JP3080529B2 - 四輪駆動トラクタの輪距調節方法及び輪距調節装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動トラクタの輪
距調節方法及び輪距調節装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】トラクタの輪距は、例えば畝間に適応さ
せるため或いは狭い場所での走行を可能にするために調
節できるようにしてある。この輪距を調節する装置とし
て、車軸を伸縮自在な構造とすると共に車軸の伸縮をピ
ンによって固定するようにしたもの、ディスクの裏返し
とディスクとリムの取付け位置の変更とを組み合わせて
調節するようにしたもの等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記のものにあって
は、車輪の輪距調節作業が煩雑で面倒であるという問題
がある。また、車輪の移動が容易なものとして、車軸の
伸縮を油圧シリンダによって行い得るようにしたものも
あるが、コスト高になるばかりでなく、操向輪に採用す
るとタイロッドの調節が必要となり、輪距調節作業が煩
雑になる。そこで、これらの欠点がないものとして、車
輪のリム側に螺旋形レールを設ける共に、車軸に固定の
ディスク側に螺旋形レールに摺動・固定自在に嵌合する
クランパーを設け、螺旋形レールとクランパーとの固定
を解除し、車軸を回転駆動させることで、リムとディス
クとを相対回転させてクランパーを螺旋形レールに沿っ
て摺動させ、これによってリムをディスクに対して車輪
の回転軸心方向に移動させるようにした螺旋レール式輪
距調節手段がある。

【０００４】しかしながら、螺旋レール式輪距調節手段
を四輪駆動トラクタの車輪、例えば前輪に採用すると、
輪距調節しようとしても、後輪によって車体を介して前
輪のタイヤが押されて回転し、したがって、リムとディ
スクとが略同調して回転し、輪距調節が行えないことと
なる。そこで本発明は、四輪駆動トラクタにおいて、左
右一対の前車輪と左右一対の後車輪とが回転駆動される
とき、前車軸と前車輪との間に速度差をもたせることに
よって、迅速かつ正確に輪距調節を可能にしたことを目
的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成するために次の技術的手段を講じている。請求項１
に係る本発明では、左右一対の後車輪７、７とともに駆
動可能な左右一対の前車輪１７、１７に螺旋レール式輪
距調節手段２１、２１を備え、前輪デフ装置１４へ動力
を伝達する前車輪伝達系に減速機構１９を備え、前記輪
距調節手段２１、２１を解放状態にして四輪駆動でトラ
クタを進行させ、前記減速機構１９により前輪デフ装置
１４を減速し、前車輪１７、１７が後車輪７、７と略同
調回転するときよりも遅い速度で前車軸１６を回転駆動
して輪距調節することを特徴とする四輪駆動トラクタの
輪距調節方法である。

【０００６】請求項２に係る本発明では、左右一対の後
車輪７、７とともに駆動可能な左右一対の前車輪１７、
１７に螺旋レール式輪距調節手段２１、２１を備え、前
輪デフ装置１４へ動力を伝達する前車輪伝達系に動力切
換装置１２と、この動力切換装置１２と前輪デフ装置１
４との間に配置したブレーキ手段４４とを備え、前記輪
距調節手段２１、２１を解放状態にしてトラクタを進行
させ、前記ブレーキ手段４４により前輪デフ装置１４を
減速又は停止して輪距調節することを特徴とする四輪駆
動トラクタの輪距調節方法である。

【０００７】請求項３に係る本発明では、左右一対の後
車輪７、７に輪距調節手段９、９を備え、左右一対の前
車輪１７、１７の輪距調節をするとき、左右前車輪１
７、１７に対応して左右一対の後車輪７、７を同じ方向
に輪距調節することを特徴とする請求項１又は２に記載
の四輪駆動トラクタの輪距調節方法である。請求項４に
係る本発明では、左右一対の後車輪７、７とともに駆動
可能な左右一対の前車輪１７、１７に螺旋レール式輪距
調節手段２１、２１を備え、前輪デフ装置１４へ動力を
伝達する前車輪伝達系に減速機構１９を備え、前記輪距
調節手段２１は、リム２３と車軸１６に固定のディスク
２４とを、相対回転・固定自在で且つ相対回転によって
リム２３がディスク２４に対して軸心方向に移動するよ
うに結合しており、前記減速機構１９は、前車輪１７が
後車輪７、７と略同調回転するときよりも遅い速度で前
車軸１６を回転させて、トラクタの四輪駆動進行によっ
てリム２３とディスク２４とを相対回転させるように構
成していることを特徴とする四輪駆動トラクタの輪距調
節装置である。

【０００８】請求項５に係る本発明では、左右一対の後
車輪７、７とともに駆動可能な左右一対の前車輪１７、
１７に螺旋レール式輪距調節手段２１、２１を備え、前
輪デフ装置１４へ動力を伝達する前車輪伝達系に動力切
換装置１２と、この動力切換装置１２と前輪デフ装置１
４との間に配置したブレーキ手段４４とを備え、前記輪
距調節手段２１は、リム２３と車軸１６に固定のディス
ク２４とを、相対回転・固定自在で且つ相対回転によっ
てリム２３がディスク２４に対して軸心方向に移動する
ように結合しており、前記ブレーキ手段４４は、前車輪
１７が後車輪７ 、７と略同調回転するときよりも遅い速
度で前車軸１６を回転又は停止させて、トラクタの進行
によってリム２３とディスク２４とを相対回転させるよ
うに構成していることを特徴とする四輪駆動トラクタの
輪距調節装置である。

【０００９】

【作用】左右一対の前車輪１７，１７の輪距を調節する
には、先ず前車輪１７に備えている螺旋レール式輪距調
節手段２１を解放しておく。すなわち、前車輪１７のリ
ム２３とディスク２４とを固定しているクランパー２７
を解除してリム２３とディスク２４とが相対回転し得る
ようにしておくとともに、前車輪伝達系１１に備えた減
速手段１９により、前車輪１７が後車輪７、７と略同調
回転するときよりも遅い速度で前車軸１６を回転するよ
うに設定しておく。

【００１０】次いで、トラクタを前進或いは後進させる
と、前車輪１７は後車輪７に押され或いは引かれて後車
輪７と略同調して回転しようとするが、前車軸１６はこ
れより遅く回転するので、前車軸１６と前車輪１７との
間で速度差が生じ、リム２３とディスク２４とが相対回
転し、これによって、リム２３がディスク２４に対して
前車輪１７の回転軸心方向Ｂに移動して輪距が調節され
る。この前車輪１７の輪距調節のとき、左右一対の後車
輪７，７についても同時に同じ方向に輪距調節できる
し、輪距調節後は、クランパー２７でリム２３とディス
ク２４を固定する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図１〜図１０は本発明の第１実施例を示し、四輪駆
動トラクタの走行動力伝達系の構成図を示している図１
において、１はエンジンで、該エンジン１からクラッチ
２を介して走行変速装置３に動力が伝達されるようにな
っている。この走行変速装置３はベベルピニオン軸４を
介して後輪デフ装置５に連動連結され、後輪デフ装置５
は左右の終減速装置６等を介して左右の後車輪７に連動
連結されており、各後車輪７が駆動されるようになって
いる。また、後輪デフ装置５と終減速装置６との間には
後車輪７を制動するブレーキ装置８が介装されていると
ともに、該後車輪７は油圧式輪距調節手段９によって輪
距調節可能である。

【００１２】前記ベベルピニオン軸４にはギヤー列１０
を介して前車輪伝達系となる中間軸１１が連動連結さ
れ、この中間軸１１には動力切換装置１２を介して推進
軸１３が連動連結され、推進軸１３は前輪デフ装置１
４、左右の終減速装置１５、左右の前車軸１６等を介し
て左右の前車輪１７に連動連結されており、ベベルピニ
オン軸４からの動力により各前車輪１７が駆動されるよ
うになっている。動力切換装置１２はギヤー伝動機構か
らなる前輪増速機構１８と減速機構１９とを備えると共
に、これら機構（手段）１８，１９を選択する油圧クラ
ッチ２０を備えてなる。そして、油圧クラッチ２０を前
輪増速機構１８側に接続すると、前車輪１７が後車輪７
よりも速い周速で回転し、油圧クラッチ２０を減速機構
１９側に接続すると、前車輪１７が後車輪７より遅い周
速で回転するよう構成されている。この油圧クラッチ２
０の切換スイッチは運転席近傍の操縦部に設けられる。

【００１３】図２〜図６を参照すると左右一対の前車輪
１７には螺旋レール式輪距調節手段２１が備えられてい
る。図２において、前車輪（以下、単に前輪という）１
７はタイヤ２２と、タイヤを装着するリム２３と、前車
軸１６の外端に取付固定されるディスク２４とを備えて
なる。図３にも示すように、リム２３の内周面には複数
本（本実施例では４本）の螺旋形レール２５が固着され
ており、ディスク２４には螺旋形レール２５に摺動自在
に嵌合するコ字形の嵌合部２６が形成されたクランパー
２７が螺旋形レール２５に対応した個数（４個）取付け
られている。

【００１４】図４及び図５にも示すように、ディスク２
４のクランパー取付部分には左右方向外方側から凹部２
８が形成され、この凹部２８にクランパー２７が嵌合さ
れている。そして、クランパー２７及びディスク２４
を、前輪１７の回転軸心と平行な方向に貫通するボルト
２９及びこれに螺合するナット３０を介して、クランパ
ー２７がディスク２４に取付けられている。また、凹部
２８及びクランパー２７の前輪１７径方向内方側は、左
右方向外方に向けて前輪１７径内方向に傾斜状とされて
いて、ボルト２９の締付けによって、クランパー２７の
嵌合部２６が螺旋形レール２５側に押圧されて、ディス
ク２４と螺旋形レール２５とが固定されるようになって
いる。

【００１５】さらに、凹部２８の内面の前輪１７回転方
向前後の面は、クランパー２７に対して極小間隙を介し
て対面（或いは接当）しており、これによって、クラン
パー２７のボルト２９軸心廻りの動きが規制されるよう
になっている。前記螺旋形レール２５は断面四角形の棒
材からなり、図２、図６及び図９に示すように、左右両
前輪１７ともに、前進回転方向Ａ後方から前方に向けて
左右方向外側方から内側方に移行するように形成されて
いる。また、複数本の螺旋形レール２５の内一本のレー
ルは、図６に示す如く両端部に輪距最大、最小を決定す
るストッパ３１，３２が固着され、中間部にコ字形スト
ッパ３３をボルト３４で固定するための挿通孔３５が形
成されている。

【００１６】図７を参照すると、油圧式輪距調節手段９
が示してあり、後車軸３５は内軸３５Ａと外軸３５Ｂと
をスプライン結合して伸縮自在であり、外軸３５Ｂの外
端に後輪ディスク７Ａが固定されている。外軸ハウジン
グ３６は後車軸ハウジング３７に左右方向出入自在とし
て挿入され、該外軸ハウジング３６にこれと一体として
出入するシリンダチューブ３８が取付けてあり、該チュ
ーブ３８はガイド筒４３に嵌合されているとともに、油
路を兼ねている固定ピストンロッド３９のピストン４０
が嵌合され、図８に示した作業機昇降用油圧装置Ｒの切
換バルブＶに、左右切換バルブＶ２を設けてポート４１
から油圧を作用すると伸長し、ポート４２から油圧を作
用すると縮小するようになっている。

【００１７】前記構成において、前輪１７の輪距を調節
するには、左右両前輪１７における調節手段２１におけ
るクランパー２７を固定するボルト２９を緩めると共
に、動力切換装置１２の油圧クラッチ２０を前輪減速機
構１９側に接続させておく。次いで、トラクタを前進さ
せると、前輪１７は後輪７に押されて後輪７と同調して
回転しようとするが、前車軸１６は、前輪１７を後輪７
よりも遅い周速で回転させるように回転するので、後輪
７と略同調回転する前輪１７との間に速度差が生じ、リ
ム２３に対してディスク２４が前進回転方向Ａに回転す
ることとなり、クランパー２７が螺旋形レール２５に沿
って相対的に摺動して、左右両前輪１７のリム２３がデ
ィスク２４に対して図９で示す如く回転軸心Ｂ方向外側
方に同時に移動する。また、逆にトラクタを後進させる
と、前記とは逆の作用で、左右両前輪１７のリム２３が
ディスク２４に対して回転軸心Ｂ方向内側方に同時に移
動する。

【００１８】したがって、前車軸１６の前進回転によっ
て前輪１７の輪距が広くなり、前車軸１６の後進回転に
よって前輪１７の輪距が狭くなる。また、前記した前輪
１７の輪距調節中において、クランパー２７が螺旋形レ
ール２５上を相対摺動する際、凹部２８の内面の前輪１
７回転方向前後の面によって、クランパー２７のボルト
２９軸心廻りの動きが規制され、これによって、クラン
パー２７がこじれることなくスムースに螺旋形レール２
５上を相対摺動するようになっている。

【００１９】前述した前輪１７の輪距調節に際して、後
輪７の油圧式調節手段９を同じ方向に作動することによ
って、前後輪１７，７が同時に調節される。そして、調
節後はコ字形ストッパ３３をボルト３４で挿通孔３５を
介して固定するとともに、クランパー２７を締上げるこ
とによって所定の輪距において固定される。なお、前記
螺旋形レール２５は、図１０で示すように左右一方の前
輪１７では、前進回転方向Ａ後方から前方に向けて左右
方向外側方から内側方に移行するように形成し、他方の
前輪１７では、前進回転方向Ａ後方から前方に向けて左
右方向内側方から外側方に移行するように形成されてい
るものであってもよい。

【００２０】この場合、前輪１７が左右兼用されると云
うメリットがあるが、輪距調節は片輪ずつ行われる。図
１１および図１２は、前輪伝達系にブレーキ手段４４を
設けて、輪距調節に際して該ブレーキ手段４４を作動し
て、前車軸１６の回転を後輪７と略同調する前輪１７の
回転よりも遅らせて（減速又は停止）、前後輪１７，７
に周速差を付与した第２実施例であり、その他の構成は
図１〜１０を参照して既述した構成と同じであり、共通
部分は共通符号で示している。

【００２１】図１１は、ブレーキ手段４４を推進軸１３
上に設けた例であり、図１２は前輪デフ装置１４の左右
デフ出軸にブレーキ手段４４を左右独立して設けてい
る。ここで、ブレーキ手段４４は、機械式（内拡式、外
拡式、ディスク式、バンド式等）でも油圧式のいずれで
あってもよい。なお、前述した各実施例において、動力
切換手段１２の選択手段２０は、油圧式ではなく、機械
クラッチ式、シンクロメッシュ式等であっても構わな
い。また、前輪１７は操向輪であって、枕地旋回のとき
は増速手段１８にしておくことにより、小回り旋回を可
能とする。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、前輪
デフ装置へ動力を伝達する前輪動力伝達系に減速手段又
はブレーキ手段を設けて、後輪と略同調回転する前輪と
前車軸との間に速度差をもたせることによって、四輪駆
動トラクタの輪距調節を迅速かつ確実に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す全体構成図である。

【図２】螺旋レール式輪距調節手段の分解斜視図であ
る。

【図３】螺旋レール式輪距調節手段の正面図である。

【図４】螺旋レール式輪距調節手段の要部正面図であ
る。

【図５】螺旋レール式輪距調節手段の要部断面図であ
る。

【図６】螺旋レール式輪距調節手段のレール部分を示す
平面図である。

【図７】油圧式輪距調節手段を示す断面図である。

【図８】油圧式輪距調節手段の作動説明図である。

【図９】第１実施例の調節状態の１を示す説明図であ
る。

【図１０】第１実施例の調節状態の２を示す説明図であ
る。

【図１１】本発明の第２実施例を示す全体構成図であ
る。

【図１２】本発明の第３実施例を示す全体構成図であ
る。

【符号の説明】

７ 後車輪 １１ 前輪伝達系 １７ 前車輪 １９ 減速手段 ２１ 螺旋レール式輪距調節手段 ２３ リム ２４ ディスク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 功 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 堂園 英昭 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 西別府 英 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 森兼 賢二 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭60−110507（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−61204（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−61205（ＪＰ，Ａ) 特公 昭39−22304（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60B 35/10 B60B 35/14 B60B 23/12

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右一対の後車輪（７）（７）とともに
   駆動可能な左右一対の前車輪（１７）（１７）に螺旋レ
   ール式輪距調節手段（２１）（２１）を備え、前輪デフ
   装置（１４）へ動力を伝達する前車輪伝達系に減速機構
   （１９）を備え、前記輪距調節手段（２１）（２１）を
   解放状態にして四輪駆動でトラクタを進行させ、前記減
   速機構（１９）により前輪デフ装置（１４）を減速し、
   前車輪（１７）（１７）が後車輪（７）（７）と略同調
   回転するときよりも遅い速度で前車軸（１６）を回転駆
   動して輪距調節することを特徴とする四輪駆動トラクタ
   の輪距調節方法。
2. 【請求項２】 左右一対の後車輪（７）（７）とともに
   駆動可能な左右一対の前車輪（１７）（１７）に螺旋レ
   ール式輪距調節手段（２１）（２１）を備え、前輪デフ
   装置（１４）へ動力を伝達する前車輪伝達系に動力切換
   装置（１２）と、この動力切換装置（１２）と前輪デフ
   装置（１４）との間に配置したブレーキ手段（４４）と
   を備え、前記輪距調節手段（２１）（２１）を解放状態
   にしてトラクタを進行させ、前記ブレーキ手段（４４）
   により前輪デフ装置（１４）を減速又は停止して輪距調
   節することを特徴とする四輪駆動トラクタの輪距調節方
   法。
3. 【請求項３】 左右一対の後車輪（７）（７）に輪距調
   節手段（９）（９）を備え、左右一対の前車輪（１７）
   （１７）の輪距調節をするとき、左右前車輪（１７）
   （１７）に対応して左右一対の後車輪（７）（７）を同
   じ方向に輪距調節することを特徴とする請求項１又は２
   に記載の四輪駆動トラクタの輪距調節方法。
4. 【請求項４】 左右一対の後車輪（７）（７）とともに
   駆動可能な左右一対の前車輪（１７）（１７）に螺旋レ
   ール式輪距調節手段（２１）（２１）を備え、前輪デフ
   装置（１４）へ動力を伝達する前車輪伝達系に減速機構
   （１９）を備え、前記輪距調節手段（２１）は、リム
   （２３）と車軸（１６）に固定のディスク（２４）と
   を、相対回転・固定自在で且つ相対回転によってリム
   （２３）がディスク（２４）に対して軸心方向に移動す
   るように結合しており、前記減速機構（１９）は、前車
   輪（１７）が後車輪（７）と略同調回転するときよりも
   遅い速度で前車軸（１６）を回転させて、トラクタの四
   輪駆動進行によってリム（２３）とディスク（２４）と
   を相対回転させるように構成していることを特徴とする
   四輪駆動トラクタの輪距調節装置。
5. 【請求項５】 左右一対の後車輪（７）（７）とともに
   駆動可能な左右一対の前車輪（１７）（１７）に螺旋レ
   ール式輪距調節手段（２１）（２１）を備え、前輪デフ
   装置（１４）へ動力を伝達する前車輪伝達系に動力切換
   装置（１２）と、この動力切換装置（１２）と前輪デフ
   装置（１４）との間に配置したブレーキ手段（４４）と
   を備え、前記輪距調節手段（２１）は、リム（２３）と
   車軸（１６）に固定のディスク（２４）とを、相対回転
   ・固定自在で且つ相対回転によってリム（２３）がディ
   スク（２４）に対して軸心方向に移動するように結合し
   ており、前記ブレーキ手段（４４）は、前車輪（１７）
   が後車輪（７）と略同調回転するときよりも遅い速度で
   前車軸（１６）を回転又は停止させて、トラクタの進行
   によってリム（２３）とディスク（２４）とを相対回転
   させるように構成していることを特徴とする四輪駆動ト
   ラクタの輪距調節装置。