JP3080002U - 高所作業車の支持装置 - Google Patents

高所作業車の支持装置

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JP3080002U JP2001001063U JP2001001063U JP3080002U JP 3080002 U JP3080002 U JP 3080002U JP 2001001063 U JP2001001063 U JP 2001001063U JP 2001001063 U JP2001001063 U JP 2001001063U JP 3080002 U JP3080002 U JP 3080002U
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正人 黒滝
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ローラーを接地させて車両を支持しながら車
両を走行させて高所作業を行う場合に、ローラの接地面
圧が部分的に過度に高まることを防止すること。 【解決手段】 車輪を有した走行可能な車両上に旋回台
やブームを取り付け、ブームの先端に作業台を取り付
け、車両の側部に車両を支持する複数のジャッキを設け
て、高所作業車が構成される。これらジャッキの下端に
車両の走行方向に回転可能にローラ18を取り付け、ロ
ーラ18を接地させて車両を支持するとともに車輪も接
地させた状態で車輪を駆動して車両を走行可能である。
そして、ローラ取付部材22を揺動可能にして、ローラ
18接触面が路面形状に追従するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、トラック車両のような走行可能な車両上に、例えば旋回、起伏、伸 縮作動が自在なブーム等からなる昇降装置を配設し、この昇降装置により作業台 を昇降移動させるように構成された高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような高所作業車として、例えば、昇降装置を構成するブームの旋回、起 伏、伸縮作動を行わせてブームの先端に取り付けられた作業台を所望高所に移動 させ、作業台に搭乗した作業者により高所作業を行うように構成されたものが一 般的に知られている。このようにして高所作業を行う場合、作業台の移動に伴っ て作業台およびブームから車体に作用する転倒モーメントが変化するため、車両 の側部に車両を支持するために複数のジャッキを設け、高所作業時にはこれらジ ャッキを接地させて車体を安定支持するように構成されている。この高所作業車 は一般的に、ジャッキにより車体を持ち上げ支持するときには走行用車輪が地面 から浮き上がり、車両は制止して走行が出来ないようになっており、ブーム(昇 降装置)を車体上に格納した状態でのみジャッキによる支持を解除(ジャッキを 格納)して車両を走行させることが出来るようになっている。
【0003】 ところで、道路に沿って架線の点検・修理を行う場合や、トンネル内の天井、 側壁等の点検・修理を行う場合等には、上記のようにブームを格納してジャッキ を格納しなければ車両を走行移動できないようにしたのでは、作業効率が低いと いう問題がある。このため、ジャッキの下端に回転自在なローラを取り付け、ロ ーラを接地させてジャッキによる車両の支持を行うとともに、車輪も接地状態に して車輪を駆動して車両を走行可能とした高所作業車が提案されている。このよ うな高所作業車を用いれば、ローラを接地してジャッキによる車両の支持を行っ た状態でローラの回転によりジャッキを路面上で移動させることが可能であるた め作業台を所望高所に移動させた状態のまま車両を走行させて作業を行うことが でき、作業効率が高い。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながらこれまで用いられてきた下端に車両の走行方向に回転可能なロー ラを配設したジャッキでは、ローラの回転軸が水平を為すように固定してあった ためローラの円筒形状の下端と路面との接触は、原理的に路面が水平でなけば線 接触とならず点接触となってしまい、そのためその接触点に車体側からの加重に よる応力が過剰に集中してまうという問題があった。このような場合、例えばロ ーラを接地させてジャッキにより車両を支持し、ローラを回転させながら車両を 走行させて高所作業を行うような場合に、ローラの走行路面に対する接地面圧が 走行路面の許容面圧を越えてしまい路面がへこんだり、損傷したりするおそれが あった。とりわけ路肩等で路面が部分的に傾斜しているような場合、ローラ、路 面の双方に損傷を与えてしまうおそれがあった。
【0005】 本考案はこのような問題に鑑みたもので、ローラを接地させて車両を支持しな がら車両を走行させて高所作業を行う場合に、ローラの接地面圧が部分的に過度 に高まることを防止できる高所作業車の支持装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的達成のため、本考案においては、車輪を有して走行可能な車両上に昇 降装置(例えば、実施形態における旋回台4やブーム5)を配設し、この昇降装 置により作業台を昇降移動させて高所作業が可能となし、さらに車両の側部に車 両を支持する複数のジャッキを設けて、高所作業車を構成し、これらを複数のジ ャッキのそれぞれの下端にローラ取付部材が車幅方向に揺動自在に取り付けられ ており、そのローラ取付部材に車両の走行方向に回転可能にローラを配設し、こ れらローラを接地させてジャッキにより車両を支持し、ローラを回転させながら 車両を走行させることが可能なようにしている。このように、ローラ取付部材が 車幅方向に揺動自在であることによって、ローラ接触面が路面形状に追従する高 所作業車の支持装置が構成される。
【0007】 このような構成の高所作業車の支持装置を用いれば、(例えば下記の実施例に 見るように、)複数のジャッキのうち少なくとも1つが傾斜面上を走行するよう な場合においても、その傾斜面上を走行するローラはローラ取付部材が揺動して その傾斜面に追従して走行するので、ローラの下端とその傾斜路面との実質的接 触面積を広くさせることができ、面圧力の局所的増大を緩和して、ローラ、路面 双方の損傷(降伏)が防止することが出来る。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下、図面を参照して本考案に係る好ましい実施形態について説明する。図1 に本考案に係る支持装置を備えた高所作業車を示している。この高所作業車1は 、運転キャビン2aと走行用前後輪3a、3bを有して走行自在となったトラッ ク車両をベースとして構成され、後輪3bを駆動して走行可能である。
【0009】 この車両の車体2上に旋回モータ(図示せず)により駆動されて水平旋回自在 となった旋回台4が配設され、旋回台4には起伏シリンダ6により起伏自在とな ったブーム5が枢結されている。ブーム5は、旋回台4に枢結された基端ブーム 5a内に中間ブーム5bおよび先端ブーム5cを入れ子式に組み合わされて構成 され、内臓の伸縮シリンダ(図示せず)により伸縮自在となっている。先端ブー ム5cの先端部には上下方向に揺動自在に支持部材7が取り付けられ、この支持 部材7の上に首振り装置8を介して作業台9が水平旋回(首振り作動)自在に取 り付けられている。なお、先端ブーム5cと支持部材7との間にはレベリング装 置(図示せず)が配置されており、レベリング装置によりブーム5の起伏に拘わ らず作業台9が常に水平に保持される。
【0010】 作業台9の上に作業者が搭乗して高所作業等を行うのであるが、このときに作 業者が操作して作業台9の移動操作を行うための操作装置10が作業台9に設け られている。このため、作業台9に搭乗した作業者は、操作装置10の操作レバ ー11などを操作して、旋回台4の旋回作動、ブーム5の起伏および伸縮作動、 作業台9の首振り作動等を行わせて作業台9を所望高所に移動させ、高所作業を 行うことができる。
【0011】 このように高所作業を行うときに、前後輪3a、3bのみによっては車体2を 安定支持するのが難しいため、車体2の前後左右の四カ所にアウトリガジャッキ 15が設けられている。アウトリガジャッキ15はそれぞれ、車幅方向に伸縮自 在なアウトリガビーム12に固設されたアウターボックス16と、アウターボッ クス16内に収納されて内蔵のジャッキシリンダ(図示せず)により下方に伸縮 自在となったインナーポスト17と、インナーポスト17の下端に取り付けられ て車両進行方向に回転自在なローラ18とから構成される。高所作業を行うとき には、ジャッキシリンダにより、インナーポスト17を下方に伸長させてローラ 18を図示のように接地させ、アウトリガジャッキ15により車体2を安定支持 する。
【0012】 このアウトリガジャッキ15による車体2の支持は、図2に示すように、ロー ラ18が接地した状態で前後輪3a、3bも接地した状態で支持(これを走行可 能支持と称する)と、前後輪3a、3bが完全に浮き上がった状態として行う支 持(これを完全支持と称する)とがある。このため、各アウトリガジャッキ15 にはインナーポスト17の伸長位置を検出するジャッキ位置センサが設けられて おり、このセンサの検出値に基づいてジャッキシリンダの伸縮制御を行い、走行 可能支持を行ったり、完全支持を行ったりする。
【0013】 走行可能支持はアウトリガビーム12によりアウターポスト16を車幅方向外 側に張り出した状態では通常行わず、アウターポスト16が車幅方向に格納され た状態で許容されるようになっている。すなわち、アウトリガジャッキ15が車 体幅内に収まった状態で走行可能支持が許容される。完全支持を行うときには、 ローラ18の下に専用ジャッキベース(図示せず)をおいて路面に対する面圧を 低下させるようになっているが、これについての説明は省略する。
【0014】 次に、図3を用いて従来のインナーポスト17に固定されたローラ18を配設 したジャッキと本考案に係るローラ18を配設したジャッキの構造について説明 する。図3(a)には従来のインナーポスト17に固定されたローラ18を配設 した走行可能なジャッキの構造を示している。この場合ローラ取付部材22がイ ンナーポスト17に固定されているため、図3のように路肩等で路面形状が傾斜 している場合、ローラ18の円筒部の下端が路面と未接触な部分ができてしまう (図3(a))。このために残余の接触部分には加重による接触面圧(応力)が 集中してしまい、接触面積や路面の状態(アスファルト舗装路面の場合、コンク リート舗装路面の場合、土の路面の場合など)によってはローラ18が傷ついて しまったり、路面がくぼんだり、陥没したり、損傷したりしてしまう危険性を持 っている。
【0015】 図3(b)に示されている本考案に係るインナーポスト17に揺動自在に回転 中心20で枢結されたローラ18を配設した走行支持可能なジャッキでは、路肩 等で路面が傾斜を持つ場合でも、ローラ18の下端に取り付けられたローラ取付 部材が揺動してローラ面をその路面形状に追従させるので、ローラ18と路面の 接触領域が大きくなり、局所的に接触面圧が高まることもなくなる。このためロ ーラ18や路面に許容を越えた接触面圧がかかりにくいので、ローラ18や路面 の双方の損傷(降伏)を免れることができる。
【0016】 しかしながら、インナーポスト17に枢結されたローラ取り付部材22が無制 限に揺動自在であると、路面の傾きが急である場合、ローラ取付部材22が回転 中心20に対して上向きに反転してしまい走行機能や安定支持性を失ったり、ロ ーラの回転面と路面との車幅方向の静止摩擦力が限界を迎え制動不能となったり して危険性が飛躍的に増大してしまい、最悪転倒を招きかねない。このことを防 止するため、図4に示した本考案に係るローラ18付ジャッキの詳細図にあるよ うに回転ストッパ21を設け、ローラ取り付部材22の揺動に制限を設けた。こ れにより過度の傾斜追従による危険性を回避している。
【0017】 なお、これまで高所作業車に対して本考案に係る車幅方向に揺動可能なローラ 取付部材22やそのローラ取付部材に取り付けられた車両走行方向に走行可能な ローラ18を具備した車体支持装置を用いていきたが、この支持装置は上記構成 の高所作業車以外にも応用は可能であって、(例えば橋架に対する作業車(オー バーフェンス車)等に対しても応用は可能である)ジャッキにて安定性を確保す るものであればよく、車両である必要もない。
【0018】 また、走行可能支持としてジャッキの下端にローラ18を具備したジャッキに て支持しさらに作業車の車輪を接地したままにして車輪の駆動力をもって走行す るものとしたが、上記完全支持状態でローラ自身が油圧モータや電動モータ等に て自走しても構わない。
【0019】 さらに、走行可能支持では通常上記実施例にて示したようにアウトリガビーム 12からアウターポスト16を車幅方向外側に張り出した状態では行わないが、 アウトリガビーム12によりアウトリガジャッキ15が車幅方向外方に張り出し た状態での作業も行うことが可能であり、張り出すことを前提とした(高所)作 業車を構成しても構わない。
【0020】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、ローラ取付部材22が路肩等の傾斜形 状部に対して追従して常にローラ18の下端全体で接触することにより、車両の 荷重による接触面圧(応力)の高まりを緩和することができ、ローラ18と路面 双方の損傷を軽減・回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る高所作業車の支持装置により支持
された走行可能支持状態にある高所作業車の側面図であ
る。
【図2】上記支持装置により支持された走行可能支持状
態にある高所作業車の後面図である。
【図3】上記支持装置と従来製品との構成比較のための
模式図である。
【図4】上記支持装置の拡大図である。
【符号の説明】
2 車体 3a,3b 前後輪 4 旋回台 5 ブーム 9 作業台4 12 アウトリガビーム 15 アウトリガジャッキ 17 インナーポスト 18 ローラ 20 回転中心 21 回転ストッパー 22 ローラ取付部材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を有して走行可能な車両と、 前記車両上に配設された昇降装置と、 前記昇降装置に取り付けられて前記昇降装置により昇降
    移動される作業台と、 前記車両の側部に配設されて前記車両を支持する複数の
    ジャッキと、 前記複数のジャッキのそれぞれの下端に車幅方向に揺動
    自在に枢設されたローラ取付部材と、 前記ローラ取付部材に前記車両の走行方向に回転自在に
    枢支されたローラとで構成され、 前記ローラを接地させて前記複数のジャッキにより前記
    車両を支持するとともに前記車両を走行させることが可
    能なことを特徴とする高所作業車の支持装置。
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