要が生じる場合もある。
従って、かかる用途において、フェーダレベルが高い場合におけるパターン(例えば図5におけるパターンA)にあっては、コンプレッサ部35のダイナミックレンジの圧縮率をやや高めにしておき、フェーダレベルが低い場合におけるパターン(同、パターンB)は、ダイナミックレンジを圧縮しないようにしておくとよい。
(4)次に、二系統の出力チャンネルを用いてリバーブ効果を実現する用途について検討する。例えばある入力チャンネルから出力された音声信号を第1,2MIX出力チャンネルに出力することとする。ここで、第1MIX出力チャンネルにおけるディレイ部45の遅延時間は「0」であり、第2MIX出力チャンネルにおけるディレイ部45の遅延時間は数十msec程度であるとする。第1,2MIX出力チャンネルから出力された音声信号を混合して放音すると、遅延されていない音声信号と遅延された音声信号とが混合され放音されることになるから、リバーブ効果を実現することができる。
ここで、該入力チャンネルのフェーダレベルが低い場合に該入力チャンネルから第2MIX出力チャンネルへのセンドレベルを高くすると、放音される音声信号の中で遅延された音声信号の比率が高くなる。これにより、該入力チャンネルのフェーダレベルを下げた際に音量が小さくなるだけではなく「遠くに去っていく」という表現が可能になる。従って、かかる機能を実現する場合には、フェーダレベルが高い場合におけるパターン(例えば図5におけるパターンA)にあっては、第2MIX出力チャンネルへのセンドレベルを低くし、フェーダレベルが低い場合におけるパターン(同、パターンB)は、第2MIX出力チャンネルへのセンドレベルを高くするようにしておくとよい。
以上のように、本実施例のパラメータ値遷移モードにおいては、フェーダレベルに応じて複数のパターンの中から何れかのパターンを選択することができ、信号混合モードにおいては、フェーダレベルに応じて複数の系統の混合比レベルを変化させるから、レベル調節と音質調整との関係をユーザが自由に定義でき、高い汎用性を実現することができる。
7.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、CPU18上で動作するプログラムによってパラメータ値を制御したが、このプログラムのみをCD−ROM、メモリカード等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
(2)また、上記実施例においては、動作モードとしてパラメータ値遷移モードまたは信号混合モードのうち所望のモードをユーザがチャンネル毎に指定できたが、何れか一方のモードのみを実施してもよい。
2:タッチパネル、4:表示器・操作子群、6:電動フェーダ群(音量設定操作子)、8:信号処理部、10:波形I/O部、12:バスライン、16:その他I/O部、18:CPU(処理装置)、20:フラッシュメモリ、22:RAM、31:アッテネータ部、32:ハイパスフィルタ、33:イコライザ部、34:ゲート部、35:コンプレッサ部、36:ディレイ部、37:レベル調整部、38:PAN調整部、39:チャンネルバス群、41:イコライザ部、42:コンプレッサ部、43:レベル調整部、44:バランス調整部、45:ディレイ部、46:アッテネータ部、47:チャンネルバス、51:アナログ入力部、52:デジタル入力部、54:入力パッチ部、55:入力チャンネル調整部、55−m:第m入力チャンネル調整部(音声信号処理手段)、55−m−A,55−m−B:入力チャンネル・サブ調整部(音声信号処理手段)、56:汎用イコライザ群、58:MIXバス群、58−k:第k・MIXバス、62:MIX出力チャンネル部(音声信号処理手段)、62−k:第k・MIX出力チャンネル調整部(音声信号処理手段)、62−k−A,62−k−B:MIX出力チャンネル・サブ調整部(音声信号処理手段)、64:出力パッチ部、66:アナログ出力部、68:デジタル出力部、100:EQ設定ウィンドウ、102:チャンネル選択部、103:動作モード選択部、104:パターン表示部、106:切替レベルカーソル(境界値設定手段)、108:パターン追加ボタン、110,120:特性表示部、112,122:エディットボタン、114,124:ストアボタン、116,126:リコールボタン、128:パターンセット・ストアボタン(パターンセットストア手段)、130:パターンセット・リコールボタン(パターンセットリコール手段)、132:OKボタン、134:キャンセルボタン、200:EQ詳細設定ウィンドウ、202:特性表示部、204:シェルビングフィルタボタン、206:ハイパスフィルタボタン、208:シェルビングフィルタボタン、210:ローパスフィルタボタン、212:Q値調整ノブ画像、214:周波数調整ノブ画像、216:ゲイン調整ノブ画像、220:OKボタン、222:キャンセルボタン、224:ストアボタン、226:リコールボタン、250:カレントデータ、252:入力チャンネルデータ、254:MIX出力チャンネルデータ、261:第1入力チャンネルデータ、262:第2入力チャンネルデータ、270:ヘッダデータ、271:アッテネータ・データ、272:ハイパスフィルタ・データ、273:イコライザ・データ(パターンデータ記憶手段)、281:固定パラメータデータ、282,283,284:パターンデータ、290:切替ルールデータ、291:優先パターンデータ、292:並び順データ、293:切替レベルデータ(境界値記憶手段)、300:プリセットデータ、310:ヘッダデータ、313:イコライザ・データ(パターンセット記憶手段)、322〜326:パターンデータ、330:パターンセットデータ、341:固定パラメータデータ、342,343,344:ポインタ、350:切替ルールデータ、400:シーンリコールウィンドウ(シーンリコール手段)、402:シーンデータリスト、404:リコールボタン、412:シーンデータリスト、414:リネームボタン、416:ストアボタン、420:シーンストアウィンドウ(シーンストア手段)、2701:動作モードデータ、2702:並び順データ、2703:切替レベルデータ。

Claims (7)

  1. 所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて、1チャンネルの音声信号に対する処理を行う第1種音声信号処理手段と、
    各々が、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて前記1チャンネルの音声信号に対する処理を並行して行う複数の第2種音声信号処理手段と、
    前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子と、
    前記所定数のパラメータ値の集合を一のパターンデータとして、複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、
    ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値を記憶する境界値記憶手段と、
    ユーザ操作に応じて、動作モードとして第1のモードまたは第2のモードのうち一方を選択する動作モード選択手段と、
    前記第1のモードが選択されたことを条件として、前記音量レベルが前記境界値以上であるか否かに基づいて、前記複数のパターンデータのうち何れか一のパターンデータを選択し前記第1種音声信号処理手段に設定するパラメータ値制御手段と、
    前記第2のモードが選択されたことを条件として、前記音量レベルと前記境界値との関係に基づいて、前記複数の第2種音声信号処理手段から出力された音声信号の混合比を決定する混合比決定手段と、
    前記第2のモードが選択されたことを条件として、前記複数の第2種音声信号処理手段から出力された音声信号を混合する混合手段と
    を有することを特徴とする音声信号処理装置。
  2. 所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて、1チャンネルの音声信号に対する処理を行う音声信号処理手段と、
    前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子と、
    前記所定数のパラメータ値の集合を一のパターンデータとして、複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、
    ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値を記憶する境界値記憶手段と、
    前記音量レベルが前記境界値以上であるか否かに基づいて、前記複数のパターンデータのうち何れか一のパターンデータを選択し前記音声信号処理手段に設定するパラメータ値制御手段と
    を有することを特徴とする音声信号処理装置。
  3. 各々が、所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて1チャンネルの音声信号に対する処理を並行して行う複数の音声信号処理手段と、
    前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子と、
    ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値を記憶する境界値記憶手段と、
    前記音量レベルと前記境界値との関係に基づいて、前記複数の音声信号処理手段から出力された音声信号の混合比を決定する混合比決定手段と、
    該決定された混合比に基づいて前記複数の音声信号処理手段から出力された音声信号を混合する混合手段と
    を有することを特徴とする音声信号処理装置。
  4. 前記複数のパラメータは、連続的なパラメータ値をとる連続値パラメータを含むものであり、
    前記パラメータ値制御手段は、前記音量レベルが前記境界値を含む所定区間において徐々に大となると、一のパターンデータにおけるパラメータ値から他の一のパターンデータにおけるパラメータ値に向かって徐々に変化するように、前記音声信号処理手段に設定するパラメータ値を制御するものである
    ことを特徴とする請求項2記載の音声信号処理装置。
  5. 前記パターンデータ記憶手段に記憶された複数のパターンデータを一のパターンセットとし、該パターンセットを単位として前記パターンデータを記憶するパターンセット記憶手段と、
    ユーザが所定のパターンセット・リコール操作を行うと、該パターンセット記憶手段に記憶されたパターンセットを前記パターンデータ記憶手段に再現するパターンセットリコール手段と、
    ユーザが所定のパターンセット・ストア操作を行うと、前記パターンデータ記憶手段に記憶されたパターンセットを前記パターンセット記憶手段に格納するパターンセットストア手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項2または4記載の音声信号処理装置。
  6. 前記音声信号処理手段、音量設定操作子、前記パターンデータ記憶手段、および前記境界値記憶手段は複数のチャンネルに対応して複数設けられるものであり、
    前記複数のパターンデータ記憶手段に記憶されたパターンデータと前記複数の境界値とからなるデータを一のシーンデータとし、該シーンデータを記憶するシーンデータ記憶手段と、
    ユーザが所定のシーンリコール操作を行うと、前記シーンデータ記憶手段に記憶されたシーンデータを前記複数のチャンネルに係る前記パターンデータ記憶手段と前記境界値記憶手段とに再現するシーンリコール手段と、
    ユーザが所定のシーンストア操作を行うと、前記複数のパターンデータ記憶手段に記憶されたパターンデータと前記複数の境界値とを前記シーンデータ記憶手段に格納するシーンストア手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項5記載の音声信号処理装置。
  7. 所定数のパラメータに対して各々設定されたパラメータ値に基づいて、1チャンネルの音声信号に対する処理を行う音声信号処理手段と、
    前記音声信号の音量レベルを設定する音量設定操作子と、
    前記所定数のパラメータ値の集合を一のパターンデータとして、複数のパターンデータを記憶するパターンデータ記憶手段と、
    ユーザ操作に応じて、前記音量レベルの一または複数の境界値を記憶する境界値記憶手段と、
    処理装置と
    を有する音声信号処理装置に適用されるプログラムであって、
    前記処理装置を、
    前記音量レベルが前記境界値以上であるか否かに基づいて、前記複数のパターンデータのうち何れか一のパターンデータを選択し前記音声信号処理手段に設定するパラメータ値制御手段
    として機能させるためのプログラム。
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