JP3085945U - カセットデッキのカセットドア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カセット収納孔に開閉自在に装着されるカセ
ットドアにおいて、設計の異なる周辺部材を共通して用
いることができるようにすることにある。 【解決手段】 このカセットドア１０は、カセット挿入
孔５に開閉自在に設けられる板状のドア本体１１を有
し、ドア本体１１がカセット挿入孔５に対し閉姿勢をと
るようスプリング３又は４により付勢されるとともに、
大径ねじりバネ３より径の小さい小径ねじりバネ４の内
周側に挿入可能なシャフトリブ１６を有するスプリング
支持部１５を、リブ支持部１７と共にキャビネットリブ
７を狭持するようドア本体１１の中央部近傍に設けると
ともに、ドア本体１１の長手方向に延びるドア本体リブ
１７を、スプリング支持部１５の近傍にスプリング支持
部１５のシャフトリブ１６と同軸位置まで延ばして設け
たことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、カセットデッキのカセットドア、特に、カセットデッキのカセット 挿入孔に開閉自在に装着されるカセットドアに関する。

【０００２】

【従来の技術】

磁気テープが収納されたカセットテープを再生するためのカセットデッキでは 、カセットテープは通常、実開昭６２−９４４９１号公報、実開昭６３−２２８ ９号公報等に示されるように、カセットデッキの側面部分等に設けられたカセッ ト挿入孔を通ってデッキ内部に収納される。

【０００３】 この種のカセットデッキとして、防塵、外観向上等の観点から、カセット収納 孔に開閉自在に装着されたカセットドアと、このカセットドアを付勢するねじり バネとを備えたものが既に提案されている。カセットドアは、一方向に延び手形 成された板状の部材であり、長手方向両端部には、カセット収納孔に回動自在に 支持されるための回動支持軸が形成されている。ねじりバネは通常、片方の回動 支持軸に装着されており、コイル部分の内周側に回動支持軸が挿入され、両端部 がそれぞれカセットドア及びカセット収納孔に係合している。

【０００４】 このカセットデッキでは、カセットドアは、通常の状態ではねじりバネの付勢 力によりカセット収納孔に対して閉姿勢をとり、カセットをデッキ内に収納する 際は、カセットから押圧力を受けてねじりバネの付勢力に抗して回動し開姿勢を とる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

同一機種のカセットデッキを製造する場合であっても、例えば、その組立、販 売が行われる地域ごとの事情を考慮して、基本となる構成部品には同一のものを 用いつつ、付随的な部品についてはその地域ごとに異なるものを用いて製造する のが効率的な場合がある。より具体的には、例えば、カセットドア部分の組立に おいて、地域によって異なる径のねじりバネが用いられる場合がある。

【０００６】 しかしながら、この場合、ねじりバネの種類に応じて逐一ねじりバネが装着さ れる部分（例えば、上記回動支持軸）の構成を変えるとすると、カセットドア全 体をねじりバネに応じて設計変更する必要があり、コスト的に好ましくない。 本考案の目的は、カセット収納孔に開閉自在に装着されるカセットドアにおい て、設計の異なる周辺部材を共通して用いることができるようにすることにある 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係るカセットドアは、カセット挿入孔に開閉自在に設けられる板状 のドア本体を有し、ドア本体がカセット挿入孔に対し閉姿勢をとるようスプリン グにより付勢されるとともに、ドア本体の回動を支持しかつ所定の径の第１スプ リングの内周側に挿入可能なシャフトリブを有する回動支持部がドア本体の長手 方向端部に設けられ、カセット収納孔に設けられたキャビネットリブを支持する リブ支持部がドア本体の長手方向中央部に設けられた、カセットデッキのカセッ トドアにおいて、第１スプリングより径の小さい第２スプリングの内周側に挿入 可能なシャフトリブを有するスプリング支持部を、リブ支持部と共にキャビネッ トリブを狭持するようドア本体の中央部近傍に設けるとともに、ドア本体の長手 方向に延びるドア本体リブを、スプリング支持部の近傍にスプリング支持部のシ ャフトリブと同軸位置まで延ばして設けたことを特徴とする。

【０００８】 このカセットドアでは、スプリング支持部のシャフトリブは、第２スプリング に挿入可能となるよう形成されているため、この第２スプリングより径の大きい 第１スプリングにも挿入可能である。したがって、このカセットドアによれば、 径の異なるスプリングをドア本体の付勢部材として用いる場合でもスプリングご とに設計を変更せずに使用することができる（以下、共通使いともいう。） また、従来のカセットドアでは、スプリングはドア本体の長手方向の一方の端 部にのみ設けられていたため、ドア本体の安定性が劣るものとなっていた。しか し、本考案のカセットドアでは、スプリング支持部は、ドア本体の長手方向中央 部近傍に設けられているため、ドア本体の安定性が比較的向上されている。

【０００９】 さらに、このカセットドアでは、スプリングを支持する部分が２箇所に設けら れているため、例えば生産工程において回動支持部のシャフトリブに折れや曲が りが生じた場合でも、スプリング支持部のシャフトリブが代わりに使えることで 、このような事態にも対処できるようになっている。 また、このカセットドアが装着されるカセットデッキには、ドア本体のカセッ ト収納孔に対する長手方向位置を位置決めするためのキャビネットリブが設けら れているが、従来は、リブ支持部のみによって支持していたところを、ここでは 、スプリング支持部とリブ支持部とで狭持した状態で支持しているため、ドア本 体のカセット収納孔に対する位置決め精度が良くなる。

【００１０】 さらに、このカセットドアでは、長手方向に延びるドア本体リブをドア本体に 設けたことによりドア本体の機械的強度が向上されるとともに、このドア本体リ ブがスプリング支持部の近傍位置にかつシャフトリブと同軸位置まで延びている ことにより、スプリングのシャフトリブからの抜けが防止されている。 請求項２に係るカセットドアは、カセットデッキのカセット挿入孔に開閉自在 に装着されるカセットドアであって、板状のドア本体と、回動支持部と、スプリ ング支持部とを備えている。回動支持部は、ドア本体に設けられ、ドア本体の回 動を支持するとともにドア本体をカセット挿入孔に対し閉姿勢をとるよう付勢す るための所定の径を有する第１スプリングの内周側に挿入可能なシャフト部を有 する。スプリング支持部は、ドア本体に設けられ、第１スプリングより径の小さ い第２スプリングの内周側に挿入可能なシャフト部を有する。

【００１１】 このカセットドアでは、スプリング支持部のシャフト部が、第２スプリングに 挿入可能となるよう形成されているため、この第２スプリングより径の大きい第 １スプリングにも挿入可能である。したがって、このカセットドアによれば、径 の異なるスプリングをドア本体の付勢部材として用いる場合に共通使いすること ができる。

【００１２】 また、このカセットドアでは、スプリングを支持する部分が２箇所に設けられ ているため、例えば生産工程において回動支持部のシャフト部に折れや曲がりが 生じた場合でも、スプリング支持部のシャフト部が代わりに使えることで、この ような事態にも対処できるようになっている。 請求項３に係るカセットドアは、請求項２のカセットドアにおいて、スプリン グ支持部は、ドア本体の長手方向の中央部またはその近傍に設けられている。

【００１３】 従来のカセットドアでは、スプリングはドア本体の長手方向の一方の端部にの み設けられていたため、ドア本体の安定性が劣るものとなっていた。しかし、本 考案のカセットドアでは、スプリング支持部は、ドア本体の長手方向中央部また はその近傍に設けられているため、ドア本体の安定性が比較的向上されている。 請求項４に係るカセットドアは、請求項３のカセットドアにおいて、カセット 収納孔には、ドア本体の長手方向位置を位置決めするための位置決め用リブが設 けられている。ドア本体には、位置決め用リブを支持するためのリブ支持部が設 けられている。スプリング支持部は、リブ支持部との間に位置決め用リブの一端 を狭持するようドア本体に設けられている。

【００１４】 このカセットドアが装着されるカセットデッキには、ドア本体のカセット収納 孔に対する長手方向位置を位置決めするためのキャビネットリブが設けられてい るが、従来は、リブ支持部のみによって支持していたところを、ここでは、スプ リング支持部とリブ支持部とで狭持した状態で支持しているため、ドア本体のカ セット収納孔に対する位置決め精度が良くなる。

【００１５】 請求項５に係るカセットドアは、請求項２から４のいずれかのカセットドアに おいて、ドア本体のスプリング支持部の近傍に長手方向に延びて設けられるとと もにスプリング支持部のシャフト部と同軸位置まで延びるドア本体リブをさらに 備えている。 このカセットドアでは、長手方向に延びるドア本体リブをドア本体に設けたこ とによりドア本体の機械的強度が向上されるとともに、このドア本体リブがスプ リング支持部の近傍位置にかつシャフト部と同軸位置まで延びていることにより 、スプリングのシャフト部からの抜けが防止されている。

【００１６】

【考案の実施の形態】

［カセットドアの周辺構成］ 図１から図３に、本考案の一実施形態が採用されたカセットドア１０を示す。 このカセットドア１０は、ビデオデッキの前面部分（図示せず）に設けられた カセット収納孔（図示せず）に開閉自在に装着されている。磁気テープが収納さ れたビデオカセットは、このカセット収納孔を通って、デッキ内に収納され或い は外部に取り出される。

【００１７】 カセットドア１０は、ねじりバネ３，４により、通常の状態ではカセット収納 孔に対し閉姿勢をとるよう、一方、カセット収納時／取り出し時にはカセット収 納孔に対し開姿勢をとるよう付勢されている。ねじりバネ３，４は、コイル部分 がカセットドア１０の回動支持部１３またはスプリング支持部１５（共に後述） に挿通されて支持されるとともに、一方の端部がカセットドア１０に係合し、他 方の端部がカセット収納孔の筐体部分に係合している。

【００１８】 カセット収納孔の筐体部分には、ドア本体１１の長手方向位置を位置決めする ためのキャビネットリブ７が、カセットドア１０のリブ支持部１７に対応する位 置に設けられている。キャビネットリブ７の先端部は、２つに分岐しており、カ セットドア１０のリブ支持部１７（後述）の幅に対応する長さだけ互いに離間し ている。

【００１９】 ［カセットドア］ 次に、カセットドア１０について詳細に説明する。 このカセットドア１０は、樹脂製部材であり、互いに一体に形成されたドア本 体１１、回動支持部１３、スプリング支持部１５、リブ支持部１７及びドア本体 リブ１９を備えている。

【００２０】 ドア本体１１は、カセット収納孔の形状に対応して形成された板状体であり、 カセット収納孔に対し回動する部分である。図４にも示すように、ドア本体１１ の短手方向中央部分は、長手方向にわたりドア本体１１の表面側に断面くの字形 状に屈曲されている。この屈曲の角度αは１２°程度であるのが好ましい。また 、スプリング支持部１５のシャフトリブ１６（後述）の近傍には、ねじりバネ３ ，４の一端が係合可能な係合溝１１ａが設けられている。この係合溝１１ａは、 常にねじりバネ３，４の一端と係合するものではなく、図１から図３に示すねじ りバネ３，４と螺旋の向きが逆になっているねじりバネの一端と係合する。この 場合、ねじりバネ３，４のシャフトリブ１６に対する位置安定性を高めるために 、さらに係合溝１１ａの近傍に位置決めリブ１１ｂを設けてもよい。

【００２１】 回動支持部１３は、ドア本体１１の長手方向両端部に設けられており、長手方 向に突出して設けられたシャフトリブ１４を有している。シャフトリブ１４は、 ドア本体１１の回動を支持するとともに、大径ねじりバネ３のコイル部分に挿入 可能に形成されている。このシャフトリブ１４は、大径ねじりバネ３の径より僅 かに小さく形成されており、小径ねじりバネ４の径より大きくなっている。なお 、ねじりバネ３，４は、２つの回動支持部１３のうち一方にのみ装着されている 。

【００２２】 スプリング支持部１５は、リブ支持部１７の近傍に設けられており、リブ支持 部１７と逆側に延びるシャフトリブ１６を有している。シャフトリブ１４は、第 ２ねじりバネ４のコイル部分に挿入可能に形成されている。 リブ支持部１７は、ドア本体１１の長手方向中央部に設けられており、キャビ ネットリブ７の２つの先端部に狭持される形で支持される。なお、リブ支持部１ ７とスプリング支持部１５とは、キャビネットリブ７の片方の先端部を狭持し得 るよう互いに間隔をおいて形成されている。

【００２３】 ドア本体リブ１９は、回動支持部１３とスプリング支持部１５との間に、ドア 本体１１の端から短手方向に延びて形成された部分である。ドア本体リブ１９は 、短手方向の端がスプリング支持部１５のシャフトリブ１６と同軸位置まで延び て形成されるとともに、スプリング支持部１５側の端がシャフトリブ１６の端部 の近接位置まで延びて形成されている。

【００２４】 このように構成されたカセットドア１０では、大径ねじりバネ３を付勢部材と して用いる場合は、大径ねじりバネ３は、従来は図１に示すように回動支持部１ ３にのみ装着されていたが、スプリング支持部１５を設けたことにより、回動支 持部１３及びスプリング支持部１５（図２参照）のいずれにも装着することがで きる。これにより、例えば、シャフトリブ１４に折れ、曲がり等が生じている場 合に、大径ねじりバネ３をスプリング支持部１５のシャフトリブ１６に装着する ことも可能である。この場合、大径ねじりバネ３は、ドア本体１１の長手方向中 央部に設けられているため、ドア本体１１の開閉動作時の安定性が良くなる。

【００２５】 一方、大径ねじりバネ３に代えて小径ねじりバネ４を付勢部材として用いる場 合は、図３に示すように、小径ねじりバネ４はスプリング支持部１５のシャフト リブ１６に装着することができる。 このように本発明のカセットドア１０は、径の異なるねじりバネ３，４が用い られる場合でも、ねじりバネごとに設計を変えずに用いることができ、これによ り、カセットドア１０の生産コストを低減することができる。

【００２６】 また、従来のカセットドアでは、ドア本体は平らな形状であったため、成型時 、塗装時などに反りが生じ易く、外観を損ない易いなどの問題が生じていたが、 このカセットドア１０では、ドア本体１１がくの字形状に屈曲されているため、 前後方向（図４の左右方向）の強度が増しており、これにより、ドア本体１１の 反りを抑えることができる。

【００２７】 さらに、このカセットドア１０では、ドア本体１１には、係合溝１１ａが設け られているため、コイル部分の螺旋の向きが異なるタイプのねじりバネに対して も共通使いすることが可能となる。

【００２８】

【考案の効果】

本考案によれば、スプリング支持部のシャフト部は、第２スプリングに挿入可 能となるよう形成されているため、この第２スプリングより径の大きい第１スプ リングにも挿入可能である。したがって、径の異なるスプリングをドア本体の付 勢部材として用いる場合でも設計を変更せずに使用することができる

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態が採用されたカセットドア
の回動支持部に大径ねじりバネを装着したものをビデオ
デッキ内側から見た図。

【図２】カセットドアのスプリング支持部に大径ねじり
バネを装着したものをビデオデッキ内側から見た図。

【図３】カセットドアのスプリング支持部に小径ねじり
バネを装着したものをビデオデッキ内側から見た図。

【図４】カセットドアの側面図。

【符号の説明】

３ 大径ねじりバネ（第１スプリング） ４ 小径ねじりバネ（第２スプリング） ５ カセット挿入孔 ７ キャビネットリブ １０ カセットドア １１ ドア本体 １３ 回動支持部 １４ シャフトリブ １５ スプリング支持部 １６ シャフトリブ １７ リブ支持部 １９ ドア本体リブ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カセット挿入孔に開閉自在に設けられる板
   状のドア本体を有し、前記ドア本体がカセット挿入孔に
   対し閉姿勢をとるようスプリングにより付勢されるとと
   もに、前記ドア本体の回動を支持しかつ所定の径の第１
   スプリングの内周側に挿入可能なシャフトリブを有する
   回動支持部が前記ドア本体の長手方向端部に設けられ、
   前記カセット収納孔に設けられたキャビネットリブを支
   持する前記リブ支持部が前記ドア本体の長手方向中央部
   に設けられた、カセットデッキのカセットドアにおい
   て、 前記第１スプリングより径の小さい第２スプリングの内
   周側に挿入可能なシャフトリブを有するスプリング支持
   部を、前記リブ支持部と共に前記キャビネットリブを狭
   持するよう前記ドア本体の中央部近傍に設けるととも
   に、前記ドア本体の長手方向に延びるドア本体リブを、
   前記スプリング支持部の近傍に前記スプリング支持部の
   シャフトリブと同軸位置まで延ばして設けたことを特徴
   とするカセットドア。
2. 【請求項２】カセットデッキのカセット挿入孔に開閉自
   在に装着されるカセットドアであって、 板状のドア本体と、 前記ドア本体に設けられ、前記ドア本体の回動を支持す
   るとともに前記ドア本体を前記カセット挿入孔に対し閉
   姿勢をとるよう付勢するための所定の径を有する第１ス
   プリングの内周側に挿入可能なシャフト部を有する回動
   支持部と、 前記ドア本体に設けられ、前記第１スプリングより径の
   小さい第２スプリングの内周側に挿入可能なシャフト部
   を有するスプリング支持部と、を備えたカセットデッキ
   のカセットドア。
3. 【請求項３】前記スプリング支持部は、前記ドア本体の
   長手方向の中央部またはその近傍に設けられている、請
   求項２に記載のカセットデッキのカセットドア。
4. 【請求項４】前記カセット収納孔には、前記ドア本体の
   長手方向位置を位置決めするための位置決め用リブが設
   けられ、 前記ドア本体には、前記位置決め用リブを支持するため
   のリブ支持部が設けられ、 前記スプリング支持部は、前記リブ支持部との間に前記
   位置決め用リブの一端を狭持するよう前記ドア本体に設
   けられている、請求項３に記載のカセットデッキのカセ
   ットドア。
5. 【請求項５】前記ドア本体の前記スプリング支持部の近
   傍に長手方向に延びて設けられるとともに前記スプリン
   グ支持部のシャフト部と同軸位置まで延びるドア本体リ
   ブをさらに備えた、請求項２から４のいずれかに記載の
   カセットデッキのカセットドア。