JP3082904B2 - カートリッジ用収納ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク，光磁
気ディスク，フロッピィディスクなどのディスク状媒体
またはデジタルコンパクトカートリッジ（ＤＣＣ）など
のテープ状媒体を備えたカートリッジなどを収納，運
搬，保管するために用いられるカートリッジ用収納ケー
スに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カートリッジは運搬、保管並び
に販売上、収納ケースに入れられて取扱われており、こ
の収納ケースとしては、上下２分割のカバー体で構成さ
れ、一側面に形成れる開口からカートリッジを出し入れ
し、カートリッジの脱落防止のために内部にカートリッ
ジの段差部に対して弾性的に係合する係合手段としてバ
ネ部材を備えたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来の収納ケース
では、図７及び図８に示すようにケースＰに備える弾性
係合手段としてバネ部材Ｑが別部品でケースＰに装着さ
れて組立設けられているために、部品点数が多いばかり
か、ロック力等にバラツキが生じやすいし、脱落事故も
あって信頼性に問題があり、しかも組立性も悪く、生産
作業上煩雑でコスト高となり、生産性も上げられない欠
点があった。本発明は、これら従来の欠点を排除しよう
とするもので、カートリッジ収納ケースとして取扱上に
安全性を高め、組立性も良好でコストを著しく低減し、
生産性を大巾に向上できるカートリッジ用収納ケースと
することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、カートリッジ
を収納しうるケースが、二分割された上下ケースを組立
て構成したものであって、該上下ケースは一側面に開口
を、他の三方の側面には側壁を有し、この上下ケースを
組立てたときに上下ケースの各側壁が重合して収納ケー
スの側壁を形成すると共に、一側面部がカートリッジ出
し入れ用開口部となっており、かつ収納されるカートリ
ッジにある段差部に弾性的に係合する保持部を備えた収
納ケースにおいて、前記開口部の左右両側の側壁には、
内側にある側壁の内面より突出する保持部を一体成形し
て、該保持部をカートリッジの段差部に弾性的に係合す
る前記保持部としたものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】このカートリッジ用収納ケースで
は、開口よりカートリッジを出し入れして用いられる
が、カートリッジを開口から押し込むと、カートリッジ
段差部がケース内部に突設される保持部に当接されて弾
性的変形で係合され、カートリッジをケース内でロック
状態で保持し、安全にケース内に保管することができ
る。また、カートリッジを収納ケースから取り出すとき
には、開口の切欠に出ているカートリッジの一端をつま
んで引き出せば、保持部が変形して段差部より外れ、ス
ムーズにスライドしてカートリッジを抜き出すことがで
き、取扱上簡便である。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図１乃至図６の例で説明す
ると、カートリッジａを収納しうるケースが二分割され
た上下ケース１，２を組立て構成したものであって、カ
ートリッジａの出入用開口３をケース一側面に備え、か
つ収納されるカートリッジａにある段差部ｂに弾性的に
係合する保持部４を備えた収納ケースにおいて、前記上
下ケース１，２を組立てたときケース側壁１，２は重合
して収納ケースの側壁を形成し、ケース一側面がカート
リッジ出し入れ用開口部３となっている。

【０００７】この場合、前記保持部４としては、カート
リッジａの出入れ方向と直交する方向にケースの内側側
壁の内面より一体形成で突設されている円弧凸面４_１
のある突部を用いてあり、該凸部４_１ が曲率Ｒとした
とき、カートリッジａの段差部ｂに係合する侵入量をｄ
としたとき曲率Ｒ≧ｄ×３とするのが、円滑な係合操作
ができて好適である。 （図２）また、前記保持部４
は、カートリッジａの段差部ｂと係合する係合部から離
れている外側のケース内面側に一体に突設するのがよ
い。（図３）上下ケース１，２の嵌合側壁１_１ ，２
_１ は内外位置は自由に選べるが、該側壁のうち図３の
例では外方にある側壁２_１ を持っている下ケース２に
保持部４を設けてある。

【０００８】なお、上下ケース１，２は一側面に開口３
を形成し、他の三方の側面にある側壁１_１ ，２_１ を
凹凸係合部６で嵌合状態で組立て一体結合できるように
してあって、開口３側にはカートリッジａの一端が露出
しうる切欠１３を形成して、つまみやすいようにしてあ
る。また、前記ケース内部において、前記保持部４に対
向する面に滑り面のあるガイド部５を突設してあって、
カートリッジａを挿入した際に、保持部４側へカートリ
ッジａを寄せてロック状態を維持するために役立ててあ
る。さらに、前記上下ケース１，２の側壁１_１ ，２
_１ の摺合面には必要に応じ係支用のスライド式凹凸部
７，８で差込結合できる形態とするのも有効である。
（図６）

【０００９】なお、弾性変形する保持部４は、金型にお
いてアンダーカットとなるが、凹凸係合部と同様のスラ
イドコアで形成することにより、金型構造は従来と同じ
構成で作ることができるので、特に複雑になるというこ
とはなく、成形上有用である。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、カートリッジを収納しうるケ
ースが、二分割された上下ケースを組立てて構成したも
のであって、該上下ケースの一側面部に開口を、他の三
方の側面には側壁を有し、この上下ケースを組立てて各
側壁が重合して収納ケースの側壁を形成すると共に、一
側面部が開口部を形成し、収納されるカートリッジにあ
る段差部に弾性的に係合する保持部を備えた収納ケース
において、前記保持部が上下ケースのケース側壁に一体
成形したことにより、弾性変形する保持部を有するケー
スの製造金型は、保持部のない従来の金型に保持部形成
用のスライドコアを用いるだけで単純であり、特別の複
雑構造の金型を用いる必要がないので成形上有用であ
る。また、安全性の高いロック係合手段のあるケースの
組立を著しく良好すると共に、ロック機構である弾性保
持部が直接取扱者の指に触れることなく使用者がいじっ
て折損したり、みだりにロックが外れて脱落する虞れが
ないし弾性保持部のへたりもなく、カートリッジの保管
維持に対する信頼性を大幅に高められるし、部品点数を
少なくしてロック力のバラツキもなく、円滑な出し入れ
操作が保証され、カートリッジでの取扱上に安全性を高
め、組立性も良好でコストを著しく低減し、生産性を大
巾に向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す一部切欠平面図である。

【図２】図１の例の一部の拡大詳細平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線における拡大縦断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線における拡大縦断面図である。

【図５】図１のＣ−Ｃ線における拡大縦断面図である。

【図６】図１のＤ−Ｄ線における拡大縦断面図である。

【図７】従来例の一部の拡大詳細平面図である。

【図８】図７の例の分離状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

ａ カートリッジ ｂ 段差部 １ 上ケース ２ 下ケース ３ 開口 ４ 保持部 ４_１ 凸面 ５ ガイド部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 幸夫 東京都中央区日本橋一丁目13番１号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−278758（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−305989（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−179483（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−31094（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートリッジを収納しうるケースが、二
   分割された上下ケースを組立て構成したものであって、
   該上下ケースは一側面に開口を、他の三方の側面には側
   壁を有し、この上下ケースを組立てたときに上下ケース
   の各側壁が重合して収納ケースの側壁を形成すると共
   に、一側面部がカートリッジ出し入れ用開口部となって
   おり、かつ収納されるカートリッジにある段差部に弾性
   的に係合する保持部を備えた収納ケースにおいて、前記
   開口部の左右両側の側壁には、内側にある側壁の内面よ
   り突出する保持部を一体成形して、該保持部をカートリ
   ッジの段差部に弾性的に係合する前記保持部としたこと
   を特徴とするカートリッジ用収納ケース。
2. 【請求項２】 前記保持部が、カートリッジの出入れ方
   向と略直交する方向にケース側壁内面より突設されてい
   る円弧凸面のある突部である請求項１記載の収納ケー
   ス。
3. 【請求項３】 前記保持部が、曲率Ｒを持った凸面のあ
   る突部であって、カートリッジの段差部に係合する侵入
   量をｄとしたとき曲率Ｒ≧ｄ×３とした請求項１または
   ２記載の収納ケース。