JPH11118242A - 浴槽水濾過装置 - Google Patents

浴槽水濾過装置

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JPH11118242A
JPH11118242A JP9280474A JP28047497A JPH11118242A JP H11118242 A JPH11118242 A JP H11118242A JP 9280474 A JP9280474 A JP 9280474A JP 28047497 A JP28047497 A JP 28047497A JP H11118242 A JPH11118242 A JP H11118242A
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bathtub
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heat sterilization
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清史 花澤
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Katsuya Kitayama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】省エネルギーで節水型の熱殺菌機能付き浴槽水
濾過装置を提供する。 【解決手段】循環路20内の湯を加熱した高温湯に暴露
して熱殺菌を行う。熱殺菌後に、循環路内の高温湯を浴
槽10に戻して省エネルギーと節水を行う。その時の浴
槽の温度が設定温度を超えない時に、浴槽に高温湯を戻
す。超える時は、高温湯を排出する。循環路内の湯の熱
殺菌処理を行う前に、浴槽に高温湯を戻した時の浴槽の
温度が設定温度を超えない時に、熱殺菌を行いその後浴
槽に高温湯を戻す。超える場合は、適宜熱殺菌の処理を
やめるか遅らせる。更に、熱殺菌が必要な時は循環路内
の湯の熱殺菌を実施後、浴槽に高温湯を戻した時の浴槽
温度が設定温度を超える場合に、高温湯を冷却して浴槽
に戻す。冷却方法は、循環路から放熱路を経由させる
か、循環路に給水路を接続することで実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽内の水を循環
させて浄化する浴槽水濾過装置に関し、特に、この装置
に設けられた濾過槽に所定温度以上の湯を流して、濾過
槽を熱殺菌することができる手段を備えた浴槽水濾過装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、浴槽内の水(以下浴槽水とい
う)を循環させて濾過する浴槽水濾過装置が存在する。
浴槽水は、浴槽水濾過装置の循環路に導かれ、その循環
路に設けられた濾過槽を通過し、濾過槽によって浄化さ
れた後、浴槽内に戻される。
【0003】この濾過槽は、例えば、浴槽水と共に循環
する髪の毛やゴミなどを捕獲するフィルタや、湯の中に
含まれる人の汗や脂肪、その他アンモニアなどの有機物
を吸着するための活性炭などの濾過材を備えている。
【0004】このように、循環路を循環する浴槽水は、
循環路に設けられた濾過槽を通ることによって浄化され
て再度浴槽に戻されるので、浴槽内での雑菌の繁殖及び
雑菌の繁殖による浴槽への水垢の付着などが防止され、
浴槽内を衛生的に維持することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、濾過槽には、そ
れによって捕獲、吸着されたゴミ、有機物が付着してい
るため、そこに雑菌が繁殖しやすい。雑菌の中には、レ
ジオネラ属菌のような人体に悪影響のある悪性菌が存在
するので、濾過槽を定期的に殺菌処理し、衛生的に維持
する必要がある。そして、濾過槽の殺菌処理には、一般
的に塩素などの薬剤による殺菌処理、又は高温の湯によ
る熱殺菌処理が行われる。
【0006】薬剤による殺菌処理を行うには、塩素など
の薬剤の取り扱いに専門的な知識が必要となる上、薬剤
の費用がかかるので、メンテナンスが面倒である。
【0007】濾過槽の熱殺菌処理は、浴槽水濾過装置の
循環路に設けられたヒーターによって、循環する湯を加
熱し、所定温度以上の高温の湯を濾過槽に通すことによ
って行われ、上記薬剤による殺菌処理と比較してメンテ
ナンスが容易である。このとき、従来において、この熱
殺菌に用いた高温の湯は、熱殺菌が行われた後、排水さ
れていた。
【0008】しかしながら、この高温の湯は、殺菌処理
に用いられた湯であるので、湯内には、雑菌は繁殖して
おらず、本来衛生的な湯である。従って、殺菌に利用し
た湯を排水することは、省エネルギー及び節水の観点か
ら好ましくなく、また、浴槽水濾過装置の目的である省
エネルギー及び節水という趣旨にも反する。
【0009】そこで、本発明の目的は、熱殺菌に利用し
た湯を浴槽の湯に再利用することができる浴槽水濾過装
置を提供することにある。
【0010】更に、本発明の目的は、熱殺菌に利用した
湯を浴槽内に戻すことで、熱殺菌に使用される熱量を利
用して浴槽の湯を昇温または保温を可能にする浴槽水濾
過装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に、本発明は、濾過槽を有する循環路内の湯を熱殺菌に
必要な温度に加熱し、その高温湯に濾過槽を暴露して熱
殺菌を行う。そして、熱殺菌後に、循環路内の高温湯を
浴槽に戻すことで、省エネルギーと節水を可能にする。
その場合に、浴槽に高温湯を戻した時の浴槽の温度が設
定温度またはその近傍を超えない場合に、浴槽に高温湯
を戻す。更に、超える場合は、高温湯を排出する。
【0012】また、本発明は、循環路内の湯の加熱を含
む熱殺菌処理を行う前に、浴槽に高温湯を戻した時の浴
槽の温度が設定温度またはその近傍を超えないか否かの
チェックを行い、超えない場合に、熱殺菌を行いその後
浴槽に高温湯を戻す。超える場合は、適宜熱殺菌の処理
をキャンセルまたは遅らせる。
【0013】更に、本発明は、熱殺菌が必要な時は循環
路内の湯を熱殺菌に必要な温度に加熱して熱殺菌を行
い、その後、浴槽に高温湯を戻した時の浴槽の温度が設
定温度またはその近傍を超える場合に、循環路内の高温
湯を冷やして浴槽に戻す。その冷やす手段は、循環路か
ら放熱路を経由させることで実現される。また、循環路
に給水路を接続することで実現される。
【0014】本発明は、両端が浴槽に接続され浴槽内の
水を循環させる循環路と、前記循環路内に設けられた濾
過手段と、前記循環路内の水を加熱する加熱手段と、前
記循環路内の水を浴槽を経由しないで循環させるバイパ
ス路とを有し、前記バイパス路を経由して循環する循環
路内の湯を、前記加熱手段により熱殺菌に必要な温度に
加熱し、前記濾過手段を該加熱された高温湯に暴露する
ことで熱殺菌を行う浴槽水濾過装置において、前記熱殺
菌後に、前記循環路内の高温湯を前記浴槽に注入した時
の浴槽温度が設定温度またはその近傍を超えない場合
は、当該循環路内の高温湯を前記浴槽に注入することを
特徴とする。
【0015】更に、本発明は、両端が浴槽に接続され浴
槽内の水を循環させる循環路と、前記循環路内に設けら
れた濾過手段と、前記循環路内の水を加熱する加熱手段
と、前記循環路内の水を浴槽を経由しないで循環させる
バイパス路とを有し、前記バイパス路を経由して循環す
る循環路内の湯を、前記加熱手段により熱殺菌に必要な
温度に加熱し、前記濾過手段を該加熱された高温湯に暴
露することで熱殺菌を行う浴槽水濾過装置において、前
記熱殺菌を行う前に、前記循環路内の高温湯を前記浴槽
に注入した時の浴槽温度が設定温度またはその近傍を超
えない場合は、前記熱殺菌を行い、熱殺菌後に当該循環
路内の高温湯を前記浴槽に注入することを特徴とする。
【0016】更に、本発明は、両端が浴槽に接続され浴
槽内の水を循環させる循環路と、前記循環路内に設けら
れた濾過手段と、前記循環路内の水を加熱する加熱手段
と、前記循環路内の水を浴槽を経由しないで循環させる
バイパス路とを有し、前記バイパス路を経由して循環す
る循環路内の湯を、前記加熱手段により熱殺菌に必要な
温度に加熱し、前記濾過手段を該加熱された高温湯に暴
露することで熱殺菌を行う浴槽水濾過装置において、前
記熱殺菌後に、前記循環路内の高温湯を冷やして前記浴
槽に注入することを特徴とする。
【0017】上記発明によれば、熱殺菌の為に加熱した
高温湯を、浴槽温度が過度に高くならないように浴槽に
戻すことができるので、省エネルギー及び節水を可能に
する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的
範囲はその実施の形態に限定されるものではない。
【0019】図1は、本発明の実施の形態例の浴槽水濾
過装置の構成図である。この浴槽水濾過装置は、浴槽水
が循環する循環路20の両端20a及び20bが浴槽水
10に接続され、浴槽水は、循環路20に設けられたポ
ンプ21によって矢印A方向に循環する。さらに、ポン
プ21より下流側の循環路20には、循環方向へ順に、
循環する湯の温度Tjを検出する温度センサ24、循環
する湯の量を検出する水量センサ25、循環する湯を加
熱するヒータ25、及び濾過槽22が設けられている。
【0020】そして、濾過槽22より下流側の循環路2
0には、四方弁Yが設けられ、また、ポンプ21より上
流側の循環路20には、三方弁Sが設けられている。さ
らに、図示されるように、四方弁Yの出入口3と三方弁
Sの出入口3との間にバイパス路30が設けられる。
【0021】浴槽水濾過装置の通常の濾過運転により浴
槽10の湯が濾過されるとき、循環路20に引き込まれ
た浴槽水は、三方弁Sの出入口1から出入口2を通っ
て、矢印A方向に流れる。そして、浴槽水は、濾過槽2
2に入り、そこで浄化される。さらに、濾過槽22によ
って濾過された浴槽水は、四方弁Yの出入口1から出入
口2を通って、浴槽10に戻される。
【0022】このような浴槽水濾過装置において、濾過
槽22の熱殺菌処理が行われるときは、四方弁Yの流路
が出入口1から出入口3の方向に設定され、濾過槽22
から流れ出た浴槽水は、バイパス路60に導かれる。そ
して、三方弁Sの流路が出入口3から出入口2の方向に
設定されることによって、循環路20内の湯が浴槽10
を経由せず、バイパス路60を経由して循環路20を循
環する回路が構成される。
【0023】さらに、熱殺菌処理時においては、ヒータ
23がオンされ、バイパス路30を経由して循環路20
内を流れる湯は、所定温度(例えば65℃)以上まで加
熱され濾過槽22の殺菌用湯とされる。そして、所定時
間(湯温が65℃以上の場合、例えば10分以上)の
間、この殺菌用湯を循環させて、殺菌用湯に濾過槽22
を暴露することによって、濾過槽22の殺菌が行われ
る。例えば、レジオネラ菌等は、60℃の湯に所定の時
間暴露されることで、殺菌されることが知られている。
本実施の形態例では、それより多少高い温度65℃で約
10分間、濾過槽を暴露することにより、濾過槽22の
殺菌を行う。
【0024】ここで、所定時間が経過し、上記濾過槽2
2の殺菌が終了すると、従来においては、四方弁Yの流
路が出入口1から出入口4に設定され、循環路20内の
湯は、排水路31を通って排水されていた。しかしなが
ら、本実施の形態例では、省エネルギー及び節水の観点
から、濾過槽22の殺菌に用いられた殺菌用湯を浴槽1
0に戻すため、熱殺菌終了時において、四方弁Yの流路
は、出入口1から出入口2の方向に設定され、殺菌用湯
は排水されずに浴槽10に戻される。これによって、浴
槽10の湯が減少せず、足し湯をする必要がなくなり、
節水が可能である。そして、浴槽水の設定温度(40度
付近)より高い温度の湯が供給されるため、浴槽水を保
温するのに必要なエネルギーも節約できるので、省エネ
ルギーが達成される。
【0025】内部循環路内の湯を高温にして熱殺菌に利
用する場合、その高温の殺菌用湯を排水していたので
は、浴槽内の湯の量が熱殺菌の度に減少することにな
り、好ましくない。そこで、上記の通り殺菌湯をできる
だけ排水せずに浴槽に戻すことが好ましいが、熱殺菌に
使用した高温の湯を単純に浴槽に戻すと、浴槽の温度が
設定温度を大幅に超えてしまう場合がある。かかる場合
は、殺菌用湯を浴槽に戻すことは好ましくない。
【0026】[第1の実施の形態例]図2は、第1の実
施の形態例のフローチャート図である。図1に示された
センサやアクチュエータは、図示しないマイクロコンピ
ュータからなる制御部により図2のフローチャートに従
って制御される。第1の実施の形態例では、熱殺菌が要
求されたら、ヒータ23により循環路内の湯を65℃以
上の高温にして所定時間22を暴露し、その後、循環路
内の高温湯を浴槽にもどした時の浴槽温度が設定温度ま
たはその近傍(例えば設定温度+2℃)を超えるか否か
の判定を行い、超えない場合は浴槽に循環路内の湯を戻
し、超える場合は排水路31から排水する。
【0027】フローチャートに従って、以下に説明す
る。ステップS10では、通常の濾過運転が行われてい
る。即ち、三方弁Sを1−2の位置に、四方弁Yを1−
2に位置に設定し、ヒータ23をオフにし、ポンプ21
が駆動し、浴槽水が濾過槽22で浄化される。
【0028】ステップS11〜S13は、浴槽水の保温
工程である。浴槽温度TB が設定温度Tsより低くなる
と、ヒータ23がオンされ、浴槽温度TB が設定温度T
sに達するまで加熱される。その時、ヒータ23から投
入される熱量Qと、加熱前後の浴槽の温度差ΔTから、
浴槽10内の水量WB が演算により求められる(S1
3)。即ち、WB =Q/ΔTである。但し、水量W
B は、浴槽10内の水量に循環路20内の水量を加えた
ものである。更に、この時点で、浴槽の水量WB が求め
られたのに伴い、熱殺菌後に循環路内の65℃の殺菌用
湯を浴槽に戻した場合の、浴槽温度Txも併せて演算す
る。循環路内の水量が予め判明しているので、熱量演算
により殺菌用湯返還後の浴槽温度Txは、簡単に求めら
れる。
【0029】そこで、図示しないリモコンから、若しく
はマイクロコンピュータ内のタイマー満了に伴い熱殺菌
信号が発せられる(S14)。その時点で、ヒータがオ
フの場合は、再度ヒータ23をオンして、浴槽水量WB
及び殺菌用湯返還後の浴槽温度Txとが再度求められる
(S16,S17)。ヒータがオンの場合は、保温中で
浴槽水量WB 及び殺菌用湯返還後の浴槽温度Txの演算
結果は信頼できるとして、熱殺菌工程にすすむ。
【0030】熱殺菌の為に、三方弁Sを3−2の方向に
設定し、四方弁Yを1−3の方向に設定し、バイパス路
30側に切り替えると共にポンプ21を駆動する(S1
8)。そして、閉じられた循環路内の湯の温度Tjが、
熱殺菌に必要な温度65℃になるまで待機する(S1
9)。そして、循環路20内の温度が65℃に達する
と、熱殺菌タイマTnがスタートし(S20)、濾過槽
22を殺菌する為に必要な暴露時間、例えば10分間経
過するまで、濾過槽22を高温湯に暴露する(S2
1)。その後、ヒータ22をオフにする(S22)。以
上で、熱殺菌工程は終了する。
【0031】そこで、循環路内の殺菌用の高温湯をその
まま浴槽10内に戻すか、或いは排水路31から排水す
るかを判断する。即ち、既に求めた殺菌用湯返還後の浴
槽温度Txが、設定温度Tsまたはその近傍(Ts+2
℃)以下になるか否かである(S23)。浴槽温度Tx
が設定温度近傍以下になる場合は、三方弁Sを1−2
に、四方弁Yを1−2に切り替えて、循環路内の高温湯
を浴槽10に戻す(S26)。また、浴槽温度Txが設
定温度近傍を超える場合は、三方弁Sを1−2に、四方
弁Yを1−4に設定し、循環路20内の高温湯を排水路
31から排水する(S24)。その場合、水量センサ2
5により循環路20内の水量、例えば10リットル、が
排水されたか否かを監視し(S25)、排水されたら、
通常の循環路に弁切替を行う(S26)。
【0032】図3は、65℃で10リットルの循環路内
の殺菌用湯を浴槽に戻した時の浴槽内の温度を示すグラ
フ図である。横軸が戻す前の浴槽温度、縦軸が戻した後
の浴槽温度である。また、浴槽水量160リットル〜2
00リットルの場合それぞれのグラフを示す。例えば、
浴槽温度が40℃で設定温度が42℃の場合は、図3か
ら明らかな通り、殺菌用湯を浴槽に戻しても設定温度4
2℃を超えることはない。また、浴槽温度が42℃の場
合は、設定温度42℃+2℃(=44℃)を超えること
はない。従って、設定温度42℃+2℃(=44℃)程
度を目安にすることで、ほとんどの場合は殺菌用湯を浴
槽に戻すことができる。但し、浴槽温度が設定温度より
高めにある場合は、殺菌用湯が浴槽に戻されることが禁
止される。従って、浴槽温度が過剰に高くなることは避
けられる。
【0033】以上の通り、第1の実施の形態例では、熱
殺菌信号を受けたら循環路をバイパス路に接続して高温
湯に濾過槽を暴露し熱殺菌を行う。そして、熱殺菌後
に、循環路内の熱殺菌用湯を浴槽に戻しても、浴槽温度
が設定温度近傍を超えない場合には、浴槽に戻し、超え
る場合は排水する。従って、熱殺菌に利用した熱量を有
効に浴槽内の湯の保温に利用することができ、しかも、
浴槽への殺菌用湯を戻すことにより浴槽内が設定温度近
傍を超えることはない。
【0034】[第2の実施の形態例]第1の実施の形態
例では、熱殺菌信号を受けると無条件で循環路内の温度
を65℃まで上昇させて熱殺菌を行う。そして、熱殺菌
後に、循環路内の殺菌用湯を浴槽に戻すか否かをチェッ
クし、戻せる場合に浴槽に戻し、戻せない場合は排水す
る。従って、浴槽温度がやや高めの場合は、熱殺菌に使
用された高温湯は排水される。
【0035】それに対して、第2の実施の形態例では、
熱殺菌に使用された高温湯を無駄に排水する事態を避け
る為に、熱殺菌の為にヒータ23をオンする前に、熱殺
菌後に高温湯を浴槽に戻すことが可能か否かの判断を行
い、可能の場合に熱殺菌工程にすすむ。不可能な場合
は、熱殺菌工程自体を行わない。
【0036】図4は、第2の実施の形態例のフローチャ
ート図である。図2に示した第1の実施の形態例のフロ
ーチャートと同じ工程には同じ工程番号を付した。従っ
て、図4では、ステップS30及びS31の部分が新た
に付け加えられ、図2の排水工程は削除されている。
【0037】ステップS10の通常の濾過運転、ステッ
プS11〜S13の保温工程は、第1の実施の形態例と
同じである。ステップS13では、熱殺菌に使用された
高温湯を浴槽に返還した後の浴槽温度Txが演算により
求められる。そこで、熱殺菌を要求する信号が出される
と(S14)、演算により求めた殺菌用湯返還後の浴槽
温度Txが設定温度近傍(Ts+2℃)以下か否かがチ
ェックされる(S30)。浴槽温度Txが設定温度近傍
を超える場合は、熱殺菌の為に循環路内を昇温すると、
排水することになるので、熱殺菌自体をクリアし(S3
1)、次の熱殺菌指令が出されるのを待つ。浴槽温度T
xが設定温度近傍を超えない場合は、熱殺菌しても高温
湯を排水する必要がなく浴槽に戻すことができるので、
熱殺菌工程に入る。
【0038】ステップS18〜S22が熱殺菌工程であ
る。バイパス路側に切替え、ヒータ23、ポンプ21を
オンし、循環路内が65℃になってから熱殺菌時間、1
0分間、濾過槽22を暴露する。そして、この実施の形
態例では、熱殺菌工程が終了すると、そのまま循環路に
切替え(S26)、殺菌用湯を浴槽に戻す。
【0039】尚、熱殺菌信号が、例えばリモコンからの
指示の場合は、第1の実施の形態例の如くとりあえず熱
殺菌工程を行い、その後に浴槽に戻すことが可能か否か
で、浴槽に戻すか排水するかを行うことも可能である。
例えば、所定時間間隔で自動的に熱殺菌するための熱殺
菌信号の場合は、第2の実施の形態例の如く浴槽に戻す
ことができない場合に、熱殺菌をキャンセルすることが
好ましい。
【0040】[第3の実施の形態例]第3の実施の形態
例では、第2の実施の形態例と同様に、熱殺菌を要求す
る信号を受けると、熱殺菌後に高温湯を浴槽に戻すこと
が可能か否かがチェックされる。そして、不可能な場合
は、一旦待機状態にし、浴槽温度が低下して殺菌用湯を
浴槽に戻すことができるようになってから熱殺菌工程を
開始する。
【0041】図5は、第3の実施の形態例のフローチャ
ート図である。図4に示した第2の実施の形態例のフロ
ーチャートと同じ工程には同じ工程番号を付した。図5
の例では、ステップS34、S35、S36が、図4の
場合と異なる。
【0042】ステップS10の通常の濾過運転、ステッ
プS11〜S13の保温工程は、第1の実施の形態例と
同じである。ステップS13では、熱殺菌に使用された
高温湯を浴槽に返還した後の浴槽温度Txが演算により
求められる。そこで、熱殺菌を要求する信号が出される
と(S14)、演算により求めた殺菌用湯返還後の浴槽
温度Txが設定温度近傍(Ts+2℃)以下か否かがチ
ェックされる(S30)。浴槽温度Txが設定温度近傍
を超える場合は、熱殺菌の為に循環路内を昇温すると、
排水することになるので、熱殺菌の待機状態にする(S
35)。即ち、待機フラグをオンにする。そして、浴槽
温度Txが設定温度近傍を超えなくなる状態まで待機す
る。即ち、待機中は、必ずステップS30のチェックが
行われる。浴槽温度Txが設定温度近傍を超えない場合
は、熱殺菌しても高温湯を排水する必要がなく浴槽に戻
すことができるので、熱殺菌工程に入る。
【0043】第2の実施の形態例と同様に、ステップS
18〜S22が熱殺菌工程である。バイパス路側に切替
え、ヒータ23をオンし、循環路内が65℃になってか
ら熱殺菌時間、10分間、濾過槽22を暴露する。そし
て、この実施の形態例では、熱殺菌工程が終了すると、
そのまま循環路に切替え(S26)、殺菌用湯を浴槽に
戻す。
【0044】[第4の実施の形態例]図6は、第4の実
施の形態例の構造図である。この例は、濾過槽22の下
流側の四方弁Yと浴槽10との間に、三方弁V、放熱手
段26、三方弁Wを設けている。それ以外の部分は、図
1と同じである。第4の実施の形態例では、熱殺菌要求
が出された時は、必ず熱殺菌工程を行い、循環路内の高
温湯を浴槽に戻す時に、戻した後の浴槽温度Txが設定
温度近傍より高くなる場合は、放熱手段26を通過させ
て高温湯を浴槽に戻す。その結果、浴槽が設定温度近傍
より超えることは避けられ、更に排水されることも避け
られる。そして、熱殺菌要求に必ず応ずることができ
る。尚、放熱手段26は、例えば配管にフィンを設けそ
のフィンをファンで冷やすタイプが図示されているが、
それに限られない。
【0045】図7は、第4の実施の形態例のフローチャ
ート図である。図2に示した第1の実施の形態例のフロ
ーチャートと同じ工程には同じ工程番号を付した。両図
で異なる部分は、図7のステップS37,S38及びS
39である。
【0046】ステップS10の通常の濾過運転、ステッ
プS11〜S13の保温工程、ステップS14〜S22
の熱殺菌工程は、第1の実施の形態例と同じである。そ
して、熱殺菌は熱殺菌要求信号が出されると、必ず実行
される。熱殺菌工程が終了すると、循環路20内の高温
湯を浴槽に戻した時の浴槽温度Txが、設定温度近傍以
下になるか否かのチェックが行われる(S23)。そこ
で、浴槽温度Txが設定温度近傍を超ない場合は、循環
路側に弁切替を行い(S39)、殺菌用湯が浴槽に戻さ
れる。
【0047】一方、浴槽温度Txが設定温度近傍を超え
る場合は、放熱路27側に弁切替を行う。即ち、三方弁
Sは1−2の方向に、四方弁Yは1−2の方向に、三方
弁Vは1−3の方向に、三方弁Wは3−2の方向にそれ
ぞれ切り替えられる。その結果、循環路20内の高温湯
は、放熱手段26を経由して浴槽10に戻される。放熱
手段26により高温湯は冷やされるので、浴槽10の温
度が設定温度近傍を超えることは避けられる。水流セン
サ25により、循環路20内の高温湯が全て浴槽に戻さ
れたことが確認されたら(S38)、ステップS39で
通常の循環路に切り替えられる。
【0048】[第5の実施の形態例]第5の実施の形態
例は、第4の実施の形態例の放熱手段に代えて、給水手
段を設ける。即ち、熱殺菌工程が終了した後に、殺菌用
湯を戻した時の浴槽温度Txが、設定温度近傍を超える
場合は、放熱手段に代えて、給水手段から殺菌用湯に冷
水を混合させて浴槽温度が設定温度近傍を超えないよう
にする。
【0049】図8は、第5の実施の形態例の構造図であ
る。この例では、循環路20と浴槽10との接続部20
bの部分に、給水管36を合流させる。そして、給水管
36には、バルブX、入水温度を検出するサーミスタ3
3、水量調節弁34、及び逆止弁35が設けられる。浴
槽の温度TB に応じた量の冷水が、熱殺菌後の循環路2
0内の高温湯に混合されて、浴槽10内に戻される。冷
水の量は水量調節弁4により制御可能であり、浴槽温度
B が高い時はより多くの量に、比較的低い場合はより
少ない量に制御される。この水量は、熱量演算により求
められる。
【0050】図9は、第5の実施の形態例のフローチャ
ート図である。このフローチャートは、図2の第1の実
施の形態例のフローチャートと、ステップS40〜S4
3の部分で異なり、他の部分は同じである。即ち、ステ
ップS14〜S22の熱殺菌工程が終了して、浴槽に戻
した時の浴槽温度Txが設定温度近傍以下になるか否か
のチェックが行われる。設定温度近傍以下の場合は、ス
テップS26で循環路側に弁が切り替えられ、循環路2
0内の高温湯が浴槽に戻される。
【0051】一方、設定温度近傍を超える場合は、熱量
演算により合流させる流量が演算され、その流量になる
ように水量調節弁34の開度が調節される(S40)。
そして、循環路への弁切替が行われると共に、バルブX
がオンされる(S41)。その結果、循環路内の高温湯
と給水管からの冷水とが混合され、浴槽10に戻され
る。冷水の混合により高温湯は冷やされるので、浴槽温
度が設定温度近傍を超えることはない。水流センサ25
により流量が監視され、循環路20内の水量が浴槽10
に戻されると(S42)、バルブXがオフにされ、通常
の循環路となる。
【0052】第5の実施の形態例では、熱殺菌要求が出
されると必ず熱殺菌を行う。そして、その熱殺菌に利用
された高温湯は必ず浴槽に戻される。従って、エネルギ
ーを無駄にせず、節水も可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、浴
槽内の湯を濾過槽を介して循環する浴槽水濾過装置にお
いて、循環路内のヒータを利用して濾過槽の熱殺菌を行
うことができ、更に、その熱殺菌に利用した高温湯を、
浴槽内の温度が設定温度近傍を超えない様に戻すことが
できる。従って、省エネルギーであり、節水型の浴槽水
濾過装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の浴槽水濾過装置の構成
図である。
【図2】第1の実施の形態例のフローチャート図であ
る。
【図3】循環路内の殺菌用湯を浴槽に戻した時の浴槽内
の温度を示すグラフ図である。
【図4】第2の実施の形態例のフローチャート図であ
る。
【図5】第3の実施の形態例のフローチャート図であ
る。
【図6】第4の実施の形態例の構造図である。
【図7】第4の実施の形態例のフローチャート図であ
る。
【図8】第5の実施の形態例の構造図である。
【図9】第5の実施の形態例のフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
10 浴槽 20 循環路 22 濾過槽 23 加熱手段、ヒータ 27 放熱路 30 バイパス路 36 給水路
フロントページの続き (72)発明者 北山 勝也 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端が浴槽に接続され浴槽内の水を循環さ
    せる循環路と、前記循環路内に設けられた濾過手段と、
    前記循環路内の水を加熱する加熱手段と、前記循環路内
    の水を浴槽を経由しないで循環させるバイパス路とを有
    し、前記バイパス路を経由して循環する循環路内の湯
    を、前記加熱手段により熱殺菌に必要な温度に加熱し、
    前記濾過手段を該加熱された高温湯に暴露することで熱
    殺菌を行う浴槽水濾過装置において、 前記熱殺菌後に、前記循環路内の高温湯を前記浴槽に注
    入した時の浴槽温度が設定温度またはその近傍を超えな
    い場合は、当該循環路内の高温湯を前記浴槽に注入する
    ことを特徴とする浴槽水濾過装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記熱殺菌後に、前記循環路内の高温湯を前記浴槽に注
    入した時の浴槽温度が設定温度またはその近傍を超える
    場合は、当該循環路内の高温湯を排出することを特徴と
    する浴槽水濾過装置。
  3. 【請求項3】両端が浴槽に接続され浴槽内の水を循環さ
    せる循環路と、前記循環路内に設けられた濾過手段と、
    前記循環路内の水を加熱する加熱手段と、前記循環路内
    の水を浴槽を経由しないで循環させるバイパス路とを有
    し、前記バイパス路を経由して循環する循環路内の湯
    を、前記加熱手段により熱殺菌に必要な温度に加熱し、
    前記濾過手段を該加熱された高温湯に暴露することで熱
    殺菌を行う浴槽水濾過装置において、 前記熱殺菌を行う前に、前記循環路内の高温湯を前記浴
    槽に注入した時の浴槽温度が設定温度またはその近傍を
    超えない場合は、前記熱殺菌を行い、熱殺菌後に当該循
    環路内の高温湯を前記浴槽に注入することを特徴とする
    浴槽水濾過装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記熱殺菌を行う前に、前記循環路内の高温湯を前記浴
    槽に注入した時の浴槽温度が設定温度またはその近傍を
    超える場合は、前記熱殺菌を行わないことを特徴とする
    浴槽水濾過装置。
  5. 【請求項5】請求項3において、 前記熱殺菌を行う前に、前記循環路内の高温湯を前記浴
    槽に注入した時の浴槽温度が設定温度またはその近傍を
    超える場合は、一旦熱殺菌処理を行わないで待機し、そ
    の後熱殺菌処理行うことを特徴とする浴槽水濾過装置。
  6. 【請求項6】両端が浴槽に接続され浴槽内の水を循環さ
    せる循環路と、前記循環路内に設けられた濾過手段と、
    前記循環路内の水を加熱する加熱手段と、前記循環路内
    の水を浴槽を経由しないで循環させるバイパス路とを有
    し、前記バイパス路を経由して循環する循環路内の湯
    を、前記加熱手段により熱殺菌に必要な温度に加熱し、
    前記濾過手段を該加熱された高温湯に暴露することで熱
    殺菌を行う浴槽水濾過装置において、 前記熱殺菌後に、前記循環路内の高温湯を冷やして前記
    浴槽に注入することを特徴とする浴槽水濾過装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、 更に、前記循環路と前記浴槽との間に放熱手段を有する
    放熱路を有し、前記熱殺菌後に、前記循環路内の高温湯
    を前記放熱路を経由して前記浴槽に注入することを特徴
    とする浴槽水濾過装置。
  8. 【請求項8】請求項6において、 更に、前記循環路に接続された給水路を有し、前記熱殺
    菌後に、前記循環路内の高温湯に給水路からの水を混合
    して前記浴槽に注入することを特徴とする浴槽水濾過装
    置。
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