JP3081315B2 - 吸収冷凍機の制御方法 - Google Patents

吸収冷凍機の制御方法

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JP3081315B2 JP03301232A JP30123291A JP3081315B2 JP 3081315 B2 JP3081315 B2 JP 3081315B2 JP 03301232 A JP03301232 A JP 03301232A JP 30123291 A JP30123291 A JP 30123291A JP 3081315 B2 JP3081315 B2 JP 3081315B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷/暖房運転などに使
用する吸収冷凍機の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、再生器、凝縮器、蒸発器、吸
収器などを配管接続して構成される吸収冷凍機が冷房装
置や給湯・暖房装置として汎用されており、特開昭62
−116871号公報にはこのような吸収冷凍機の安全
装置として、発生器内の液温、蒸気圧、液位、また、冷
温水路の温度、流量などの物理量を測定し、所定のデー
タ処理を行って異常が検出されると、警報を発する構成
とした運転異常報知装置の提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭6
2−116871号公報に提案された吸収冷凍機の運転
異常報知装置には、各種物理量を測定する検出手段自身
の異常については全く考慮されていないため、検出手段
に異常が生じて正確な測定が行われなくなっていても気
が付き難いと云った問題点がある。
【0004】特に、温度検出手段が所定位置から脱落し
たり、破損して測定不能になっていたりすると、実際に
は温度が正常に上昇していても温度検出手段はこれより
低い温度を測定して制御装置に誤った情報を送信するこ
とがあり、制御装置からは高温再生器の燃焼量を絞った
り、燃焼を停止させたりする制御信号を全く出力するこ
とができないばかりか、逆に燃料供給を増やして燃焼を
盛んにすると云った制御信号が出力され、高温再生器を
損傷したり、火災事故を起こすと云った懸念があり、こ
の点の解決が課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
課題を解決するためになされたもので、再生器、凝縮
器、蒸発器、吸収器などを配管接続して構成される直火
型吸収冷凍機の制御方法において、熱交換して高温再生
器から排出される排ガスの燃焼時間に対する温度勾配を
求め、この温度勾配に基づいて排ガスの温度検出手段の
異常を判別し、異常時に吸収冷凍機に運転停止信号を出
力することを特徴とする吸収冷凍機の制御方法であり、
再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器などを配管接続して構
成される直火型吸収冷凍機の制御方法において、熱交換
して高温再生器から排出される排ガスの燃焼開始時の温
度が予め設定した温度以下であるとき、前記排ガスの燃
焼開始後の燃焼時間に対する温度上昇の値を求め、この
値に基づいて排ガスの温度検出手段の異常を判別し、異
常時に吸収冷凍機に運転停止信号を出力することを特徴
とする吸収冷凍機の制御方法を提供することにより、前
記した従来技術の課題を解決するものである。
【0006】
【作用】冷房負荷などを受けて高温再生器をガスバーナ
などによって加熱するとき、高温再生器の吸収液と熱交
換されて排気管などを介して排出される排ガスの温度
は、時間の経過と共に上昇するが、温度検出手段に何ら
かの異常が生じて正確な測定が不可能になっていると、
時間に対する温度勾配が予め設定した所定値より過大と
なったり、過小となったりする。特に、温度検出手段が
所定の設置場所から脱落したり、壊れて測定不能になっ
ていると、所定の温度勾配より極めて小さい温度勾配で
しか温度上昇することがない。このため、燃焼開始後の
温度上昇勾配が設定値以下で、且つ燃焼開始時の排ガス
温度が設定温度以下であれば、温度測定手段に何らかの
異常が発生して実際の温度が正確に測定されていないと
して、吸収冷凍機(高温再生器)を保護するために運転
を停止させる制御信号が出力される。
【0007】
【実施例】図1は、一実施例の装置構成例を示すもの
で、高温再生器1、低温再生器2、凝縮器3、蒸発器
4、吸収器5、高温熱交換器6、低温熱交換器7、およ
び吸収液(例えば、臭化リチウム水溶液)を循環させる
ためのポンプP1と冷媒液(例えば、水)を循環させる
ためのポンプP2とが配管接続されて、吸収冷凍機の主
要部が構成されている。
【0008】前記高温再生器1にはバーナ11と排気管
14とが設けられ、バーナ11にはガスなどの燃料を供
給するための燃料供給管12が制御弁13を介して連結
され、排気管14にはバーナ11で燃焼し、高温再生器
1の吸収液と熱交換して排出される排ガスの温度を測定
する温度検出手段(例えば、CA熱電対)15が設置さ
れている。そして、温度検出手段15が測定する排ガス
の温度データを受けてデータ処理を行い、この結果に基
づいて前記制御弁13の開度を調整する信号を出力し、
バーナ11の燃焼量を制御することのできる制御装置1
6が接続されている。
【0009】冷房あるいは暖房負荷などが増加して吸収
冷凍機に運転指令が与えられると、制御装置16は、温
度検出手段15による排気管14内の排ガス(長時間使
用していなかった時には単なる空気となる)の温度測定
と、制御弁13を冷暖房負荷の大きさに対応する開度に
開いて燃料をバーナ11に供給し、バーナ11で燃焼さ
せる操作を同時に、あるいは前後して行う。運転指令を
受けて最初に測定した排ガス温度T1 が予め設定した温
度、例えば80℃以下であると、その温度を制御装置1
6のメモリー部(図示せず)に一時的に記憶する。そし
て、燃焼開始の例えば30分後に温度検出手段15を作
動させ、排気管14の排ガス温度T2 を測定し、燃焼開
始後30分間の温度上昇勾配が予め設定した勾配、例え
ば40℃/30分より大きく符号のように上昇してい
れば、排気管14を通って排出されている排ガスの温度
は温度検出手段15によって正しく測定しているとし
て、以後、通常の冷温水制御が行われる。
【0010】しかし、運転指令を受けて測定した最初の
排ガス温度T1 が予め設定した温度80℃以下で、しか
も燃焼開始後30分間の温度上昇が例えば3℃であり、
温度上昇勾配が符号のように予め設定した40℃/3
0分以下であると、温度検出手段15が排ガス温度を正
しく測定していないことになり、制御装置16からの指
令によって制御弁13を閉じ、バーナ11への燃料供給
を完全に遮断して高温再生器1の加熱を停止させ、吸収
冷凍機の運転を非常停止させる。また、燃焼開始の所定
時間(例えば、30分)後の排ガス温度と燃焼開始時の
排ガス温度との差、すなわち、温度上昇の値を求め、こ
の値が所定温度以下のとき、高温再生器1の加熱を停止
するようにしても良い。
【0011】なお、運転指令を受けて最初に測定した排
ガス温度T1 が予め設定した温度80℃より高い場合に
は、前回の燃焼から間がないので温度検出手段15は正
常に作動していると判断して、温度検出手段15の異常
を判別する上記の操作は行わない。
【0012】本発明の上記制御方法を採用した吸収冷凍
機においては、例えば温度検出手段15が所定の位置か
ら脱落したり、温度検出手段15が熱電対などから構成
され、長期間の使用によって温接点側が劣化したり、途
中で短絡したりしていると、温度検出手段15は実際よ
り小さい温度勾配しか検出しなくなるので、燃焼開始後
の排ガスの温度上昇勾配を監視することで、温度検出手
段15の異常を容易に検出することができる。したがっ
て、従来の安全装置のように制御弁13が開いて高温再
生器1が盛んに加熱されているにも拘らず、温度検出手
段15が測定する低い排ガス温度に基づいて、制御弁1
3を開けて更に加熱を盛んにするようにとの誤った制御
信号が出力される懸念がないので、高温再生器1の過熱
防止が図られ、高温再生器1の保護と共に火災事故の発
生を未然に防止することができる。
【0013】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではないので、特許請求の範囲記載の趣旨を逸脱しな
い種々の変形実施が可能である。例えば、図3のように
燃焼開始後、例えばt1 間の排ガスの温度勾配(上昇温
度幅で表示)を正常域A、継続監視域B、異常域Cの三
領域に分け、温度上昇勾配が正常域Aにあれば通常の冷
温水制御を開始し、異常域Cにあれば直ちに運転を非常
停止させ、継続監視域Bのときには、さらにt2 −t1
間の温度上昇勾配を観察し、所定の温度勾配を超えて排
ガス温度が上昇する領域Dのときには通常の冷温水制御
を行い、所定の温度勾配以下でしか上昇しない領域Eの
ときに非常停止させると云った二重監視制御方式とする
ことも可能である。このように燃焼開始後の温度上昇勾
配を一次と二次、あるいは三次以上に分けて監視する場
合には、時間の取り方にもよるが一般に温度勾配は次第
に小さく設定する。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明になる吸収
冷凍機の制御方法によれば、排ガス温度を測定する温度
検出手段に劣化、破損、短絡(熱電対の場合)や脱落な
どがあって排ガス温度が正常に検出されなくなると、温
度検出手段の異常が自動的に検知されて吸収冷凍機の運
転が非常停止されるので、高温再生器が異常に加熱され
て損傷を受けたり、火災事故を起こすと云った懸念がな
くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の構成を示す説明図である。
【図2】制御方法の一例を示す説明図である。
【図3】他の制御例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 高温再生器 2 低温再生器 3 凝縮器 4 蒸発器 5 吸収器 6 高温熱交換器 7 低温熱交換器 11 バーナ 12 燃料供給管 13 制御弁 14 排気管 15 温度検出手段 16 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 15/00 306 F25B 49/02 570 F25B 49/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器などを
    配管接続して構成される直火型吸収冷凍機の制御方法に
    おいて、熱交換して高温再生器から排出される排ガスの
    燃焼時間に対する温度勾配を求め、この温度勾配に基づ
    いて排ガスの温度検出手段の異常を判別し、異常時に吸
    収冷凍機に運転停止信号を出力することを特徴とする吸
    収冷凍機の制御方法。
  2. 【請求項2】 再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器などを
    配管接続して構成される直火型吸収冷凍機の制御方法に
    おいて、熱交換して高温再生器から排出される排ガスの
    燃焼開始時の温度が予め設定した温度以下であるとき、
    前記排ガスの燃焼開始後の燃焼時間に対する温度上昇の
    値を求め、この値に基づいて排ガスの温度検出手段の異
    常を判別し、異常時に吸収冷凍機に運転停止信号を出力
    することを特徴とする吸収冷凍機の制御方法。
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JP5967407B2 (ja) * 2012-01-30 2016-08-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 吸収式冷温水機

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