JP3084385B2 - Ｎｃワイヤ放電加工機の自動多重加工方法 - Google Patents

Ｎｃワイヤ放電加工機の自動多重加工方法

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    • G05B2219/50103—Restart, reverse, return along machined path, stop

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、ワイヤ放電加工機の自動多重加工方法に
関する。
（従来の技術） 近年、NCワイヤ放電加工機においては、加工精度の向
上を計るために、加工エネルギを徐々に絞り、オフセッ
トを段階的に変更し、荒加工，中仕上加工，仕上加工等
のように２回、３回と、同一図形に加工を繰り返す多重
加工方法が用いられるようになった。ワイヤ自動供給装
置付のNC放電加工機における自動多重加工では、第１回
目の荒加工が終了すると、ワイヤ電極が自動切断され、
スタート点へ戻った後、ワイヤ電極の自動供給が行なわ
れ、加工条件やオフセットが自動変更された後、第２回
目の加工として、中仕上加工が開始される。以後の仕上
加工工程も同様に行なわれる。
一方、前記のワイヤ供給装置が取り付けられていない
放電加工機における自動多重加工では、第１回目の荒加
工が終了すると、放電停止の状態で加工済みの軌跡をス
タート点まで戻り、加工条件やオフセットが自動変更さ
れた後、第２回目の加工として中仕上加工が開始され
る。
ワイヤ自動供給装置付の放電加工機においても、スタ
ート穴が小さい、使用ワイヤ電極が細い、被加工物の板
厚が厚い等の理由で、ワイヤ電極の自動供給が困難な場
合、また、ワイヤ自動供給装置が故障した場合には、前
記のようなスタート点への加工済み軌跡のリトレース戻
しによる、自動多重加工が行なわれる。
（発明が解決しようとする課題） 前記のように同じ自動多重加工においても、ワイヤ自
動供給装置を動作させるか否かによって、加工テーブル
の動かし方に大きな違いがあり、作業者はその都度、NC
プログラムを所望の手順で動くように修正する必要があ
った。とくに、スタート点へ加工済み軌跡をリトレース
戻しさせるNCプログラムの作成は、順方向のプログラム
の作成と同程度の作業となり、NCプログラムの作成者に
大きな負担を強いることになっていた。
この発明はこのような点に着目して創案されたもの
で、自動多重加工を行なうにあたり、ワイヤ自動供給装
置の使用の有無に対応して作成された手順によって、容
易に自動多重加工を行なうことのできるワイヤ放電加工
機の多重加工方法を提供することを目的とするものであ
る。
（課題を解決するための手段） 前述のごとき問題に鑑みて、本発明は、 ワイヤ自動供給装置の使用の有無に対応してNCワイヤ
放電加工機により同一図形に対して自動多重加工を行う
方法において、 （ａ）ワイヤ自動供給装置を使用する場合にはスタート
点においてワイヤ電極の自動結線を行い、使用しない場
合にはスタート点においてワイヤ電極を手動で結線する
工程、 （ｂ）オフセット及び作業条件を第１回目の放電加工に
対応して設定し、図形に沿って第１回目の放電加工を行
う工程、 （ｃ）第１回目の放電加工終了時にワイヤ自動供給装置
の使用の有無を判別する工程、 （ｄ）上記（ｃ）工程においてワイヤ自動供給装置を使
用する判別のときにはワイヤ電極を切断して前記スター
ト点に戻り、このスタート点において再びワイヤ電極の
自動結線を行う工程、 （ｅ）前記（ｃ）工程においてワイヤ自動供給装置を使
用しない判別のときには第１回目の加工済み軌跡に沿っ
て前記スタート点に戻る工程、 （ｆ）オフセット及び作業条件を第２回目の放電加工に
対応して設定し、同一図形に沿って第２回目の放電加工
を行う工程、 （ｇ）以下（ｃ）工程，（ｄ）工程，（ｅ）工程及び
（ｆ）工程に準じた工程を繰り返して次回の放電加工を
行い、最終的に放電加工を終了する工程、 の各工程を有するNCワイヤ放電加工の自動多重加工方法
である。
（作用） 上記構成により、ワイヤ自動供給装置を使用している
場合には、ワイヤ電極は１回の加工を終了する度に、ワ
イヤ自動供給装置により、ワイヤ切断及びスタート点に
おける結線が行なわれ、新にオフセットと加工条件が設
定され、多重加工が行なわれる。ワイヤ自動供給装置を
使用しない場合には、ワイヤ電極は１回の加工を終了す
る度に、直前の加工済みの軌跡をスタート点まで戻り、
オフセットと加工条件が設定され、多重加工が行なわれ
る。
（実施例） 次に、この発明の実施例として第１図のフローチャー
トについて説明する。このフローチャートは、第２図の
ような平板に四角形の穴をオフセット及び作業条件を設
定又は変更して、同一図形に対して三回の多重加工を、
ワイヤ自動供給装置の使用の有無に対応して、行なう場
合のものである。
まず、S1でワイヤ自動供給装置を使用の有無を定め、
使用する場合は、S2でスタート点においてワイヤ電極の
自動結線を行ない、使用しない場合はS3でワイヤ電極を
手動で結線する。S4で第１回加工用のオフセット及び供
給電力等の作業条件を設定して、第２図に示した矢印に
沿って第１回目の放電加工を行なう。スタート点SPは座
標軸XYの原点にとってある。
第１回目の放電加工が終了すると、S5でワイヤ自動供
給装置の使用の有無を判別し、使用する場合には、S6で
ワイヤ電極を切断し、スタート点SPに戻りワイヤ電極の
自動結線を行なう。使用しない場合には、S7で第１回目
の加工済み軌跡をスタート点SPまで逆行して戻る。S8で
第２回加工用のオフセット及び供給電力等の作業条件を
設定して、前記のように同一図形に沿って第２回目の放
電加工を行なう。
第２回目の放電加工が終了すると、S9でワイヤ自動供
給装置の使用の有無を判別し、使用する場合にはS10で
ワイヤ電極を切断し、スタート点SPに戻り、ワイヤ電極
の自動結線を行なう。使用しない場合には、S11で第２
回目の加工済み軌跡をスタート点SPまで逆行して戻る。
S12で第３回加工用のオフセット及び供給電力等の作業
条件を設定して、前記のように同一図形に沿って第３回
目の放電加工を行なう。この放電加工が終了すると３回
の自動多重加工が終了する。
［発明の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、 ワイヤ自動供給装置の使用の有無に対応してNCワイヤ
放電加工機により同一図形に対して自動多重加工を行う
方法において、 （ａ）ワイヤ自動供給装置を使用する場合にはスタート
点においてワイヤ電極の自動結線を行い、使用しない場
合にはスタート点においてワイヤ電極を手動で結線する
工程、 （ｂ）オフセット及び作業条件を第１回目の放電加工に
対応して設定し、図形に沿って第１回目の放電加工を行
う工程、 （ｃ）第１回目の放電加工終了時にワイヤ自動供給装置
の使用の有無を判別する工程、 （ｄ）上記（ｃ）工程においてワイヤ自動供給装置を使
用する判別のときにはワイヤ電極を切断して前記スター
ト点に戻り、このスタート点において再びワイヤ電極の
自動結線を行う工程、 （ｅ）前記（ｃ）工程においてワイヤ自動供給装置を使
用しない判別のときには第１回目の加工済み軌跡に沿っ
て前記スタート点に戻る工程、 （ｆ）オフセット及び作業条件を第２回目の放電加工に
対応して設定し、同一図形に沿って第２回目の放電加工
を行う工程、 （ｇ）以下（ｃ）工程，（ｄ）工程，（ｅ）工程及び
（ｆ）工程に準じた工程を繰り返して次回の放電加工を
行い、最終的に放電加工を終了する工程、 の各工程を有するNCワイヤ放電加工の自動多重加工方法
である。
上記構成より明らかなように、本発明においては同一
図形に沿っての放電加工が終了すると（ｃ）工程のよう
にワイヤ自動供給装置の使用の有無を判別し、使用する
場合には（ｄ）工程のようにワイヤ電極を切断しスター
ト点に戻って再びワイヤ電極の自動結線を行う。使用し
ない場合には（ｅ）工程のように加工済み軌跡に沿って
スタート点に戻る。そして、（ｆ）工程のようにオフセ
ット及び作業条件を放電加工に対応して設定して同一図
形に沿っての次回の放電加工が行われる。
すなわち、本発明においては、ワイヤ自動供給装置の
使用の有無を判別する（ｃ）工程を有し、この（ｃ）工
程の判別に従って次の動作が自動的に行われるので、例
えばスタート点の貫通孔が小径でワイヤ電極の自動結線
がなかなか困難な場合やワイヤ自動供給装置が故障した
ような場合であっても同一図形に対して自動的な多重加
工が容易に行ない得るものであり、前述したごとき問題
を解消し得るものである。
【図面の簡単な説明】
第１図はこの発明の実施例のフローチャート。第２図は
被加工物の加工形状の説明図である。ここでSPはスター
ト点である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ワイヤ自動供給装置の使用の有無に対応し
    てNCワイヤ放電加工機により同一図形に対して自動多重
    加工を行う方法において、 （ａ）ワイヤ自動供給装置を使用する場合にはスタート
    点においてワイヤ電極の自動結線を行い、使用しない場
    合にはスタート点においてワイヤ電極を手動で結線する
    工程、 （ｂ）オフセット及び作業条件を第１回目の放電加工に
    対応して設定し、図形に沿って第１回目の放電加工を行
    う工程、 （ｃ）第１回目の放電加工終了時にワイヤ自動供給装置
    の使用の有無を判別する工程、 （ｄ）上記（ｃ）工程においてワイヤ自動供給装置を使
    用する判別のときにはワイヤ電極を切断して前記スター
    ト点に戻り、このスタート点において再びワイヤ電極の
    自動結線を行う工程、 （ｅ）前記（ｃ）工程においてワイヤ自動供給装置を使
    用しない判別のときには第１回目の加工済み軌跡に沿っ
    て前記スタート点に戻る工程、 （ｆ）オフセット及び作業条件を第２回目の放電加工に
    対応して設定し、同一図形に沿って第２回目の放電加工
    を行う工程、 （ｇ）以下（ｃ）工程，（ｄ）工程，（ｅ）工程及び
    （ｆ）工程に準じた工程を繰り返して次回の放電加工を
    行い、最終的に放電加工機を終了する工程、 の各工程を有することを特徴とするNCワイヤ放電加工機
    の自動多重加工方法。
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