JP3083497B2 - 発泡成形方法 - Google Patents

発泡成形方法

Info

Publication number
JP3083497B2
JP3083497B2 JP09206451A JP20645197A JP3083497B2 JP 3083497 B2 JP3083497 B2 JP 3083497B2 JP 09206451 A JP09206451 A JP 09206451A JP 20645197 A JP20645197 A JP 20645197A JP 3083497 B2 JP3083497 B2 JP 3083497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
steam
pressure
raw material
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09206451A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1148345A (ja
Inventor
修治 曽我
清孝 井田
明正 嶋崎
Original Assignee
株式会社ダイセン工業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ダイセン工業 filed Critical 株式会社ダイセン工業
Priority to JP09206451A priority Critical patent/JP3083497B2/ja
Publication of JPH1148345A publication Critical patent/JPH1148345A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3083497B2 publication Critical patent/JP3083497B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡ポリスチレン
またはポリエチレン樹脂製の生鮮食品保冷用容器あるい
は建設用型材または断熱床下地材などを製造するための
発泡成形方法に関するものであって、特に、発泡性原料
ビーズ相互を融着させる工程の前工程としての排気およ
び予備加熱の工程に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の背景となる発泡成形方法の概要
を説明すると、先ずこの発泡成形に用いられる金型装置
は、図4の断面略図に示すように、発泡製品が充填成形
されるキャビティ1を形成するよう、雄型となる凸型イ
ンサイド31と雌型となる凹型インサイド21が対向配
置されるとともに、凹型インサイド21は固定され移動
できないが、凸型インサイド31は、図4のように凹型
インサイド21の凹部内にキャビティ1を形成した状態
から水平に移動(図3では右方向へ)し、成形された発
泡成形体を取り出すことができるよう移動可能に配置さ
れている。このインサイド21、31には、後記の加熱
用スチームが透過できるよう無数のベントホール21
a、31aが透設されている。
【0003】また、これらインサイド21、31の裏面
側には、フレーム22、32と裏板23、33が設けら
れ、スチーム等の用役が供給される固定側のチャンバ2
と移動側のチャンバ3が形成されている。なお、この事
例では、フレーム22、32の上部には、上部用役口2
4、34が、下部には、下部用役口25、35が配設さ
れていて、上部用役口24、34には、加熱用スチーム
が供給されるスチーム弁41、51が接続され、下部用
役口25、35には、減圧タンクまたは減圧ポンプに連
なる吸引弁42、52および用役を排出するドレン弁4
3、53が接続されている。
【0004】このような金型装置を使用した、所定の発
泡ポリスチレンまたはポリエチレン樹脂などからなる発
泡成形体の生産工程は、金型装置の閉盤、予備発泡させ
た発泡性原料ビーズのキャビティ1内への充填、金型装
置内部の空気の排気、加熱用スチームによる発泡性原料
ビーズの発泡・融着、金型装置の冷却、金型装置の開
盤、発泡成形体の取り出し、等の工程、手順の繰り返し
からなるものである。本発明は、上記の加熱用スチーム
による発泡性原料ビーズの発泡融着処理の前工程である
金型装置内部の空気の排気工程の改良に係るものであ
り、従来から知られている発泡成形工程についてさらに
詳細に説明する。
【0005】特開昭57−174223号公報には、図
5の工程略図に示されるような発泡処理工程が記載され
ている。図中(a)(b)(c)(d)は、型内の空気
を排気しスチームと置換するために予備排気工程を示
し、(e)は、原料ビーズを融着させるための融着加熱
工程を示す。なお、この図では、黒塗りつぶしの弁記号
は閉鎖状態を、白抜きの弁記号は開放状態を示す。
【0006】それによると、(a)キャビティ1内に発
泡性原料ビーズを充填した後、ごく短時間、スチーム弁
41、51を開き、0.7〜1.3km/cm2 程度の
飽和スチームをチャンバ2、3に供給するとともに、吸
引弁42、52を開いて金型内の特にキャビティ内の空
気を吸引排出する。この場合、次の(b)工程で原料ビ
ーズ間の空気を短時間に排出できるように、原料ビーズ
間にも一旦スチームを侵入させるのが好ましく、このた
め、チャンバ2、3内をスチームでプラス圧に高めるよ
うに、スチームをタイマーで定めた所定短時間、例えば
2〜5秒間、供給するよう設定されている。
【0007】(b) 次に、スチーム弁41、51を閉
じたうえ、吸引弁42、52を通じた吸引排気操作を行
う。かくして金型内をマイナス圧の減圧状態にすれば、
原料ビーズ間の空間に存在していた空気もベントホール
21a、31aを経由して吸引、排出される。この操作
は、タイマーにより3〜5秒間継続され、チャンバ内圧
力はマイナス0.5kg/cm2 程度の減圧状態に到達
するよう設定されている。
【0008】(c) 次に、金型内がマイナス圧状態に
なったところで上記の吸引弁42、52を閉じて、一方
のスチーム弁51を開いてタイマーにより短時間、例え
ば3〜5秒間程度、スチームを供給して予備加熱の操作
を行う。この場合、チャンバ3に供給されたスチーム
は、キャビティ1の原料ビーズ間を透過してチャンバ2
にも流入することになり、僅かに残留していた原料ビー
ズ間の空気もスチームと置換されると同時に、金型各部
が加熱されることになる。そして通常は、スチームが供
給されるチャンバ3は、プラス圧、例えば0.5kg/
cm2 程度に達するが、反対側のチャンバ2は、0.3
kg/cm2 程度に達する。
【0009】(d) 次は操作(c)とは逆向きの予備
加熱操作であり、一方のスチーム弁51を閉じ他方のス
チーム弁41を開いて、同様な操作をタイマーにより短
時間、例えば3〜5秒間程度行う。そして、チャンバ2
側からチャンバ3側方向にスチームを透過させて操作
(c)とは逆向きに予備加熱して、金型内の空気を完全
に排除するとともに、双方のインサイド21、31の温
度が大きな差を生じないように加熱する。この場合に
は、チャンバ2側は、導入スチームの初期温度に近い温
度、例えば0.7kg/cm2 の飽和スチームの温度に
到達するとともに、チャンバ3側では若干低めの0.6
kg/cm2 程度まで上昇する。
【0010】(e) 最後に、双方のスチーム弁41、
51を開いた状態で、加熱用スチームを双方のチャンバ
2、3に供給して原料ビーズを加熱し、発泡を完了させ
るとともに相互に融着させ、発泡成形体を形成させる。
この操作では、チャンバ内圧を0.7〜1.3kg/c
2 (温度114℃〜120℃相当)とし、タイマーで
定めた所定の時間、例えば6〜15秒間、継続するよう
設定されている。
【0011】上記の吸引排気操作(b)、予備加熱操作
(c)、逆向きの予備加熱操作(d)が行われるとき
の、時間−圧力の関係の概要を図6に示す。この図では
操作(a)の部分を説明の都合上省略してある。先ず、
吸引排気操作(b)により、時間t1にはマイナス0.
5kg/cm2の減圧下の点aに到達した後、予備加熱
操作(c)に移行し、スチームが供給されるに従い圧力
が上昇し、時間t3に至って、スチーム供給側チャンバ
は点c1(0.5kg/cm2 )に、反対側チャンバは
点c2(0.3kg/cm2 )に到達する。
【0012】ここで、逆向きの予備加熱操作(d)に移
行し、スチーム供給側チャンバが入れ替わるので、圧力
は更に上昇し、時間t4に至って、それぞれは点d1
(0.6kg/cm2 )と点d2(0.7kg/c
2 )に到達するが、この点は、次工程である最後の加
熱操作(e)の始発点にほぼ近似する条件に達している
ので、そこで直ちに融着反応を推進する次段階の操作に
移行することができる。
【0013】このような方法は、発泡成形体の融着状態
の均一化に効果があったものの、未だ次のような問題が
残されていた。 (1)上記の予備加熱操作(c)および(d)におい
て、チャンバ間の圧力差を下記の理由で大きく設定でき
ないので、スチームの透過,流動が不充分となり、内在
空気を排除、置換しきれないことがあり、また、圧力差
を大きくしようとして、この予備加熱操作(d)の末期
の制御圧力を高めに設定すると、金型内で部分的に融着
温度に到達してしまう過熱現象が見られ、そのため原料
ビーズ相互に不均質な早期の融着反応が始まってしまう
ことがあった。その結果、その部分の断熱性が急激に上
昇して、さらに温度の偏りが助長されるという品質むら
の原因を助長する他、凸型、凹型のインサイドが均熱状
態に到達しにくいという問題もあった。
【0014】(2)上記のチャンバ間の圧力差を大きく
設定するには、吸引排気操作(b)において、減圧のマ
イナス圧をできるだけ大きくなるよう操作すれば一応達
成されるが、温度が異常に低下する過冷却状態となり、
工程時間を長くしなければならない、次工程の温度回復
に時間がかかる、加熱のためのエネルギロスが発生する
という致命的問題が生じるので、マイナス圧を浅く設定
せざるを得ないこととなり、その結果、上記の通り、チ
ャンバ間の圧力差を自由に大きく設定できないという問
題が付随していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、前記の予備加
熱操作(c)および(d)において、内在空気の排除を
より確実にできる、部分的な過熱現象を防止して原料ビ
ーズ相互の不均質な早期の融着反応を抑制する、両側の
インサイドの温度上昇の偏りを抑制するなどが可能とな
る発泡成形方法を提供する。さらには、前記の吸引排気
操作(b)において、減圧のマイナス圧をより小さく設
定しながら、内在空気のより確実な排気を可能とする発
泡成形方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の問題は、凸型およ
び凹型のインサイドにより包囲形成されたキャビティ内
に装填した発泡性原料ビーズを高温スチームで加熱して
発泡成形する方法において、その原料ビーズ相互を融着
させる工程の前工程として、前記原料ビーズ間の空気を
排気するための工程であって、チャンバ内をマイナス圧
に減圧する吸引排気操作と、それに続いて、一方のチャ
ンバから吸引しながら他方のチャンバに スチームを供給
してチャンバ内を加熱する吸引加熱操作とを含む工程を
設け、さらにその後に、チャンバからの吸引操作を停止
し、スチーム供給側チャンバの圧力をセンサで計測し
て、その圧力が実質的に大気圧に到達するまでスチーム
の供給を継続する加熱操作を付加したうえ、前記インサ
イドの裏面側に形成した一方のチャンバを大気と連通状
態とし、他方のチャンバにスチームを供給して前記キャ
ビティ内の原料ビーズ間にスチームを透過させる第1の
均熱操作と、大気に連通させるチャンバとスチームを供
給するチャンバとを入れ換えてスチームの透過方向を第
1の均熱操作とは反対方向に切り換えて、スチームを透
過させる第2の均熱操作を含む工程を設けたことを特徴
とする発泡成形方法、により解決することができる。
【0017】また、本発明は、前記の第1と第2の均熱
操作において、スチームを供給する側のチャンバの最高
圧力を前記原料ビーズの相互間に融着反応が生じない温
度域の蒸気圧に制御する態様に具体化することができ
る。
【0018】
【0019】さらに、上記の問題は、次のようなより具
体的な発明によって解決することができる。それは、前
記のように形成されたキャビティ内に装填したポリスチ
レンまたはポリエチレン系発泡性原料ビーズを高温スチ
ームで加熱して発泡成形する方法において、その原料ビ
ーズ相互を融着させる工程の前工程として、前記原料ビ
ーズ間の空気を排気するための工程であって、前記イン
サイドの裏面側に形成したチャンバ内を最大マイナス
0.3kg/cm2 までに減圧する吸引排気操作に続け
て、一方のチャンバから吸引しながら他方のチャンバに
スチームを供給する吸引加熱操作を行い、次いで吸引操
作を停止し、スチーム供給側チャンバの圧力が実質的に
大気圧に到達するまでスチームを供給する加熱操作を行
い、続いて一方のチャンバを大気に連通状態として他方
のチャンバにスチームを供給する第1の均熱操作と、大
気に連通させるチャンバとスチームを供給するチャンバ
とを第1の均熱操作とは反対に入れ換える第2の均熱操
作を行うとともに、その第1と第2の均熱操作のそれぞ
れにおいて、スチームが供給されるチャンバの最高圧力
を0.2〜0.6kg/cm2 の範囲内に制御して、前
記原料ビーズを相互間の融着反応の開始を抑止するとと
もに、前記原料ビーズとその周囲の金型部分を均熱状態
に到達させることを特徴とする発泡成形方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図1、2、3を参照しながら説明する。本発明は、キャ
ビティ1内に装填した発泡性原料ビーズを高温スチーム
で加熱して発泡成形する方法において、その原料ビーズ
相互を融着させる工程(図2の(チ)(リ))の前工程
であって、前記原料ビーズ間の空気を排気するための工
程の改良に係る発明であり、その1実施形態の工程を図
1(イ)〜(ト)の略図に示してある。
【0021】先ず、(イ)上部のスチーム弁41、51
と下部の吸引弁42、52を開き、スチームをチャンバ
2、3に、短時間、例えば1秒以下のごく短時間導入し
て内部の空気を吸引、排出する。引き続きスチームを導
入しつつ、下部の吸引弁42、52を閉じ、チャンバ
2、3内の空気をドレン弁43、53を開けて排除する
排気操作(ロ)を行い、次いで、下部吸引弁42、52
および上部吸引弁42b、52bを開いて、チャンバ内
をマイナス圧に、例えば最大マイナス0.3kg/cm
2 までに、減圧する吸引排気操作(ハ)を行う。そして
この吸引排気操作(ハ)に続けて、一方のチャンバ3か
ら吸引しながら他方のチャンバ2にスチームを供給する
吸引加熱操作(ニ)を行い、次いで、チャンバ3側に吸
引弁52を閉じ、圧力センサで圧力を計測しながらスチ
ーム供給側チャンバの圧力が実質的に大気圧、例えばマ
イナス0.05kg/cm2 に到達するまでスチームの
供給を継続する大気戻し操作(ホ)を行う。
【0022】この吸引排気操作(ハ)と吸引加熱操作
(ニ)は、特にキャビティ1内に装填した前記原料ビー
ズ間の空気を排気するための操作であって、圧力−時間
曲線を示すグラフ図3において、時間T1に点Aに至る
部分が前記吸引排気操作(ハ)に該当し、また同図3の
時間T1(点A)から時間T2(点B)に至る部分が前
記吸引加熱操作(ニ)と大気戻し操作(ホ)に該当す
る。
【0023】この吸引排気操作(ハ)においては、最大
マイナス圧を従来のようなマイナス0.5kg/cm2
まで減圧する必要はなく、マイナス0.3kg/cm2
未満の軽度の値に設定すれば十分である。その理由は、
次段階の操作である本発明の吸引加熱操作(ニ)は、従
来の予備加熱操作(c)のようなスチームは供給するが
チャンバ外に吸引排出しない形態ではなく、原料ビーズ
間を透過したスチームを吸引弁52から強制的に排出す
るので、最大マイナス圧を大きく設定しなくてもよくな
ったからである。そして、このように最大マイナス圧を
従来より少ない値に設定できることによって、この吸引
排気操作(ハ)の所要時間(0〜T1)を従来の時間
(0〜t1)に較べて大幅に短縮できる利点が得られ
た。
【0024】さらに、本発明の吸引加熱操作(ニ)にお
いては、上記の通り、原料ビーズ間を透過したスチーム
を吸引弁52から強制的に排出することにより、従来の
チャンバ外に吸引排出しない形態とは異なり、金型内の
残存空気をより確実に排除することができる利点が得ら
れるのである。
【0025】また、本発明では、前記吸引加熱操作
(ニ)の操作時間は、タイマ装置で制御し、それに続く
大気戻し操作(ホ)は、圧力センサで監視して、チャン
バの圧力が実質的に大気圧に、例えばマイナス0.05
kg/cm2 以上の圧力に回復したときに終了して、前
記した第1の均熱操作に移行する態様に具体化するのが
好ましい。
【0026】このように、吸引加熱操作(ニ)をタイマ
装置で制御するのは、目的とする発泡成形体の種類によ
っては、インサイド21、31に設けられているベント
ホールの通気孔が微細であってスチーム透過抵抗が大き
いものを使用する場合があり、そのような場合には、供
給スチームが十分に透過しないうちにチャンバ内圧が上
昇することがあり、圧力値だけで制御すると内在空気の
排除が不十分となるからである。また、大気戻し操作
(ホ)をチャンバの圧力が実質的に大気圧に回復したと
きに終了させるのは、次段階の第1の均熱操作(ヘ)に
おいて、供給するスチームを円滑に金型内を透過させる
ためである。
【0027】本発明の最も重要な特長的な工程は、この
実施形態では、前記操作(ハ)(ニ)(ホ)の後工程と
して行われるものであり、一方のチャンバ3をドレン弁
53を通じて大気に連通状態として他方のチャンバ2に
スチーム弁41を通じてスチームを供給して、スチーム
をチャンバ2からキャビティ1の原料ビーズ間を通じて
チャンバ3の方向へ透過させ、外部に排出する第1の均
熱操作(ヘ)と、大気に連通させるチャンバとスチーム
を供給するチャンバとを第1の均熱操作(ヘ)とは反対
に入れ換えて、前記と同様のスチームの動きを逆方向に
動作させる第2の均熱操作(ト)を行うところにある。
【0028】この第1と第2の均熱操作(ヘ)、(ト)
の関係について、図3のグラフを参照して説明すると、
前記吸引加熱操作(ニ)の終点Bから第1の均熱操作
(ヘ)に移行し、時間T3にはスチーム供給側チャンバ
は点C1に達するが、この間最大圧はPmax、例えば
0.3kg/cm2 を超えないよう制御されている。一
方、排出側チャンバは大気圧に近い圧に維持したまま点
C2に達する。次いで、第2の均熱操作(ト)に切り替
わり、先のスチーム供給側チャンバは排出側となって、
点C1から降圧して時間T4にはD1へ、先の排出側チ
ャンバはスチーム供給側チャンバに切り替わって、点C
2から昇圧して時間T4にはD2に達する。この間にお
いても、最大圧はPmax、例えば0.3kg/cm2
を超えないよう制御されている。
【0029】本発明のこの第1と第2の均熱操作
(ヘ)、(ト)においては、排出側チャンバを大気に連
通状態としていることから、従来の場合を示すグラフ図
5の場合とは異なり、スチーム供給側チャンバの最大圧
力(点C1および点D2に至る部分)をある所定の値を
超えないように設定しても、十分な差圧が得られるので
スチームの充分な流動を実現することができるうえ、ス
チームの透過方向を入れ替えてもスチームの流動性が低
下しないから、キャビティ内原料ビーズおよびそれを取
り巻くインサイドなど金型部品の全体の温度条件をほぼ
均熱状態に到達させることができる。その結果、従来の
ような部分的に突出した過熱部分を生じることもなく、
不均質な早期の融着反応を予防することが可能となる利
点が得られるのである。また、金型内に偏った温度分布
の生じるのが抑制されるので、後工程である図2の
(チ)(リ)の融着加熱工程において均質な融着反応が
進行するという利点をもたらすのである。
【0030】なお、上記の観点から、この第1と第2の
均熱操作(ヘ)、(ト)において、スチームを供給する
側のチャンバの最高圧力を前記原料ビーズの相互間に融
着反応が生じない温度域の蒸気圧、原料ビーズが汎用さ
れるポリスチレンまたはポリエチレン系の場合には好ま
しくは0.2〜0.6kg/cm2 の範囲内、に維持す
るよう制御するのが特に好ましい形態である。
【0031】
【発明の効果】本発明の発泡成形方法は、以上に説明し
たように構成されているので、特にその第1と第2の均
熱操作により、チャンバおよび原料ビーズ間の内在空気
のより確実な排除、原料ビーズ相互の不均質な早期の融
着反応の予防、各インサイドの偏った温度上昇の抑制が
可能となり、発泡成形体の厚さの異なる部分の不均質な
発泡融着、強度のバラツキ、部分的な膨れなどの変形な
ど品質不良を改善できる。さらに本発明の実施形態によ
れば、内在空気をより少ない所要時間でより確実に排除
することができるから、発泡成形工程の全サイクルタイ
ムの短縮に寄与できるという優れた効果がある。よって
本発明は従来の問題点を解消した発泡成形方法として、
その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための工程前半略
図。
【図2】本発明の実施形態を説明するための工程後半略
図。
【図3】実施形態によるチャンバ圧力−時間の関係の概
要を示すグラフ。
【図4】発泡成形金型装置の要部断面略図。
【図5】従来の発泡成形法を説明するための工程略図。
【図6】従来法によるチャンバ圧力−時間の関係の概要
を示すグラフ。
【符号の説明】
1 キャビティ 2、3 チャンバ 41、51 スチーム弁 42、52 吸引弁 43、53 ドレン弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−20262(JP,A) 特開 昭63−276530(JP,A) 特開 昭57−174223(JP,A) 特開 昭62−267129(JP,A) 特開 昭56−121744(JP,A) 特開 平7−276405(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 44/00 - 44/60 B29C 67/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸型および凹型のインサイドにより包囲
    形成されたキャビティ内に装填した発泡性原料ビーズを
    高温スチームで加熱して発泡成形する方法において、そ
    の原料ビーズ相互を融着させる工程の前工程として、
    記原料ビーズ間の空気を排気するための工程であって、
    チャンバ内をマイナス圧に減圧する吸引排気操作と、そ
    れに続いて、一方のチャンバから吸引しながら他方のチ
    ャンバにスチームを供給してチャンバ内を加熱する吸引
    加熱操作とを含む工程を設け、さらにその後に、チャン
    バからの吸引操作を停止し、スチーム供給側チャンバの
    圧力をセンサで計測して、その圧力が実質的に大気圧に
    到達するまでスチームの供給を継続する加熱操作を付加
    したうえ、前記インサイドの裏面側に形成した一方のチ
    ャンバを大気と連通状態とし、他方のチャンバにスチー
    ムを供給して前記キャビティ内の原料ビーズ間にスチー
    ムを透過させる第1の均熱操作と、大気に連通させるチ
    ャンバとスチームを供給するチャンバとを入れ換えてス
    チームの透過方向を第1の均熱操作とは反対方向に切り
    換えて、スチームを透過させる第2の均熱操作を含む工
    程を設けたことを特徴とする発泡成形方法。
  2. 【請求項2】 前記の第1と第2の均熱操作において、
    スチームを供給する側のチャンバの最高圧力を前記原料
    ビーズの相互間に融着反応が生じない温度域の蒸気圧に
    制御する請求項1に記載の発泡成形方法。
  3. 【請求項3】 凸型および凹型のインサイドにより包囲
    形成されたキャビティ内に装填したポリスチレンまたは
    ポリエチレン系発泡性原料ビーズを高温スチームで加熱
    して発泡成形する方法において、その原料ビーズ相互を
    融着させる工程の前工程として、前記原料ビーズ間の空
    気を排気するための工程であって、前記インサイドの裏
    面側に形成したチャンバ内を最大マイナス0.3kg/
    cm2までに減圧する吸引排気操作に続けて、一方のチ
    ャンバから吸引しながら他方のチャンバにスチームを供
    給する吸引加熱操作を行い、次いで吸引操作を停止し、
    スチーム供給側チャンバの圧力が実質的に大気圧に到達
    するまでスチームを供給する加熱操作を行い、続いて一
    方のチャンバを大気に連通状態として他方のチャンバに
    スチームを供給する第1の均熱操作と、大気に連通させ
    るチャンバとスチームを供給するチャンバとを第1の均
    熱操作とは反対に入れ換える第2の均熱操作を行うとと
    もに、その第1と第2の均熱操作のそれぞれにおいて、
    スチームが供給されるチャンバの最高圧力を0.2〜
    0.6kg/cm2 の範囲内に制御して、前記原料ビー
    ズを相互間の融着反応の開始を抑止するとともに、前記
    原料ビーズとその周囲の金型部分を均熱状態に到達させ
    ることを特徴とする発泡成形方法。
JP09206451A 1997-07-31 1997-07-31 発泡成形方法 Expired - Fee Related JP3083497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09206451A JP3083497B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 発泡成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09206451A JP3083497B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 発泡成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1148345A JPH1148345A (ja) 1999-02-23
JP3083497B2 true JP3083497B2 (ja) 2000-09-04

Family

ID=16523601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09206451A Expired - Fee Related JP3083497B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 発泡成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3083497B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1148345A (ja) 1999-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0435555B1 (en) Method for vulcanising an elastomeric product
US6800227B1 (en) Material bead charging method, synthetic resin mold foam forming method using this method, and mold foam formed product obtained by this method
US5100597A (en) Method for the manufacture of molded objects of foamed, thermoplastic synthetic material
KR900001905B1 (ko) 발포수지제 컵의 성형방법 및 성형장치
JP3083497B2 (ja) 発泡成形方法
JPH0825230B2 (ja) 内周面上の発泡セルを破裂させた中空成形品及びその製造方法
JPH1177704A (ja) エラストマー物品加硫方法及び加硫装置
JP4090105B2 (ja) 発泡成形方法
EP1153723B1 (en) Method of moulding an elastomeric article
EP3967471A1 (en) Kit for molding polymeric manufactured articles
JP6755613B2 (ja) 発泡樹脂製品の成形方法
EP1262309B1 (en) Mould and method for moulding a foamed filling for a tire
JP3148689B2 (ja) 発泡成形用スチームの供給装置および発泡成形方法
JPH1148344A (ja) 発泡成形方法
JPH1148343A (ja) 発泡成形方法
JPS6145940B2 (ja)
JPH05104649A (ja) 発泡樹脂の発泡成形方法
JPH11138575A (ja) 高密度のスキン層を持つ成形体の製造方法
JPH11309734A (ja) 発泡成形方法
JPH05116150A (ja) 空気入りタイヤの加硫方法
JPH0632344Y2 (ja) 原料充填器を備えた発泡成形機
JP2562102B2 (ja) ポリオレフィン発泡体の製造方法
CN113829577A (zh) 充气鞋底生产方法、充气鞋底及模具
JPS6342844A (ja) 発泡樹脂製カツプの成形方法
JPS63137815A (ja) 熱硬化性樹脂の圧縮成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000616

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120630

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees