JP3088932B2 - 牛乳の殺菌装置 - Google Patents

牛乳の殺菌装置

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JP3088932B2
JP3088932B2 JP07137748A JP13774895A JP3088932B2 JP 3088932 B2 JP3088932 B2 JP 3088932B2 JP 07137748 A JP07137748 A JP 07137748A JP 13774895 A JP13774895 A JP 13774895A JP 3088932 B2 JP3088932 B2 JP 3088932B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、牛乳を低温殺菌する
ための牛乳の殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の殺菌装置としては、例え
ば図16に示すようなものがある。同図において、牛乳
は、流通管101-1を通じてバランスタンク102に流
入し、ここに貯められる。ポンプ103は、このバラン
スタンク102内の牛乳を汲み出し、この牛乳を熱交換
器104へと送り出す。
【0003】一方、例えば2つのホールディングタンク
105-4、105-5には、65℃の温水が予め貯められ
ている。これらのホールディングタンク105-4、10
-5内の温水は、流通管101-3を通じて熱交換器10
4へと送り出され、熱交換器104を通過してから適宜
の排水弁を通じて排水される。また、温水器106と熱
交換器104間で、65℃の温水が循環されている。
【0004】熱交換器104では、各ホールディングタ
ンク105-4、105-5からの温水、及び温水器106
からの温水によって、バランスタンク102からの牛乳
が65℃まで温められる。
【0005】この後、この牛乳は、ホモゲナイザー10
7に至り、ここで牛乳に含まれる脂肪球が分解されて、
この牛乳が均質化される。更に、この牛乳は、流通管1
01-2を通じて空のホールディングタンク105-1に流
入し、ここに貯められる。
【0006】このホールディングタンク105-1が牛乳
で満杯となってからも、バランスタンク102内の牛乳
が残っているならば、この牛乳は、熱交換器104及び
ホモゲナイザー107を通過してから、2番目のホール
ディングタンク105-2に貯められる。。
【0007】各ホールディングタンク105-1〜105
-5の外周には、それぞれの温水ジャケットが被せられて
おり、これらのホールディングタンク105-1〜105
-5が65℃に保温されている。このため、ホールディン
グタンク内の牛乳は、65℃に保温され、30分間を経
過して、低温殺菌を終了すると、このホールディングタ
ンクから流通管101-3を通じて熱交換器104へと送
り出される。
【0008】これまでの経過で、各ホールディングタン
ク105-4、105-5内の温水が全て送り出され、これ
らのホールディングタンク105-4、105-5が空にな
っている。このため、2番目のホールディングタンク1
05-2に引き続いて、3番目、4番目及び5番目の各ホ
ールディングタンク105-3、105-4、105-5とい
う順序で、これらのホールディングタンクに牛乳を連続
的に貯めることができる。
【0009】各ホールディングタンク105-4、105
-5内の温水が全て送り出されると、温水に代わって、ホ
ールディングタンク内の牛乳によって、バランスタンク
102からの牛乳が温められる。つまり、熱交換器10
4では、例えばホールディングタンク105-1からの牛
乳、及び温水器106からの温水によって、バランスタ
ンク102からの牛乳が65℃まで温められる。このバ
ランスタンク102からの牛乳は、熱交換器104から
ホモゲナイザー107を介して3番目のホールディング
タンク105-3に導かれ、ここに貯められる。
【0010】また、熱交換器104においては、給水器
108からの水が循環するとともに、チルド水供給器1
09からのチルド水が循環しており、これらの水、及び
バランスタンク102からの牛乳によって、ホールディ
ングタンク105-1からの牛乳が冷却される。この冷却
された牛乳は、流通管101-4を通じて各サージタンク
111に導かれ、これらに貯められる。
【0011】同様に、各ホールディングタンク105-2
〜105-5内の牛乳は、30分間の待機の後に、熱交換
器104によって冷却され、各サージタンク111へと
順次導かれて貯められる。
【0012】このような殺菌処理は、牛乳がバランスタ
ンク102に残っている限り続けられ、各ホールディン
グタンク105-1〜105-5が順次満たされたり空にさ
れることを繰り返していく。
【0013】ところで、この装置は、食品である牛乳を
扱うのであるから、洗浄と殺菌を行う必要がある。この
ため、この装置には、洗浄水ユニット112及びスチー
ムユニット113が付設されている。
【0014】洗浄水ユニット112は、洗浄水を一点鎖
線で示す各洗浄水管114を通じて該装置の流通管、各
タンク等に循環させ、これらを殺菌する。同様に、スチ
ームユニット113は、スチームを図示しないスチーム
管を通じて該装置の流通管、各タンク等に循環させ、こ
れらを殺菌する。
【0015】このような洗浄水やスチームによる殺菌
は、牛乳の殺菌処理の度に行われ、これにより該装置が
常に清潔に保たれる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、牛乳をホールディングタンクに一
旦貯めるので、このタンクに先に流入した牛乳の分と、
このタンクに後で流入した牛乳の分とでは、保温の時間
が異なり、これが牛乳の品質の一定化の弊害となってい
た。
【0017】また、ホールディングタンクの周りでは、
弁の数が多くなる傾向にある。これらの弁は、洗浄や殺
菌が困難なので、その数が少ない方が望ましい。つま
り、ホールディングタンクの存在が洗浄や殺菌を困難に
した。
【0018】さらに、ホールディングタンク内部の洗浄
や殺菌を行う場合、多量の洗浄水を必要とし、長い時間
を費やしていた。また、ホールディングタンクの隅々の
洗浄が困難であり、洗浄できない部分が残った。
【0019】そこで、この発明の課題は、牛乳を斑なく
保温して殺菌することができ、また弁の数が少なく、隅
々までの洗浄や殺菌を容易に行うことが可能な牛乳の殺
菌装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の殺菌装置においては、液体を貯めるバラ
ンスタンクと、加熱手段と、保温手段と、冷却手段と、
液体を貯めるサージタンクと、バランスタンクから加熱
手段、保温手段及び冷却手段を通じてサージタンクに至
る流通管と、この流通管の途中に挿入された複数の弁及
び少なくとも1つのポンプとを備え、流通管は、加熱手
段によって加熱され、保温手段によって予め定められた
温度に保温され、冷却手段によって冷却され、ポンプ
は、流通管内の液体が予め定められた時間を費やして保
温手段を通過するような単位時間当たりの流量で、バラ
ンスタンク内の液体を流通管を通じてサージタンクへと
圧送している。
【0021】
【作用】上記構成の発明では、加熱手段、保温手段、及
び冷却手段によって、流通管を加熱、保温及び冷却して
いる。この流通管内の液体は、ポンプによって圧送さ
れ、予め定められた時間を費やして保温手段を通過す
る。このため、流通管内の液体は、予め定められた時間
だけ、予め定められた温度に保温される。
【0022】この液体が牛乳である場合、この牛乳は、
一定時間だけ一定温度に保温されて、殺菌される。しか
も、牛乳をホールディングタンクに貯めずに、流通管内
で流しながら保温して殺菌するので、斑の無い、一定の
品質の牛乳を得ることができる。
【0023】また、牛乳を貯めて保温するホールディン
グタンクを持たないことが、弁の数を減少させることに
結び付き、洗浄や殺菌を容易にする。さらに、流通管に
洗浄水を流すだけで、隅々まで洗浄することができ、ま
た1回の洗浄で済むので、作業時間の短縮と、洗浄ロス
の軽減を計ることができる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面を参照し
て説明する。
【0025】図1は、この発明の牛乳の殺菌装置の一実
施例を示している。まず、この図1を参照して、この実
施例の装置の概略を述べる。
【0026】この装置において、牛乳は、マルチプレー
ト1を通じてバランスタンク2に導かれ、ここに一旦貯
められる。サニタリーポンプ3は、牛乳をバランスタン
ク2から汲み出し、この牛乳を流通路4aを通じて熱交
換器5に送出する。
【0027】この熱交換器5は、蒸気加熱部5a、温水
加熱部5b、地下水冷却部5c、及びチルド水冷却部5
dに区分されている。蒸気加熱部5aにおいては、蒸気
加熱装置6からの蒸気管が配管されており、この蒸気管
を通じて蒸気を循環させ、この蒸気による加熱を行う。
温水加熱部5bにおいては、温水加熱装置7からの温水
管が配管されており、この温水管を通じて温水を循環さ
せ、この温水による加熱を行う。地下水冷却部5cにお
いては、地下水圧送装置8からの地下水管が配管されて
おり、この地下水管を通じて地下水を循環させ、この地
下水による冷却を行う。チルド水冷却部5dにおいて
は、チルド水冷却装置9からのチルド水管が配管されて
おり、このチルド水管を通じてチルド水(0℃に近い
水)を循環させ、このチルド水による冷却を行う。
【0028】牛乳の流通路4aは、熱交換器5の温水加
熱部5bに導入され、ここで牛乳が予備加熱される。こ
の後、牛乳は、流通路4aを通じてホモゲナイザー11
に至る。このホモゲナイザー11は、牛乳の脂肪球を分
解して、この牛乳を均質化してから流通路4bを通じて
熱交換器5に送出する。
【0029】この流通路4bは、熱交換器5の蒸気加熱
部5aに導入され、ここで牛乳が再加熱され、その温度
が65℃に至る。この牛乳は、流通路4cを通じてホー
ルディングチューブユニット12に至る。
【0030】このホールディングチューブユニット12
には、牛乳の流通路4dが配管されている。この流通路
4dは、長いものであるが、適宜に繰り返し折り曲げら
れて、小さいスペースに収められている。また、ここに
は、蒸気保温装置13からの蒸気管が接続されており、
この蒸気管を通じて蒸気が導入され、この蒸気によっ
て、流通路4dが65℃に保温される。
【0031】牛乳は、ホールディングチューブユニット
12の流通路4dを通過する間、65℃に保温され続
け、低温殺菌される。
【0032】このホールディングチューブユニット12
を通過した牛乳は、ベーンポンプ14に至り、このベー
ンポンプ14から流通路4eを通じて熱交換器5に送出
される。この牛乳の流通路4eは、熱交換器5の地下水
冷却部5c及びチルド水冷却部5dを通り、ここで牛乳
が5℃程度まで冷却される。更に、この牛乳は、流通路
4fを通じてサージタンク15に導かれ、ここに貯めら
れる。
【0033】なお、エアーパージ切替え弁16、ユニッ
ト入口切替え弁17、CIP弁18、ユニット出口弁1
9、ドレイン弁21、戻り切替え弁22は、電磁弁であ
って、後述する制御過程で自動的に切替えあるいは開閉
されるものである。また、複数の手動弁23a〜23j
は、手動で切替えられるものである。さらに、複数のサ
イドグラス24a〜24hは、流通路の途中に設けられ
たガラス管であり、流通路内の状態を視認するために設
けられている。
【0034】図2は、この装置の制御系を示すブロック
図である。同図において、操作盤31は、各種の操作ス
イッチや電源スイッチを配列したものであり、この装置
の管理者によって操作される。濃度センサ32は、流通
管4dの末端に設けられており、この部位を通過する牛
乳もしくは水の濃度を検出する。加熱温度センサ33
は、流通路4bの末端に設けられ、この部位を通過する
牛乳もしくは水の温度を検出する。保温温度センサ34
は、ホールディングユニット12の直後で流通路4dに
設けられ、この部位の牛乳もしくは水の温度を検出す
る。
【0035】また、タイマー35は、予め定められた各
時間T1 ,T2 ,T3 を計時するものである。さらに、
表示部36は、灯火表示を行い、チャイム37は、チャ
イム音を発生する。
【0036】制御装置38は、この装置を統括的に制御
するものであり、操作盤31の操作、あるいは各センサ
の検出出力に応答して、各弁16〜19,21,22、
各ポンプ3,14,39、ホモゲナイザー11、蒸気加
熱装置6、及び蒸気保温装置13等を制御する。
【0037】さて、この装置では、牛乳を殺菌する工程
の前後で、熱湯による該装置の殺菌、洗浄水による該装
置の洗浄並びに殺菌を行う。つまり、熱湯による該装置
の殺菌を行ってから、牛乳の殺菌工程に移り、最後に洗
浄水による該装置の洗浄並びに殺菌を行う。
【0038】このような処理手順を図3のタイミングチ
ャート、及び図4乃至図13に従って順次述べる。な
お、図4乃至図12は、図1と同様のものであるが、牛
乳もしくは水が通っている部分を太線で示している。
【0039】まず、図3の時点t0 で操作盤31の電源
スイッチをオンにすると、予備期間n1 となる。この予
備期間n1 においては、ユニット入口切替え弁17が流
通路4d側に切り替えられ、CIP弁18が開かれ、ユ
ニット出口弁19が開かれる。この状態で、蛇口41を
操作して、水をバランスタンク2に入れるとともに、操
作盤31の各スイッチのうちの1つをオンにして、サニ
タリーポンプ3を起動させる。さらに、暫くの後に、操
作盤31を操作して、ホモゲナイザー11を起動させ
る。
【0040】これにより、水は、図4に示すようにバラ
ンスタンク2→サニタリーポンプ3→流通路4a→ホモ
ゲナイザー11→各流通路4b,4c,4dという経路
で流れる。また、流通路4dから復路42bを通じてバ
ランスタンク2という経路でも循環する。
【0041】一方、温水加熱装置7を起動して、この温
水加熱装置7と熱交換器5の温水加熱部5b間で、45
℃の温水を循環させる。また、操作盤31の各スイッチ
のうちの2つをオンにして、蒸気加熱装置6及び蒸気保
温装置13を起動する。このとき、加熱温度センサ33
によって検出される温度が65℃となるように、蒸気加
熱装置6と熱交換器5の蒸気加熱部5a間で循環する蒸
気の量を調節する。同様に、保温温度センサ34によっ
て検出される温度が65℃となるように、蒸気保温装置
13とホールディングユニット12間で循環する蒸気の
量を調節する。
【0042】次に、図3の時点t1 で操作盤31を操作
して、殺菌準備期間n2 を設定すると、これに応答して
制御装置38は、ベーンポンプ14を起動し、このベー
ンポンプ14を高速運転する。
【0043】これにより、水は、図5に示すようにバラ
ンスタンク2→サニタリーポンプ3→流通路4a→ホモ
ゲナイザー11→各流通路4b,4c,4d,4e, 4
f→復路42a→バランスタンク2という経路で循環す
る。
【0044】また、制御装置38は、加熱温度センサ3
3及び保温温度センサ34によって検出される温度が8
5℃となるように、蒸気加熱装置6及び蒸気保温装置1
3からの蒸気の供給量を制御する。そして、これらの温
度が時点t2 で85℃に達して、殺菌期間n3 が設定さ
れると、制御装置38は、タイマー35を起動して、こ
のタイマー35による予め設定された時間T1 (30分
間)と、これに引き続く時間T2 (10分間)の計時を
開始させる。これと同時に、制御装置38は、表示部3
6を起動して、灯火表示を行わせ、殺菌中であることを
報知する。
【0045】次に、図3に示すように時間T1 の計時が
時点t3 で終了すると、この時点t3 から第1エアーパ
ージ期間n4 となる。この計時の終了に応答して、制御
装置38は、表示部36を停止させるとともに、エアー
パージ切替え弁16及びユニット入口切換え弁17を切
り替える。また、このときに、手動弁23bを切り替え
ておく。
【0046】これにより、水は、図6に示すようにバラ
ンスタンク2→サニタリーポンプ3→流通路4a→ホモ
ゲナイザー11→各流通路4b,4c→復路42cとい
う経路で流れ、手動弁23bから排水される。また、エ
アークリーンユニット43からエアーパージ切替え弁1
6を介してホールディングユニット12の流通路4
空気が侵入し、この流通路4から水が追い出されてい
く。
【0047】一方、制御装置38は、加熱温度センサ3
3及び保温温度センサ34によって検出される温度が6
5℃まで低下するように、蒸気加熱装置6及び蒸気保温
装置13からの蒸気の供給量を制御する。
【0048】次に、図3に示すように時間T2 の計時が
時点t4 で終了すると、この時点t4 から第2エアーパ
ージ期間n5 となる。この計時の終了に応答して、制御
装置38は、表示部36及びチャイム37を一時的に作
動させて、灯火表示とチャイム音の発音を行わせる。ま
た、制御装置38は、ドレイン弁21を開いて、ベーン
ポンプ14を停止させる。
【0049】このドレイン弁21からは、図7に示すよ
うにホールディングユニット12の流通路4内に残留
している水が排水される。ただし、ベーンポンプ14以
降では、流通路4eと復路42a内に水が残る。
【0050】この状態では、手動弁23bからの排水が
継続されているので、バランスタンク2内の水が減少し
続ける。
【0051】図3に示す時点t5 で、バランスタンク2
内の水が十分に減少すると、牛乳をマルチプレート1を
介してバランスタンク2へと送り込み、この牛乳を継ぎ
足していく。
【0052】この後、ホールディングユニット12の直
前のサイドグラス24aを通して流通路4c内を見てお
き、この部位に牛乳が流れて来たことを確認してから、
操作盤31を操作して、第1ホールディング期間n6
開始を指示する。これに応答して、制御装置38は、エ
アーパージ切替え弁16及びユニット入口切替え弁17
を切り替える。また、制御装置38は、タイマー35を
起動して、このタイマー35による予め設定された時間
3 (35分間)の計時を開始させる。
【0053】この状態では、牛乳は、図8に示すように
バランスタンク2→サニタリーポンプ3→流通路4a→
ホモゲナイザー11→各流通路4b,4c,4dという
経路で流れていき、この牛乳に先行する水がドレイン弁
21から排水されていく。
【0054】この第1ホールディング期間n6 の間に、
牛乳は、ホールディングユニット12の流通路4bを満
たして、ドレイン弁21に至る。このとき、濃度センサ
32は、このドレイン弁21の近傍に牛乳が流れて来た
ことを検出する。この濃度センサ32の検出出力に応答
して、制御装置38は、ドレイン弁21を切り替えると
ともに、ユニット出口弁19を一旦閉める。これによ
り、この第1ホールディング期間n6 を終了するまで、
最初の牛乳がホールディングユニット12で留まること
になり、この最初の牛乳が30分間だけ65℃に保温さ
れて、殺菌される。
【0055】また、ホールディングユニット12の流通
路4に残留している空気が牛乳と共に、復路42bを
通じて手動弁23bに至り、この手動弁23bから排出
される。
【0056】さらに、この第1ホールディング期間n6
の終わりには、制御装置38は、地下水圧送装置8及び
チルド水冷却装置9を起動して、地下水圧送装置8及び
チルド水冷却装置9と熱交換器5間で、地下水及びチル
ド水を循環させる。
【0057】図3に示すように時間T3 の計時が時点t
6 で終了すると、この時点t6 から第2ホールディング
期間n7 となる。この計時の終了に応答して、制御装置
38は、表示部36及びチャイム37を一時的に作動さ
せて、灯火表示とチャイム音の発音を行わせ、牛乳の殺
菌工程が開始されたことを報知する。
【0058】また、制御装置38は、CIP弁18を閉
じるとともに、ユニット出口弁19を開き、ベーンポン
プ14を再び起動して、このベーンポンプ14を低速運
転する。これにより、牛乳は、図9に示すようにバラン
スタンク2→サニタリーポンプ3→流通路4a→ホモゲ
ナイザー11→各流通路4b,4c,4d,4e, 4f
→復路42aという経路で流れ、この牛乳に先行する水
が手動弁23bから排水される。
【0059】このとき、サージタンク15の近傍のサイ
ドグラス24hを見ておき、この部位に牛乳が流れて来
たことを確認してから、手動弁23gを切り替える。こ
れにより、牛乳は、図10に示すようにサージタンク1
5に流入し、ここに貯められる。
【0060】この第2ホールディング期間n7 において
は、ベーンポンプ14が低速運転されているので、牛乳
は、ホールディングユニット12の流通路4b内で、3
0分の時間を費やして流れ、この間、65℃に保たれて
低温殺菌される。この後、この牛乳は、熱交換器5の地
下水冷却部5c及びチルド水冷却部5dを通って、5℃
程度まで冷却されてから、サージタンク15に導かれ
る。
【0061】ここで、牛乳は、ホールディングユニット
12の流通路4を一定の速度で徐々に流れつつ、この
間に低温加熱される。これにより、牛乳が斑無く加熱さ
れ、一定の品質の牛乳を得ることができる。
【0062】このような牛乳の殺菌工程は、牛乳がバラ
ンスタンク2内に残っている限り継続される。このバラ
ンスタンク2内の牛乳が残り少なくなると、蛇口41を
操作して、水を継ぎ足す。
【0063】この後、ホールディングユニット12の直
前のサイドグラス24aを通して流通路4c内を見てお
き、この部位に水が流れて来ると、図3に示す時点t7
で操作盤31を操作して、牛乳の殺菌工程の終了、並び
に第3エアーパージ期間n8の開始を指示する。これに
応答して、制御装置38は、エアーパージ切替え弁16
及びユニット入口切替え弁17を切り替え、CIP弁1
8を開く。また、制御装置38は、タイマー35を起動
して、このタイマー35による予め設定された時間T4
(10分間)の計時を開始させる。
【0064】これにより、図11に示すようにクリーン
エアーユニット43からエアーパージ切替え弁16を介
してホールディングユニット12の流通路4に空気が
侵入し、この流通路4から牛乳が追い出されていく。
【0065】次に、図3に示すように時間T4 の計時が
時点t8 で終了すると、この時点t8 から第4エアーパ
ージ期間n9 となる。この計時の終了に応答して、制御
装置38は、表示部36及びチャイム37を一時的に作
動させて、灯火表示とチャイム音の発音を行わせる。ま
た、制御装置38は、エアーパージ切替え弁16及びユ
ニット入口切替え弁17を再び切り替え、CIP弁18
を閉じる。
【0066】これにより、残りの牛乳は、図12に示す
ように流通路4eからサージタンク15へと再び流れ、
このサージタンク15に貯められる。
【0067】このとき、サージタンク15の近傍のサイ
ドグラス24hを見ておき、牛乳に引き続く空気と水が
流れてくると、手動弁23gを切り替える。これによ
り、水が復路42aを通じて戻される。
【0068】この後に、図3に示す時点t9 で操作盤3
1を操作して、装置の停止を指示すると、制御装置38
は、各部分の動作を停止して、完了となる。
【0069】こうして牛乳の殺菌という一連の作業を終
了してから、更に、この殺菌装置の洗浄及び殺菌の処理
へと移る。
【0070】この殺菌装置の洗浄及び殺菌は、洗浄水の
循環と、すすぎ水の循環によってなされる。図13、図
14、及び図15には、洗浄水の供給経路、洗浄水の回
収経路、すすぎ水の経路が示されている。
【0071】図13の洗浄水の供給経路において、洗浄
水は、各洗浄水タンク51→洗浄水ポンプ52→マルチ
プレート1→バランスタンク2へと導かれ、ここからサ
ニタリーポンプ3を介して送出され、各部分を通って再
びバランスタンク2へと戻ってくる。
【0072】また、図14の洗浄水の回収経路におい
て、洗浄水は、手動弁23aを通じて各洗浄水タンク5
1に戻される。
【0073】さらに、図15のすすぎ水の経路におい
て、水は、蛇口41からバランスタンク2に入れられ、
このバランスタンク2からサニタリーポンプ3を介して
送出され、各部分を通って再びバランスタンク2へと戻
されるか、あるいはバランスタンク2に戻される直前で
排水される。
【0074】このような洗浄水とすすぎ水の経路は、そ
の殆どが流通経路であり、従来の装置のように各ホール
ディングタンクを洗浄するのとは違い、洗浄水のロスが
少なくて済み、経済的であり、かつ洗浄に要する時間を
短縮することができる。また、洗浄水が流通経路の隅々
まで行き渡るので、隅々の洗浄を容易に行うことができ
る。さらには、ホールディングタンクを持たないので、
弁の数を減少させることができ、この点でも、洗浄に有
利である。
【0075】
【効果】以上説明したように、この発明の殺菌装置によ
れば、牛乳をホールディングタンクに貯めずに、流通管
内で流しながら保温して殺菌するので、斑の無い、一定
の品質の牛乳を得ることができる。
【0076】また、従来装置のようにホールディングタ
ンクを持たないことが、洗浄を容易かつ速やかに行うこ
とを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の牛乳の殺菌装置の一実施例を概略的
に示す図
【図2】図1の実施例の装置の制御系を示すブロック図
【図3】図1の実施例の装置の処理手順を説明するため
に用いたタイミングチャート
【図4】図1の実施例の装置の処理手順における予備期
間を説明するために用いた図
【図5】図1の実施例の装置の処理手順における殺菌準
備期間を説明するために用いた図
【図6】図1の実施例の装置の処理手順における第1エ
アーパージ期間を説明するために用いた図
【図7】図1の実施例の装置の処理手順における第2エ
アーパージ期間を説明するために用いた図
【図8】図1の実施例の装置の処理手順における第1ホ
ールディング期間を説明するために用いた図
【図9】図1の実施例の装置の処理手順における第2ホ
ールディング期間を説明するために用いた図
【図10】図1の実施例の装置の処理手順における第2
ホールディング期間を説明するために用いた図
【図11】図1の実施例の装置の処理手順における第3
エアーパージ期間を説明するために用いた図
【図12】図1の実施例の装置の処理手順における第4
エアーパージ期間を説明するために用いた図
【図13】図1の実施例の装置における洗浄水の供給経
路を説明するために用いた図
【図14】図1の実施例の装置における洗浄水の回収経
路を説明するために用いた図
【図15】図1の実施例の装置におけるすすぎ水の経路
を説明するために用いた図
【図16】従来の殺菌装置を例示する図
【符号の説明】
1 マルチプレート 2 バランスタンク 3 サニタリーポンプ 4a,4b,4c,4d,4e, 4f 流通路 5 熱交換器 6 蒸気加熱装置 7 温水加熱装置 8 地下水圧送装置 9 チルド水冷却装置 11 ホモゲナイザー 12 ホールディングチューブユニット 13 蒸気保温装置 14 ベーンポンプ 15 サージタンク 31 操作盤 32 濃度センサ 33 加熱温度センサ 34 保温温度センサ 35 タイマー 38 制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯めるバランスタンクと、加熱手
    段と、保温手段と、冷却手段と、液体を貯めるサージタ
    ンクと、バランスタンクから加熱手段、保温手段及び冷
    却手段を通じてサージタンクに至る流通管と、この流通
    管の途中に挿入された複数の弁及び少なくとも1つのポ
    ンプとを備え、前記 流通管は、加熱手段によって加熱され、保温手段に
    よって予め定められた温度に保温され、冷却手段によっ
    て冷却され、前記 ポンプは、流通管内の液体が予め定められた時間を
    費やして保温手段を通過するような単位時間当たりの流
    量で、バランスタンク内の液体を流通管を通じてサージ
    タンクへと圧送し、 前記弁のうちの1つは、流通管の一部から液体を排水
    し、他の1つは、排水された後に、この流通管の前記加
    熱される部分へ空気を送り込むようにした 牛乳の殺菌装
    置。
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