JP3087185U - 磁気テープ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャプスタンモータのステータコアと回転シ
リンダのステータコアとを同一のダイスを使って共取り
することによってコストダウンを図る。キャプスタンモ
ータのステータコアを軸受ホルダに同心状に容易にかつ
精度よく取り付ける。 【解決手段】 シリンダモータ３とキャプスタンモータ
３０とを各別に備える。キャプスタンモータのステータ
コア３１を、シリンダモータのステータコア２１を製作
するダイスを用いて共取りする。キャプスタンモータの
ステータコア３１の取付片３２を軸受ホルダ４１の鍔形
取付部４３に設けた凹所４４に嵌合し、かつ、その取付
片３２の内端３３を鍔形取付部４３に設けたリブ４８に
係合させる。取付片３２の内端部を鍔形取付部４３にビ
ス止めする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、磁気テープ装置、特に、磁気ヘッドを内蔵して磁気テープが巻き掛 けられる回転シリンダを駆動するためのシリンダモータと、磁気テープに送り力 を付与するキャプスタンを駆動するためのキャプスタンモータとを各別に備える 磁気テープ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の磁気テープ装置の概略構成を図５に示してある。同図において 、Ｃはテープカセットで、供給リールＣ１と巻取リールＣ２とを備えており、こ れらの供給リールＣ１や巻取リールＣ２は、リール台１ａ，１ｂにセットされる 。２は可動のローディングポストで、テープカセットＣからテープＴを引き出し て磁気ヘッドを内蔵する回転シリンダ３に巻き掛けるために設けられている。４ は全幅消去ヘッド、５は音声消去ヘッド、６は音声コントロールヘッドである。 ７は固定されたテープガイドポスト、８はローディングされたテープＴにテンシ ョンを付与するテンションポスト、９はテープＴの走行力を付与するキャプスタ ン、１０はピンチローラ、１１はアーム、１２はアーム１１の支軸、１３は回転 カムである。そして、仮想線で示した回転シリンダ３は、磁気ヘッド（不図示） を内蔵していて、シリンダモータ２０によって一方向に回転される。また、キャ プスタン９はキャプスタンモータ３０によって一方向に回転される。

【０００３】 このように、シリンダモータ２０とキャプスタンモータ３０とを各別に備えた 従来の磁気テープ装置において、シリンダモータ２０は、ステータコア２１の中 央部に比較的大きな円形開口２２を備えていて、シリンダモータ２０の必要部品 、たとえば回転シリンダ３の回転軸を支えている軸受部材に与圧を与えるための 円板状の与圧付与部材の配備スペースを、その円形開口２２によって確保したり している。なお、２３はシリンダモータ２０のロータを示している。

【０００４】 一方、キャプスタンモータ３０は、図６〜図８に示した形状のステータコア３ １や軸受ホルダ４１などを備えている。軸受ホルダ４１は、図６のように内部に 含油メタルでなる軸受４２を保持する円筒状の樹脂成形体によって形成されてい て、同心状に鍔形取付部４３を具備している。この鍔形取付部４３の周方向等角 度おきの３箇所に、中心に向かう内窄まり形状の凹所４４が形成されている。こ れに対し、ステータコア３１には、中心に向かって内方へ延び出た板片状の３つ の内窄まり形状の取付片３２が周方向等角度おきに備わっている。そして、図６ のようにそれぞれの取付片３２が上記鍔形取付部４３の上記凹所４４に各別に嵌 合されていて、各凹所４４を形作っている両側の壁面４５，４５によってその凹 所４４に嵌合された取付片３２が挾まれることにより、ステータコア３１が軸受 ホルダ４１に対して周方向で位置規制されている。また、それぞれの取付片３２ の円弧状に形成されている内端３３が、上記軸受ホルダ４１の外周面４６に係合 することによって、ステータコア３１が軸受ホルダ４１に対して径方向で位置規 制されている。こうして周方向及び径方向で位置規制されたそれぞれの取付片３ ２と鍔形取付部４３とが、鍔形取付部４３に開設されたビス挿通孔４７に挿通さ れて取付片３２の内端部に具備されたねじ孔３４にねじ込まれた取付ビス３５に よって結合されている。

【０００５】 上記した従来の磁気テープ装置において、円筒状の軸受ホルダ４１は合成樹脂 で成形されるため、その軸受ホルダ４１の厚さを厚くし過ぎると成形による所謂 「ヒケ」が発生しやすくなって寸法精度や外観が低下するおそれがあるため、軸 受ホルダ４１の外周直径を大きくすることには制限がある。また、キャプスタン モータ３０のステータコア３１を軸受ホルダ４１に対し同心状に位置決めして取 り付ける必要があることから、そのステータコア３１の取付片３２の内端３３を 軸受ホルダ４１の外周面４６に係合させることによって径方向での位置規制を行 っていた。

【０００６】 ところで、上記した従来の磁気テープ装置において、キャプスタンモータ３０ のステータコア３１と回転シリンダ３のステータコア２１とには同じ板状の金属 材料が用いられている。そのため、キャプスタンモータ３０のステータコア３１ に具備されている３つの取付片３２の内端３３によって形作られる図９に示した 仮想円ａの直径寸法ｄ１を、図５で説明した回転シリンダ３のステータコア２１ に具備されている円形開口２２の直径寸法Ｄと同一寸法にすることができれば、 キャプスタンモータ３０のステータコア３１側の上記仮想円ａで囲まれる箇所と 回転シリンダ３のステータコア２１側の上記円形開口２２との打抜き加工に共通 のダイスを用いて製作コストを安価に抑えられる。言い換えると、上記仮想円ａ で囲まれる箇所と上記円形開口２２とを同じダイスを用いて打ち抜くという所謂 共取り加工が可能になり、それが製作コストを安く抑えることに役立つ。

【０００７】 一方、特開平１０−３３６９４１号公報（先行例１）には、軸受ホルダに嵌合 したステータコアの円形開口の内周面をその軸受ホルダの外周面に重ね合わせた 構造が記載されている。

【０００８】 また、特開２０００−１６６１６４号公報には、ディスク回転駆動用のモータ において、ステータコアを軸受ホルダに取り付ける構造として、軸受ホルダに固 着したコアホルダとそのコアホルダに重ね合わせたステータコアとをコ字状のス トッパを介して結合する技術が示されている（先行例２）。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の磁気テープ装置では、上記のように軸受ホルダ４１の外 周直径を大きくすることに成形技術面からの制約があり、しかも、ステータコア ３１の取付片３２の内端３３を軸受ホルダ４１の外周面４６に係合させることに よって径方向での位置規制を行うという構成を採用していたために、キャプスタ ンモータ３０のステータコア３１側の上記仮想円ａの直径寸法ｄ１を、回転シリ ンダ３のステータコア２１側の円形開口２２の直径寸法Ｄよりも短くせざるを得 ず、その結果、上記した共取り加工によるコストダウンを図ることができないと いう問題を有していた。

【００１０】 これに対し、先行例１のものでは、ステータコアの円形開口の内周面をその軸 受ホルダの外周面に重ね合わせて両者を同心状に位置規制する構成を採用してい るので、上記した従来の磁気テープ装置の問題点を解決するものではない。

【００１１】 また、先行例２のものでは、ストッパが余分に必要になって部品点数が増え、 そのことがコストダウンを妨げるという問題を持っている。

【００１２】 本考案は以上の問題や状況に鑑みてなされたものであり、キャプスタンモータ のステータコアに具備されている複数の取付片の内端によって形作られる仮想円 の直径寸法を、図５で説明した回転シリンダ３のステータコア２１に具備されて いる円形開口２２の直径寸法Ｄと同一寸法にすることによって上記した共取り加 工によるコストダウンを可能にしたとしても、軸受ホルダの厚さを厚くすること なく、キャプスタンモータのステータコアを軸受ホルダに同心状に容易に取り付 けることのできる磁気テープ装置を提供することを目的とする。

【００１３】 また、本考案は、上記した先行例２に見られるようなストッパなどの余分な部 品を用いることなく、キャプスタンモータのステータコアを軸受ホルダに取り付 けることができて、その面からもコストダウンを図りやすい磁気テープ装置を提 供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る磁気テープ装置は、磁気ヘッドを内蔵して磁気テープが巻き掛け られる回転シリンダを駆動するためのシリンダモータと、磁気テープに送り力を 付与するキャプスタンを駆動するためのキャプスタンモータとを各別に備えてい る。また、キャプスタンモータは、ステータコアが取り付けられている円筒状の 軸受ホルダと、その軸受ホルダに軸受を介して取り付けられたロータとを有し、 このキャプスタンモータの上記ステータコアが、その中心に向かって内方へ延び 出た板片状の複数の取付片を有し、それらの取付片が、上記軸受ホルダに同心状 に具備された鍔形取付部の周方向複数箇所に設けられている凹所に各別に嵌合さ れている。さらに、それらの各凹所を形作っている両側の壁面によってその凹所 に嵌合された上記取付片が挾まれることにより、キャプスタンモータの上記ステ ータコアが上記軸受ホルダに対して周方向で位置規制されている。

【００１５】 そして、キャプスタンモータの上記ステータコアに具備されている複数の上記 取付片の内端によって形作られる仮想円の直径寸法が、上記軸受ホルダの外周直 径よりも大きくかつ上記シリンダモータのステータコアの中央部に備わっている 円形開口の直径寸法と同一であって、上記鍔形取付部に、上記軸受ホルダの外側 周囲に位置しかつ上記凹所に嵌合された上記取付片の内端に係合することにより 、キャプスタンモータの上記ステータコアを上記軸受ホルダに対して径方向で位 置規制する係合面が設けられている。

【００１６】 この考案によれば、キャプスタンモータのステータコアに具備されている複数 の取付片の内端によって形作られる仮想円の直径寸法が、シリンダモータのステ ータコアの中央部に備わっている円形開口の直径寸法と同一であるため、上記仮 想円で囲まれる箇所と上記円形開口とを同じダイスを用いて打ち抜くという共取 り加工が可能になり、それが製作コストを安く抑えることに役立つ。また、上記 仮想円の直径寸法が軸受ホルダの外周直径よりも大きいので、軸受ホルダを合成 樹脂成形する場合に、その軸受ホルダの厚さを「ヒケ」を生じない厚さに抑えて その寸法精度や外観を良好に保つことが可能である。さらに、鍔形取付部に設け られて軸受ホルダの外側周囲に位置する係合面が、鍔形取付部の凹所に嵌合され た取付片の内端に係合してキャプスタンモータのステータコアを軸受ホルダに対 して径方向で位置規制するようになっているので、このような係合面の作用と、 鍔形取付部の凹所の両側の壁面が取付片を挾むことによる作用とによって、ステ ータコアが軸受ホルダに同心状に配備される。

【００１７】 本考案において、上記係合面は、上記凹所を形作っている上記両側の壁面の相 互間に亘るリブの外側面により形成され、かつ、そのリブは中間部が欠除されて いることが望ましい。これによれば、係合面が変形したりすることなく、ステー タコアを軸受ホルダに対して径方向で確実に位置規制させることが可能である。 その上、リブの中間部が欠除されていることにより、複数の取付片を、それぞれ の取付片に対応する上記リブの外側に嵌め込みやすいという利点がある。

【００１８】 本考案において、上記取付片は、その取付片を備える上記ステータコアの中心 に向かう内窄まり形状に形成され、それらの取付片が、上記軸受ホルダに同心状 に具備された鍔形取付部の裏面側の周方向複数箇所に設けられている中心に向か う内窄まり形状の凹所に各別に嵌合されていることが望ましい。これによれば、 凹所の両側の壁面が、取付片を周方向で位置規制する作用だけでなく、径方向で も位置規制する作用を発揮する。また、取付片をリブの外側に嵌め込みやすい。

【００１９】 本考案では、上記取付片と上記鍔形取付部とが、鍔形取付部に開設されたビス 挿通孔に挿通されて上記取付片の内端部に具備されたねじ孔にねじ込まれたビス によって結合されていることが望ましい。これによれば、複数の取付片の内端に よって形作られる仮想円の直径寸法が、図９で説明した従来の場合よりも長くな っていることとの関係で、ビス止め箇所が軸受ホルダの中心から離れた箇所に位 置するようになってビス止めの安定性が向上する。

【００２０】 本考案に係る磁気テープ装置は、次の構成によってさらに具体化することが可 能である。すなわち、磁気ヘッドを内蔵して磁気テープが巻き掛けられる回転シ リンダを駆動するためのシリンダモータと、磁気テープに送り力を付与するキャ プスタンを駆動するためのキャプスタンモータとを各別に備え、キャプスタンモ ータは、ステータコアが取り付けられている円筒状の軸受ホルダと、その軸受ホ ルダに軸受を介して取り付けられたロータとを有し、このキャプスタンモータの 上記ステータコアが、その中心に向かって内方へ延び出た板片状の複数の内窄ま り形状の取付片を有し、それらの取付片が、上記軸受ホルダに同心状に具備され た鍔形取付部の裏面側の周方向複数箇所に設けられている中心に向かう内窄まり 形状の凹所に各別に嵌合され、それらの各凹所を形作っている両側の壁面によっ てその凹所に嵌合された上記取付片が挾まれることにより、キャプスタンモータ の上記ステータコアが上記軸受ホルダに対して周方向で位置規制されていると共 に、上記取付片と上記鍔形取付部とが、鍔形取付部に開設されたビス挿通孔に挿 通されて上記取付片の内端部に具備されたねじ孔にねじ込まれたビスによって結 合されている磁気テープ装置において、キャプスタンモータの上記ステータコア に具備されている複数の上記取付片の内端によって形作られる仮想円の直径寸法 が、上記軸受ホルダの外周直径よりも大きくかつ上記シリンダモータのステータ コアの中央部に備わっている円形開口の直径寸法と同一であって、上記鍔形取付 部に、上記軸受ホルダの外側周囲に位置しかつ上記凹所に嵌合された上記取付片 の内端に係合することにより、キャプスタンモータの上記ステータコアを上記軸 受ホルダに対して径方向で位置規制する係合面が設けられ、この係合面が、上記 凹所を形作っている上記両側の壁面の相互間に亘るリブの外側面により形成され 、かつ、そのリブは中間部が欠除されている、という構成によってさらに具体化 される。

【００２１】 これによれば、既述した作用のほか、特に、複数の取付片のそれぞれの内端に 対する係合面の係合幅が、それらの取付片を軸受ホルダの外周面に係合させた場 合よりも拡がるので、それだけ径方向での位置規制作用の安定性が向上し、併せ て、ステータコアを軸受ホルダに取り付ける際の作業性も向上する。

【００２２】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る磁気テープ装置に採用されるキャプスタンモータのステー タコアや軸受ホルダなどを示した平面図、図２は図１のＩＩ線に沿う部分の概略 断面図、図３は軸受ホルダの平面図、図４はステータコアの平面図である。

【００２３】 この実施形態の磁気テープ装置は、図５で説明したものと同様に、シリンダモ ータ２０とキャプスタンモータ３０とを各別に備えている。シリンダモータ２０ は、ステータコア２１の中央部に比較的大きな円形開口２２を備えていて、シリ ンダモータ２０の必要部品、たとえば回転シリンダ３の回転軸を支えている軸受 部材に与圧を与えるための円板状の与圧付与部材の配備スペースを、その円形開 口２２によって確保したりしている。

【００２４】 一方、この実施形態の磁気テープ装置に採用されいてるキャプスタンモータ３ ０（図５参照）は、図１〜図３に示した形状のステータコア３１や軸受ホルダ４ １、さらには図示していないロータなどを備えていて、ロータにキャプスタン９ （図５参照）が結合されいてる。軸受ホルダ４１は、図１のように内部に含油メ タルでなる軸受４２を保持する円筒状の樹脂成形体によって形成されていて、同 心状に鍔形取付部４３を具備している。この鍔形取付部４３の周方向等角度おき の３箇所に、中心に向かう内窄まり形状の凹所４４が形成されている。これに対 し、ステータコア３１には、中心に向かって内方へ延び出た板片状の３つの内窄 まり形状の取付片３２が周方向等角度おきに備わっている。そして、図１のよう にそれぞれの取付片３２が上記鍔形取付部４３の上記凹所４４に各別に嵌合され ていて、各凹所４４を形作っている両側の壁面４５，４５によってその凹所４４ に嵌合された取付片３２が挾まれることにより、ステータコア３１が軸受ホルダ ４１に対して周方向で位置規制されている。また、それぞれの取付片３２の円弧 状に形成されている内端３３が、上記壁面４５，４５の相互間に亘るリブ４８の 円弧状の外側面により形成された係合面４９に係合し、これにより、ステータコ ア３１が軸受ホルダ４１に対して径方向で位置規制されている。そして、リブ４ ８は中間部が欠除されている。

【００２５】 こうして周方向及び径方向で位置規制されたそれぞれの取付片３２と鍔形取付 部４３とが、鍔形取付部４３に開設されたビス挿通孔４７に挿通されて取付片３ ２の内端部に具備されたねじ孔３４にねじ込まれた取付ビス３５によって結合さ れている。

【００２６】 上記ステータコア３１において、図６〜図９で説明した従来のステータコア３ １と異なっている点は、３つの取付片３２の内端３３によって形作られる図４に 示した仮想円ａの直径寸法ｄが、図５に示したシリンダモータ３のステータコア ２１の円形開口２２のそれと同一になっていて、かつ、円筒状の軸受ホルダ４１ の外周直径よりも大きくなっている点である。また、上記軸受ホルダ４１におい て、図６〜図９で説明した従来の軸受ホルダ４１と異なっている点は、上記リブ ４８を備え、そのリブ４８の円弧状の外側面によって係合面４９を形成している 点である。ステータコア３１や軸受ホルダ４１について、それ以外の点について は、図６〜図９で説明したものと同様であるので、同一部分又は相応する部分に 同一符号を付してある。

【００２７】 この実施形態では、キャプスタンモータ３０のステータコア３１に具備されて いる３つの取付片３２の内端によって形作られる仮想円ａの直径寸法ｄが、シリ ンダモータ３のステータコア２１に備わっている円形開口２２の直径寸法と同一 であるため、上記仮想円ａで囲まれる箇所と上記円形開口２２とを同じダイスを 用いて打ち抜くという共取り加工を行って製作コストを安く抑えている。また、 合成樹脂成形体でなる円筒状の軸受ホルダ４１の外周直径を、上記仮想円ａの直 径寸法ｄよりも短くすることによって、その軸受ホルダ４１の厚さを「ヒケ」を 生じない厚さに抑えてその寸法精度や外観を良好に保っている。

【００２８】 また、３つの取付片３２のそれぞれの円弧状の内端３３に対する係合面４９の 係合幅が、従来例で説明した図６のように取付片３２を軸受ホルダ４１の外周面 に係合させた場合よりも拡がっているので、それだけ径方向での位置規制作用の 安定性が向上し、併せて、ステータコア３１を軸受ホルダ４１に取り付ける際の 作業性も向上する。また、取付片３２が従来例の場合よりも短くなっていること により、取付ビス３５によるビス止め箇所が従来例の場合よりも鍔形取付部４３ の径方向外側に位置して軸受ホルダ４１の中心から離れた箇所に位置しているた めにビス止めの確実性と安定性が向上している。

【００２９】 さらに、リブ４８の中間部が欠除されていることにより、３つの取付片３２を 、それぞれの取付片３２に対応するリブ４８の外側に嵌め込みやすくなり、凹所 ４４に対する取付片３２の嵌合作業が容易になった。

【００３０】 この実施形態では、ステータコア３１が３つの取付片３２を有する事例を説明 したけれども、取付片３２の数は２つであっても、３つより多くてもよい。また 、取付片３２や凹所４４の形状は必ずしも内窄まり形状でなくてもよい。

【００３１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、キャプスタンモータのステータコアに 具備されている複数の取付片の内端によって形作られる仮想円の直径寸法を、回 転シリンダのステータコアに具備されている円形開口の直径寸法と同一寸法に定 めることによって、それらの各ステータコアの共取り加工を可能にしたので、共 取り加工によるコストダウンが可能になり、それだけ磁気テープ装置を安価に提 供することができるようになる。それにもかかわらず、軸受ホルダの厚さを厚く する必要がなく、また、キャプスタンモータのステータコアを軸受ホルダに同心 状に容易にかつ精度よく取り付けることができるため、キャプスタンによるテー プ送り性能に優れ、画像安定性に優れた磁気テープ装置を安価に提供することが 可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る磁気テープ装置に採用されるキャ
プスタンモータのステータコアなどを示した平面図であ
る。

【図２】図１のＩＩ線に沿う部分の概略断面図である。

【図３】図１に示した軸受ホルダの平面図である。

【図４】図１に示したステータコアの平面図である。

【図５】磁気テープ装置の概略構成図である。

【図６】従来の磁気テープ装置に採用されるキャプスタ
ンモータのステータコアなどを示した平面図である。

【図７】図６のＶＩＩ線に沿う部分の概略断面図であ
る。

【図８】図６に示した軸受ホルダの平面図である。

【図９】図６に示したステータコアの平面図である。

【符号の説明】

３ 回転シリンダ ９ キャプスタン ２０ シリンダモータ ２２ 円形開口 ３０ キャプスタンモータ ３１ キャプスタンモータのステータコア ３２ 取付片 ３３ 取付片の内端 ３４ ねじ孔 ３５ ビス（取付ビス） ４１ 軸受ホルダ ４２ 軸受 ４３ 鍔形取付部 ４４ 凹所 ４５ 凹所を形作っている壁面 ４７ ビス挿通孔 ４８ リブ ４９ 係合面 Ｄ 円形開口の直径寸法 Ｔ 磁気テープ ａ 仮想円 ｄ 仮想円の直径寸法

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドを内蔵して磁気テープが巻き
   掛けられる回転シリンダを駆動するためのシリンダモー
   タと、磁気テープに送り力を付与するキャプスタンを駆
   動するためのキャプスタンモータとを各別に備え、キャ
   プスタンモータは、ステータコアが取り付けられている
   円筒状の軸受ホルダと、その軸受ホルダに軸受を介して
   取り付けられたロータとを有し、このキャプスタンモー
   タの上記ステータコアが、その中心に向かって内方へ延
   び出た板片状の複数の内窄まり形状の取付片を有し、そ
   れらの取付片が、上記軸受ホルダに同心状に具備された
   鍔形取付部の裏面側の周方向複数箇所に設けられている
   中心に向かう内窄まり形状の凹所に各別に嵌合され、そ
   れらの各凹所を形作っている両側の壁面によってその凹
   所に嵌合された上記取付片が挾まれることにより、キャ
   プスタンモータの上記ステータコアが上記軸受ホルダに
   対して周方向で位置規制されていると共に、上記取付片
   と上記鍔形取付部とが、鍔形取付部に開設されたビス挿
   通孔に挿通されて上記取付片の内端部に具備されたねじ
   孔にねじ込まれたビスによって結合されている磁気テー
   プ装置において、 キャプスタンモータの上記ステータコアに具備されてい
   る複数の上記取付片の内端によって形作られる仮想円の
   直径寸法が、上記軸受ホルダの外周直径よりも大きくか
   つ上記シリンダモータのステータコアの中央部に備わっ
   ている円形開口の直径寸法と同一であって、上記鍔形取
   付部に、上記軸受ホルダの外側周囲に位置しかつ上記凹
   所に嵌合された上記取付片の内端に係合することによ
   り、キャプスタンモータの上記ステータコアを上記軸受
   ホルダに対して径方向で位置規制する係合面が設けら
   れ、この係合面が、上記凹所を形作っている上記両側の
   壁面の相互間に亘るリブの外側面により形成され、か
   つ、そのリブは中間部が欠除されていることを特徴とす
   る磁気テープ装置。
2. 【請求項２】 磁気ヘッドを内蔵して磁気テープが巻き
   掛けられる回転シリンダを駆動するためのシリンダモー
   タと、磁気テープに送り力を付与するキャプスタンを駆
   動するためのキャプスタンモータとを各別に備え、キャ
   プスタンモータは、ステータコアが取り付けられている
   円筒状の軸受ホルダと、その軸受ホルダに軸受を介して
   取り付けられたロータとを有し、このキャプスタンモー
   タの上記ステータコアが、その中心に向かって内方へ延
   び出た板片状の複数の取付片を有し、それらの取付片
   が、上記軸受ホルダに同心状に具備された鍔形取付部の
   周方向複数箇所に設けられている凹所に各別に嵌合さ
   れ、それらの各凹所を形作っている両側の壁面によって
   その凹所に嵌合された上記取付片が挾まれることによ
   り、キャプスタンモータの上記ステータコアが上記軸受
   ホルダに対して周方向で位置規制されている磁気テープ
   装置において、 キャプスタンモータの上記ステータコアに具備されてい
   る複数の上記取付片の内端によって形作られる仮想円の
   直径寸法が、上記軸受ホルダの外周直径よりも大きくか
   つ上記シリンダモータのステータコアの中央部に備わっ
   ている円形開口の直径寸法と同一であって、上記鍔形取
   付部に、上記軸受ホルダの外側周囲に位置しかつ上記凹
   所に嵌合された上記取付片の内端に係合することによ
   り、キャプスタンモータの上記ステータコアを上記軸受
   ホルダに対して径方向で位置規制する係合面が設けられ
   ていることを特徴とする磁気テープ装置。
3. 【請求項３】 上記係合面は、上記凹所を形作っている
   上記両側の壁面の相互間に亘るリブの外側面により形成
   され、かつ、そのリブは中間部が欠除されている請求項
   ２に記載した磁気テープ装置。
4. 【請求項４】 上記取付片は、その取付片を備える上記
   ステータコアの中心に向かう内窄まり形状に形成され、
   それらの取付片が、上記軸受ホルダに同心状に具備され
   た鍔形取付部の裏面側の周方向複数箇所に設けられてい
   る中心に向かう内窄まり形状の凹所に各別に嵌合されて
   いる請求項２又は請求項３に記載した磁気テープ装置。
5. 【請求項５】 上記取付片と上記鍔形取付部とが、鍔形
   取付部に開設されたビス挿通孔に挿通されて上記取付片
   の内端部に具備されたねじ孔にねじ込まれたビスによっ
   て結合されている請求項２ないし請求項４のいずれか１
   項に記載した磁気テープ装置。