JP3084406B2 - 柱・梁の接合装置 - Google Patents

柱・梁の接合装置

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JP3084406B2
JP3084406B2 JP03142602A JP14260291A JP3084406B2 JP 3084406 B2 JP3084406 B2 JP 3084406B2 JP 03142602 A JP03142602 A JP 03142602A JP 14260291 A JP14260291 A JP 14260291A JP 3084406 B2 JP3084406 B2 JP 3084406B2
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三郎 野田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として角形鋼管か
らなる柱とH型鋼からなる梁とを接合するための装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管柱とH型鋼からなる梁との接合手段
として、従来、鋼管柱の接合部外側面に予め、梁と同断
面のブラケットを溶接して、これらブラケットと梁のフ
ランジ及びウエブ間に渡した接合プレートで、両者をボ
ルト接合することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の接合装置に
おいては、まず、ブラケットを柱の外側面に直接溶接し
ているから、肉厚の薄い柱を用いると、座屈や変形の恐
れがある。そのため肉厚の大きい強度の高いものを用い
る必要があり、柱全体の重量が大きくなって取り扱いが
困難となり、また、材料コストも高くなる欠点がある。
更に、ブラケットと梁のフランジ及びウエブを連結する
ための接合プレートが少なくとも3枚必要で、且つ、接
合プレートの両端でボルトの締め付けを行わなければな
らないから、部品数が多くなるとともに、作業工数も多
くなる欠点がある。
【0004】加えて、クレーンなどで吊り込んだ梁をブ
ラケットと同一の高さに保持しながら、前記接合プレー
トのボルト締め作業を行うことから、不安定な状態で作
業を行わなければならず、作業性が非常に悪いという欠
点があった。
【0005】この発明は、このようにブラケットを用い
て接合するものにおいて、これら従来の欠点を解消する
ことを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、鋼管製柱本体の端部に接合用筒体を取
り付けるものにおいて、その接合用筒体の両端部に各々
ダイヤフラムを溶接して、このダイヤフラムを介して前
記柱本体の端部に溶接するとともに、これら各ダイヤフ
ラムの外周部に、上下2枚の水平プレートを備えた一対
のブラケットを同方向に一体に突出させ、H型鋼からな
る梁の上下のフランジ端部を、夫々各ダイヤフラムの水
平プレート間のスリット内に挿入して、これら水平プレ
ートとフランジを貫通して差し込んだボルトで固定する
ことを特徴とするものである。
【0007】上記において、上下のブラケット間に垂直
プレートを連結し、この垂直プレートと梁のウエブを互
いに重合して、これら垂直プレートとウエブ同士をも接
合することが考えられる。
【0008】更に、この出願の第3の発明は、各ブラケ
ットの上下の水平プレートのうち、下側の水平プレート
の端部を水平方向に突出させたことを特徴とする。
【0009】
【作用】梁のフランジをブラケットの水平プレート間に
挿入して、ボルトで直接連結するので、特別の接合プレ
ートが不要であり、且つ、ボルトの本数も少なくて済む
ことになる。この水平プレートと梁との接合は、梁のフ
ランジの両面における二面摩擦で接合されるので、ボル
トの本数を更に低減できる。加えて、ブラケットは、接
合用筒体端部のダイヤフラムに一体に取り付けられてい
るので、梁からの荷重がブラケットを介してこのダイヤ
フラムに伝達されることとなって、薄肉の鋼管を用いた
場合でも、座屈や変形の恐れがない。
【0010】
【実施例】この発明の実施例を示す図面において、1、
1は、各形鋼管からなる上下一対の柱本体、2は、その
柱本体1、1と同断面の各形鋼管からなる単尺の接合用
筒体である。接合用筒体2の上下の両端部に、その接合
用筒体2よりも僅かに大きい一対の方形ダイヤフラム
3、3が溶接して形成されている。これらのダイヤフラ
ム3、3の中央部には、図3のように円形孔10が形成
してある。そして、このダイヤフラム3、3の梁7との
接合部側の端面に、この発明のブラケット4、4が各々
水平外方向に突出するようにして、その一端において溶
接されている。
【0011】これらのブラケット4、4は、前記ダイヤ
フラム3、3への溶接側の端部より、上下2枚の水平プ
レート5、6を梁7方向に向けて突出させた、側面から
見て二股状をなしており、各水平プレート5、6にはそ
の先端部に2個のボルト穴8、8を形成している。ま
た、各ブラケット4、4の上部の水平プレートは、その
左右方向の両端部が先端からある長さに亘って切り落と
しされて、相対的にこの上部の水平プレート5よりも下
部の水平プレート5が外方に突出9、9するようになっ
ている。
【0012】11は、ブラケット4、4の互いに対向す
る上下の水平プレート5、6間に取付けられる一枚の垂
直プレートであり、その上端が上部側ブラケット4の下
部水平プレート6下面中央に溶接され、下端が下側ブラ
ケット4の上部の水平プレート5上面中央に溶接され
て、固着されている。また、垂直プレート11の接合用
筒体2側の端部が、その接合用筒体2に溶接され、他方
の先端部に上下2個のボルト穴12、12が形成してあ
る。また、この垂直プレート11の上下両端が、その先
端からある長さに亘って切り落としされている。
【0013】梁7は、そのフランジ13、13を上下平
行にして配置するH型鋼からなり、フランジ13、13
の先端に、前記ブラケット4、4の水平プレート5、6
のボルト穴8に一致するボルト穴14を形成し、ウエブ
15の先端に前記垂直プレート11のボルト穴12、1
2に一致するボルト穴16、16を形成している。更
に、ウエブ15の上下両端が、その先端からある長さに
亘って切欠されて、フランジ13、13との間に、ブラ
ケット4、4の水平プレート5、6が入る程度の隙間1
7を形成している。
【0014】上記の構成において、まず、クレーンなど
で吊り込んだ梁7のフランジ13、13先端を、各ブラ
ケット4、4の上部の水平プレート5より突出する下部
水平プレート6の突出部9に載せ、この状態で水平方向
にスライドさせることによって、フランジ13、13を
所定の位置に設置するとともに、梁7のウエブ15を垂
直プレート11の一方の側面に重合させる。これによ
り、梁7の端部は、各ブラケット4、4の下側の水平プ
レート6で支持された状態にあるから、この状態で、水
平プレート5、6とフランジ13、13のボルト穴8、
14にボルト18を差し込んで、これら水平プレート
5、6とフランジ13、13を固定し、ウエブ15と垂
直プレート11のボルト穴12、16にボルト19を差
し込んで、これらを固定して、梁7を接合するものであ
る。
【0015】
【発明の効果】以上のようにこの発明では、梁のフラン
ジをブラケットの水平接合プレート間に挿入して、ボル
トで直接連結するので、特別の接合プレートが不要であ
り、且つ、ボルトの本数も少なくて済むことになる。そ
のため、部品点数が減少し、ボルトの締め付けの作業工
数も低減できる効果がある。その際、梁の端部をブラケ
ットの下側の水平プレートに載せた状態で、ボルト締め
作業を行うことが出来るから、作業性が非常に良好とな
る効果がある。しかも、この接合プレートと梁との接合
は、梁のフランジの両面における二面摩擦で接合される
ので摩擦力が大きく、ボルトの本数を更に低減できる。
【0016】加えて、ブラケットは、接合用筒体端部の
ダイヤフラムに一体に取り付けられているので、梁から
の荷重がブラケットを介してこのダイヤフラムに伝達さ
れることとなって、柱本体等に薄肉の鋼管を用いた場合
でも、座屈や変形の恐れがなく、全体に軽量で、安価な
柱を得ることが出来ることになる。
【0017】更に、この出願の第3の発明では、クレー
ンなどで吊り込んだ梁を、各ブラケットの下側の水平プ
レートの突出部に載せて、そのまま水平方向にスライド
させることで、所定の位置に設置できるので、ボルト穴
の位置合わせが容易となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す柱と梁接合部の分解斜
視図である。
【図2】同じく接合状態の側面図である。
【図3】梁のブラケットへの設置方法の途中の状態を示
す要部の横断面図である。
【符号の説明】
1 柱本体 2 接合用筒体 3 ダイヤフラム 4 ブラケット 5 水平プレート 6 水平プレート 7 梁 9 突出部 11 垂直プレート 13 フランジ 15 ウエブ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼管製柱本体の端部に接合用筒体を取り付
    けるものにおいて、その接合用筒体の両端部に各々ダイ
    ヤフラムを溶接して、このダイヤフラムを介して前記柱
    本体の端部に溶接するとともに、これら各ダイヤフラム
    の外周部に、上下2枚の水平プレートを備えた一対のブ
    ラケットを同方向に一体に突出させ、H型鋼からなる梁
    の上下のフランジ端部を、夫々各ダイヤフラムの水平プ
    レート間のスリット内に挿入して、これら水平プレート
    とフランジを貫通して差し込んだボルトで固定すること
    を特徴とする柱・梁の接合装置。
  2. 【請求項2】上下のブラケット間に垂直プレートを一体
    に取り付けるとともに、この垂直プレートと梁のウエブ
    を互いに重合して、これら垂直プレートとウエブ同士を
    も接合することを特徴とする請求項1記載の柱・梁の接
    合装置。
  3. 【請求項3】各ブラケットの上下の水平プレートのう
    ち、下側の水平プレートの端部を水平方向に突出させた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の柱・梁の接合装
    置。
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