JP3807189B2 - 放電による追加工方法及び装置 - Google Patents

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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電極と被加工物とを加工液中で所定の間隙をもって対向させ、この間隙に放電を発生させることにより被加工物の除去加工を行う放電加工の終了後に、被加工物の形状測定を行い、目標寸法との誤差分を再度放電加工して被加工物を所期の形状精度に仕上げる、放電による追加工方法及び装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本の産業の発展は金型なしにはあり得なかったといっても過言ではなく、放電加工は金型等の加工技術として確固たる地位を築いており、自動車産業、家電産業、半導体産業等の金型加工の分野において多用されてきた。
【0003】
また、近年の切削加工の技術進歩に伴い、切削速度が向上するとともに、従来難削材といわれていた材料でも切削できるようになった。その結果、従来は放電加工でも行われていた荒加工は徐々に切削加工へと移行しており、荒加工は切削加工、仕上げ加工又は複雑形状は放電加工という、加工方法の住み分けがなされるようになってきている。
【0004】
したがって、放電加工に対して、加工能率の向上だけではなく、面性状に対する要求がより厳しくなり、少しのしみ、傷等も許されないような状況となっており、より細かく均一な仕上げ面を得ることが強く望まれている。
【0005】
図4は、放電加工のメカニズムの説明図であり、図において、1は電極、2は被加工物、3はアーク柱、4は加工液、5は放電加工により生成された加工屑である。以下の(a)乃至(e)のサイクル(図4の(a)乃至(e)に対応)を繰返しながら被加工物2の放電加工が進行する。すなわち、(a)放電の発生によるアーク柱3の形成、(b)放電の熱エネルギによる局部的溶融及び加工液4の気化、(c)加工液4の気化爆発力の発生、(d)溶融部(加工屑5)の飛散、(e)加工液による冷却、凝固、極間の絶縁回復、である。
【0006】
放電加工ではパルス状の放電電流が使用されるが、加工効率の良さや制御の容易さから、たとえば図5の(a)のような方形波の放電電流パルスが広く用いられる。加工速度を重視する荒加工では、電流値が高くパルス幅の長い放電電流パルスが使用され、仕上げ面粗さを重視する仕上げ加工では、電流値が低くパルス幅の短い放電電流パルスが使用されて、エネルギが大きな電気条件から小さな電気条件へと順次条件を切り換えながら加工が進行する。最後の仕上げ加工としては、方形波の放電電流パルスでは得難い微小エネルギの放電電流パルスを実現するために、たとえば図5の(b)のようなコンデンサを使用した電源回路による放電電流パルスが使用される。また、放電加工の際には、電極と被加工物の対向する極間間隙は数μmから数十μmと非常に小さく保たれており、このような小さな極間間隙が高精度加工実現のために必要である。
【0007】
放電加工は、加工精度の極めてよい加工方法であるが、解決すべき問題も存在する。放電加工は、前記のようにエネルギが大きな電気条件から小さな電気条件へと順次条件を切り換えながら、図6に示すように電極1を、たとえばXY平面内で揺動させながらZ軸の負方向(図中矢印A方向)に送り、各所定の電気条件で被加工物2の側面と底面の加工を行うものである。
【0008】
最近では、前記のように金型の高精度化の傾向が著しいため、要求される被加工物の形状精度が高く、図6のような通常の放電加工のみでは、被加工物に所期の形状精度が得られない場合が多くなってきている。
【0009】
被加工物に所期の形状精度が得られない場合には、被加工物の加工終了後に、極間の清掃を行い、たとえば放電加工装置のX軸、Y軸及びZ軸を利用して測定用プローブを被加工物に押し当て、X軸、Y軸及びZ軸の位置データから被加工物の形状測定を行った後、目標寸法との誤差分を再度放電加工して所期の形状精度に仕上げる「追加工」という方法が採用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記の追加工により被加工物を仕上げる方法を行っても、特に高精度加工が必要な場合には所期の形状精度が得られない場合が多い。たとえば、加工終了時点で被加工物の形状を測定した場合の寸法が目標寸法より10μm小さい場合、加工したプログラムよりも10μm余分に追い込んだプログラムを作成して追加工を行っても、所期の10μmの加工ができない場合が存在する。
【0011】
以下においては、追加工を行う前に実施した放電加工を、「追加工」と区別するために、「前加工」と便宜的に呼ぶこととする。
【0012】
図7は、従来の放電による追加工方法の説明図であり、図7の(a)は前加工終了直後の状態、図7の(b)及び(c)は追加工を行っている状態を示している。また、図7において、1は電極、2は被加工物、4は加工液、5は加工により生成された加工屑、B0は前加工時の適正極間間隙、C0は前加工終了時の電極位置の指令値、Cは追加工時の電極位置の指令値、D0は前加工終了時の加工深さ(追加工開始時の加工深さ)、Dは追加工による目標加工深さである。
【0013】
図7の(a)では、電極1はC0の位置まで進んでおり、被加工物はD0の位置まで加工されている。追加工による目標加工深さDと追加工開始時の加工深さD0との距離がたとえば10μmであるとすると、追加工では、電極位置をC0の位置からさらに10μm送り込んだ位置Cまで送ることになる(図7の(b)→(c))。図7の(c)は、電極1をC0の位置からさらに10μm送り込んだ位置Cまで送るという指令により追加工を行った後の状態を示している。電極1は10μm余分に追いこまれているが、被加工物2はD0の位置からほとんど加工されていない。この現象は、追加工量が少ない場合によく見かけられるものである。
【0014】
従来、このような追加工を実際に行う場合には、たとえば10μmの追加工を行いたい場合でも、30μm、50μm等の加工量減少分を見込んだ指令値を入力し、現場作業者のノウハウにより加工を適当な時間で終了させることにより、被加工物を所期の形状精度に仕上げる方法が行われている。しかし、このような方法は、現場作業者の熟練及びノウハウが必要であると共に、加工する形状等によっても違いがあるため、多数の同形状部品の加工を行う場合以外には適用しにくいという欠点がある。
【0015】
この発明は、前記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、現場作業者の熟練及びノウハウがなくても、被加工物に高精度な仕上げ面を確実に得ることができる、加工効率及び信頼性が高い、放電による追加工方法及び装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る放電による追加工方法は、放電加工終了後に被加工物の形状測定を行った後、電極と前記被加工物との極間に放電エネルギを供給し、目標寸法との誤差分を再度放電加工して前記被加工物を所期の形状精度に仕上げる放電による追加工方法において、追加工開始後、前記極間の加工屑濃度が所定の値になるまで加工を継続させ、駆動手段により前記極間間隙を追加工における連続安定加工時の適正間隙まで広げる第1の工程と、前記駆動手段により前記電極を前記被加工物に対して所定の指令値分相対移動させ放電加工を行う第2の工程とからなるものである。
【0017】
この発明に係る放電による追加工装置は、放電加工終了後に被加工物の形状測定を行った後、電極と前記被加工物との極間に放電発生手段により放電エネルギを供給し、駆動手段により前記電極と前記被加工物とを相対移動させ、目標寸法との誤差分を再度放電加工して前記被加工物を所期の形状精度に仕上げる放電による追加工装置において、前記極間の放電発生を検出する放電検出手段と、前記極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正間隙となるまでの所定時間を予め設定してなる加工継続時間設定手段と、前記放電検出手段による放電検出から前記加工継続時間設定手段に設定された所定時間が経過するまで加工を継続させ、前記駆動手段により前記極間間隙を前記適正間隙まで広げるように制御する制御手段とを備えたものである。
【0018】
また、この発明に係る放電による追加工装置は、前記加工継続時間設定手段に設定する所定時間を加工面積に応じて変更するものである。
【0019】
また、この発明に係る放電による追加工装置は、放電加工終了後に被加工物の形状測定を行った後、電極と前記被加工物との極間に放電発生手段により放電エネルギを供給し、駆動手段により前記電極と前記被加工物とを相対移動させ、目標寸法との誤差分を再度放電加工して前記被加工物を所期の形状精度に仕上げる放電による追加工装置において、前記極間の放電発生を検出する放電検出手段と、前記放電検出手段による放電検出後の放電パルス数を計数する放電パルス計数手段と、前記極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正間隙となるまでの所定の放電パルス数を設定する放電パルス設定手段と、前記放電パルス計数手段による放電パルスの計数値と前記放電パルス設定手段に設定した所定放電パルス数を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき、前記放電パルス計数手段による計数値が前記放電パルス設定手段に設定した所定放電パルス数に達するまで加工を継続させ、前記駆動手段により前記極間間隙を前記適正間隙まで広げるように制御する制御手段とを備えたものである。
【0020】
また、この発明に係る放電による追加工装置は、前記放電パルス設定手段に設定する所定の放電パルス数を加工面積に応じて変更するものである。
【0021】
また、この発明に係る放電による追加工装置は、短絡パルス検出手段を備え、前記放電パルス計数手段では短絡パルスを計数しないものである。
【0022】
また、この発明に係る放電による追加工装置は、各加工条件に対応した前記極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正間隙となるまでに必要な単位面積当たりの所定放電パルス数と加工面積とを掛け合わせて求めた放電パルス数を、前記放電パルス設定手段に設定するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
従来技術において説明したように、前加工後の被加工物の形状測定結果に基づいて追加工を行っても、ほとんど加工がなされないまま加工が終了してしまう理由は以下の通りである。
【0024】
前加工の際には、加工により生成された加工屑が極間に存在しているため、極間間隙が広くなっている(たとえば図7の前加工時の適正極間間隙B0)。また、加工屑が加工に伴い生成され、極間の加工屑は徐々に増加するが、所定の周期で電極のジャンプ動作を行うことにより、生成された加工屑の一部を極間から排出し、極間間隙の加工屑濃度を所定の略定常値に保ちながら、連続して安定した加工を継続するものである。このように、連続安定加工に適した極間の加工屑濃度及び連続安定加工時の適正極間間隙B0が存在する。
【0025】
しかし、追加工を行う際には、前加工終了後に被加工物の形状測定を行うために極間が清掃されているため、加工屑が全くない状態で加工が開始される。このような状況では、加工屑を介して放電が誘発されることが無くなるため、適正極間間隙が著しく小さくなる。特に、この発明で問題にしている追加工の場合には、追加工量がたとえば10μm程度と小さいため、被加工物が加工される前に電極が追加工の指令値の位置まで達してしまい、加工が終了してしまうためである。
【0026】
この発明は、追加工開始後極間間隙が小さい状態では、電極位置が指令値に達していても加工を終了させずに加工を継続させ、極間に加工屑が滞留し極間間隙が所定の値まで広がり、連続安定加工に適した適正極間間隙になった後に、電極を指令値に達するまで送り込んで加工を行うものである。
【0027】
図1は、この発明の実施の形態1に係る放電による追加工装置の構成を示す説明図であり、図において、1は電極、2は被加工物、4は加工液、5は放電加工により生成された加工屑、6は放電発生手段である放電加工用電源装置、7は放電加工用電源装置6及び図示しない駆動手段等を制御する制御手段であるNC制御装置、8はNC制御装置内の加工継続時間設定手段である。加工用電源装置6により、電極1と被加工物2との極間に加工電力を供給して放電を生じさせ、さらに、図示しない駆動手段であるX軸駆動装置、Y軸駆動装置及びZ軸駆動装置により電極1と被加工物2とを相対移動させることにより、被加工物2は除去加工される。放電の検出は、図示しない放電検出手段により、たとえば極間電圧の低下を検出することにより行うことができる。また、前加工後の被加工物2の形状測定は、極間の清掃後、前記X軸駆動装置、Y軸駆動装置及びZ軸駆動装置により測定用プローブを被加工物に押し当て、X軸、Y軸及びZ軸の位置データを読むことにより行うことができる。
【0028】
図2は、この発明の実施の形態1に係る放電による追加工方法を示す説明図であり、図において、1は電極、2は被加工物、4は加工液、5は放電加工により生成された加工屑、Bは追加工における連続安定加工時の適正極間間隙、C0は前加工終了時の電極位置の指令値、D0は前加工終了時の加工深さ(追加工開始時の加工深さ)、C1はD0から適正極間間隙Bだけ離れた電極位置、Cは追加工時の電極位置の指令値、Dは追加工による目標加工深さである。追加工により被加工物2をD0からDまで加工する場合について説明する。
【0029】
図2の(a)は追加工開始後電極が電極位置の指令値Cまで送り込まれた状態を示しているが、被加工物2はD0の位置からほとんど加工されていない。通常の加工方法では、電極位置が指令値に達しているため、この時点で加工プログラムが終了してしまうが、この発明では、電極位置が指令値に達していても加工は終了させずに加工を継続させる。
【0030】
図2の(a)の状態で加工を継続させると、徐々に放電により極間に加工屑5が生成され、適正な極間間隙が広がるため、Cの電極位置でも極間サーボが働く範囲に入るようになる。図2の(a)のCの電極位置は、追加工における連続安定加工時の適正極間間隙Bよりも小さいため(すなわち極間の平均電圧が基準電圧よりも小さくなるため)、電極1に対し極間間隙を広げる方向に極間サーボが働く。この加工継続が所定時間に達すると、電極1がたとえばC1の位置まで戻される(図2の(b))。このように極間間隙が広がった状態(追加工における連続安定加工時の適正極間間隙Bになった状態)で、電極1をC1から電極位置の指令値Cまで(たとえば追加工量である10μm)送り込めば、被加工物2を目標加工深さであるDまで加工することができる(図2の(c))。
【0031】
前記の電極位置が指令値に達していても加工を終了させずに継続させる所定時間、すなわち極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正極間間隙Bになるまでの時間は、加工条件及び加工面積等の加工形状に依存した値であり、たとえば実験により予め決定しておき、たとえば加工継続時間設定手段8であるテーブルとして放電加工装置のNC制御装置7に備えておき、加工条件等に応じて設定すればよい。
【0032】
また。以上の説明においては、底面方向の加工を例として説明したが、側面方向の加工においても同様であることは言うまでもない。
【0033】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る放電による追加工装置の構成を示す説明図であり、図において、実施の形態1の図1と同一符号は同一又は相当部分を示している。図3において、9は追加工開始後からの放電パルス数を計数する放電パルス計数手段、10は極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正極間間隙になるまでに必要な所定の放電パルス数(以下において、必要放電パルス数と呼ぶ。)を設定する放電パルス設定手段、11は放電パルス計数手段9の計数値と放電パルス設定手段に設定した必要放電パルス数を比較する比較手段である。前加工終了後に極間の清掃を行い追加工を行う動作は基本的に実施の形態1と同様である。したがって、追加工開始後極間間隙が小さい状態では、電極位置が指令値に達していても加工を終了させずに加工を継続させ、極間に加工屑が滞留し極間間隙が所定の値まで広がった状態になった後に、電極を指令値に達するまで送り込んで加工を行うものである。以下において、実施の形態1と異なる構成及び動作について説明する。
【0034】
放電パルス計数手段9、放電パルス設定手段10及び比較手段11が実施の形態1にはない構成であり、追加工開始後からの放電パルス数を放電パルス計数手段9により計数し、この計数値と放電パルス設定手段10に設定した必要放電パルス数を比較手段11により比較し、放電パルス計数手段9による計数値が放電パルス設定手段10に設定した必要放電パルス数に達するまでは、電極1の送り込み量が指令値に達しても加工を継続させる。
【0035】
追加工では、極間を清掃し、加工屑がない状態で加工を開始すると、極間間隙が狭いため、加工を全く行わない短絡現象が起きる場合が多く、放電パルス計数手段9で計数する放電パルスは短絡パルスを除外した方が好ましい。短絡パルスを放電パルスとしてカウントしてしまうと、加工液に対する加工屑濃度が十分でない状態でも加工屑濃度が十分であると認識してしまうことになるからである。短絡パルスの検出は、極間の平均電圧が所定値以下であること等から短絡パルスを検出する、たとえば放電加工用電源装置6内に設けた短絡パルス検出手段により行うことができる。
【0036】
追加工開始後からの放電パルス数を放電パルス計数手段9により計数し、この計数値と放電パルス設定手段10に設定した必要放電パルス数を比較手段11により比較し、放電パルス計数手段9による計数値が放電パルス設定手段10に設定した必要放電パルス数に達した後、すなわち、極間の加工液に対する加工屑5の濃度が連続安定加工に適した値となり、極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正極間間隙まで広がった後に、電極1を被加工物2に指令値分送り込んで加工を行う。この追加工の電極1の動作は実施の形態1の図2と同様であり、被加工物2を目標加工深さであるDまで加工することができる。
【0037】
必要放電パルス数は、加工面積により異なり、加工面積にほぼ比例すると考えてよい。そこで、加工面積を入力あるいは、自動認識した加工面積データを用いて必要放電パルス数を放電パルス設定手段に設定することができる。
【0038】
なお、必要放電パルス数は、加工条件により異なる。すなわち、放電パルスのエネルギが小さな条件では、必要放電パルス数は多くなり、放電パルスのエネルギが大きな条件では、逆に少なくてもよい。したがって、追加工する電気条件、すなわち被加工物を仕上げるための所期の面粗さにより、加工面の単位面積当たりに必要な放電パルス数は異なることになる。そこで、所定の各電気条件に応じた単位面積当たりの必要放電パルス数のテーブルを放電パルス設定手段10に備え、所定の各電気条件に応じた単位面積当たりの必要放電パルス数と加工面積データとを掛け合わせることにより必要放電パルス数を設定し、放電パルス計数手段9の計数データと比較すればよい。このような所定の各電気条件に応じた単位面積当たりの必要放電パルス数は、たとえば予め実験により決定しておくことができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明に係る放電による追加工方法及び装置は、以上説明したように構成されているので、現場作業者の熟練及びノウハウがなくても高精度な追加工を確実に行うことができると共に、加工効率及び信頼性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る放電による追加工装置の構成を示す説明図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る放電による追加工方法を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る放電による追加工装置の構成を示す説明図である。
【図4】 放電加工のメカニズムの説明図である。
【図5】 極間電圧及び放電電流の例を示す図である。
【図6】 放電加工方法の例を示す説明図である。
【図7】 従来の放電による追加工方法の説明図である。
【符号の説明】
1 電極、2 被加工物、4 加工液、5 放電加工により生成された加工屑、6 放電加工用電源装置、7 NC制御装置、8 加工継続時間設定手段、9放電パルス計数手段、10 放電パルス設定手段、B 追加工における連続安定加工時の適正極間間隙、C0 前加工終了時の電極位置の指令値、C 追加工時の電極位置の指令値、D0 前加工終了時の加工深さ(追加工開始時の加工深さ)、C1 D0から適正極間間隙Bだけ離れた電極位置、D 追加工による目標加工深さ。

Claims (7)

  1. 放電加工終了後に被加工物の形状測定を行った後、電極と前記被加工物との極間に放電エネルギを供給し、目標寸法との誤差分を再度放電加工して前記被加工物を所期の形状精度に仕上げる放電による追加工方法において、追加工開始後、加工形状に依存して予め定められた所定時間加工を継続させることで、前記極間の加工屑濃度が所定の値になるまで加工を継続させ、駆動手段により前記極間間隙を追加工における連続安定加工時の適正間隙まで広げる第1の工程と、前記駆動手段により前記電極を前記被加工物に対して所定の指令値分相対移動させ放電加工を行う第2の工程とからなることを特徴とする放電による追加工方法。
  2. 放電加工終了後に被加工物の形状測定を行った後、電極と前記被加工物との極間に放電発生手段により放電エネルギを供給し、駆動手段により前記電極と前記被加工物とを相対移動させ、目標寸法との誤差分を再度放電加工して前記被加工物を所期の形状精度に仕上げる放電による追加工装置において、前記極間の放電発生を検出する放電検出手段と、前記極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正間隙となるまでの所定時間が予め加工形状に依存してテーブルとして設定された加工継続時間設定手段と、前記放電検出手段による放電検出から前記加工継続時間設定手段に設定された所定時間が経過するまで加工を継続させ、前記駆動手段により前記極間間隙を前記適正間隙まで広げるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする放電による追加工装置。
  3. 前記加工継続時間設定手段に設定する所定時間を加工面積に応じて変更することを特徴とする請求項2記載の放電による追加工装置。
  4. 放電加工終了後に被加工物の形状測定を行った後、電極と前記被加工物との極間に放電発生手段により放電エネルギを供給し、駆動手段により前記電極と前記被加工物とを相対移動させ、目標寸法との誤差分を再度放電加工して前記被加工物を所期の形状精度に仕上げる放電による追加工装置において、
    前記極間の放電発生を検出する放電検出手段と、
    前記放電検出手段による放電検出後の放電パルス数を計数する放電パルス計数手段と、
    前記極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正間隙となるまでの所定の放電パルス数を設定する放電パルス設定手段と、
    前記放電パルス計数手段による放電パルスの計数値と前記放電パルス設定手段に設定した所定放電パルス数を比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づき、前記放電パルス計数手段による計数値が前記放電パルス設定手段に設定した所定放電パルス数に達するまで加工を継続させ、前記駆動手段により前記極間間隙を前記適正間隙まで広げるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする放電による追加工装置。
  5. 前記放電パルス設定手段に設定する所定の放電パルス数を加工面積に応じて変更することを特徴とする請求項4記載の放電による追加工装置。
  6. 短絡パルス検出手段を備え、前記放電パルス計数手段では短絡パルスを計数しないことを特徴とする請求項4又は5記載の放電による追加工装置。
  7. 各加工条件に対応した前記極間間隙が追加工における連続安定加工時の適正間隙となるまでに必要な単位面積当たりの所定放電パルス数と加工面積とを掛け合わせて求めた放電パルス数を、前記放電パルス設定手段に設定することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の放電による追加工装置。
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