JP3087066U - レジンコンクリートグレーチング蓋 - Google Patents

レジンコンクリートグレーチング蓋

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JP3087066U JP2001008530U JP2001008530U JP3087066U JP 3087066 U JP3087066 U JP 3087066U JP 2001008530 U JP2001008530 U JP 2001008530U JP 2001008530 U JP2001008530 U JP 2001008530U JP 3087066 U JP3087066 U JP 3087066U
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幸雄 鍋島
隆治 鍋島
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有限会社 チャンティック
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剛性剛体で高い耐荷重を有し、軽量で扱い易い
レジンコンクリートグレーチング蓋を提供。 【解決手段】上面に複数の導水孔16を設けたグレーチ
ング蓋を、小粒径の骨材を不飽和ポリエステル樹脂によ
って結合固化して形成された不飽和ポリエステルレジン
コンクリートの板状成型体14で構成し、側溝ブロック
13の内側に臨む領域に自然流下曲線で構成した横断面
アーチ状凹部17を形成して、導水孔1から流入した水
がアーチ状凹部17表面にスムーズに流下でき、また強
靱な剛性剛体構造に加え、車両などの荷重に対しても高
い耐荷重特性をもつ。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、雨水などの排水施設として舗装道路の側溝に設けられるグレーチン グ蓋に係り、特に小粒径の骨材を不飽和ポリエステル樹脂によって結合固化して 形成された不飽和ポリエステルレジンコンクリート製成型体で構成したレジンコ ンクリートグレーチング蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般道路や高速道路、公園などの舗装道路では、降雨により雨水が路面上に滞留 することを防ぐために、排水施設として側溝が設けられている。
【0003】 従来、例えば図7に示すように、U字状の水路を備えるコンクリート製の側溝 1(以下、U型側溝と称す)が代表的なもの(特開平6−200550号)であ る。このU型側溝1は、上面が開口されて内部を中空状の排水部6とした断面略 U字状の側溝ブロック5と、この側溝ブロック5上部に被せられ、道路に滞留し た雨水などを排水部6に導く導水孔4を有した針金や鉄筋入りのコンクリート製 の蓋板2とで構成され、このU型側溝1を直列につないで舗装路面と歩道との境 界部などに埋設されている。なお、図中、符号3は化粧層を示している。 この種のコンクリート製の蓋板2は重量があり、大雨などの洪水でU型側溝1か ら濁水などが逆流して発生する浮き上がりを防止したり、車両の通過時による跳 ね上げ(離脱)を防止したりする効果がある。
【0004】 ところで、従来、この種のU型側溝1に被せられる蓋板としては、上記コンク リート製蓋板2ばかりでなく、例えば平板鋼材から成る網目状組合せ模様のグレ ーチング蓋がある。このグレーチング蓋では、側溝ブロックから外れることのな いようにU型側溝側に外れ防止用の係止具が装着されるか、或いはグレーチング 蓋側に外れ防止用の係止具が装着されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記グレーチング蓋は、網目状に組合せた平板鋼材から成るので軽量で扱い易 い。しかし、軽量なるが故に濁水の逆流による浮き上がりや、車両通過時の跳ね 上がりや振動などの影響を受け、外れ防止用の係止具が装着されているにも拘わ らず、外的要因や経年時の変化によって緩みや欠損を生じて外れ易く、不安定で 危険であり、その都度、緩みによって金属製の騒音が発生するという問題があっ た。また、グレーチングは水や結氷などによって歩行者や軽車両などのスリップ 事故を招いたり、酸塩害による劣化があり、生活環境において安全を脅かす一因 にもなっている。 一方、コンクリート製の蓋板は脆さがあるものの耐荷重があり、しかも重量があ って濁流や車両などに対して安定性もあり、騒音もない。しかし、50kg程度 の重量があって、側溝蓋を施工するに際しては数人一組で作業することを余儀な くされ、人件費や輸送費などが嵩んで工費が高くつき、工事完了までに長時間を 費やしてしまうという問題があった。 また、溝を掃除する際には、側溝蓋を脱着することが重労働になってしまう。さ らに、コンクリート製の蓋板は、雨水による経時的劣化を避けることができず、 重量車両が通過したり何らかの衝撃を受けることで破壊され易く、側溝蓋として は、通常10年位の周期で交換せざるを得なくなっている。
【0006】 本考案は、斯かる事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、剛性 剛体で高い耐荷重を有し、軽量で扱い易いレジンコンクリートグレーチング蓋を 提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案は、舗装道路に埋設された中空状の側溝ブ ロックの上面開口部に装着され、上面に貫通する複数の導水孔を穿設して成るグ レーチング蓋において、前記グレーチング蓋を、小粒径の骨材を不飽和ポリエス テル樹脂によって結合固化して形成された不飽和ポリエステルレジンコンクリー ト製の平面視矩形状の板状成型体で構成し、前記板状成型体の前記側溝ブロック の内側に臨む底面側を自然流下曲線で構成した横断面アーチ形に形成するように した。
【0008】 請求項2においては、請求項1に係る考案において、前記導水孔を、底面側ほ ど孔径が大きいテーパ孔で構成するようにした。
【0009】 請求項3においては、請求項1または2に係る考案において、側溝ブロックに 着脱自在に取着固定する部位に蓋固定部材用孔を穿設するようにした。
【0010】 請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに係る考案において、前記小粒 径の骨材を無機物で構成し、前記成型体の表面に切削加工を施し、前記骨材が成 型体の表面上に表出するように構成した。 (作用)グレーチング蓋が不飽和ポリエステルレジンコンクリートの板状成型体 からなるので、強靱且つ軽量で扱い易く、耐酸性を有し、塩害を受けることもな く、さらに着色などによる化粧加工を施すことが出来るとともに、成型体表面に 高摩擦面を形成することができる。
【0011】 また、底面が側溝ブロックの幅方向に沿ってアーチ状凹部を形成しているので 、車両などの荷重に対して高い耐荷重構造を得、軽量な上に剛性剛体構造をなす 。
【0012】 また、底面のアーチ状凹部は水が流れ易い自然流下曲線で構成されており、導 水孔を介して底面に導かれた水は、この自然流下曲線からなるアーチ状凹曲面を 伝わって、側溝ブロック内の流路にスムーズに導かれる。
【0013】 また、導水孔は、底面側ほど孔径が大きいテーパ孔で構成されているため、導 水孔内周面とアーチ状凹曲面とは鈍角をなし、導水孔内周面とアーチ状凹曲面が 直角をなす場合に比べて、導水孔側の水は底面(アーチ状凹曲面)側に移動し易 い。即ち、導水孔と底面(アーチ状凹曲面)間のエッジ部に水がたまった状態に なりにくく(水切れがよく)、それだけ水が導水孔から底面(アーチ状凹曲面) 側に流れやすい。
【0014】 また、側溝ブロックに着脱自在に取着固定する部位に蓋固定部材用孔を穿設し ているので、軽量にも拘わらず、濁水などの逆流による浮き上がりや車両などに よる跳ね上がりなどが起きない。
【0015】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0016】 図1〜6は本考案の一実施例に係るレジンコンクリートグレーチング蓋を示し 、図1は側溝10に設置されたレジンコンクリートグレーチング蓋14の断面斜 視図を示している。
【0017】 側溝10は、境界段差壁部11と、境界段差壁部11に沿って舗装道路12を 開削し敷設されたU字状の側溝ブロック13と、その側溝ブロック13上に被冠 されたレジンコンクリートグレーチング蓋(以下、グレーチング蓋という)14 とから構成されている。 グレーチング蓋14は、上面が開口されて内部を中空状の排水部15とした断面 略U字状の側溝ブロック13上に載置されて、境界段差壁部11と舗装道路12 との間に挟装されるように、蓋固定ボルト19によって取着固定されている。 このグレーチング蓋14は、図2に示すように、平面視長方形状をしており、上 面には、長手方向に等間隔を置いて貫通した複数の雨水導水孔16が穿設されて いる。また、底面側には断面アーチ状凹部17(図4,5参照)が形成され、さ らに長手方向の前後両端部(四隅)の取着固定部14a、14bには、蓋14を 側溝ブロック13に固定するための蓋固定ボルト挿通用の孔18が穿設されてい る。 さらにグレーチング蓋14について詳述すると、雨水導水孔16は、側溝ブロッ ク13の敷設方向に対して直交するように、幅方向に直列に2箇所穿設され、さ らに2箇所毎に側溝ブロック13の敷設方向に沿うようにグレーチング蓋14の 長手方向に等間隔を置いて並列に複数箇所穿設されている。 また、アーチ状凹部17は、図4,5,6に示すように、グレーチング蓋14の 底面において、幅方向に沿って断面アーチ状の凹面を形成し、さらにその凹面を グレーチング蓋14の長手方向に連続して形成している。このアーチ状の凹部1 7は、側溝ブロック13との取着固定部14a、14bが側溝ブロック13に架 け渡されて載置され、橋梁工学でいうところのアーチ構造を呈している。 従って、アーチ構造を採り入れたグレーチング蓋14は、その上面に車両などの 荷重が加わった際、その底面に発生する力を、その中央から両端側の側溝ブロッ ク12との取着固定部14a、14bに掛けて描く流下曲線に従って漸次増大し た板厚部14c、14dの舗装道路当接面14eと境界段差壁部当接面14fで 受け持たせ、しかも増大した板厚部14c、14dで圧縮荷重を受け持たせる構 造をなす。
【0018】 また、底面のアーチ状凹部17は、図6に示すように、水が自然に流れる際の 自然流下曲線で構成されており、雨水導水孔16に流入した水は、この自然流下 曲線からなるアーチ状凹部を伝わって、側溝ブロック13内の流路にスムーズに 導かれる。なお、図6におけるX−XおよびY−Yは、グレーチング蓋14の幅 方向及び厚さ方向を示す。
【0019】 また、導水孔16は、グレーチング蓋14の底面側ほど孔径が大きいテーパ形 状に形成されているため、導水孔16の内周面とアーチ状凹部(凹面)17とは 鈍角をなし、導水孔16の内周面とアーチ状凹曲面が直角をなす場合に比べて、 導水孔16側の水は底面(アーチ状凹部17)側に移動し易い。即ち、導水孔1 6と底面(アーチ状凹部17)間のエッジ部に水がたまった状態になりにくく、 それだけ水が導水孔16からアーチ状凹部17内周面側に流れ易い。 また、このグレーチング蓋14はその幅方向に形成された両側面14’が、図4 ,5に示されるように、下方に行くほど幅狭となるテーパー形状をなし、舗装道 路12と境界段差壁部11との間に隙間なく嵌合するようになっている。 また、蓋固定ボルト用孔18は、グレーチング蓋14の長手方向の両端部(四隅 )にあって、図4に示すような透孔18aとそのボルト頭部が係合するザグリ部 18bで構成されている。 また、グレーチング蓋14は、多数の小粒径骨材と結合材である不飽和ポリエス テル樹脂とによって強固に結合し固化形成された成型体をなしている。この成型 体を構成する小粒径骨材は、無機物から成り、その無機物として水成岩、大理石 、御影石などの天然石やインゴットと呼ばれる樹脂骨材、さらに溶融化されたス ラグなどが使われている。これらの無機質骨材の粒径は必要に応じて適宜選択さ れるが、例えば2〜10mmの粒径のものが望ましい。
【0020】 また、これら小粒径の無機質骨材はそれぞれの種類や粒径の異なるものを混合 しても良いし、成型体にさらなる強靱性をもたせるために鉄筋や織物状または不 織布状のガラス繊維を使っても良い。
【0021】 結合材としての不飽和ポリエステル樹脂は、結合固化して不飽和ポリエステル コンクリートをなし、引っ張り強さや圧縮強さが大きく耐クラック性や靱性に富 み、さらに硬化収縮の低減によって優れた表面平滑性が得られ、骨材との結合力 が非常に強いので、グレーチング蓋14を軽量且つ強靱な剛性剛体に仕上げてい る。
【0022】 また、グレーチング蓋14の表面を、ショットブラスト処理或いは研磨処理な どの切削加工処理することにより、水成岩、大理石、御影石などの天然石やイン ゴットと呼ばれる樹脂滑材、さらに溶融化されたスラグなどが表出し、これら天 然石や樹脂骨材や溶融スラグなどによってカラフルな模様を呈し、化粧性や装飾 性を表現できる。
【0023】 さらにグレーチング蓋14の表面を、ショットブラスト処理或いは研磨処理な どの切削加工処理することにより、不飽和ポリエステル樹脂コンクリートを削り 、摩擦係数の高い表面にすることが出来る。
【0024】 また樹脂骨材は、レジンコンクリートグレーチング蓋やガラスそしてペットボ トルなどの廃材をインゴット化しリサイクル側溝蓋として再利用できる。
【0025】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案に係るレジンコンクリートグレーチン グ蓋によれば、小粒径の骨材を不飽和ポリエステル樹脂によって結合固化して形 成された不飽和ポリエステルレジンコンクリートの板状成型体であって、多数の 小粒径骨材が結合材としての不飽和ポリエステル樹脂によって強固に結合して固 化形成された強靱且つ軽量な板状成型体で構成されているので、従来のコンクリ ート製側溝蓋に比べてその重量は3分の1になり、側溝蓋の施工作業における労 働負荷を軽減できるとともに、人件費や輸送費などが節減でき労働環境を改善で きる。さらには酸や塩害に強く、着色などの化粧性を施すことが出来るとともに 、板状成型体表面に高摩擦面を形成し得るので、スリップ事故を防止できる。
【0026】 また、不飽和ポリエステルレジンコンクリートの板状成型体の底面に側溝ブロ ックの幅方向に沿ってアーチ状凹部を形成したので、強靱な剛性剛体構造に加え 、さらに車両などの荷重に対して高い耐荷重構造を得る。
【0027】 また、導水孔から流入した水が自然流下曲線からなるアーチ状凹部表面を伝わ って側溝ブロック内の流路にスムーズに導かれるので、道路に滞留した水の排水 がスムーズである。
【0028】 さらに、側溝ブロックに着脱自在に取着固定する部位に蓋固定部材用孔が穿設 されているので、蓋固定ボルトで側溝蓋を側溝ブロックに取着固定でき、軽量に も拘わらず、濁水の逆流による浮き上がりや車両による跳ね上がりを生じること なく安定し、騒音を発生することなく、盗難を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例に係るレジンコンクリー
トグレーチング蓋の断面斜視図である。
【図2】同グレーチング蓋を示す正面図である。
【図3】同グレーチング蓋を示す背面図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】図2の線V−Vに沿う断面図である。
【図6】同グレーチング蓋の底面を構成する自然流下曲
線を示す図である。
【図7】側溝蓋の従来例を示す斜視図である。
【符号の簡単な説明】
10 側溝 11 境界段差壁部 12 舗装道路 13 U字状の側溝ブロック 14 レジンコンクリートグレーチング蓋 14a、14b 取着固定部 14c、14d 増大した板厚部 14e 舗装道路当接面 14f 境界段差壁部当接面 16 導水孔 17 アーチ状凹部 18 蓋固定ボルト用孔 19 蓋固定ボルト

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】舗装道路に埋設された中空状の側溝ブロッ
    クの上面開口部に装着され、上面に貫通する複数の導水
    孔を穿設して成るグレーチング蓋において、前記グレー
    チング蓋は、小粒径の骨材を不飽和ポリエステル樹脂に
    よって結合固化して形成された不飽和ポリエステルレジ
    ンコンクリート製の平面視矩形状で板状成型体で構成さ
    れ、前記板状成型体の前記側溝ブロックの内側に臨む底
    面側を自然流下曲線で構成した横断面アーチ形に形成し
    たことを特徴とするレジンコンクリートグレーチング
    蓋。
  2. 【請求項2】前記導水孔は、底面側ほど孔径が大きいテ
    ーパ孔で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の
    レジンコンクリートグレーチング蓋。
  3. 【請求項3】前記側溝ブロックに着脱自在に取着固定す
    る部位に蓋固定部材用孔を穿設して成ることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のレジンコンクリートグレー
    チング蓋。
  4. 【請求項4】前記小粒径の骨材は無機物からなり、前記
    成型体の表面に切削加工を施し、前記骨材が成型体の表
    面上に表出することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のレジンコンクリートグレーチング蓋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202185A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Maeta Seihin Hanbai Ltd コンクリート製側溝蓋および側溝の閉蓋構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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