JP3087226B2 - 耐熱性アクリロニトリル系複合体 - Google Patents
耐熱性アクリロニトリル系複合体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、寸法安定性に
優れたアクリロニトリル系重合体と金属酸化物との複合
体に関する。
優れたアクリロニトリル系重合体と金属酸化物との複合
体に関する。
【0002】
【従来の技術】耐侯性、染色性等に優れたアクリロニト
リル共重合体は、繊維、フィルム等に多用されている
が、産業資材などの用途に使用するものについては、特
に耐熱性、高温寸法安定性が強く要望されている。この
要望を満たすため、一般にSiO2微粒子を分散させた
もの、或は無機フィラーを分散させたものが知られてい
る。また金属アルコキシドを用いた複合体として、金属
アルコキシドと末端シラノール基含有ポリシロキサンと
の複合体よりなる透明耐熱組成物(特開平2−1022
29号)等が知られている。
リル共重合体は、繊維、フィルム等に多用されている
が、産業資材などの用途に使用するものについては、特
に耐熱性、高温寸法安定性が強く要望されている。この
要望を満たすため、一般にSiO2微粒子を分散させた
もの、或は無機フィラーを分散させたものが知られてい
る。また金属アルコキシドを用いた複合体として、金属
アルコキシドと末端シラノール基含有ポリシロキサンと
の複合体よりなる透明耐熱組成物(特開平2−1022
29号)等が知られている。
【0003】しかしながら、アクロニトリル系重合体へ
無機フィラーを添加しても、これによって耐熱性が向上
する例はあまり見られない。またSiO2、TiO2等
を添加する場合は、多量に添加、分散させることが困難
である。またこの場合はあくまで分散の状態であり、添
加によって重合体の強度等の物性の低下を引き起こす。
無機フィラーを添加しても、これによって耐熱性が向上
する例はあまり見られない。またSiO2、TiO2等
を添加する場合は、多量に添加、分散させることが困難
である。またこの場合はあくまで分散の状態であり、添
加によって重合体の強度等の物性の低下を引き起こす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、SiO
2、TiO2等、或は無機フィラーを添加してアクロニ
トリル系重合体の耐熱性を高める従来法の欠点を解消
し、重合体の強度等の物性の低下を惹起することなく耐
熱性を向上させたアクリロニトリル系重合体と金属酸化
物との複合体を提供することを目的とする。
2、TiO2等、或は無機フィラーを添加してアクロニ
トリル系重合体の耐熱性を高める従来法の欠点を解消
し、重合体の強度等の物性の低下を惹起することなく耐
熱性を向上させたアクリロニトリル系重合体と金属酸化
物との複合体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アク
リロニトリルを70重量%以上含有するアクリロニトリ
ル系重合体と該重合体の1〜70重量%の金属アルコキ
シドからの金属酸化物との複合体で構成され、動的粘弾
性測定におけるtanδピーク温度の弾性率の25℃の
弾性率に対する低下率が50%以下であることを特徴と
する耐熱性アクリロニトリル系複合体である。
リロニトリルを70重量%以上含有するアクリロニトリ
ル系重合体と該重合体の1〜70重量%の金属アルコキ
シドからの金属酸化物との複合体で構成され、動的粘弾
性測定におけるtanδピーク温度の弾性率の25℃の
弾性率に対する低下率が50%以下であることを特徴と
する耐熱性アクリロニトリル系複合体である。
【0006】また本発明は、熱分解開始温度が、複合体
を形成していないアクリロニトリル系重合体の熱分解開
始温度より10℃以上高いアクリロニトリル系重合体の
複合体である。
を形成していないアクリロニトリル系重合体の熱分解開
始温度より10℃以上高いアクリロニトリル系重合体の
複合体である。
【0007】本発明におけるアクリロニトリル系重合体
の複合体の形成に用いる金属アルコキシドは、公知の合
成法、例えば塩化水銀を触媒として金属とアルコールを
直接反応させる方法、金属の塩化物とアルコールを反応
させる方法、あるいは直接的な合成が困難な場合にはア
ルコールの交換による合成方法などの種々の方法で製造
できる。また金属としては、これらの方法でアルコキシ
ドを合成できる金属であればいずれの金属でも用いるこ
とができるが、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニ
ウム及びそれらの混合物が好適である。
の複合体の形成に用いる金属アルコキシドは、公知の合
成法、例えば塩化水銀を触媒として金属とアルコールを
直接反応させる方法、金属の塩化物とアルコールを反応
させる方法、あるいは直接的な合成が困難な場合にはア
ルコールの交換による合成方法などの種々の方法で製造
できる。また金属としては、これらの方法でアルコキシ
ドを合成できる金属であればいずれの金属でも用いるこ
とができるが、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニ
ウム及びそれらの混合物が好適である。
【0008】また、本発明におけるのアクリロニトリル
系重合体の複合体の形成に用いるアクリロニトリル系重
合体は、アクリロニトリルの含量が70重量%以上であ
ることが必要で、70重量%より少ない場合、アクリロ
ニトリル系重合体の特性が失なわれ、所望の複合体が得
られない。アクリロニトリルと共重合できる成分として
は、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート等
のメタクリル酸エステル類:メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリ
レート、フルオロアルキルアクリレート等のアクリル酸
エステル類:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロゲン化ビニル類:メタクリル酸、アクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸等の酸類及
びそれらの塩類:マレイン酸イミド、フェニルマレイミ
ド、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、α
−メチルスチレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、またこ
れらの混合物でもよい。
系重合体の複合体の形成に用いるアクリロニトリル系重
合体は、アクリロニトリルの含量が70重量%以上であ
ることが必要で、70重量%より少ない場合、アクリロ
ニトリル系重合体の特性が失なわれ、所望の複合体が得
られない。アクリロニトリルと共重合できる成分として
は、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート等
のメタクリル酸エステル類:メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリ
レート、フルオロアルキルアクリレート等のアクリル酸
エステル類:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロゲン化ビニル類:メタクリル酸、アクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸等の酸類及
びそれらの塩類:マレイン酸イミド、フェニルマレイミ
ド、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、α
−メチルスチレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、またこ
れらの混合物でもよい。
【0009】本発明におけるアクリロニトリル系重合体
と金属アルコキシドからの金属酸化物との複合体を形成
させるには、アクリロニトリル系重合体を溶媒に均質に
溶解して溶液状態となし、これに金属アルコキシドを混
合し、次いで金属アルコキシドを加水分解し重縮合反応
させてアクリロニトリル系重合体と金属酸化物との複合
体となす手段を採用するのが好ましい。これらアクリロ
ニトリル系重合体と金属アルコキシドとの混合比率は、
加水分解後の金属酸化物としてアクリロニトリル系重合
体に対し、1重量%以上好ましくは10重量%以上、7
0重量%以下含有させるに必要な比率である。加水分解
後の金属酸化物の含有量が1重量%より少ない場合は、
耐熱性効果が現れず、70重量%を超える場合は、アク
リロニトリル系複合体の物性が低下し、例えば可撓性等
が失われる。
と金属アルコキシドからの金属酸化物との複合体を形成
させるには、アクリロニトリル系重合体を溶媒に均質に
溶解して溶液状態となし、これに金属アルコキシドを混
合し、次いで金属アルコキシドを加水分解し重縮合反応
させてアクリロニトリル系重合体と金属酸化物との複合
体となす手段を採用するのが好ましい。これらアクリロ
ニトリル系重合体と金属アルコキシドとの混合比率は、
加水分解後の金属酸化物としてアクリロニトリル系重合
体に対し、1重量%以上好ましくは10重量%以上、7
0重量%以下含有させるに必要な比率である。加水分解
後の金属酸化物の含有量が1重量%より少ない場合は、
耐熱性効果が現れず、70重量%を超える場合は、アク
リロニトリル系複合体の物性が低下し、例えば可撓性等
が失われる。
【0010】上記複合体を形成させる際に使用する溶媒
としては、アクリロニトリル系重合体を溶解し、また金
属アルコキシドを溶解する溶媒であれば、何でもよく例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、エチレンカ
ーボネート等が挙げられる。また、この複合体を形成さ
せるに当り、金属アルコキシドの加水分解のための適量
の水、更に触媒としての酸あるいは塩基を用いるのが好
ましい。
としては、アクリロニトリル系重合体を溶解し、また金
属アルコキシドを溶解する溶媒であれば、何でもよく例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、エチレンカ
ーボネート等が挙げられる。また、この複合体を形成さ
せるに当り、金属アルコキシドの加水分解のための適量
の水、更に触媒としての酸あるいは塩基を用いるのが好
ましい。
【0011】本発明のアクリロニトリル系重合体と金属
アルコキシドからの金属酸化物との複合体でフィルム又
は繊維を成形することができる。フィルム又は繊維を成
形するには種々の方法が利用できる。たとえば、アクリ
ロニトリル系重合体溶液に金属アルコキシドを添加し、
金属アルコキシドを反応させた溶液を流延し、溶媒を蒸
発させ、フィルム形成することができる。また適当な粘
度をもたせた上記の反応溶液から、乾式、湿式或は乾湿
式紡糸等により繊維を形成することができる。
アルコキシドからの金属酸化物との複合体でフィルム又
は繊維を成形することができる。フィルム又は繊維を成
形するには種々の方法が利用できる。たとえば、アクリ
ロニトリル系重合体溶液に金属アルコキシドを添加し、
金属アルコキシドを反応させた溶液を流延し、溶媒を蒸
発させ、フィルム形成することができる。また適当な粘
度をもたせた上記の反応溶液から、乾式、湿式或は乾湿
式紡糸等により繊維を形成することができる。
【0012】本発明のアクリロニトリル系重合体と金属
アルコキシドからの金属酸化物との複合体は、金属酸化
物のネットワークが重合体分子鎖と互いにからんだ状態
であり、分子分散された複合体となっている。この複合
体やこの複合体で構成されたフィルム又は繊維は、動的
粘弾性測定におけるTanδピーク温度の弾性率が25
℃の弾性率と比べて弾性率の低下率が70%以下であ
り、高温においても弾性率が確保できるという特性を有
する。
アルコキシドからの金属酸化物との複合体は、金属酸化
物のネットワークが重合体分子鎖と互いにからんだ状態
であり、分子分散された複合体となっている。この複合
体やこの複合体で構成されたフィルム又は繊維は、動的
粘弾性測定におけるTanδピーク温度の弾性率が25
℃の弾性率と比べて弾性率の低下率が70%以下であ
り、高温においても弾性率が確保できるという特性を有
する。
【0013】また、本発明におけるアクリロニトリル系
重合体と金属アルコキシドからの金属酸化物との複合体
は、もとのアクリロニトリル系重合体に比べ、熱分解開
始温度(重量減少開始温度)が10℃以上高いという耐
熱性を有する。
重合体と金属アルコキシドからの金属酸化物との複合体
は、もとのアクリロニトリル系重合体に比べ、熱分解開
始温度(重量減少開始温度)が10℃以上高いという耐
熱性を有する。
【0014】また、本発明の好ましい実施態様を示すと
次ぎのとおりである。 1.金属酸化物成分が、アクリロニトリル系重合体に対
し10重量%以上含有する請求項1又は請求項2記載の
耐熱性アクリロニトリル系複合体。 2.金属アルコキシドの金属が、珪素、アルミニウム、
チタン及びジルコニウムからなる群より選ばれて1種又
は2種以上の金属である請求項1、請求項2又は上記1
記載の耐熱性アクリロニトリル系複合体。
次ぎのとおりである。 1.金属酸化物成分が、アクリロニトリル系重合体に対
し10重量%以上含有する請求項1又は請求項2記載の
耐熱性アクリロニトリル系複合体。 2.金属アルコキシドの金属が、珪素、アルミニウム、
チタン及びジルコニウムからなる群より選ばれて1種又
は2種以上の金属である請求項1、請求項2又は上記1
記載の耐熱性アクリロニトリル系複合体。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。各実施例におけ
る動的粘弾性は、次の条件で測定した。 測定装置 オリエンテック社レオバイブロンDDV−2 測定条件 測定周波数 110Hz 昇温速度 2℃/分 また、各実施例において、フィルム又は繊維の窒素中で
の重量減少開始温度を、TG−DTA(熱重量測定−示
差熱分析)によって、次の条件で測定した。 測定装置 理学電機株式会社製 TG−DTA測定装置 測定条件 サンプル量 10mg 昇温速度 10℃/分 そして、重量減少開始時に観測される発熱ピーク温度
を、熱分解開始温度(TD)とした。
る動的粘弾性は、次の条件で測定した。 測定装置 オリエンテック社レオバイブロンDDV−2 測定条件 測定周波数 110Hz 昇温速度 2℃/分 また、各実施例において、フィルム又は繊維の窒素中で
の重量減少開始温度を、TG−DTA(熱重量測定−示
差熱分析)によって、次の条件で測定した。 測定装置 理学電機株式会社製 TG−DTA測定装置 測定条件 サンプル量 10mg 昇温速度 10℃/分 そして、重量減少開始時に観測される発熱ピーク温度
を、熱分解開始温度(TD)とした。
【0016】実施例1 テトラエトキシシラン[Si(OC2H5)4]4g、
ポリアクリロニトリル(分子量400,000)4g、
ジメチルホルムアミド46g、水0.35g、塩酸(3
5%含有)0.1gを80℃で2時間加熱し、テトラエ
トキシシランを加熱反応させた。この反応後の溶液をガ
ラス板に流延し、80℃で24時間真空乾燥させた。得
られたキャストフィルムは、膜厚30μmであった。ま
た、上記のポリアクリロニトリル(分子量400,00
0)のみからなる膜厚27μmのキャストフィルムを同
様にして溶媒蒸発法で得た。
ポリアクリロニトリル(分子量400,000)4g、
ジメチルホルムアミド46g、水0.35g、塩酸(3
5%含有)0.1gを80℃で2時間加熱し、テトラエ
トキシシランを加熱反応させた。この反応後の溶液をガ
ラス板に流延し、80℃で24時間真空乾燥させた。得
られたキャストフィルムは、膜厚30μmであった。ま
た、上記のポリアクリロニトリル(分子量400,00
0)のみからなる膜厚27μmのキャストフィルムを同
様にして溶媒蒸発法で得た。
【0017】これらのフィルム熱分解開始温度TDは、
次のとおりであった。 ポリアクリロニトリルフィルムTD=275℃ ポリアクリロニトリル複合体フィルムTD=300℃ またポリアクリロニトリル複合体フィルムの各温度にお
ける動的粘弾性E’は次のとおりであった。 25℃のE’=8×1010dyn/cm2 Tanδピーク温度110℃のE’=6.8×1010
dyn/cm2 したがって、弾性率低下率は15%であった。
次のとおりであった。 ポリアクリロニトリルフィルムTD=275℃ ポリアクリロニトリル複合体フィルムTD=300℃ またポリアクリロニトリル複合体フィルムの各温度にお
ける動的粘弾性E’は次のとおりであった。 25℃のE’=8×1010dyn/cm2 Tanδピーク温度110℃のE’=6.8×1010
dyn/cm2 したがって、弾性率低下率は15%であった。
【0018】実施例2 テトラ−n−ブトキシチタン(Ti(OC4H9)4)
5部、アクリロニトリル93重量%とメチルアクリレー
ト7重量%とからなる共重合体(分子量200,00
0)20部、水0.5部、塩酸(35%含有)0.1
部、ジメチルアセトアミド80部を、80℃で2時間反
応させ、この反応後の溶液を湿式紡糸法により繊維化し
て繊維(複合体繊維)を得た。また、上記の共重合体を
ジメチルアセトアミドに溶解し、同様に湿式紡糸により
繊維(未反応繊維)を得た。
5部、アクリロニトリル93重量%とメチルアクリレー
ト7重量%とからなる共重合体(分子量200,00
0)20部、水0.5部、塩酸(35%含有)0.1
部、ジメチルアセトアミド80部を、80℃で2時間反
応させ、この反応後の溶液を湿式紡糸法により繊維化し
て繊維(複合体繊維)を得た。また、上記の共重合体を
ジメチルアセトアミドに溶解し、同様に湿式紡糸により
繊維(未反応繊維)を得た。
【0019】これらの各繊維のTG−DTAを測定し熱
分解開始温度TDを測定した。 未反応繊維TD=270℃ 複合体繊維TD=310℃ また複合体繊維の動的粘弾性を測定した。 25℃のE’=2.0×1010dyn/cm2 Tanδピーク温度107℃のE’=1.7×1010
dyn/cm2 したがって、弾性率低下率は17%であった。
分解開始温度TDを測定した。 未反応繊維TD=270℃ 複合体繊維TD=310℃ また複合体繊維の動的粘弾性を測定した。 25℃のE’=2.0×1010dyn/cm2 Tanδピーク温度107℃のE’=1.7×1010
dyn/cm2 したがって、弾性率低下率は17%であった。
【0020】比較例1 アクリロニトリル95重量%と酢酸ビニル5重量%とか
らなる共重合体(分子量150,000)20部、平均
粒径1.1μmのシリカ(SiO2)微粒子0.4部、
ジメチルアセトアミド80部の混合物を、80℃で2時
間加熱撹拌させ、キャストフィルムを作成した。このキ
ャストフィルムは32μmの膜厚であった。
らなる共重合体(分子量150,000)20部、平均
粒径1.1μmのシリカ(SiO2)微粒子0.4部、
ジメチルアセトアミド80部の混合物を、80℃で2時
間加熱撹拌させ、キャストフィルムを作成した。このキ
ャストフィルムは32μmの膜厚であった。
【0021】この複合フィルムとシリカを入れないキャ
ストフィルム(27μm)のTG−TDAを測定し、熱
分解開始温度TDを測定した。 シリカなしフィルムTD=272℃ シリカ入リフィルムTD=273℃ またシリカ入りフィルムの動的粘弾性を測定した。 25℃のE’=5.3×1010dyn/cm2 Tanδピーク温度106℃のE’=8.0×109d
yn/cm2 したがって、弾性率低下率は85%であった。
ストフィルム(27μm)のTG−TDAを測定し、熱
分解開始温度TDを測定した。 シリカなしフィルムTD=272℃ シリカ入リフィルムTD=273℃ またシリカ入りフィルムの動的粘弾性を測定した。 25℃のE’=5.3×1010dyn/cm2 Tanδピーク温度106℃のE’=8.0×109d
yn/cm2 したがって、弾性率低下率は85%であった。
【0022】比較例2 比較例1でシリカ微粒子を2部にした以外は、同じ仕込
みで混合物を調合し80℃で2時間加熱撹拌させ、キャ
ストフィルムを作成した。このキャストフィルムは、3
5μmの膜厚であったが、均質にシリカが分散されず、
強度の弱い斑の多いフィルムしかできなかった。このフ
ィルムの熱分解開始温度(TD)を測定すると274℃
であった。またフィルムがもろく動的粘弾性は測定でき
なかった。
みで混合物を調合し80℃で2時間加熱撹拌させ、キャ
ストフィルムを作成した。このキャストフィルムは、3
5μmの膜厚であったが、均質にシリカが分散されず、
強度の弱い斑の多いフィルムしかできなかった。このフ
ィルムの熱分解開始温度(TD)を測定すると274℃
であった。またフィルムがもろく動的粘弾性は測定でき
なかった。
【0023】
【発明の効果】 本発明のアクリロニトリル系重合体と金
属アルコキシドからの金属酸化物との複合体で構成さ
れ、動的粘弾性測定におけるtanδピーク温度の弾性
率の25℃の弾性率に対する低下率が70%以下である
耐熱性アクリロニトリル系複合体は、極めて優れた耐熱
性、高温寸法安定性を有し、フィルム又は繊維など産業
資材等の用途に極めて有用である。
属アルコキシドからの金属酸化物との複合体で構成さ
れ、動的粘弾性測定におけるtanδピーク温度の弾性
率の25℃の弾性率に対する低下率が70%以下である
耐熱性アクリロニトリル系複合体は、極めて優れた耐熱
性、高温寸法安定性を有し、フィルム又は繊維など産業
資材等の用途に極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 6/38 D01F 6/38 // C08L 33:18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 CEY C08F 8/42 C08K 5/05 C08L 33/20
Claims (2)
- 【請求項1】アクリロニトリルを70重量%以上含有す
るアクリロニトリル系重合体と該重合体の1〜70重量
%の金属アルコキシドからの金属酸化物との複合体で構
成され、動的粘弾性測定におけるtanδピーク温度の
弾性率の25℃の弾性率に対する低下率が70%以下で
あることを特徴とする耐熱性アクリロニトリル系複合
体。 - 【請求項2】アクリロニトリル系重合体の複合体の熱分
解開始温度が、複合されていないアクリロニトリル系重
合体の熱分解開始温度より10℃以上高い請求項1記載
の耐熱性アクリロニトリル系複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4080791A JP3087226B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 耐熱性アクリロニトリル系複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4080791A JP3087226B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 耐熱性アクリロニトリル系複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04261437A JPH04261437A (ja) | 1992-09-17 |
JP3087226B2 true JP3087226B2 (ja) | 2000-09-11 |
Family
ID=12590914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4080791A Expired - Fee Related JP3087226B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | 耐熱性アクリロニトリル系複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3087226B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7039590B2 (ja) * | 2016-12-05 | 2022-03-22 | メティス・テクノロジーズ・ピーティーワイ・リミテッド | 押出ポリアクリロニトリルコポリマ |
-
1991
- 1991-02-14 JP JP4080791A patent/JP3087226B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04261437A (ja) | 1992-09-17 |
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