JP3080444U - 商品陳列用吊下げ具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 余分な部品を用いずにフック片に吊るして陳
列してある商品台紙などの盗難を防ぐ。 【解決手段】 吊下げ片７の上下方向複数箇所に、商品
台紙などの吊り孔９１に挿通される短冊形のフック片７
２を切起し形成する。差込口７４をフック片７２の切起
し箇所の上側に形成する。フック片７２の先端部を差込
口７４に差し込んだときに、その差込口７４に係止して
フック片７２を抜止めする抜止め部を設ける。吊下げ片
７を透明なプラスチックシート片で形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、商品陳列用吊下げ具、特に複数の小物商品を縦に並べて陳列する場 合に用いられる商品陳列用吊下げ具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図９〜図１１に従来の商品陳列用吊下げ具を示してある。図９の吊下げ具は孔 部１２を有する縦長の吊下げ片１でなり、商品台紙３に開設されている吊り孔３ １と吊下げ片１の孔部１２とを通した吊り具２を吊下げ片１に取り付けるように してある。図１０の吊下げ具は、縦長のプラスチックシート片でなる吊下げ片４ の上下方向複数箇所に短いフック片４１が切起し形成されていて、これらのフッ ク片４１に商品台紙（不図示）や商品を収容した小袋（不図示）を吊るすように してある。図１１の吊下げ具は、縦長の吊下げ片５の表面にフック５１を粘着剤 や接着剤で接合してなり、そのフック５１に商品台紙（不図示）や商品を収容し た小袋（不図示）を吊るすようにしてある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

図９〜図１１で説明した従来の商品陳列用吊下げ具において、図９で説明した ものは、吊下げ片１から吊り具２を取り外さない限り商品台紙３を吊下げ片１か ら取り外すことができないという理由により盗難予防効果に優れている。しかし 、その反面で、吊り具２の取付け取外しに手間がかかるだけでなく、吊り具２が 余分に必要であるので価格が高くつくという問題があった。

【０００４】 図１０で説明したものは、図９や図１１で説明したような吊り具２やフック５ １を余分に用いる必要がないので価格が安くて済むという利点がある反面で、吊 下げ片４に切起し形成したフック片４１に商品台紙などをただ単に吊るして陳列 するようになっているに過ぎないので、商品を吊下げ片４から簡単に取り外すこ とができる。そのため、取り外しにくくして盗難を予防するという観点からの対 策が講じられていないという問題があった。

【０００５】 図１１で説明したものは、図９のものと同様に吊り具２が余分に必要であるの で価格が高くつくという問題があった。また、吊下げ片５に貼着したフック５１ に商品台紙などをただ単に吊るして商品を陳列するようになっているに過ぎない ので、商品を吊下げ片５から簡単に取り外すことができる。そのため、取り外し にくくして盗難を予防するという観点からの対策が講じられていないという問題 があった。

【０００６】 本考案は以上の状況の下でなされたものであり、余分な部品を用いなくて済む ようにして価格を安く抑えることができるものでありながら、吊るした商品台紙 や商品小袋を取り外しにくくして盗難を予防するという観点からも一定の効果を 発揮させることのできる商品陳列用吊下げ具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る商品陳列用吊下げ具は、シート状吊下げ片の上下方向複数箇所に 、商品台紙などに具備された吊り孔に挿通される短冊形のフック片が切起し形成 されていて、曲り変形させたフック片の先端部を差し込み可能な差込口がそれぞ れのフック片の切起し箇所に隣接して形成されていると共に、上記フック片の先 端部に、上記差込口に差し込まれたときにその差込口に係止してフック片を抜止 めする抜止め部が一体に備わっている。ここで、「商品台紙など」には、商品を 保持させてある台紙が含まれることは勿論、商品を入れた小袋、吊り孔を備えた 商品自体、その他の商品と一体に取り扱われる吊り孔を備えた物品が含まれる。

【０００８】 この吊下げ具によると、たとえば商品台紙などの吊り孔に挿通させたフック片 の先端部を差込口に差し込むと、そのフック片の先端部に備わっている抜止め部 が差し込み口に係止してフック片の先端部が差込口から抜け落ちることがなくな る。そのため、複数の商品台紙などを吊下げ片の上下方向複数箇所に吊るして陳 列することができる。また、フック片の抜止め部を差込口から抜き出さない限り 商品台紙などを吊下げ片から取り外すことができないため、吊るした商品台紙な どを取り外しにくくして盗難を予防することができるという作用が発揮される。

【０００９】 この考案において、フック片の抜止め部は、フック片の先端部に具備された幅 広部によって形成することができるほか、フック片の先端部を山形やＬ字形など の形状に折り曲げることによっても形成することができる。そのため、商品の購 入者が商品台紙などをフック片から取り外すときには、フック片を引張るだけで その抜止め部を差込口から抜き出すことができ、購入者にとっては商品台紙など を吊下げ片から取り外しやすいという利点がある。抜止め部を山形やＬ字形など の形状に折り曲げることによって形成するものでは、吊下げ片がプラスチックシ ート片でなることが望ましく、そうしておくと、フック片の先端部を折り曲げて 形成した抜止め部が、折り曲げた初期形状にほぼそのまま保形されて良好な抜止 め作用が発揮される。

【００１０】 本考案では、上記差込口がそれぞれのフック片の切起し箇所の上側に形成され ていることが望ましい。これによれば、フック片を上方に曲り変形させてその先 端部を差込口に差し込み、抜止め部で抜止めしておくことができるので、フック 片に吊るした商品台紙などの重さがフック片の基部で主に受け止められるように なり、抜止め部と差込口との係止箇所に加わる商品台紙などの重さが軽減される ので、商品台紙などの重さで抜止め部が差込口から抜け出てしまうといった事態 が起こりにくい。

【００１１】 本考案では、上記吊下げ片が透明なプラスチックシート片でなることが望まし い。これによれば、複数の吊下げ片を前後方向で重なり状に吊り下げた場合に、 前側の吊下げ片に吊るされていた商品台紙などが取り外された箇所からその後側 の吊下げ片に吊るされている商品台紙などが見えるようになるので陳列効果が向 上する。

【００１２】 本考案では、上記吊下げ片の上端部に、吊り具に嵌合可能な吊下げ孔が備わり 、上記フック片の先端部がこの吊下げ孔に差込可能であると共に、そのフック片 の先端部の上記抜止め部が、上記吊下げ孔に差し込まれたフック片の先端部を抜 止めする機能を備えていることが望ましい。これによれば、複数の吊下げ片を前 後方向で重なり状に吊り下げた場合に、前側または後側の吊下げ片のフック片を 他の１つ又は複数の吊下げ片の吊下げ孔に差し込むことによって、それらの吊下 げ片がフック片で連結されることになる。そのため、吊下げ片に吊るした商品台 紙などを吊下げ片ごと盗むという行為を行いにくくなり、そのことが商品台紙な どの盗難防止に役立つ。

【００１３】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る商品陳列用吊下げ具の使用状態を示した一部破断側面図、 図２は他の使用状態を示した説明図、図３は吊下げ片７の要部を拡大した斜視図 である。図１において、６は陳列棚などに備わっている支持杆、７は吊下げ片、 ９は商品台紙であり、商品台紙９には商品がパックされている。

【００１４】 吊下げ片７は、縦長で比較的腰の強いプラスチックシート片でなり、その上端 部に開設されている吊下げ孔７１を支持杆６に嵌め込むことによってその支持杆 ６に吊り下げられている。この吊下げ片７の上下方向複数箇所には、短冊形のフ ック片７２…が切起し形成されている。図３に詳細に示したように、このフック 片７２は、その先端部に先細形状の幅広部を備えており、この幅広部が抜止め部 ７３として形成されている。また、それぞれのフック片７２の切起し箇所に隣接 する箇所、たとえば図３に示したように切起し箇所の上側に真直ぐな切り目でな る差込口７４が横長に形成されている。この差込口７４の長さは上記抜止め部７ ３の横幅よりも少し短くなっていることが望ましい。そして、図１のように、商 品台紙９の吊り孔９１に挿通させたフック片７２を上方にループさせることによ って曲り変形させ、そのフック片７２の先端部を差込口７４に差し込んである。 こうしておけば、図３で類推できるように、フック片７２の抜止め部７３が差込 口７４に形成してフック片７２を抜止めする。なお、抜止め部７３の横幅が差込 口７４の横幅より長くても、その抜止め部７３を変形させながら差込口７４に押 し込むようにすると、抜止め部７３を容易に差込口７４に差し込むことができる 。

【００１５】 それぞれのフック片７２に対して上記の操作を行うと、図１のように各フック 片７２…に商品台紙９…を１つずつ吊るして陳列することができる。この形態で 商品が陳列されていると、フック片７２を引張って抜止め部７３を差込口７４か ら抜き出せない限り、商品台紙９を吊下げ片７から取り外すことができない。そ のため、吊下げ片７を吊るした商品台紙９などを取り外しにくくして盗難を予防 するという目的を達成することができる。その反面で、商品の購入者が商品台紙 ９を吊下げ片７から取り外すときには、フック片７２を引張って抜止め部７３を 差込口７４から抜き出すという単純な行為を行うだけでよい。

【００１６】 この実施形態では、フック片７２の先端部に具備させた幅広の抜止め部７３の 横幅を差込口７４の横幅よりも少し長くして抜止め作用を発揮させるようにして あるけれども、この点は、たとえば、幅広の抜止め部７３を差込口７４の横幅よ りも少し短くしておき、差込口７４に差し込んだ抜止め部７３を捩じったり折り 曲げたりして差込口７４に係止し得る形状に変形しておいてもよく、そのように しておくと、フック片７２の先端部を差込口７４に差し込みやすくなるという利 点がある。また、フック片７２の先端部に幅広部を形成しておかなくても、抜止 め部をそのフック片７２に具備させることができる。図４はその一例を示した拡 大断面図であり、同図のフック片７２は、その形状が長手方向のどの部分でも同 一幅の短冊形に形成されていて、差込口７４に差し込んだフック片７２の先端部 をＬ字形などの形状に折り曲げることによって差込口７４に係止可能な形状の抜 止め部７３を形成してある。また、図５は他の例を示した拡大斜視図であり、同 図のフック片７２は、その形状が長手方向のどの部分でも同一幅の短冊形に形成 されていて、差込口（不図示）に差し込んだフック片７２の先端部を山形などの 形状に折り曲げることによって差込口に係止可能な形状の抜止め部７３を形成し てある。

【００１７】 また、この実施形態では、差込口７４がフック片７２の切起し箇所の上側に形 成されているので、フック片７２に吊るした商品の重さがフック片７２の基部７ ２ａ（図３参照）で主に受け止められるようになり、抜止め部７３と差込口７４ との係止箇所に加わる商品の重さが軽減される。そのため、商品の重さで抜止め 部７３が差込口７４から抜け出て商品が脱落するといった事態が起こりにくいと いう利点がある。

【００１８】 上記吊下げ片７を形成しているプラスチックシート片は透明であることが望ま しい。これによれば、図２のように、複数の吊下げ片７…を前後方向で重なり状 に吊り下げた場合に、前側の吊下げ片７ａに吊るされていた商品台紙９が取り外 された箇所からその後側の吊下げ片７ｂに吊るされている商品台紙９が見えるよ うになって陳列効果が向上するという利点がある。

【００１９】 図６及び図７はさらに他の使用状態を示した説明図である。これらの使用状態 を採用するためには、フック片７２の先端部が、吊下げ片７に開設されている吊 下げ孔７１に差込可能であると共に、そのフック片７２の先端部の抜止め部７３ が、吊下げ孔７１に差し込まれたフック片７２の先端部を抜止めする機能を備え ていることが望ましい。このような要求は、図８に示したように、フック片７２ の抜止め部７３を幅広部によって形成しておくことにより満たされる。この吊下 げ片７を用いると、図６のように複数の吊下げ片７を前後方向で重なり状に吊り 下げた場合に、前側または後側（図例では前側）の吊下げ片７のフック片７２を その後側の吊下げ片７の吊下げ孔（図８参照）に差し込むことによって、前後２ つの吊下げ片７，７がフック片７２によって連結される。このため、それぞれの 吊下げ片７のフック片７２をその後側の吊下げ片７の吊下げ孔（図８参照）に差 し込むことによって、１つの支持杆６に吊り下げられている複数の吊下げ片７を 連結しておくことができ、こうしておくと、吊下げ片７に吊るした商品を吊下げ 片７ごと盗むという行為が行われにくくなって、商品の盗難防止に役立つ。図６ の使用状態では、１つのフック片７２によって２つの吊下げ片７，７を連結して あるけれども、この点は、たとえば図７のように、１つのフック片７２を複数の 吊下げ片７の吊下げ孔７１（図８参照）に差し込むようにすると、１つのフック 片７２で複数の吊下げ片７を連結することができるようになる。

【００２０】 この実施形態では、差込口を切り目によって形成してあるけれども、差込口は 、スリットや丸孔などの他の形態にしておくことも可能である。

【００２１】 また、この実施形態では、吊下げ片に縦一列に並ぶフック片を形成してるけれ ども、横幅の広い吊下げ片に縦横に並べてフック片を形成しておいてもよい。ま た、差込口の形成箇所はフック片の切起し箇所の上側に限定されない。たとえば 、差込口をフック片の切起し箇所の横に形成しておいてもよい。さらに、フック 片の横長に切起し形成しておいてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、吊下げ片に切起し形成したフック片の先端部 をその吊下げ片の差込口に差し込んで抜止めするようにしてあるので、余分な部 品を用いずにフック片に吊るして陳列してある商品台紙などの盗難を防ぐことが できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る商品陳列用吊下げ具の使用状態を
示した一部破断側面図である。

【図２】他の使用状態を示した説明図である。

【図３】吊下げ片の要部を拡大した斜視図である。

【図４】フック片の先端部を折り曲げて形成した抜止め
部の一例を示した拡大断面図である。

【図５】フック片の先端部を折り曲げて形成した抜止め
部の他の例を示した拡大断面図である。

【図６】さらに他の使用状態を示した説明図である。

【図７】さらに他の使用状態を示した説明図である。

【図８】吊下げ片の吊下げ孔にフック片の先端部を差し
込んだ状態を拡大して示した斜視図である。

【図９】従来の吊下げ具の使用状態を示した一部破断側
面図である。

【図１０】従来の他の吊下げ具の縦断側面図である。

【図１１】従来のさらに他の吊下げ具の側面図である。

【符号の説明】

７ 吊下げ片 ７１ 吊下げ孔 ７２ フック片 ７３ 抜止め部 ７４ 差込口 ９１ 吊り孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状吊下げ片の上下方向複数箇所
   に、商品台紙などに具備された吊り孔に挿通される短冊
   形のフック片が切起し形成されていて、曲り変形させた
   フック片の先端部を差し込み可能な差込口がそれぞれの
   フック片の切起し箇所に隣接して形成されていると共
   に、上記フック片の先端部に、上記差込口に差し込まれ
   たときにその差込口に係止してフック片を抜止めする抜
   止め部が一体に備わっていることを特徴とする商品陳列
   用吊下げ具。
2. 【請求項２】 上記差込口がそれぞれのフック片の切起
   し箇所の上側に形成されている請求項１に記載した商品
   陳列用吊下げ具。
3. 【請求項３】 上記吊下げ片がプラスチックシート片で
   なり、上記フック片の抜止め部は、そのフック片の先端
   部を折り曲げることによって形成することができるよう
   になっている請求項１又は請求項２に記載した商品陳列
   用吊下げ具。
4. 【請求項４】 上記吊下げ片が透明なプラスチックシー
   ト片でなる請求項１ないし請求項３のいずれかに記載し
   た商品陳列用吊下げ具。
5. 【請求項５】 上記吊下げ片の上端部に、吊り具に嵌合
   可能な吊下げ孔が備わり、上記フック片の先端部がこの
   吊下げ孔に差込可能であると共に、そのフック片の先端
   部の上記抜止め部が、上記吊下げ孔に差し込まれたフッ
   ク片の先端部を抜止めする機能を備えている請求項１な
   いし請求項４のいずれかに記載した商品陳列用吊下げ
   具。